('A`)は案山子のようです
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('A`)「暇だなあ」
( ^ω^)「おチュンチュンwwwおチュンチュンwww」
('A`)「そこの豚雀 誰の許可で作物を食っているんだ」
( ^ω^)「知ったことじゃねえおwww米うめえwwww」
('A`)「やれやれ」
('A`)「とはいっても辞めさせないとだめだよなあ」
('A`)「でも俺案山子やし 動けんし。どうしたものか」
('A`)「そんなこと言ってる間に作物が次々と・・・」
('A`)「ああ、人間たちが頑張って作った米が食われてゆく。スズメがおいしそうに食べている」
('A`)「米ってうまのかなあ」
ξ゚听)ξ「チュンチュン」
('A`)「こりゃかわいらしい雀。メスかな」
( ^ω^)「おっおっ」
('A`)「こいつ興奮してやがる」
('A`)「お、豚雀がアプローチをかけているぞ」
('A`)「おお、つっつかれてるつっつかれてる」
('A`)「これが噂のチュンデレってやつか」
( ^ω^)「いたいお」
ξ゚听)ξ「ふんっ」
('A`)「ああ、飛んでっちゃった。見事にフられたな」
( ;ω;)「ウッウッッ」
('A`)「あらら、泣いちゃったよ」
( ^ω^)「米うめえwwww」
('A`)「早くも立ち直ったよ」
( ^ω^)「あんたいつもここで突っ立って何してんだお」
('A`)「仕事だ」
( ^ω^)「何もしてないのに仕事かお。楽なもんだお」
('A`)「してなくもないんだが」
('A`)「主にお前たちみたいなのから米とか米とか主に米とか守るのが仕事だ」
( ^ω^)「守れてないお」
('A`)「だよなあ。でも俺動けないし」
( ^ω^)「ごはんは食べてるのかお」
('A`)「ごはん?米のことか?」
( ^ω^)「そうだお。ミミズとかも結構いけるお」
('A`)「そうはいうがなあ」
( ^ω^)「うちの親父もそうだお。あまりごはんをたべなくなってから動かなくなったお」
('A`)「そうなのか」
( ^ω^)「あれ?動かなくなってからごはん食べなくなったんだっけ?」
( ^ω^)「まあどっちでもいいお」
( ^ω^)「そんなことより物は相談だお」
('A`)「一応俺はお前の敵なんだがなあ」
( ^ω^)「さっきのあの子のことだお」
('A`)「ほうほう」
( ^ω^)「もし今度見かけたら、ブーンはとってもすごいやつだって言っといてほしいお」
('A`)「自分で言えばいいだろうに」
( ^ω^)「そこをなんとか」
('A`)「まあそれくらいなら…というかお前ブーンっていうのか」
( ^ω^)「みんなそう呼ぶお」
('A`)「ああ、いってしまった」
('A`)「了承してしまったがいちおうおいはらうべき相手なんだがなあ」
('A`)「まあどっちにしろ暇だったしな」
('A`)「これは…仕事なのだろうか」
('A`)「おや、さっきの子だ」
ξ゚听)ξ「チュンチュン」
('A`)「おいこら、勝手に米を食うんじゃない」
ξ゚听)ξ「きゃ、びっくりした!急に声掛けないでよ!びっくりするじゃない!」
('A`)「…すんません」
ξ゚听)ξ「それにしてもあんたぶっさいくね」
('A`)「いきなり失礼な雀だなあ」
ξ゚听)ξ「ほかの畑のあんたみたいのはもっとかっこうよかったわよ」
('A`)「あいにく俺はこの畑のことしか知らんのよ」
ξ゚听)ξ「そうなの。もったいないわね」
('A`)「何がだ」
ξ゚听)ξ「この畑のほかにもたくさんの場所があるのにあなたはここしか知らないじゃない」
('A`)「それがもったいないというのか」
ξ゚听)ξ「そうよ」
('A`)「そうか」
('A`)(ほかのばしょは、そんなにいいところなのだろうか)
ξ゚听)ξ「どうしたの?」
('A`)「俺はな、お前たちのように羽がないからとべない。足が一本しかないから人間のようにあるけない
その足も地面にささえられてようやく立っていられるんだ。とてもほかの場所になんていけない」
ξ゚听)ξ「なぜ、そうなのかしら」
('A`)「さてね」
('A`)「そういえば、あのブーンとか言うスズメがいるだろう」
ξ゚听)ξ「いるわね」
('A`)「あいつすごいぞ」
ξ゚听)ξ「へえ、なにが?」
('A`)「…え?」
ξ゚听)ξ「だからあいつの何がすごいというの?」
('A`)「なにって・・・ほら、すごいじゃないか…みるからに」
ξ゚听)ξ「そうかしら?たとえばどんな所が」
('A`)「え・・・と・・・ほら!あれだ!すごいデブだ!」
ξ゚听)ξ「たしかに!」
('A`)ξ゚听)ξ「あっはははははっは!!」
( ^ω^)「なにかとてつもなく馬鹿にされてる気がするお」
(´・ω・`) 「ばーか」
( ^ω^)「うるさいお」
――数日後
川 ゚ -゚) 「カァーカァー」
( ^ω^)「うげげ、烏だお」
( ^ω^)「かかわりたくないから僕は帰るお」
('A`)「じゃあな」
川 ゚ -゚)「カァー!」
('A`)(なんだ、俺に威嚇してるのか?)
川 ゚ -゚)「カジカジ」
('A`)「ちょ…おまっ、噛むな!」
川 ゚ -゚)「ほう、私の姿をみて逃げないやつは初めてだな」
('A`)「流れるようなきれいな黒い羽根…間違いない、カラス…!」
川 ゚ -゚)「面白いやつだ」
('A`)「こっちとしてはあまり面白くないぞ。見ろ、軸の棒がボロボロだ」
川 ゚ -゚)「元からだろうそれは」
('A`)「うぐぅ」
('A`)「しかし、おもったより大きいな」
川 ゚ -゚)「この辺にはスズメとかの小型の動物しか生息していないからな。私は比較的大型かも知れん」
('A`)「小難しい言葉をつかうやつだ」
川 ゚ -゚)「気に食わんか」
('A`)「いやべつに」
('A`)「しかし、珍しいな。カラスはこの辺では見かけなかったが」
川 ゚ -゚)「ここから太陽が昇ってから真上にくるまでの間飛ぶと人間たちの里がある私はそこから来た」
('A`)「そりゃ難儀だな。何かあったのか」
川 ゚ -゚)「私たちは人間たちの”おこぼれ”を食べて生活していたのだがそれが気に食わんらしくてな。追い出されたよ」
('A`)「難儀だな」
川 ゚ -゚)「難儀だ」
川 ゚ -゚)「実のところ人間を出し抜いて生活することは可能だったのだ」
('A`)「ほう」
川 ゚ -゚)「しかし私は人間の里を去ることにしたのだ」
('A`)「それまたどうして」
川 ゚ -゚)「わからん」
('A`)「わからんか」
川 ゚ -゚)「私はしばらくそこの森で滞在させていただくとしよう」
('A`)「森?」
川 ゚ -゚)「お前の後ろにあるじゃないか」
('A`)「うしろ…見たことないな」
川 ゚ -゚)「難儀だな」
('A`)「難儀だ」
( ^ω^)「うひひいーwwwお米おいしーwww」
(´・ω・`)「ああ、そんなに食い散らかして。また太るよ」
('A`)「済まない人間たち。俺はもう案山子として意味がないみたいだ」
('A`)「でもそれなら俺は何なんだ」
('A`)
('A`)「おれは」
( ^ω^)「何をぶつぶついってるんだお」
(´・ω・`)「そういえばさいきんずいぶん遠くの人間の里から動物がきてるらしいね」
( ^ω^)「そういえば、そんなことツンがいってたお」
('A`)「そういえばあのカラスも人間の里から来たと言っていたな」
川 ゚ -゚)「そのとおりだ」
('A`)「うお、後ろから話しかけるなよ。びっくりするだろ」
( ^ω^)「ひぎぃいい!カラスだおおお!」
川 ゚ -゚)「騒々しいな、ブーンとやら。私はお前に危害を加える気はない」
( ^ω^)「ならいいお」
('A`)「いいのか」
川 ゚ -゚)「私はクーとでも呼んでくれ。里ではそう呼ばれていた」
(´・ω・`)「ぼくはショボンだよ」
('A`)「…」
('A`)「やれやれここもすっかり溜まり場だな」
( ^ω^)「サーセンっすwwww」
川 ゚ -゚)「そういえば、お前には名前があるのか?」
('A`)「ない」
( ^ω^)「そいつはドクオだお」
('A`)「はぁ?」
(´・ω・`)「ぼくらの間ではそう呼んでるんだよ」
( ^ω^)「おっおっ」
('A`)「ドクオ…じゃあおれはドクオだ」
川 ゚ -゚)「いいのか」
ξ゚听)ξ「あら、みんな揃って何してるの」
( ^ω^)「あっツン!いまあ2wせdrft6y7 つつくなお!つつくなお!」
ξ゚听)ξ「あ、あんたいきなり顔が近いのよ!」
('A`)「俺の肩の上であばれるな。きしむだろ」
ξ゚听)ξ「へえ、人の里から逃げてきた子たちの話してたんだ」
( ^ω^)「でも不思議だお。人の里は食べ物に苦労しないわ住み家には苦労しないわでいいところって聞いてたお」
(´・ω・`)「そんなところからわざわざ来るなんて変だよね」
('A`)(そういえば人間たちはこの畑に来なくなったな)
ξ゚听)ξ「何ひきかと話したけど、それがどうもわからないらしいのよね」
(´・ω・`)「なにがわからないんだい」
ξ゚听)ξ「なんでここに来たのかが、よ。逃げてきたっていうのが一番しっくりくるみたいよ。よくわからないけど」
('A`)「お前もそうなのか」
川 ゚ -゚)「そうだな、よくわからんが、逃げてきたという方があっているだろうな。何から逃げてきたのか、私にもわからんが」
('A`)「人間からじゃないのか」
川 ゚ -゚)「人間も私たちを恐れたり嫌ったりはするが滅多なことで殺そうとはしない。人間を怒らせなければ実際ブーンの言う通り、住みやすいのだから」
ξ゚听)ξ「私たちを追い払うのにドクオを使うくらいだものね」
('A`)「相変わらず失礼なやつだ」
( ^ω^)「そうなると、僕らにはいくら考えてもわからないってことだおね」
川 ゚ -゚)「そうだな。当事者ですらわからんのだからな」
ξ゚听)ξ「ブーンじゃ一生かかってもわからないでしょうけどねー!」
( ^ω^)「な、なにおー!!」
(´・ω・`)「ああ、二人ともまってよー」
川 ゚ -゚)「全く騒々しいやつらだな」
('A`)「まったくだ」
68 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/21(日) 04:16:39.89 ID:VweP0ffZO
_
( ゚∀゚)「おんや、カラスと案山子がなかよさそうにしてるなんてめずらしい」
('A`)「やけに派手な鳥だなあ。鳥だけに色とりどり…なんてな」
川 ゚ -゚)「それでうまいこと言ったつもりか」
('A`)「なんかすみません」
_
( ゚∀゚)「アハッハハh!色とりどりと鳥をかけたのか!!こりゃあ一本とられた!あっはあはははh!」
('A`)「……」
川 ゚ -゚)「ドクオ、その得意そうな顔でこっち見るのやめろ」
_
( ゚∀゚)「失礼、俺はジョルジュ長岡。俺はインコで長岡っていう人間と旅をしてたんだからジョルジュ長岡」
川 ゚ -゚)「で、そのジョルジュ長岡さんがなぜここに」
_
( ゚∀゚)「逃げてきた」
('A`)「お前さんも原因不明の逃亡者かい」
_
( ゚∀゚)「いんや、長岡に食われそうになってな。それで逃げてきた。まいったよあはは」
('A`) 川 ゚ -゚)「……」
_
( ゚∀゚)「なかなか豊かな土地だな。しばらくここに住み着くとするかねえ」
('A`)「あんた、旅をしたって言ったな」
_
( ゚∀゚)「ああ、そうだよ」
('A`)「どんなばしょに行ったんだ?」
_
( ゚∀゚)「そりゃあいろいろさあ。何なら今度はなして聞かせてやるよ」
('A`)「ほんとか」
_
( ゚∀゚)「おうよ」
('A`)「なんか向こうでくねくねしてるものあるなぁ…」
くねくね
('A`;)
川 ゚ -゚)「変わったやつだな」
('A`)「お前も十分変わったやつだと思うが」
('A`)「OK、おちつけ。俺が悪かったから噛まないで」
川 ゚ -゚)「それよりお前、ジョルジュの話を聞きたいのか」
('A`)「わからん」
川 ゚ -゚)「わからんか」
(´・ω・`)「また住人が増えたようだね」
( ^ω^)「まあ、こちらに危害を加えて粉ければ僕は歓迎するお」
(´・ω・`)「あれ、新参を隠れ見してるのツンじゃない?」
ξ゚听)ξ「ジョルジュさんって…素敵…」
( ^ω^)「ぼくは決してやつをゆるさない!」
(´・ω・`)「はあ・・・やれやれ」
_
( ゚∀゚)「・・・で、一週間後そこには元気に走り回るジョンの姿が!」
('A`)「なるほど!」
_
( ゚∀゚)「ありゃ、もうこんな時間か」
ξ゚听)ξ「ええー、もうおわりー?」
_
( ゚∀゚)「ごめんな嬢ちゃん。また今度な」
(#^ω^)「・・・・・・」
ξ゚听)ξ「あら、ブーン。不機嫌じゃない。何かあったの?」
(#^ω^)「なんでも・・・ないお」ビキビキ
ξ゚听)ξ「そうは見えないんだけど・・・」
( ^ω^)「もう・・・帰るお」
ξ゚听)ξ「?」
('A`) 川 ゚ -゚)「難儀だな」
ξ゚听)ξ「??」
川 ゚ -゚)「ジョルジュ」
_
( ゚∀゚)「ん?クーさんか」
川 ゚ -゚)「インコとは人語を解するという」
_
( ゚∀゚)「まあね」
川 ゚ -゚)「お前は人間と意思疎通が可能なのか?」
_
( ゚∀゚)「やけに難しい言葉をつかうねえ」
川 ゚ -゚)「どうなんだ」
_
( ゚∀゚)「まあすこしなら」
川 ゚ -゚)「そうか・・・ありがとう」
_
( ゚∀゚)「いや、なんの」
_
( ゚∀゚)「いっちまったか」
_
( ゚∀゚)「あの話し方がクーさんの距離の取り方なのかもなあ」
_
( ゚∀゚)「難儀なことだ」
川 ゚ -゚)「他種との意思疎通…鳥と人間の間には成立する。なら鳥と案山子の間にも意思疎通は成立するのだろうか」
川 ゚ -゚)「わからない」
川 ゚ -゚)「・・・・」
川 ゚ -゚)「・・・・わからない」
('A`)「今日は雨か」
('A`)
('A`)「雨かあ」
('A`)
('A`)「暇だな」
(´・ω・`)「あめだ」
( ^ω^)「これじゃあドクオのところいけないお」
ξ゚听)ξ「そうね」
(´・ω・`)「ドクオ・・・ひとりぽっちのドクオ」
( ^ω^)「それはぼくがつけたあだ名だお」
(´・ω・`)「ドクオは今さみしいのかな」
その夜のことだった。
( ^ω^)「な、なんだお!!!」
ξ゚听)ξ「きゃああ!」
(´・ω・`)「地面が・・・ゆれてる!?」
大雨大風に加え
地震が起こった
震源地は
人間の里
川 ゚ -゚)「ゆれは・・・治まったか」
川 ゚ -゚)「しかしこの風この雨ではしばらく動けないな」
_
( ゚∀゚)「おさまったかあ」
_
( ゚∀゚)「なんかいか地震にあったことがあるがこれはでかいな」
_
( ゚∀゚)「・・・」
夜が明ける
太陽があらしの終わりを告げ、辺りを照らす
_
( ゚∀゚)「こりゃ・・・ひどいな」
_
( ゚∀゚)「ん?ありゃウミネコさんじゃないか。なぜこんなところに」
(,,゚Д゚)「あわわわ」
_
( ゚∀゚)「おまけにあんなに慌てて」
(,,゚Д゚)「へ?インコ?なんでこんなところに」
_
( ゚∀゚)「あんたも相当場違いだと思うが」
_
( ゚∀゚)「何があったか詳しくおしえてくれや」
(,,゚Д゚)「おれもなにがなんだか・・・。台風が来るってんでよそからたくさんの人間が避難してきてたんだが
来たんだが・・・」
(,,゚Д゚)「いきなり地面が怒り出してな・・・そりゃひどいもんだったよ。地面は割れるわ人間の家は壊れるわ。
それで火がついて里ごと焼けてるんだよ・・・」
_
( ゚∀゚)「こっちはまだましな方か・・・」
('A`)「ああ」
('A`)「あれが空かあ。見上げてみると高いもんだな」
('A`)「あれが森か」
('A`)「あそこにみんないるんだな」
('A`)「しかしまいった」
('A`)「体がバラバラになっちまった」
( ^ω^)「ドクオがいないお!」
(´・ω・`)「かぜで飛ばされちゃったのかな」
ξ゚听)ξ「あ!こっちにいるわよ!」
ξ゚听)ξ「・・・・・・・」
('A`)「よう三馬鹿スズメ」
川 ゚ -゚)「ドクオ・・・」
ξ゚听)ξ「あ、クーさん」
('A`)「とうとう姿かたちまで案山子じゃなくなっちまった」
川 ゚ -゚)「大丈夫なのか」
('A`)「そうみたいだ」
_
( ゚∀゚)「長岡から聞いたことがあるな」
_
( ゚∀゚)「人間以外の動物は危険を嗅ぎつけるのうりょくが強いって」
_
( ゚∀゚)「謎の逃亡者のしょうたいはこれか」
「そう、そのとおりだジョルジュ」
_
( ゚∀゚)「あんたは」
('A`)「いがいと悪い気分じゃない」
('A`)「今まで見れなかったものも見れるしな」
('A`)「しかしもうみんなが俺の肩にとまることもないのはうれしいようなさみしいような」
川 ゚ -゚)「わたしが噛んだりしたから・・・折れてしまったのか」
( ^ω^)「ぼくたちがつついたから布がはげてしまったのかお」
ξ゚听)ξ「わたしがドクオの上で暴れたから紐ゆるんでしまったの?」
(´・ω・`)「ぼくが・・・」
('A`)「ちがうぞ」
('A`)「たしかにおまえらにやられた傷は億千万」
('A`)「でもそれがあってもなくても今日俺は壊れただろう」
('A`)「頭だけになってしまったが、作物はだめになってしまったが、案山子じゃなくなったが俺はドクオになれたよ」
('A`)「ありがとう」
_
( ゚∀゚)「ドクオさん」
('A`)「ジョルジュか」
_
( ゚∀゚)「やっぱり壊れちゃったか」
('A`)「軽量化だ」
('A`)「ところでそこの人間は誰だ}
人間「―――――-」
_
( ゚∀゚)「―――――」
人間「―――――――」
_
( ゚∀゚)「無理なダイエットはいかんですよ、と彼が」
('A`)「余計な御世話だ。というかだから誰なんだ」
_
( ゚∀゚)「俺の主、長岡さ」
('A`)「なに?」
('A`)「どうしてここに」
_
( ゚∀゚)「いやね、長岡は俺が逃げた後しばらく人間の里にいたらしいんだけどおいだされたんだと。
それで流れ流れてそこの人間の集落まできたら誰もいない。しめしめと思ってそこで飯を食い今日まで暮らしてたんだと」
('A`)「最低だな」
_
( ゚∀゚)「ああ最低だね」
('A`)「いつの間にか三馬鹿スズメがいないな」
_
( ゚∀゚)「無理もない、人間が近づいたんだもの」
_
( ゚∀゚)「クーさんは逃げてないみたいだけどね」
川 ゚ -゚)「・・・・・・まさかそいつ私らを食べるとか言わんだろうな」
_
( ゚∀゚)「――――――?」
長岡「――――www」
_
( ゚∀゚)「カラスは美味しくないから食べないよwwwwと彼が」
長岡「―――――」
_
( ゚∀゚)「でもインコは美味しんだよね、と彼が」
_
( ゚∀゚)「ってうわあああああ!」
('A`)「で、その人間さんは俺に何か用なの」
_
( ゚∀゚)「ドクオさん。今あなたに3つ選択肢がある。一つは長岡に頼んであなたを修理してもらいまた案山子として生活する。
もう一つはこのままの状態で生活する。二つとも今までとそう大差ない生活ができるとおもう」
('A`)「もう一つは」
長岡「――――――」
_
( ゚∀゚)「長岡はドクオさんに興味を持っている。一緒に旅をしないか、と言っている」
川 ゚ -゚)「まってくれ」
_
( ゚∀゚)「ドクオさんを引き留めるの?クーさん」
川 ゚ -゚)「・・・・・・」
_
( ゚∀゚)「いや、ちがうか」
_
( ゚∀゚)「―――――」
長岡「―――――」
('A`)「・・・・・・」
長岡「―――――」
( ゚∀゚)「―――――」
女学生「ああ、長岡教授。生きてたんですか?」
長岡「ひどいなあ。そういう言い方ってあるかい?」
長岡は長い旅を終え、自らの研究室を構える大学へと帰ってきていた。
女学生「だって、例の大地震のあったころその周辺にいたらしいじゃないですか」
長岡「ああ、その時運よく東京を離れていたからね。何とか無事だったよ」
女学生「ジョルジュちゃんも元気ですか」
長岡「もちろんだとも」
女学生「教授のことだから食べたと思いましたよ」
長岡「ははは。一回逃げられたよ」
女学生「・・・・・・」
女学生「ジョルジュちゃんひさしぶりー」
インコ「オッパイ!オッパイ」
女学生「相変わらずのセクハラっぷりだねー・・・それと」
女学生はジョルジュの籠の隣にいるおとなしい聡明そうなカラスに目をやる。
長岡「ああ、その子はあたらしい旅の仲間さ」
カラス「…・・・」
そして無造作にリュックに刺されたバスケットボール大の球体。
そこには不細工な顔が描かれていた。
女学生「これはなんです?」
長岡「私の旅仲間、案山子のドクオ君だ」
そういいながら恭しく顔の描かれた汚い布を外す。
外された球体から黒ずんだわらが露出する。
女学生「それどうするんです?」
長岡「僕の旅は終わった。でもドクオ君の度は終わらない」
そういうと長岡はカラスの首にスカーフのようその布をに巻きつけた。
そのあとジョルジュとカラスが向きあいくちばしを動かした。
まるで言葉を交わすかのように。
そのあと、ぴょんぴょんとあいている窓まで移動し、こちら向いた。
静かに短くカァ、と啼き
窓から 飛び立っていった。
女学生「教授、今回はどこへいかれたんですか?」
カラスが見えなくなるまで送った後、長岡が振り返る。
長岡「話して聞かせよう。長くなるぞ」
庭では三羽の雀が無邪気そうに戯れていた。
end
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