ミセ*゚ー゚)リ神様inサイダーのようです(゚、゚トソン (http://yutori7.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1258892199/)
1 名前: ◆xJGXGruetE :2009/11/22(日) 21:16:39.39 ID:aBcqPB2LO
 
ミセ*゚ー゚)リ神様inサイダーのようです(゚、゚トソン
 
前回あらすじ
 
引きこもりが屋上でサボリんぐ
 
 
昨日の続き
特に山もなくなだらかに最終回。
 
のんびり投下。
 
 
 
まとめていただいたサイトさん
 
ブーン系小説グループさん
ブーン文丸新聞さん

うrl付き書けず

2 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/22(日) 21:19:12.36 ID:aBcqPB2LO
 
           〜 後編A 〜
 
 
心のどこかで気付いていたのかもしれない気持ちを、あからさまに指摘されたから。
 
引きこもった理由。
私が全部どうでもよくなった理由。
 
何もわからなかったあの頃、お兄ちゃんが笑ってくれて、あの家に住む事が出来て。
ただ何もわからずに、私は悲しみを乗り越えて笑うことが出来る様になっていた。
 
 
神様がくれた幸せ。
 
 
でも、それはいつしか私を1人にしてしまった。
 
 

3 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/22(日) 21:21:47.55 ID:aBcqPB2LO
 
2度目のチャイムが鳴る。
時間切れの合図が鳴った。
 
ミセ*゚ー゚)リ「チャイムが鳴ったよ。次は数学だっけ? 戻らないとまずいでしょ、号令かける人いないし?」
 
私は早口でまくし立てるように委員長に提案する。
しかし、委員長は私の方をじっと見詰めるだけで、立ち上がろうとはしない。
 
ミセ*゚ー゚)リ「どしたの? 委員長がサボりは流石に……」
 
(゚、゚トソン「何故、私は委員長と呼ばれるのでしょうね?」
 
ミセ;゚ー゚)リ「は?」
 
突然の事に私は間抜けな声を上げるしか出来なかった。
何を言い出すのかと思えば、委員長が委員長である理由など1つしかないだろう。
 
ミセ;゚ー゚)リ「そ、そりゃあ、委員長がクラスの委員長だからじゃないの?」
 
(゚、゚トソン「現在の所は確かにそうですね。しかしながら」
 
委員長は腕を胸の下辺りで組むような形にし、右手の人差し指をまっすぐに上に伸ばして続ける。
 

4 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/22(日) 21:23:12.17 ID:aBcqPB2LO
 
d(-、-トソン「学年が変わって早々、まだクラス委員も何にも決まってない内からそう呼ばれるんですが」
 
ミセ;゚ー゚)リ「ああー……」
 
何故か初対面の人もそう呼び、いつの間にかクラス中に伝播して、当然のごとくクラス委員に自分がつくような流れになる
と委員長は言う。
私が納得したように頷くと、委員長は眉間に皺を寄せた。
 
(゚、゚トソン「先程の話にありました、流れを読むというのが可能であるなら、この流れの理由も読めますか?」
 
ミセ;゚ー゚)リ「いや、それは読まなくてもわかるよ……」
 
(゚、゚;トソン「なんですと!?」
 
心底驚いた顔を見せる委員長。
何の話かと思えばそこに繋がるのか。
委員長が何を意図してそういう話に繋げたかったのかよくわからないが、先の件ならそう驚く話じゃないだろう。
 
(゚、゚;トソン「では、あなたには私が委員長と呼ばれる理由がわかるんですか?」
 
ミセ;゚ー゚)リ「見た目」
 

5 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/22(日) 21:25:31.04 ID:aBcqPB2LO
 
(゚、゚;トソン「見た……目……」
 
即答する私に、またも驚く委員長。
少しは意識してああいう髪型にしてるのかと思ったが、どうやら生粋の天然絞りらしい。
見た目から立ち居振る舞い、話し方までパーフェクトに委員長だというのに。
 
(゚、゚;トソン「そういう話なのですか?」
 
ミセ;゚ー゚)リ「むしろ気付いていない委員長がすげーよ」
 
私は委員長の容姿や話し方の1つ1つを例に挙げて説明していく。
委員長はその1つ1つに頷いたり驚いたり、今までの中では一番表情をころころ変えて見せてくれた。
 
ミセ*゚ー゚)リ「眼鏡はポイント高いよ。コンタクトならだいぶ下がる」
 
(゚、゚トソン「眼鏡ですか……。コンタクトはちょっと怖いですから変えようがないですね」
 
高価なものだしと委員長は言う。
私としては、委員長はそのまま委員長然としていた方が似合ってると思うのだが、ひょっとして本人は嫌がっているのだろうか?
 
(゚、゚トソン「嫌というわけではないのですが……その、誰も苗字ですら呼びませんしね……」
 
違うクラスの子にまで委員長と呼ばれるのだと苦笑いを浮かべる委員長。
その姿が容易に想像出来るのが笑えてしまう。
 

6 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/22(日) 21:27:23.84 ID:aBcqPB2LO
 
(゚、゚トソン「笑わないでくださいよ。一応悩んでいるのですから」
 
ミセ*゚ー゚)リ「ごめん、ごめん。でもまあ、仕方ない部分もあると思うよ?」
 
(゚、゚トソン「仕方ないと言われましても、私はそういうのを意識してるわけでなく、単にそのままでいるだけなのですが」
 
ミセ*゚ー゚)リ「まあ、そうなんだろうけどね、他人がどう受け取るかはその人しだいだからさ」
 
(゚、゚トソン「それはそうなんですが」
 
ミセ*゚ー゚)リ「別に委員長って呼ばれた所で、実害はないでしょ?」
 
(゚、゚トソン「……実害ですか。そうですね……」
 
委員長はそこで言葉を切り、大きく息を吸い込む。
何事かと思う間もなく、委員長は再び口を開く。
 
(゚、゚トソン「まず、何かにつけて先生に呼ばれます。用事は主に雑用。至極どうでもいいような事で呼ばれることもあります。
     委員長を便利屋か何かと勘違いしていらっしゃるのですかね? これはまた、同級生にも同じ様な事が言えます。
     委員長がやってくれるから、みたいな態度が見て取れます。先日の掃除の件などがよい例ですね。
     あんな風に放置され、誰かがやってくれる的な空気になった時に一斉にこちらに視線が集まります。
     その場合、まず私が何か言わないと妙な沈黙が続きますし、気まずい事この上ないので仕方なく引き受けますが、
     その返事もあらかじめ私が受ける事を前提に考えられたようなものがほとんどで、画一的なものばかりです。
     大体、委員長に立候補した事は1度もなく、全ては他薦によるもので、時には知らない人から他薦を──」
 
ミセ;゚д゚)リ「ちょ、ま、ストップ、ストーップ!」
 

7 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/22(日) 21:30:13.92 ID:aBcqPB2LO
 
早口に、しかし聞き取りやすいはっきりとした口調で苦情を並び立てる委員長。
顔色1つ変えずに言うその姿は、ほんの少し恐ろしさを感じさせたが、委員長も人間なのだから不平や不満の1つや2つ
あって当然だ。
 
1つや2つ所の騒ぎじゃなさそうだが。
 
ミセ;゚ー゚)リ「そんなに委員長やるの嫌だったの?」
 
(゚、゚トソン「いえ、そのこと自体は嫌ではありませんよ」
 
誰かやクラスやの為に何かをすること自体は嫌ではないと委員長は言う。
人の役に立ち、感謝される事はたとえ自己満足でも気持ちが良いものだと。
 
(゚、゚トソン「嫌いなのはそれをいい事に、自分がやるべきことを果たそうとしない人です」
 
ぴしゃりと言い放つ委員長。
私は、その堂々たる口ぶりに何故か拍手をしていた。
 
(゚、゚;トソン「何故拍手を?」
 
ミセ*゚ー゚)リ「いや、何となく?」
 

8 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/22(日) 21:33:17.52 ID:aBcqPB2LO
 
聞かれても私もよくわからずに拍手をしていたのだから答え様がない。
強いて言うなら、演説が終わったから拍手をしなきゃいけない空気になったからぐらいだろうか。
 
そんな私に毒気を抜かれたのか、委員長は首を振り、先程よりは柔らかく感じる口調で言う。
 
(-、-トソン「まあ、悪い事ばかりでもないのですけどね」
 
当然、先生の受けは良いし、先の様な件でも注意したりする大義名分が出来るという。
 
(゚、゚トソン「それに、私の場合は家の事情も知られてますので、昨日のダイオードさんのように、気を使ってくれる人もいますしね」
 
ミセ*゚ー゚)リ「家の事情?」
 
両親が不在で、弟妹達の世話をしている話だと委員長は言う。
何でそんな話がクラスのみんなが知る所になっているのかと言うと、先生が美談として皆に話したらしい。
 
(゚、゚トソン「流石に後で抗議しに行きましたけど」
 
そんな事は自分の私事であって、みんなが気にする話ではない。
ましてや美談でもなんでもないのだからと委員長は言う。
 
(゚、゚トソン「よく、大変だねとか言われる事もありますが、大変でもなんでもないんですよ」
 

9 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/22(日) 21:35:02.14 ID:s7UZWSavO
しえーん

10 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/22(日) 21:36:46.21 ID:fyEacA0qO
支援

11 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/22(日) 21:36:47.35 ID:aBcqPB2LO
 
確かに育ち盛りの子供の相手をするのは疲れる事もあるが、それ以上に楽しい事も多いのだと言う。
面倒でもなんでもない、自分が好きでやってる事なのだと。
 
ミセ*゚ー゚)リ「あの子達かわいいしね」
 
(゚、゚トソン「ええ」
 
ミセ*゚ー゚)リ(謙遜も何もなしに即答とは、こいつはやはり親馬鹿……)
 
(゚、゚トソン「何か?」
 
ミセ*゚ー゚)リ「ううん、何でも。しかし、ヒートちゃん、えらくしっかりした子だね。小学生だよね?」
 
なかなか勘の良い委員長に、私はそ知らぬ顔で話題を少しずらす。
言ってみて思う事は、確かにヒートちゃんはしっかりしていたなという事だ。
しっかりし過ぎているくらいに。
 
(゚、゚トソン「やはりそう思われますか? 普段は子供らしいのですが、時折ものすごくしっかりして見える事があるんですよ」
 
面倒見の良いお姉ちゃんの部分は普段からあるのですがと委員長は呟く。
委員長も含め、兄弟の仲はとても良好に見えるのが微笑ましい。
 

12 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/22(日) 21:38:13.90 ID:tWjD73WxO
支援します

13 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/22(日) 21:39:00.14 ID:aBcqPB2LO
 
(-、-トソン「両親はそれほどしっかりしていないのですけどね。全く誰に似たのやら……」
 
確実にお前だよというツッコミは飲み込み、軽く頷く。
弟妹達の話をしている時の委員長は本当に楽しそうだ。
委員長にとって家族がとっても大切なものだというのはよくわかる。
 
そんな委員長を眺めていたら、目が合った委員長は急に顔を引き締め、すまなさそうに口を開く。
 
(゚、゚トソン「すみません、配慮が足りず……」
 
私はそんなに羨ましそうにでも見ていたのだろうか?
委員長は私の前で家族の事を楽しそうに話した事を謝って来たようだが、何度も言うように気にしないで欲しいものだ
 
家族なら私にもまだいるのだから。
 
ミセ*゚ー゚)リ「いいってば。もう慣れたんだし。それより、だいぶ話がずれたみたいだけど……」
 
そもそも私の話をしていたはずが、いつの間にか委員長の話になっていた。
もう授業開始のチャイムが鳴ってから結構経ってしまっている。
今からでも委員長を授業に行かせるべきだろうか。
 


14 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/22(日) 21:42:12.08 ID:aBcqPB2LO
 
(゚、゚トソン「そうですね。話が逸れてしまいました、すみません」
 
また謝ってくる委員長だが、私としては委員長の事の話は面白かった。
委員長の意外な一面というか、知らなかった事を色々知る事が出来てよかったと思う。
 
(゚、゚トソン「ですが、あながちそれほど逸れたわけでもないのですよ」
 
ミセ*゚ー゚)リ「どゆこと?」
 
(゚、゚トソン「私も委員長と呼ばれ、委員長としての役割はこなしていますが、それ以外の面も持っています」
 
ミセ*゚ー゚)リ「そりゃそうだろね」
 
至極当たり前の事を言う委員長。
未だにその意図がわからず、私は首を傾げて委員長を見る。
 
しかし、委員長がふとため息をついたかと思うと、急に視界から消えた。
それが委員長が後ろに倒れ込んで、仰向けに寝転がったのだと気付くのにはさほど時間はかからなかった。
 
(-、-トソン「数学は苦手なのですよ」
 
ミセ;゚ー゚)リ「は?」
 

15 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/22(日) 21:44:38.00 ID:aBcqPB2LO
 
寝転んだ委員長がぽつりと呟いた。
私はしばしその意味を考えていたが、考え付く前に委員長が再度口を開く。
 
(-、-トソン「満腹で午後一の数学はだるいです。たまにはサボりたい事もあります」
 
ミセ;゚ー゚)リ「へ?」
 
(゚、゚トソン「委員長でもね」
 
ミセ*゚ー゚)リ「……ハハ」
 
私は委員長と同じ様に、勢いよく後ろに倒れ込んだ。
青い空が視界一面に広がる。
 
何ともまどろっこしい前置きだったが、要するに話を続けようという提案だったのだろう。
委員長だからって、絶対授業をサボっちゃいけないわけでもないと。
 
いや、本来は授業はサボるべきものじゃないよね、うん。
私が言うなという話は置いといて。
 
ミセ*゚д゚)リ「回りくどい。つーかわかりにくい」
 
(゚、゚トソン「そうですか? それはあなたの理解力の問題では?」
 

16 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/22(日) 21:47:05.58 ID:aBcqPB2LO
 
ミセ*゚д゚)リ「いーや、10人が聞いて10人共わかりづれーよって突っこむレベルだよ」
 
(゚、゚トソン「そうですかね? 理路整然としてたはずですが」
 
ミセ*゚д゚)リ「大体初日から、あのカレーの例とかわけわかんない話してたしさ」
 
(゚、゚トソン「でも、あなたはあれで納得してたじゃないですか?」
 
ミセ*゚д゚)リ「あれは納得してたというか、煙に巻かれただけだよ」
 
(゚、゚トソン「煙に巻かれた等と難しい言葉をよくご存知でしたね」
 
ああだこうだと寝転がったまま言い争いを続ける私達。
数日前まで全く知らなかった人と何をやってるんだろうかと思う話だが、何だかすごく自然に話せていた。
 
そのほとんどが文句なんだけど、それはそれで本音トークだ。
 
くだらない、たわいもない言い合い。
あまりにくだらなさ過ぎて、いつしか吹き出して、笑ってしまっていた。
 
委員長も同じ様に笑っていた。
屈託なく、歳相応のかわいらしい笑いだった。
 

17 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/22(日) 21:50:12.83 ID:aBcqPB2LO
 
ミセ*-ー-)リ「数学嫌いだとか、そんな理由でサボる委員長とか初めて見たわ」
 
(-、-トソン「私も、引きこもり自体初めて見ましたよ。生引きこもり」
 
ミセ*-ー-)リ「生とか言うな。しかし残念、もう学校に来てるから引きこもりじゃないんだな」
 
(-、-トソン「授業をサボってるんだから同じ様なものですよ」
 
ミセ*-ー-)リ「お前もサボってるじゃんか」
 
(-、-トソン「先生には、ミセリさんに脅されてと伝えますので」
 
ミセ;゚д゚)リ「ふざけんなー!」
 
くだらない文句の言い合いもいつしか途切れ、私達はただ空を見ていた。
隣は何を考えているのかわからないが、私自身は色々考えてる事がある。
 
何で自宅で委員長に神様の話をしたのか。
何で委員長の家に行ったのか。
何でまた学校に来たのか。
何で神様の本当の話をしたのか。
 

18 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/22(日) 21:53:02.70 ID:aBcqPB2LO
 
ミセ*-ー-)リ「何でだろう……」
 
(゚、゚トソン「何がですか?」
 
考えてる事がいつの間にか口に出ていたらしい。
こちらを見ている委員長の視線に気付く。
 
ミセ*゚ぺ)リ「何で委員長に色々話しちゃったのかなーって」
 
話したといっても、実際は途中で途切れたままで全部ではないのだが、それでも何故委員長に本当の事を話したのか
私にはわからなかった。
 
しかし委員長は、勤めて平静な調子で答えを提示する。
 
(゚、゚トソン「あなたが話したかったからではないのですか?」
 
ミセ*゚ー゚)リ
 
うん、そうかもしれない。
私が誰かに、委員長に話したかっただけなのだろう。
でも、それを何故かと聞かれたら、やはり私は正直に答える事が出来るだろうか?
 

19 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/22(日) 21:56:05.62 ID:aBcqPB2LO
 
ミセ*゚ー゚)リ「そっちは、何であんな話したの?」
 
話を続ける口実なら、あそこまで回りくどく話さなくてもよかったはずだ。
委員長が私に話した理由は、ひょっとしたら私と……。
 
(゚ー゚トソン「私がミセリに話したかったからでしょうね」
 
ミセ* へ )リ「そっか……同じだね」
 
私は目を伏せ、湧き上がる感情を必死に抑える。
 
こんな単純なことで。
こんな簡単な答えを。
 
はっきりと言える委員長、でも、私は……
 
ミセ* ー )リ(敵わないな……)
 
まっすぐに正直に生きる瞳に、私は憧れたのかもしれない。
早々に諦めた私は、逃げる事を選んだのだ。
最初は何もわからず、気付いた時には遅く。
 

20 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/22(日) 21:59:11.76 ID:aBcqPB2LO
 
本当は遅くなかったのかもしれない。
でも私は、そこで諦めた。
達観したふりで、楽な生き方が出来ると。
 
だから、今度はちゃんと1歩前に出よう。
 
ミセ*゚ー゚)リ「そんな無理に変えようとせず、トソンはトソンらしくればいいんじゃないの?」
 
(゚、゚トソン「え?」
 
ミセ*゚ー゚)リ「さっきの話、委員長らしく見られるってやつ」
 
私は、自分の思ったままを口にする。
その答えは、多分自分自身に向けてのもの。
 
トソンがどんなつもりで私に話をしたのかわからない。
単に愚痴りたかっただけなのか、それとも、私を慮ってなのか。
でも結局それを私が勝手に受け取って、私自身が処理をしただけなのだ。
 
結局私は自分の思いの全てを話していない。
引きこもった本当の理由、諦めた理由。
 
でも、私は気付いた。
 

21 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/22(日) 22:00:55.33 ID:aBcqPB2LO
 
(゚、゚トソン「私らしく……ですか?」
 
ミセ*゚ー゚)リ「そ、自分らしく。どうせ無理に変えたところで、結局自分が出ちゃうんだしね」
 
(゚、゚トソン「自分……ですか……」
 
しばらく考えた後、深く頷くトソン。
私はただ、その様子を見守っていた。
 
私の答えもきっと同じ。
私がやりたい様に私らしく。
 
ミセ*゚ぺ)リ「お?」
 
スピーカーから5限目の終わりのチャイムが鳴り響く。
随分と話し込んでいたらしい。
 
ミセ*゚ー゚)リ「……行きますか」
 
私は勢いよく起き上がり、トソンの方へ身体を向ける。
トソンはゆっくりと上体を起し、私を下から覗き込むように顔を傾けた。
 
(゚、゚トソン「よろしいのですか?」
 
ミセ*゚ー゚)リ「何が?」
 

22 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/22(日) 22:02:10.99 ID:LFWMM0cIO
しえんつかまつる

23 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/22(日) 22:03:11.74 ID:aBcqPB2LO
 
(゚、゚トソン「……いえ、大丈夫のようですね」
 
トソンがどこまでわかっているのか、私にはわからないが、少なくとも私が何かを決めた事は気付いたのだろう。
安心した様な笑みを浮かべている。
 
ミセ*゚ー゚)リ「……明日からも学校行くわ」
 
(゚、゚トソン「はい」
 
ミセ*゚ー゚)リ「自分で起きる」
 
(゚、゚トソン「はい」
 
ミセ;゚ー゚)リ「……かもしれない」
 
(゚、゚トソン「……しばらくは様子見に足を運びます」
 
ミセ*゚ー゚)リ「よろしくね」
 
(゚ー゚トソン「はい」
 
私達は、晴れ渡った空が広がる屋上を後にする。
何も変わってないはずの校内は、ほんの少しだけ居心地が良く感じられた。
 

24 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/22(日) 22:03:17.55 ID:fyEacA0qO
支援

25 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/22(日) 22:05:12.22 ID:aBcqPB2LO
 
・・・・
・・・
 
ミセ*゚ぺ)リ「私と2人の関係って何だと思う?」
 
('、`*川「「……」」/ ゚、。 /
 
帰りのホームルームが終わり、5限目の件で質問攻めに会う前に逆に2人に質問してみる。
2人は呆気に取られた表情を見せた後、何故か気の毒そうな視線をこちらに向けた。
 
('、`*川「……日射病?」
 
/ ゚、。 /「拾い食いでもしたか?」
 
ミセ;゚д゚)リ「何だ、その反応は?」
 
いささか質問が抽象的過ぎたのか、それとも質問自体が何かおかしかったのか、2人の反応は芳しくない。
ペニサスに至っては私の額に手を当てて熱がないか確認してくる始末だ。
 
そういうのではないと否定するが、だったらどういう意味なのだと聞き返されても聞いたままの意味でしかないから
困ってしまう。
 

26 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/22(日) 22:06:29.45 ID:fyEacA0qO
支援

27 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/22(日) 22:07:15.33 ID:aBcqPB2LO
 
ミセ;゚ー゚)リ「いや、だからさ……今こうやって同じクラスだけどさ、その……」
 
/ ゚、。 /「はっきり言え、はっきり」
 
ダイオードの女子にしては大きな手が机に突っ伏した私の頭を掴む。
そのまま俯いてると、徐々に引っ張り起されるというか、引き上げられていく。
 
ミセ;゚д゚)リ「いだだだだ!? 強すぎ! 強すぎ!!!」
 
私の悲鳴にダイオードは離して欲しければ話せと駄洒落かと突っこみたくなる様な交換条件を持ちかけてくる。
話せと言われても話してる事が伝わらないのだからどうしようもないのだが。
 
/ ゚、。 /「お前は何が言いたいのだ?」
 
ミセ;゚ー゚)リ「うーんっと、その、こないだ私が登校してきた時、話し掛けて来てくれたけどさ……」
 
引きこもり脱却初日の話かと聞かれたので無言で頷く。
 
ミセ;゚ー゚)リ「あの時、同じクラスじゃなくても校内で会ったら話しかけて来た?」
 
/ ゚、。 /「……質問の意図がよくわからんが、多分話しかけてただろうな」
 
ミセ*゚ー゚)リ「何で?」
 

28 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/22(日) 22:09:01.96 ID:aBcqPB2LO
 
/ ゚、。 /「珍しいから?」
 
ミセ*゚ぺ)リ「ああ……」
 
まあ、そんなとこだろうと呆れた様に頷くと、珍しくペニサスがダイオードを小突く。
逆はよく見られるが、ペニサスがダイオードをたしなめるのは滅多にない。
 
('、`*川「適当な事言わない。……私もあんたが何言いたいんだかよくわかんないんだけどさ」
 
ミセ*゚−゚)リ「うん……」
 
('、`*川「確実に話しかけてたでしょうね」
 
勿論ダイオードも、とペニサスが言う。
その理由を尋ねようとしたが、それよりも先にペニサスが続けて口を開く。
 
('、`*川「だって友達だしね。……あんたがどう思ってるかはさて置きね」
 
ミセ*゚−゚)リ「友……達……」
 
('、`*川「何? その反応? ……あんたやっぱりそう思ってなかったわね?」
 
ミセ;゚−゚)リ「え……いや……その……」
 

29 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/22(日) 22:11:31.55 ID:aBcqPB2LO
 
あっさり見透かされていた事に私は少し動揺した。
それなりに上手く繕って接していたはずだが、そんな事を言われるくらいには大根だったのかもしれない。
 
/ ゚、。 /「金づるとでも答えて欲しかったのか?」
 
('、`*川「茶化すな。つーか、こいつといると逆におごらされるでしょうが」
 
動揺する私を尻目に、2人は漫才のようなやり取りを繰り広げている。
見た所、不快には思っていないのかもしれないが、さっきの私の反応は褒められたものではなかったはずだ。
 
('、`*川「で、まだ何か考えてんの?」
 
ミセ;゚−゚)リ「え……その、何で友達って言えるの?」
 
私はこいつらに何もしてあげていない。
むしろ迷惑ヲ掛けてた事の方が多い。
 
ミセ;゚−゚)リ「どうやったら友達になれるの?」
 
どうしてそんな私を友達と呼べるのだろうか?
 
/ ゚、。 /「知らん」
 
('、`*川「同じく」
 
ミセ;゚−゚)リ「知らないって……」
 


30 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/22(日) 22:14:33.94 ID:aBcqPB2LO
 
/ ゚、。 /「友達とかそういうのは、考えてそうなるものでもないだろう」
 
('、`*川「本人がそう思ったらそうなんじゃないの? そんなのよくわかんないわよ」
 
ミセ;゚−゚)リ「でも……」
 
/ ゚、。 /「阿呆の癖につまらない事を難しく考えすぎるな」
 
ダイオードが私の頭を再び掴む。
 
('、`*川「阿呆の子なんだから、阿呆な事を考えるのよね」
 
ペニサスが私の頬をつまむ。
 
ミセ;゚、゚>リ「いひゃひゃひゃ!?」
 
/ ゚、。 /「少なくとも、1年の時にお前と遊びに行ってたのは楽しかったぞ?」
 
ミセ;゚д゚>リ「そへは……わひゃひも……」
 
('、`*川「なら、それでいいんじゃないの?」
 

31 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/22(日) 22:16:29.67 ID:aBcqPB2LO
 
ペニサスが私の頬から指を離し、ダイオードの手をどけさせる。
代わりに私の頭を掴み、強く下に押し付けながら髪の毛をくしゃくしゃにする。
 
クシャ*>д<)リ「ちょっ!? うへあ!?」
 
('、`*川「……そんなに悩んでたんなら、私らに相談ぐらいしなさいよ」
 
/ ゚、。 /「引きこもる前にな」
 
もう1本の手が添えられ、さらに髪の毛が大変な事になる。
でも、不思議と心地良く、何だか心が軽くなった気がした。
 
グシャ*>ー<)リ「……ごめん」
 
('、`*川「あんたは阿呆なんだから、阿呆が考え込んでもろくな事にはならないのよ」
 
/ ゚、。 /「阿呆は阿呆らしく、阿呆みたいに泣き付いて来い」
 
グッシャ*>д<)リ「うん、ごめん……でも、ちょっと阿呆言いすぎ」
 
さらに繰り返される阿呆の連呼に、私は2人の手を払いのけ、反撃に移る。
同じ様に髪の毛をくしゃくしゃにしてやろうかと思ったが、ペニサスには軽くあしらわれ、ダイオードに至っては届かない。
 

32 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/22(日) 22:17:42.92 ID:fyEacA0qO
支援

グシャリて

33 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/22(日) 22:18:21.58 ID:aBcqPB2LO
 
/ ゚、。 /「……小さいな(笑)」
 
クシャ;゚д゚)リ「うるせー、お前がデカすぎるんじゃー!!!」
 
なおも抗ってみるも努力は実らず、仕方なく諦めて自分の髪を整え、一息つくと私は何かに気付いた。
こちらに向けられる視線。
その元には予想通りの姿がある。
 
ミセ;゚−゚)リ「いつから見てたの?」
 
(゚、゚トソン「『何だ、その反応は?』と仰ってた辺りからでしょうか」
 
ミセ;゚д゚)リ「ほとんど最初っからじゃねーか!」
 
(゚ー゚トソン「中々楽しげな青春模様でしたね」
 
そう言って微笑むトソンに私達3人はばつの悪い表情を浮かべる。
当事者からすればまあ、納得のいく話し合いだったとしても、そういうのを他人に見られるのは少し恥ずかしいものだ。
 
/*゚、。 /「委員長は意外と意地が悪いのだな……」
 
ミセ;゚ー゚)リ「意外どころかすげー悪いよ、こいつは」
 

34 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/22(日) 22:20:20.75 ID:aBcqPB2LO
 
(゚、゚トソン「失礼ですね。邪魔しないように離れて見守ってたというのに」
 
心外だとでも言わんばかりに肩をすくめるトソンに、私も同じく肩をすくめて見せた。
何だか今日は色々疲れた。
主にというか、全て自分のせいではあるのだけど。
 
ミセ*-ー-)リ「まあいいや。それよっか、帰ろ。今日は疲れた」
 
今の正直な感想を述べ、空の鞄を掴み立ち上がる私。
その鞄を取り上げ、机の中から教科書を詰め込むトソン。
 
(゚、゚トソン「私には聞かないのですか?」
 
ミセ*゚ー゚)リ「何を?」
 
教科書を詰め込みながら、トソンはそう聞いてくる。
聞き返してはみたものの、その質問の意味は理解している。
 
ミセ*゚ー゚)リ「ま、聞くまでもないからね」
 
私はトソンからずっしりと重い鞄を奪い取り、教室の後ろのドアに向かう。
そのまま振り返らずに手を振って、教室を出た。
 

35 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/22(日) 22:20:31.39 ID:fyEacA0qO
支援

36 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/22(日) 22:22:16.17 ID:LFWMM0cIO
支援、かしこみ承った!

37 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/22(日) 22:22:48.33 ID:aBcqPB2LO
 
そこから数歩歩いた所で後ろ手に閉めたはずのドアがすぐに開く。
歩み寄る足音が3つ。
 
友達の足音が近付いて来る。
 
('、`*川「何、しれっと帰ろうとしてんのよ?」
 
/ ゚、。 /「まだ5限目の話を聞いていないのだが?」
 
ミセ*゚ー゚)リ「トソンに聞けばいいじゃんか」
 
(゚、゚トソン「私の口からはとても……」
 
/*゚、。 /「「な、何があったの!?」」('、`*川
 
ミセ;゚д゚)リ「おい、よくわからん誤解を招く表現はすんな!」
 
トソンなりに気を使ってくれてるようだが、そういう言い方はあらぬ誤解を招く。
私は、適当にウソと、でも本質は誤魔化してない話をしながら帰路に着いた。
 
それは何の変哲もない下校風景。
それが今日からの私の日常になるのだろう。
 
・・・・
・・・
 

38 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/22(日) 22:24:16.62 ID:aBcqPB2LO
 
結局、私は何を悩んでいたのだろうか?
 
帰り着いた家のソファーに座り、1人考える。
茜色の光が、レースのカーテンを通して室内を柔らかく照らす。
 
客観的に見れば、どうでもいい事で悩んだポーズをしてた、ただの構われたがりなんじゃないかと思えてくる。
置かれた境遇は確かに特殊だったけど、そんなに悩むような話ではなかったはずだ。
 
でも、私は悩んでた。
そして諦めていた。
 
私は何に悩み、何故諦めていたのか。
 
トソンに話はしたものの、あれは半分も話せてない。
私が悩んでる事は察してた様だけど、肝心の悩みの中身は話せなかった。
むしろ私がトソンの悩みを聞く形になってたし。
 
あれはあれで少し嬉しかったのは確かだが。
 
そもそも、話すに以前に私は私の悩みを正しく理解していない。
 
ミセ*-−-)リ「……本当に?」
 

39 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/22(日) 22:24:28.71 ID:SeXO83p6O
まとめ込みでやっと追いついた支援



IDは不問で頼む

40 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/22(日) 22:26:15.62 ID:aBcqPB2LO
 
私は口に出し、私自身に問いかける。
 
こんな簡単な答えに気付かないはずはないのだ。
 
ただ私は、それを考えたくなかっただけで。
 
子供で大人でわがままで我慢して。
 
それでよくわからなくなって、投げ出したというようなポーズで諦めて。
 
でも、本当は……
 
ミセ*゚ー゚)リ「……答えはわかってる」
 
私は立ち上がり2階の私の部屋に走る。
机の上から目的のものを掴むと、リビングのテーブルの上に設置した。
電源とケーブルを繋ぎ、スイッチを押す。
 
ミセ*゚ぺ)リ「どこだっけ……自分じゃ開かないからな……おっと、あっちも用意しなきゃ」
 
私は再び立ち上がり、キッチンへ向かう。
冷蔵庫からサイダーを取り出す。
 

41 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/22(日) 22:26:43.86 ID:fyEacA0qO
支援

42 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/22(日) 22:28:23.95 ID:aBcqPB2LO
 
あの後お兄ちゃんが入れておいてくれたらしい。
そう大きくもないあの鞄の中に何本入れてたのか聞きたいぐらいの数のサイダーが冷蔵庫に収まっていた。
 
ミセ*゚−゚)リ「わかりやすいなぁ……」
 
サイダー以外も買ってきてくれればいいのに。
などと言ってみたところで、こちらは何と言うか業務用なのだろう。
 
ミセ*゚ー゚)リ「まあ、好きだけどね」
 
コップとビー玉は空いた手に掴み、リビングに戻る。
適当なそれらしい言葉で検索を掛け、いつもお兄ちゃんが開いてるようなページに辿り着いた。
 
ミセ*゚ー゚)リ「おお、こんな感じだったよな」
 
いつもは見るとはなしに見ていたページ。
昔は興味を持っていてもよくわからなく、今は見たくもないページに成り下がっていたので、どんな事が
書かれているのかをじっくり見るのは初めてかもしれない。
 
ミセ*゚ぺ)リ「まあ、今見てもよくわからないんですけどね」
 

43 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/22(日) 22:30:37.74 ID:fyEacA0qO
支援

44 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/22(日) 22:31:48.38 ID:aBcqPB2LO
 
相応に専門知識を必要とするそのページは、私が見てもさっぱりだった。
ああ見えてお兄ちゃんはちゃんと勉強して来たのだとほんの少し感心した。
それはともかくとして、今私に必要な部分はこの一部だけなので、特に問題はない。
 
ミセ*゚ー゚)リ「さてと……」
 
私はコップにサイダーを注ぎ、ビー玉を沈める。
 
ミセ*゚−゚)リ「神様か……」
 
何の変哲もないビー玉。
サイダーの中で泡にまみれる透明なガラス玉。
 
ミセ*゚−゚)リ「神様はいつから神様だったんだろ……」
 
いつから、それは2つの意味でいつからなのか。
初めてお母さんに話を聞いたあの日なのか、初めて流れを教えてくれたあの日なのか。
私にはよくわからない。
 
もう1つ、神様はいつまでがただのビー玉で、いつから神様に変わるのだろうか。
それもよくわからない。
 
改めて考えてみると、すごくあやふやなもの。
 

45 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/22(日) 22:33:45.50 ID:aBcqPB2LO
 
トソンは、神様は信じてないといっていた。
正しくは、そういう概念的なものは信じるが実在するとは思わないと言っていた。
 
じゃあ、実際に見えるこれはなんなのだろう。
 
いつの間にか私にはいくつもの浮かんでくる名前が見えていた。
神様は教えてくれる。
 
でも、これが神様じゃないとしたらなんなのだろう?
 
ミセ*-−-)リ「おっと、今はこっちを……」
 
私は浮かんできた名前をメモ帳に書きとめる。
いつも通りの作業だが、1人でこなしたのは初めてだ。
色々と抜けがある気もするけど、今日の所は練習だからこれでいい。
 
私は意識を神様から離し、乱雑に並ぶ文字列に目を落とす。
 
ミセ*゚−゚)リ「……」
 
私はそれを画面と見比べ、別の紙に綺麗に清書し、封筒に入れて机の上に置く。
今日は多分来ないと思うけど、一応念のためだ。
 
これから毎日この作業を続けなければならない。
それが目的の日までで済むのか、それとも死ぬまでなのかはわからないが、今は何も考えずに割り切る事に決めた。
 

46 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/22(日) 22:35:39.46 ID:aBcqPB2LO
 
・・・・
・・・
 
お兄ちゃんは意外に早く、それから約1週間後に姿を見せた。
こんなに早い間隔で訪れるのは最近ではなかったと思う。
何か大事な取引でもあるのかもしれない。
 
それなら却って好都合だ。
 
( ^Д^)「久しぶり、元気してたか?」
 
ミセ*゚ー゚)リ「1週間前に会ったばかりだよ」
 
( ^Д^)「そうだっけ? まあ、いいや。 ほら、お土産」
 
そういってビニール袋に入った箱を私に手渡す。
中身はいつも通りケーキだろう。
いつもより重く感じるのは、きっとまだ新作が出てなかったから定番のものを余分に買って来たのだろう。
 
ミセ*゚ー゚)リ「ありがとう。私も、これ」
 
私はお兄ちゃんに封筒を手渡す。
お兄ちゃんは首を傾げ、私から封筒を見ると中身を取り出した。
 

47 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/22(日) 22:38:05.19 ID:aBcqPB2LO
 
(:^Д^)「お前……これ……」
 
ミセ*゚ー゚)リ「あらかじめ見といた」
 
(:^Д^)「そ、そうか……ありがとう」
 
普段とは違う私の行動にお兄ちゃんは戸惑っているようだ。
しかし、その顔はすぐに笑顔に変わり、私に再度礼を告げる。
話が早くて助かったとでも思っているのだろう。
 
( ^Д^)「えーっと……ああ、そうだ、こいつは冷蔵庫にでも入れておくな」
 
鞄からサイダーを数本取り出した。
私は無言で頷き、お兄ちゃんの行動を見守る。
 
キッチンから戻って来たお兄ちゃんは、机の上に置かれていた鞄を手に取って私の方を向いて言う。
 
( ^Д^)「それじゃあ、そろそろ俺は行くよ。ありがとな」
 
ミセ*゚ー゚)リ「……」
 
それがお兄ちゃんの答えだった。
予想はしていたけど、やはり実際に目の当たりにすると少し寂しい。
 

48 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/22(日) 22:40:24.80 ID:SeXO83p6O
支援

49 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/22(日) 22:41:11.72 ID:aBcqPB2LO
 
ミセ*゚−゚)リ(……寂しいか)
 
心の中で自然に湧いた感情。
至極単純な理由。
私が認めなかった答えは、そんな簡単なものだったのかもしれない。
 
( ^Д^)「んじゃ、身体には気を付けろよ」
 
ミセ* − )リ「……」
 
玄関まで見送り出て来た私に、テンプレートな言葉を掛け、お兄ちゃんは玄関のドアに手をかける。
私は頃合を見計り、意を決して声をかけた。
 
ミセ* − )リ「……出来れば、それは買わないで欲しい」
 
( ^Д^)「あ?」
 
お兄ちゃんの動きがぴたりと止まる。
私が何を言っているのかわからないのか、怪訝な表情を浮かべて。
 

50 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/22(日) 22:42:48.05 ID:fyEacA0qO
支援

51 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/22(日) 22:43:35.49 ID:aBcqPB2LO
 
ミセ*゚−゚)リ「もしそれを買うんだったら、もうここには来ないで欲しい」
 
(;^Д^)「な……お前?」
 
ようやく私が言っている事の意味が理解出来たのか、目に見えて狼狽した様子で何かを言おうとしたが、私はそれを遮って
言葉を続ける。
 
ミセ*゚−゚)リ「ああ、心配しなくていいよ。その場合でもちゃんと教えるから」
 
もう1人で見れるようになったから、見たものをメールで伝える。
それ以外に用もないのに、わざわざ足を運んでもらう必要はないと私は玄関のドアの方に向かいながら言った。
 
(;^Д^)「え? いや、何で……」
 
ミセ*^−^)リ「じゃあ、そういうことだから、バイバイ」
 
私はお兄ちゃんを強引に押しやる形でドアを閉め、鍵とチェーンを掛けた。
突然の事に反応出来なかったのか、私のなすがままに押され、お兄ちゃんはしばらく玄関の前に突っ立っていたようだが、
ようやく我に返ってドアを開けようとするも当然開かない。
 


52 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/22(日) 22:46:08.92 ID:aBcqPB2LO
 
鍵を開けたところでチェーンもかかってて入れないとわかると、お兄ちゃんは私に呼びかけて来たが、私はもう2階の自分の
部屋に引っ込んでいた。
 
電話線はあらかじめ外してある。
携帯は着信拒否。
 
しばらくはお兄ちゃんの声らしきものがドア越しに聞こえていたが、その内静かになった。
諦めて帰ったのだろう。
もう夜だし、ご近所さんの迷惑も考えてくれたのだろうか。
 
ミセ*゚−゚)リ「……これでいいんだよね」
 
私はベッドの上で膝を抱えて座ったまま、誰に言うでもなく呟く。
 
これでいい。
 
これは私が決めた事なのだから。
 
私は両腕に力を込め、身を固くして縮こまる。
明けない夜はないのだと、陳腐な言葉が頭をよぎり、少し笑ってしまった。
 
眠れないと思っていたのだが、どうやら普通に眠れそうだ。
阿呆が阿呆みたいに抱えてた重さが取れ、随分と軽くなったらしい。
 
私はベッドに寝転び、目を閉じた。
 


53 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/22(日) 22:48:07.04 ID:aZTBkXDcO
追い付いた支援

54 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/22(日) 22:49:04.72 ID:fyEacA0qO
支援

55 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/22(日) 22:49:10.68 ID:aBcqPB2LO
 
・・・・
・・・
 
ノハ*゚听)(*><)(〃^ω^)「「「こーんにちはー!」」」
 
ミセ*゚ー゚)リ「おお、よく来たね、いらっしゃい」
 
(゚、゚トソン「どうも、本日はお招きに預かり、大変──」
 
ミセ;゚д゚)リ「硬いし長い。いいからあがってよ」
 
明けて翌日、休みという事もあり暇を持て余した私はトソン達をうちに招待した。
あれから何度かご馳走になっている朝ご飯ごはんのお礼とういう形で、晩ご飯をご馳走するという名目で。
 
(゚、゚トソン「あまりお気になさらずとも良かったのですが……」
 
ミセ*゚ー゚)リ「なら、そっちも気にしないで欲しいね。私はただ友達を家に呼んだだけなんだからさ」
 
当然、トソンに直接言ったら遠慮されるのは目に見えてたので、最初にブーン君やビロード君、そしてヒートちゃんを
あらかじめ籠絡しておいた。
3人にせがまれたらトソンも断り切れないだろうという私の目論見は見事に功を奏したようだ。
 


56 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/22(日) 22:49:20.86 ID:tWjD73WxO
支援

57 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/22(日) 22:51:09.14 ID:aBcqPB2LO
 
(〃^ω^)「お! ホントにテレビでやってる新しいゲームがあるお!」
 
ミセ*゚ー゚)リ「そりゃあるさー。ミセリお姉ちゃんはウソつかないからね」
 
(゚、゚トソン「ブーン、他人様の家のものを勝手に──」
 
ミセ;゚ー゚)リ「だからお前は硬いと。一緒に遊ぶために呼んだんだからいいんだよ」
 
羨望の眼差しを向ける3人のため、私は早速テレビゲーム機をセッティングする。
みんなで遊べるようなゲームもいくつか持ってはいるので、どれをやりたいか3人に選んでもらう事にした。
 
友達のいない引きこもりが何でそんなものを持っているのか聞かれても返答に困る。
強いて言うなら、多人数プレイのゲームを1人でやってコンピュータをいじめて優越感に浸るのは楽しいからかな。
 
トソンにそう言ったら、何故かものすごい哀れみの視線で肩をポンポンと叩かれてしまった。
 
(〃^ω^)「これにするお!」
 
ミセ*゚ー゚)リ「おお、4人対戦格闘ゲーム、ワロッシュブラザースね。中々目の付け所がいいね」
 
私はソフトをセットし、ゲームを開始させる。
使う機会は来ないだろうと漠然と認識しつつも買っていたコントローラーを3人に手渡す。
無駄にならなくて良かったと、少し笑みがこぼれた。
 


58 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/22(日) 22:53:30.36 ID:fyEacA0qO
支え……



変だな、目から不思議な雫が……

59 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/22(日) 22:54:11.07 ID:aBcqPB2LO
 
ミセ*゚ー゚)リ「ここをこうして……よし、これで遊べるから、取り敢えず練習がてら3人で遊んでてね」
 
ノハ*゚听)(*><)(〃^ω^)「「「はーい」」」
 
重なる3つの元気な返事は、すぐに歓声に変わる。
3人がゲームに夢中になっているのを確認すると、私はトソンの方へ身体を向けた。
 
ミセ;゚ー゚)リ「トソン……って、あれ?」
 
しかし、先ほどまでソファの辺りに立っていたはずのトソンの姿が見えない。
立ち上がり、辺りを見回すとキッチンの方で何やら探し回っているようなトソンがいた。
 
ミセ;゚ー゚)リ「何してんの?」
 
(゚、゚トソン「私達は晩ご飯にお呼ばれしたのですよね?」
 
ミセ*゚ー゚)リ「そだよー?」
 
(゚、゚トソン「確か、手作りの料理を食べさせるとか」
 
ミセ*゚ー゚)リ「うん、そう言ったね」
 


60 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/22(日) 22:56:53.74 ID:aBcqPB2LO
 
(゚、゚トソン「ここにはどう見ても材料しかないですが、今から作るのですか?」
 
時刻は午後3時頃。
ブーン君たちと遊ぶ予定もあったから早めに呼んだのだ。
今から作っても晩ご飯には十分間に合うだろう。
 
ミセ*゚ー゚)リ「そ、今から作るの。……トソンが」
 
(゚、゚;トソン「……はい?」
 
ミセ*゚ー゚)リ「いや、私料理とか出来ないし」
 
(゚、゚;トソン「いや、出来ないしじゃなくて、ならば何故呼んだのですか?」
 
ミセ*゚ー゚)リ「晩ご飯ご馳走するため?」
 
(゚、゚;トソン「作れないのでしょう?」
 
ミセ*゚ー゚)リ「材料はちゃんと買っておいたから、料金は私持ちじゃん?」
 
(゚、゚;トソン「そういうのをご馳走すると言いますか?」
 
呆れた顔で正論を並べるトソンに、私も正論を返す。
私が作る微妙な料理をあの子達に食べさせるのと、トソンが作る真っ当な料理を食べさせるのはどちらが良いかと。
 


61 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/22(日) 22:57:15.89 ID:LFWMM0cIO
支援する。支援すると言った!

62 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/22(日) 22:59:03.77 ID:aBcqPB2LO
 
(゚、゚;トソン「……」
 
ミセ*゚ー゚)リ「……」
 
(-、-;トソン「……ハァ」
 
(゚、゚トソン「ミセリも手伝ってくださいね?」
 
ミセ*゚ー゚)リ「オッケー」
 
渋々ながらも折れるトソン。
随分とひどいホストだと思われたかもだが、どうせ鍋か焼肉にしようと思ってたのだから、駄目でも材料を切るだけ
だったから、私でも出来たはずだ……多分。
 
(゚、゚トソン「この材料なら鍋でしょうかね」
 
ミセ*゚ー゚)リ「それならそんな急がなくても作れるでしょ? ちょっとお茶にしますか」
 
私は冷蔵庫からサイダーを取り出しコップを3つ用意する。
 
ミセ*゚ー゚)リ「私はコーヒーにするけど、トソンはどうする?」
 


63 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/22(日) 23:00:17.12 ID:aBcqPB2LO
 
(゚、゚トソン「サイダーじゃないのですか?」
 
ミセ*゚ー゚)リ「いつもそればっか飲んでるわけじゃないよ」
 
とはいえ、あの子達にはサイダーの方がいいだろうから冷蔵庫を開ける。
私は3つのコップにサイダーを注ぎ、それぞれにビー玉を沈める。
トソンの何か言いたげな目を、私は見詰め返した。
 
ミセ*゚ー゚)リ「おまじない。神様が見守ってくれますように、ってね。それだけだよ」
 
(゚、゚トソン「やはりそれはあなたにとって神様なのですね」
 
ミセ*-ー-)リヾ「うーん……どうなんだろね……」
 
よくわからなくなってると、私は正直に今の気持ちを白状した。
 
ミセ*゚ー゚)リ「元々はお母さんの作り話だけど、私はそれを信じてた」
 
それが作り話だとわかった上で。
それはきっとお母さんが好きだったから。
一生懸命私のためにお話を作ったお母さんの気持ちが嬉しかったから。
 
私はそれを信じていた。
 


64 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/22(日) 23:02:02.83 ID:aBcqPB2LO
 
ミセ*-ー-)リ「もう増やす事の叶わない、お母さんとの大切な想い出だったからね」
 
トソンは黙って頷く。
背後からは子供達の楽しげな歓声や悲鳴が聞こえて来る。
 
ミセ*゚ー゚)リ「それだけで良かったんだけどね」
 
お母さんとの想い出、それだけだったはずの神様は、いつしか私に教えてくれるようになった。
それが私を幸せにして、そして不幸せにした。
 
ミセ*-ー-)リ「何でこうなったのか、それが私の、神様のせいなのかよくわからないけどね」
 
結果的にそうなったけど、何が悪かったのかを言い切れないと思う。
いくつも重なった小さな事が、今を作っただけなのだ。
 
ミセ*゚ー゚)リ「他人のせいにはしたくないしね。多分私が、ちゃんと言わなかったのが駄目だったんだろね」
 
(゚、゚トソン「ミセリ……」
 
辛そうな眼差しを向けるトソンに、私は胸を張り、親指を立てて答える。
私はもう、平気だから。
自分でちゃんと答えに向き合ったのだから。
 


65 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/22(日) 23:02:42.73 ID:m7fcw7P40
支援

66 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/22(日) 23:04:06.73 ID:aBcqPB2LO
 
ミセ*゚ー゚)リb「大丈夫、やるだけやったから。あとは結果待ちなのさ」
 
(゚、゚トソン「結果待ち? 何を……」
 
実を言うと、昨日お兄ちゃんに渡した紙は出鱈目だ。
あの通り買ったら、お兄ちゃん、いや、お兄ちゃんのお客さんは大損するだろう。
 
その場合、お兄ちゃんは怒鳴り込んでくるかもしれない。
でも、またメールで次からは正しい情報を伝えるつもりなのですぐに取り返せるだろう。
それでまた、お兄ちゃんはいつも通り、楽しい毎日が送れるはずだ。
 
でも、もしお兄ちゃんが買わなかったら。
 
(゚、゚;トソン「何でそんな事を……?」
 
ミセ*゚ー゚)リ「うーん……何でだろうね」
 
ほとんど思い付きだし、穴だらけの計画だ。
例えばお兄ちゃんがあの紙の通り買ったのに、買ってないと言っても私にはその真偽を確かめる術がない。
 


67 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/22(日) 23:06:25.55 ID:aBcqPB2LO
 
(゚、゚トソン「ですね。だったらそれは……」
 
ミセ*゚ー゚)リ「そう、全てはお兄ちゃん任せ」
 
私なりに考えた上での結論を渡したので、あとはお兄ちゃんの考えに任せようと思う。
どう受け取られるかはわからない。
でも、どういう結論を出すにしても考えて欲しい。
 
私の事を。
 
ただそれだけなのだ。
 
(゚、゚トソン「それでいいのですか?」
 
ミセ*゚ー゚)リ「……うん、それでいい」
 
私は3つのコップを両手に抱え、リビングに向かう。
同じく私の後ろを付いて来るトソンがまた問いかけて来た。
 
(゚、゚トソン「それが神様じゃないとしたら、あなたに教えてくれた神様はどこにいるんでしょうね」
 
私も思った同じ疑問。
でも、多分もう答えは出てる。
私にそんなお節介を焼いてくる人は1人しかいなかったし、その人がいるとすればここしかない。
 


68 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/22(日) 23:07:31.65 ID:m7fcw7P40
支援

69 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/22(日) 23:08:09.58 ID:aBcqPB2LO
 
ミセ*゚ー゚)リ「多分ここだろうね」
 
コップを持ったままの手の親指で、私自身を指差す。
心臓の辺り、それが何を指すか、トソンはすぐに理解したようだ。
 
(゚ー゚トソン「そうかもしれませんね」
 
ミセ*゚ー゚)リ
 
トソンは私からコップを受け取り、1つをテーブルの上に置く。
私も残りをテーブルに下ろし、3人に向かって声をかけた。
 
ミセ*゚ー゚)リ「おーい、お前らジュースだぞー」
 
ノハ*゚听)(*><)(〃^ω^)「「「はーい」」」
 
ゲームに夢中かと思った3人はすぐさまゲームを止め、こちらを振り向く。
聞きわけが良いのか食い意地が張っているのかはわからないが、素直なのは良い事だ。
 
ミセ*゚ー゚)リ「おっと、食い意地といえばあれ忘れてた。あ、トソン、インスタントでいいから適当にコーヒーお願い」
 
(゚、゚トソン「はいはい。カップは勝手に使いますよ」
 


70 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/22(日) 23:10:10.11 ID:aBcqPB2LO
 
( ^ω^)「おー? これ、どうして丸いのが入ってるのかお?」
 
ノパ听)「ホントだー。何だこれ?」
 
ミセ*゚ー゚)リ「ああ、それは……トソン、お願い」
 
(゚、゚;トソン「へ!? いや、何故あなたの家の風習を私に振るのですか?」
 
驚いた表情でこちらを凝視するトソンを無視し、私は再びキッチンに向かう。
冷蔵庫から紙箱を取り出し、お皿に取り分けようとしたが、それぞれに選ばせるかと考え直し、そのままお皿とフォークと
一緒に抱えてリビングに戻った。
 
d(゚、゚トソン「というわけで、神様がみんなの幸せを見守ってくれますようにというおまじないらしいのです」
 
文句は言っていたものの、トソンはちゃんと3人に説明してくれたようだ。
聞いてると少し話はアレンジされていたが、それでいいと思う。
私とお母さんとの想い出のように、トソンとこの子達の想い出なのだから、その方がいいのだ。
 
(*><)「すごいんです!」
 
(゚、゚トソン「あくまで見守ってくれているだけですから、ちゃんと自分の事は自分でやらないと駄目ですからね?」
 
……少しどころじゃなくアレンジされてるかもしれないがそれもまあ、いいか。
お母さんが残してくれた神様が、少しずつ形を変えながらみんなの心に残ってくれるのなら私は嬉しいと思う。
 


71 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/22(日) 23:11:43.37 ID:ZSGLQEwLO
しえ

72 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/22(日) 23:12:08.67 ID:SeXO83p6O
しえん

73 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/22(日) 23:12:08.98 ID:aBcqPB2LO
 
ミセ*゚ー゚)リ「はーい、そんじゃおやつにしようか」
 
私は4人が座るの真ん中辺りに箱を下ろし、蓋を開けた。
 
ノハ*゚听)(*><)(〃^ω^)「「「ケーキだー!」」」
 
(゚、゚トソン「わざわざ買って来たのですか? そんな気を──」
 
ミセ*゚ー゚)リ「違う違う、昨日お兄ちゃんからもらったやつだよ」
 
定番のイチゴショートにチョコレートケーキ、チーズケーキにモンブラン、プリンアラモード、その他諸々と、どう考えても
1人じゃ食べ切れないケーキの量に、トソンも納得してくれたようだ。
 
ミセ*゚ー゚)リ「好きなの食べていいよ。あ、ケンカしちゃ駄目だからね?」
 
ノハ*゚听)(*><)(〃^ω^)「「「はーい!」」」
 
(゚、゚トソン「私が取ってあげますから、好きなのを言ってみてください」
 
ノパ听)「ブーン、好きなの選んでいいよ」
 
( ^ω^)「お、ヒートが先でいいお」
 
( ><)「僕は一番最後でいいんです」
 


74 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/22(日) 23:14:02.25 ID:aBcqPB2LO
 
ミセ*゚ー゚)リ「お前ら謙虚だな。じゃあ、私が……って誰か突っこめよ」
 
子供を厳しく躾けすぎてないかと思いはしたものの、3人の様子を見る限りは無理に言わされている感じはしない。
きっと3人とも本心から譲り合っているのだろう。
 
仲のいい兄弟だ。
羨ましいくらいに。
 
最終的にトソンお姉ちゃんから選ぶという事に3人の結論が落ち着きそうなのを、トソンは苦笑して遮り、歳の若い順に
しましょうと、ブーン君にケーキを勧める。
 
(゚、゚トソン「それじゃあ、ブーン、どれにしますか?」
 
(〃^ω^)「おー、いっぱいあってどれにするか迷うおー」
 
ミセ*゚−゚)リ「……」
 
ケーキを取り分けるトソン達4人の姿が、私の記憶の中の家族の姿に重なる。
 
あまりうちにいることはなかったお父さん。
やさしかったお母さん。
ちょっと調子に乗る事が多かったけど、頼りになったお兄ちゃん。
 


75 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/22(日) 23:14:15.85 ID:aZTBkXDcO
支援

76 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/22(日) 23:16:11.24 ID:aBcqPB2LO
 
記憶の中の私達は、仲の良さでは目の前の4人には圧倒的に負けてるけど、それでも楽しい日々を送っていた。
 
今となってはもう、過去の風景。
失われた想い出。
 
それでも、私にはまだ残されたものもある。
私はそれを、取り戻せるのだろうか?
 
(゚、゚トソン「ミセリは何がいいですか?」
 
思考の海に沈んでいたのを不意に引き上げられ、私は少し慌ててしまう。
 
ミセ;゚ー゚)リ「うぇ!? お、みんな取った? ……ってお前がまだじゃんか」
 
(゚、゚トソン「私は最後でいいですよ」
 
ミセ*゚ー゚)リ「客なんだからトソンが先だってば」
 
私はどれも食べた事があるしと説得して、何とか先に選ばせた。
それでもまだ4つほど余ってるので、選択幅は広い。
 
私はチーズケーキを選び、トソンにお皿に入れてもらった。
残りの3つは帰りに持って帰ってもらうかな。
 


77 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/22(日) 23:16:59.08 ID:m7fcw7P40
しえn

78 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/22(日) 23:18:30.35 ID:aBcqPB2LO
 
ミセ*゚∀゚)リノハ*゚听)(*><)(〃^ω^)「「「「「いただきまーす」」」」」(゚、゚トソン
 
(*><)「美味しいんです」
 
(〃^ω^)「美味しいお!」
 
ノハ*゚听)「美味しいぞー!」
 
あっという間に食べてしまいそうな3人の勢いに、私はトソンと顔を見合わせて微笑む。
ロマネスク亭のケーキはいつも通り美味しかったけど、いつも以上に美味しく感じられたかもしれない。
 
どんな時でも美味しいなんて前に言ったような気もするが、もっと美味しくする手段はあったようだ。
 
ミセ*゚ー゚)リ「食べ終わったら勝負しようぜ?」
 
ノパ听)「よーし、負けないぞー」
 
(〃^ω^)「お! ゲームで遊ぶお!」
 
( ><)「がんばるんです!」
 
(゚、゚トソン「……食事の支度は手伝わないつもりですかね? まあ、いいですけど」
 


79 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/22(日) 23:20:44.76 ID:fyEacA0qO
支援

80 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/22(日) 23:21:40.08 ID:LFWMM0cIO
支援で御座る。

81 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/22(日) 23:23:58.13 ID:Hns5PWsYP
inサイダー
インサイダー

かかってるんだよなあ、うまいなあ

82 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/22(日) 23:25:43.78 ID:aZTBkXDcO
>>81
ああ なるほど

気付かなかった
支援

83 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/22(日) 23:26:47.78 ID:SeXO83p6O
支援

84 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/22(日) 23:27:17.26 ID:tWjD73WxO
支援だ

85 名前: ◆xJGXGruetE :2009/11/22(日) 23:35:03.40 ID:aBcqPB2LO
 
トソンの呟きは敢えて無視し、コントローラーを1つ手に取る。
まだ時間はあるので、ご飯の支度はそう急がなくてもいいだろう。
そう思い、コントローラーのボタンを押そうとしたが、それは玄関から響く硬質なチャイムの音がそれを遮った。
 
ミセ*゚ー゚)リ「お?」
 
(゚、゚トソン「来客ですか?」
 
ミセ*゚ー゚)リ「だろうね。トソン、パス」
 
(゚、゚;トソン「ちょ、えっ? 私ですか?」
 
私はコントローラーをトソンに投げ渡し、立ち上がる。
ゲームなんかやったことないから無理というトソンを尻目に玄関に向かう。
やったことなくても子供の相手ぐらい出来るだろうと思うが、逆さに持ったコントローラーを見る限りでは駄目かもしれない。
 
ミセ*゚ー゚)リ「はいはい、どなた──」
 
(;^Д^)「おう……」
 
ミセ*゚−゚)リ「お兄ちゃん……」
 
来るだろうとは思っていたが、こんなに早く来るとは考えていなかった。
緩みそうになる気持ちを抑えるべく、私は俯いた。
 


86 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/22(日) 23:37:06.33 ID:aBcqPB2LO
 
(;^Д^)「……」
 
ミセ − )リ「……」
 
それっきり、不自然な沈黙が続く。
後方から、賑やかな家族の歓声が届いて来る。
こちらの家族は、不協和音すらも響かせないというのに。
 
(;^Д^)「……あの」
 
ミセ − )リ「……」
 
私は答えない。
私の答えは出したから。
私は答えを聞くだけなのだ。
 
(;^Д^)「……そのな」
 
ミセ − )リ「……」
 
しどろもどろになるお兄ちゃん。
きっとそれが答えなのかもしれない。
結果を見て、事の重大さに気付き、何とか取り繕おうとしている。
 
ほんの少し目線を上げ、覗き見たお兄ちゃんの顔は、私の目にはそう映ってしまった。
 


87 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/22(日) 23:40:07.99 ID:aBcqPB2LO
 
(;^Д^)「……えっと」
 
ミセ − )リ「……大丈夫、ちゃんとメールはするから」
 
(;^Д^)「……え?」
 
答えを待つはずなのに、自分から答えを出してしまった。
何とも堪え性のないことだ。
 
リビングからの楽しげな声は、さっきからトソンの悲鳴が一番目立つ。
どうやら弟妹達にこてんぱんにやられてるらしい。
 
姉の威厳を保てるよう、レクチャーしてあげようか。
 
早くあの楽しそうな空間に戻りたい。
 
ここは……寂しくて……
 
(;^Д^)「いや、違う! そんな事はどうでもいいんだ!」
 
ミセ − )リ「え?」
 

88 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/22(日) 23:44:59.61 ID:qabbdgqSO
しえん

89 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/22(日) 23:45:39.68 ID:aBcqPB2LO
 
(;^Д^)「あれは買ってない」
 
ミセ − )リ「ウソ……」
 
(;^Д^)「いや、ウソじゃないって。そりゃ証拠もないし、実際直前までは勧めようとしたけども……」
 
ミセ − )リ「……」
 
(;-Д-)「どうしても買えなかった……お前の顔が浮かんでな……」
 
ミセ*゚−゚)リ「私の……顔……?」
 
そう言ってうなだれるお兄ちゃん。
調子の良い顔ばかり見せていたお兄ちゃんのそんな顔を見たのは久しぶりだ。
あの日、お母さん達が亡くなった時以来かもしれない。
 
(;-Д-)「すまん、お前がどういうつもりであんな事を言ったのか俺にはわからなかった。しかし……」
 
ミセ*゚−゚)リ「……」
 
(;^Д^)「理由はどうあれ、もう2度とお前に会えないのは嫌だからな」
 

90 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/22(日) 23:46:49.43 ID:fyEacA0qO
支援

91 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/22(日) 23:47:45.31 ID:aBcqPB2LO
 
お兄ちゃんは私に自分の答えを提示した。
 
私はその目をまっすぐ見据える。
 
(;^Д^)「今日はそれだけ伝えたかった。また来るよ」
 
一瞬、寂しそうな陰が瞳をかすめる。
それはきっと私の目に浮かぶものと同じ色をしたもの。
 
ミセ*゚−゚)リ「あ……」
 
いくつも点が線となり、何かが流れる。
 
ミセ*゚−゚)リ(これ……神様の……)
 
私の中の神様が教えてくれる。
 
お兄ちゃんの言葉を。
 
家族の言葉を。
 
真実を。
 

92 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/22(日) 23:50:18.60 ID:aBcqPB2LO
 
ミセ* ー )リ(そっか……ありがとう、お母さん)
 
(;^Д^)「それじゃあな」
 
ミセ*゚−゚)リ「待って!」
 
背を向けて去ろうとするお兄ちゃんに、咄嗟に手を伸ばした。
掴んだその手は、あの日の記憶と同じく暖かく、大きな手だった。
 
(;^Д^)「ミセリ?」
 
ミセ*゚−゚)リ「……友達が来てるんだ」
 
(;^Д^)「あ、ああ、さっきから賑やかだなとは思ってたんだが……」
 
( ^ー^)「楽しく暮らせてるみたいだし、本当に良かったよ」
 
ミセ*゚−゚)リ「……お兄ちゃんは、お父さん似だよね」
 
(;^Д^)「え? 何だ、突然?」
 
やさしく微笑むお兄ちゃんの顔を見て、唐突に浮かんだそんな言葉。
お父さんも、時々こんな顔を見せてくれた。
 
お父さんはお兄ちゃんほど愛想は良くなかったし、仕事ばっかりの人だったけど、家族の事は大切に思ってくれていたと思う。
特に何かを言ってくれたわけでもないけど、気付けば家族を見守る目がそこにはあった。
不器用で、それを表すのが下手だっただけなのだ。
 

93 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/22(日) 23:51:42.84 ID:fyEacA0qO
支援

94 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/22(日) 23:52:08.39 ID:aBcqPB2LO
 
ミセ*゚−゚)リ「何でもない。それよりも友達なんだけど、兄弟連れて来てるんだ」
 
( ^Д^)「ああ、なるほど。それでこんな賑やかなわけか」
 
何を勘違いしたのか、お兄ちゃんはそれならば何かお菓子やジュースでも買って来ようかと提案して来たが、私は首を振った。
 
ミセ*゚−゚)リ「それはあるからいいよ……って、その袋は?」
 
( ^Д^)「ああ、忘れてた。これ、いつもの……」
 
ミセ;-д-)リ「……お兄ちゃん? 昨日ももらったのに、これで何個になると思ってんの?」
 
袋には昨日より一回り大きい箱が入っているのがわかる。
もしトソン達が来ていなかったら、これから1週間ぐらい毎日朝晩のご飯はケーキになりそうな勢いだ。
つーか流石に太るわ。
 
(;^Д^)「す、すまん。そういえばそうだったな。ちょっと動揺してたらしい」
 
目に見えて狼狽するお兄ちゃん。
平謝りに謝って来るが、別に私は怒っていない。
むしろ食べ盛りがいっぱいいるので丁度いいぐらいだ。
 

95 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/22(日) 23:55:18.16 ID:aBcqPB2LO
 
ミセ*゚ー゚)リ「いいって。まあ、タイミングも良かったし。ありがとう」
 
(;^Д^)「お、おう……」
 
私は空いた手でケーキの袋を受け取り、礼を述べる。
お兄ちゃんは少し面食らったような顔をして、軽く頷いた。
 
ミセ*゚ー゚)リ「……上がっていく?」
 
(;^Д^)「え……いいのか? って、友達が来てるんじゃ……」
 
ミセ*゚ー゚)リ「向こうも兄弟連れなんだから、こっちも兄妹連れでいいんじゃない?」
 
( ^Д^)「え……そういうもの? でも……」
 
ミセ*゚ー゚)リ「いいからいいから、ほら、上がって」
 
私は少し強引にお兄ちゃんの手を引っ張る。
お兄ちゃんはよろけながらも引かれるまま、私に続く。
 
元々後ろ向きの手を掴んだのだ。
歩きづらいだろうが私は手を離さない。
 
手を伸ばし、掴んだ答えを私は離さない。
 
 
神様が教えてくれた、私の選んだ答え。



96 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/22(日) 23:56:16.69 ID:qabbdgqSO
支援ー

97 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/22(日) 23:57:35.83 ID:SeXO83p6O
しえん

98 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/22(日) 23:58:49.03 ID:aBcqPB2LO
 
ミセ*゚ー゚)リ「よーし、みんなちゅーもーく」
 
ノパ听)( ><)( ^ω^)「「「「?」」」」(゚、゚トソン

ミセ*゚ー゚)リノ「ケーキの追加来たよー! あと、ついでに私のお兄ちゃん」
 
(;^Д^)「俺はついでか……」
 
ミセ*^ー^)リ「あはは」
 
思わず吹き出した私に、お兄ちゃんも苦いながらも笑みを浮かべる。
視界の端には、4つの笑顔。
 
 
ねえ、神様、ちゃんと見てくれていますか?
笑顔に囲まれた私を。
 
あなたが教えてくれた幸せは、きっとずっと続いていきます。
 
あなたの想い出とともに。
 
 
 
 − ミセ*゚ー゚)リ神様inサイダーのようです(゚、゚トソン −
 
 
           〜 おしまい 〜
 


99 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/23(月) 00:00:20.08 ID:LQ7du9whO
乙……乙だ。

100 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/23(月) 00:01:29.23 ID:eIQue9BuO
目から乙が溢れて止まらん

101 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/23(月) 00:02:29.05 ID:S/XqPzo/O
乙!
面白かった!!

102 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/23(月) 00:03:00.58 ID:eRdCrumqO
もう乙としかね

103 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/23(月) 00:03:32.85 ID:GM976SDHO
乙!

104 名前: ◆xJGXGruetE :2009/11/23(月) 00:05:08.02 ID:aBcqPB2LO

というわけでおしまいです。

これといってあとがきに書くこともない話なので質問とかないとは思いますが、途中で言われてたように
言葉遊び的なものがメインというか発端というかです。

実際には3つ掛けたつもりですが。


支援等ありがとうございました。


またそのうち何かでお会いできれば幸いです。



105 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/23(月) 00:05:31.23 ID:VsRI0gkzO
乙!

106 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/23(月) 00:17:27.85 ID:KKZC0FIqO

とっても良かった

あと2つ探してくる

107 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/23(月) 00:21:27.09 ID:LQ7du9whO
酉調べた

(〃^ω^)(゚ー゚トソでも、いっしょのようです

も今度読もうず

108 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/23(月) 00:49:52.99 ID:qrTO3d5Z0
みれんのようですもオススメかな

109 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/23(月) 01:05:43.44 ID:MyVL76ZAO
トソでもいっしょ以来トソンミセリが大好きです


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