( ^ω^)ブーンがトライアスロンに挑戦するようです
1 名前:スレ立て代行 :2006/09/10(日) 20:28:18.83 ID:S0IYWGbA0

競技の性質上、若干地の文が多目となっています。
それでも興味を持ちましたらぜひ読んで下さい。
また、一話完結なのでここから読んでいただいても分かっていただけるかと思います。

まとめサイト様
http://boonsoldier.web.fc2.com/torai.htm


2 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/09/10(日) 20:28:24.35 ID:/lrDnu7T0
ちんぽ食いながら精子うめぇな・・・


3 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/09/10(日) 20:32:48.88 ID:6SJnoytZ0
スレ建て代行ありがとうございます。

それではゆっくりとですが投下して行きたいと思いますので、よろしくお願いします。

4 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/09/10(日) 20:34:01.99 ID:m99+X++00
こっちでいいのか?

5 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/09/10(日) 20:34:25.96 ID:nK97tpO30
http://ex16.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1157887643/
こっちのがはやくね?

6 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/09/10(日) 20:35:13.50 ID:YoZQfxmp0 ?2BP(1)
>>5
1分ないしいいんじゃね?

7 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/09/10(日) 20:35:57.07 ID:m99+X++00
立てた人間が良いって言うならこっちでいいか

8 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/09/10(日) 20:36:10.02 ID:6SJnoytZ0
>>5
すみません、一応宣言していただいたのでこちらを使わせて頂きます。
立てていただいた方には本当に申し訳ありません。

それではあらためて投下行きたいと思います。

9 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/09/10(日) 20:36:18.91 ID:nK97tpO30
ハークした

10 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/09/10(日) 20:37:02.22 ID:6SJnoytZ0
9月にもなると風は強く、早朝は肌寒く感じるほどだった。

しかしと言うかやはりと言うか……試合会場には魔法でもかかっているのだろうか。
昼前にはギラギラと照りつける陽射しが選手達の皮膚に鋭く突き刺さる。

選手達はその気候を待ってましたと言わんばかりに意気揚々としていた。



……風はどうした。

どこから吹き付けることも無い、みるみる上昇する気温。


暑い。


応援者達は額の汗を拭った。



     プア〜



いい加減この気合の入らないスタート音にも愛着が沸いてくる。
選手は一斉にスタートを切った。

11 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/09/10(日) 20:38:36.36 ID:6SJnoytZ0
今回のレースは今まどと違い砂浜からスタートだ。
紐でくくられたスタートライン、立ち並ぶ沢山の選手。
季節的なものか、ウェットスーツで泳ぐ選手が多い。


砂浜から海へ猛然とダッシュし、バシャンバシャンと選手が海に入っていく。
少しでも走って距離をとろうとする人達は、水面が膝に来るまで無理矢理走り、そこから泳ぐ体勢に入る。


浜からのスタートは、水に浮いてスタートするフローティングスタートに比べ人が固まり易い。
我先にと人波をかき分けて海に飛び込む者が多く、人間の上を泳ぐことだってある。

(;゚∀゚)(この……乗るな……ッ!)

ジョルジュは選手に上に乗っかられてしまい、泳ぐ事はおろか息継ぎさえままならない状態にあった。
仕方なく息継ぎをせずにバタ足と軽い手の動きで泳ぎ始める。

そうこうしていると次の瞬間には人の上に乗ってしまい、勢いが止まった。

(;゚∀゚)(くああ、もう厄介だなコイツら!)

12 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/09/10(日) 20:40:15.82 ID:6SJnoytZ0
ジョルジュは浜からスタートの大会は初めてだった。
参加者は少ないにも拘らずいつも以上の人の塊、いつも以上の腕のぶつかり合い。

お腹が蹴られた。
肘を頭にくらった。

バラけない集団。

自分のペースで泳ぐことなど到底ままならなかった。

(;゚∀゚)(集団心理でも働いてんのかコイツら……さっさとバラけろって!)

前にも横にも一面の人波。
その一部と化している自分。


苛立ちは募ったがどうしようもなかった。

13 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/09/10(日) 20:41:49.02 ID:6SJnoytZ0
ブーンはスタートの直後、我先にと詰め掛ける人間に萎縮してしまい後ろからのスタートとなった。

目の前で起こる大量の水しぶき。
海面が見えないほど人が敷き詰められた状況。
そこへさらに飛び込んでいく選手達。

とてもその中には混ざれないと思い、一人端のほうから泳ぎだした。

(;^ω^)(しかし……やっぱりちょっと肌寒いお……)

ウェットスーツを持っていないブーンは今回もトライスーツで挑んだが、思いのほか海は冷たい。
泳いでいればどうにかなるだろうとちょっと速い目のペースで泳いだ。

体もすぐに温まり、気付けばトップグループにいるのだから調子がいい。

(;^ω^)(そろそろスイムを一番で上がってみたいお……)

ブーンにはそんな野望があった。

14 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/09/10(日) 20:43:02.02 ID:JTTECRrh0
wktkwktk

15 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/09/10(日) 20:43:25.96 ID:6SJnoytZ0
ドクオもブーンと同様、後ろからゆっくりとスタートした。
他人のペースに合わせるのが嫌だったのだ。
大回りで少しぐらい距離を多く泳いでもいいから、自分のペースを守りたかったのだ。

そして思いのほか他の選手と争う事もなく順調に泳ぎ出せた。

('A`)(とりあえず、500m……それくらい泳いで腕の感覚が麻痺してきたら……)

水泳ではある程度泳ぐと腕の感覚が麻痺してくる。
そうなると疲れたと思う事無く一定のペースで泳げるのだ。

相変わらずドクオは自己流で水泳練習を続けてきた。
練習回数と距離をこなしたドクオだからこそ、ペースは体に染み付いていた。


(;'A`)(波が……荒いな。本番だしちょっとくらい無理しても大丈夫だろう)

9月の海は思いのほか波が強い。
波にあわせて体を上下させながらも、ドクオは一定のペースで泳ぎ続けた。

16 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/09/10(日) 20:45:07.56 ID:6SJnoytZ0
(;゚ω゚)「……フヒュッ!! ……ヒュッ!」

荒れる波、そんな中でブーンは思いのほか疲労していた。
いつも通りのペースだと思っていたが、波のために想像以上に体力を消耗していたようだ。

腕はまだまだ大丈夫だが、呼吸が辛かった。
バタ足も使いたくなかったのだがこの波では仕方ない。

(;゚ω゚)「……フヒュッ!」

しかしブーンは今、一位の選手と並んで泳いでいた。
しかも内側を泳いでいる、カーブでは断然有利だ。

一方相手も負けるかとペースアップをしてくる。
おそらくスイムには相当の自信があるのだろう。

(;゚ω゚)「……フヒュッ!」

まさにプライドのぶつかり合いだった。
まだ500mも泳いでないだろう、途中で相手が折れたら調子よく泳ぎ続けれるだろうが、自分が先に折れたら……
考えるだけでも精神的に折れそうだ。

(;゚ω゚)「……フヒュッ!!」

勝てば官軍、負ければ死刑。
そう、そんな感じだ。

17 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/09/10(日) 20:46:47.76 ID:6SJnoytZ0
大きな麦わら帽子が太陽からの陽を遮っていたが、それでも額を汗が伝う。
砂浜での車椅子はまったく意味がない。
とても一人では応援など無理だっただろう。

ξ*゚ー゚)ξ「ごめんなさい、わざわざここまで押してきてもらって……」

('、`*川「いえいえ、全然気にしないで下さい。一人だと心細かったですし」

ブーン達の同僚である伊藤は、車椅子のデレを押しながら応援場所を移動していた。
スタートを見ていたのだが、直後に巻き起こった激しい水しぶきにあっという間に望みの選手を見失ってしまったのだ。
しぶしぶ次のバイクの応援準備にかかった。

('、`*川「ブーンさんは分かり易くていいですね、きっとあのトップのどちらかですよ」

ξ*^ー^)ξ「そう信じたいですね、あの人は泳ぎだけですから」

笑うデレに、伊藤も笑顔で応えた。
でも探している人が分かるのは羨ましい限りだ、ドクオやジョルジュなどどこにいるのか想像も出来なかった。

18 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/09/10(日) 20:48:33.44 ID:6SJnoytZ0
コースはブイ(浮き)が375mの間に並んでおり、その周り1周750mを2周で1.5kmだ。
ただ波が高く、逐一コースの先を確認しないと気付けば全然違う方向に泳いでいたりする。
隣の選手につられて泳いでいると、一緒にコースを外れてしまったりした。

(;゚∀゚)(これは……今回は最悪だな……)

ジョルジュは隣の選手が押してくるものだから進行方向を逆方向へと逸らしていたが、気付けば明後日の方向を向いていた。
慌ててコースを修正するも集団でコースをずれたのは痛い、思うように元のコースに戻れない。

(;゚∀゚)(オマエら……いい加減邪魔だ、早くバラけろ!)

また自分を押してくる隣を押し返し、相手の進路を強制してやる。
相手もコースを外れていると気付いたようで、慌てて進行方向を変えた。
それでもまだまだ集団は思うようにバラけない。

(;゚∀゚)(くっそ……もう腕が疲労しているな……これはマズイか)

今回は予想以上に進みが遅い、きっとドクオよりも彼はまだ後ろに位置していただろう。

集団の隙間を見つけると、ジョルジュは一気に加速して塊から脱出した。
腕には一気に疲労が溜まる。
呼吸が苦しい、酸素が足りない。

考えていた以上に辛い戦いを強いられていた。

19 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/09/10(日) 20:50:12.66 ID:6SJnoytZ0
ブーンは何とか1周目を終えた。
腕はもうパンパンでいつ止まってしまってもおかしくないほどだ。

バタ足も残す余裕がない、ウェットスーツを着ていないブーンは浮力が少ないので尚更だ。

(;゚ω゚)「ハヒュッ! ……フヒュッ!」

隣の選手もなかなかスピードが落ちない。
互いに一進一退していた。
片方がペースを落とすとつられてもう一方もペースを落とし、逆にペースを上げればもう一方も上げた。

このまま二人で競いながらゴールまで行こう、負けたくないと思う反面二人ともそう考えていたのだ。
自分一人になったら間違いなくペースは落ちるから協力していきたい。
でもスイムで負けたくない、そんなプライドと精神の葛藤。

(;゚ω゚)「……ハヒュッ!」

呼吸をする瞬間、隣を泳ぐ選手の息継ぎも聞こえてくる。
フォームを見れば相手が疲労していることも分かる。

それでも……相手を裏切って一気に勝負を決めようという気にはならなかった。

20 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/09/10(日) 20:51:44.37 ID:6SJnoytZ0
(;'A`)「……ハフッ! ……ハフッ!」

短い息継ぎを繰り返し、酸素を取り入れようと頑張る。
喉が痛い、塩水とはこうも泳ぎにくいものなのか。

それでもドクオは自分のペースを守って泳ぎ続けた。

腕は早くもいい感じで麻痺している、ここで無闇やたらにとばしたりさえしなければ、このペースでいける。

(;'A`)「……ハァッ!」

呼吸は短くて苦しかった。
でも体力はある、矛盾するようだが楽だった。

隣の選手が自分の方向に少しづつ寄ってくると、ドクオは素直に距離をあけた。

ぶつかって今のテンポ、今の調子を崩したくなかった。

(;'A`)「……ハフッ!」

いい感じだ、前回よりもきっと速いに違いない。
調子のいい自分に驚き、息継ぎをしながら口元に笑みを浮かべてしまった。
そんな余裕すらあった。

21 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/09/10(日) 20:52:48.86 ID:JTTECRrh0
wktk

22 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/09/10(日) 20:53:18.00 ID:6SJnoytZ0
ジョルジュは体にのしかかる強烈な疲れに苦悩した。

スイムでペースの変化を行うのは、想像以上に体へと負担をかける。
呼吸器が、腕の筋肉が、そして疲労を感じると供に精神的にも激しい負担となる。

(;゚∀゚)「……ハパァッ!」

息継ぎをしようとしたら、タイミング悪く波が口の中に入った。

突然のことに水中でむせる。
急いで手の回転を早めると、数度息継ぎをして呼吸を安定させた。

(;゚∀゚)(はぁ、はぁ……これでまたテンポが崩れたな……今回はボロボロだな)

どうしてこうも不幸は続くものなのか。
肉体的な負担もさることながら、精神的な負担がより彼を苦しめた。

23 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/09/10(日) 20:54:53.39 ID:6SJnoytZ0
ブーンは相変わらず1位で競り合いをしていた。
3度目の折り返しを行いラストが375mを切ると同時、互いに牽制のし合いが始まった。

ペースを一瞬だけ上げる。
逆に一瞬だけ落としたと思わせて突然ペースアップの素振りを見せる。
だが互いに自分が威嚇していると同時「相手が威嚇している」という事も分かっていたようで結局は並んだ状態だった。

(;゚ω゚)(そろそろ……落ちてもらいたいお、これ以上は精神的に厳しいお……)

ブーンは少しずつ相手に泳ぎながら寄っていく。
すると望むところだと相手も自分に寄って来た。


二人の手がビシッと接触した。


肩にドスンと重荷が乗っかったような衝撃がはしる。
しかし互いに泳ぎに自信があるのだ、安定したフォームは崩れない。

(;゚ω゚)(これくらいじゃ全然疲労しないお、腕も全然余裕だお、ダメージないお。
    でも相手はそうもいかないお、今頃接触した事を後悔しているはずだお)

暗示のように繰り返し、ネガティブな考えを浮かばなくする。
精神的に、なんとしてでも有利に立たなくてはいけなかった。
ここまでくると実力じゃない、心の勝負なのだ。

24 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/09/10(日) 20:55:46.52 ID:S0IYWGbA0
これはいいものだ

25 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/09/10(日) 20:57:32.70 ID:6SJnoytZ0
トップを泳ぐ2人が、ようやくゴールまであと数十メートルとなった。
観客達もいよいよかと手に汗を握って待っていた。

('、`*川「2人……のままですね……」

ξ*゚ー゚)ξ「どちらかがブーンだといいんだけど……」

選手が泳いでいる時は、ほとんど応援など聞こえない。

スイムはそれなりのペースで泳いでいれば息が乱れ、苦しくなりとても集中力を使う。
聴覚にまで気が回らないのだ。

それでも大会では絶え間ない応援が続く。
それがトライアスロンという競技、選手と応援者が一体となる場所なのだ。
選手が頑張る限り、応援者は決して応援を絶やす事はない。

ξ*^ー^)ξ「がんばれー! もうちょっとー!」

小さな声で叫んだ。
届かなくてもいい、叫ぶことに意味があるのだから。

26 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/09/10(日) 20:59:11.73 ID:6SJnoytZ0
(;゚ω゚)(ラスト、まだ100m以上はあるお……でも行くお!)

痺れを切らし、とうとうブーンは先にスパートをかけた。
100m以上ある残りを全てペースアップできるなどとは思っていない、
ただこれで相手が闘争心を失い、後退していってくれれば気持ちは幾分も楽になる。

しかし相手はついて来た。

(;゚ω゚)(泳ぎは無茶苦茶だお! 早く落ちるお!)

そう思いながらも、ブーンこそすぐに減速した。
そして再び二人並んだ状態になった。

(;゚ω゚)(負けたくないお、負けたくないお……)

同時に様々な心配がブーンを苦しめた。

先ほどのスパートで決める事が出来なかったため、体はすでに限界だ、もうペースアップは無理だ。
このままのペースなら負けん気で何とかついていけるが、相手にここからスパートをかけられたらとても抗えない。

(;゚ω゚)「……ハヒュッ!」

呼吸をする時に聞こえる、相手の苦しそうな呼吸音。
きっと無理だ、相手はスパートなんて出来やしない。
そう信じる事でいっぱいいっぱいだった。


27 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/09/10(日) 21:01:10.93 ID:6SJnoytZ0
そしてブーンの望みどおり、相手はスパートをしなかった。
しなかったのか出来なかったのかは分からないが、そのまま二人は並んでスイムを終えて岸に上がった。
トランジットエリアは海岸にあり、スイムを終えてからそこまでは砂浜を走らなくてはならない。

  「頑張れーッ!」

  「負けるなーッ!」

二人同時にスイムを終えるというの白熱した場面に、歓声も大きく響く。
どちらが一番にバイクをスタートするのか、観客はもう二人の動向に目を奪われた。

(;゚ω゚)「……ハァッ、はっ、はっ!」

砂浜に体全体が埋まりそうになる。
地面を蹴っても進まない、頑張ってモモを上げて体を動かした。
フォームは滅茶苦茶で、腰は力なく曲がっている、そんな状態でもブーンは頑張って走った。

トランジションエリアまでのランニングでは僅かに相手に先を譲った。
しかしブーンは足の砂を素早く払うとすぐにバイクシューズをはいた。

(;゚ω゚)(先に……スイム、一番で……!)

28 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/09/10(日) 21:02:47.21 ID:6SJnoytZ0
ξ*^ー^)ξ「がんばれー!」

('、`;川「すごいよ、トップだよがんばれー!」

二人の応援など届いていないのだろう、ブーンは必死の表情でヘルメットをかぶるとバイクを押してスタートラインへ駆ける。
ブーンがバイクの乗車ラインを超えるとさらに歓声は大きくなった。
彼がスイムを1位で終了した瞬間だった。

会場全体が揺れるかのような人の声。
応援に来ていた二人の声など打ち消された。

ξ*゚ー゚)ξ「……やっぱり妬いちゃうな」

('、`*川「……ん?」

ξ*^ー^)ξ「ううん、何も。それよりも次はどちらが来るのか楽しみね」


ブーン:
スイム 19'45"(1位)

29 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/09/10(日) 21:04:55.28 ID:6SJnoytZ0
(;^ω^)(フサギコさんがいなかったから……ようやくスイムで1番取れたお……)

嬉しさで顔が歪む。
そんなブーンをスイム2番の選手がすぐに抜き去ったが、ブーンは全然気にしなかった。

足はいつもの乗り出しと同じで良く回転する。
呼吸はやはり辛い、塩水のせいもあって早くも乾いた呼吸になっている。

それでも……ブーンは笑っていた。

(;^ω^)(いける、いけるお……勝てるお……!)

スイムを1位で通過した事で精神的な余裕が生まれていた。

今回は無駄にスピードアップをしようとは思わなかった。
ただ、今の気持ち良くこげる状態でずっと行きたいとだけ思った。

(;^ω^)「……ふっ、……ひゅぅ……ッ!!」

呼吸はやはり酷いものだ、まだ乗り出しだというのに。
腕もガクガクで油断すると直線にも拘らず転びそうだった。

(;^ω^)(いける……勝てる……!)

それでもブーンは笑っていた。
精神的なアドバンテージはかなり大きかった。

30 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/09/10(日) 21:06:30.78 ID:6SJnoytZ0
(;'A`)「……ハヒュッ、……ハフッ! 」

スイムが終わりに近づくと、自分のペースで泳いでいたとはいえ体への負担は相当なものだった。
それでも……前回のスイムに比べれば格段に楽だった。
前回は最悪な結果を残したが、それをバネに彼は精神的強さを手に入れた。

(;'A`)(もしかしたら……奇跡ででもジョルジュさんに勝てないかな……)

疲れている、疲れているがこの後バイクとランならいける疲労だった。
これ以上泳げと言われると無理だが、そうでなければ何とかなる……そんな疲労。

むしろあまりにいい具合に力を使い切っていて、気持ちいいくらいだった。

(;'A`)(あーあ、やっぱ俺生粋のマゾかもしれんな)

短い息、苦しい。
肩が痛い、筋肉はパンパンに張っている。

そんなドクオのスイムはあと少しで終わりだ。

(;'A`)「……ハフッ、……フヒュッ!」

31 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/09/10(日) 21:06:42.06 ID:JTTECRrh0
一位ktkr

32 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/09/10(日) 21:08:09.54 ID:6SJnoytZ0
(;゚∀゚)(くそ、全然スピードが出ない……)

もう腕は限界を超えていた。
水がかけない、こうなると一気に呼吸器にも負担がかかる。


もっと息が吸いたい。


(;゚∀゚)「……プハヒュッ!!」

腕が上がらない、悔しい……でもどうしようもない。

まだまだ苦しい。


苦しい。


(;゚∀゚)(苦しい)


肉体的限界の後に来る、精神的な悪循環。

33 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/09/10(日) 21:09:54.25 ID:6SJnoytZ0
続々とスイムを終わらせていく選手達を、2人は一人一人チェックしていた。

ξ*゚ー゚)ξ「そろそろ来そう……」

('、`*川「ジョルジュさんが先に来るとも限らないですよ、もしかすると……があるかもしれないですよ」

選手が競技を終える瞬間、この時は応援者が最も緊張する瞬間だ。
誰が、いつ来るのだろうかという期待や心配が交錯する。

トライアスロンでは安定した実力を出すのは難しい。
総合タイムが5分程度変動することだってざらにある、思わぬエネルギー切れで一気に減速することだって珍しくない。
実力よりも精神的面が記録を左右するシーンばかりだ。

だからこそ、応援者も供に頑張ろうという気になるのだ。
応援に熱が入るのだ。


ここでデレが、見慣れた人物を発見した。
あれは……前回ブーンと一緒に出ていた同じ会社の人だ、間違いない。

ξ*゚ー゚)ξ「伊藤さん、来たみたいですよ」

('、`;川「え、はい!」

伊藤は慌てて、今まさに海から出ようとしている人物に目を向けた。

34 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/09/10(日) 21:11:40.18 ID:6SJnoytZ0
ξ*゚ー゚)ξ「ごめんなさい、私まだちょっと分からなくて……あれはどちら様?」

筋肉質で背の高い影が、砂浜をトランジションエリアへと向かって走っていた。

('、`*川「あれがジョルジュさんです」

ξ*^ー^)ξ「ありがとうございます。
    ジョルジュさん、がんばれーッ!」

やはり応援しても気付いてくれない、焦りながらも慎重にウェットスーツを脱いでバイクの準備に掛かる。
そしてバイクを押してすぐに乗車ラインへと向かった。

('、`*川「あ、ドクオ君も来た!」

その時スイムを終えたドクオがトランジットエリアへ来た。
バイクを押していくジョルジュの背中を見て、小さくガッツポーズしていた。

(;'A`)(よし、これくらいの差なら……)

ジョルジュは後ろにいるドクオに気付いていない。
そのままバイクを押して乗車ラインを跨いだ。


ジョルジュ:
スイム 26'43"(16位)

35 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/09/10(日) 21:13:13.66 ID:6SJnoytZ0
('、`*川「ドクオ君、がんばれー!」

ξ*^ー^)ξ「ドクオさん、ジョルジュさんはすぐ前ですよー!」

二人の声にドクオはチラと顔を向けると、照れ臭そうに笑った。
自信に満ちた笑顔だった。

手早く準備を終えると、バイクを押して乗車ラインへと向かう。
そして乗車ラインを超えると、すぐにバイクをこいで行ってしまった。

ξ*^ー^)ξ「……ドクオさん、頼もしい笑顔でしたね」

('、`*川「はい、期待できそうです」

そして二人はバイクの応援場所へと移動した。


ドクオ:
スイム 26'58"(18位)

36 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/09/10(日) 21:15:10.85 ID:6SJnoytZ0
書き込みをしてくれる方、ありがとうございます。
とりあえず今回もここで少し休憩をもらいます。
半くらいから再開したいと思いますので、よければ引き続きよろしくお願いします。

37 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/09/10(日) 21:16:59.17 ID:XHxCBXOy0
乙です。続きにも期待しております

38 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/09/10(日) 21:17:04.21 ID:S0IYWGbA0
乙、これはとてもいいものだ
続きwktk

39 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/09/10(日) 21:17:16.14 ID:08clWALk0

前にも書き込んだけどホント面白い
続きもwktkしてる

40 名前:スケットン :2006/09/10(日) 21:18:47.24 ID:ir3v5zIt0
http://members.goo.ne.jp/home/suketton
僕のHPです。遊びに来てね。
あ、でもウィルスメールとか送ったり、提示版荒らしたりとかはしないでね

41 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/09/10(日) 21:22:32.86 ID:Inb0VKEb0

ドキがムネムネしてしょうがない

42 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/09/10(日) 21:28:10.37 ID:kiHU2FSuO
今から読む

43 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/09/10(日) 21:29:49.03 ID:6SJnoytZ0
面白いと言ってくれる方ありがとうございます。
お待たせしました、それでは試合終了まで一気に投下行きたいと思いますのでよろしくお願いします。

44 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/09/10(日) 21:31:37.36 ID:JTTECRrh0
wktk

45 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/09/10(日) 21:32:15.42 ID:6SJnoytZ0
既に1.5kmものスイムを終えたはずだが、体は不思議と疲労を感じなかった。
後からズシンと来るのだろうが、今はむしろいい感じで体が動く。

(;'A`)(ジョルジュさん……見えた!)

ドクオがバイクをこぎ始めると、すぐにもジョルジュを確認した。
思ったよりも距離がある、しかしドクオはそれをもろともせずにペースを上げた。
風もあまり感じない、これなら……いける。

(;'A`)(前回のバイクタイムは1時間8分……今回は1時間5分だな……)

ドクオは加速して行く。
すぐにもジョルジュへと並んだ。
そのまま一気に抜き去る。

(;゚∀゚)(コイツ……早えぇぇぇぇ!!)

あわよくば後ろにつこうとも考えていたが、そんな暇も与えないほど一気に抜かれた。

(;゚∀゚)「……はぁ、はぁッ!」

(;゚∀゚)(今のオレが38km/h……40km/hは出てるな……もつのか!?)

そう思いながらもドクオに抜かれた事でジョルジュは一気に疲労を感じた。
まだ乗り出してすぐだというのに……ジョルジュは顔を大きくしかめた。

46 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/09/10(日) 21:33:58.25 ID:6SJnoytZ0
(;'A`)(よし、ジョルジュさんは来ない……!)

ジョルジュを抜き去り、相手が自分について来ない事を確認してドクオはさらに調子を上げた。

スイム、バイク、ランとトライアスロンには3種目あるが、共通する事、それはリズムだ。
特にスイムとバイクはそれを大切にする事が重要だ、自分に適したリズムが絶対にある。

リズムは毎日違う。

疲れや体調などによって、その時々に合ったリズムが存在するんだ。
そしてそれは練習を重ねる事で、次第に明確になってくる。


ドクオはそれだけの練習を重ねていた。
特にバイクは彼が最も力を入れた種目だった。
前回の初トライアスロンで良い記録を出してから、彼はさらに練習を重ねた。


(;'A`)「……ふぅ、……ふぅ」



そして今日は調子が良かった。
最高のリズムだった。

47 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/09/10(日) 21:35:32.67 ID:6SJnoytZ0
(;^ω^)(よし、1周目終了だお!)

今回のバイクは10kmのコースを4周で40kmと、1周がかなり長い。
一度選手が通過してから次来るまで15分以上あり、応援者には少々辛いか。
同時に選手にとっても気持ちの切り替えが難しい。

そんな中、ブーンは気を楽に持って1周目を終了させた。

(;^ω^)(流石に足に少しきてるお……)

それでも精神的な疲労はかなり少ない。
1位でスイムを終えた展開はブーンにとって物凄い力となっていた。

ξ*^ー^)ξ「がんばれー」

('、`*川「ファイト!」

デレと伊藤がいるのが見え、応援を聞くと軽く手を振った。
大丈夫だ、全然余裕がある。

同時、ブーンは思った。

(;^ω^)(バイクでドクオとジョルジュさんに抜かれなかったら……勝てるんじゃないかお?)

考えが浮かぶと同時、足に力を入れてスピードアップしていた。

48 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/09/10(日) 21:37:06.82 ID:6SJnoytZ0
('、`*川「ブーン君、手を振るなんて余裕ね」

ξ*^ー^)ξ「まだ1周目だからかな、でも調子良さそうだったからよかった……」

スイムの貯金があるブーンは、バイクは遅かったがまだ順位は上位に食い込んでいた。
デレの言うとおりまだ1周目だ、半分も終わってない。
それでも気持ちよくバイクをこいでいたブーンを見ると良い結果が出そうな気がした。

それからすぐドクオとジョルジュが来るかと待ったが、やはりスイムの貯金がものをいっているのか、二人は中々来ない。

('、`*川「遅いですね……」

ξ*゚ー゚)ξ「でもそろそろじゃないかしら……」

話をしていると、ようやくドクオが姿を表す。
必死の応援に気付く事無く、真剣な面持ちで二人の前を通過していった。

ブーンに比べると格段に疲れていそうな、そんな表情だった。

('、`;川「大丈夫ですかね?」

ξ*^ー^)ξ「でもこの前の大会もドクオさんはすごくバイク速かったから、今回もすごく期待できますよ」

軽く話をしてその後すぐに来るだろうジョルジュを二人は待ったが……
ジョルジュは姿を表したのは少し後だった。

49 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/09/10(日) 21:38:16.48 ID:6SJnoytZ0
ジョルジュはブーンやドクオよりもさらに辛そうな表情で通過していった。
体全体で息をして、選手3人の中でも一番疲労の色を露にしていた。

('、`;川「……まだ1周目ですよね?」

ξ;゚ー゚)ξ「そのはずだけど……ジョルジュさん大変そうでしたね」

まさか1周でここまでジョルジュとドクオの差が開くとは思ってもおらず、二人は驚きを隠せないでいた。

50 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/09/10(日) 21:38:40.08 ID:JTTECRrh0
wktkwktk

51 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/09/10(日) 21:39:51.12 ID:6SJnoytZ0
(;゚ω゚)「……はぁっ、はぁっ!!」

ペースアップと同時に来る体への疲労、負担。
先まで調子良かったのが嘘のようだ。
顔に笑みはもうない。

(;゚ω゚)(逃げ切れるお、ジョルジュさんからも……ドクオからも……勝てるお)

このままのペースで頑張ればきっと勝てる。
減速する事無くこのまま行けば絶対に勝てる。

そう信じてブーンは必死にバイクを走らせた。

(;゚ω゚)(もうモモの筋肉が……このまま40kmはもたないお……)

分かっていてもペースを落とすわけないはいかなかった。

52 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/09/10(日) 21:40:56.91 ID:6SJnoytZ0
2周目はまだブーンがトップで通過した。
しかしドクオとジョルジュの差はもう大きく開いており、
ジョルジュはバイクの後ランに移れるのかというほど疲労を見せていた。


(;゚ω゚)(逃げ切るお、このまま……抜かれないお……!)


(;'A`)(ブーン、まだか……流石に足が……くそ!)


(;゚∀゚)(だめだ、ペースは悪くないが疲労が……)


ξ;゚ー゚)ξ(ブーン、頑張って……)


('、`;川(ドクオ君、もうちょっとでブーン君の所にまで……)

53 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/09/10(日) 21:42:30.41 ID:6SJnoytZ0
そして3周回目の終わり、とうとうドクオはブーンへと追いついた。

(;゚ω゚)(ドクオ……!)

そのまま一気に抜き去る。
スピードの違いは明らかだった、とても抵抗できるようなスピードでなかった。

ブーンへ襲い掛かるいきなりの疲労。
足の回転は遅くなった。
筋肉が途端に固まる。


(;'ω`)(ドクオ……)


既に彼は見えなかった。
完全なスピードの違い、ブーンはみるみる間に減速した。

ラスト1周に差し掛かった直後の出来事だった。

54 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/09/10(日) 21:43:05.23 ID:XHxCBXOy0
wktk

55 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/09/10(日) 21:44:03.47 ID:6SJnoytZ0
しかし同時にドクオもブーンを抜いた事で安心してしまったのか、大きな疲労を感じた。
目標がなくなってしまったのだ。

何とかと力を入れるが思うように進まない。

リズムが悪い、今の力でこのままこぎ続けることは不可能だ。


(;'A`)(ちくしょ……1時間5分が……くそ、体がいう事きかねぇ)


残り10kmを切り、ブーンとドクオは同時に失速した。

56 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/09/10(日) 21:45:36.73 ID:6SJnoytZ0
バイクが始まって間もなくドクオに抜かれたジョルジュは激しい疲労を感じ、思うようにスピードに乗れずにいた。

しかし中盤にもなると初めの方にペースを上げなかった事が功を奏したか、体は動き精神的に楽になってくる。
後半に入り調子を上げてきていた。

(;゚∀゚)(よし、初めの方はダメだったがこのまま後半減速なければいい感じでいける……!)

最後の周回に入ってもまだまだ体は十分に動く。
呼吸は苦しい、モモはパンパンですごく熱を持っている。


でも、いける。


ラスト1周、ジョルジュはペースアップしないまでも、キープしてバイクをこぎ続けた。

57 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/09/10(日) 21:47:34.91 ID:6SJnoytZ0
トランジットにはバイクを終了した選手がちらほらと現れ出した。
最後の周回に入った直後にブーンはドクオに抜かれていた、まずはドクオが来るだろう。

('、`;川「そろそろですね」

ξ*゚ー゚)ξ「ドクオさん、どれくらいで来るかしら……」

また一人、また一人と選手が到着する。
トップの方は集団で来ても3人程度だ、大きな選手の塊ができることは珍しい。

ξ*゚ー゚)ξ「……今来た選手で6番目ですね」

('、`;川「ドクオ君……がんばれ……」

まだかまだかと待っていると、次第に汗が噴き出してくる。
やはり暑い。
特にこうやって選手を待つときは心が急いて、余計に暑く感じた。


そんな中、いよいよドクオが登場した。

58 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/09/10(日) 21:48:34.60 ID:OYt4euUD0
是非ともドクオには頑張って欲しい。

59 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/09/10(日) 21:49:11.65 ID:6SJnoytZ0
ξ;゚ー゚)ξ「すごい……」

まさかこんな上位まで登ってくるなど想像もしておらず、見ている方としても驚きと興奮が入り混じる。
またさらに暑さを感じた。

('、`*川「ドクオ君、がんばれー!」

ξ*^ー^)ξ「ドクオさん、ラストいけー!」

応援する二人の方を見て軽く手を出すと、すぐにもヘルメットを脱ぎ靴を履き替えて走り出した。

前回とは違い、安定していた。
期待が十分に持てそうな走りだった。

ドクオはランのスタートをいち早く切った。


ドクオ:
スイム 26'58"(18位)
バイク 1:06'31"(3位)
スプリット 1:34'29"(8位)

60 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/09/10(日) 21:51:25.17 ID:6SJnoytZ0
前回の初大会ではバイクで完全燃焼してしまい走るどころではなかった。
実際あまりの辛さに走る事を放棄して歩いてしまった。

しかし今回は違う。

(;'A`)(よし、走れる……!!)

腰が上下して思うようなテンポを作れずに困るも、思いの外足は動いた。
予想をはるかに超える出だしだ、今回もバイクでかなり体力を使ったからどうなるかと思っていたが、上手く走れそうだ。

(;'A`)(……くっ!)

しかし酷使しきった足、体に蓄積された疲労。
毎日ランニングの練習をして自分のテンポを掴んだつもりでいたが全然分からなかった。

どれくらいのテンポでいけばいいのだろうか。

予想外に動く体がさらに彼を悩ませた。

(;'A`)(このまま行ける訳はないが……行けそうな気がする……)

困惑した。
まるで他人の体で走っているようだった。

61 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/09/10(日) 21:53:02.94 ID:6SJnoytZ0
ドクオが来てからブーンとジョルジュを待っていたが、やはりそれなりに時間が空いた。
ドクオは相当なタイムでバイクをこいできたのだろう。

トライアスロンでは精神力が重要な事は何度と説明したが、
その上で「自分はバイクが速い」などと自己暗示をかけている場合はさらに強い。
逆に「自分はバイクが弱い」などと思っていると想像以上に脆く簡単にペースを乱すことになる。

ブーンはバイクに自信がなかった。


ξ;゚ー゚)ξ「いくらなんでもそろそろ……」

('、`*川「あ、来ましたよ!」

若干蛇行しながらブーンはバイクの最後の周回を終えると、すぐにトランジションエリアへ入ってくる。

(;^ω^)(まだジョルジュさんに抜かれていないお、このままドクオを抜いて逃げ切るお……!)

目に見えて焦りながら靴を履き替え、ヘルメットを脱いだ。

ξ*^ー^)ξ「ブーン、がんばれー!」

('、`*川「ブーン君、がんばれっ!」

応援が届いたらしくブーンは二人の方をちらと見ると、ふっと笑った。
そしてそのまますぐランのスタートを見据える。

62 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/09/10(日) 21:53:45.10 ID:JTTECRrh0
wktkwktk

63 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/09/10(日) 21:54:36.99 ID:6SJnoytZ0
(;^ω^)(何とかジョルジュさんに抜かれなくて良かったお、抜かれていたら精神的にきつかったお……)

帽子をかぶるとすぐにも走り出した。
ドクオの姿はないが、きっと追いつける。
そう信じて体を動かしていく。

地面を蹴る感覚が分からず、体が思った以上に弾んでリズムを作れない。

(;^ω^)(何とか、ドクオまで……)

ドクオが見えればきっと力はみなぎってくる、ドクオを見つけるまでのランが勝負だ。
大きな応援の中、歯を食い縛ってランのスタートラインを跨いだ。


ブーン:
スイム 19'45"(1位)
バイク 1:16'52"(29位)
スプリット 1:36'37"(11位)

64 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/09/10(日) 21:54:56.29 ID:tw2JKafE0
wktk

65 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/09/10(日) 21:56:17.64 ID:6SJnoytZ0
('、`*川「ブーン君、ドクオ君に追いつきますかね……?」

ξ*゚ー゚)ξ「表情を見てると厳しそうだったけど、ドクオさんも逃げる方は大変そうですしね」

逃げる方と追う方、その精神的な優劣はドクオがどこまで逃げ切れるかで決まる。
終盤まで逃げ切れば追う方は精神的に辛くなるが、前半の内に捉えられれば逆に心が奮い立つ。


何よりも勝負は二人の勝負ではない。
もう一人、実力的にはもっとも強い男がまだいるのだ。


ブーンよりもさらに少し遅れてジョルジュはトランジットに姿を表した。

('、`;川「ジョルジュさん来ました!」

ξ;゚ー゚)ξ「結構差が開いたけど……大丈夫なのかしら」

ジョルジュは慣れた手つきでヘルメットを脱ぎ靴を履き替えると帽子をかぶった。
そして走り出す前に軽く水を含む。

66 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/09/10(日) 21:57:51.28 ID:6SJnoytZ0
(;゚∀゚)(勝負はランか……やべ、楽しいわ)

ジョルジュは笑っていた。
体はもう疲労だらけで、まだ最後にランを残している状態で、身内の順位は最後だったのだが……彼は笑っていた。

ξ*^ー^)ξ('、`*川「ジョルジュさんがんばれー!」

(;゚∀゚)「おうっ!」

大きな声で応援の二人に返事してジョルジュは駆け出した。
そしてすぐにもランのスタートラインを跨いだ。

追う者、追われる者、そして追い追われる者。
とうとう勝負は最後のラン種目に委ねられた。


ジョルジュ:
スイム 26'43"(16位)
バイク 1:11'02"(10位)
スプリット 1:37'45"(13位)

67 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/09/10(日) 22:00:02.63 ID:6SJnoytZ0
この大会のランのコースは、バイクと同じ10kmのコースを1周だけする。
これは応援する者にとっても競技する者にとっても辛かった。

応援する者にとっては、スタートしてからゴールするまでその選手の状況が分からない。
声援もかけれない、ゴールする寸前までひたすら待ち続けることしか出来ないのだ。

競技する方は距離感がなく、いつ見えるか分からないゴールに向かって走り続けるしかない。
途中僅かにあるキロ表示はアバウトで、意識しすぎると思わぬしっぺ返しをくらう。


(;'A`)「はぁッ、は……ッ!!」


逃げるドクオにとっても、当然辛かった。
どこまで逃げ切ればいいのかが分からなかった。

常に追われているというプレッシャーは自分を急かし続ける。

(;'A`)(ダメだ、このペースはオーバーペースだ……!)

しかし止まらない。
このままだとすぐにも限界が来る……分かっていてもプレッシャーを跳ね除けることは出来なかった。

68 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/09/10(日) 22:00:58.15 ID:OYt4euUD0
トライアスロンなんかまったく興味ないのに、
スラスラ読めて面白いな。

69 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/09/10(日) 22:01:35.73 ID:6SJnoytZ0
(;^ω^)(ドクオ……全然見えないお……!)

少しでも早くドクオを捕らえようと走り出したブーンだったが、ドクオは一向に見えてこない。
ペースは遅くない、むしろ飛ばしているはずだが……影も形も見当たらない。

(;^ω^)(早く捉えないと……)

ジョルジュに自分が追いつかれる前に、ドクオを抜いて精神的な余裕を持っておきたかった。



何よりブーンは前回の大会からランニングばかり練習を頑張った。

スイムは既にある程度の速さがあり、練習しても大きくタイムが伸びる事は望めない。
そしてバイクの練習は彼にとって辛いだけだった。




『泳いでる、楽しんでいるブーンが好き』


彼は楽しくないからバイク練習はしなかった。
ただ、その代わりにラン練習を精一杯頑張った。
とうぜん楽しいわけではない、それでも辛いとばかり思って運動をする事は自身が許せなかったのだ。

70 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/09/10(日) 22:02:11.55 ID:6SJnoytZ0
(;^ω^)(今までの僕よりももっと速く走れるお、絶対ドクオに追いつけるお……)

既に足は上がらない、地面を蹴る力が出ない。
呼吸が苦しい、腕を振れず肩を動かした。


それでも……頑張った。
追いつける、そう信じて走り続けた。


笑ってゴールをする。


それが一番楽しい事だから、そのために。

71 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/09/10(日) 22:03:40.83 ID:6SJnoytZ0
ジョルジュは飛ばし過ぎずに自分のペースを守って走った。
それでも今までのレースに比べると格段に速いペースだった。

(;゚∀゚)(えらいな……でも久しぶりに楽しいわ)

笑いながら走っていた。

当然足はボロボロだ。
肩が揺れて腰の位置が安定していないのは今回だって例外じゃない。

それでも……不思議と精神的に楽だった。

疲労困憊といえるほど大きな疲労だったにも拘らず、走れないとは思わなかった。

(;゚∀゚)(ブーンにドクオ……待ってろよ。今回だけは負けれないからな)

72 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/09/10(日) 22:05:16.09 ID:6SJnoytZ0
ジョルジュがトライアスロンを始めたのに然程大きな理由はない。

マイナーで、一人で出来て、そして体を酷使するスポーツ。
それに当てはまっていたから彼はトライアスロンを始めたのだ。

彼はトライアスロンを始めて今年で3年目になる。
その3年間、初めての大会以外で彼は心の底から楽しいと思って競技をしなかった。
自分を傷付けることだけに満足していた。

初めて出た時は経験として楽しいと思ったがそれだけだ。


勝ちたいと思わない人間に力は出ない。

今まで最後のランニング種目で彼は本気で走った事などなかった。
ある程度のペースで走っていれば結果的に全力を尽くしたような形にはなるが、
あくまで自分を追い込み、最後の最後まで足が動かなくなるほど追い込んだことは無かった。


どこかで求めていたのだろう、一緒に競技できる仲間を。
競い合えるだろう仲間を。


そして今、彼は勝ちたいと心から思った。
それが楽しかったのだ。

73 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/09/10(日) 22:05:48.02 ID:objV4boy0
じっくり読んでる
wktk

74 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/09/10(日) 22:06:53.86 ID:6SJnoytZ0
(;゚∀゚)(ブーンにドクオか……感謝だな)

ブーンを誘ったのも深い意味はない。
偶然プールで会って、トライアスロンをやっていると話した。
そして社交辞令の一環として、半ば冗談で彼を誘ったのだ。

(;゚∀゚)(どこにトライアスロンに出るか聞かれて「出る」って即断するバカがいるんだよ……)


そこにいたんだ。


そして偶然にもそのバカに声をかけてしまったんだ。

75 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/09/10(日) 22:08:03.29 ID:6SJnoytZ0
(;゚∀゚)「……はぁっ、はぁっ、はッ!」

考え事をしていたが、ペースは落ちていない。
体は相変わらず今にも砕けそうな状態だったが、やはり走れないとは思わなかった。

選手を一人抜くたびに、抜いた相手に「ファイト」と軽く声をかけた。

余裕を見せているわけじゃない。
ただそれくらい嬉しかったんだ、楽しかったんだ。


(;゚∀゚)(まだブーンは見えないか……)


ジョルジュはペースを上げた。
ただでさえ限界の体に極度の負担がかかるも、やはり走れないとは思わなかった。

76 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/09/10(日) 22:09:38.02 ID:6SJnoytZ0
看板に残り4kmと表示されるころ、ようやくブーンはドクオを発見した。

(;^ω^)(ドクオ……見えたお!)

とうとう来た、ブーンにみなぎる闘志。
精神的アドバンテージ、ペースは無意識に上がった。

(;^ω^)「……はぁ、はッ!」

ドクオはこちらに気付いていない。
この隙に一気に抜き去る。


気付くな、気付くな、気付くな。


ペースを上げるな、上げるな、上げるな。


そう思いながらブーンは走り、ジワジワとドクオとの距離を詰めていった。

77 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/09/10(日) 22:11:04.01 ID:tw2JKafE0
wktk

78 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/09/10(日) 22:11:15.35 ID:6SJnoytZ0
残り3kmの看板が見える頃、ドクオとの距離はあと10m程度にまで縮まっていた。
もう少しだ、彼の真後ろにまで行ったら一気に抜いてやろうと思っていた。


そんな矢先、誰かがブーンを抜き去った。


ジョルジュだ。


確認するや慌ててペースを上げてジョルジュに喰らいつく。
ただでさえドクオに近付こうとペースアップしていたのだが、ジョルジュはそれよりも速いペースでブーンを抜いた。

ブーンはすでにいっぱいいっぱいのペースで走っているつもりだったが、つられて更にペースは上がった。

(;゚ω゚)「……フヒュッ、フハヒュッ!!」

喉が痛い、フォームは一気に崩れた。
それでも必死にジョルジュへ喰らいついた。

79 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/09/10(日) 22:14:11.56 ID:6SJnoytZ0
(;'A`)(あと3kmもあるのか……しんどいな……)

ドクオは初めにペースを上げ過ぎたために、5km程度から一気に失速した。
何とか頑張って一定ペースに留めようとするも、バイクでの疲労が思うようにさせてくれない。

体力がほとんどない状態での残り3kmは、いつも以上に長く感じた。
追われる者の精神的な余裕はまだ生まれてこない。

(;'A`)(ブーンには抜かれていないぞ、このまま……)

そう思って振り返った先にはジョルジュとブーンがいた。
顔が引き攣る。

振り向いた時には10m程度あった距離が、すぐにも縮められた。
並びかけられる。

(;'A`)(こんなペースで……ッ!?)


並んだと思うとすぐに前に立たれた。
逃がすかとばかりにドクオもブーンの後ろにつく。

ついに3人は縦に並んだ。

80 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/09/10(日) 22:16:12.30 ID:6SJnoytZ0
(;゚∀゚)(ドクオもついて来たか……後ろを振り向かれなかったら一気に抜くつもりだったのにな……。
    どっちか早く落ちてもらわんと、オレが危ないな……)

精神的な余裕があっても、やはり肉体は正直だ。
一番後方から走ってきたジョルジュの体はとっくに限界を示している。

地面を蹴る足に一回一回力を入れる。
気を抜けば地面を蹴れずに足が止まる気がした。



(;゚ω゚)(ドクオ……来るなお……! このままのペースは絶対に無理だお……!)

こんなスピードでまだ走れる自分に驚くほど、ブーンは精一杯のペースで走っていた。
筋肉が熱く痛い、脹脛の筋肉が今にも膝まで上がって足が攣りそうだ。
腹筋ももうもたない、ひどく前傾姿勢で走らざるを得なかった。



(;'A`)(二人とも、やっぱり……速い……)

ドクオは思わず二人について行こうとペースを上げたが、すぐに限界がきた。
モモを上げなければ付いて行けないようなハイペース。

バイクで最も足を酷使したドクオにとって、ここまでのペースで走られれば初めに脱落するのは目に見えていた。



残り2km。
ドクオがとうとう脱落した。

81 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/09/10(日) 22:16:20.61 ID:tw2JKafE0
wktk

82 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/09/10(日) 22:18:07.70 ID:6SJnoytZ0
もうモモが上がらない。
呼吸だって限界だったが、それ以上に足が耐え切れなかった。

リズムを戻して自分のペースへと減速する。

(;'A`)(くそ……とんでもないペースだ……)

しかしドクオも完全には落ちない。
ジワジワと距離を広げられるも、完全に離されない様にと走り続ける。

(;'A`)「ひぅっ、ひッ、はひッ……!!」

(;'A`)(ブーンとジョルジュさん、どっちが次に落ちてくる……?)

まだまだ分からない、どちらかが減速しようものなら十分追いつける距離とスピードで必死にドクオは走った。
毎日練習を重ねたんだ、スピードが無くても引けをとらないだけの体力はあった。

83 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/09/10(日) 22:19:43.54 ID:6SJnoytZ0
(;゚∀゚)(よし、ブーン……決めるか?)

残り1kmの看板がまだ見えない頃に、痺れを切らしジョルジュが一気にスピードを上げた。
ラストスパートと呼ぶには早過ぎる。
ペースだって明らかにオーバーペースだ。

(;゚ω゚)(ジョルジュさん、こんな所で……)

慌ててブーンも追いつく。
二人一気に加速した。

残り1km以上を残してのスパート、先に諦めた方が負ける。
勝った方は精神的優位に立てる、負けた方は一気にのしかかる疲労にやられてペースを落とす一方だろう。

(;゚ω゚)(キツイ、もう持たないお……)

(;゚∀゚)(くッ、まだ来るか……)

残り1kmの看板がようやく見えた。
長いラスト1kmの攻防が始まった。

84 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/09/10(日) 22:19:48.32 ID:OYt4euUD0
いいよいいよー

85 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/09/10(日) 22:21:23.13 ID:6SJnoytZ0
トップの選手は既にゴールし、少しづつ終わりの選手が見えてくる。

('、`*川「今何人ゴールしました?」

ξ*゚ー゚)ξ「この選手で4人目ですよ」

('、`*川「まだもうちょっとかかるかな」

そんな話をしていると、5位の選手が見えてきた。

ξ*^ー^)ξ「がんばれー!」

('、`*川「ラストファイトー!」

スタートとゴールでしか応援できない今回のレースでは今まで以上に熱い声援がゴール選手に寄せられた。
遠目に選手が見えようものならだれ彼構わず応援の声がいくつもこだました。

そして5人目の選手がゴールする。
また歓声が大きく響き渡った。

86 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/09/10(日) 22:21:35.21 ID:tw2JKafE0
wktk

87 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/09/10(日) 22:22:12.83 ID:S0IYWGbA0
たまんねえぜ…

88 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/09/10(日) 22:22:56.29 ID:6SJnoytZ0
ξ;゚ー゚)ξ「……? 伊藤さん、あれ……」

('、`;川「あ……!!」

5位の選手がゴールし終わっても歓声は止まない。
それもそのはず、6位の選手がこちらに向かってくるのが見えていたのだから。

ラストスパートとばかりにモモを上げ、スピードを上げた。
今日何度目になるのだろうスピードアップ。
思うようにペースは上がらなかったが、そのまま必死に走った。

(;゚∀゚)「……はっ、ヒュハッ!」

ξ*^ー^)ξ「頑張れジョルジュさんー!」

('、`*川「ラストスパート、ゴールもうすぐー、頑張れー!」

デレと伊藤の応援が届いたのか、二人の方を見て大きくガッツポーズすると、ジョルジュはゴールテープを切った。

89 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/09/10(日) 22:24:01.87 ID:nj6d0bt20
これはじっくり読ませてもらうわ

90 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/09/10(日) 22:24:59.78 ID:6SJnoytZ0
まだまだ歓声は止まない、次の選手がこちらへ向かって走ってきている。
知らない顔だったが、その更に後ろには知っている顔が二つ並んでいた。

ドクオとブーンだった。

(;゚∀゚)「ガンバレッ!!」

ジョルジュはアスファルトに寝転がったまま、切れ切れの息遣いで叫んだ。

ξ*^ー^)ξ「がんばれー!」

('、`*川「ラストだ行けーッ!!」

ブーンとドクオよりも一足お先に7位の選手がゴールする。
同時に更に大きくなった歓声の中を、二人は走ってきた。

(;゚ω゚)「……ヒュフッ、ヒュッ、ハヒュ!」

(;'A`)「……ヒュッ、ヒュッ、ハヒュッ!」

揃った息の切れる音。
残りの距離はあともう僅かだ。

91 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/09/10(日) 22:25:44.68 ID:WFN6oRBM0
( ^ω^)ブーンが高校バスケで日本一を目指すようですと
このトライアスロンがたまんねぇ・・・

92 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/09/10(日) 22:26:09.97 ID:tw2JKafE0
wkwktktk

93 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/09/10(日) 22:26:44.02 ID:JTTECRrh0
>>91
俺がいるな

94 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/09/10(日) 22:27:16.56 ID:6SJnoytZ0
(;゚ω゚)(ドクオ、まだ……負けれないおッ!!)

その二人の争いは、ブーンが先行していた。
ジョルジュとのスパートに負けて一度はドクオに追いつかれたが、再び残り少なくなったところでスパートをかけたのだ。

ドクオはバイクでモモを完全に使い切っていて、今以上スピードを上げて走れなかった。
スパートをかけたブーンとの距離は無常にも開いていった。


そして残り数十メートルでブーンは更にスパートをかけて、一気にゴールテープを切った。


数秒遅れてドクオもゴールテープを切る。




長かった試合が終わった。

95 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/09/10(日) 22:29:09.39 ID:6SJnoytZ0
('、`*川「お疲れ様!」

ξ*^ー^)ξ「お疲れ、みんな」

ドリンクを持って駆け寄ると、3人は我先にと奪い合ってすぐに飲み乾す。
慌てて応援の二人はドリンクを貰いに行ったが、やはりすぐに飲みほされた。


しばらく荒い息遣いだけが響いて、誰も声を出さなかった。
膝が笑い、それぞれが立つことも出来なかった。


(;゚∀゚)「……お疲れ様」

(;^ω^)「……だお、おっ」

(;'A`)「です……」

やっとジョルジュが声を出すも、皆覇気の無い声だった。

96 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/09/10(日) 22:30:44.43 ID:6SJnoytZ0
ξ*^ー^)ξ「みんな凄かったよ、見ていて凄く興奮した、ね」

('、`*川「うん、本当にお疲れ様」

そう言って二人はそれぞれにタオルを預けたが、一同寝転がったままだった。


また少しゆっくりすると、ジョルジュがフゥと息を吐いた。
頷くようにドクオ、ブーンと続いて大きな息を吐く。


(;゚∀゚)「あー、マジつっかれたもう走れねーッ!!」


(;'A`)「ああああー、もうぜってえトライアスロンなんてやらねぇぞおおッ!」


(;^ω^)「もう限界だおしばらく運動はしたくないおおおおッ!」


そしてそれぞれが思いのまま、大きく叫んだ。

97 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/09/10(日) 22:31:31.32 ID:tw2JKafE0
支援

98 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/09/10(日) 22:32:17.78 ID:6SJnoytZ0
VIPトライアスロン ニューソク海岸大会


ショートの部:51.5km(スイム1.5km、バイク40km、ラン10km)
     参加者  64人


ジョルジュ:
スイム 26'43"(16位)
バイク 1:11'02"(10位)
スプリット 1:37'45"(13位)
ラン 43'48"(7位)
総合 2:21'33"(6位)

ブーン:
スイム 19'45"(1位)
バイク 1:16'52"(29位)
スプリット 1:36'37"(11位)
ラン 44'33"(10位)
総合 2:22'10"(8位)

ドクオ:
スイム 26'58"(18位)
バイク 1:06'31"(3位)
スプリット 1:34'29"(8位)
ラン 47'47"(21位)
総合 2:22'16"(9位)

99 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/09/10(日) 22:35:57.71 ID:6SJnoytZ0
とりあえず大会編終了になります。
今回も最後の番外編があるので、良ければ最後までお付き合い下さい。

まだ番外編が完全に出来上がっていないので、申し訳ありませんが少しお時間を頂きます。
今日中には投下を始めれます。
また、何か質問や間違い等ありましたら指摘のほうお願いします。

まとめサイト様へ
すみませんが、>>90の4行目を
>ドクオとブーンだった。→ブーンとドクオだった。
に変えていただけないでしょうか?
添削ミスで申し訳ありませんが、よろしくお願いします。


100 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/09/10(日) 22:36:48.10 ID:XHxCBXOy0
乙です
今回も面白かったです
番外編楽しみにしてます

101 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/09/10(日) 22:39:08.00 ID:Inb0VKEb0
乙でした
ドクオとブーンの成長振りがすさまじいww

102 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/09/10(日) 22:41:28.81 ID:JTTECRrh0
+   +
  ∧_∧  +
 (0゚・∀・)   ワクワクテカテカ
 (0゚∪ ∪ +
 と__)__) +


103 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/09/10(日) 22:52:13.69 ID:NDcnqrvL0


104 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/09/10(日) 22:55:11.43 ID:OYt4euUD0
syu

105 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/09/10(日) 23:00:15.53 ID:08clWALk0
wktk

106 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/09/10(日) 23:09:00.23 ID:NDcnqrvL0


107 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/09/10(日) 23:16:50.47 ID:08clWALk0


108 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/09/10(日) 23:22:05.63 ID:6SJnoytZ0
すみません、お待たせいたしました。
これから番外編を投下していきますので、よろしくお願いします。
一応これにてこの物語は終わりになります。

109 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/09/10(日) 23:22:27.58 ID:08clWALk0
キタwwwwww

110 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/09/10(日) 23:23:11.75 ID:S0IYWGbA0
終わっちゃうと聞くと寂しくなるな…

111 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/09/10(日) 23:23:58.37 ID:XHxCBXOy0
ちょっと早いけどお疲れ様でした>>108

112 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/09/10(日) 23:25:44.40 ID:6SJnoytZ0
忘れもしない、彼女と出会ったのは高校の時だった。

高校二年の頃、当時男子バレーボール部に所属していた自分は彼女に出会った。
マネージャーで入ってきた彼女、どうしてだろうか自分と気が合ったのだ。


今からじゃ考えられないだろうが、当時自分は純粋な青年だった。
付き合ったりしたことなんて無かったし、女性に話しかけられるだけで大袈裟に反応していた。

それを面白がって彼女は自分によく声をかけてくれたんだ。


女性と話す事をほとんどしない自分、彼女を好きになったって何の不思議もないだろう。
それは必然とも言えた。

113 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/09/10(日) 23:27:22.74 ID:6SJnoytZ0
男だらけの部活にとってマネージャーはとても良くモテる。
少し茶色がかったその髪、部活で応援の時は良く後ろに束ねていたっけ。
目はくりくりっと大きく、笑った時に向けられる目線はまるでレーザーのように自分を貫いた。


付き合うなんて縁のない話だよなと自分に言い聞かせていた。


話しかけられればそれは嬉しかった、でも緊張のあまり返事はほとんど一言だけだった。
もっと話がしたいと思いつつ、つい相手を跳ね除けてしまうのだ。


自分は選手としても特に目立ったわけではなかった。
一応レギュラーだったが、良くベンチと交代させられていた。

勉強だって頑張ってはいたが中の上といったところ。
それよりも賢いヤツはいくらでもいた。

114 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/09/10(日) 23:29:01.87 ID:6SJnoytZ0
彼女は一年下の後輩だった。
噂では何人からも告白されていたが、全て断ったと聞いた。

それを聞くたびに淡い期待、同時にとても告白なんて出来ないという思いの葛藤が起こった。


どうして恋なんてしてしまったのだろう。
恥ずかしながらにそう思った。




高校を卒業する時に告白されるなんて誰が考えていただろうか。

115 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/09/10(日) 23:30:37.99 ID:6SJnoytZ0
突然の告白、メールでだったが自分は冗談じゃないのかと何度も悩んだ。
OKの返信をしたら罰ゲームでしたとバカにされるんじゃないかと思った。
そんな酷い人じゃないとは分かっていたが、信じられなかったのだ仕方ない。


肯定的な返信をすると、電話がかかってきた。


そして一言、「好き」と言われた。

116 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/09/10(日) 23:31:55.27 ID:6SJnoytZ0
自分のどこに惚れるような所があったのかは分からない、それでも彼女は自分を好きだと言ってくれた。

休みの日には一緒に遊んだ。
大学になって部活やサークルにも所属しなかった自分は、遊ぶ時間など腐るほどあった。


受験生の彼女に勉強を教えるため、家に行ったりもした。


元々女性と話をするのは苦手だったが、気付けば他の女性とも普通に話できるようになっていた。

ただ他のどんな女性よりも、やはり彼女と話をしている時が一番楽しかった。

117 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/09/10(日) 23:32:43.77 ID:08clWALk0
支援

118 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/09/10(日) 23:33:22.20 ID:XHxCBXOy0
支援

119 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/09/10(日) 23:33:35.11 ID:6SJnoytZ0
彼女は受験生だ、そのため思うように二人で会って遊ぶ機会は少なかった。
部活のマネージャーも続けていて、大会で会えない時も良くあった。

それに彼女は奢られるのを嫌った。

自分は大学生でお金もあるから気にしないのに、2回に1度は割り勘だった。
そしてそれが申し訳なくて自分も思うように誘えなかった。



次第に会える機会が減り、時間が出来てくる。

自分はバレーボールのサークルに入ってその時間を潰した。

120 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/09/10(日) 23:35:06.96 ID:6SJnoytZ0
会える時間が少なくなっても自分は彼女が好きだったし、彼女の第一候補の大学は自分と同じ大学だ。
翌年になればいくらでも時間が出来ると思った。

時間がないながらも彼女は毎日メールしてくれたし、自分も思い出したように何度も電話した。


会う頻度が少なくなればなるほど、彼女の顔が思い出され、会った時の喜びが増した。


やっぱり自分は彼女が大好きなんだ、彼女以外の人と付き合うなど考えられない。

121 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/09/10(日) 23:36:19.65 ID:tw2JKafE0
wktk

122 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/09/10(日) 23:36:43.10 ID:6SJnoytZ0
さて、季節は冬にまで一気に加速する。


センター試験で彼女は失敗した。


自分と同じ大学に入るのは十分可能な範囲だったが、それでも心配が付き纏う。
そして彼女は独り暮らしする自分の元にやって来た。


初めは驚くばかりだったが、しぶしぶ承諾して部屋の中に入れた。

少なからずやましい気持ちになり、そんな自分に嫌気がさした。


そして彼女と色々と話をした。
どれだけ彼女が頑張ったか、どこを失敗して悔しかったのか。
どこを受験しようか悩んでいる事、思うように勉強が手に付かない事。


そして空が暗くなり、彼女は自分の家に泊まって行った。

123 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/09/10(日) 23:37:21.80 ID:vwlJRKjE0
今回の番外編はジョルジュかな?

124 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/09/10(日) 23:38:16.65 ID:6SJnoytZ0
期待をさせたら申し訳ない、別にその一晩何も怪しい事はしていない。
そんな誘惑が少なからず沸いたが、傷付いている彼女に申し訳なくなって拳を握った。
爪が突き刺さる痛みで冷静を保っていた。


そして次の日、嬉しそうな彼女は自分にこう言った。


  「まだまだ可能性は十分にありますよね。
   ごめんなさい、ちょっと弱気になっていました。
   色々とありがとうございます!」


なんて活発で可愛い子なんだ。



そして春、無事彼女は同じ大学に入学した。

125 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/09/10(日) 23:39:51.72 ID:6SJnoytZ0
正直に言おう、自分は彼女を本気で愛していた。


だからこそ、不思議とやましい気持ちにならなかった。
いや、それは嘘だがやましい気持ちになるたびに罪悪感で一杯になったのだ。


性行為や愛撫、そういった事をしたいとは考えなかった。

彼女がいるだけでよかったのだ。


汚れた事を考える自分が嫌だった、だからそういう事は考えなかったのだと思う。
今思い出しても、それは不思議な感情だった。


自分にとって彼女は人形のようだったのだ。
そこにいるだけで、何もしなくたって自分を和ませてくれる存在。
そしてこの上なく清楚な存在でいて欲しかったのだろう。

126 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/09/10(日) 23:41:17.89 ID:6SJnoytZ0
だからこそ過ちは起こってしまったのだ。


自分が悪いのは分かっている、でもだからこそ聞いて欲しい。



彼女は大学に入ってから自分と同じバレーボールサークルに入った。

自分達が付き合っていることは周知の事実だった。



ただ……実はそのサークルの中に一人、以前自分に告白をしてきた娘がいた。

自分には彼女がいるのだ、当然断ったがその後もその娘は変わらない態度で自分と話をしてくれた。

決して愛じゃない、好意が生まれていた。

127 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/09/10(日) 23:41:35.26 ID:08clWALk0
支援

128 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/09/10(日) 23:43:53.91 ID:6SJnoytZ0
さて、自分が大学4年生になる頃も相変わらず自分たちの交際は続いていた。
当然性行為には及んでかったが、やはりしたいとも思わなかった。

そして自分の就職決定祝いを、前述した娘の家でやる事になったのだ。


7人程度が集まっていたが、夜になるにつれ一人また一人といなくなってしまった。
彼女もバイトがあったのでしばらくしたら帰ってしまい、残りが3人になった。

ああ、ここでいう『彼女』は当然恋人のことだ、それ以外を『彼女』とは当然呼ばない。


日を跨ごうかという頃に最後の一人が帰ろうと言い出したので、自分もそれに続こうとしたらその娘に止められたのだ。
ちょっと二人だけで話したい事があると。

129 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/09/10(日) 23:45:26.44 ID:6SJnoytZ0
自分だって男だ、下心はあった。


彼女に対して性行為をしたいと思わなかっただけで、性行為自体に興味が無かったわけではない。

酔っていた勢いもあっただろう。
いや、それは言い訳だ聞き流してくれ。


意識がある中で自分はその行いをした。


彼女を裏切ったのだ。

130 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/09/10(日) 23:45:44.27 ID:D/NTajBJ0
やあ、このレスを見てしまったか・・・それは残念だったね。
今、キミに呪いをかけたんだ。
これでキミは一生童貞or処女のままだよ。
でも、大丈夫。
http://anime.2ch.net/test/read.cgi/anime/1157662074/l50 に「はひいいいいいっ!!!」
って書き込むんだ。そうすれば呪いは解ける。
健闘を祈る。

131 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/09/10(日) 23:47:00.42 ID:6SJnoytZ0
  「それでは表彰を始めたいと思います……ショートの部6位、ジョルジュ選手」

湧き上がる歓声に苦笑いし、手を振って応えると舞台に上がる。
まさか自分が入賞していようとは……参加者が少なかったとはいえ驚きだ。

大きな表彰状に小さな表彰状、そして商品として名産のお米を5kgもらった。
試合後の体にこの米は響く、持ちにくい米を皆の元へと何とか運んだ。

('、`*川「ジョルジュさんすごーい!」

ξ*^ー^)ξ「おめでとうございます、格好よかったですよ」

( ^ω^)「おめでとうだお、やっぱり凄いお!」

('A`)「おめでとうございます」

まさかこんな日が来るとは思わなかった。
これで最後と決めていたトライアスロン、その最後の大会で入賞なんて……ドラマティックな話だ。

らしくないな。

132 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/09/10(日) 23:48:11.83 ID:tw2JKafE0
あー…

133 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/09/10(日) 23:48:34.84 ID:6SJnoytZ0
その後レンタカーのバンにロードバイクを積み込むと、皆でそれに乗り込んだ。
運転は伊藤がしてくれて、自分は助手席だ。

('、`*川「それにしてもジョルジュさん、本当に凄いですね」

( ゚∀゚)「いやいや、偶然だよ。それよりも辛かったら運転代わるぞ?」

('、`*川「とんでもないです、大丈夫です。それより疲れているでしょうし寝ていてください」

運転をしながら伊藤は応えた。
後ろの席を見ると、ブーンとドクオは早くもコクコクとしている。
これは早い目に切り出したほうが良さそうだ。

( ゚∀゚)「ブーン、ドクオも……ちょっといいか?」

(;^ω^)「あ、は、はいですお!?」

('A`)「……ああ、はい」

( ゚∀゚)「皆に伝えて起きたい事があるんだ」

車内が静かになったのを確認すると、口を開いた。

134 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/09/10(日) 23:50:08.26 ID:6SJnoytZ0
さて、彼女がいるにも拘らず他の女性としてしまった性行為、当然のようにバレた。

彼女は泣いていた、そして涙の溜まった目で、震えた声で……別れようと言った。


自分は頷いた。


彼女だけを愛する自信はあった、そして彼女だけを愛している自信もあった。
あまりに愛するがゆえに望む事無かった性的な欲求。

当然自分は別れたくない、だけど……引き止めれば彼女が困るんだ。


彼女を困らせたくないばかりに別れた。


バカだ、どこまでもバカだ。

135 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/09/10(日) 23:50:42.77 ID:6SJnoytZ0
その後、自分は一人で出来る過酷なスポーツを探した。

彼女を裏切った自分を痛めつけて、罪を償ったような気になりたかっただけだ。
それでトライアスロンを始めたんだ。
別に何でも良かった、ただその時に偶然見つけたのがトライアスロンだった。


きっかけはそれだけだ。

136 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/09/10(日) 23:52:00.47 ID:08clWALk0
支援

137 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/09/10(日) 23:52:17.83 ID:6SJnoytZ0
その後も自分は色んな女性と何度も付き合った。

ただ……そのほとんどが成就しなかった。
1ヶ月も持てばよい方だ。


自分の中に刻まれた彼女の面影。
昔の美化された映像ばかりが自分の恋を邪魔した。


彼女ほど安らぎを与えてくれる人がいない。
彼女ほど愛せる女性がいない。

彼女と比べればどんな女性も霞んで見えたのだ。

138 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/09/10(日) 23:53:42.29 ID:RmsVwJEuO
wktk

139 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/09/10(日) 23:53:58.87 ID:6SJnoytZ0
付き合って、性行為をして、すぐに別れて……
自分が女たらしと影で呼ばれている事も知っている。
これでも自分は頑張って相手の事を好きになろうと努力しているんだ。

ただ……昔の、彼女の面影が消えないんだ。
やっぱり自分が好きなのは、愛した女性は彼女ただ一人だったのだ。


相手と別れるたびに凄く申し訳ないと思った。

そしてその悔しさは全てトライアスロンにぶつけた。


そんな気持ちで純粋にスポーツを楽しめるわけ無かったんだ。

140 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/09/10(日) 23:55:38.43 ID:6SJnoytZ0
それから少しずつ自分は頑張った。
付き合った相手を愛そうと努力した。
今の恋人とはなんと1年も続いている。

たかが1年というかもしれない、それでも自分にとっては凄い進歩なのだ。


とはいえ彼女を愛しているかというと、やはり答えには詰まる。
行為を抱いてはいる、一緒にいて安らぐが……やはり愛しているとは言い難い。


とても良い娘だ、こんな自分なんかと1年も付き合いを続けてくれているんだ。
相手が良い子だからこそ、こんな中途半端な自分が嫌になる。

141 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/09/10(日) 23:57:12.29 ID:6SJnoytZ0
(;゚∀゚)「えーと……だな」

車内は思いの外静まり返っていて、逆に言い出し辛い状況になってしまった。
車のエンジンと積み込んだバイクがガタガタと鳴る音だけが車内に反響した。

( ^ω^)「? どしたんですかお?」

(;゚∀゚)「その……な、実はオレこの大会でトライアスロンを引退しようと思うんだ」

意を決して言うと、口を揃えて「えー!?」っと言われた。
当然だよな、自分こそ今まで黙っていたのだからタチが悪い。

(;^ω^)「なんですかお、突然!?」

(;'A`)「そうですよ、何があったんですか!?」

必死になってくれる仲間を嬉しいと思いながら、その理由を口にした。

142 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/09/10(日) 23:59:15.97 ID:6SJnoytZ0
(;゚∀゚)「オレ、結婚するんだ」

(;^ω^)「……え?」

(;゚∀゚)「恋人が妊娠しててさ、出来ちゃった婚なんだが……。
    本当悪いと思ってる、トライアスロンに誘ったのは自分なのにこんな勝手に引退して……」

交際が始まってから1年、恋人が妊娠したとわかったのは半年以上前だ。
子供を授かった恋人が辛そうにしているのを見て、この試合を引退試合にしようとはずっと前から決めていた。
恋人の支えになろうと、好きになるために少しでも長く近くにいてやろうと。

( ゚∀゚)「だけどブーンにドクオ、これだけは言わせてくれ。
    オマエ達とトライアスロンが出来て……本当に楽しかった、ありがとう」

言い切ると、静かな雰囲気の中ブーンが口を開く。

(;^ω^)「ジョルジュさん、止めるなんて言わないで欲しいですお」

ドクオもブーンに続いた。

(;'A`)「そうだよ、せっかく俺たちジョルジュさんと戦えるようになったのにさ」

143 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/09/11(月) 00:01:09.38 ID:jDiYslX60
wktk

144 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/09/11(月) 00:01:09.74 ID:HbP59bog0
( ^ω^)「ジョルジュさん、結婚して、子供が大きくなったら……また一緒に出るって約束して欲しいですお。
    僕達はジョルジュさんの分までこれからもトライアスロンを続けたいですお」

('A`)「オレたちは10年でも15年でも待ちますよ、だから……また一緒にやってほしいです」

車内で二人に頭を下げられる。
上司と部下だ、頭を下げられるのには慣れているが……どうしてこんなにも嬉しいのだろう。

まったく、上司の言う事を聞かない部下はまたいつか懲らしめてやらないといけないな。


( ゚∀゚)「約束するよ、これから何年先になるか分からないが……また絶対に勝ちに戻ってきてやる」


( ^ω^)「約束ですお、勝ち逃げは許さないですお!」


いつになるか分からない、それでも……コイツらがトライアスロンを続ける限り、いつかこの舞台に戻ってくるか。

145 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/09/11(月) 00:02:45.62 ID:HbP59bog0
( ゚∀゚) 「ブーン、トライアスロン……やらないか?」

( ^ω^)「はいですお、ぜひ泳げる場が欲しかった所ですお」



(;'ω`)「僕は……完走したんだお……」

('A`)゚∀゚)「お疲れ様!」

(;^ω^)「おっおっ!」



(;'A`)「あー、えれぇッ!! もうぜってートライアスロンなんて出ねぇえええッ!!」

( ゚∀゚)「はじめは皆そう言うんだよ」

146 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/09/11(月) 00:03:55.36 ID:HbP59bog0
(;゚∀゚)「あー、マジつっかれたもう走れねーッ!!」

(;'A`)「ああああー、もうぜってえトライアスロンなんてやらねぇぞおおッ!」

(;^ω^)「もう限界だおしばらく運動はしたくないおおおおッ!」



( ゚∀゚)「オマエ達とトライアスロンが出来て……本当に楽しかった、ありがとう」

(;^ω^)「ジョルジュさん、止めるなんて言わないで欲しいですお」

(;'A`)「そうだよ、せっかく俺たちジョルジュさんと戦えるようになったのにさ」



( ^ω^)「そういえばジョルジュさん、最後に言いたい事がありますお」

('A`)「あ、オレも」

( ゚∀゚)「なんだよ二人して……」

( ^ω^)('A`)「トライアスロンを教えてくれて、ありがとうございます(お)!」



          ( ^ω^)ブーンがトライアスロンに挑戦するようです・END

147 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/09/11(月) 00:05:28.63 ID:ss0Fm4gc0
読むのはこれからだけど、完結乙!!

148 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/09/11(月) 00:05:33.82 ID:SuyZuJqN0
>>146
超乙華麗様ですた

149 名前:(1/2) ◆7at37OTfY6 :2006/09/11(月) 00:06:38.41 ID:HbP59bog0
〜〜あとがき〜〜

まとめサイト様ははじめまして、読んでいただいた方もはじめましては何人かいることと思います。
一応自分はこれまで「世界左右」「植物」「ヒマワリ」ときてこの作品になります。


ええと、どうして突然トライアスロンなんてマイナーな競技をこうもグダグダと書いたかと言いますと、
正直な所自分が経験していて一番書きやすかったからです。
前作のあとがきで知らせましたが、「ブーンが魔女を狩るようです」という物を構想していたんですが
物語の途中で構想が破綻して……やはり自分にプロットから作る作業は向いていないようです。

とりあえず今作品のあとがきに移りたいと思います。


こうも長々と書いたのは、実際のトライアスロンが時間的にとても長い競技だからというほかありません。
もっと短くする事もできましたが、逆にちょっとでも『もどかしさ』が出ていれば嬉しいです。

同様にゴールシーンもあえて誇張な表現はせずにさっぱりとさせたつもりです。
実際ゴールシーンは以外にさばさばしているものなので、それを自分も表現したかったです。

作風なども、自分だと悟られないように意識しているのですが……
番外の時に一度「作風が変わった」と言われて意識が足りなかったかなと思いました、反省点です。
ちなみに今回は「みるみる」「まだかまだか」など繰り返し表現を使う形を意識していました。

150 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/09/11(月) 00:07:33.57 ID:yOCnOF/UO
スレタイにひかれて読み始めた ブーン小説の中で一番小説やってた気がして正直楽しみにしていた 今は名残惜しい
乙ー



んで、ドクオのスプリット一分ズレてね?

151 名前:(2/2) ◆7at37OTfY6 :2006/09/11(月) 00:08:00.80 ID:HbP59bog0
投下時間込みで6日で全てを書ききったのには自分でも驚いています。
同時に「世界左右」の時の毎日投下で慌しく全然添削できなかった時を思い出しました……
今回も「まだまだ〜〜、まだまだ〜〜」などの意図せぬ連続使用が随所で見つかり恥ずかしい限りです。


「ヒマワリ」以外はプロットなしその場の勢いでほとんど書き上げた作品が多いですが、今回の物は特に……です。
あまり切羽詰って書いても自分が楽しくないですし、ご勘弁下さい。
本来なら中途半端な作品を投下するなといわれるかもしれませんが、
楽しんでやりたいという自分の気持ちに免じて許してください。


最後となりますが、これから忙しくなり、「魔女狩り」の方はとてもじゃないですがしばらく完成させれません。
今回の作品を作った一番の理由は、それを知らせるためにまとめサイト様の掲示板を使うのでなく、
作者として作品を作った後でお知らせしようと思い、着手いたしました。

読んでくださった方、まとめサイト様本当にありがとうございます。
また時間に余裕が出来た頃に、名無しで表れたいと思いますのでその際にはよろしくお願いします。

152 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/09/11(月) 00:08:19.65 ID:VCpRsdDj0
乙!!
ほんとに面白かった

153 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/09/11(月) 00:08:21.16 ID:SHl0JSzq0
植物の作者だったのかwwww乙華麗wwwww

さて、読むか。

154 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/09/11(月) 00:08:35.16 ID:SuyZuJqN0
ちょwwwwwどんだけ芸風豊かなんだあんたはwwwwwwwwww

155 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/09/11(月) 00:10:41.55 ID:tUnmOxU90
世界左右や植物人間の精神に訴えかけるシリアスな作品だったけど
今回はスポーツということもあってかとても読んだ後にすっきりしました。

今後もwktkしてます!ガンガレ!!

156 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/09/11(月) 00:12:08.96 ID:nUWGkKqs0
乙です

世界とか植物とかまだ読んでないから読むかな…www

157 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/09/11(月) 00:12:18.40 ID:HbP59bog0
改めましてここまで長々と読んでいただいた皆様、ありがとうございました。
何かおかしな点がございましたら指摘のほうお願いします。
質問にも出来る限り答えさせて頂きたいと思います。

>>150
指摘ありがとうございます、かなり知名的なミスですね。
これから訂正いたします、少々お待ち下さい……。

まとめサイト様
>>128にある
>ああ、ここでいう『彼女』は当然恋人のことだ、それ以外を『彼女』とは当然呼ばない。
の後者の方の「当然」を削除していただけますでしょうか?
大変お手数かけます。

158 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/09/11(月) 00:14:17.93 ID:FTVE5Jfg0
ヒマワリについてkwsk

159 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/09/11(月) 00:19:10.86 ID:WgGf/EW30
うまいうまいとは思ってたが植物の人だったとは……
あんたには本当驚かされっぱなしだわwww乙

160 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/09/11(月) 00:21:04.62 ID:HbP59bog0
すみません、まとめサイト様及び読んでいただいた方には至極イージーなミスで申し訳ありません。
ドクオのタイムの訂正です。

バイク 1:07'31"(4位)

161 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/09/11(月) 00:21:06.56 ID:s3hf/+jjO
あんたには釣られっぱなしだ……乙

162 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/09/11(月) 00:23:06.57 ID:HbP59bog0
>>158
(#゚;;-゚)でぃがヒマワリをさがしているようです
http://boon4vip.web.fc2.com/sunflower/index.html
こちらの作品になります。
>>156さんも、お時間があるときにでも読んでいただけると嬉しいです。

163 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/09/11(月) 00:23:54.25 ID:VCpRsdDj0
後日挿絵描かせてもらってもいいですか?

164 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/09/11(月) 00:25:19.92 ID:QcQSy8Em0
作者さんの作品は全部読んできたけど,毎回楽しいお( ^ω^)


165 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/09/11(月) 00:25:51.11 ID:1VkrNBKg0
ミ,,゚Д゚彡「最終回ぐらいまともにしゃべりたかった…」

166 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/09/11(月) 00:28:04.42 ID:HbP59bog0
>>163
いえ、描いていただけるなら許可なくどんどんと描いて頂きたいです。
「ヒマワリ」の時以外で絵を描いてもらった経験はないので正直に嬉しいです。
ありがとうございます。

167 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/09/11(月) 00:30:08.24 ID:SuyZuJqN0
>>163
貴方の正体は何となく分かっているwwwww
物凄い勢いで楽しみにしてよっと

168 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/09/11(月) 00:32:22.83 ID:HbP59bog0
>>165
植物の時もそうでしたが、読んでいただけた人に少しでも物語の後を考えて頂きたいというのがあります。
登場人物を(少し)提供する事で、自分はそれの補助をしているイメージです。
だから自分もフサギコがどういうキャラクターなのかまったく決めていません。
今後(物語の続きを考えていただけるなら)の活躍に期待して下さい。

169 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/09/11(月) 00:36:07.31 ID:KCLJ3/xw0
今更ですが乙でした!!!!

170 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/09/11(月) 00:36:22.94 ID:tUnmOxU90
いままで見てなかったヒマワリ見て泣いた

やべぇwwwww

.゜:・(ノД`),.・;゜

171 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/09/11(月) 00:38:36.10 ID:FTVE5Jfg0
>>162 ありがと。泣いた(;A;)

172 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/09/11(月) 00:39:08.14 ID:VCpRsdDj0
>>166
アザースッ


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