( ゚∋゚)焼き鳥屋のようです  [ログ




( ^ω^)「いやー、今日の仕事は大変だったおね、ドクオ君」

('A`)「そうっスね。でも、部長のお陰で何とかあの取引もまとまりそうですね」

( ^ω^)「ハッハッハ、君の下調べがあってこそだお。そうだ、ドクオ君、一杯やって行かんかね?」

('A`)「いいっスねー。あ、でも、部長、奥さんは大丈夫なんスか?」

( ^ω^)「女房怖くて酒など飲めんお。もちろん僕の奢りだお」

('A`)「すんません、ゴチになります。……となると部長、やっぱりアレですか?」

( ^ω^)「もちろん焼き鳥だお」

('A`)「部長は焼き鳥に目がないっスからねー。しかし、この辺は土地勘ないからどこが美味いのかわかんないっスね」

( ^ω^)「これからもまた、ここには取引に来るんだから良い店見つけたいおね」

('A`)「あ、部長、あの店何かどうでしょう?」

( ^ω^)「あー、あの系列はイマイチだお。やっぱりチェーン店よりは個人でやってそうな小ぢんまりした店がいいおね」

('A`)「なるほど。では、部長、あの路地裏の方に提灯が出てる店なんかどうっスかね?」

( ^ω^)「お、中々目敏いね、ドクオ君は。良さそうだお。ちょっと行ってみるお」





−移動中−


('A`)「何々、焼き鳥・COOKるー……。古臭い店構えの割りには店名は今風っスね」

( ^ω^)「そうだおね。出来れば、こだわりを持った頑固親父がやってそうなお店がよかったけど、まあ、取り敢えず入ってみるお」

ガラガラー

    ノノノノ
   ( ゚∋゚)
 _ノ ヽ ノ \_
../ γ  ̄Y ̄ Y ヽ
(  イ三ヽ人_/ケ  )
i ノ⌒\ ~ ̄ ̄ヽ -イ
ヽ___>、__ノ
   |( 王 ノ〈
   /ミ`ー―彡
  / ヾ_/  i
  |  Y  ノノ


( ^ω^)「……鳥の頭被った半裸のマッチョがいるお」

('A`)「……こだわりは持ってそうっスね」





−カウンター席に座りました−


( ^ω^)「店の中は特別変わったところはないおね」

('A`)「我々の他にお客さんもいますね」

( ^ω^)「普通のお店だおね、店主以外」

('A`)「普通のお店ですね、店主以外」

( ^ω^)「……まあ、考えてても仕方ないお。取り敢えずビールと」

('A`)「焼き鳥ですね。……しかし、この店は何が美味いんでしょうね?」

( ^ω^)「そうだおねー、タレは店ごとに違うから、一気に頼んでイマイチだったってのは避けたいお」

('A`)「じゃあ、まず、これいってみますか? この、お好みってやつ」

( ^ω^)「まあ、無難なとこだおね。色々な種類あるだろうから、これで味を見て、美味かったやつを頼むとするかお」





ミセ*゚ー゚)リノ「すみませーん、こっちお好み1つくださーい」

( ゚∋゚) コクッ

('A`)「お、部長、向こうのOL風のグループもお好み頼んでますよ?」

( ^ω^)「丁度いいお。どんなのか見てから頼むお」

( ゚∋゚) ザクザクザク

('A`)「キャベツ切ってますね」

( ^ω^)「いい包丁さばきだお」

( ゚∋゚) カチャカチャカチャ

('A`)「何か混ぜてますね」

( ^ω^)「卵入れたお」

( ゚∋゚) ジュー

('A`)「焼いてますね」

( ^ω^)「鉄板が程よく熱されてるお」





( ゚∋゚) ペタン

('A`)「ひっくり返しましたね」

( ^ω^)「さすがプロって腕だお」

( ゚∋゚) ジュー

('A`)「裏面も焼いてますね」

( ^ω^)「綺麗に焦げ目がついてるお」

( ゚∋゚) サッサッサ

('A`)「ソースに、マヨネーズ、それに鰹節ですね」

( ^ω^)「青海苔は備え付けるだけとは、店主はわかってるおね」

( ゚∋゚)つ スッ…

('A`)「出来ましたね、お好み」

( ^ω^)「出来たな、お好み」





( ゚ω゚)「って、お好み焼きじゃねーかお!!!」

('A`)「そうっスね。ソースがすげえいい匂いしてます」

( ^ω^)「いや、ここ、焼き鳥屋じゃねーの?」

('A`)「まあ、居酒屋風のお店ならメニューにバリエーションがあってもおかしくないっスからね」

( ^ω^)「なら、お好み焼きって書いとけっちゅー話ですお。ツッコミレスも早かったし」

('A`)「まあ、それはともかく、我々も頼みますか、お好み」

( ^ω^)「いやいやいや、今の流れでお好みは頼まねーよ」

('A`)「俺は、あれでも良かったですけどね。美味そうでしたし」

( ^ω^)「美味そうだったのは認めるお。だがしかし、僕は焼き鳥が食べたいんだお」

('A`)「じゃあ、他と混同しないような無難なものでいっときますか」

( ^ω^)「そうだおね。カシワ辺りを頼むかお」

('A`)「カシワ……、鶏のもも肉やら胸肉やらを使った、いわゆる普通の焼き鳥ですね」

( ^ω^)「そうだけど、何でわざわざ解説入れるんだお?」





(,,゚Д゚)「オヤジ、こっちカシワ4つなー」

( ゚∋゚) コクッ

('A`)「お、部長、向こうの強面のリーマン風もカシワ頼んでますよ?」

( ^ω^)「……流石にこれは大丈夫だろうけど、一応見てみるお」

( ゚∋゚) カパッ

('A`)「炊飯器ですね」

( ^ω^)「いい炊き上がりだお」

( ゚∋゚) ペッタン ペッタン

('A`)「臼ですね」

( ^ω^)「あの撞き方、店主、只者じゃないお」





( ゚∋゚) コネコネ

('A`)「小分けにしてますね」

( ^ω^)「綺麗に広げてるお」

( ゚∋゚) クルクル

('A`)「包みましたね」

( ^ω^)「さらに葉っぱで包んだお」

( ゚∋゚)つ スッ…

('A`)「出来ましたね、カシワ」

( ^ω^)「出来たな、カシワ」





( ゚ω゚)「って、カシワ餅じゃねーかお!!!」

('A`)「そうっスね。撞き立てを出すお店なんて中々ないですよね」

( ^ω^)「いや、ここ、焼き鳥屋じゃねーの?」

('A`)「まあ、居酒屋風のお店ならメニューにバリエーションがあってもおかしくないっスからね」

( ^ω^)「何で君、そんな寛容なの?」

('A`)「デザートと考えれば納得いくと思いますよ?」

( ^ω^)「デザート? 頼んだの、あんな(,,゚Д゚)面だお? 甘いものって柄かお?」

('A`)「ああいう人に限って意外と甘党だったりするんですよ。ほら、あの人飲んでるのって甘酒ですよ」

( ^ω^)「そうなの? そんなのよくこっからわかったおね?」

('A`)「まあ、それはともかく、我々も頼みますか、カシワ」

( ^ω^)「いやいやいや、今の流れでカシワは頼まねーよ」





('A`)「撞き立てで美味そうっスよ?」

( ^ω^)「美味そうだったのは認めるお。だがしかし、僕は焼き鳥が食べたいんだお」

('A`)「じゃあ、もっと具体的に部位で頼んでみますか? カシワじゃなくてむねとかももとか」

( ^ω^)「そうだおね。むねとももならやっぱりももがいいお。ももの方が値は張るけど、プリプリの歯ごたえが美味いおね」

(゚、゚トソン「すみません、こちら、もも3つお願いします」」

( ゚∋゚) コクッ

('A`)「お、部長、向こうのOL風のグループももも頼んでますよ?」

( ^ω^)「……嫌な予感は拭えないけど。取り敢えずどんなのか見てから頼むお」

( ゚∋゚) カパッ

('A`)「冷蔵庫ですね」

( ^ω^)「材料が冷蔵庫にあるのは当然だお」





( ゚∋゚) ストン、ストン

('A`)「包丁で切ってますね」

( ^ω^)「食べやすい大きさに切るのも当然だお」

( ゚∋゚)つ スッ…

('A`)「出来ましたね、もも」

( ^ω^)「出来たな、もも」





( ゚ω゚)「って、桃じゃねーかお!!!」

('A`)「そうっスね。ちゃんと冷蔵庫で冷やしてる心遣いが嬉しいですよね」

( ^ω^)「いや、ここ、焼き鳥屋じゃねーの?」

('A`)「デザートとしては有りですね」

( ^ω^)「てか、材料取り出した時点で気付けよ」

('A`)「今回は頼んだ客ともあってると思いますが」

( ^ω^)「問題はそこじゃねーお。つーか、焼き取り出せよ」

('A`)「中々多彩なメニューを取り揃えた店っスね」

( ^ω^)「いちいち、ちゃんとした手順で出すのがなおムカつくお」

('A`)「まあ、それはともかく、我々も頼みますか、桃」

( ^ω^)「いやいやいや、今の流れで桃は頼まねーよ」





('A`)「俺としては有りでしたけどね、酒のつまみに桃」

( ^ω^)「ねーよ。……仕方ない、別のにするお」

('A`)「先程のは詰めが甘かったですね。もっとオンリーワンな名前の一品を頼むべきでした」

( ^ω^)「何で焼き鳥頼むのにこんなに苦労しなきゃならんのかは置いといて、その意見には賛成だお」

('A`)「これなんかどうでしょう、ねぎま」

( ^ω^)「確実に葱とマグロの鍋物が出てくるお」

('A`)「元々は葱とマグロを串に刺した物がねぎまだったらしいですけどね。今の鶏肉は代用品らしいとか」

( ^ω^)「君は意外と焼き鳥に詳しいんだね。ちょっと感心したお」

('A`)「じゃあ、頼みますか、ねぎま」

( ^ω^)「頼まねーお」





( ・∀・)「あ、おっちゃーん、こっちねぎまね」」

( ゚∋゚) コクッ

( ^ω^)「……見るか」

('A`)「……見ますか」

( ゚∋゚) スッ

('A`)「本棚ですね」

( ^ω^)「本棚だな」

( ゚∋゚)つ スッ…

('A`)「出来ましたね、ねぎま」

( ^ω^)「出来たな、ねぎま」





( ゚ω゚)「って、漫画じゃねーかお!!!」

('A`)「そうっスね、俺の心の愛読書です」

( ^ω^)「いや、ここ、焼き鳥屋じゃねーの?」

('A`)「待合室で時間を潰すのに漫画は最適ですよ」

( ^ω^)「いやいやいや、もう店内だよね? ここ、床屋?」

('A`)「新聞見ながら飲む人もいたりしますよね」

( ^ω^)「さすがにこれはないわー。読んだ事ないからボケられねーし」

('A`)「まあ、それはともかく、我々も頼みますか、ねぎま」

( ^ω^)「いやいやいや、今の流れでねぎまは頼まねーよ」

('A`)「読んだ事ないなら今度お貸ししますよ。DVDも全巻」





( ^ω^)「……うん」

('A`)「じゃあ、別のメニューで何か……あ、これ何かどうでしょう、手羽元?」

( ^ω^)「ああ、手羽元かー。ちょっと食べ辛いけど、肉は骨の周りが美味いとかよく言われるおね」

('A`)「これだったら他と混同しようがないんじゃないですか?」

( ^ω^)「……うん、まあ、それでも嫌な予感はするけど──」

ζ(゚ー゚*ζ「おじさーん、こっち手羽元ねー」

( ゚∋゚) コクッ

( ^ω^)「はい来た、OL風」

('A`)「……見ますか?」

( ^ω^)「……見るしかねーお」





( ゚∋゚) スタスタスタ

('A`)「カウンターを出ましたね」

( ^ω^)「店の外に出てったお」

( ゚∋゚) スタスタスタ

('A`)「戻って来ましたね」

( ^ω^)「戻って来たね」

( ゚∋゚)つ スッ…

('A`)「出来ましたね、手羽元」

( ^ω^)「出来たな、手羽元」





( ゚ω゚)「って、チューリップじゃねーかお!!!」

('A`)「そうっスね、手羽元の根元に包丁入れて丸めたやつの俗称ですね」

( ^ω^)「君、ホント焼き鳥詳しいおね」

('A`)「その形がチューリップに似てるからそう呼ばれるようになりました」

( ^ω^)「いや、ここ、焼き鳥屋じゃねーの?」

('A`)「いつも心に花束を。時には花を愛でる余裕も人生には必要ですよ」

( ^ω^)「何で君、そんな紳士的なの?」

('A`)「まあ、それはともかく、我々も頼みますか、手羽元」

( ^ω^)「いやいやいや、今の流れで手羽元は頼まねーよ」

('A`)「そうですか。では、今度部長の誕生にチューリップをお届けしますね、年の数より1つ少ない本数を」

( ^ω^)「そして、最後の1本は自分で手渡すんだおね。いや、来んなお。女房に変な誤解されるお」





('A`)「実は既に手配しております。来月のお誕生日を楽しみにしていてください」

( ^ω^)「何、その手際良さ? つーか今すぐキャンセルしろお」

('A`)「しかし困りましたね。これも部長のお気に召さないとなると何を頼むべきか……」

( ^ω^)「もう、焼き鳥なら何でも文句ないお。片っ端から名前あげてみるお」

('A`)「では、レバーは?」

( ^ω^)「多分、ゲーセンのレバーが出て来るお」

('A`)「では、白レバーでは?」

( ^ω^)「多分、ゲーセンのレバーの珠が白いやつが出て来るお」

('A`)「赤レバーならどうでしょう?」

( ^ω^)「多分、ゲーセンのレバーの珠が赤いやつが……って、レバーしかねーのかお?」





('A`)「出て来るのは家庭用ゲームのコントローラーのレバーかもしれませんね」

( ^ω^)「問題はそこじゃねーお。どっちにしても食えねーじゃねーかお」

(,,゚Д゚)「オヤジ、こっちレバー1つなー」

( ゚∋゚) コクッ

( ^ω^)「……見るか」

('A`)「……見ますか」

( ゚∋゚) スッ

('A`)「木ですね」

( ^ω^)「角材だな」

( ゚∋゚) サッ

('A`)「カウンターに斜めに立てかけましたね」

( ^ω^)「反対側を客の椅子の下に置いたお」





( ゚∋゚) スッ

('A`)「カウンター側の角材に手を掛けましたね」

( ^ω^)「情景がちゃんと伝わってるか心配だおね」

( ゚∋゚) グッ

('A`)「力を込めましたね」

( ^ω^)「既に色々と無理あるおね」

( ゚∋゚)つ スッ…

('A`)「出来ましたね、レバー」

( ^ω^)「出来たな、レバー」





( ゚ω゚)「って、梃子じゃねーかお!!!」

('A`)「そうっスね、梃子(lever)ですね」

( ^ω^)「いやー、さすがにこれは無理あるでしょ?」

('A`)「肝臓(liver)、梃子(lever)っスからね」

( ^ω^)「いや、ここ、焼き鳥屋じゃねーの?」

('A`)「どんな時でも学ぶ心は必要です。物理の勉強になりましたね」

( ^ω^)「いや、梃子の原理は知ってるちゅーか、あの客すごい勢いで外に吹っ飛んでいきましたけど?」

('A`)「あの客の椅子の下に作用点がありましたからね」

( ^ω^)「うん、まあ、現象としては当然の結果だけど、何で焼き鳥屋でそういう目に会う必要があるのかを知りたいんだおね」

('A`)「まあ、それはともかく、我々も頼みますか、レバー」

( ^ω^)「いやいやいや、今の流れでレバーは頼まねーよ」





('A`)「しかし困りましたね。これも部長のお気に召さないとなると何を頼むべきか……」

( ^ω^)「正直、別の店探す方が正解じゃね、と今更ながら思うお」

('A`)「……あ、部長、これ何かどうでしょう?」

( ^ω^)「…………カ……ッパ?」

('A`)「あれ、部長、ご存じないっスか、カッパ?」

( ^ω^)「聞いた事ないお」

('A`)「カッパはマツバ、いわゆる鎖骨の下の胸の軟骨ですよ。マツバとカッパを一緒に見ると河童の顔に見えたのが起源らしいっスね >>59参照で」

( ^ω^)「君が詳しいのはさておき、それだったらマツバもカッパなんじゃね? と思うのは無粋なのかお?」

('A`)「多分血まみれの河童の顔だったんでしょうね」

( ^ω^)「嫌な想像させんなお。つーか、これ、頼んだらオチ見えてんじゃん」





('A`)「ええ、恐らくはカッパ巻きとか」

( ^ω^)「レインコートの線も有り得るお」

('A`)「……ですがですよ、部長、この店ならひょっとして……」

( ^ω^)「……その線が無いとは言い切れないのが嫌な店だおね」

('A`)「……万が一、本物が出て来るなら、それはちょっと見てみたいと思いませんか?」

( ^ω^)「それは確かに見てみたいおね……」

('A`)「……」

( ^ω^)「……」

('A`)「……」

( ^ω^)「……」

('A`)「……」





( ^ω^)「……いや、空気読んで頼めよ、OL風かリーマン風」

('A`)「ローテーション的にはOL風の番ですね」

( ^ω^)「どっちでもいいお」

('A`)「……となると、我々が頼むしかないのですかね?」

( ^ω^)「正直、見たいだけなんで自分で頼みたくはねーお」

('A`)「どっちか頼みませんかね? OL風の3人組か、リーマン風の2人組か?」

( ^ω^)「頼まねーのかおね?」チラッ

                          彡⌒ミ
ミセ*゚ー゚)リ (゚、゚トソンζ(゚ー゚*ζ         ( ´_ゝ`)(・∀・ )


('A`)「……」

( ^ω^)「……」





( ゚ω゚)「って、河童じゃねーかお!!!」

('A`)「そうっスね、沙悟浄ですね」

( ^ω^)「……うん、もう頼んでたみたいだおね」

('A`)「……いつの間にかいますね、岸辺シロー風」

( ^ω^)「いや、ここ、焼き鳥屋じゃねーの?」

('A`)「普通に談笑してますね。連れが梃子で飛ばされたから、話し相手が欲しかったんじゃないっスかね?」

( ^ω^)「え、あれ、ホスト?」

('A`)「立ち位置的にはそうではないかと思われますね」

( ^ω^)「……いや、まあ、いいけどさ」

('A`)「まあ、それはともかく、我々も頼みますか、カッパ」

( ^ω^)「いやいやいや、今の流れでカッパは頼まねーよ」





('A`)「むしろ頼むともう一人増えるのか興味ありますけどね」

( ^ω^)「あいつがこっちのカウンターに座るだけじゃねーの?」

('A`)「しかし困りましたね。さすがに焼き鳥博士の俺も、これ以上は他に思い付きませんが」

( ^ω^)「君、そんな称号持ってたの?」

('A`)「通信講座で取りました」

( ^ω^)「すっげ、ちょっと欲しいお」

('A`)「今度ご紹介しますよ」

( ^ω^)「てか、焼き鳥はどうした、焼き鳥は? もうめんどくさいお。焼き鳥くれお、焼き鳥!」

                   シーン
                               彡⌒ミ
ミセ*゚−゚)リ (゚−゚トソンζ(゚−゚*ζ         (,,゚−゚)( ´−`)(・−・ )

( ^ω^)「お? 何だお?」

('A`)「急に静かになりましたね」

( ^ω^)「つーか、いつの間にか帰って来てるのと、色々と無理のある顔のやつがいるお」





( ゚∋゚) コクッ

('A`)「あ、店主頷きましたよ」

( ^ω^)「焼き鳥で通じたのかお?」

ザワザワ
(,,゚Д゚) マサカ、アノデンセツノウラメニュー、ヤキトリヲタノムヤツガイルトハ……

ザワザワ
( ・∀・) オソロシイ……

ザワザワ
ζ(゚ー゚*ζ デサー、カチョウガネー

ザワザワ
(゚、゚トソン モモ、ウメエ

ザワザワ
ミセ*゚ー゚)リ デッキライダ





('A`)「何やら店内が只ならぬふいんき(ry になってきましたね……」

( ^ω^)「OL風は明らかに興味なさ気だおね」

( ゚∋゚) カチッ、カチッ

('A`)「火を熾してますね」

( ^ω^)「直火だおね」

( ゚∋゚) ヌルヌル

('A`)「何か塗ってますね」

( ^ω^)「オイルっぽいおね」

( ゚∋゚) スッ

('A`)「火を見詰めてますね」

( ^ω^)「オチ見えてきたんだけど、どうしたらいいんだろうね?」





( ゚∋゚ )

('A`)「戸惑ってますね」

( ^ω^)「止めろよって目で見てね?」

('A`)「部長、俺、こんな昔話を思い出しました」

( ^ω^)「どんなだお?」

('A`)「何もあげられるものがなかったうさぎが、自ら焚き火にの中に飛び込み、旅人のお腹を満たしたという昔話を」

( ^ω^)「なるほど、つまり君はこの店主もそうしようとしてると言いたいのかお?」

('A`)「ええ」

( ^ω^)「じゃあ、止めてやれお」

('A`)「え?」

( ^ω^)「え?」





( ゚∋゚ )

('A`)「……」

( ^ω^)「……」

( ゚∋゚ )

('A`)「……」

( ^ω^)「……」

( ゚∋゚) サッ

('A`)「火、消しましたね」

( ^ω^)「やっぱ止めてやる場面だったんじゃね?」





( ゚∋゚) カパッ

('A`)「冷蔵庫ですね」

( ^ω^)「何か取り出したお」

( ゚∋゚) チーン

('A`)「電子レンジですね」

( ^ω^)「便利だおね」

( ゚∋゚)つ スッ…

('A`)「出来ましたね、焼き鳥」

( ^ω^)「出来たな、焼き鳥」





( ゚ω゚)「って、焼き鳥あるじゃねーかお!!!」

('A`)「そうっスね、焼き鳥ですね」


おしまい








('A`)「ちなみ、近所のスーパーで買って来たやつらしいっス」

( ^ω^)「微妙」





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