( ^ω^)はスタンド使いになったようです (http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/sports/37256/1306599038/)
- 1 :以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2011/05/29(日) 01:10:38 ID:tEl.A2dw0
- 予告編スレにも書きましたが、第八話は避難所で投下します。
ディ・モールト・グラッツェな、まとめサイト様
かぎまとめ
http://hookey.blog106.fc2.com/blog-entry-1869.html
フェレット速報
http://xn--hckwcp3c2c5ce5k.com/
ブーン芸VIP
http://boonsoldier.web.fc2.com/stand.htm
- 2 :以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2011/05/29(日) 01:15:09 ID:tEl.A2dw0
- 第八話「ハイスクール・ネバー・エンド」
(‘_L’)「今日も、デミタス君はお休み……ですか」
教壇の前に立つフィレンクト先生は、そう言って出席簿にチェックを入れた。
('A`)「これで4日目か?」
(; ^ω^)「そうだお。メールしても返事くれないし……心配だお」
デミタスとは、ブーンとドクオのクラスメイトの事だ。
そしてそのクラスメイトが、クラスに顔を出さなくなって、既に四日が経過していた。
(‘_L’)「では昨日の続きから始めます。ナポレオンは……」
デミタスがいなくても、当然ながら授業は何事も無く、そして滞りなく行われる。
クラスメイトも、デミタスを気にかけるのは、フィレンクト先生が名前を出した、極わずかな間だけだ。
それは別にクラスメイトが冷たいわけでも、デミタスが嫌われているわけでもない。
これはクラスメイトが数日休んだという、ありきたりな日常の一コマに過ぎないからだ。
それはブーンとドクオにとっても、もちろん例外では無い。
だが、授業中に喋るという行為を自身に正当化させるには、うってつけの話題でもあった。
('A`)「ズル休みするタイプでも無いしなぁ」
( ^ω^)「でも、病気なら先生に連絡が行くはずだお」
('A`)「だよなぁ。フィレンクト先生の反応を見るに、連絡は行ってなさそうだし……」
- 3 :以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2011/05/29(日) 01:16:42 ID:tEl.A2dw0
- (‘_L’)「そう言ったわけで、英雄の代名詞となったナポレオンは……」
( ^ω^)「メ、メイドを愛人に……けしからんお……」
('A`)「今日も元気に思春期してるな、ブーン」
( ^ω^)「ドクオは相変わらず、老衰寸前みたいだお」
('A`)「うっせぇ」
( ^ω^)「おっおっおっおっww 冗談だお」
(‘_L’)「えー、ではドクオ君。ナポレオン戦争終結後に行われた、ウィーン会議を評して……」
('A`)「会議は踊る、されど進まず」
(‘_L’)「はい、正解です」
質問の途中で問題に答え、正解するドクオ。
もはや、それが当たり前かのように、驚く者は誰もいない。
( ^ω^)「これはもう、ウルトラクイズに出場するしかないお。ドクオ!」
('A`)「やだよ、マンドクセェ。
それに常識の範囲内の問題だっつーの」
- 4 :以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2011/05/29(日) 01:17:01 ID:tEl.A2dw0
- (‘_L’)「じゃあ次は、ブーン君」
( ^ω^)「(来た!)」
(‘_L’)「ナポレオン・ボナパルトは……」
( ^ω^)「メイド萌え!」
(;‘_L’)「……」
( ^ω^)「……」
(;‘_L’)「……」
キーンコーンカーンコーン
(;‘_L’)「えー、では今日はここまでとします。起立」
('A`)「お前……あれ出ろよ、あれ」
( ^ω^)「あれ?」
('A`)「セミナー」
(; ゚ω゚)「病気じゃないお!」
(‘_L’)「礼」
フィレンクト先生が去った教室で、友人と談笑する者、次の授業の準備を始める者、
それぞれが動き出し、教室が徐々に賑やかになっていく。
- 5 :以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2011/05/29(日) 01:17:29 ID:tEl.A2dw0
- ('A`)「えーっと、次なんだっけ?」
( ^ω^)「移動教室で、情報の授業だお」
('A`)「あぁ、授業中に先生の目を盗んで、ネットする時間か」
( ^ω^)「だお。ツンのクラスと合同だお」
('A`)「おし、じゃあ……準備しますか」
( ^ω^)「先生、本日のレシピは?」
('A`)「植物繊維で製造した、薄く平らな物を数百枚。インクも大量に用意して下さい」
( ^ω^)「はい、先生」
('A`)「後は、情報の授業についての知識を、ふんだんに盛り込んで、製本すれば完成です」
( ^ω^)「完成品がここにあります」
('A`)「はい、私もです」
そう言って二人は机の中から、情報の教科書を取り出した。
('A`)「このノリ、誰が”得する”んだよ」
- 6 :以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2011/05/29(日) 01:18:17 ID:tEl.A2dw0
- ( ^ω^)「”トークする”のは、ブーン達だお」
('A`)「ハーハーハー、こりゃ傑作だ」
( ^ω^)「……」
キーンコーンカーンコーン
(; ^ω^)「えっ」
(;'A`)「ほら見ろ!下らないことしてたら、休憩時間終わったじゃねーか!」
(; ^ω^)「い、急ぐお!」
ブーン達は教科書を抱えて、一目散に移動教室へと向かった。
廊下を駆け抜け、階段を跳ねるようにして登っていく。
(;'A`)「し、しんど……」
(; ^ω^)「もうちょいだお!ドクオ!ラストスパ……」
階段を登り切り、最後の直線、という所でブーンは突然止まってしまった。
(;'A`)「ど、どうした?」
ドクオの問いかけにも一切答えようとしない。
まるで電池の切れたロボットのようだ。
- 7 :以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2011/05/29(日) 01:18:56 ID:tEl.A2dw0
- (; ゚ω゚)「……」
(;'A`)「んだよ。さっさと行かないと遅刻す……」
そう言ってブーンの視線の先、移動教室の方へと目をやった。
(; ゚ω゚)(;゚A゚)「……」
教室の前の廊下、既に他の生徒達は教室へと入ったのだろう。
ブーンとドクオが見たのは、その誰もいない廊下で、抱き合う男女だった。
こんな真昼間から、男は女の腰に手を回し、女の首元に顔を埋めていた。
そのため男の顔はよくは見えなかったが、女の方の顔はよく見えた。
よく見なくても、一目でわかった。
今日も綺麗で愛らしい、皆が認める学校のアイドル。
ζ(゚ー゚*ζ
(;゚A゚)「(マ、マジかよ……)」
- 8 :以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2011/05/29(日) 01:19:47 ID:tEl.A2dw0
- 二人はブーンとドクオには、気付いていない様子で、お構いなしに抱き合い続けていたが、
少しした所で、デレが男との間に自分の腕を入れて、隙間を作った。
ζ(゚ー゚*ζ「そろそろ……授業に出ないと……」
( )「寂しい事を言うな、デレ」
ζ(゚ー゚*ζ「私も寂しいです……でも……」
( )「……」
ζ(゚ー゚*ζ「……ね?」
( )「ふふっ、わかったよデレ……」
ζ(゚ー゚*ζ「ありがと♪……”先生”」
(; ゚ω゚)(;゚A゚)「(せ、先生!?)」
男の顔が、渋々とデレの首元より離れ、その顔がブーンとドクオの目にも、はっきりと映った。
ζ(゚ー゚*ζ「じゃあ、また後で……」
- 9 :以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2011/05/29(日) 01:20:48 ID:tEl.A2dw0
-
ζ(゚ー゚*ζ「モナー先生」
( ´∀`)「ふふふ……あぁ、また後で。可愛いデレ……」
(; ゚ω゚)(;゚A゚)「(あqwせdrftgyふじこlp;@:!?)」
デレが移動教室へと入っていくのを、モナーは無言で見送った。
(; ゚ω゚)(;゚A゚)「……」
- 10 :以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2011/05/29(日) 01:21:03 ID:ugwg9Wbk0
- 本物だったか
- 11 :以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2011/05/29(日) 01:21:15 ID:tEl.A2dw0
- ( ´∀`)「さて、職員室に戻りますか……」
モナー先生がそう言って踵を返し、こちらへと振り向こうとした所で
ドクオが咄嗟にブーンの腕を掴み、廊下からは見えない階段の踊り場へと連れ込んだ。
(;'A`)「ブーン!平静を装え!いいな!」
(; ゚ω゚)「あばばばばばば」
(;'A`)「ダメだ、壊れてる!」
気不味すぎる。
普段は呑気なモナー先生が、キザったらしく「ふふっ、可愛いデレ」と来たもんだ。
あっちにそんな気持ちは無いだろうが、こちら側としては気不味すぎる。
(;'A`)「(ましてや、あんなリアル高校教師が高校教師して高校教師ふざけんなよ高校教師)」
(;'A`)「バレるって、ブーン!顔に書いてるもん!高校教師って!凄いもの見ましたって!」
(高校教師゚ω゚)「あばばばばば」
そうこうしているうちにも、モナーの足音が二人がいる階段へと近づいてくる。
- 12 :以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2011/05/29(日) 01:21:49 ID:tEl.A2dw0
- (;'A`)-Ψ-)「ったくよぉ!」
ニルヴァーナの拳が、ブーンに触れる。
(; ゚ω゚)
(; ゚ω:;.:...
( ;...:::;.. ....
::;.. ....
( ´∀`)「あれ、ドクオ君じゃないですか」
(;'A`)「え!あ、先生……どうも」
( ´∀`)「授業は……?」
(;'A`)「すいません、ちょっと具合が悪くて保健室行ってたので……」
( ´∀`)「あぁ、それはそれは……もう大丈夫なんですか?」
(;'A`)「はい、なんとか……」
( ´∀`)「そうですか。無理はいけませんよ?そうだ、飴はいかがです?」
そう言ってポケットから飴を取り出すモナー。
(;'A`)「あ、いえ……気持ちだけで……」
- 13 :以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2011/05/29(日) 01:22:08 ID:tEl.A2dw0
- ( ´∀`)「それは残念……無茶はいけませんよ?」
('A`)「(”オマエモナー”って言うところだな)はい、ありがとうございます」
( ´∀`)「では元気になったら私の所に来て下さい。快気祝いの飴を差し上げましょう」
('A`)「ははは、楽しみだなー」
( ´∀`)「はっはっはw そうでしょう、そうでしょうw いろんな味がありますからねー。
私の最近のオススメの飴がありましてね?味がなんと……」
相変わらずの脱線。
これがさっきまでデレに愛を囁いていた男なのだろうかと、疑いたくなる。
('A`)「すいません。これ以上、授業に遅刻するのは不味いので……」
( ´∀`)「あぁ!そうですね。すいません、つい……はっはっはw」
('A`)「ははは……(マンドクセエエエエエ)」
( ´∀`)「いやはや、すいません。では私はこれで……」
そう言ってドクオに軽く一礼し、モナーは階段を下りて行った。
(;'A`)「っぶねー……ギリギリだったな……」
(; ^ω;...:;..
('A`)「お」
- 14 :以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2011/05/29(日) 01:22:32 ID:tEl.A2dw0
- (; ^ω^)「ごめんだおドクオ……もう大丈夫だお」
('A`)「遅いっつの。まぁでも仕方ない、か……」
(;'A`)「ありゃ固まるよなぁ、普通」
(; ^ω^)「奥様は……女子高生……」
('A`)「おい、やめろよ。エロい事想像しちゃうだろ」
( ^ω^)「ふふっ、行こうか。可愛いドクオ……」
(;'A`)「お前それ、絶対モナー先生いる時にやんなよ!」
余りに衝撃的な出来事に、最初は、あっけに取られた二人だったが
教師と生徒の禁断の愛。よくある展開といえば、よくある展開で
二人の思春期の好奇心を、大きく掻き立てた。
ガラガラ……
('A`)( ^ω^)「盛大に遅刻しました」
教室に入ると、合同クラスの生徒と先生の視線が、二人に一気に集められた。
〈::゚−゚〉「お前らー、石のように硬いゲンコツくらうかー?」
そう言いながら、ィシ先生が二人の元へとやってくる。
ィシ先生のゲンコツは、猛烈に痛いことで有名だ。
これは何としてでも回避しなくては……
そう考えたブーンは、まず誠心誠意謝る事にした。
- 15 :以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2011/05/29(日) 01:22:52 ID:tEl.A2dw0
- (; ^ω^)「すいませんでしたお!」
〈::゚−゚〉「……何で遅刻したんだ?」
(; ^ω^)「え、えっとぉ……」
('A`)「(俺に任せろブーン)」
(; ^ω^)「(さすがドクオ!頼むおー!)」
〈::゚−゚〉「どうした?」
('A`)「それが……ブーンが突然、腹壊したみたいで、
さっきまでトイレに籠って、ずーっと泣き喚いてたんですよ……」
( ゚ω゚)「(オレ、オ前、殺ス)」
〈::゚−゚〉「ほんとか?ブーン」
(; ^ω^)「ほ、ほんとですお!お腹が天国の時を迎えてましたお!」
〈::゚−゚〉「……そうか。ドクオは友達思いなんだな。偉いぞ!」
('A`)「いえいえ、そんな事」
( #^ω^)「(全く無いですお)」
- 16 :以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2011/05/29(日) 01:23:15 ID:tEl.A2dw0
- 〈::゚−゚〉「じゃあ今回は特別に、石のように硬いゲンコツは無しにしておこう」
( ^ω^)「ほんとですかお!」
〈::゚−゚〉「俺の意思は固い。本当だ」
('A`)「ありがとうございます!(よくやったな、ブーン!)」
( ^ω^)「ありがとうございますお!(よくもやったな、ドクオ……)」
〈::゚−゚〉「何かあれば、医師を呼ばなくてはいけないからな。すぐに言うんだぞ」
(; ^ω^)「はいですおー」
二人はなんとかゲンコツを回避し、自分達の座る席を探した。
パソコン教室は、通常の教室よりも倍ほど広く、二人掛けの机には、
一人一台のパソコンが備え付けられており、そんな机が教室に二列連なっていた。
そしてブーンとドクオは、適当に後ろの方の空いている席に座る事にした。
〈::゚−゚〉「今日もこの前に続いて、ホームページ作る授業だからな」
( ^ω^)「わかりましたおー」
('A`)「さて、と……作るか」
二人がパソコンの電源を入れた所で、前の席にいた生徒の一人が
二人の方へと振り返った。
ξ゚听)ξ「……アンタ達、何してたわけ?」
- 17 :以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2011/05/29(日) 01:23:55 ID:tEl.A2dw0
- ( ^ω^)「お?ツン!おはようだお!」
ξ*゚听)ξ「お、おはよう///」
('A`)「えーっと……」
(; ^ω^)チラッ
ブーンがデレの方に目をやると、デレは何事も無かったかのように
近くの友人と話しながら、授業を受けていた。
(; ^ω^)「……」
('A`)「質問に質問で返して悪いんだが、聞いていいか?」
ξ゚听)ξ「ん、何?」
('A`)「前さ、デレに相談受けてるって言ってたよな」
ξ゚听)ξ「……ええ」
('A`)「それって、恋の悩みだったりする?例えば、叶わぬ恋みたいな……」
ξ゚听)ξ「……」
('A`)「あ、違ったらいいんだ。忘れてくれ」
ξ゚听)ξ「そこまで言い切るって事は、適当に言ってるわけじゃなさそうね」
('A`)「そう言うって事は、そういう事みたいだな」
- 18 :以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2011/05/29(日) 01:24:21 ID:tEl.A2dw0
- (; ^ω^)「どういう事だお?」
('A`)「つまりデレは今幸せって事だ」
( ^ω^)「それなら嬉しいお!」
('A`)「まぁ、そうだな」
ξ゚听)ξ「ちょっと、詳しく聞かせなさいよ」
('A`)「えー…マンドクセェ」
ξ゚听)ξ「……」
(;'A`)「えっとですね……」
ドクオは、廊下で目撃した全てを、ツンに事細かに話した。
ξ*゚听)ξ「結構、大胆なのね……」
('A`)「相当な不意打ちだったよな?」
(; ^ω^)「衝撃的だったお……」
ξ゚听)ξ「でも、聴けて良かった。最近あんまり話す機会無かったから……」
( ^ω^)「お?そうなのかお?」
ξ゚听)ξ「なんか避けられてる気がするのよね……」
- 19 :以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2011/05/29(日) 01:24:36 ID:tEl.A2dw0
- ('A`)「(ツン怖いからな。仕方ない)」
ξ゚听)ξ「ドクオ何か言った?」
(;'A`)「滅相も御座いません」
ξ゚听)ξ「そっかぁ……凄いなぁ……」
ツンがポツリと呟いたその一言は、どこか重く悲しく感じられた。
ツンもスタンド使いの前に、一人の多感な女子高生なのだ。
( ^ω^)「ツン?」
ξ;゚听)ξ「え!あ……ど、どうしたの?」
( ^ω^)「何か悩み事かお?ブーンで良かったら聞くお!」
ξ゚听)ξ「ううん……そういうのじゃないから……」
( ^ω^)「わかったお。何かあったらブーンにすぐ言うお!」
ξ゚听)ξ「どうして?」
( ^ω^)「悩んでるツンより、笑ってるツンが好きだからだお!」
ξ*゚听)ξ「すっ……すすす、すす、すぅぅ−ーー!?///」
( ^ω^)「だからいつでも相談して欲しいお!」
('A`)「(これがブーンの中では告白じゃないってんだから、意味がわかりません)」
- 20 :以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2011/05/29(日) 01:25:24 ID:tEl.A2dw0
- ξ* )ξ「あ、ありがと……ブーン///」
('A`)「おーおー、どいつもこいつも青春しやがって。思春期丸出しだな」
( ^ω^)「?」
ξ*゚听)ξ「う、うるさいわねっ!」
('A`)「お前らが正常だよ。時々自分が悲しくなるわ」
( ^ω^)「どんまいだお!」
('A`)「……」
〈::゚−゚〉「お前らー。遅刻した分、皆に追いつかないと石のゲンコツだぞー」
(; ^ω^)(;'A`)「うっ!」
ξ゚听)ξ「じゃ、頑張ってねー」
そう言ってツンは、二人に背中を向けて、ホームページの制作を再び開始した。
二人も急いで制作に着手する。ドクオはどうにか皆に追いついた、ドクオは。
Ω
( ;ω;)「痛いお……」
('A`)「どんまい!」
その後は、いつもの日常。
話し、笑い、時々学び、気付けば放課後になっていた。
- 21 :以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2011/05/29(日) 01:25:48 ID:tEl.A2dw0
- ( ^ω^)「ドクオー、帰るおー」
('A`)「オッケー、帰ろうぜ」
帰り支度を整えた二人は、いつものように靴箱へと向かう。
上履きから靴へと履き替えたブーンが、ドクオの方に視線をやると
ドクオが上履きのまま、靴箱の中を睨みつけていた。
('A`)「……」
( ^ω^)「どうしたんだお?」
ブーンがドクオの元へと歩み寄り、同じく靴箱の中を覗き込む。
すると靴箱の中には、ドクオの靴の他に封筒が一通入っていた。
(; ゚ω゚)「こ、これは……!」
('A`)「……」
(; ゚ω゚)「ま、間違いないお……ラ、ラブ……ラブレ……」
(;'A`)「お、おい待て、早まるな……そんなわけ……」
(; ゚ω゚)「で、でもこの封筒……可愛い花模様……」
(;'A`)「う、うろたえるな!!独身男性は、うろたえない!」
(; ^ω^)「ひとまず……取り出してみたらどうかお?」
(;'A`)「そ、そうだな……」
- 22 :以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2011/05/29(日) 01:26:14 ID:tEl.A2dw0
- ドクオは親指と人差し指で封筒を摘まみ上げ、危険物を取り扱うように、慎重にロッカーから取り出した。
('A`)「ふぅ……」
( ^ω^)「ドクオ!中見るお!」
(;'A`)「ま、待て。焦らせるなよ……」
ドクオがゆっくり慎重に封筒を止めてある星型のシールを剥がしていく。
(;'A`)「おし、じゃあ開けるぞ……」
( ^ω^)「うんうん!」
封筒の中から便箋を取り出し、ドクオは一人読み始めた。
(;'A`)「……」
( ^ω^)「どうだお?どうだお?」
(;'A`)「……」
( *^ω^)「何て書いてるんだおー?」
('A`)「……」
( *^ω^)「だ、誰からかだけ教えてほしいお!」
- 23 :以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2011/05/29(日) 01:27:08 ID:tEl.A2dw0
- ('A`)「……」
( ^ω^)「ドクオ?」
('A`)「……ほらよ」
ドクオはそう言って、ブーンに便箋を手渡した。
(; ^ω^)「よ、読んでもいいのかお?」
('A`)「あぁ、構わないぞ」
(; ^ω^)「でも、女の子に悪いお」
('A`)「ははっ!w 気にすんな。いいから読んでみ?」
(; ^ω^)「じゃ、じゃあ読んでみるお……」
-----------------------------
突然のお手紙お許し下さい。
ドクオが一番理解してくれると思うから、ドクオに手紙を出しました。
今日の夜10時、VIP高校で待っています。
ブーン、ツンを連れて三人で来て下さい。
必ず三人で来て欲しいです。
バラバラになったら、きっと不味いと思うから……
どうかよろしくお願いします。
-------------------------------
- 24 :以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2011/05/29(日) 01:28:11 ID:tEl.A2dw0
- (; ^ω^)「こ、これは……?」
('A`)「とんだラブレターだ」
(; ^ω^)「なんでブーンとツンまで……?」
('A`)「これはデートのお誘いじゃないって事だ。となると……」
(; ゚ω゚)「…………スタンド?」
(;'A`)「十中八九な……俺達の共通点はそれしかない。
そして相手はなぜか、”三人で来い”と言ってきてる。
それがわからない……俺達を心配しているような文面も謎だ……」
(; ^ω^)「ど、どうすれば……」
(;'A`)「まんまと相手の策に乗っかっちまってる気もするが、行くしかない。
こんな物が届いた以上は、俺達の正体は割れてるって事だ。
そしてスタンド使いだとバレている以上、単独行動は危険だからな」
(; ^ω^)「アニジャ先輩とオトジャは……?」
('A`)「ダメだ。相手はまだきっと、先輩がスタンド使いだと知らないんだ。
先輩がスタンド使いだと知ってるのは俺達と……」
(; ^ω^)「ジョルジュさん」
('A`)「だけだからな」
('A`)「それに先輩、まだ怪我治ってないんだろ?」
- 25 :以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2011/05/29(日) 01:28:50 ID:tEl.A2dw0
- (; ^ω^)「だお……お腹の怪我が完治するまで、体育も休んでるみたいだお」
('A`)「じゃあ尚更だ。それに、もしこれが罠なら、
相手は多人数と戦うのが得意なスタンド使いかもしれない。
ここで俺達が全員で行って全滅してみろ。最悪のケースになる」
(; ^ω^)「……」
('A`)「ひとまずツンに連絡だ。10時まで行動を共にしてもらう」
すぐさま、それは実行に移された。
間もなくツンが合流し、三人は指定された時間まで、ブーンの家で過ごす事になった。
J( 'ー`)し「あらあら、いいのよ。ツンちゃんは座ってて」
ξ゚听)ξ「いえ、ご飯まで御馳走になったのに……片付けくらいは、手伝わせて下さい」
J( 'ー`)し「良いお嫁さんになるわねー、ツンちゃんは」
ξ*゚听)ξ「お、お嫁さん!?///」
J( 'ー`)し「ツンちゃんみたいな子が、家に来てくれたら嬉しいんだけどねぇ」
ξ*゚听)ξ「そ、そんな、何言って……お、お母様///」
J( 'ー`)し「ブーンも、ああ見えて、いざとなったら頼りになる優しい子よ?」
ξ*゚听)ξ「それは……知ってます///」
- 26 :以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2011/05/29(日) 01:29:16 ID:tEl.A2dw0
- J( 'ー`)し「あら?実はもう付き合ってたりしてるのかしら?」
ξ* )ξドグハァ!!
J(;'ー`)し「だ、大丈夫!?」
ξ;゚听)ξ「だ、大丈夫です……すいませんエア吐血しちゃって……」
J(;'ー`)し「あたしこそ、ちょっと調子にのっちゃってたわね、ごめんね?
ほら、後はカーチャンがやっとくから、休んでなさい。ね?」
ξ;゚听)ξ「はい……」
一方その頃、ブーンの部屋では、ドクオとブーンの二人がダラダラしていた。
('A`)「はぁ……あと30分で9時だぞ、ブーン」
床に転がり、漫画を読みながらドクオが呟いた。
(; ^ω^)「わかってるお……」
(;'A`)「鬱だ……死にたい……」
(; ^ω^)「何か作戦とか無いのかお?」
('A`)「俺は諸葛孔明でも、太公望でも無いんだぞ?そうポンポン出るかっつの」
(; ^ω^)「……」
- 27 :以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2011/05/29(日) 01:29:57 ID:tEl.A2dw0
- (; ^ω^)「……」
('A`)「相手の事が全くわからないわけだからな。
”もしかしたら”と考え続けたら、それすら敵の思う壺かもしれないんだぜ?」
('A`)「もしかしたら戦わなくて済むかもしれないしな……ポジティブに行こうぜ」
( ^ω^)「……わかったお!!」
(;'A`)「(とは言ったものの、戦い確定だろこんなの……怪しすぎる。
やっぱりアニジャ先輩に連絡取ったほうがいいのか?
でもそんなことしたら、怪我押して出てくるのは確実だ……
クソ……胃が痛くなってきた……)」
根っからのネガティブ思考のドクオが、ポジティブになれるはずは無かった。
だからせめて、ブーンにはポジティブで居てもらわなくてはならない。
ネガティブで思慮深いドクオが、慎重に物事を考え、
ポジティブで直観的に動くブーンが、それを後押しする。
二人の関係は、実にコンビとして最適に出来ていた。
ガチャ
ξ゚听)ξ「そろそろね」
ブーンの部屋に、ツンが戻ってくる。
三人が一斉に掛け時計に視線を向けると、短針は9時を回っていた。
- 28 :以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2011/05/29(日) 01:30:43 ID:tEl.A2dw0
- ('A`)「そうだな……そろそろ行こうか」
(; ^ω^)「うん……」
ξ゚听)ξ「そうね」
ブーンの家を出た三人は、すっかり暗くなった通学路を歩き、学校へと向かった。
これから起こる事への不安と緊張か、三人の口数は自然と少なくなった。
(; ^ω^)「……」
('A`)「……」
ξ゚听)ξ「……」
そして言葉をほとんど発する事なく、三人は学校に辿り着いた。
門の前に立つと、微かに門が開いており、人が一人通れる隙間が開いていた。
('A`)「……こっから、入れってよ」
そう言ってドクオが隙間を通って、学校へと入る。
それに続いてツンも隙間を通った。
最後にブーンが、隙間に体を通していく。
(; ゚ω゚)「はっ!!」
(;'A`)「どうした!?」
(; ^ω^)「詰まったお……」
- 29 :以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2011/05/29(日) 01:31:11 ID:tEl.A2dw0
- ('A`)「……ツン、行くぞ」
ξ;゚听)ξ「う、うん……」
(; ^ω^)「ま、待っておー!」
なんとかブーンを隙間から引っ張り出し、三人は校舎へと足を踏み入れた。
誰もいない校舎を歩くと、三人の足音だけが廊下に響き渡った。
カツーン……カツーン……
('A`)「誰も……いねぇな」
(; ^ω^)「う、うん……」
ξ;゚听)ξ「そうね……」
二人に比べて、ドクオは平然としているように思えた。
だが違う。
(;'A`)「(ふおおおお!出て来んなよ急によおおおお!!
角から出てくんなよ!曲がるからな!!よし!よぉおし!
次、あれか!二階か!?行きたくねええええ!!)」
('A`)「二階、上がるぞ」
(; ^ω^)「了解だお」
- 30 :以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2011/05/29(日) 01:31:36 ID:tEl.A2dw0
- 三人で慎重に、二階へと上がっていく。
踊り場を抜けて長い廊下へと出ると、暗い廊下の先に誰かが立っているのがわかった。
(;'A`)「お前ら動くな!」
(; ^ω^)ξ;゚听)ξ「!」
ドクオが身構え、廊下の先を見据える。
(;'A`)「誰だッ!!」
廊下に立つ誰かは、答えない。
(;'A`)「クソ……慎重に近づくぞ……」
ドクオは廊下に立つ誰かを、見る事の出来る距離にまで近づこうと
ジリジリと摺り足で距離を縮めていく。
徐々に、極わずかにではあるが、相手との距離が縮んでいき、
服装や体格が露わになっていく。
(;'A`)「(小さいな……それに制服だ……)」
もう少しで顔が見える、そんな時。
- 31 :以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2011/05/29(日) 01:32:03 ID:tEl.A2dw0
- 「来てくれて、ありがとう……」
(;'A`)「!!」
(; ゚ω゚)「こ、この声……」
「本当に、三人で来てくれたんだ……」
(;'A`)「何でお前が……」
(´・_ゝ・`)「戦う前に……僕の話を聞いてほしいな……」
(; ゚ω゚)「デミタス……」
(;'A`)「戦う、だと……」
- 32 :以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2011/05/29(日) 01:32:27 ID:tEl.A2dw0
- ξ゚听)ξ「敵、ね」
ξ゚听)ξσДσ)ズズズ……
(´・_ゝ・`)「ツンさん、待って」
ξ゚听)ξσДσ)「戦うって言ったのは、アンタでしょ?」
(´・_ゝ・`)「僕はまず、話を聴いて欲しくて……」
ξ゚听)ξσДσ)「スリップノットォォォー!!」
ツンがデミタスの元へと駆け寄り、スリップノットの糸が素早くデミタスの元へと放たれる。
(´・_ゝ・`)0△0)ズズズ……
(;'A`)「!?」
デミタスの背後に現れたスタンドは、片手に板のような物を持っていた。
そしてスタンドが、もう片方の手で板のような物に手をやる。
ギュィィィィィンッ!!
ξ;゚听)ξσДσ)「!?」
その瞬間、轟音が鳴り響き、スリップノットの伸ばした糸は無残に斬り裂かれ、力無く地面へと落ちた。
その状況を目の当たりにし、硬直するツンの目の前には、既にデミタスが駆け寄り、距離を詰めていた。
- 33 :以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2011/05/29(日) 01:32:57 ID:tEl.A2dw0
- ξ;゚听)ξ「あっ!!」
ギュィィィィィイッ!!
(´・_ゝ・`)「ただ僕は……」
デミタスのスタンドが持っていた物は
(;'A`)「チェーンソーだッ!!」
ドクオがそう叫んだ時には、既にチェーンソーがツンの胴体を通り抜けていた。
ξ )ξ「ッ……」
ギュイィィィィィイイッ!!
チェーンソーが通り過ぎた部分を境に、ツンの体が上半身と下半身に別れ、地面に落ちる。
ボトッ……ボト……
Σ0△0)「F*ck U Beeeeetch!!」
(´・_ゝ・`)0△0)「まず、話がしたいだけなんだ……」
(;゚A゚)「ツ、ツン……」
(; ゚ω゚)「え……」
デミタスの足元に、無残に転がるツンの体達。
- 34 :以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2011/05/29(日) 01:33:36 ID:tEl.A2dw0
- (;'A`)「こ、こいつ……!ツンを……!!」
( ゚ω゚)「デ、デミタス……ツン、ツンを……ツン……ツン……デミタス、デミ……」
ブーンの体が小刻みに震える。
その震えが次第に大きくなり、ブーンの体の中で膨らむ怒りが
ブーンも抑えきれないまでに膨らみ、自身の許容量を大きく越えつつあった。
(;'A`)「待て!こいつはヤバい!行くな!!」
(´・_ゝ・`)「生きてるよ?……ツンさん」
(;'A`)「!?今、なんつった……?」
(´・_ゝ・`)「ツンさんは、生きてる」
( ゚ω゚)「生き……てる……?」
(´・_ゝ・`)「そうでしょ?ツンさん」
ξ )ξ「……」
(; ゚ω゚)「ツ、ツン……?」
ξ )ξ「……」
(; ゚ω゚)「……」
- 35 :以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2011/05/29(日) 01:34:06 ID:tEl.A2dw0
-
ξ )ξ「なんで……生きてるのよ、アタシ……」
(; ゚ω゚)「ツン!!」
(´・_ゝ・`)「そういうスタンドだからだよ、ツンさん」
(;'A`)「そういや血が一滴も出てねぇ……どういう事だ、デミタス……」
(´・_ゝ・`)「その前に、僕の話を聞いてほしい……」
(;'A`)「ふざけんなッ!!」
(´・_ゝ・`)「ツンさんは、生きてるよ。でも”今は”生きてるってだけ。
話を聞いてくれるなら、ツンさんは僕が元に戻すよ」
(;'A`)「戻せるのか!?」
(´・_ゝ・`)「うん。でも、話を聞いてくれないっていうなら、ツンさんは戻せない」
- 36 :以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2011/05/29(日) 01:34:38 ID:tEl.A2dw0
- (; ゚ω゚)「聞く!聞くからツンを戻してお!!」
(´・_ゝ・`)「うん、約束する。話が終わったらね」
(;'A`)「……」
(´・_ゝ・`)「ツンさん、ちょっとの間、我慢しててね」
ξ;゚听)ξ「……」
ツンは完全に委縮していた。
デミタスの謎の能力で生かされてはいるが、体を真っ二つに切断されているのだ。
目の前に自分の足が見えた。そして自分の力では、立つことすら出来ない。
自分とそれほど背丈の変わらないデミタスが、はるか高くにいるように思えた。
(´・_ゝ・`)「一週間前くらいかな……僕、君達と戦えって言われたんだ……」
(;'A`)「!?だ、誰にだ?」
(´・_ゝ・`)「それは言えないよ……でも、僕は断ったよ。ブーンもドクオも友達だもん」
(; ゚ω゚)「……」
(´・_ゝ・`)「でもさ……断っちゃ、ダメだったんだ……」
悲しそうに俯きながら、デミタスはゆっくりと語りだした――――。
―――――――――――――。
- 37 :以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2011/05/29(日) 01:35:22 ID:tEl.A2dw0
- 五日くらい前だったよ。
学校の後、僕は本屋さんでアルバイトして、その帰りに夜道を一人歩きながら考えてたんだ。
(´・_ゝ・`)「ドクオとブーンと、ツンさん……三人と戦えなんて……」
つい先日、僕は”ある人物”に突然そう言われた。
その人と、まともに会話したのは初めてで、最初は何を言っているのか、よくわからなかった。
でも、その人は知ってたんだ……僕が、ある日突然、普通じゃなくなったって。
(´・_ゝ・`)「スタンド、か……」
その人は、それがスタンドだと教えてくれた。
そして、ブーンとドクオとツンさん、三人がスタンドを持ってるって事も。
少し嬉しかった。僕だけじゃなかったんだ、って安心できた。
明日、ブーンとドクオに相談してみようかな。
あの二人ならきっと、僕の事を温かく迎えてくれる……そんな気がするから。
僕が断った後も、その人は執拗に僕に迫った。
その事については、あんまり思い出したくない……
でも学校でもバイトでも、その事がずっと気掛かりだった。
- 38 :以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2011/05/29(日) 01:36:19 ID:tEl.A2dw0
- (´・_ゝ・`)0△0)ズズズ……
(´・_ゝ・`)「あれだけ断ったら……もう諦めてくれたよね。どう思う?」
Σ0△0)「Hell Yeaaaaaaaaaah!!」
(;´・_ゝ・`)「う、うん……わかったから、ちょっと静かにして……」
いつもこんな感じだ。凄いハイテンション。
他の人のスタンドも、全部こんな感じなのかな。
(´・_ゝ・`)「今日は父さんも母さんも旅行でいないから……ビーグル大丈夫かな」
僕はそれが朝からずっと心配だった。
心配事だらけだ。それでもビーグルを見れば解消される。
僕が小学生の頃、家にやってきたビーグルは、いつでも僕と一緒だった。
僕の大切な友達だし、家族。
(´・_ゝ・`)「帰ったら、すぐにご飯あげないとね」
僕は早足で家に帰った。
(´・_ゝ・`)「ただいまー」
そう言って鍵を開け、靴を脱いだ所で違和感に気付いた。
(´・_ゝ・`)「ビーグル……?」
いつもなら僕を迎えに、ビーグルがリビングから急いで走ってくるはずなのに。
- 39 :以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2011/05/29(日) 01:36:44 ID:tEl.A2dw0
- (;´・_ゝ・`)「お腹減って動けないのかな?朝いっぱいあげたはずだけど……」
僕は心配になって家中を探した。
でもリビング、キッチン、トイレ、どこにもいない。
(;´・_ゝ・`)「いない……僕の部屋かな?」
残りの部屋でビーグルが居そうな部屋は、僕の部屋しか思いつかなかった。
だから僕は急いで、自分の部屋に向かったんだ。
(´・_ゝ・`)「ビーグル……?」
そう言いながら、僕は自分の部屋の扉を開けた。
(´・_ゝ・`)「あれ、何これ」
僕の部屋の真ん中に、なぜかペットフードの袋が置かれていた。
でも今はそんな事よりも、ビーグルがいるか、いないかが最優先だった。
(;´・_ゝ・`)「ここにもいない……ビーグル……」
そこで何となく、もう一度ペットフードの袋に目をやると、その袋は封が切られてた。
(´・_ゝ・`)「なんで僕の部屋に、封の開いたペットフードが……」
不気味に思ったけど、僕はペットフードの袋に近づいて、中を覗いてみた。
なぜだろう、なぜか覗いてみたくなったんだ。
- 40 :以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2011/05/29(日) 01:37:33 ID:tEl.A2dw0
- (;´・_ゝ・`)「うっ!何これ!」
袋の中には”赤い何か”が詰められてた。
最初はそれが何か、僕には理解できなかった。
(;´・_ゝ・`)「なんで、こんなものが……?」
恐る恐る、もう一度覗き込む。
その時やっと気付いた。”赤い何か”の中に、見覚えのあるものがあった。
(;´・_ゝ・`)「うっ!おえええぇ……ッ!」
僕は腰から崩れ落ちて、自分の部屋の床に嘔吐した。
なぜなら”赤い何か”の中に、その中に……
ビーグルの首輪があったからだ。
(´;_ゝ;`)「!おえぇ……ッ!げほっ!」
胃の中の物を全て吐き出すと、今度は涙が止まらなくなった。
今思えば、”赤い何か”に混じって、見覚えのある黒い毛があった気がする。
でももう見る事は出来ない……そんな勇気、僕には無い。
もしかしたら、ただの”肉”かもしれない。
ビーグルじゃないかもしれない、でも僕にはわかったんだ。
それがビーグルだ、って……僕にはわかった。
家族だったんだ、本当に……だから、わかる。
- 41 :以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2011/05/29(日) 01:39:00 ID:tEl.A2dw0
- (´;_ゝ;`)「うっ……ひぐっ……うぅぅ……」
僕は泣きながら立ち上がった。
途端に怖くなったから。
誰かが、ビーグルをこんなにして、僕の部屋まで運んだんだ。
僕は部屋の隅に、もたれかかった。
足に力が入らなくて、自分の勉強机に手をついて体を支えた。
ガサッ
(´;_ゝ;`)「ひっく……うぅ……うぐ……?」
手に何かが当たって、音を立てた。
よく見ると、ゴミ袋だ。二枚のゴミ袋が僕の机の上に置かれていた。
ゴミ袋を手でどけると、そこには机に”赤い何か”で、文字が書かれていた。
た た か え
その時、僕は全てを理解した。
その文字が、何を使って書かれた物か……。
そして犯人が誰かという事……。
- 42 :以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2011/05/29(日) 01:39:30 ID:tEl.A2dw0
- そして僕は、恐怖で震えあがった。
なぜ、ゴミ袋が”二枚”置かれていたのかという事に。
急いで僕はカバンを漁って携帯を取り出し、両親に電話を掛けた。
(´;_ゝ;`)「お願い……お願い……」
電話を取った母親はとても驚いていた。
僕が泣きながら電話を掛けて来たんだ、無理も無い。
……でも両親は無事だった。
そして、僕に選択肢が無い事も理解した。
僕が戦わなければ、ペットフードの袋の様に、ここにあるゴミ袋が二つ、膨らむ事になる。
犯人は僕にそう言っているんだ――。
――――――――――――――――――。
- 43 :以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2011/05/29(日) 01:39:54 ID:tEl.A2dw0
- (´;_ゝ;`)「だから僕は……戦わなくちゃいけないんだ……」
(;'A`)(; ゚ω゚)「……」
ξ;゚听)ξ「……」
三人は思わず絶句した。
デミタスの話に恐怖したからというのもある。
それ以上に、誰かが他人の人生を大きく狂わせてまで
三人を狙っているという事実に、絶句した。
(´;_ゝ;`)「話を、聞いてくれて……」
(´・_ゝ;`)「ありがとう……」
(´・_ゝ・`)「約束だから、ツンさんは元に戻すよ」
Σ0△0)「……」
デミタスのスタンドは、無言でツンのバラバラになった上半身と
下半身を、それぞれ両腕で持ち上げた。
ξ;゚听)ξ「ッ……」
そして、スタンドは広げた両腕に持ったツンの体達を
一気に自分の胸の前でぶつけた。
ガッ!!
Σ0△0)「Holly shit!!」
- 44 :以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2011/05/29(日) 01:40:23 ID:tEl.A2dw0
- 瞬間、閃光が走る。
そしてその次の瞬間には、ツンが何事も無かったかのように”一つの体”で立っていた。
ξ;゚听)ξ「……」
(´・_ゝ・`)「じゃあ、戦おう」
ξ;゚听)ξ「ッ!」
ツンは急いでデミタスから離れた。
もう、次は無い。
(´・_ゝ・`)0△0)「行くよ?」
(; ゚ω゚)「ツン!早くこっちに来るお!」
ξ;゚听)ξ「はぁ!はぁ!」
恐怖から逃げるように、必死でブーンの元へと走るツン。
これほどまでに、ツンが弱さを曝け出した事があっただろうか。
(´・_ゝ・`)「僕のスタンドの名前は、ボーリング・フォー・スープ」
(;'A`)(; ^ω^)「……」
(´・_ゝ・`)0△0)「能力は……”斬った物を、自由に切り分けられる能力”」
そう言いながら、デミタスは三人の元へと駆けた。
(;'A`)「ッ!?」
- 45 :以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2011/05/29(日) 01:40:49 ID:tEl.A2dw0
- (; ^ω^)`0ω0´)「ビートルズゥ!」
ブーンはドクオとツンを庇うようにして、デミタスと対峙した。
(´・_ゝ・`)0△0)「ビートルズ、ラッシュが得意な近距離パワー型スタンド」
(;'A`)「!」
( ^ω^)`0ω0´)「だおだおだおだおだおだおだおだおだおだおだおーッ!!」
Σ0△0)「Know your Rooooooole!!」
ビートルズのラッシュに反応して、ボーリング・フォー・スープは
チェーンソーの腹の部分を使い、ラッシュを受け止める。
バキィン!ガキッ!
(; ^ω^)「なっ……!」
ビートルズのラッシュは、完全に止められてしまった。
チェーンソーをパワーで押し切ろうとするが、ビクともしない。
Σ0△0)「Smack down!!」
ボーリング・フォー・スープが叫びながら、チェーンソーを強引に振り回すと、
ラッシュを仕掛けたブーンが、逆にドクオ達の元へと吹き飛ばされてしまった。
(; ゚ω゚)「ふおおお!?」
(;'A`)「(ビートルズが力負けしてる!?)」
- 46 :以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2011/05/29(日) 01:41:29 ID:tEl.A2dw0
- (´・_ゝ・`)0△0)「……やっぱり強いみたいだ、僕のスタンド。良かったね、ボーリング・フォー・スープ」
Σ0△0)「YEAH!!」
(; ゚ω゚)`0ω0´)「ハァ……ハァ……」
(´・_ゝ・`)0△0)「次はドクオ?」
(;'A`)「ブ、ブーン……ツン……逃げるぞ……」
(; ^ω^)「わ、わかったお……」
ξ;゚听)ξ「……」
(;'A`)「(ビートルズとスリップノットが、正面きって倒された……こいつ、強すぎる……)」
三人は一斉に、元来た廊下を走りだした。
(´・_ゝ・`)「逃げると思ったんだ僕……だから……」
(;'A`)「?」
(´・_ゝ・`)「もう、その廊下は”切ってる”よ」
- 47 :以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2011/05/29(日) 01:42:16 ID:tEl.A2dw0
- ガコォォンッ!!
(;゚A゚)(; ゚ω゚)ξ;゚听)ξ「――ッ!?」
突然、ブーン達の足元の廊下が”落ちた”。
そして当然のごとく、地面を無くしたブーン達も一階へと落ちていく。
(;゚A゚)(; ゚ω゚)ξ;゚听)ξ「うわああああああ!!」
ドォォオン!!
コンクリート同士がぶつかり、破壊される音が校舎に響く。
(´・_ゝ・`)「……」
綺麗な円形に刳り抜かれた二階の廊下から、デミタスが一階の様子を伺ったが、
砂埃が舞い上がり、とても三人を確認する事は出来なかった。
(´・_ゝ・`)「んぅー……あんまり良い作戦じゃなかったね……見えないし」
Σ0△0)「Damn!!」
(´・_ゝ・`)「階段で下りよう」
- 48 :以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2011/05/29(日) 01:43:28 ID:tEl.A2dw0
- デミタスが階段へと向かっている頃、一階では三人が砂煙の中、事態の把握に急いでいた。
(; ゚ω゚)「ふぉぉ……痛たたた……げほっ……」
ξ;゚听)ξ「うっ……はぁ……はぁ……」
(;'A`)「(ど、どうなってる!?何が起こった!?)」
綺麗に刳り抜かれた廊下は、そのまま一階の廊下に落ち、砕け散った。
三人はコンクリートに、体を打ちつけはしたが、
足から落ちた為か、体へのダメージは思ったより少なく済んでいた。
(;'A`)「(廊下が落ちた……”もう切ってる”だと……)」
ドクオは砂煙の中で考えた。
デミタスの能力について。
そして、この戦いの勝算を。
(;'A`)「(切り分ける能力……一度チェーンソーで切り分けた物は
自分の好きなタイミングで切り分け、直す事が出来るって事か……)」
(;'A`)「(煙が晴れてきた……二人は!?)」
晴れかかった砂煙の中で、ドクオはブーンとツンを探した。
二人はすぐ近くにいたが、ドクオの近くに座り込んだまま動かない。
- 49 :以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2011/05/29(日) 01:44:16 ID:tEl.A2dw0
- (;'A`)「(デミタスは……階段で降りてくるつもりか……)」
残された時間は短い。
それまでに何か、勝利への手掛かりを掴まなくてはならない。
(;'A`)「(クッソ!クッソォ!考えろ!考えろ!)」
カツーン……カツーン……
階段を降りてくる足音が、静かな校舎に響く。
(; ゚ω゚)「……」
ξ;゚听)ξ「……」
(;'A`)「ブーン……ツン……」
二人は足音を聞くや否や、金縛りにでもあったかのように硬直してしまった。
一度植えつけられた恐怖は、簡単に払拭する事は出来ない。
(;'A`)-Ψ-)ズズズ……
ドクオはそれを理解していた。
その頃デミタスは、ゆっくりと階段を降りていた。
精神的優位に立っているからでは無い。
むしろ精神は自壊しつつあった。
(;´・_ゝ・`)「戦わなきゃいけない……戦わなきゃ……」
- 50 :以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2011/05/29(日) 01:44:44 ID:tEl.A2dw0
- 足を一歩踏み出すための気力を、口から吐き出し歩いた。
大切な誰かを守るために、大切な誰かを犠牲にするという矛盾。
その十字架は余りに重く、デミタスの足取りを重くした。
カツーン……カツーン……
(´・_ゝ・`)「ドクオ……」
(;'A`)「よぉ、デミタス」
(´・_ゝ・`)「残りの二人は……?」
デミタスが一階に降り、その視界に映ったのは、瓦礫の上に佇むドクオ一人だった。
一緒にいるはずの、ブーンとツンが見当たらない。
('A`)「残念だったな、二人は先に逃がしたよ」
(´・_ゝ・`)「……」
('A`)「?」
(´・_ゝ・`)「嘘でしょ、ドクオ」
(;'A`)「あ?」
(´・_ゝ・`)「ニルヴァーナ。触れた物を透明にする能力。
二人は透明になって、ここにまだ”居る”んでしょ?」
(;'A`)「!」
- 51 :以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2011/05/29(日) 01:45:23 ID:tEl.A2dw0
- デミタスの指摘通り、ブーンとツンは居る。
しかし、それでドクオは一つ確信した。
(;'A`)「……やっぱりか」
(´・_ゝ・`)「やっぱり?」
(;'A`)「お前はツンの能力も知っていたな……
知らなきゃ、いきなり糸を切り落とすなんて真似出来るわけがない……」
(´・_ゝ・`)「それがどうかしたの?」
('A`)「(俺達三人の能力を、全て知っている人間は限られてる……
アニジャ先輩に、オトジャ。ワカッテマス。それに……モララーだけだ。
そしてモララーは、誰かからの命令で、俺達を狙っていると言っていた)」
(;'A`)「(恐怖で従わせる……デミタスとモララーの境遇は、完全に同じだ。
恐らく裏で糸を引いているのは、同一人物……)」
(´・_ゝ・`)「ドクオ、それがどうかしたの?」
(;'A`)「別に……」
(´・_ゝ・`)0△0)「じゃあもういいよね……戦おう、ドクオ」
(;'A`)「ッ!」
ドクオはデミタスのスタンドを見ると、すぐに後ろへと退いた。
(´・_ゝ・`)「逃げないで戦ってよ、ドクオ……」
- 52 :以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2011/05/29(日) 01:45:55 ID:tEl.A2dw0
- (;'A`)「あーもう……クッソ……マンドクセェんだよ……」
(´・_ゝ・`)「ドクオ?」
(;'A`)「死にたい……」
(´・_ゝ・`)「?」
(;'A`)「死にたいくらいに鬱だ……どうしてくれる……」
(´・_ゝ・`)「……ごめんね、でも仕方ないんだ……」
('A`)「だが、あれだ……えーっと、なんだ……」
(´・_ゝ・`)「?」
(;'A`)「安心だ。そう、安心しろ……抜群に死にたいけどよ、今死ぬつもりは無い……」
(´・_ゝ・`)「……」
('A`)「そして、もう死にたくなる程の鬱だが、だからと言って逃げる気も無い……」
(´・_ゝ・`)「じゃあ、戦ってくれるんだね……?」
ここで逃げて、全てが終わるなら逃亡を選択するだろう。
しかし、逃げても終わる事は決して無い。
- 53 :以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2011/05/29(日) 01:46:38 ID:tEl.A2dw0
-
戦うしか、無いのだ。
(;'A`)「やってやる!デミタスッ!!」
(´・_ゝ・`)「!」
('A`)-Ψ-)「無駄ァ!」
ニルヴァーナの拳が狙った先にあったのは、備え付けの消火器。
ガツンッ!ブシュゥゥゥーーーッ!!
(;´・_ゝ・`)「うっ!」
破壊された消化器からは大量の消火剤が噴出し、瞬く間に辺り一面は白い煙に包まれた。
(;'A`)「ブーン!ツン!来い!」
(;´・_ゝ・`)「うぅ、げほっ!けほっ……結局逃げるんだね……」
消火剤が目に染みて、デミタスは辺りを見る事はおろか、満足に動く事が出来なかった。
徐々に煙が消えていき、デミタスがドクオ達の居た所を見てみると、そこには既に誰も居なかった。
(´・_ゝ・`)「ひどいや、ドクオ……」
- 54 :以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2011/05/29(日) 01:47:47 ID:tEl.A2dw0
- (´・_ゝ・`)'A`)「そりゃ悪かったな」
(;´・_ゝ・`)「!?」
('A`)-Ψ-)「ニルヴァーナァァァ!無ー駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄ァ!!」
(;´・_ゝ・`)0△0)「ぐっ!逃げたはずじゃ!?うわああ!!」
('A`)-Ψ-)「逃げると思っただろ?だから逃げないッ!無駄無駄無駄ァ!」
背後からの奇襲。
ニルヴァーナのラッシュが、ボーリング・フォー・スープに直撃する。
ボーリング・フォー・スープへのダメージが、デミタスの体にも徐々に顕れ、
デミタスの体は赤く腫れ、顔からは出血が見られた。
しかし。
(;#´・_ゝ・`)「ボ、ボーリング・フォー・スープゥゥッ!!」
Σ0△0)「Woooooo!!Son of a beeeeeeeeeetch!!」
ギュイィィィィイインッ!!
ボーリング・フォー・スープの咆哮と共に、チェーンソーが唸った。
そしてビートルズの時と同じように、ニルヴァーナのラッシュが弾き飛ばされる。
(;'A`)-Ψ-)「!?」
- 55 :以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2011/05/29(日) 01:49:00 ID:tEl.A2dw0
- 不意を狙ったラッシュで、押し切っていたはずだった。
もしくはビートルズのラッシュでなら、押し切れていたかもしれない。
最後の最後、結果を分けたのは純粋な力だった。
ギュィィィィィイッ!!
……ドンッ!
(;゚A゚)-Ψ-)「うっ!?」
ニルヴァーナの弾かれた右腕が、チェーンソーによって切断され宙を舞った。
そして次の瞬間、ドクオの右腕が地面へと落ちた。
(;#´・_ゝ・`)0△0)「はぁ……はぁ……」
(;゚A゚)「ッッ!?」
血は出ていない。
デミタスの切り分ける能力によって、ドクオの腕は体から切り分けられた。
しかし、腕を切り落とされる精神的ダメージは、あまりに大きい。
「ドクオォォーーッ!!」
その時、誰もいないはずの場所から、怒号が響いた。
(#;´・_ゝ・`)「!」
- 56 :以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2011/05/29(日) 01:49:39 ID:tEl.A2dw0
- ( ゚ω::;.. .「デミタスゥゥーッ!!」
(#;´・_ゝ・`)「やっぱり透明になってた……ブーン!」
( ゚ω゚)`0ω0´)「だおだおだおだおだおだおだおーッ!!」
(#;´・_ゝ・`)0△0)「斬り裂けぇーッ!ボーリング・フォー・スープッ!」
ξ;゚听)ξσДσ)「スリップノットォォー!」
ギュルルルルッ!
(; ゚ω゚)「ふおっ!?」
(#;´・_ゝ・`)「!?」
透明化が解除されたスリップノットから放たれた糸は、
デミタスとブーン、”両者の足”を地面へと縫い付けた。
ξ;゚听)ξ「ブーン、逃げるわよ!ドクオを引っ張って逃げてッ!!」
(; ゚ω゚)「えっ!?」
(#;´・_ゝ・`)「スリップノットの縫い付ける能力……くっ!!」
- 57 :以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2011/05/29(日) 01:50:08 ID:tEl.A2dw0
- ξ;゚听)ξ「早く!」
その言葉と共に、ブーンの足の糸が解かれる。
(; ^ω^)「わ、わかったお!ドクオ!」
(;゚A゚)「はぁ……はぁ……」
ブーンは、ドクオの残ったほうの腕を引っ張った。
(; ゚ω゚)「あ、もうひとつの腕!」
逃げる前に、ドクオの落ちた右腕を拾い上げ、
そこからはツンと共に、デミタスから少しでも離れようと全力で逃げた。
(#;´・_ゝ・`)「くっ……めんどくさい能力……!」
苛立ちと焦りからか、デミタスは対処に手間取っていた。
その間にも三人は、校舎の見えない暗闇の中へと消えていく。
(#;´・_ゝ・`)「糸を斬って!ボーリング・フォー・スープ!」
Σ0△0)「Shit!」
ギュィィィイインッ!
ボーリング・フォー・スープは、デミタスの足元の地面を抉るようにして、糸を切断した。
- 58 :以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2011/05/29(日) 01:50:51 ID:tEl.A2dw0
- (#;´・_ゝ・`)「くそぉ……なんで逃げるの……!」
デミタスは、三人を追って歩き出した。
足取りは重いままだが、先程とは理由が違う。
溢れ出る怒りを抑えようと、地面を踏みしめているのだ。
その頃三人は、デミタスの虚を突こうと、二階へと上がっていた。
そして適当な教室に入り、体を小さくして小動物のように隠れている。
(; A )「勝てない……」
ドクオは三角座りで座り込みながら、自分の落ちた腕を胸に抱き、うずくまっていた。
ξ;゚听)ξ「……」
(; ゚ω゚)「もう無理なのかお……」
(; A )「……」
(; ^ω^)「さ、三人で一斉に行けば……」
ξ;゚听)ξ「もし運よく相打ちでも、全員バラバラになるわ……」
(; ゚ω゚)「……」
(;゚A゚)「勝てないんだ……」
(; ゚ω゚)「ドクオ……」
- 59 :以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2011/05/29(日) 01:51:58 ID:tEl.A2dw0
-
(;゚A゚)「正攻法じゃ、勝てない……」
(; ^ω^)ξ;゚听)ξ「え?」
(;゚A゚)「決めたぞ……決めた……」
(; ^ω^)「ドクオ……?」
(;゚A゚)「デミタスを倒す」
ξ;゚听)ξ「ど、どうやって……」
(;゚A゚)「まずは三階だ……時間が無い……」
ξ;゚听)ξ「え?」
(;'A`)「時間が無い!三階に急げ!」
そう言ってドクオは立ち上がり、三階に向かうために廊下へと出た。
(; ゚ω゚)「ちょ、待つお!ドクオ!」
ブーンの言葉を無視し、ドクオが三階へ向かう階段へと進んでいく。
ドクオの真意は掴めず仕舞いだが、ブーンとツンの二人も、ドクオに続いた。
- 60 :以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2011/05/29(日) 01:52:53 ID:tEl.A2dw0
- 三階に到着すると、ドクオは廊下を少しの間、眺めていた。
(;'A`)「……」
(; ^ω^)「せ、説明してくれお。ドクオ……」
(;'A`)「よし、ブーンよく聞けよ」
その頃デミタスは、一階で三人を探していた。
(#;´・_ゝ・`)「居ない……まさか、学校から出たんじゃ……」
その時。
ドゴォォンッ!!
(#;´・_ゝ・`)「!?」
デミタスのはるか頭上で、物凄い轟音が鳴り響いた。
(#;´・_ゝ・`)「上!?」
デミタスは音を辿るようにして、二階へと向かった。
('A`)-Ψ-)「こうやって、廊下を部分的に透明にすれば……どうだ?」
( ^ω^)「凄いお!廊下に穴が開いてるようにしか見えないお」
- 61 :以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2011/05/29(日) 01:53:35 ID:tEl.A2dw0
- (;'A`)「呑気に関心してる場合じゃねぇぞ。もうすぐアイツは、ここまで上がってくる」
(; ^ω^)「……」
(;'A`)「この策は、お前に懸かってる……わかってるな?」
(; ^ω^)「わかってるお」
(;'A`)「もし、俺やツンに何かがあっても、お前は耐え続けろ」
(; ^ω^)「……」
(;'A`)「勝機の瞬間までだ」
('A`)「ブーン……俺を信じてくれるな?」
( ^ω^)「……」
('A`)「……」
( ^ω^)「ドクオ……」
('A`)「?」
- 62 :以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2011/05/29(日) 01:54:10 ID:tEl.A2dw0
-
( ^ω^)「その質問は答えなきゃ、伝わらないかお?」
( A )「…………フヒヒ」
('∀`)「言うじゃねぇかww」
( ^ω^)「おっおっおっw ブーンは信じてるお。ドクオも、ツンも。」
ξ゚听)ξ「えぇ、信じてて……ブーン」
('A`)-Ψ-)「ふぅ……じゃあ、頼んだぜ。親友」
トンッ
( ^ω:::;.. .
- 63 :以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2011/05/29(日) 01:54:38 ID:tEl.A2dw0
- その頃、デミタスは三人を探して、二階の廊下を歩いていた。
(#;´・_ゝ・`)「切るしかない……切るしか……」
ブツブツと呟きながら、デミタスは歩いた。
(#;´・_ゝ・`)「バラバラにするんだ……切り裂いて……」
デミタスの中で、何かが変わろうとしていた。
本来の目的から逸脱し、三人を倒す事が目的になりつつあった。
非日常にも思える命を賭した戦闘は、容易に人間を狂わせる。
(#;´・_ゝ・`)「ブーンは強そうだから……最初にバラバラにしなきゃ……」
呟きながら歩いているうちに、デミタスは三階の階段へと差しかかろうとしていた。
(#;´・_ゝ・`)「ツンさんも、ドクオも……バラバラにする……」
コツ……
(#;´・_ゝ・`)「!?」
小さな物音一つに、過敏に反応してしまう。
(#;´・_ゝ・`)0△0)「……ッ」
デミタスは慎重に辺りを警戒するが、人のいる気配は無い。
(#´・_ゝ・`)「……」
- 64 :以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2011/05/29(日) 01:55:51 ID:tEl.A2dw0
- しばらく立ち止まり警戒しながらも、再び歩き出し、三階への階段を登っていく。
そのまま警戒を怠る事無く、ゆっくりと上を目指した。
静かな学校に、階段を上る足音だがけ響く。
しかしデミタスは確かに聞いた。
声を押し殺し話す、ドクオの声を。
(;'A`)「(ツン!急げ!)」
(#´・_ゝ・`)「!!」
その声を聞いた瞬間、デミタスは一気に階段を駆け上がり、廊下に出た。
(#;´・_ゝ・`)「!?」
ξ;゚听)ξ「!」
デミタスは思わず固まってしまった。
なぜならツンが、”穴の開いた廊下の上”を歩いていたのだ。
(;'A`)「くっ!」
(#´・_ゝ・`)「……なるほど」
デミタスは焦る二人、そして穴の開いた廊下を交互に見て、瞬時に理解した。
(#´・_ゝ・`)「ニルヴァーナの能力で、”穴が開いているように見せてる”。そうでしょ?」
- 65 :以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2011/05/29(日) 01:56:18 ID:tEl.A2dw0
- (;'A`)「ッ……」
(#´・_ゝ・`)「僕がびっくりすると思ったんだ?それで足止め出来るって?」
ξ;゚听)ξ「……」
(#´・_ゝ・`)「でも渡ってる途中を、僕に見られたら意味がないよね」
ξ;゚听)ξ「ッ……」
(#´・_ゝ・`)「ツメが甘いよ、ドクオ」
(;'A`)「クソ……失敗だ……ツン、逃げろ。俺が食い止める」
穴を挟んで対峙する三人。
ドクオとツンではデミタスのパワーには対抗する事は出来ない。
ξ;゚听)ξ「……」
(#´・_ゝ・`)「ドクオをバラバラにしたら、すぐにツンさんだよ」
(;'A`)「や、やってみろ……!」
ドクオが穴を挟んで、一歩踏み込んだ。
(#´・_ゝ・`)「逃げるの、止めたんだ?」
(;'A`)「誰がそんな事言った?」
(#´・_ゝ・`)「え?」
- 66 :以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2011/05/29(日) 01:57:20 ID:tEl.A2dw0
- (;'A`)「じゃあな!」
ドクオは踵を返して、デミタスから逃げた。
(#;´・_ゝ・`)「卑怯者!!」
デミタスがドクオを追いかけ、穴の上を走る。
(#;´・_ゝ・`)「(やっぱり廊下がある!ドクオが透明にしただけの廊下だ!)」
(#;´・_ゝ・`)0△0)「斬り裂けぇ!ボーリング・フォー・スープッ!!」
ギュィィィィイイイッ!!
(;゚A゚)「ぐああああっ!!」
ボーリング・フォー・スープのチェーンソーが、ドクオの背中を大きく裂いた。
なんとか両断はされなかったものの、背中がパックリと開いている。
(;゚A゚)「ツ、ツン!今だ……ッ!!」
ξ;゚听)ξσДσ)「スリップノット、縫合解除ッ!!」
(#;´・_ゝ・`)「ッ!?」
ツンがそう叫んだ瞬間、透明の廊下を走っていたはずのデミタスの足元が崩れた。
- 67 :以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2011/05/29(日) 01:58:51 ID:tEl.A2dw0
- (;'A`)「その廊下は、ただの透明にした廊下じゃねぇ……」
(#;´・_ゝ・`)「なっ……!」
('A`)「ブーンが廊下をぶち抜き、ツンが破片を繋ぎ止め、俺がそれを透明にして隠した!」
デミタスが踏み込んだ透明の廊下は、”ただの透明の廊下”では無かった。
ビートルズで破壊した廊下を、スリップノットで縫合した”破壊された廊下”だったのだ。
そしてその継ぎ目を隠すために、ドクオはニルヴァーナで、”破壊された廊下”を透明にした。
そして、わざとツンを目撃させ、”ただの透明の廊下”だとデミタスに思い込ませた。
ドクオの策は見事に成功した。
(#;´・_ゝ・`)「うわああああ!!」
二階へと落ちていくデミタスに、ドクオが叫ぶ。
(;'A`)「逃げると思ったか?だから逃げないッ!落ちろ、デミタス!!」
しかしそれはデミタスの耳には、ほとんど届いてはいなかった。
瓦礫が崩れ落ちる騒音のせいでもあったが、
それ以上に、予想だにしなかった出来事によるパニック。
デミタスは混乱していた。
- 68 :以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2011/05/29(日) 01:59:28 ID:tEl.A2dw0
- 三階から二階。
そのわずかな距離ではあったが、焦りと混乱からか
走馬灯のように、徐々に一瞬が長くなっていく。
そんな中、落ちゆくデミタスは確かに見た。
(#;´・_ゝ・`)「あ……あ……」
::;.. ....
デミタスを倒すには、正面からでは無理だ。
完全なる不意を突き、一撃で仕留める必要がある。
( ゚..:::;.. ....
彼は透明になりながら、二階で待ち続けていた。
友の言葉を信じ、デミタスが三階から落ちてくるのを待ち続けた。
( ゚ω゚:;.:...
友が傷つくかもしれない。
それを耐え忍ぶ事が、彼にとって……
( ゚ω゚)
ブーンにとって、どれほど辛い事だったか。
- 69 :以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2011/05/29(日) 02:00:28 ID:tEl.A2dw0
-
(#;´・_ゝ・`)「うわああああああああ!!」
( ゚ω゚)`0ω0´)「だおだおだおだおだおだおだおだおだおだおだおだおだおだおだおだおだおだお
だだおだおだおだおだおだおだおだおだおだおだおだおだおだおだおだおだおだ
だおだおだおだおだおだおだおだおだおだおだおだおだおだおだおーッ!!」
落ちゆくデミタスに、ビートルズの容赦の無いラッシュが打ち込まれる。
デミタスは、完全なる不意を突かれた状況、そしてビートルズのラッシュのパワーの前に
ボーリング・フォー・スープを出す事が出来なかった。
生身のデミタスはビートルズのラッシュを受け、数メートルほど吹き飛び、沈黙した。
(;'A`)「や、やった……」
- 70 :以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2011/05/29(日) 02:01:36 ID:tEl.A2dw0
- (; ゚ω゚)「二人共!大丈夫かお!?」
(;'A`)「お、降りるぜ……」
暫くして、ドクオツンが二階へと降りてきた。
ドクオはツンの肩を借りながら、なんとか立っている。
(; ゚ω゚)「ドクオ、その背中……」
(;'A`)「今回ばかりは相手の能力に感謝だな……普通なら死んでる……」
ξ;゚听)ξ「ブーン、アイツは?」
(; ^ω^)「向こうだお」
ブーンの指差す方向で、地に伏せているデミタス。
完全に意識は彼方へと吹き飛び、ピクリとも動かない。
(;'A`)「デミタスに感謝しなきゃな……アイツが廊下を切り抜いて、
俺達を落としてなけりゃ、この策は思いつかなかった……」
- 71 :以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2011/05/29(日) 02:01:40 ID:Rd0iS5bQO
- こんな時間に投下だと…
これは今から読むしかないな
- 72 :以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2011/05/29(日) 02:02:25 ID:tEl.A2dw0
- (#;´-_ゝ-`)「う……うぅ……」
デミタスは意識を失い、自身の精神の中を彷徨っていた。
暗く深い精神の中を、長い間浮かぶようにして漂っている。
何も考えられない。
何も考えたくない。
▼・ェ・▼「わんっ!」
ビーグル……そうだ、ビーグル……
また一緒に、暮らしたい……
散歩に行って、一緒に寝て、ボールで遊んで……
ビーグル……ビーグル……
(#;´・_ゝ・`)「はっ!?」
- 73 :以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2011/05/29(日) 02:03:37 ID:tEl.A2dw0
- ('A`)「よぉ、目ぇ覚めたか?」
(#;´・_ゝ・`)「ド、ドクオ!!」
ギシィッ!
咄嗟に体を動かそうとしたが、デミタスの体は、
本人の意思とは裏腹に、全く動こうとはしなかった。
(#;´・_ゝ・`)「!?」
ξ゚听)ξ「全身を、縫い付けておいたから」
(#;´・_ゝ・`)「ッ……」
気付けば、デミタスの体は廊下の壁に磔のようにして、縫い合わされていた。
( ^ω^)「デミタス」
(#;´・_ゝ・`)「ブ、ブーン……」
( ^ω^)「まずは、ドクオの腕と背中を元に戻すお」
(#;´・_ゝ・`)「……」
ξ#゚听)ξ「早くしなさい!」
(#;´・_ゝ・`)「ひっ!」
- 74 :以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2011/05/29(日) 02:04:42 ID:tEl.A2dw0
- ('A`)「いいよ、別に焦らなくても」
(#;´・_ゝ・`)「えっ?」
('A`)「それよりも聞きたい事がある」
(#;´・_ゝ・`)「聞きたい事……?」
('A`)「誰に言われて俺達を狙った?」
(#;´・_ゝ・`)「言えない……」
(; ^ω^)「デミタス……」
(#;´・_ゝ・`)「家族が殺されるかもしれないんだ……言えないよ……」
('A`)「じゃあ、お前はビーグルが殺されたのは、仕方の無い事だって言うんだな?」
(#;´・_ゝ・`)「そんなわけ……!!」
('A`)「ねぇよな」
(#;´・_ゝ・`)「……」
( ^ω^)「……さっきは、いっぱい殴ってごめんだお、デミタス」
(#;´・_ゝ・`)「……」
( ^ω^)「でもそうしなきゃ、こうやって話す事も出来なかったと思うんだお」
- 75 :以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2011/05/29(日) 02:05:32 ID:tEl.A2dw0
- (#;´・_ゝ・`)「嫌なんだ……」
( ^ω^)「お?」
(#;´・_ゝ・`)「普通に……高校に通って、ビーグルと遊んで……家族と暮らして……」
('A`)「……」
(#;´・_ゝ・`)「どうして……」
(#;´・_ゝ・`)「どうして、それが許されないのさ!!」
(#;´・_ゝ・`)「君達と戦えば……僕の生活は元通りになるんだ!そのはずだったんだ!!」
ξ#゚听)ξ「……」
(#;´・_ゝ・`)「なのに!無理だ!母さんと父さんだって殺される!!君達のせいだ!」
ξ#゚听)ξ「―ッ!」
(#;´・_ゝ・`)「僕の高校生活は、終わらずに済んだのに!!」
('A`)「……お前さ」
(#;´・_ゝ・`)「何だよ!」
- 76 :以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2011/05/29(日) 02:06:29 ID:tEl.A2dw0
-
('A`)「……それ、誰の為に戦ってんだ?」
(#;´・_ゝ・`)「え?」
('A`)「家族の為か?違うな」
(#;´・_ゝ・`)「何を……」
('A`)「ビーグルの弔いの為?違う」
(#;´・_ゝ・`)「……」
('A`)「てめぇが面倒を抱え込みたくないから、ってだけじゃねぇのか?」
(#;´・_ゝ・`)「そ、そんな事……」
('A`)「本当に家族やビーグルのために、戦わなきゃいけないと思っているなら
お前が拳を向ける先は、俺達じゃあ無いはずだ」
(#;´・_ゝ・`)「……」
- 77 :以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2011/05/29(日) 02:07:34 ID:tEl.A2dw0
- ( ^ω^)「デミタス」
(#;´・_ゝ・`)「ブーン……」
( ^ω^)「ブーンが戦えるのは、自分の大切なものを守りたいと思うからだお」
(#;´・_ゝ・`)「……」
( ^ω^)「自分の為だけに戦って、相手が傷つくのは、自分にとっても凄く辛い事だお……
だから、デミタスも”守るもの”の為に戦うんだお。
そうすれば、誰と戦わなきゃいけないか、きっとわかると思うお」
(#;´・_ゝ・`)「……」
('A`)「言えよデミタス。俺達も一緒に戦ってやるからよ」
(#;´;_ゝ;`)「うぅ……僕は……僕は、ブーンとドクオみたいには、なれない……」
( ^ω^)「デミタス……」
(#;´;_ゝ;`)「怖いんだ……誰にも死んでほしくない……悲しみたくないんだ……」
(#;´;_ゝ;`)「卑怯で、ごめんなさい……でも無理だよ……」
ξ#゚听)ξ「男でしょ!泣くな!」
(#;´;_ゝ;`)「ッ!」
ξ#゚听)ξ「戦ってやるって言ってんでしょ!卑怯なアンタのために戦ってやるって、
そこまで言ってくれる友達がいるのが、わかんないの!?」
- 78 :以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2011/05/29(日) 02:08:22 ID:tEl.A2dw0
- ('A`)「それにお前、わざわざ三人で来させたのは、
サシでやったら、余裕で勝っちまうと思ったからじゃねぇのか?」
(#;´;_ゝ;`)「……」
('A`)「でも三人相手なら、負けるかもしれない。
自分が死ねば、家族も狙われる意味が無くなる。そう思ったんだろ?」
('A`)「死にたいか?」
(#;´;_ゝ;`)「死にたくない……でも死ななきゃ、この生活は終わらないんだ……」
('A`)「死にたくないから勝ちたくて、でも死にたいから負けたいってか」
(#;´;_ゝ;`)「ごめんなさい……」
( ^ω^)「デミタスは、もう戦わなくてもいいお」
(#;´;_ゝ;`)「え……?」
( ^ω^)「ブーン達が、代わりに戦うお」
(#;´;_ゝ;`)「……」
( ^ω^)「ブーン達が、終わらせるお」
ブーンは、デミタスを見るのが辛かった。
自分に当て嵌める事すら、躊躇する境遇。
しかしそれ故に、デミタスを操っている人間が許せない。
- 79 :以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2011/05/29(日) 02:09:48 ID:tEl.A2dw0
- ('A`)「ブーン……」
( ^ω^)「だから、誰に言われたか教えて欲しいお」
(#;´;_ゝ;`)「うっ……うぅ……ごめんなさい……卑怯者で……ごめんなさい……」
('A`)「……誰だってそうなんだよ、デミタス。いつ腹を括るか、それだけの違いだ」
(#;´;_ゝ;`)「……言う……言うよ……」
ξ゚听)ξ('A`)「!」
( ^ω^)「ありがとだお、デミタス」
(#;´;_ゝ;`)「でも、僕はもう……戦えない……」
( ^ω^)「わかってるお……デミタスは戦わなくていいお。
ブーンが、デミタスの分まで戦うお」
('A`)「じゃあ、教えてくれ。
お前を脅迫した人物、それは誰だ?」
- 80 :以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2011/05/29(日) 02:10:34 ID:tEl.A2dw0
-
(#;´;_ゝ;`)「それは―――……」
ξ;゚听)ξ「……え?」
(;゚A゚)「今、何て……」
(; ゚ω゚)「……」
デミタスから発せられた言葉に、三人は戦慄した。
信じられない……なぜ、なぜ……その言葉が頭の中を駆け巡る。
しかし、デミタスは確かに言ったのだ。
「デレさん、です……」
第八話「ハイスクール・ネバー・エンド」終わり。
/└────────┬┐
. < To Be Continued... | |
\┌────────┴┘
- 81 :以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2011/05/29(日) 02:11:41 ID:tEl.A2dw0
- Σ0△0)ボーリング・フォー・スープ(Bowling for Soup)
能力:チェーンソーで斬った物を、自由に切り分ける能力。
一度斬った物は、デミタスの好きなタイミングで
切り分け、くっつける事が出来る。
アメリカ出身四人組ポップ・パンクバンド。
メンバー全員が、実に個性的で面白い事でも有名。
代表曲「1985」、「High School Never Ends」など
- 82 :以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2011/05/29(日) 02:14:23 ID:tEl.A2dw0
- かなり駆け足でししたが、本日の投下は以上になります。
急な変更で、こんな時間の投下になっちゃってごめんね!えへへ
('A`)「毎度毎度ボロボロになりますが、最近慣れてきました」
- 83 :以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2011/05/29(日) 02:15:26 ID:5djpRRiEO
- デレということはやはり・・・おつでした!
- 84 :以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2011/05/29(日) 02:15:55 ID:aicN67uc0
- 乙、今回もめちゃ熱かったわ
- 85 :以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2011/05/29(日) 02:16:37 ID:ugwg9Wbk0
- 乙
ドラエモンにあったねネミタスの
- 86 :以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2011/05/29(日) 07:58:44 ID:9D9EXNJE0
- 乙。
流石のクオリティ。
- 87 :以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2011/05/29(日) 09:09:07 ID:bqTT6USYO
- 乙!
この駆け引きがたまらん
デレがどう動くか楽しみだな
- 88 :以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2011/05/29(日) 11:43:21 ID:yhpBeYmQ0
- スタンド使いキテター!乙!
遂にストーリーが動き出したな
- 89 :以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2011/05/29(日) 12:09:00 ID:ui7nqzAo0
- うわつまんねー作品
- 90 :以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2011/05/29(日) 18:40:24 ID:lyVgyDs2O
- いま一番好きな現行だ
出て来るキャラもみんな好き乙
- 91 :以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2011/05/30(月) 17:31:06 ID:7XOK/wz60
- スタンド使いが避難所にいるだと…
過去作教えてくれ
- 92 : ◆IsI7ng0d2.:2011/05/31(火) 01:01:36 ID:ImWW1ms20
- 見てくださった方、ディ・モールトありがとうございます。
避難所はスレが落ちないので、一応酉だけ付けときます。
>>91
今年入ってからはスタンド使いメインで、後は企画の時にチョロっと書いてるだけなんで
過去作って言える程、大した活動はしてないんですけど、強いて挙げるとすれば
( ゚ω゚)お口キンタマ丸のようです(乗っ取り)
後は五レス短編の
('A`)二次元突入間際のようです
('A`)春満開のようです
こんなもんですね。
そしてリストに起こしてわかる、お口キンタマ丸の存在感。
- 93 :以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2011/05/31(火) 09:21:51 ID:q0umqSC2O
- お口キンタマ丸かよwww
リアルタイムで見てたがあのフレーズ今でも頭から離れねーぞwwwどうしてくれるwww
5レスまだ見てないから今から漁ってくらあ
- 94 :以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2011/05/31(火) 11:48:07 ID:wpXuF6XE0
- お口キンタマ丸は名作だったwww
ホライゾーンにまとめられてたぞ
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