( ^ω^)ばすけっとからバスケットのようです(http://wwwww.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1189284029/)
- 1 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/09/09(日) 05:40:29.01 ID:wHBKkeD10
- 【ラウンジ中学、全国大会2連覇!】
今月18日に行われた、全国中学バスケットボール大会決勝。
数々の試練を乗り越えてきた2つのチームが同日にぶつかった。
一つは、今大会初出場の、ひろゆき中学。
大会初出場にして決勝まで勝ち残った、新鋭チームだ。
もう一つは、昨年優勝のラウンジ。
キャプテンのドクオ君を中心とした、名門中学である。
結果として、79-85で、ラウンジが二連覇を果たした。
歓喜に震えるラウンジ中学メンバー。
そして、悔し涙を流す、ひろゆき中学キャプテン、モララー君。
モララー君とドクオ君は、二人ともひろゆき高校への推薦が決まっている。
二人の協力するプレーが目に浮かぶようで、今から楽しみである。
- 2 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/09/09(日) 05:41:28.34 ID:wHBKkeD10
-
第一話【VIP高校】
- 3 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/09/09(日) 05:46:49.96 ID:wHBKkeD10
- ──四月。
真新しい制服に身を包まれた生徒が、一生懸命に自転車を扱いでいた。
まだよく道が分かっていないようで、
きょろきょろしながら誰かについていくように進んでいた。
('A`) 「……あっち」
何故こんなにも分厚い制服を着なければいけないのだろう。
暑い上に、動きにくい。
自分にとって、この制服を着るメリットはないように感じられた。
前を走る自転車を追いかけながら、目的地へと向かっていた。
今日から始まる、高校生活。
この土地にも越してきたばかりで、あまり詳しくは無い。
('A`) 「ここか」
校門をくぐり抜ける生徒を見て、呟いた。
('A`) 「県立VIP高校……」
- 4 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/09/09(日) 05:51:02.75 ID:wHBKkeD10
- 前の生徒に続くようにして、校門をくぐった。
体育教師らしき人物が、声を張り上げてあいさつをしている。
少し前の自分を思い出すようで、ちょっとだけ嫌気が指した。
自転車を止め、教室へと上がっていく。
教室の場所は、この前の入学式で確認していた。
『ガラガラッ』
相当古い、木造校舎だ。
地面を歩くたびに、ギシギシという軋みがなっている。
自分の席に鞄を置き、一息ついた。
教室の中は、意外とにぎわっている。
いくつかの集団が出来ていて、その集団で何やら話しているようだ。
- 5 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/09/09(日) 05:54:38.03 ID:wHBKkeD10
- ('A`) (あー。地元の奴だろーな)
このVIP高校は、学力も部活動も平均的な公立高校。
地元の人間の半分近くが、この学校の門を叩くという。
自分の席に座り、黙って前を向く。
別にこういう雰囲気には慣れていた。
いや、むしろ、心地よいくらいだ。
教室に大分人が集まってきたが、俺の位置は変わらない。
俺のように一人きりの奴も何人かいる。
恐らく、この教室に同じ中学の奴がいない連中だろう。
そして、俺の後ろの生徒も、その一人だった。
( ^ω^)「……」じーっ
- 6 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/09/09(日) 05:55:22.58 ID:wHBKkeD10
- ( ^ω^)じーっ
('A`) 「……」
( ^ω^)じーっ
('A`) 「……」
( ^ω^)じーっ
(;'A`)(何で俺の方ばっか見てんだよ……)
- 7 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/09/09(日) 05:58:35.65 ID:wHBKkeD10
- ( ^ω^)「……お」
(;'A`) (……お?)
必死に目をあわさないように、前を向いておく。
しかし、何かぼやきのようなものが、後ろからしきりに聞こえていた。
( ^ω^)「……あの」
まだ、後ろを振り向かない。
( ^ω^)「あの」
今度は、俺の肩を叩いてきた。
これはもう、後ろを向くしか無いだろう。
('A`) 「……何?」
( ^ω^)「ドクオ君かお?」
('A`) 「……うん」
- 8 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/09/09(日) 06:02:12.39 ID:wHBKkeD10
- (*^ω^)「おっ!!あの、あのドクオ君かお!?」
(;'A`) 「……ま、まぁ。ドクオです」
急に席を立ち上がり、俺の前にてけてけとやってくる。
近寄るな、と心の中でぼやくと共に、少しだけ違和感を感じた。
(;'A`) (でかい……な)
縦も横も、だ。
恐らく縦は180は超えている。
横に関しても、相当いっているだろう。
(*^ω^)「な、なんで?なんでドクオ君がいるんだお!?」
(;'A`) 「え、いや。受かったし……」
(*^ω^)「ひろゆき高校の推薦はどうしたんだお!?」
ふぅ、と心の中で一息つく。
そうか、こいつも、「こっち」の人間だったのか。
- 9 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/09/09(日) 06:04:45.28 ID:wHBKkeD10
- ('A`) 「まぁ、色々あって……」
(*^ω^)「じゃ、じゃ、この学校に入学するのかお?」
('A`) 「そりゃ……まぁ」
(*^ω^)「だおおお!!ってことは、僕はこれから、ドクオ君とバスケが出来るのかお!?」
ここで更に、一息ついた。
やはりこいつは、地元の人間じゃないんだろう。
('A`) 「……そりゃ、無理な話だろ」
(;^ω^)「おおっ?」
('A`) 「……この高校、男子バスケ部がないんだぜ?」
- 10 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/09/09(日) 06:05:01.81 ID:eWPuJkAHO
- 支援
- 11 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/09/09(日) 06:06:59.01 ID:/J62LcM9O
- wktk
- 12 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/09/09(日) 06:07:17.20 ID:wHBKkeD10
- 男の動きが、一瞬にして止まった。
やはり知らなかったのだろう。
(;^ω^)「男子バスケ部が……」
('A`) 「ないの。だから、バスケは出来ない」
それだけ言って、俺はこいつから目をそらす。
こういうタイプは苦手だ。
ズカズカと、人の気も知らずに話し掛けて来る奴は。
(;^ω^)「なんでないんだお!?」
(;'A`) 「知るかっ!」
- 13 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/09/09(日) 06:11:33.80 ID:wHBKkeD10
- 「おーい、席につけー」
そこでようやく、教師が入ってきた。
それを指差すと、でか男もしぶしぶ下がっていく。
「それじゃ、出席とるぞー……」
次々と名前を呼んでいく教師。
「ドクオー。」
('A`) 「はい」
そして、後ろの席。
「ないとうー。内藤ホライゾンー」
( ^ω^)「だおっ!」
内藤……か。
- 14 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/09/09(日) 06:14:27.59 ID:wHBKkeD10
- その日の学校は、別段大した事はなかった。
学校説明。次の日の用意。
そんな程度だろう。
問題は、それが終わった、放課後にやってきた。
(*^ω^)「ドクオ君ー!やっと学校終わったおー!」
('A`) 「……そーだな」
( ^ω^)「ところで、お願いがあるんだおー」
('A`) 「……嫌だ」
(*^ω^)「先生に、バスケ部の設立お願いしに行くお!」
('A`) 「嫌だ」
- 15 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/09/09(日) 06:17:02.53 ID:wHBKkeD10
- (;^ω^)「なんでだお!?」
('A`) 「……もうバスケ辞めるために、ここに入ったんだよ」
何を言っている、というかのような目で、俺を見つめる内藤ホライゾン。
その目を見ると、思いっきりぶん殴りたくなる。
俺が、一番嫌いな目だ。
(;^ω^)「なんでだお?もったいないお」
('A`) 「俺のことだろ。ほっとけよ」
鞄を持ち、帰ろうとする俺を、あいつが呼び止めた。
(;^ω^)「バスケやらないドクオ君なんて、ドクオ君じゃないお!!」
そこで、何かが完全に切れた。
- 16 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/09/09(日) 06:22:21.46 ID:wHBKkeD10
- ('A`) 「……テメーに何がわかんだよ」
( ^ω^)「お・・・…」
(#'A`) 「今日会ったばかりの奴に、あれこれ言われたくねぇよ!!」
(;^ω^)「……」
嫌だった。
俺がバスケをやるにしたがって、人々は俺をバスケとしてしか見なくなった。
それが、何より嫌だった。
だから、高校の推薦は蹴った。
親父や母さんの反対も断って、祖父の家に転がり込んだ。
そして、祖父の家の近くの、この「バスケ部がない」VIP高校に入学した。
('A`) 「……くそ……」
吐き捨てるかのように、内藤に背中を向けた。
これで、あいつももう、絡んでこないだろうと。
だが、そいつは俺の腕を掴んできた。
- 17 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/09/09(日) 06:24:43.91 ID:wHBKkeD10
- ( ^ω^)「……勝負だお」
('A`) 「……あ?」
(#^ω^)「僕とバスケで勝負だお!!」
どう考えたら、その考えに辿り着くのか、俺には理解できない。
だが、目の前の人物は、どうやらその考えに辿り着いたらしい。
( ^ω^)「怖いのかお!?負けるのが怖いのかお!?」
うざい。
これほどまでにウザイ奴を見たことが、俺はない。
('A`) 「……」
( ^ω^)「逃げるかお?逃げるかお?プギャーwwww」
- 18 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/09/09(日) 06:27:26.26 ID:wHBKkeD10
- ('A`) 「……へっ」
小さく笑う。
それは相手にも聞こえたらしく、少し腕を掴む力が和らいだ。
('A`) 「……どんだけ自信家かしらねーけどよ……」
( ^ω^)「……」
('A`) 「お前のそのアホな考え、ぶち壊してやるよ」
奴の手が、完全に俺から離れた。
- 19 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/09/09(日) 06:30:32.96 ID:wHBKkeD10
- ( ^ω^)「今から、体育館いくお」
('A`) 「空いてるのか?」
( ^ω^)「無理矢理にでも」
そういって、内藤は歩き始めた。
俺も黙って、奴の後ろを歩く。
教室の中で遊んでいる奴の声が強く耳に響く。
随分と聞きなれていなかった、楽しそうな声。
・・・・・・・・
・・・・・
・・・
(;^ω^)「道に迷ったお……」
- 20 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/09/09(日) 06:34:49.29 ID:wHBKkeD10
- (;'A`) 「は?お前体育館の場所知らずに歩いたのか?」
(;^ω^)「動物的勘が……」
最悪なバカだ、と思った。
これ以上のバカはいないだろうとも、同時に考えた。
(;^ω^)「やばいお……どうするお……」
辺りを見回すものの、体育館らしきものは全く見当たらない。
更には、自分達の教室の場所さえも分からなくなっていた。
(;^ω^)「体育館……体育館……」
彷徨うように呟く内藤。
その背後に、ひとつの影。
ξ゚听)ξ 「体育館、探してるの?」
- 21 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/09/09(日) 06:35:15.11 ID:B7aDZaY10
- 支援
- 22 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/09/09(日) 06:39:17.20 ID:wHBKkeD10
- 金髪のツインテールの女の子だった。
この学校の校則はどうなっているんだ、と正直問いかけたくなる。
だが、それだけの美しさは十分にある。
(;^ω^)「そ、そうなんですお」
ξ゚听)ξ 「体育館ならあっち側。私も今からいくとこだけど、着いてくる?」
金髪の少女は、返事も聞かずに歩き出した。
少々気の強い女の子のようだ。
('A`) 「……女バスさん?」
ξ゚听)ξ 「そうよ」
('A`) 「一年生、だよね?」
上靴の色が、一年生の青をさしている。
一年生といえば、この前入学式を終えたばかりだ。
もう、入部しているのかという疑問が生まれた。
- 23 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/09/09(日) 06:44:08.57 ID:wHBKkeD10
- ξ゚听)ξ 「ああ、春休みの内から練習に参加してたから」
俺の心を読んでのか知らないが、彼女の返事は俺の疑問を解消させた。
推薦で呼ばれた人間は、ほとんどが春休みの内から部活に顔を出す。
恐らく、この少女もバスケの推薦入学なのだろう。
そこからは互いに無言だった。
そして、その間にも、自分達は体育館へと到着していた。
ξ゚听)ξ 「……今日はウチ以外、どの部活も休みみたいね」
そう言いながら、体育館の更衣室へと消えていく女子。
体育館の入り口に、ただ取り残された俺と内藤。
( ^ω^)「……ボール、あそこに転がってるお」
それを俺が拾い上げ、くるくると手の上で回し始める。
その行為を行いながら、俺はルールの説明を始める。
- 24 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/09/09(日) 06:48:17.49 ID:wHBKkeD10
- ('A`) 「1オン1。攻撃側のシュートが入った場合、もう一度攻撃だ。
そして、お前が一点でも決めた時点で、お前の勝ち」
出来る限り簡潔にルールを説明した。
だが、奴の目はまだ疑問を持っている。
( ^ω^)「ドクオ君は、どうやったら勝ちになるんだお?」
('A`) 「お前が、諦めたら」
当然のように言い放った。
それに対して、不満のようなものを感じている内藤。
('A`) 「さ、とっとと始めようぜ」
俺は制服の上だけを脱ぎ、Tシャツに長ズボンの格好になる。
バスケをするにしては最悪の格好だが、別に問題はないだろう。
俺の隣で内藤も制服を脱ぎ、俺の前に立ちはだかる。
完全に腰が浮いている。
ディフェンスだと気付くのに、少々時間がかかった。
- 25 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/09/09(日) 06:50:23.32 ID:B7aDZaY10
- 支援
- 26 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/09/09(日) 06:53:54.14 ID:wHBKkeD10
- ('A`) 「なぁ、もう初めていいのか?」
( ^ω^)「早く来いお!」
こいつの自信は、どこからやってくるのか。
だが、そんな事を考えても仕方がない。
今は、こいつをぶち倒すだけでいいのだから。
右足に力を入れ、思い切り地面を蹴る。
それでいて、決して自分を地面から放さないようにする。
超低空飛行のような形で、俺は内藤の脇をすり抜けた。
パシュッ
内藤の横を通った後は、簡単なシュートを決めるだけだ。
レイアップを軽く決めて、俺は内藤の顔を見る。
(;^ω^)「……あれ……」
ただ、唖然とした顔の男が、そこにいるだけだった。
- 27 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/09/09(日) 06:57:28.14 ID:wHBKkeD10
- ('A`) 「……お前、中学の時バスケしてたのか?」
(;^ω^)「……」
俺の考えは、図星だった。
こいつは、完全な初心者だ。
('A`) 「……だるいな。帰るか」
俺はボールを内藤に渡し、鞄を拾い上げる。
脱いだ外靴を履こうとした、そのときだった。
( ^ω^)「まだ……まだ僕は諦めてないお!」
ボールを俺につきつける内藤。
本物のバカがいたもんだ、と思う。
だが、俺の勝利条件は相手が諦めること。
相手が諦めていない以上、俺の勝ちにはならない。
('A`) 「……」
靴をもう一度脱ぎ捨て、コートに入った。
- 28 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/09/09(日) 07:00:45.63 ID:wHBKkeD10
- 内藤が俺の前に立ち、対峙する。
静かな体育館。バッシュの音も、ドリブルの音も聞こえない。
そして
パシュ
軽やかなネットの音だけが、体育館に響き渡った。
(;^ω^)「スリーポイント……?」
('A`) 「ほら、ボール取ってきてくれよ」
内藤が慌ててリングの下のボールを取りに行く。
ぎこちない動作で、俺にパスを出した。
その瞬間に、俺は奴の右脇下にドリブルを着く。
慌てる内藤。
しかし、次の瞬間には、俺の身体は内藤の奥へと進んでいた。
- 29 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/09/09(日) 07:03:45.21 ID:wHBKkeD10
-
パシュ
レイアップの決まる音。
ボールを拾い上げ、ドリブルを着きながら内藤の前まで歩く。
('A`) 「次行くぞ」
(;^ω^)「くっ……」
ディフェンスのつもりだろうか。
ぎこちなく曲げられた腰に、俺は思わず笑いそうになる。
必死に笑いを堪えて、俺はもう一度、内藤の右をドリブルで抜き去った。
('A`) 「どうした?」
(;^ω^)「まだ……まだまだだおっ!!」
- 30 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/09/09(日) 07:09:27.19 ID:wHBKkeD10
- パシュッ
ダムダムッ パシュッ
パシュッ
(;^ω^)「はぁー……はぁー……」
スリーポイントとドライブを使い、俺は既に何本ものシュートを決めていた。
奴が俺のボールをカットすることはおろか、
俺の身体にすら触れることができていない。
('A`) 「ほら、次行くぜ」
(;^ω^)「はぁー……はぁー……」
息切れする奴の身体は、上下に大きく揺れている。
更に、腰が今度は全く曲がっていない。
完全に棒立ちだ。
('A`) (……バッテバテじゃねーか)
そう思いながらも口には出さず、内藤の左をドリブルで抜きさった。
もう一度、体育館にネットの音が響く。
- 31 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/09/09(日) 07:13:42.26 ID:wHBKkeD10
- ガチャ
更衣室のドアが開く音。
中から、先ほどの女子が、練習着になって現われた。
ξ゚听)ξ 「あら、あんた達バスケやってんの?」
('A`) 「見ての通り」
ξ゚听)ξ 「てっきり、バレーかと思ってた」
男子バスケがないことを知っての発言だろう。
それもそうか、と一人で納得した。
('A`) 「一人で練習?」
ξ゚听)ξ 「後ちょっとしたら、女子バスケの練習よ」
ふとして時計を見る。
午後1時、既に学校が終わって1時間が経過している。
恐らく、女子バスケ部は昼飯を食べていたのだろう。
- 32 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/09/09(日) 07:16:47.51 ID:wHBKkeD10
- ξ゚听)ξ 「あんた達、この学校に男バスないの知ってる?」
('A`) 「知ってる」
ξ゚听)ξ 「……ご勝手に」
そう言って、俺らとは別のリングに向かう女子。
シュート練習を始めるようだった。
('A`) 「さて・・・・・・俺らも続きをやるか」
(;^ω^)「こいお……!」
ふっ、とボールを持ったまま両腕を上にあげる。
ピクリと動く内藤。シュートブロックをするつもりらしい。
だが、俺の動きはそれとは反対で、一瞬にして下に向かってボールをつく。
完全に、右を通り過ぎていった。
パシュ
- 33 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/09/09(日) 07:20:30.29 ID:wHBKkeD10
- ・・・・・・・・・・
・・・・・
・・・
数分後、10人程度の女子バスケ部が現われた。
俺らの存在に驚きながらも、別に話し掛けはしてこない。
この体育館には、二つのコートがある。
一つは女子バスが使い、俺らはもう一つの奥のコートで1オン1を続けていた。
ダムッ!
もう一度奴を抜きさる。
何度も、何度も抜き去ってはシュートを決める。
相手が変に警戒してきたら、その上からスリーを決める。
それの繰り返しも、既に2時間を過ぎてきた。
(;^ω^)「ぜはっ……はっ……」
('A`) 「……」
- 34 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/09/09(日) 07:24:33.43 ID:wHBKkeD10
- ('A`) 「諦めろよ」
(;^ω^)「まだ……はっ……だお・・・・・・」
('A`) 「くそ……」
そう言って、内藤をドリブルで抜きさる。
この行為を、今日何度行ってきたことか。
内藤も内藤で、それを棒立ちのまま必死に止めようとする。
そしてついには、足が絡んで、内藤が一人でこけてしまった。
(;^ω^)「おっ……」
のしのしと起き上がる内藤。
俺の顔を睨み、「早くこい」というような目で、催促してきた。
('A`) 「……」
- 35 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/09/09(日) 07:25:59.49 ID:B7aDZaY10
- 支援
- 36 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/09/09(日) 07:28:17.03 ID:wHBKkeD10
- ('A`) 「腰を下げろ」
ふと、口から言葉が出た。
(;^ω^)「おっ?」
腰をぎっくりと曲げる内藤。
何とも不器用な男だと思う。
('A`) 「腰を曲げるんじゃない、曲げるのは膝だ。腰を下ろすんだ」
少しやり方がわかったのか、膝を曲げ始めた。
それだけで、全然違う。バスケらしい格好に変わった。
('A`) 「俺が動いたあとに判断するんじゃない。俺の目や足の向きから、予測するんだ」
そして、ボールを構える。
先ほどより、ずっと抜きにくくなった。
- 37 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/09/09(日) 07:31:40.71 ID:wHBKkeD10
- だが、所詮は素人。
またもや、俺の身体に触れることすら出来なかった。
('A`) 「お前は背が高いんだから、脇を抜かれるのを注意しろ。
俺の今までの抜いたパターンを思い出せ」
(;^ω^)「お!」
('A`) 「どうやったら抜かれないか、必死に考えるんだ」
そういって、少しだけ構えを解く。
その間に、内藤は何やら考えているようだった。
そして、結論が出たらしい。
(;^ω^)「これでどうだお!」
今までボールばかりを追いかけていた手が、下を向いた。
俺の今まで抜いたコースをつぶす様に、その手が降りてきた。
('A`) 「……へっ。分かるじゃねーか」
- 38 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/09/09(日) 07:36:45.62 ID:s1MMbpaoO
- 支援
- 39 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/09/09(日) 07:37:22.87 ID:wHBKkeD10
- ボールを構える。
内藤が、俺の目と足を見る。
膝もきちんと曲がっている。
内藤の構えが、
ばすけっとから、バスケットに変わっていた。
('A`) 「……行くぜ」
( ^ω^)「……」
息を飲む。
俺も、内藤も。
- 40 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/09/09(日) 07:38:52.28 ID:s1MMbpaoO
- 支援
- 41 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/09/09(日) 07:40:08.22 ID:B7aDZaY10
- 支援
- 42 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/09/09(日) 07:40:45.45 ID:BsRYW6CuO
- バスケ部な俺が支援
- 43 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/09/09(日) 07:41:08.58 ID:wHBKkeD10
- ──ダムッ!
右にドリブルをついた。
今までなら、簡単に抜けていたハズの内藤が、まだ目の前にいる。
俺に、追いついてきたのだ。
( ^ω^)「止めた……」
(*^ω^)「止めたお・・・・・・!止めたんだお!!」
奴の表情が、一瞬にして明るくなる。
本当に嬉しそうに、はしゃぐ子供のよう。
パシュッ
よろこぶ内藤の上から、俺はスリーを決めた。
- 44 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/09/09(日) 07:43:06.65 ID:QT4+f5NMO
- しえん
- 45 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/09/09(日) 07:44:42.86 ID:wHBKkeD10
- (;^ω^)「……」
('A`) 「はしゃぐなよ」
(;^ω^)「……」
本来ならば、ここで俺はボールを拾い、もう一度構えを取る。
しかし、何故かその気分にはならなかった。
('A`) 「帰るぞ」
(;^ω^)「おっおっ?勝負はどうしたんだお!?」
ボールを拾い上げ、内藤にパスを投げる。
何とかキャッチした内藤は、俺の顔を見つめた。
('A`) 「明日も体育館使うには、申請しとかないといけねーだろ?
職員室行って、建部届けもらってこよーぜ」
( ^ω^)「お・・・・・・」
(*^ω^)「お!!!」
- 46 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/09/09(日) 07:46:26.70 ID:s1MMbpaoO
- 支援
- 47 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/09/09(日) 07:47:08.54 ID:wHBKkeD10
-
単なる気まぐれかもしれない。
俺の一時的な感情かもしれない。
だけど、俺はここでバスケをしようと思った。
よくわかんないけど、説明できないけど。
"あの時"の闘志が、もう一度燃えてきた。
一度は完全に冷めたものだったけど、もう一度、俺の心に灯った。
バスケットへの情熱が、俺に戻ってきた。
そんな気がした──
第一話 終
- 48 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/09/09(日) 07:49:09.14 ID:s1MMbpaoO
- 乙乙
- 49 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/09/09(日) 07:49:16.44 ID:HchgMQ/e0
- 乙
- 50 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/09/09(日) 07:51:41.20 ID:wHBKkeD10
- というわけで一話目終わりです。
こんな時間から見てくれた人ありがとう!愛してるぜ!
書きながら投下で、時間かかってごめんよ。
描写下手くてごめんよ。
普通、スポーツ物だったら三人称視点が一般的なんだけど
あえて一人称で書いてみた。
というか一人称しか書けないんですけどね。
みんな乙ー。
今度、夜に同じのを投下するかもしれんwww
- 51 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/09/09(日) 07:55:45.49 ID:0jzt8WHmO
- 今日模試だから早めに起きて勉強しようと思ったのに読んじゃったじゃないか
謝罪と賠(ry
おもしろかったよー
乙
- 52 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/09/09(日) 07:57:54.06 ID:IoLh/dP/O
- もとねたある?
- 53 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/09/09(日) 08:00:39.88 ID:wHBKkeD10
- 元ネタはないかな……。
気にしては無いけど、被りはあるかも試練
よく分からなかった描写とかあったら言ってくれ。
今度から、出来る範囲で分かりやすい描写にしてみる。
- 54 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/09/09(日) 08:02:53.70 ID:x15FvKOr0
- 良いな。ばすけっとからバスケットってスレタイの意味が分かった。
- 55 名前: ◆PL34tlmoTI :2007/09/09(日) 08:07:18.45 ID:wHBKkeD10
- 酉付けてみた
- 56 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/09/09(日) 08:13:20.38 ID:0jzt8WHmO
- >>55
PL教wwwwww
- 57 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/09/09(日) 08:31:34.30 ID:vpemLWGPO
- 超期待
- 58 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/09/09(日) 08:37:00.65 ID:/NqvBDU40
- どことなく高校バスケとインスパイアしたが期待してる。
乙。
- 59 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/09/09(日) 08:50:40.36 ID:nP8lianp0
- これは乙
- 60 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/09/09(日) 08:56:54.09 ID:xFJ7Oq5f0
- バスケのルールのよくわからない俺にも楽しく読めるような作品になることを期待して乙
- 61 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/09/09(日) 09:20:25.40 ID:zMAH1C7GO
- 保守
- 62 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/09/09(日) 09:29:46.22 ID:XbOYOFX70
- いい作品。期待。
- 63 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/09/09(日) 09:54:58.96 ID:0feHFx0W0
- これは期待
乙〜
- 64 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/09/09(日) 10:20:46.19 ID:UU+d+Bf7O
- 期待してる
乙!
- 65 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/09/09(日) 10:52:16.66 ID:M7be+Sd1O
- 若干Dearboysに似てるなと思ったが面白かった
乙ww
- 66 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/09/09(日) 11:01:39.33 ID:iD46ZeBkO
- 展開が少し幼稚だけど嫌いじゃ無いぜ
ガンガレほす
- 67 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/09/09(日) 11:08:25.48 ID:Lsr6rp2dO
- シンプルな展開で読みやすい。
あとは選手のプレースタイルをガッチリ決めていけば良さげ
- 68 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/09/09(日) 11:08:53.48 ID:B7aDZaY10
- ん? ブーンが主人公か?
- 69 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/09/09(日) 11:22:54.68 ID:L65ebtgO0
- ( ^ω^)が高校バスk(ryを彷彿とさせる
おもしろいよー
乙!
- 70 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/09/09(日) 11:41:05.47 ID:EUZM3Uch0
- 読み終わった。
なんつーか、折角男バスがない学校に入ったのに
あっさり建部の決意したな
- 71 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/09/09(日) 11:41:27.78 ID:on6fbto2O
- ん?バスゲット部?
- 72 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/09/09(日) 12:12:58.65 ID:UU+d+Bf7O
- どっかでまとめられないかね?
- 73 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/09/09(日) 12:25:46.74 ID:crNSZ26pO
- ほす
- 74 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/09/09(日) 12:28:54.40 ID:4Rz8iMkg0
- 乙です
よければまとめさせてよろしいでしょうか?
- 75 名前: ◆PL34tlmoTI :2007/09/09(日) 12:44:09.17 ID:wHBKkeD10
- すいません、寝てました。
>>60
そういうところも気をつけていきたいですね。
一応、スラムダンクやあひる、DEARは読んでいますので
やっぱ無意識にかぶるかもです。
( ^ω^)高校バスケも完全読破です
>>68
('A`) 視点なので、ドクオが主人公ですね
>>74
よろしくお願いします。
- 76 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/09/09(日) 13:09:40.57 ID:zMAH1C7GO
- 保守
- 77 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/09/09(日) 13:20:52.31 ID:yTsUEKm0O
- 今から読む
- 78 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/09/09(日) 13:22:10.50 ID:4Rz8iMkg0
- http://blog.livedoor.jp/hoku6363/?blog_id=2462869
了承ありがとうございます、まとめさせていただきました
- 79 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/09/09(日) 13:30:53.27 ID:yTsUEKm0O
- 読んだ
- 80 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/09/09(日) 13:40:48.77 ID:8dT1JHvjO
- これは期待
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