( ^ω^)ブーンが高校バスケで日本一を目指すようです(http://afox.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1198068472/)

( ^ω^)ブーンが高校バスケで日本一を目指すようです

1 : ◆HJkAGxFZpI : 2007/12/19(水) 21:47:52.56 ID:TDc5PM5c [1/11回発言]
規制解除キター( ^ω^)

まとめサイト様です
http://vipteam.blog74.fc2.com/


第五章の投下を開始します( ^ω^)


2 : ◆HJkAGxFZpI : 2007/12/19(水) 21:52:51.43 ID:TDc5PM5c [2/11回発言]




第五章  ラウンジVS今北(中編の後編)





3 : ◆HJkAGxFZpI : 2007/12/19(水) 21:53:22.06 ID:TDc5PM5c [3/11回発言]
――ダムッ…


第2クォーターがラウンジ学園ボールで開始された。ポイントガードのクマーはコート外から
バックコートでパスを受ける。
今北のディフェンスは第1クォーター同様、ハーフコートマンツー。クマーのマッチアップであるギコが、
ハーフライン上でクマーを見据えている。


(,,゚Д゚)(さぁ…来いっ!)


視線をコート全体に巡らせながらゆっくりとボールを運んでくるクマー。そしてクマーがギコの待ち構える
ハーフラインへと差し掛かったとき、猛獣は牙を剥いた。


――キュキュキュキュッ!!!


(,,゚Д゚)「うおおおっ!!」

(・(エ)・;)「なっ……!」

4 : ◆HJkAGxFZpI : 2007/12/19(水) 21:55:11.83 ID:TDc5PM5c [4/11回発言]
突然のプレッシャーディフェンス。第1クォーターまでとはまるで違う、恐怖すら感じるほどに当たりが強く、
そして気迫のこもったディフェンス。

早くも勝負を決めるためにプレスディフェンスに切り替えてきたのだろうか?いや、そんなはずはない。
勝負をかけるにしてもこのタイミングは早すぎる。それならば、他に考えられることは一つしかない。


(・(エ)・)(まさかこれが…こいつの中での『普通』なのかクマー!?)


考える間もないほどに激しく繰り出されるギコのディフェンス。このままではボールをとられる。
直感的にそう思ったクマーは慌ててボールを味方へ捌こうとする。


(・(エ)・;)「お…弟者さんっ!」


――ビッ


しかし。


(´<_`;)「あ…っ!だ、出すなっ……!」



5 : ◆HJkAGxFZpI : 2007/12/19(水) 21:56:24.38 ID:TDc5PM5c [5/11回発言]
――バチッ


今北G「とったぞ!」

(・(エ)・;)「やばっ…」


苦し紛れに出された甘いパス。それはまさに「とってください」と言わんばかりのものだった。
そして今北Gはそれを見逃さず、余裕を持ってインターセプト。その瞬間にギコは今北Gとは逆サイドの
フロントコートへ向けて走り出す。そしてギコがいたスペースに逆サイドの45度からクーが走りこんできて
今北Gからパスを受ける。そして今北Gはそのまま縦にパスラン。
きれいにボールをつないだクーはそのまま前線のギコへとロングパス。鮮やかな三線速攻が決まり、今北が
点差を9へと広げる。


今北産大附今北 25-16 ラウンジ学園


(・(エ)・)「……っ!」

( ´_ゝ`)「クマー、切り替え!ディフェンスで目にもの見せてやろうじゃないか!」

(・(エ)・)「……!はいっ!クマー」


ディフェンスに戻りながら威勢よく返事を返すクマー。その表情には、先刻のようにミスを引きずっているような
影は見受けられない。


6 : 名無しさん : 2007/12/19(水) 21:57:18.31 ID:7FvDu8ta [1/1回発言]
支援

7 : ◆HJkAGxFZpI : 2007/12/19(水) 21:58:12.99 ID:TDc5PM5c [6/11回発言]
( ´_ゝ`)「さあディフェンスだ!ハンズアップ!!」

ラウンジ一同「「おう!」」


上段にクマー。中段には左から武藤、ラウンジE、弟者。そして下段に兄者。
それぞれの守るポジションすらずれてはいたものの、それはラウンジ学園のディフェンスの切り札とも言える
1-3-1ゾーンディフェンスの形であった。


( ^ω^)「もう1-3-1ゾーンに切り替えかお…!」

('A`)「それだけ強い相手だ、ってことか。」

(=゚ω゚)ノ「兄者のポジションが中央から下段にずれてるのは…?」

( ゚∀゚)「中央への負担が半端ないことと、それが敗因につながることを前回の試合で痛感したからか?」

( ´∀`)「ってことはラウンジの6番はディフェンス重視ってことかモナ?兄者を攻守両面での核にするんじゃなくて
       オフェンスを重視させたスタイルってことかモナ…?」



8 : 名無しさん : 2007/12/19(水) 21:58:30.26 ID:T8Eb4Dvz [1/2回発言]
きたー!!!!

9 : 名無しさん : 2007/12/19(水) 21:59:14.60 ID:??? [1/1回発言]
今北TUEEEE

10 : ◆HJkAGxFZpI : 2007/12/19(水) 21:59:32.05 ID:TDc5PM5c [7/11回発言]
――ダムッ…


(,,゚Д゚)「へっ、また同じゾーンかゴルァ…」


ボールをフロントコートまで運びきったギコは小さくつぶやく。が、以前とは何かが違う。
このディフェンスで最も重要な意味合いをもつゾーンの
中央に位置するプレーヤーが長身のラウンジEに代わっている。兄者のスタミナ切れを防ぎ、オフェンスに集中させるためか
とも思ったが、そうではない。もっと根本的な、もっと身近な何かが決定的に違う…。


(,,゚Д゚)(とりあえずこの13番が随分前に出てきてるってことくらいか)


そう、ゾーンの上段に位置するクマーがスリーポイントラインの外側まで、ほとんどマンツーマンディフェンス気味に
ディフェンスに出てきている。そして極端なまでのディレクション。ギコとほぼ直角を成すほどまでに体を開いている。
クマーがディフェンスについていても前方がはっきり見えるほどだ。
クマーが立っているのはクーのポジション側。意地でもクーにパスを出させない、ということだろうか。
しかしそれでもこの上段のディフェンスは極端すぎやしないだろうか。確かにギコと言えど、ゾーンの密集地帯に
一人で突っ込んでいくほど馬鹿ではない。しかし、攻め方は何通りだってある。何も、今北のオフェンスの全てが
ギコを起点とするわけではない。左右のウイングプレーヤーから堅実にポストをボールに集めるという、基本に忠実な
バスケットだってできる。それがわからないラウンジ学園ではあるまい。

何か企んでいるのだろうか。いや、おそらくそれは間違いない。それは一体何だ?
現段階ではまだわからない。

11 : 名無しさん : 2007/12/19(水) 21:59:33.39 ID:D8z/khsA [1/1回発言]
待ってたー支援


12 : ◆HJkAGxFZpI : 2007/12/19(水) 22:00:39.51 ID:TDc5PM5c [8/11回発言]
ならば。


(,,゚Д゚)(ここで飛び出過ぎたディフェンスをしている13番を抜いてトップオブザキー付近でシュート…)


ここでギコがクマーを抜いてしまえば、カバーに出るにしろ距離がありすぎる。ヘルプがつくころにはギコは
とっくにシュートを打っている。


(,,゚Д゚)(しかし……)


試合が始まって最初のプレーでも思ったことだが、クマーのディフェンスがいい。
一見、大きくディレクションして正面が隙だらけのように見えるが、クマーはクーへのパスを警戒しつつも、ギコ自身への
ディフェンスも怠っていない。中途半端に切り込むことはおそらくできない。


(,,゚Д゚)(ラウンジもこっそりいい選手獲ってやがるなゴルァ…)


心の中で軽く愚痴った後、ギコは今北Gからのオーソドックスなセットオフェンスを選択した。



13 : ◆HJkAGxFZpI : 2007/12/19(水) 22:02:48.13 ID:TDc5PM5c [9/11回発言]
――ビッ……ばしっ


左45度で今北Gがボールを持つ。中段右辺を守る弟者がボールマンへとディフェンス。弟者のディフェンスは
プレッシャーをかけてボールを奪いに行くような勢いのあるものではなく、一定の距離を保ちながら、今北に
与えられた24秒間の攻撃時間をじわじわと削り取っていくためのディフェンスだ。

今北Gはまずシュートを狙う。が、それは弟者の絶妙なポジショニングのディフェンスによって阻まれる。
いずれにせよ、まだ攻撃時間が15秒以上残っている状態での無理なアウトサイドシュートの早打ちはチームの
リズムを乱すだけなので実際にアウトサイドからシュートを打つ気はほとんど皆無だったのだろうが。

45度からポストへのパス入れが難しいと判断した今北Gは、キープドリブルをしながらコーナーへと向かう。
サイドラインとエンドラインに囲まれ、逃げ道のないコーナーにボールを持っていくことは一見危険な行為の
ように見えるが、オフェンスの際にはコーナーからの攻めはセオリー、定石である。

バスケットにおいて、セカンドブレイクやセットオフェンス、あるいは速攻の場合においても重要なことは、
コートを上手く使うこと。そしてそれはコート全面を広く使えるようにすること。たとえどれだけ勢いのある
攻めだったとしても、オフェンスを行う場所がフロントコートの中心付近だけであったならば、シュートを
決めたとしてもそれは100点満点がもらえるようないいプレーではない。
コートを全面的に上手く使い、パス回しやドライブなどで相手のディフェンスを揺さぶっての得点こそが理想なのだ。

そして、理論的には1-3-1ゾーンの弱点は、その特徴的な形態ゆえに守りの薄くなるコーナー。
そこから少しずつラウンジ学園のディフェンスを崩す、という考えも持ち、今北Gはコーナーへと向かう。


14 : 名無しさん : 2007/12/19(水) 22:03:19.28 ID:T8Eb4Dvz [2/2回発言]
wktkwktk

15 : ◆HJkAGxFZpI : 2007/12/19(水) 22:05:07.56 ID:TDc5PM5c [10/11回発言]
――それこそがラウンジ学園の思惑通りだということに気付くわけもなく。


(´<_`#)(#´_ゝ`)「うおぉぉぉぉ!!!」


――キュキュキュキュ!!!


今北G「!?!?」

川 ゚ -゚)「……!?」

(;,,゚Д゚)「なっ…!?」


今北Gが、左コーナーで中段右辺の弟者と、下段の兄者からダブルチームを受けている。
突然の出来事だったからか、思わずドリブルも止まってしまっている。背後にはサイドラインとエンドライン。
前方には流石兄弟のダブルチーム。四方をふさがれ逃げ場がない。まさに四面楚歌。


(;,,゚Д゚)「も…戻せ!トップに戻せ!!」


16 : ◆HJkAGxFZpI : 2007/12/19(水) 22:07:25.59 ID:TDc5PM5c [11/11回発言]
思わぬディフェンスにギコは思わずトップにボールを戻すよう指示。しかし、それすらもラウンジ学園の思惑通り。


――バチッ


逃げ場のない今北Gは慌ててトップのギコにパスをリターンする。しかし十分な体勢でパスを出すことが
できなかったため、自然と甘いパスとなってしまう。そして待ってました、と言わんばかりにそのパスに
飛びついたのは上段を守っていたはずのクマー。ターンオーバーを奪った瞬間のラウンジ学園のゾーンディフェンスの
隊形は、もはや1-3-1の形を成してはいなかった。

クマーがボールを奪った瞬間に、中段中央のラウンジEがボールサイドとは逆のサイドへ、中段左辺の武藤が三線速攻の
パスをつなぐために中央へ、それぞれクロスするように走る。クマーから中央の武藤へ、そして逆サイドのラウンジEへ。
そのパスワークは滑らかにつながり、鮮やかな三線速攻が決まった。点差は再び7。


今北産大附今北 25−18 ラウンジ学園


(;,,゚Д゚)「い…今のは一体…?」

川 ゚ -゚)「珍しいディフェンスをしてくるな、このチームは」


( ^ω^)「今のディフェンス…一体どうなってるんですかお?」

('A`)「こんな守り方初めて見るな…」

(´・ω・`)「僕もこのようなディフェンスは初見だね。もう少し観てパターンをつかまなければ分析できないよ」

(■_■)「ハーフコートゾーンプレスに近い…か?いや、だがそれではトップ付近で全くプレッシャーがない理由がわからない…」

17 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 : 2007/12/19(水) 22:08:00.39 ID:WVlA2LEb0 [1/1回発言]
やあみんな、今日はみんなにクリスマスに事故って死ぬ呪いを掛けた
呪いを解きたければ、http://game13.2ch.net/test/read.cgi/mmominor/1197969513/
「ガンダー最強wwwww雑魚哀れwwwwww」と書くんだ
健闘を祈る

18 : ◆HJkAGxFZpI : 2007/12/19(水) 22:08:49.00 ID:TDc5PM5c0 [1/18回発言]
その後もラウンジ学園は同様の展開でボールを奪い、同様に滑らかな三線速攻につなげる。
2本連続で同様の速攻が決まり、3連続でラウンジ学園が得点を獲得したところで今北はタイムアウトを取り、
即座に体勢を整えようとする。しかし、今北の監督である田守にとってもこれは初見のディフェンス。
「まずはなんとかしてボールをポストに入れろ」、「パス回しを早くしてディフェンスの網に引っかかる前に攻めろ」
といった月並みな指示しか出せずにタイムアウトは終わってしまう。正体不明のディフェンスに苦しみながらも
今北はなんとか得点を重ねてゆくが、そのペースはラウンジ学園の方が早い。点差は再び徐々に縮まってゆく。

そして、ショボンが一つの仮説を打ち立てた。


(´・ω・`)(これはおそらく、以前の変則1-3-1ゾーンよりもさらに変則的なゾーンディフェンス…だね)


手始めにトップのディフェンス。上段にディフェンス力のあるプレーヤーを配置し、トップからの攻めを限定させる。
今回は、優れたオフェンス力を持つクーをチームオフェンスから隔離するために極端なディレクションを行っている。

さて、前回の1-3-1ゾーンディフェンスと決定的に異なる点。それはターンオーバーを積極的に狙っていく、という点である。
前回の1-3-1ゾーンディフェンスでは、中段中央の選手(そのときは兄者だった)を軸としながら、ボールのある位置に
応じて常に3人がかりでボールを持つ選手にプレッシャーをかけ、ボールを奪い、速攻へもっていくというもの。
だが、今回のものは本来1-3-1ゾーンディフェンスの弱点であるコーナーでしっかりとボールを奪えるようにしている。
ボールがコーナーへ入った瞬間に、ボールサイドにポジションを取る中段の選手と、下段の選手がダブルチーム。
そしてそれに怯み、思わずトップの選手にボールを戻そうとするところを、上段の選手がインターセプト。
オフェンス側のトップの選手が多少のパスミートをしたとしてもそのコースにしっかりと入りきることが重要となるだろう。


19 : ◆HJkAGxFZpI : 2007/12/19(水) 22:12:14.18 ID:TDc5PM5c0 [2/18回発言]
そしてダブルチームを受けている選手がその策略に気付き、トップ以外の選手にパスを出そうとしても、堅い守りの
ダブルチームからはいいパスを出すことは難しく、山なりの横断パスなどになりがちだ。
そういった長めの甘いパスは中段中央の選手が全てインターセプトを狙う。そのためにはボールマンがダブルチームを
受けている際に相手がどう動いているのか、どう動くのかをしっかりと考える情報処理能力、そして山なりのパスにも
対応できる長身・リーチの長さと言った身体的要因。中段中央に長身のラウンジEが抜擢された理由はそこに起因する。

そしてボールを奪った際にはボールを奪った位置に応じてそれぞれ異なるパターンでの三線速攻を展開。
いくら変則的なディフェンスとはいえ、これはゾーンディフェンス。ボールを奪ったときの隊形はほぼ一定である。
このポジションでボールを奪ったらこのパターン、あのポジションでボールを奪ったらあのパターン、といった具合に
マニュアル化している、と見るのが妥当だろう。そしてそれぞれの場合において尋常でないほどの反復練習を
こなしてきたはずだ。そうでなければ、あの今北相手にここまで見事にディフェンスがハマり(これは今北が
ラウンジのディフェンスに戸惑っているから、ということも考えられるが)、ここまで見事に滑らかな速攻を
繰り出せるはずがない。


――ばちっ


「またラウンジボールだ――!」

「今度は真ん中の6番がゆるいパスをインターセプト――!」


ダブルチームに遭い、苦し紛れに上にパスを出す今北G。しかしそれは山なりの横断パスとなり、長身のラウンジEが
楽々とインターセプト。そしてクマーが中央へカットし、ラウンジEからパスを受け、三線速攻の中央へ。武藤は既に
前線へ駆けており、クマーへパスを出したラウンジEも、クマーとクロスするようにパスラン。だが、ギコ、クー、今北Gの
今北フロントライン3人組がそれに必死に食らいつく。



20 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 : 2007/12/19(水) 22:13:44.86 ID:T8Eb4DvzO [1/2回発言]
支援

21 : ◆HJkAGxFZpI : 2007/12/19(水) 22:14:56.60 ID:TDc5PM5c0 [3/18回発言]
(,,゚Д゚)「そう何度も行かせるかよっ!」

川 ゚ -゚)「まぁそういうことだ」


(・(エ)・)「武藤さんっ!」


速攻が無理だと判断したのか、クマーは速い展開のまま左45度の武藤へパスを送り、そのままパスラン。
そしてギコはゴール下へと向かうクマーへとパスを入れられないように、クマーを守りながらゴール下へ。


/ ゚、。 ;/「ギコさん、クーさん…セカンドですっ!」


( ´_ゝ`)「出せ、武藤ぉっ!!」

武藤「兄者っ!」

川 ゚ -゚)「くっ……」

(,,゚Д゚)「やべっ…」


――ダムッ…ばしっ


「中央フリーだっ!」

「ラウンジの4番が走りこんでセカンドブレイク――!」

22 : ◆HJkAGxFZpI : 2007/12/19(水) 22:16:38.63 ID:TDc5PM5c0 [4/18回発言]
( ´_ゝ`)「っしゃ!」


――ガコッ!!


<;ヽ`∀´>「だ…ダンク……」

/ ゚、。 /(やられた……な。よく跳ぶやつだ。今のダンクで流れが変わるか?)


――うおぉぉぉぉっ!いいぞいいぞアニジャ!いいぞいいぞアニジャ!いけいけラウンジもう一本!!


クマーはパスラン後、ボールサイドとは逆のサイドへと走り抜けた。そうすることによって中央のスペースを空ける
ことができるからだ。さらに、ボールがないサイドへと走ることによってコートを広く使って攻めることができる。
仮にクマーがこの状況でボールサイドへと走ることを選択したとしたら、ボールサイドで2対2の状況が生まれ、
せっかくのブレイクチャンスを逃してしまうことになる。
さらに、ボールがないサイドへ走ることは、早いオフェンスが失敗した際にスムーズにセットオフェンスへと
移行することができる。セカンドブレイクに失敗した場合は、クマーが走り抜けたことによって生まれたスペースに
逆サイドのスウィングポジションの選手がそのスペースを埋めるようにトップへ移り、ボールサイドからパスを受ける
ことができるからだ。そして今度はボールがないサイドに走りこんだクマーが、トップへポジションチェンジしてパスを
受けた選手からパスを受け、攻めるサイドを容易に変更することができるからである。

今回は兄者がニダーに走り勝ったことで見事なセカンドブレイクを成功させたが、もしもそれが失敗した際にも、彼らが優位に
立って攻めるための策は何重にも張り巡らされているのだ。

23 : ◆HJkAGxFZpI : 2007/12/19(水) 22:18:52.14 ID:TDc5PM5c0 [5/18回発言]
第2クォーター開始3分で現在のスコアは


今北産大附今北 25−24 ラウンジ学園


となり、今北は先刻とったタイムアウトも虚しく、あっという間に1点差にまで詰め寄られる。


――ダムッ…


ラウンジ学園の5人は得点後も切り替えを素早く、ディフェンスの陣形を敷いている。
ゆえに、バックコートには誰もいない。第2クォーターでのタイムアウトを既に使ってしまったために
ベンチで策を練ることもできない。ギコは、ゆっくりとドリブルをしながら歩き、隣のクーと短く会話し、対抗策を探る。


(,,゚Д゚)「うーん…予想以上だな」

川 ゚ -゚)「普通のセットオフェンスでは通用しなさそうだな」

(,,゚Д゚)「まぁニダーとダイオードを使えばいいか?トップのディフェンスはディレクションが極端すぎて
     ハイポストへのパスはインターセプトできそうにないだろうしな」

川 ゚ -゚)「それが賢明だろう。インサイド攻めに徹している間、私は少しでもこのディフェンスのことを考えるよ」

(,,゚Д゚)「いつパスが来てもいいようにボールにはちゃんと気を留めておけよゴルァ」

川 ゚ -゚)「わかっている」


24 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 : 2007/12/19(水) 22:20:23.96 ID:kAF/h0+50 [1/1回発言]
支援

25 : ◆HJkAGxFZpI : 2007/12/19(水) 22:20:48.68 ID:TDc5PM5c0 [6/18回発言]
――ダムッ…


ハーフラインを越える。それに伴ってクマーがギコのディフェンスをするためにスタンスを取る。
ギコはドリブルをしていない左手を上に掲げて拳を作り、手首をひねって左右に振る。
ニダーとダイオード。この2名のインサイドプレーヤーを中心に攻めるという合図。
サインを見たニダーとダイオードは互いにアイコンタクトをかわし、小さく頷き合う。

本来、1-3-1ゾーンに対してはコーナーから攻めるのが定石。コーナーからインサイドへボールを入れ、そこから
二人のインサイドオフェンスを展開するつもりだったが、予定変更だ。だが、この程度の不測の事態。さほど
気に留めるレベルでもない。ただパスを入れる場所がコーナーからでなくなっただけ。インサイドへのパスは
45度のポジションからでも十分に可能であるし、ギコならばトップからボールを入れるのも難しいことではない。


――キュキュッ!


/ ゚、。 /「ギコさんっ!」


ダイオードがローポストからハイポストへフラッシュ。中段中央のラウンジEはそれに対してボディチェック。
ディナイディフェンスでダイオードへとパスを遮断する。
ラウンジEに対して、逆サイドのローポストから上がって来たニダーがラウンジEにスクリーン。
ダイオードはそのスクリーンを受けて、ラウンジEの前を通り、逆サイドへ。アルファベットの「C」を描くように
走る、ボールサイドカットだ。
ダイオードが一瞬ノーマークになる。ダイオードへ意識の向いたラウンジEの隙を突いてニダーがハイポストでシールする。
しっかりとラウンジEの前にポジションを取り、腰を落とす。



26 : ◆HJkAGxFZpI : 2007/12/19(水) 22:23:50.45 ID:TDc5PM5c0 [7/18回発言]
(,,゚Д゚)「ニダーっ!」


その瞬間を見逃さず、ギコはハイポストへバウンズパス。上段を守るクマーがハイポストへボールが入った瞬間に
ダブルチームに来る可能性も考慮し、スピードのある早めのパスを送る。
そして案の定、クマーはニダーへとダブルチームをかけようとするも、そのタイミングは遅すぎた。
パスが速かったから、というのもあるかもしれないが、クマーのポジションは前に出すぎていた。
さらに、ニダーはパスを受けた瞬間に肩越しにノールックでのバックドアを行う。クマーがニダーのディフェンスに
ついたころには、ボールは既にニダーの手から放れた後だった。


――ばしっ


ダイオードはゾーンディフェンスの中段中央と下段の中間ほどのポジションでパスを受ける。
下段の兄者がヘルプに来る前に素早くジャンプシュート。ノーマークで、それもペイントエリア内から放たれたその
シュートはバックボードの内側の白線の上隅に正確に当たり、リングを通過する。


( ^ω^)「あっさり決めてきたおね…」

('A`)「まるでディフェンスに穴が開いたような感じだな…」

(=゚ω゚)ノ「オフェンスが始まる前にギコがやってたのは…サインプレーかヨウ?」

( ゚∀゚)「つってもその数にも限界があるんじゃないか?いくつかのパターンがあるかもしれないしな。モナー、
     ギコの手の動きとインサイドの動きよく見ておこうぜ」

( ´∀`)「モナ」

27 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 : 2007/12/19(水) 22:25:40.16 ID:i1HTtJStO [1/3回発言]
支援
ID末尾戻ったのか?

28 : ◆HJkAGxFZpI : 2007/12/19(水) 22:25:49.89 ID:TDc5PM5c0 [8/18回発言]
(-_-)「これで3点差か…全然展開が読めないや」

(・▽・)「観てて楽しいっちゃ楽しいんだけどなぁ…」

<_プー゚)フ「こいつらと実際に戦うんですもんね。こんな展開が続いたら頭おかしくなりそうっすよ」

(´・ω・`)「ここからはこういう展開が当たり前なんだけどね」

<_;プー゚)フ「うっ……」


――キュキュッ


/ ゚、。 /「……ふっ!!」


――バコッ!


(;´_ゝ`)「んなっ……!」


「また今北14番のブロックショット――!!」

「ラウンジの4番の個人技は完全に読まれちまってんのか――?」

29 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 : 2007/12/19(水) 22:29:11.13 ID:D8z/khsA0 [1/1回発言]
sien


30 : ◆HJkAGxFZpI : 2007/12/19(水) 22:31:05.37 ID:TDc5PM5c0 [9/18回発言]
インサイドでパスを受けた兄者は、弟者へのパスフェイクから単独でのポストプレーへ。
しかし、そのシュートはダイオードに完全にブロックされる。それも、さっきのようにダイオードの
伸ばした手にシュートが当たって止められたのではなく、大きく振りかぶってフルスイングされた腕に完全に
捕らえられたのだ。勢いよく飛ぶルーズボールはハーフライン付近まで飛んでいく。
そしてそれをいち早く感知したクーが誰よりも早く飛び出し、そして誰も追いつけないスピードでワンマン速攻を
展開。今北追加点。


そしてラウンジ学園にとってもっとも恐れていたであろう事態も、併せて発生する兆しを見せ始めた。


――キュキュキュキュ!!


(,,゚Д゚)「ゴルァゴルァゴルァゴルァ!!」

(・(エ)・;)「う……うっ…」


徐々に、しかし確実に激しくなってゆくギコのディフェンス。波に乗り始めるまでには多少の時間を必要とする
ギコであるが、とうとうその本領の頭角を表し始める。試合が始まった直後には、「これぐらいならばなんとか
張り合える」そして、徐々にギコのディフェンスが厳しくなってきたときも、「ただパスを出す程度ならば可能だ」…と
希望を持っていたクマーには、この激しいディフェンスに対する活路を見出すことができない。



31 : ◆HJkAGxFZpI : 2007/12/19(水) 22:34:25.23 ID:TDc5PM5c0 [10/18回発言]
(・(エ)・;)「やば…クマー…」


ギコの気迫のこもったプレッシャーディフェンスに怯み、思わずドリブルを中断して動きを止めてしまうクマー。
それも、バックコート上で、だ。ポイントガードがボール運びの最中にバックコート上でドリブルを止め、ボールの
動きを止めてしまうことは、バスケットボールと言うスポーツの試合におけるタブーの一つに数えられると言っても
過言ではないだろう。攻めの姿勢に入る前に相手ボールとなってしまい、自軍の攻撃機会をみすみすと捨ててしまうことに
なってしまうからだ。その隔たりとなるのが8秒ルールと呼ばれるバイオレーションである。

ちなみにこれは余談であるが、このルールは、8秒以内にボールをフロントコートまで運びきることができなければ
相手ボールになってしまう、というものである。数年前まではこの制限時間は10秒、さらに攻撃時間も30秒と長く、
ショットクロックがリセットされる条件も、ボールが攻め側のバックボードに当たればよい、というものであった。
しかし、ルール改正により10秒ルールが8秒ルールへ、30秒ルールが24秒ルールへ、そしてショットクロックが
リセットされる条件も、ボールがリングに当たったとき、と制限が厳しくなっている。これらのルール改正は
1回のオフェンスにおいての制限時間や条件を、従来より厳しめに設定することによってよりスピーディな試合展開とすることが
できるように、そして限られた少ない時間のなかでいかに上手く攻め込むかという戦略性の向上などが期待されている。


――ピーッ!


審判「8秒バイオレーション!白ボール!」

(,,゚Д゚)「っしゃぁ!」

(・(エ)・;)「………っ!」

32 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 : 2007/12/19(水) 22:35:48.11 ID:Q58Tcrj10 [1/2回発言]
しえん

33 : ◆HJkAGxFZpI : 2007/12/19(水) 22:41:26.53 ID:TDc5PM5c0 [11/18回発言]
――ウオオォォォォォォっ!ラッキーラッキー! ラッキーラッキー! 相手のミスからマイボール!
  いけいけ今北もう一本! ウオォォォォォォっ!


ドリブルをとめてしまったクマーに対するギコのディフェンスは、まさに模範解答。相手の軸足を封じ、ろくにピボットを
踏むことすらできない体勢に追い込み、さらにボールの動きもしっかりと両腕だけでなく全身を用いて制限する。そして
クマーを怯ませるには十分すぎるほどに威圧感のこもったボイス。

続く今北ボール。
ギコに対して先刻のミスを取り返そうとディフェンスに躍起になる上段のクマーのディフェンス。
しかしそれは既に特異な形態を取っていたゾーンディフェンスの形態をさらに特異なもの――むしろ、このゾーンディフェンスの
理想形――を崩してしまうものだった。それを見逃さず、トップのギコはドリブルでサイドステップ。パスの標的であるハイポストの
ニダーと、それを阻もうとするクマーとの間に角度をつけてハイポストへとバウンズパスを送る。そしてそのまま素早くハイロー。
ニダーがハイポストでポジションを取るのとほぼ同時にローポストでポジションをとっていたダイオードへとパスが入る。
ゴール下でのポジションをしっかりと獲得したダイオードはそのまま単独のポストプレーへ。
そのプレーは決して派手であったり華美なものではない。本当に基本を抑えただけの、はたから見れば単調なプレー。
しかし、幾度となく体に刻み込まれ、もはや習慣とも呼べるそれは彼自身の恵まれた身体的要因も相まって驚異的な破壊力を見せる。
ダイオードの放つターンシュートは兄者のディフェンスを鮮やかにかわしてゴールへと吸い込まれていった。


その後も、ポイントガードのクマーが、マッチアップのギコ相手のボール運びに四苦八苦する場面が連続。シューティングガードの
武藤やフォワードの弟者もバックコートに留まり、3人でゾーンプレスに対するボール運びを行うようにしながら確実なボール運びを
図る。だが、それでもミスは完全になくなったわけではない。洋服からほつれた糸を引っ張っていって、ほつれた箇所からどんどん
糸が伸びてくるかのように、少しずつボール運びの弱さが露呈されていく。


34 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 : 2007/12/19(水) 22:42:07.47 ID:T8Eb4DvzO [2/2回発言]
支援

35 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 : 2007/12/19(水) 22:44:15.10 ID:YvSMhuvj0 [1/1回発言]
これ凄い昔からあった奴だっけ

36 : ◆HJkAGxFZpI : 2007/12/19(水) 22:44:32.85 ID:TDc5PM5c0 [12/18回発言]
ボール運びでミスを何度か犯すも、フロントコートまでボールを運びきり、流石兄弟にパスを入れることさえできれば、ラウンジ学園は
オフェンス面での大きなアドバンテージを得る。兄者はダイオードに連続でシュートを止められていたものの、自らを囮にディフェンスを
ひきつけて弟者を中心に得点したり、勝ち目が薄いと判断した個人技では勝負せずに弟者からのトリッキーなパスで少しずつ得点を
重ねてゆく。

対する今北は、高いシュート能力を持つ布陣を持ち、そしてそれだけでなくリバウンドも強いインサイド陣も持つ。
シュートをはずしてしまっても、インサイド陣がリバウンド勝負で奮闘し、セカンドチャンスからの得点もものにする。
ラウンジ学園の新たな1−3−1ゾーンディフェンスも、ボールがコーナーに集められたときには高い確率で今北のターンオーバーを
誘発するも、ハイポストを起点とした攻めからはは得点を許しがちだ。


現時点でのシュートの成功数は今北のほうが多い。そしてさらにスリーポイントシュートの成功数も、クーを中心とする今北のほうが多い。
それはすなわち――


今北産大附今北 47-34 ラウンジ学園


第2クォーター終了時での、今北の優勢という結果に直結した。

37 : ◆HJkAGxFZpI : 2007/12/19(水) 22:45:46.50 ID:TDc5PM5c0 [13/18回発言]
13点というビハインドを、それもまだ試合の折り返し地点に過ぎない時間帯で背負ってしまったラウンジ学園の面々にとって、
これは彼らの肩を大きく落とさせる。


(,,゚Д゚)「おう、これで終わりかゴルァ」


両チームのメンバーがベンチへと戻る中、ギコは一人、立ち止まって言う。


( ´_ゝ`)「…なんだと?」


それに呼応するかのように同様に立ち止まる兄者。両チームのキャプテンが、ハーフタイムと言えど試合中にコート上で
会話を交わすという珍しい光景。
この試合が本日の最終試合であるために、ハーフタイムの練習に入るチームもおらず、彼らを妨げるものは何もない。
審判でさえ、互いの監督やそれぞれのチームメイトでさえもがその予測不能な事態に対してなんら行動を起こせずにいた。

38 : ◆HJkAGxFZpI : 2007/12/19(水) 22:46:22.39 ID:TDc5PM5c0 [14/18回発言]
(,,゚Д゚)「これで終わりってわけじゃねぇだろうなゴルァ」

( ´_ゝ`)「…どういうことだ」

(,,゚Д゚)「あの新しいゾーン…実戦慣れしていないと見たが」

( ´_ゝ`)「否定はしない。だが、俺がそれに答える必要などない」

(,,゚Д゚)「へっ…だろうよ」


だがな、とギコは付け足す。


(,,゚Д゚)「とことんマニュアル通りってのもいかがかと思うぜ。現に俺たちはお前らのマニュアル通りには試合を運ばせてないからな」

( ´_ゝ`)「…これが俺たちのやり方だ」

(,,゚Д゚)「それは去年のチームを意識しすぎてるんじゃないのか?」

( ´_ゝ`)「…………」

(,,゚Д゚)「確かに去年のラウンジ学園はすごかった。だが、今回は前チームの主軸のプレーヤーがいない。
     だからこそお前が奮起して完全に新しいチームを一から作り直そうとしたんだろ」


まるで兄者の心を覗き見たかのように見事に図星をつくギコ。
そして、無意識のうちに動揺する兄者は、それに対して反論をすることができない。
さらにギコは続ける。


39 : ◆HJkAGxFZpI : 2007/12/19(水) 22:47:04.77 ID:TDc5PM5c0 [15/18回発言]
(,,゚Д゚)「去年のチームの良いところ、悪いところ…それらを全部受け入れた上で、新しいチームは生まれるんじゃないのか。
     そうやって徐々に研ぎ澄ましていくことが、俺たちキャプテンの仕事なんじゃないのか」


確かにそうだ。現に、今北はこれまでの弱点であったインサイド陣の補強に尽力し、さらにはクーという新たな得点源も加入させた。
それは、爆発的な破壊力を持つギコのムラのあるプレーをフォローするためのもの。今北を、これまで以上の更なる高みへと昇華させる
ためのもの。

自分はどうなのだろうか、と兄者は自問する。
フサギコや池上の幻にとらわれることをやめ、新たなラウンジ学園を作ろうとした。「全員で勝つ」という理想を掲げた。
その試み自体は間違いではない。ただ、足りなかったのだ。そう。たった一つの、大切な感情を。


(,,゚Д゚)「憧れたっていいじゃねぇか。俺たちはまだ10代のガキなんだからよ」

( ´_ゝ`)「――!!」

(,,゚Д゚)「キャプテンの責務にとらわれるなよ。それで本当に大事なもんを見失ってちゃ意味がねぇだろが」


そうだ、全員で勝つということは間違っていない。チーム一丸となって戦えるチームは、必ず結果を出すからだ。
ただ、ほんの少しだけ、気付くのが遅かった。
兄者は、フサギコや池上に――


――憧れていたのだ。


40 : ◆HJkAGxFZpI : 2007/12/19(水) 22:48:12.57 ID:TDc5PM5c0 [16/18回発言]
その感情を無理やりに抑え込み、自分たちの代では彼らのようにはできないと決め付けてかかった。
自分がこのチームの可能性を――


――潰s


(,,゚Д゚)「まだ間に合うだろうがゴルァ。早く行けよ」

( ´_ゝ`)「…そうだな」



( ´_ゝ`)「…というか」

(,,゚Д゚)「ん?」

( ´_ゝ`)「なぜわざわざ、こちらが有利になるようなことを言うんだ?」

(,,゚Д゚)「決まってるだろ」


正真正銘、全力の120%で向かってくるラウンジ学園を倒さなくちゃ、インターハイに気持ちよく行けないからな――


そう言い残し、ギコは兄者に背を向け、ベンチへと戻っていく。

41 : ◆HJkAGxFZpI : 2007/12/19(水) 22:49:31.85 ID:TDc5PM5c0 [17/18回発言]
兄者はしばらくコート上に立ち、その背中を見送る。
ギコが田守になにやら叱られているようだ。しかし、その表情はどこか晴れやかで、そしてイタズラをした陽気な少年のように
ほころんでいるように見えた。


( ´_ゝ`)「確かにまだ、間に合う…な」


おせっかいをありがとう、とギコの背中に小さく呟いて、兄者も同様にベンチへと戻る。
その表情もまた、ギコと同じように晴れやかなものだった。

もう一度、今度は

――敵に塩を送ったことを後悔させてやるさ


と小さく呟きながら。


42 : ◆HJkAGxFZpI : 2007/12/19(水) 22:49:47.30 ID:TDc5PM5c0 [18/18回発言]






第五章 おしまい








43 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 : 2007/12/19(水) 22:50:51.75 ID:Q58Tcrj10 [2/2回発言]
乙!

44 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 : 2007/12/19(水) 22:51:14.06 ID:i1HTtJStO [2/3回発言]
支援

45 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 : 2007/12/19(水) 22:52:15.32 ID:7FvDu8taO [1/1回発言]
乙でした

46 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 : 2007/12/19(水) 22:52:26.18 ID:i1HTtJStO [3/3回発言]
って終わったしorz
これだから携帯は…
とにかく乙

47 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 : 2007/12/19(水) 23:11:03.06 ID:6YneR7ITO [1/1回発言]


48 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 : 2007/12/19(水) 23:17:19.81 ID:Mrkf2RTFO [1/1回発言]


49 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 : 2007/12/19(水) 23:33:06.15 ID:a0pUGpgyO [1/1回発言]
保守



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