( ^ω^)が空を行くようです (http://ex17.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1164574946/)
1 名前:VIP村人u:2006/11/27(月) 06:02:26.39 ID:pZSgmORy0



2 名前:VIP皇帝:2006/11/27(月) 06:04:21.48 ID:rhzalpycO
    _, ,_  パーン
 ( ‘д‘)
  ⊂彡☆))Д´) >>3

3 名前:VIP村人u:2006/11/27(月) 06:04:24.10 ID:pZSgmORy0

プロローグ


カーテンの隙間から差し込む朝の日差しが、ベッドに横たわる少年の顔を照らした。
日の光を受けて、少年はまぶしいのだろうか、閉じたまぶたを更に強く閉じる。
それでも差し込む日差しのまぶしさを防ぎきれなかった彼は、
体にかけられたタオルケットを顔の辺りまで深くかけなおし、寝返りをうって朝日に背を向けた。

睡眠を妨げる障害を取り除き、「これでゆっくり眠れる」と思ったその矢先、
今度は彼の眠る部屋の外で、ドタバタと誰かが行きかう音がし始める。


「……朝っぱらからうるさいお」


そんなことをつぶやきながら、その音から逃げるかのように
少年はタオルケットの中に頭までもぐりこみ、体を縮こまらせた。


4 名前:VIP村人r:2006/11/27(月) 06:05:46.49 ID:rhzalpycO
    _, ,_  パーン
 ( ‘д‘)
  ⊂彡☆))Д´) >>3

5 名前:VIP村人u:2006/11/27(月) 06:05:46.75 ID:pZSgmORy0

だけど、そうしたところで鳴り響く音からは逃れられるはずがなかった。

彼は完全な眠りに落ちることもままならず、
覚醒と睡眠の間のまどろみの中を行き来していた。

そんな時間をしばし堪能していると、「ガチャリ」と部屋の扉が開く音がした。

まどろみの中にいる彼には、その音が現実の音なのか幻聴なのか判別できない。
結局、まどろみの心地よさにその音を無視して、彼はまぶたを開かない。

それからしばらく何も音がしないので、
きっとさっきの音は幻聴なのだろうと確信した彼はそのまま眠りの底へと落ちようとした。


しかし結局、それが適うことはなかった。


6 名前:VIP村人r:2006/11/27(月) 06:06:49.67 ID:rhzalpycO
    _, ,_  パーン
 ( ‘д‘)
  ⊂彡☆))Д´) >>5

7 名前:VIP村人u:2006/11/27(月) 06:12:39.24 ID:pZSgmORy0


「朝だぞ―――!!」


耳元で甲高い声が響く。

それと同時に「ガンガン!」と金属を金属で叩き鳴らす音が頭の中をかき乱し、
一瞬のうちにまどろみの中から引き釣り出された彼は、驚いてベッドの上から転げ落ちた。


「グッモーニン、ブーン!」


床の上に転がった彼の視線の先には、フライパンとお玉を両手に持った少女の姿があった。
彼女はニッコリと笑うと、


「今日もさわやかな朝だよーん!」


と言いながら、再びフライパンの底をお玉で叩き鳴らす。

その音に辟易しながら、
ブーンと呼ばれた少年は起き上ってボサボサの髪の毛をかきむしった。


8 名前:VIP村人u:2006/11/27(月) 06:14:53.85 ID:pZSgmORy0


「……僕の朝はなんでいつもこんなに騒がしいんだお」

「あんたがいつまでたっても起きてこないからでしょうが!」


部屋を出て、薄暗い廊下を抜け、階段を下って、少年と少女は台所へとやってきた。
地下の一室に備え付けられた台所は薄暗く、
しかしそれとは対照的に、パンの焼ける香ばしいにおいで満たされている。

もうすっかり古くなった木製のイスに座り、
同じく古くなった木製のテーブルの上に、彼は突っ伏した。

すると、後頭部に衝撃が走る。
どうやらフライパンで叩かれたようだ。


「痛いお……」


後頭部をさすりながら顔を上げた少年の口に、間髪いれずにトーストが突っ込まれる。


「ボヘッ!」

「いつまでも寝ぼけてないで、さっさとそれ食べて顔洗って着替えてきなさい!」


9 名前:VIP村人u:2006/11/27(月) 06:17:58.56 ID:pZSgmORy0


「ふぁふぁひはひはー(わかりましたー)」


口にトーストをくわえたまま器用にしゃべると、彼は洗面所へと向かう。

顔を洗い、用を足して股間のエレファントをしっかりと振った少年は、
台所と同じく地下に設けられた狭い作業場にて飛行服に袖を通した。

飛行服に着替えた彼は、作業場と呼ぶには少し狭すぎるそこを見渡した。
目の前には、窮屈そうたたずむ一台の、全長およそ十mほどの縦長の飛行機械。

その表面は銀色で、座席は前後に二つの複座式。
機体の中央両側部には両手を広げたくらいの大きさの羽が二枚。

機首には一丁の機銃が備え付けられており、
後部下方には黒鉄色の細長い金属の棒のようなものが、
湾曲してスプーンのような形を描いていて付いている。

そのスプーンのような形を描く金属の棒を、少女はいじくり回していた。

少年は前部の座席に飛び乗ると、
そこに備え付けられたスイッチやらメーターやら操縦桿やらをチェックし始める。

その作業を一通り終えると、まだ同じところをいじっている少女に向かって話しかける。



10 名前:VIP村人u:2006/11/27(月) 06:19:48.22 ID:pZSgmORy0


「なんだお?エンジンの調子が悪いのかお?」

「まあね。こりゃ、パーツ屋のオカマ野朗のところ行かなきゃいけないかも……」


そう言って、彼女は金属の棒をスパナで「ガンッ!」と殴りつけた。


「ちょっとエンジンかけてみて」

「把握したお」


彼がスイッチを押すと、
金属の棒(どうやらこれがエンジンのようである)が細かく振動を始める。

そして、飛行機械が宙に浮いた。


11 名前:VIP村人u:2006/11/27(月) 06:21:47.68 ID:pZSgmORy0


「へへーん!どんなもんよ!」

「たいしたもんだお!さすがはツンだお!」

「まあね…っと!」


ツンと呼ばれた少女はスパナを放り投げると、飛行機械の後部座席に飛び乗った。
そのスパナは工場の壁に備え付けられたスイッチに当たる。
すると、天井のシャッターがガラガラと音を立てて開きだした。

薄暗くカビ臭い地下の作業場を、外の光がまばゆく照らす。
少年と少女は頭上のゴーグルを眼前に下ろすと、天井を見上げた。

そこから見えるのは、どこまでも青い空と、白い雲だ。


ξ゚听)ノ「それじゃ、お仕事にしゅっぱーつ!」

( ^ω^)ノ「ブ――ンだお!」


飛行機械は垂直に飛び上がると、開いた天井から青い大空へと飛び出した。



〜( ^ω^)が空を行くようです〜


12 名前:VIP足軽roop:2006/11/27(月) 06:38:29.11 ID:Mj29phEGO
わくてか

だがバイトだからノシ

13 名前:水汲みおしち:2006/11/27(月) 07:11:08.56 ID:XVNxmhqkO
これなんてラストエグザイル?

14 名前:VIP村人l:2006/11/27(月) 07:12:16.10 ID:YKbRUdIi0
http://roxik.com/pictaps/?pid=226773

( ^ω^)描いたお

15 名前:VIP村人v:2006/11/27(月) 07:21:33.50 ID:pZSgmORy0
>>13
どう見てもラストエグザイルです。
本当にありがとうございました。

16 名前:VIP足軽e:2006/11/27(月) 07:39:47.47 ID:mJTle0ty0
顔文字ないな。

17 名前:VIP村人w:2006/11/27(月) 08:04:19.92 ID:pZSgmORy0

第一話 「スロウライダー」


ブーンたちの飛行機械は優雅に故郷『ツダンニ』の町の上空を飛行する。
朝の風はほんのり冷たく、肌に心地よい。

前部座席に座ったブーンは鼻歌を歌いながら操縦桿を握っている。
一方、ご機嫌なブーンとは対照的に、後部座席では持参した家計簿を開いてため息をつくツンの姿。


ξ;゚听)ξ「はぁ〜〜、今月もピンチだわ…。
     ブーン!鼻歌なんて歌っている場合じゃないわよ!」

( ^ω^)「ピンチって言っても、なんとか生活していけるくらいのお金はあるんだお?」

ξ゚听)ξ「……あんた、あたしがさっき言ったこと覚えてないでしょ」

( ^ω^)「……なんだっけかお?」


後部座席のツンの方を向いて、ブーンはとぼけた顔で問いかける。
そんな幼馴染の表情を見て、ツンは家計簿を後部座席の床に叩きつけた。


18 名前:VIP村人w:2006/11/27(月) 08:05:33.19 ID:pZSgmORy0


ξ#゚听)ξ「エンジンよ! エ ン ジ ン !
     だいぶヘタってきてんの!だから取り替えなきゃいけないの!」

( ^ω^)「お〜、そういえばパーツ屋さんに行かなきゃって言ってたおね」

ξ゚听)ξ「……もういいわ」


家計簿を拾い上げると、彼女はあたりの様子を見渡した。
その視線の先では、同業者の飛行機械たちが二人と同じ方向へ向かって飛んでいた。


19 名前:VIP村人w:2006/11/27(月) 08:07:29.56 ID:pZSgmORy0

町の中心部から外れた郊外の小高い丘の上。
そこに立てられた二階建ての古びた木造の建物がブーン達の職場……と言えば一応職場だ。

その建物の前に設けられただだっ広い草原に飛行機械を止めて、
ブーンとツンは建物の入り口へと向かう。

建物の入り口には、「飛行機械郵便業協会」と書かれた看板が掲げられている。

その入り口から建物の中に入ると、
そこにはすでに多くの飛行機械乗り…つまりブーン達の同業者がいた。

ごった返す人ごみを掻き分け、二人は受付カウンターへと向かう。
やっとのことでカウンターにたどり着いた二人に、見知った受付の男が話しかける。


( ゚д゚ )「相変わらず遅いご出勤だな。スロウライダー」


スロウライダーとはブーンのあだ名である。

別にブーンの飛行機械の速度が遅いわけではなく、
いつも寝坊してくるために仕事に来るのが遅いという理由から付けられたあだ名だ。


20 名前:VIP村人w:2006/11/27(月) 08:10:00.11 ID:pZSgmORy0


( ^ω^)ノ「おっおっお。おいすー」

ξ#゚听)ξ「馬鹿にされてんのにヘラヘラ笑ってんじゃないわよ!」


そう言って、ツンはブーンの頭に拳骨をお見舞いした。
ブーンは頭を抱えてその場にうずくまる。

そんな少年を尻目に、少女はニッコリと笑ってカウンターの男に話しかける。


ξ゚ー゚)ξ 「で、なんかいい仕事ない?」

(  ゚д゚ )「……」


( ゚д゚ )「ウェルチ」


ξ゚听)ξ「こっち見んな」

( ゚д゚ )「……割のいい仕事はもう出ちまったぞ?
   残っているのは安いEランクの仕事か、誰もやりたがらないAランクの仕事だけだ」


21 名前:VIP村人w:2006/11/27(月) 08:13:02.41 ID:pZSgmORy0


ξ゚听)ξ「Aランクの仕事が来てるの!?」


ツンは瞳を輝かせ、カウンターから身を乗り出して言う。
カウンターの男とツンは、しばらく至近距離で見詰め合った。


(  ゚д゚ )「……」

ξ゚听)ξ「……」


( ゚д゚ )「こっち見んな」


ξ゚听)ξ「それはこっちのセリフ。
     ちょうど良かったわ〜!まとまったお金が必要だったのよね〜」

( ゚д゚ )「それ相応に危険だがな」

ξ゚ー゚)ξ 「私たちの腕をなめないでちょうだい!
     史上最年少飛行機械乗りの称号は伊達じゃないのよ!」


22 名前:VIP村人w:2006/11/27(月) 08:14:41.53 ID:pZSgmORy0

ツンとブーンの仕事は飛行機械郵便……つまり空の郵便屋だ。

この世界ではとある事情のため電波による交信ができない。
そのため、離れた「島」への連絡手段はもっぱら書面によるものに限られる。
だから、この世界には飛行機械による郵便屋が必要なのだ。

そして、その仕事のランクは基本的にA〜Eの5段階で表される。

Eランクは同じ島内に配達する楽で安い仕事。
Cランクまでは同じ国内の島に配達する仕事で、労力はかかるが安全な仕事。
そしてA・Bランクの仕事は国外の島への配達で、
労力もかかり、安全も保障されていない危険な仕事だ。
その分、報酬はかなり高額なものとなる。

もっとも、A・Bランクの仕事なんか滅多に来るものではないのだが。


23 名前:油売りの左暮:2006/11/27(月) 08:15:53.40 ID:N/N5ClvM0
    _, ,_  パーン
 ( ‘д‘)
  ⊂彡☆))Д´) >>5

24 名前:VIP村人w:2006/11/27(月) 08:16:40.12 ID:pZSgmORy0


( ゚д゚ )「そんじゃ、お願いしようかね」


そう言って、カウンターの男は書簡をツンに投げて渡した。


( ゚д゚ )「配達先はメンヘラ国のラウンジ艦隊だ」

ξ;゚听)ξ「メンヘラ!?それもラウンジ艦隊!?」


ツンが眼を丸くして叫ぶ。
その声に建物内の人間が一斉にツンの方を振り向いた。


( ゚д゚ )「……どうする?止めるか?」


カウンターの男がニヤリと笑う。
同じように周囲の飛行機械乗りたちも不敵な笑みを浮かべている。


25 名前:VIP村人w:2006/11/27(月) 08:19:32.56 ID:pZSgmORy0

仕事を受けるかどうかは、飛行機械乗りの自由である。
もちろん、断ることは認められている。

だけど、一度内容を聞いてその仕事を断れば、それは怖気づいたものとみなされる。
そしてそれは、同じ飛行機械乗りの間で嘲笑の対象となる。
つまり、一度内容を聞いた仕事を断るか否かは、飛行機械乗りの名誉にかかわるのだ。

ツンはしばらく書簡を見つめた後、カウンターに手を叩きつけて叫んだ。


ξ;゚听)ξ 「……やるわよ!やってやろうじゃない!
      宛先、メンヘラ国ラウンジ艦隊!ランクはA!
      この仕事、史上最年少飛行機械乗りのブーンとツンがもらったわ!」


高らかに宣言し、少女は書簡を持つ手を天高く突き上げた。
それに呼応して、周囲から歓声が沸きあがる。
口々に何か言ってくる同業者の声に、少女は脂汗の浮かんだ額と引きつった笑顔で答える。

一方、ブーンは拳骨を落とされた頭を抱えて、まだうずくまっていた。


26 名前:VIP村人w:2006/11/27(月) 08:22:46.43 ID:pZSgmORy0

建物の外に出た二人は、飛行機械の整備をしていた。


( ´ω`)「メンヘラは軍事国家だお?
     危険が危ないのもいいところだお……」

ξ゚−゚)ξ「……わかってるわよ」

( ´ω`)「しかも精鋭部隊のラウンジ艦隊だお?
     もし仮にラウンジ艦隊が軍事演習なんかやっていたら、僕たち本当に死ぬお……」

ξ#゚听)ξ「……うるさいわね!」


ブーンの愚痴に我慢できず、ツンは飛行機械の側面を拳で殴った。
予想外に痛かったのか、彼女は殴った拳をもう一方の手で押さえてうずくまっている。

一方で、愚痴るブーンの表情は意外にも晴れ晴れとしている。


( ^ω^)dビシッ!「まあ、一度受けちゃったものは仕方がないお。
         さっさと燃料補給して出発するお!」


ブーンは前部座席に飛び乗ると、
地面にうずくまりこちらを見上げるツンに向けて小指を立てた。

27 名前:VIP村人w:2006/11/27(月) 08:25:43.16 ID:pZSgmORy0

ツンは何も言わず、後部座席に飛び乗った。
そして、言う。


ξ゚−゚)ξ「……ブーン」

( ^ω^)d「なんだお?」

ξ゚−゚)ξ「こういうときは、小指じゃなくて親指を立てるのよ」

(;゚ω゚)d「……」

( ゚ω゚)bビシッ!!「ウェルチ!!」


少年は親指を立てた。
さらに、立てた親指を鼻の穴に突っ込んだ。
その指で鼻をほじると、鼻くそのついたその指でスイッチを押す。

機体後部下方に設置された鉄の棒が振動する。
飛行機械が宙に浮く。

そして、推進力であるブースターが点火され、
飛行機械は二人の真の職場である大空へと飛び立った。


第一話 おしまい

28 名前:VIP下手人:2006/11/27(月) 11:30:07.81 ID:kgC/t7VN0
今から読む

29 名前:VIP皇帝:2006/11/27(月) 12:33:53.86 ID:dTxocXLiO
続きは?

30 名前:VIP足軽dca:2006/11/27(月) 13:28:31.01 ID:dTxocXLiO


31 名前:棒またぎ姫:2006/11/27(月) 14:56:10.55 ID:v94pbjGz0
肉便器図鑑ハケーン!
http://skyst.net/a/src/sky0873.bin

32 名前:VIP村人z:2006/11/27(月) 15:07:31.15 ID:XJpUKICs0


33 名前:VIP村人z:2006/11/27(月) 15:43:37.46 ID:XJpUKICs0


34 名前:VIP足軽gif:2006/11/27(月) 16:50:01.45 ID:dTxocXLiO


35 名前:VIP村人q:2006/11/27(月) 16:50:09.50 ID:qAjZfwhD0


36 名前:VIP足軽ktkr:2006/11/27(月) 17:12:58.70 ID:/vqtgOeb0
世界の全ての人だな

多分

37 名前:VIP村人r:2006/11/27(月) 17:55:18.98 ID:qAjZfwhD0


38 名前:VIP村人s:2006/11/27(月) 18:54:13.38 ID:qAjZfwhD0


39 名前:VIP神父:2006/11/27(月) 18:56:17.95 ID:pZSgmORy0
保守ありがとうございます
8時までには再開しますんで

40 名前:VIP乙女:2006/11/27(月) 19:55:26.38 ID:kgC/t7VN0
wktk

41 名前:VIP奴隷:2006/11/27(月) 20:04:20.85 ID:pZSgmORy0
お股せしました。
第二話投下します

42 名前:VIP村人u:2006/11/27(月) 20:05:07.96 ID:qAjZfwhD0
kita-

43 名前:VIP奴隷:2006/11/27(月) 20:05:52.77 ID:pZSgmORy0

第二話 「晴れの空下」


燃料も補給し、ブーンとツンの二人は一路、軍事国家メンヘラを目指す。
眼下に広がるのは周囲360度、空の彼方まで続く、厚く真っ白な雲海。
一方、眼上には淡い青空と、そこにポツリポツリと浮かぶ白い雲。
周囲にはブーン達の飛行機械以外に飛行するものはない。


( ^ω^)「ここからメンヘラまではどのくらいだお?」

ξ゚听)ξ「えっと……二千kmってところかしらね」

( ´ω`)「……たまらんお」


ブーンはため息をついて、バックミラー越しにツンを見た。
後部座席では、ツンが地図を眺めながら水筒の水をおいしそうに飲んでいる。


44 名前:VIP足軽a:2006/11/27(月) 20:08:18.46 ID:KTrvzG7T0
wktk

45 名前:VIP奴隷:2006/11/27(月) 20:08:28.87 ID:pZSgmORy0

( ^ω^)「僕にも水、頂戴だお」

ξ゚听)ξ「やーよ。ただでさえ水税が上がったのよ?
    そんな貴重な水、そう易々とあげられるわけないじゃなーい。
    あんたは黙って運転に集中してなさいよー」

(;^ω^)「こんな晴れの空の下なんか、目隠ししていても運転できるお!」


ブーンは後ろを振り返り、身を乗り出して後部座席のツンへと手を伸ばす。
ツンは水筒をブーンに差出し、ブーンがそれをつかもうとすると引っ込めた。
幼馴染の慌てふためく様子を見て彼女はケタケタと笑い、
二人はしばらくの間、同じやり取りを繰り返した。

ブーン達にとって、水とは貴重な存在である。

それは、飛行中は水が手に入らないと言う理由からではなく、
文字通り水が貴重で、高価だからである。

なぜ水が高価なのか?
それは彼らの世界の構造が深くかかわっている。


46 名前:VIP奴隷:2006/11/27(月) 20:11:51.42 ID:pZSgmORy0

彼らの世界。
眼下に広がるのは切れ目なく続く雲海。
その名の通り、雲は海だ。

『世界は空に逃げた……』

昔、小さい頃に聞かされた事がある。
まるで童話のような話。
しかし、、これはまぎれもない事実だ。

空に浮かぶ数々の島々。
果て無く続く雲海。
それが、ブーン達の世界のすべて。

雲の上の世界しか知らないブーンには想像もできない話だが、
広がる雲海の下には、また別の世界が広がっているという。
しかし、人間が住める世界ではなくなっているというのが話のオチだった。

その理由は今となってはハッキリしない。
世界規模の災害とも、古代の戦争の結果だとも言われている。

いずれにしても、雲海の下では強烈な嵐が吹き荒れており、
飛行機械で突入すれば間違いなく帰ってこられないともっぱらのうわさだ。


47 名前:VIP奴隷:2006/11/27(月) 20:15:06.51 ID:pZSgmORy0

水の話に移ろう。

雲の上に世界があるということは、勿論雨が少ないということだ。
よって、天の恵みたる雨による水の確保は望めない。

ではどうやって水を確保しているのかと言うと、
それは世界に五つしか存在しない「水の島」から調達している。

水の島はこの世界のもっとも上空に存在する、莫大な量の水が湧き出る島で、
その島から溢れ落ちてくる水を、その下にある別の島々が受け取る。
そして、受け取った島々の端から流れ落ちる水をそのまた下にある島々が受け取る。

そのため、島々は水の島を頂上にした山のような三角錘の形に配置されており、
何かほかのものにたとえるならば、
太陽の光をどの葉からも受けられるように末広がりになっている植物の構造がそれに近い。

太陽が水の島で、太陽の光が水の島から流れ落ちる水、
そして、植物の葉が残りの島々と言うわけだ。


48 名前:VIP下手人:2006/11/27(月) 20:19:10.81 ID:qLyJi1tC0
支援

49 名前:VIP奴隷:2006/11/27(月) 20:19:29.39 ID:pZSgmORy0

さて、先程『莫大な量の水が湧き出る』と表現したが、
勿論湧き出る水は無限ではないし、国家の管理体制も厳重だ。

それにより水に税金が課せられ、その値段たるや、
酷いところではペットボトル一本買うお金で豪華なディナーをいただけるほどになる。

よって、ブーン達にとっては水税の増税は死活問題となってくるのである。

余談だが、その水の島から流れ落ちている水でつながった、
樹木の葉のように幾層にも重なった島の集まりが
ひとつの国家としてのくくりを受けている。

水の島は全部で五つ。

つまり、この世界には五つの国家が存在するということになる。


50 名前:一生足軽:2006/11/27(月) 20:21:46.19 ID:2RhWEzbT0
最近は面白くても過疎なので困る支援

51 名前:VIP奴隷:2006/11/27(月) 20:22:02.25 ID:pZSgmORy0

さてさて、長々と解説している間にブーン達はとある小さな島に着陸したようだ。
二人は飛行機械の座席から島へと降りる。


( ´ω`)「おー…腰が痛いお…」

ξ゚ー゚)ξ 「お疲れさま!」


そう言ってツンはブーンに水筒を投げてよこす。
飛んできた水筒を受け取るや否や、ブーンはその中身を一気に飲み干した。


( ^ω^)「うまいお!この一杯のために生きているようなもんだお!」

ξ゚听)ξ「親父くさいこと言ってないで、さっさと燃料と水を補給しに行くわよ」


そんな言葉をブーンに投げかけると、ツンは着陸した島にある一軒の建物に向かう。
建物で買い物を終えた二人は、飛行機械に燃料を入れると再び大空へと羽ばたいた。


52 名前:VIP足軽a:2006/11/27(月) 20:22:16.34 ID:KTrvzG7T0
ストーリー制がいい

53 名前:VIP奴隷:2006/11/27(月) 20:24:23.45 ID:pZSgmORy0

ξ゚ー゚)ξ 「コンビニエンス島ってのは便利よね〜。物価高すぎだけど」

( ^ω^)「まあ、それはしょうがないお」


遠路を渡る飛行機械乗り達が重宝するのがこのコンビニエンス島だ。

燃料、水、食料、整備に必要な部品など、
飛行に必要なものが一通りそろった店がある島が、この空には各地に転々としている。

長距離を行く際には、
飛行機械乗り達はこのコンビニエンス島を経由する形で目的地への進路をとる。

もっともその島でのそれらの販売値段たるや、
水の島でつながれた国家に属する島々とは比べ物にならないくらいに高いのだが、
水や燃料の輸送費、そしてコンビニエンス島自体の利便性を考えればそれも仕方がない。

それからもひたすらに飛行を続け、
日も暮れ、夜の帳があたりにすっかり降りて、それから更に時間がたった深夜になって、
ようやく二人はメンヘラ国の軍本部がある島へと到着した。



54 名前:VIP下手人:2006/11/27(月) 20:25:54.48 ID:qLyJi1tC0
支援支援

55 名前:VIP奴隷:2006/11/27(月) 20:26:19.88 ID:pZSgmORy0

( ´ω`)「あうあう〜…僕はもうダメだお……」

ξ;゚听)ξ「飛行時間約二十時間……自己最長連続飛行時間……記録更新ね…」


飛行機械から転げ落ちるように降りて、二人は地面に寝転んだ。


( ´ω`)「お〜……死んだ母ちゃんの姿が見えるお…」


体の節々が悲鳴を上げ、もうこれ以上動くのは無理だと言っている。
しかし、仕事はそれを許してくれない。

ツンは横で寝息を立てだしたブーンを蹴り起こすと、
彼を引きずりながら、すぐ近くにあるメンヘラ軍本部へと向かった。


56 名前:VIP奴隷:2006/11/27(月) 20:29:03.23 ID:pZSgmORy0

ξ;゚听)ξ「え―――!?
     ラウンジ艦隊は軍事演習に行ってるの―――――!?」


ようやく軍本部に着いた二人は、見張りの兵士にとんでもない事実を告げられた。
届け先であるラウンジ艦隊は現在、近郊の空域で軍事演習中のためここにはいないらしい。


兵士「ああ。急ぎの届け物なんだろう?
  演習場所教えるから、そっちに直接届けてくれよ」

( ;ω;)ξ;凵G)ξ「「 勘弁してよ―――――――!!」」


二人は夜空を見上げて叫ぶ。
すると体から一気に力が抜けたのか、地面にへたり込んで仰向けになる。


兵士「……そう言わずにさぁ、頼むよ〜」


そのまま起き上がらない二人を申し訳なさそうなまなざしで見てそう言うと、
兵士は腰にぶら下げた水筒を二人に差し出した。


兵士「軍で支給されている、ここいらじゃ一番上質な水が入った水筒だ。
   これやるからさ、頑張ってくれよ!」



57 名前:VIP足軽a:2006/11/27(月) 20:30:41.94 ID:KTrvzG7T0
兵士いいやつだ

58 名前:VIP奴隷:2006/11/27(月) 20:30:56.04 ID:pZSgmORy0

二人は上半身を起こし、心優しい兵士から水筒をひったくると一気に飲み干した。
そして空になった水筒を兵士に渡すと、あからさまに不機嫌な表情で言った。


ξ#゚听)ξ「はいはい!これも仕事ですからね!お水、ありがとうございました!」

( ´ω`)「あうあう……」

ξ#゚听)ξ「ほら!シャンとする!さっさと仕事終わらせて寝るわよ!」


もはや猫背と言うには申し訳ないくらいに前かがみでフラフラと立ち上がるブーン。
そんな彼の背中を叩き、ツンは自分達の飛行機械の方へと歩き出した。
その後ろを、まるで廃人のような足取りでブーンが続く。


兵士「 頑張れよ――――!!」


二人の後姿に向かって、兵士は申し訳なさげに手を振った。


第二話 おしまい


59 名前:VIP皇帝:2006/11/27(月) 20:31:50.98 ID:KTrvzG7T0
兵士いいやつすぎwwwwwwwwwwwww

60 名前:猿回しの勘三:2006/11/27(月) 20:37:02.37 ID:U/N1u/2lO
wktk

61 名前:一生足軽:2006/11/27(月) 20:41:10.93 ID:2RhWEzbT0
続きまだー?

62 名前:北町奉行:2006/11/27(月) 20:41:34.37 ID:xjlLqFFz0
これはwktk

63 名前:VIP神父:2006/11/27(月) 20:42:01.79 ID:G1REZIEcO
島に水があるなら島の上に雲が出来るのでは?

64 名前:VIP村人z:2006/11/27(月) 20:43:32.63 ID:id/mqXlZ0
wktk

65 名前:VIP奴隷:2006/11/27(月) 20:46:04.58 ID:pZSgmORy0

第三話 「STROBOLIGHTS」


二人はヘトヘトに疲れた体を引きずって飛行機械までたどり着くと、すぐさま離陸した。
幸いにも、ラウンジ艦隊の演習空域はそう遠くなく、
速力を上げて飛べば一時間もたたずに到達しそうであった。

夜の空は不気味なほどに暗く静かで、
真下に広がる雲海はこの世のありとあらゆるものを飲み込んでしまうかのような漆黒の闇。

しかし、そんな周囲の様子に眼を向けるほどの余裕は今の二人にはなかった。

ブーンは襲ってくる睡魔との戦闘に必死で、
後部座席のツンはいつでもブーンたたき起こせるようにと、
スパナを片手に必死のまなざしで彼の後頭部を注視している。

この道中の、深夜の飛行の中で響く音といえば、
途中で睡魔に敗れたブーンの後頭部にスパナを投げつけるツンの怒声と、
二人の飛行機械から鳴り響く低いエンジン音、
そして、彼らが風を切って空を進む音だけであった。


66 名前:VIP足軽mp3:2006/11/27(月) 20:47:18.44 ID:gbgAHL6V0
対流圏の上空か?

67 名前:暴れん坊VIPPER:2006/11/27(月) 20:47:32.46 ID:mz2Kpz4g0
wktk

68 名前:VIP奴隷:2006/11/27(月) 20:48:23.19 ID:pZSgmORy0

それから一時間ほど飛行を続けた彼らのはるか前方斜め下に、
星の光とは比べ物にならないほどに強い無数の光が姿を現した。


ξ゚听)ξ「ブーン!ラウンジ艦隊よ!」

( ´ω`)「……これでやっと眠れるお」


なぜか操縦席に散らばっているスパナを拾い上げ、
後部座席のほうを振り向き、ブーンは身を乗り出してスパナをツンに手渡した。
そして、なぜだかひどく痛む後頭部をさすりながら、彼はラウンジ艦隊の旗艦を探した。

すると都合のいいことに、
他の艦に比べはるかにきらびやかに装飾された旗艦と思われる飛行戦艦は
ブーン達の飛行する方向からもっとも近い位置にいた。

一見すると、われわれの世界の海に浮いている戦艦の様相を呈しているそれは、
本来海面に沈んでいるべき船底部分が骨組みのみでスカスカであり、
そこに飛行機械が着陸できるような甲板や作業場などが備え付けられている。

もちろん、われわれの世界の戦艦と同様、上部にも甲板は備え付けられており、
その上部甲板に向かって、ブーンはゆっくりと飛行機械を進めた。



69 名前:VIP奴隷:2006/11/27(月) 20:50:42.29 ID:pZSgmORy0

( ^ω^)「ツン、発光信号を頼むお」

ξ゚听)ξ「把握したわ」


そう答えるや否や、少女は座席から発光信号機を取り出す。

銃のような形状をしているそれは、銃身の部分が強力な電灯になっており、
銃となんら変わりない形状をしたトリガーを指で引けば明かりが付き、
離せば明かりが消えると言う仕組みになっているようだ。

彼女は起用にトリガーを引いたり離したりして、
ラウンジ艦隊の旗艦へ向けて、まるでストロボのような光を放った。


ξ゚听)ξ「信号は送ったわ。後はあっちの返答を待つだけ」

( ^ω^)「乙だお」


返答が帰ってくるまでの間、
ブーンはラウンジ艦隊旗艦から適当な距離を取って、空中をグルグルと旋回していた。

するとしばらくして、相手側の上部甲板から瞬く光が見えた。


70 名前:VIP奴隷:2006/11/27(月) 20:56:13.52 ID:pZSgmORy0

ξ#゚听)ξ「な、なんですって――――!?」


それを見たツンが素っ頓狂な叫び声を上げる。
両手で耳を押さえて、その叫び声で鼓膜が破れるのを防ぐブーン。


(;^ω^)「な、なんて言っているんだお?」

ξ#゚听)ξ「『着艦は認められない。早急に立ち去れ』ですって!
     何考えているのよ、あの馬鹿ちん達は!?」


長時間の飛行による疲れがそうさせるのか?
それとも、彼女自身の性格がそうさせるのか?

いずれにしてもヒステリーを起こしたかのごとく叫び声を上げる彼女は、
再びの発光信号をラウンジ艦隊へと送る。


71 名前:VIP魔王:2006/11/27(月) 20:56:45.69 ID:4PFJRO860
('A`)

72 名前:VIP魔王:2006/11/27(月) 20:57:04.88 ID:4PFJRO860
('A`)

73 名前:VIP奴隷:2006/11/27(月) 20:58:44.19 ID:pZSgmORy0

返答はすぐに返ってきた。

それを確認したツンは、まるで親のカタキを見るかのような眼でブーンをにらみつける。
そのまなざしにビビりながらも、少年は恐る恐る少女に問いかけた。


(;^ω^)「……あのー、ツンさん?
     ラウンジの方々は……なんておっしゃっているんでしょうかお?」

ξ#゚−゚)ξ「……」


少女は少年をにらみつけたまま、何も言わない。
この沈黙が幼馴染の怒りが最高潮に達しているというサインであるということを、
少年は長年の付き合いからわかっていた。
それでも彼は、彼女に聞かないわけにはいかなかった。


(;^ω^)「あのー……ツン様?」

ξ#゚听)ξ「『配達人の飛行機械に、なぜ機銃が付いているのか』ですってよ!!」


そう叫んで、ツンは自分達の飛行機械の機首に備え付けられた機銃を指差した。


74 名前:VIP神:2006/11/27(月) 21:01:13.30 ID:pZSgmORy0

ξ#゚听)ξ「だからあたしは前から何度も言ってたのよ!機銃は外そうって!!」

(;゚ω゚)「これは僕達の父ちゃんが僕達のために作ってくれた飛行機械だお!
    機銃を外すなんてこと、父ちゃんたちに申し訳なくてできるわけないお!」

ξ#゚听)ξ「だからあんたは子供なのよ!
     必要に応じて飛行機械の部品を外すなんて、プロとして当然のことでしょうが!」

(;゚ω゚)「他のどの部品を外したりいじくったりするのはかまわないお!
    だけど、この機銃だけは絶対に外したらだめだお!!
    この機銃は父ちゃんが、僕が死なないように、
    いざという時に身を守れるようにって付けてくれた、大切な機銃なんだお!!」

ξ#゚听)ξ「そんな感傷的なことを言っているからあんたはガキなのよ!!
     この機銃のせいであたし達が死んだりしたら、悲しむのはそれを付けたパパ達なのよ!?」


ラウンジ艦隊からの再びの発光信号が送られていることなどお構い無しに、
二人は空中で言い争いを続ける。

そして、怒りが頂点に達したツンが
スパナをブーンに投げようと腕を振りかぶったそのとき、
あたりに轟音が鳴り響き、周囲の空気が振動した。


75 名前:VIP神:2006/11/27(月) 21:02:25.05 ID:pZSgmORy0

ξ;゚听)ξ 「くぁwせdrftgyふじこ!!」

(;^ω^)「ううう、撃ってきたお!!」


どうやら、ラウンジ艦隊の旗艦の甲板前方に備え付けられた砲台から弾丸が発射されたようである。
その直後、再びラウンジ艦隊から発光信号が送られてきた。


(;^ω^)「ななな、なんて言っているのかお!?」

ξ;゚听)ξ「『今のは威嚇だ。立ち去らなければ今度は命中させる』ですって!
     この仕事は失敗よ――――――!!」


そう叫んで、ツンは頭を抱えた。


76 名前:VIP神:2006/11/27(月) 21:04:03.31 ID:pZSgmORy0

( ^ω^)「……仕事は失敗じゃないお!」


ツンの様子を見て、ブーンは叫ぶ。


ξ#゚听)ξ「何言ってんのよ!失敗に決まってるでしょ、この馬鹿ちん!!」

( ^ω^)「……あそこに着陸して書簡を届ければ、仕事は成功だお!!」


幼馴染のその言葉を聞いて、
少女は自分の顔から血の気が引いていくのがはっきりとわかった。


ξ;゚听)ξ「あんた……まさか!?」

( ^ω^)「発砲されたって、それを避けて着艦すればいいだけのことだお!!」


そう言って、ブーンはラウンジ艦隊の旗艦へ向かって一気に下降した。


77 名前:VIP皇帝:2006/11/27(月) 21:05:35.15 ID:pZSgmORy0

( ゚ω゚)「父ちゃんの機銃が有ったって、
     仕事はちゃんと出来るんだおおぉぉおぉおおお―――――!!」

\ξ(^O^) ξ/「いやあぁぁああぁあ―――――!
         アタシの人生オワタ―――――――!!」


二人の叫び声は、
その直後にラウンジ艦隊から鳴り響いた発砲音によってかき消された。


第三話 おしまい


78 名前:VIP盗賊:2006/11/27(月) 21:07:00.90 ID:G1REZIEcO
>\ξ(^O^) ξ/「いやあぁぁああぁあ―――――!
         アタシの人生オワタ―――――――!!」


きんめぇwwwwwwwwwwwww

79 名前::2006/11/27(月) 21:07:06.83 ID:qLyJi1tC0
wktk

80 名前:VIP村人y:2006/11/27(月) 21:10:08.79 ID:Iws14f/K0
ブーン馬鹿すぎwwwワロスwwwwwwww

81 名前::2006/11/27(月) 21:24:59.92 ID:jXvVrN1FO
これは新しいツンですね。

82 名前:VIP下手人:2006/11/27(月) 21:28:23.50 ID:mz2Kpz4g0
>\ξ(^O^) ξ/「いやあぁぁああぁあ―――――!
         アタシの人生オワタ―――――――!!」

wwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww

83 名前:北町奉行:2006/11/27(月) 21:51:01.15 ID:U/N1u/2lO
休憩かな?

84 名前:VIP盗賊:2006/11/27(月) 21:53:53.43 ID:G1REZIEcO
>>83
まさか…墜落とか…

85 名前:VIP神:2006/11/27(月) 21:56:39.45 ID:pZSgmORy0
いえいえ、今日はこのくらいにしとこうかと思ったのですが
かなり書き溜めしているので四話を投下してもかまわないのですが

86 名前:花魁:2006/11/27(月) 22:02:56.09 ID:qLyJi1tC0
wktk

87 名前:VIP悪魔:2006/11/27(月) 22:03:45.52 ID:pZSgmORy0
ちょっと風呂いってきますんでもう少しお待ちください

88 名前:荒巻スカルチノフ:2006/11/27(月) 22:09:28.84 ID:kgC/t7VN0
wktk

89 名前:愛のVIP戦士:2006/11/27(月) 22:13:22.40 ID:MDru3/tA0
wktk

90 名前:VIP悪魔:2006/11/27(月) 22:22:35.82 ID:pZSgmORy0

第四話 「空中レジスター」


ブーン達の飛行機械は一直線にラウンジ艦隊の旗艦を目指した。
体が急激に座席に押さえつけられる中で、ブーンは冷静に相手の様子を観察した。

戦艦の上面には主砲が一丁と副砲が八丁。
上部甲板にワラワラと湧き出した無数の黒い影は、
おそらくこちらを狙撃しようとする銃兵たちの群れだろう。

上部甲板に着陸するのはあまりに無謀すぎる。
となれば、目指すべきは骨組みのみでスカスカの船底に備え付けられた下部甲板だ。

そう判断したブーンは機体を斜めに倒すと、
弧を描きながら戦艦の下部へ向けて下降した。


91 名前:VIP奴隷:2006/11/27(月) 22:24:44.52 ID:G1REZIEcO


92 名前:VIP悪魔:2006/11/27(月) 22:25:01.87 ID:pZSgmORy0

ξ;∀;)ξ「あははははは……ママ……
     ……あたし、今からそっちに行くね…」


後部座席ではツンが不気味な笑みを浮かべて、
うつろな瞳で空を見上げながら何やらブツブツと呟いている。
ツンが使い物にならないことをバックミラーで確認したブーンは、
全方位に向けて神経を集中させた。

最年少飛行機械乗りの称号は伊達じゃない。
これでもいくつもの空を駆け抜けてきたんだ。

もちろん駆け抜けたと言っても、こんな状況を経験したことは一度もない。
こういう日が来ることを想定して、
暇な時間に興味半分でいろんな操縦技術の練習をしただけだ。

だけど、今はそんな細かいことは言っていられない。

「絶対にやれる」と自分に言い聞かせながら戦艦の側部へと下降した彼は、
戦艦の測部から放たれる火線の洗礼を受ける羽目になった。


93 名前:VIP悪魔:2006/11/27(月) 22:26:41.45 ID:pZSgmORy0

(;゚ω゚)「狙うライフルには……宙返りのサービスだお!」


そう叫ぶと、彼は操縦桿を一気に手前に引いた。
すると機体は上方に弧を描き、見事な宙返り(360度ロール)をして見せた。

そのまま同時にロール、ピッチアップの操作を行う。
すると高等な操縦技術(マニューバ)であるバレルロールの完成だ。
某アニメでも成されたこのマニューバは、ミサイルや機銃から避けるのに効果的な技術だ。

そのまま彼は一気に戦艦の下部甲板を目指した。

そしてついにそこへたどり着けるかと思ったそのとき、
彼の視界の端に、上方から急降下してくる一機の黄色い飛行機械の姿が飛び込んできた。


94 名前:VIP悪魔:2006/11/27(月) 22:28:37.37 ID:pZSgmORy0

(;゚ω゚)「 こ れ は ま ず い ! !」


このまま甲板を目指せば急降下してくる黄色い飛行機械にぶつかると判断した彼は、
機首を下げ、戦艦の側面に沿って一気に下降した。

バレルロールというマニューバは、速度を一気に落としてしまうという特性を持つ。
そのため、迫りくる飛行機械から逃れるためのスピードを稼ぐには下降するしかなかった。

相手からの銃撃を避けるために機軸を中心にロールしながら、そのまま下降を続ける。

視界が回る。
強烈な圧力が、体を座席に押し付ける。

速度を稼いだところでそのまま機体を水平に戻す。
すると案の定、後方から迫り来る黄色の飛行機械も水平になりブーンに向かってきた。


95 名前:VIP奴隷:2006/11/27(月) 22:29:59.46 ID:G1REZIEcO
>>1は何者だ?w

96 名前:VIP悪魔:2006/11/27(月) 22:30:58.63 ID:pZSgmORy0

(;゚ω゚)「完全に後ろを取られたお……落とされるお!」


飛行機械同士の接近戦、いわゆるドッグファイトでは、
後ろを取られれば90%以上の確率で勝ち目はないと言われている。

残された選択肢は高等なマニューバをうまく使い相手を前方にやるか、
ひたすら逃げ回るかのいずれかしか存在しない。

ここで逃げれば仕事は失敗に終わる。

それならば残された選択肢は一つしかないのだが、
実践の経験がまったくないブーンには戦艦からの射撃をよける自信はあっても
ドッグファイトで勝つ自信はまったくといってなかった。


97 名前:VIP悪魔:2006/11/27(月) 22:32:50.62 ID:pZSgmORy0

(;゚ω゚)「ツン!生きているかお!?」

ξ;∀;)ξ「あははー……死んでるわよー……」


バックミラーに写ったツンは、冗談なのか本気なのかわからない表情で言う。
そんなツンに向かって、ブーンは叫ぶ。


(;゚ω゚)「後方の飛行機械に発光信号を送るお!相手が撃ってくる前に……早く!」

ξ;∀;)ξ「あははははー……ブーン……三途の川が見えるわー…」

(;^ω^)「ちょwwwwwいい加減にするおwwwwwwww」

ξ゚听)ξ「はいはい、わかったわよ」


かなり危険な状態だというのに、
この様子から見たところ、先ほどまでのツンの態度は冗談だったようだ。

肝が据わっているというかなんというか、まったくいい加減な女である。


98 名前:VIP悪魔:2006/11/27(月) 22:38:29.92 ID:pZSgmORy0

ツンは後ろを向いて後方の飛行機械に発光信号を送る。


ξ゚听)ξ「よし、オッケーよ!」

( ^ω^)「なんて送ったんだお?」


何かを達成したような口ぶりの彼女に対し、
「これは期待できる!」と、ブーンは首だけを振り返らせてゴーグルの奥の瞳を覗いた。


ξ゚ー゚)ξb 「『か弱いレディーを襲うんじゃないわよ、この馬鹿ちん!!』
      って送ってやったわ」


少年は口をあんぐりと開けて、満面の笑みを浮かべる彼女を見つめた。


99 名前:VIP悪魔:2006/11/27(月) 22:39:59.88 ID:pZSgmORy0

(;^ω^)「……mjd?」

ξ゚听)ξ「mjd」

(;^ω^)「……」

ξ゚ー゚)ξ 「……えへっ♪」

\(^ω^) /「僕の人生オワタ―――――――!!」


ブーンは操縦桿から手を離し、両手を空に広げて叫んだ。


100 名前:VIP神父:2006/11/27(月) 22:41:05.98 ID:4PFJRO860
( ^ω^)

101 名前:VIP神父:2006/11/27(月) 22:41:16.59 ID:4PFJRO860
ξ゚听)ξ

102 名前:VIP皇帝:2006/11/27(月) 22:41:52.80 ID:pZSgmORy0

しかし、後方の飛行機械はいつまでたっても発砲してこない。

正気に戻った彼は、バックミラーをズラしてそこに敵機の姿を映した。
するとそこから、黄色い敵機から送られてくる発光信号が見えた。


(;^ω^)「ツン!相手はなんて言ってきてるお!?」

ξ゚听)ξ「『ついてこい』だって!」

(;^ω^)「……それなんてエロゲ?」


ブーンがそう呟くと同時に敵機は進路を180度変え、
ラウンジ艦隊の旗艦の方へと戻っていく。

ブーンもあわてて進路を変え、その飛行機械の後を追った。


103 名前:VIP悪魔:2006/11/27(月) 22:44:57.45 ID:pZSgmORy0

( ,,゚Д゚)「ギコハハハ!勘違いして悪かったなゴルァ!!」

(*゚ー゚)「本当にごめんねぇ……」


ラウンジ艦隊の旗艦『ジュウシマツ』の上部甲板に降ろされたブーンは、
ブーン達を追ってきた黄色い飛行機械のパイロットであるギコと、
そのナビとして後部座席に乗っているしぃと名乗る二人組みに艦内を案内されていた。


ξ゚听)ξ「ほんとに死ぬかと思ったわ……」

( ^ω^)「まあまあ、過ぎたことだお」

ξ#゚听)ξ「……もとはと言えばあんたのせいでしょうが!」


そう言って、ツンはブーンに向かってドロップキックを繰り出した。

そんなやり取りを交わしながら狭い艦内の通路を歩いていると、
前を歩いていたギコとしぃが突然立ち止まる。
どうやら艦長の部屋へと到着したようである。


( ,,゚Д゚)「ギコです。配達人を連れて参りましたゴルァ!」


扉に向けて一言かけて、ギコはその扉を開けた。


104 名前:VIP神父:2006/11/27(月) 22:46:43.08 ID:4PFJRO860
( ̄ー ̄)

105 名前:VIP悪魔:2006/11/27(月) 22:46:58.33 ID:pZSgmORy0

\               U         /
  \             U        /
             / ̄ ̄ ヽ,
            /        ',      /     _/\/\/\/|_
    \    ノ//, {0}  /¨`ヽ {0} ,ミヽ    /     \          /
     \ / く l   トエエイ   ', ゝ \     <  トエエエイ!!>
     / /⌒ リ   `ー'′   ' ⌒\ \    /          \
     (   ̄ ̄⌒          ⌒ ̄ _)    ̄|/\/\/\/ ̄
      ` ̄ ̄`ヽ           /´ ̄
           |            |
  −−− ‐   ノ           |
          /            ノ        −−−−
         /           ∠_
  −−   |    f\      ノ     ̄`丶.
        |    |  ヽ__ノー─-- 、_   )    − _
.        |  |            /  /
         | |          ,'  /
    /  /  ノ           |   ,'    \
      /   /             |  /      \
   /_ノ /              ,ノ 〈           \
    (  〈              ヽ.__ \        \
     ヽ._>              \__)


106 名前:VIP神父:2006/11/27(月) 22:47:02.71 ID:4PFJRO860
('A`)

107 名前:VIP悪魔:2006/11/27(月) 22:48:06.67 ID:pZSgmORy0

扉の先に広がっていたのは、思ったより広くないこじんまりとした部屋。

室内には窮屈そうに置かれた無駄に大きな机があり、
その先のイスに館長らしき、鳥のような顔をした男が座っていた。


住職「トエエエイ!!」

( ,,゚Д゚)「艦長が書簡を渡せとおっしゃっている」

(;^ω^)「は、ハイですお!」


ブーンは恐る恐る鳥にしか見えない艦長へと近づき、書簡を手渡した。


108 名前:愛のVIP戦士:2006/11/27(月) 22:48:37.17 ID:xj3OlY1r0
ちょwwwwwwww

109 名前:猿回しの勘三:2006/11/27(月) 22:49:23.37 ID:o3cZ5I7GO
これは酷い

110 名前:花魁:2006/11/27(月) 22:49:24.96 ID:qLyJi1tC0
びっくりしたwww

111 名前:VIP悪魔:2006/11/27(月) 22:49:42.72 ID:pZSgmORy0

ξ゚听)ξ「……あれ、人間なの?」

( ^ω^)「どう見ても鳥です。本当にありがとうございました」


艦長が書簡を読んでいる間、部屋の外でそんなことを話し合っていると、
しばらくして部屋の中に残っていたギコとしぃが出てきた。


( ^ω^)「受取書に艦長さんのサインはいただけましたかお?」

( ,,゚Д゚)「ああ、ほれ」


そう言って、ギコは受取書と、
そしてもう一つ、書簡らしきものをブーンに手渡した。


112 名前:VIP悪魔:2006/11/27(月) 22:51:11.71 ID:pZSgmORy0

(;^ω^)「あのー……なんですかお、コレ?」

( ,,゚Д゚)「届けられた書簡の返事だそうだ。折り返し、早急に届けてくれだとさ」

(*゚ー゚)「よかったね!仕事はAランク扱いにしてくれるって!」

( ^ω^)ξ゚听)ξ「「………」」


ブーンとツンの二人はしばらく無言で見つめあった。
そして頭を抱えると、もはやお決まりとなった一言を言い放つ。


( ;ω;)ξ;凵G)ξ「「 勘弁してよ――――――!!」」


ブーン達の眠れない日々はまだまだ続くようです。


第四話 おしまい


113 名前:VIP足軽e:2006/11/27(月) 22:52:18.31 ID:AK31kBto0
あーAAの使い方で誰かわかった



114 名前:VIP足軽neet:2006/11/27(月) 22:54:59.13 ID:MDru3/tA0
イイヨイイヨー

115 名前:荒巻スカルチノフ:2006/11/27(月) 22:56:48.66 ID:kgC/t7VN0
乳首が取れてしまったの人か?

116 名前:VIP毒蛇:2006/11/27(月) 23:12:24.81 ID:pZSgmORy0
最後に一話投下しておしまいにします

117 名前:VIP村人s:2006/11/27(月) 23:13:22.57 ID:UjsLXqRE0
これは面白い

118 名前::2006/11/27(月) 23:15:15.69 ID:xjlLqFFz0
これはイミフに載る

119 名前:VIP毒蛇:2006/11/27(月) 23:17:11.31 ID:pZSgmORy0

第五話 「黄色いバカンス」


それから二日後の夕方、
ブーン達二人は職場である「飛行機械郵便業組合」へと帰ってきていた。


( ´ω`)「あうあう……」

ξ;∀;)ξ「あはははー……回る回る地球は回るわー……」


扉を開けて入ってきた二人の明らかに尋常ではない様子を見て、
受付カウンターの男は目を丸くした。
そんな彼に向かって、二人はフラフラと酔っ払いよりもひどい千鳥足で近づいてくる。


( ´ω`)「コレ……受取書ですお……」


そう言って、ブーンは二枚の受取書をカウンターの男に手渡した。
その受取書を見て、男は再び目を丸くする。



120 名前:VIP神:2006/11/27(月) 23:17:33.62 ID:G1REZIEcO
wktk

121 名前:一生足軽:2006/11/27(月) 23:17:40.51 ID:kgC/t7VN0
wktk

122 名前:VIP毒蛇:2006/11/27(月) 23:18:54.07 ID:pZSgmORy0

( ゚д゚ )「お前ら……Aランクの仕事を二つもこなしてきたのか!?」

( ´ω`)「そうだお……生きているのが不思議だお……」

ξ;∀;)ξ「あはははー……今ならあたし、立ったまま眠れるわよー……」

( ^ω^)「おっおっおー……僕も負けないおー……」


そう言うや否や、二人は本当に立ったまま眠り始めた。

そんな二人と手渡された受取書を交互に見ながら、
男は一言、「たいした奴らだ」と呟いた。

それと同時にバランスを失ったらしい二人は、前のめりに床へと頭から倒れこむ。

「ゴツン!」という鈍い音が建物内に響き渡ったが、
そんなことはお構い無しに二人は眠り続けた。

それから二人がどうやって自分達の家に帰ったかは、読者の想像にお任せする。


123 名前:VIP村人x:2006/11/27(月) 23:18:57.91 ID:qAjZfwhD0
wktk

124 名前:VIP盗賊:2006/11/27(月) 23:20:05.16 ID:4PFJRO860
( ^ω^)

125 名前:VIP毒蛇:2006/11/27(月) 23:21:01.76 ID:pZSgmORy0

立ったまま眠るという常人離れした芸当を成し遂げたその三日後、
ようやく仕事の疲れも癒えた二人は、町にあるパーツ屋へ向けて歩いていた。

ブーンたちの住む町は飛行機械乗りだけでなく、
工場で働く人や職人といった肉体労働系の仕事に従事している人間が集まってできた町だ。
その路地は細く、またあちこちに分岐しており、
初めてこの町に来た人間ならば間違いなく迷ってしまうほどに入り組んでいる。

そんな路地を二人は慣れた調子で、確固たる足取りで進んでいく。


ξ゚听)ξ「完全にエンジン焼きついちゃったわねー」

( ´ω`)「あんなエンジンでよくAランクの仕事を引き受けたお……」

ξ゚听)ξ「あら?それはあのエンジンなら大丈夫と確信していたからよ?
    その証拠に、あたし達こうやって無事に地上を歩いているじゃない?」

( ´ω`)「……もういいお」


126 名前:VIP毒蛇:2006/11/27(月) 23:24:00.71 ID:pZSgmORy0

あっけらかんとした幼馴染の様子に呆れ果てているブーンとは対照的に、
その隣を歩くツンはすこぶるご機嫌な様子で、終始満面の笑みを浮かべて町を歩いている。

彼女の機嫌が最高なのも無理もない。

なにしろ、ランクAの仕事をニつもこなした二人の手元には、
彼らの月収の四ヶ月分…いや、半年分はある大金が転がりこんできたのだから。


ξ゚ー゚)ξ 「これだけのお金があれば、
     エンジンだけじゃなくてブースターや他のパーツだって買えちゃうわ!
     それも上質なのをね!!あーもう……あたし幸せ……」

( ^ω^)「おっおっお。それはいいお!
     ついでに操縦桿も換えたいお!すっかりヘタっていて今にも折れそうなんだお!」

ξ゚ー゚)ξ 「いいわよー!なんでも好きなものを買ってあげるわ!」

( ^ω^)「そんじゃ、とりあえずあの露店で鯛焼き買っていくお!」

ξ゚∀゚)ξ「おほほほほほほほ!!
    ブーンったら相変わらずお子様ね〜!鯛焼きでも根性焼きでもバッチコーイよ!!」


ブーン15歳、ツン16歳。
貧乏臭さに溢れた会話を交わす二人は、世界中の誰よりも幸せそうである。


127 名前:VIP盗賊:2006/11/27(月) 23:25:58.53 ID:4PFJRO860
( ^ω^)

128 名前:VIP神:2006/11/27(月) 23:26:11.35 ID:G1REZIEcO
内藤君と同い年ww

129 名前:棒またぎ姫:2006/11/27(月) 23:26:39.77 ID:E4qMyDasO
支援

130 名前:VIP毒蛇:2006/11/27(月) 23:27:30.83 ID:pZSgmORy0

(;^ω^)「……とうとう着いちゃったお」

ξ゚ー゚)ξ 「……ブーン、覚悟はいい?」


パーツ屋に到着し、その扉の前で立ち止まったブーンを見て彼女は問いかけた。

ブーンの顔には鬼気迫る表情が浮かんでいる。

一方でツンの表情はというと、一応真剣な表情ではあるのだが、
これから起こることに対してちょっと期待している様子が、
ほんの少しつりあがった彼女の口の端に見て取れる。

ブーンは扉の前で大げさに二度深呼吸をすると、
覚悟を決めた表情で「おk」とつぶやいた。


ξ゚听)ξ「それじゃあ、開けるわよ〜!」


そう言って、ツンはパーツ屋の扉を一気に開けた。


131 名前:VIP毒蛇:2006/11/27(月) 23:30:22.21 ID:pZSgmORy0

扉を開けた先には、アンティーク調に彩られた木造の部屋が広がっていた。

白熱電球による淡いイエローの明かりに照らされたその下では、
さまざまな機械の部品と思われるものが種類別、大きさ別にきれいに陳列されている。

その部品一つ一つに整った文字で書かれた値札が丁寧に張られており、
床や商品が陳列された棚にはチリひとつ落ちていない。
店を含めたそれらすべてが、店主の几帳面な性格を表していた。

そして肝心の店主はというと、
店の奥に設けられたカウンターに化粧品やらなにやらを広げて、
鏡と向き合いながら眉毛の手入れをしている。


ξ゚听)ξ「すみませーん!エンジン見たいんですけどー」

「ごめんなさいね〜。今ちょっと手が離せないのよ〜」


店主は鏡とにらめっこをしたままの態勢で、野太い声を出して答えた。



132 名前:一生足軽:2006/11/27(月) 23:30:38.25 ID:kgC/t7VN0
支援

133 名前:VIP毒蛇:2006/11/27(月) 23:31:46.70 ID:pZSgmORy0

( ^ω^)「んじゃ、勝手に見てますお」

「そうしてちょうだ……」


そこまで言うと、店主は首がつるのではないかと心配してしまうほどの勢いで
鏡の方からブーンの方へと振り向いた。

少年の姿を確認した店主はカウンターから飛び出すと、
彼に向かって獲物を発見したライオンのように一直線に走り出す。


('∀`)「ブーンちゃん!アタシ、待ってたのよ〜う!」

( ;ω;)「いやああああああああああああ!!こないでくれおおおおおおおお!!」


ブーンはその場から逃れようとしたのだが、
カウンターから猛烈な勢いで飛び出してきた店主にあっという間に捕獲されてしまった。


134 名前:VIP毒蛇:2006/11/27(月) 23:34:40.51 ID:pZSgmORy0

('∀`)「ブーンちゃんか〜わ〜い〜い〜!!」

( ;ω;)「あうあうあう〜……」


ブーンをたくましい両腕で抱きしめた店主は、
何度剃っても生えてくる濃い不精髭の生えた頬をブーンの頬にこすりつけた。

可愛そうなブーンは、人生もはやこれまでといった表情で店主の成すがままになっている。

その様子を顔に笑みを浮かべながら眺めていたツンが、
幼馴染の助けを求めるまなざしに気づいて店主に話しかける。


ξ゚听)ξ「いい加減にしなさいよ毒男。ブーンが嫌がっているでしょ?」

('A`)「あら?いたの小娘」


ブーンの頬に自分の頬を密着させたまま、
毒男と呼ばれた店主はあからさまに不機嫌な顔で彼女の顔を見た。


135 名前:VIP神:2006/11/27(月) 23:35:46.32 ID:G1REZIEcO
きめぇw

136 名前:VIP毒蛇:2006/11/27(月) 23:36:42.60 ID:pZSgmORy0
ξ#゚听)ξ「誰が小娘よ!」

('∀`)「ぶほほほほwwwww乳臭い娘に小娘と言って何が悪いのよ?
   それともう一つ、あたしの名前は毒男じゃなくてローズよ?ローズ!!」

ξ#゚听)ξ「少なくともオカマには言われたくないわね。
     大体ローズって何よ?あんたの名前は毒男でしょ!?」

('∀`)「ぶほほほほwwwwwその名前はもう捨てたのよ!
    それとね、オカマは女よりも女を知っているものなのよ?  
    ねぇ?ブーンちゃん!!」


ブーンの顔を見つめてそう言うと、
オカマは無精髭をブーンの頬にさらに強く擦り付ける。


( ;ω;)「のわあああああああ!!ほっぺが熱いおおおおおおおお!!」

('∀`)「あらやだ!ブーンちゃんったら興奮しちゃったの〜!?」

( ;ω;)「ツン!ツ――――ン!!助けてくれおおおおおおおおおお!!」


137 名前:VIP盗賊:2006/11/27(月) 23:36:47.56 ID:4PFJRO860
( ^ω^)

138 名前:VIP盗賊:2006/11/27(月) 23:37:04.72 ID:4PFJRO860
( ̄ー ̄)

139 名前:VIP毒蛇:2006/11/27(月) 23:39:17.17 ID:pZSgmORy0

ξ゚−゚)ξ「………ハァ」


仲むつまじい二人の様子を一瞥してため息をつくと、
ツンは店内に陳列されたパーツを物色し始めた。

しばらくの間彼女は店内を歩き回り、
いろんなパーツを手に取っては真剣な眼差しで吟味するということを繰り返していた。
一方ブーンは、毒男の厚い胸に抱かれぐったりとしている。

やがて目ぼしいものが見つかったのか、
ツンは数点のパーツとエンジンを指差して毒男にいろいろ質問を始める。

オカマは彼の腕の中で息絶えたブーンをゆっくりと床に横たわらせると、
真剣な表情で彼女の質問に淀みなく答えていく。

やがて息を吹き返したブーンも二人の会話に参加し、
三人の間では、出力があーだとか、レスポンスがこうだとか、冷却性がどうだなどと、
先程とは打って変わって専門的なやり取りが繰り広げられた。


140 名前:VIP盗賊:2006/11/27(月) 23:39:54.15 ID:4PFJRO860
( ^ω^)

141 名前:VIP毒蛇:2006/11/27(月) 23:41:20.33 ID:pZSgmORy0

('A`)「あんた達、ずいぶん買ったわね〜。
   全部で百諭吉よ?お金足りるんでしょうね?」

ξ゚听)ξ「当たり前じゃない!ほれほれ〜♪」


ツンはつなぎのポケットから分厚い札束を取り出すと、
それを扇状に広げてパタパタと仰ぎだす。

貧乏人が大金を持つと、かなりの確率でこんな行動を取るものである。

毒男は札束を受け取ると、
ペロリと指を舐めて一枚一枚丁寧にめくりながらその枚数を数えていく。

そして、ツンに渡された札束がちゃんと百枚あることを確認すると、
満面の笑みで「毎度あり〜」と喜びの声を上げた。

彼のその笑顔は、海よりも深く山よりも高く気持ちが悪かった。


142 名前:VIP皇帝:2006/11/27(月) 23:43:03.93 ID:4PFJRO860
( ^ω^)

143 名前:VIP毒蛇:2006/11/27(月) 23:43:48.13 ID:pZSgmORy0

それから数時間後。
あたりにはすっかり夜の帳が降りていた。


ξ#゚听)ξ「遅い!」


自宅の玄関の前に仁王立ちしたツンは、苛立ちを全面に押し出した表情で叫ぶ。


(;^ω^)「まあまあ、毒男さんも仕事で忙しいんだお」

ξ#゚听)ξ「店の中で眉毛いじっていたオカマのどこが忙しいっていうのよ!
     こっちはすぐにでも飛行機械のビルドアップをしたいっていうのにぃ!
     早く配達しやがれっていうのよ!」


数時間前、代金を支払い終えた彼女はオカマに購入したパーツの運搬を頼んでいた。

細かいパーツ等はともかく、
重量のあるエンジンやブースターはとてもじゃないが人力で運べるものではないからである。



144 名前:VIP盗賊:2006/11/27(月) 23:44:00.37 ID:4PFJRO860
しえん

145 名前:VIP村人x:2006/11/27(月) 23:46:24.88 ID:qAjZfwhD0
ぶほほぶほほほ

146 名前:VIP盗賊:2006/11/27(月) 23:47:13.60 ID:4PFJRO860
>>

147 名前:VIP盗賊:2006/11/27(月) 23:50:03.38 ID:4PFJRO860
>>

148 名前:VIP盗賊:2006/11/27(月) 23:53:22.16 ID:4PFJRO860
>>

149 名前:VIP毒蛇:2006/11/27(月) 23:54:58.94 ID:pZSgmORy0

それから数十分の間、
ブーンはツン主催の『毒男悪口演説』を聞かされる羽目になった。

何も悪いことをしていない自分に、なぜツンの怒りの矛先が向けられているのだろうか?

ブーンがこの世の理不尽さを肌で感じていると、
まばゆいヘッドライトの光とともに、毒男の乗ったトラックが彼らの前へとやってきた。


('A`)「お待たせ〜!」

ξ#゚听)ξ「遅い!この腐れオカマ!!」


トラックから降りてきたオカマに向かって、ツンは開口一番に悪態をつく。

そんな彼女の言葉をものともせず、
毒男は荷台の方に回るとテキパキと積み荷を降ろし始める。

作業を始めた毒男にブーンはいち早く手を貸し、
毒男に向かってマシンガンのごとく悪態をつきまくったツンも
何の悪びれた様子を見せないオカマに参ったのか、黙って積み荷の運搬を手伝い始める。


150 名前:VIP盗賊:2006/11/27(月) 23:55:12.02 ID:4PFJRO860
しえん

151 名前:VIP盗賊:2006/11/27(月) 23:56:16.12 ID:4PFJRO860
( ^ω^)

152 名前:VIP毒蛇:2006/11/27(月) 23:57:37.82 ID:pZSgmORy0

それから更に数十分後。

ようやく積み荷であるエンジンやらブースターやらを地下の作業場に運び終え、
ブーンとツンはヘナヘナと地面にへたり込んだ。

一方でオカマの方はというと、たくましいその肉体に汗一つかいた様子もなく
地面に腰掛けるブーンとツンに向かって「ぶほほほほほ」と笑いかけた。


ξ゚听)ξ「何がおかしいのよ……筋肉オカマ」

('∀`)「ぶほほほほwwwwだいぶお疲れのようね?」

ξ゚听)ξ「おかげさまでね……もう夕食を作る気力も無いわ……」


そう呟いたツンに向かって、ブーンがブーブーと非難の声を上げる。

そんなブーンを拳骨一発で黙らせたツンの様子を確認したオカマは、
トラックの助手席に向かうと、そこからパンパンに膨らんだ紙袋を取り出した。


153 名前:VIP毒蛇:2006/11/27(月) 23:58:59.23 ID:pZSgmORy0

('∀`)「ジャ――――ン!これ、なーんだ!?」

ξ゚听)ξ「ほんとに元気なオカマね……」


呆れた様子で毒男を眺めるツンとは対照的に、
ブーンは口から涎を垂らしながら毒男の抱える紙袋の中身を見た。


( ^ω^)「もしかして夜ご飯かお!?」

('∀`)「ブーンちゃん大正解!という訳で、あんた達の台所借りるわよ?
   今日はあたしがあんた達にご飯を作ってあ・げ・る(はぁーと)」


そんなオカマを、ツンは恨めしそうににらみつけた。


ξ゚听)ξ「……運搬が遅れたのは、その食材の買い出しのせいだったのね?」

('∀`)「ぶほほほほwwwwwwww」


豪快な笑い声を上げて自分達の家の中へと入っていくオカマの後姿を、
ブーンとツンはうれしさ半分、不安半分な表情で見送った。


第五話 おしまい


154 名前:VIP毒蛇:2006/11/27(月) 23:59:49.45 ID:pZSgmORy0
猿さん怖や怖や。
明日からはのんびり一話ずつ投下します。
では、今日はこの辺で

155 名前:VIP村人n:2006/11/28(火) 00:00:20.00 ID:7pKE5XDvO
乙ですた!

156 名前:VIP下手人:2006/11/28(火) 00:01:09.10 ID:m/PNZNHd0
乙です

157 名前:VIP勇者:2006/11/28(火) 00:01:33.67 ID:XNqkc+z10
乙!!

158 名前:VIP村人k:2006/11/28(火) 00:03:01.26 ID:FUb5trBEO
乙乙

159 名前:門番の娘:2006/11/28(火) 00:06:35.09 ID:6ejCFDC30
おつ

160 名前:VIP将軍:2006/11/28(火) 00:16:19.93 ID:hPB5kLIxO
乙す!

161 名前:南蛮ムキトス:2006/11/28(火) 00:16:41.23 ID:P4fw1fqz0
乙りはいらねぇ、とっときなぁ!

162 名前:籠屋の銀二:2006/11/28(火) 00:22:26.06 ID:YE1xB10c0
乙です

163 名前:VIP村人t:2006/11/28(火) 00:28:37.06 ID:g2fTs6FjO
おっつー

164 名前:VIP村人b:2006/11/28(火) 00:30:56.13 ID:/4QBSjcI0

wkwktktk

165 名前:水汲みおしち:2006/11/28(火) 00:40:12.30 ID:bUSyr0t/O
乙!

166 名前:VIP村人r:2006/11/28(火) 02:13:37.13 ID:OGehD5fM0


167 名前:VIP村人w:2006/11/28(火) 03:17:46.63 ID:g2fTs6FjO


168 名前:VIP村人p:2006/11/28(火) 05:58:50.09 ID:FUb5trBEO


169 名前:悲しい一人暮らし:2006/11/28(火) 07:24:05.81 ID:M/7eqM0K0

  ⊂ニニニニニニニニ⊃
           (_ `ヽ.
             ∪/ /
            / /
     ∧_∧ / /
    _( ´Д` )´ /
  / ,      〈
  (  `ー一⌒)  \    ノ|
   ̄⊂ニニニニニニニ二ノ

170 名前:駅前食堂のメグ:2006/11/28(火) 10:01:28.78 ID:Y9qYJ7uOO


171 名前:VIP村人P:2006/11/28(火) 10:22:26.15 ID:hO0OPorg0
うん、面白い

172 名前:VIP賢者:2006/11/28(火) 10:45:59.78 ID:CU0xf9FxO
おはようほしゅ

173 名前:VIP村人XL:2006/11/28(火) 11:33:16.47 ID:A36Irb0N0


174 名前:VIP皇帝:2006/11/28(火) 12:47:15.12 ID:d/+4NNAyO
ほすほす

175 名前:散髪とめきち:2006/11/28(火) 14:06:54.57 ID:CU0xf9FxO


176 名前:VIP足軽orz:2006/11/28(火) 14:10:07.82 ID:aRF9GoFz0
    _, ,_  パーン
 ( ‘д‘)
  ⊂彡☆))Д´)

177 名前:南蛮ムキトス:2006/11/28(火) 15:26:04.95 ID:CU0xf9FxO
ほしゅっとな

178 名前:VIP神:2006/11/28(火) 16:09:22.14 ID:g2fTs6FjO
保守

179 名前:VIP村人y:2006/11/28(火) 16:42:34.01 ID:3DvLjg5I0
ほふ

180 名前:VIP村人y:2006/11/28(火) 16:42:58.05 ID:3DvLjg5I0
間違いほふ

181 名前:VIP足軽ktkr:2006/11/28(火) 17:06:23.58 ID:isn2vze90
ほす

182 名前:猿回しの勘三:2006/11/28(火) 17:36:37.15 ID:zIBMwgVc0


183 名前:VIP足軽v:2006/11/28(火) 18:46:24.65 ID:/PPBPy9R0
自ら保守!
九時には投下開始します

184 名前:VIP村人xxx:2006/11/28(火) 18:55:03.60 ID:FUb5trBEO
>>183
ごくろうさまであります

185 名前:牛のふん:2006/11/28(火) 18:57:43.25 ID:PdoyziGU0
>>183
楽しみにしてるであります

186 名前:VIP足軽wwwww:2006/11/28(火) 19:37:19.51 ID:/PPBPy9R0
オナほーしゅ

187 名前:猿回しの勘三:2006/11/28(火) 19:48:20.81 ID:d/+4NNAyO
>>183
wktkであります

188 名前:VIP神:2006/11/28(火) 20:36:29.27 ID:A36Irb0N0
wktk

189 名前:VIP足軽x:2006/11/28(火) 20:55:56.31 ID:/PPBPy9R0
保守してくれた方、ありがとうございます。
特に深夜組みの方、本当にありがとうございます

投下準備をしながら、レスのお返しを少々

>>52>>171
オリゴ糖ございます。
その言葉が私にとっての赤マムシドリンクです
>>66
そうです。きっとそうです
>>95
そうです。私は包茎です
>>161
はい。ありがたくとっておきます

190 名前::2006/11/28(火) 20:57:07.12 ID:6ejCFDC30
違ってたらゴメン
世界の全ての人?

191 名前:荒巻スカルチノフ:2006/11/28(火) 20:57:39.80 ID:PdoyziGU0
ktkr!!!

192 名前:VIP足軽j:2006/11/28(火) 21:00:04.24 ID:5ti2TcDb0 ?2BP(111)
>>190
私もそう思うんですけど
はっきりとトリを出さないってことは多分、何か理由があるんでしょうね

193 名前:VIP足軽y:2006/11/28(火) 21:06:14.29 ID:/PPBPy9R0

第六話 「Boys on the run」


食材を抱えた毒男の後に続いて、
ブーンとツンの二人も、台所と作業場のある地下への階段を下る。
階段を下り終えるとブーンは作業場の方へと向かい、
ツンは毒男に調理具置き場の説明を簡単にすると、幼馴染の背中を追って作業場へと消えた。

それから一時間ほどの間、
ブーンとツンは作業場にてエンジンやブースターのスペックを確認したり、
実際にそれらを起動させて、動作の特徴や癖などのチェックを行ったりした。
しかし、台所のほうから香ばしいにおいが漂ってくる頃になると、
集中力が切れたのか、二人の作業はまったくと言っていいほどに進まなくなる。

やがてツンの腹の虫が豪快な音を鳴らしたのを契機に二人は作業を止め、
作業場に散らばった工具やパーツなどを片付けると、台所へと向かった。


194 名前:花魁:2006/11/28(火) 21:06:17.70 ID:6ejCFDC30
>>192
把握
>>作者さん
答えにくかったらスルーしてくださいスマソ

195 名前:VIP足軽y:2006/11/28(火) 21:10:36.56 ID:/PPBPy9R0

( ^ω^)「うはwwwwテラウマソスwwwwwww」

ξ゚听)ξ「……」


台所の食卓には、香ばしい香りを放つ具沢山のビーフシチュー、
きれいに盛り付けられた山盛りのサラダ、そして数々の副菜が所狭しと並べられていた。


('∀`)「ぶほほほほwwwwww
    あたしの愛情たっぷりの料理、腹いっぱい食べんさい!お残しは許しまへんでー!!」


食卓に座った二人は、毒男のその言葉をきっかけに食事を開始する。

ブーンはものの数分でシチューを平らげると、
毒男に向かい空になった皿を差し出して「おかわり!」と叫んだ。
その皿をうれしそうに受け取って二杯目のシチューを注ぐオカマ。
彼から手渡された追加のシチューをむさぼりはじめるブーンの隣では、
複雑な顔をしたツンがシチューをそそりながら


ξ゚听)ξ「悔しいけど……おいしいわ」


とつぶやいていた。

やがて食卓に置かれた皿の上に何も無くなり、
ブーンとツンがパンパンに膨れたお腹をさすりだした頃になって、やっと会話が始まった。

196 名前:花魁:2006/11/28(火) 21:11:18.16 ID:6ejCFDC30
支援

197 名前:VIP足軽y:2006/11/28(火) 21:13:44.49 ID:/PPBPy9R0

('∀`)「どうだった?あたしの手料理は?」

( ^ω^)「最高だお!こんなおいしい料理はじめて食べたお!!」

ξ゚−゚)ξ「ごめんなさいねぇ……あたしの料理、おいしく無くて……」


ブーンの隣では、そっぽを向いて拗ねるツンの姿があった。


(;^ω^)「あうあう……ツンの料理はもちろんおいしいお!
      毒男さんの料理が異常にうますぎるだけなんだお!!」

ξ゚听)ξ「あははー……あたしの料理はオカマに負けてしまったのね……」


遠い目をして呟く彼女に向かい、少年は慌てて弁解を繰り広げる。

しばらくの間、そんな二人の様子を微笑みながら眺めていた毒男。
やがて彼は食卓の上の皿を片付け始める。

それに気づいた二人が慌てて手伝おうとするのだが、
毒男はそれを制止すると、台所で一人、皿を洗い始めた。


198 名前:VIP賢者:2006/11/28(火) 21:15:00.44 ID:C79ijElr0
もうオリジナルなんかな
前半はラストエグザイルそのまんまだったからオリジナルストーリーに期待
つっても元ネタのストーリー忘れちゃったけど

199 名前:VIP足軽y:2006/11/28(火) 21:17:33.54 ID:/PPBPy9R0

ξ゚听)ξ「悪いわよ、料理作ってもらったうえに洗い物までさせちゃうなんて……」

('A`)「いいのよいいのよ。
   あんたたち、親のいない二人暮しで大変なんでしょ?
   たまには食事の後くらいゆっくりなさいよ」

( ^ω^)ξ゚−゚)ξ 「「……」」


その言葉に二人は黙ってうつむき、毒男は手を休ませずに話を続ける。


('A`)「朝早くから起きて、自分達で食事を作って空へ飛び立つ。
   一日中あちこちを飛び回って、帰ってくるのは日が沈み始めた頃。
   それから飛行機械の整備をしたり、家事をしたりしているうちにもう眠る時間。
   あんた達二人にそういうことさせて、ホント、神様ってのは不公平なもんよね。
   あんた達くらいの年頃じゃ、遊ぶことが仕事だっていうのにね」

ξ゚−゚)ξ「……あたしたちはもう……子供じゃないわ」


ツンは真剣な顔をして洗い物をする毒男の背中に向かって言う。
オカマはその言葉を聞いて振り返ると、ニヤニヤした顔でツンを指差し、言った。


('∀`)9m「ぶほほほほほwwwwwwwww
     あそこの毛も生えそろっていない小娘がよく言うわwwwwww」


200 名前:一生足軽:2006/11/28(火) 21:18:48.95 ID:GxU7pSST0
99 名前:荒巻スカルチノフ[] 投稿日:2006/11/28(火) 20:04:33.97 ID:GxU7pSST0
 を
 


201 名前:VIP足軽y:2006/11/28(火) 21:20:02.07 ID:/PPBPy9R0

  /'           !   ━━┓┃┃
-‐'―ニ二二二二ニ>ヽ、    ┃   ━━━━━━━━
ァ   /,,ィ=-;;,,, , ,,_ ト-、 )    ┃               ┃┃┃
'   Y  ー==j 〈,,二,゙ !  )    。                  ┛
ゝ.  {、  - ,. ヾ "^ }  } ゚ 。
   )  ,. ‘-,,'   ≦ 三
ゞ, ∧ヾ  ゝ'゚       ≦ 三 ゚。 ゚
'=-/ ヽ゚ 。≧         三 ==-
/ |ヽ  \-ァ,          ≧=- 。
  ! \  イレ,、         >三  。゚ ・ ゚
  |   >≦`Vヾ        ヾ ≧
  〉 ,く 。゚ /。・イハ 、、     `ミ 。 ゚ 。 ・


毒男のその言葉に、ツンは飲んでいたココアを勢いよく噴出した。


ξ;゚听)ξ「なななな!なんですって―――――!?」

('∀`)「あらあら、慌てちゃってぇ。ツンもまだまだ子供よねぇ?」

ξ#゚听)ξ「失礼ね!あそこの毛くらい、もう生えているわよ!!」


202 名前:VIP足軽y:2006/11/28(火) 21:21:48.95 ID:/PPBPy9R0

そう言って立ち上がる彼女を、
キョトンとした顔をして見上げるブーン。


(;゚ω゚)「ツン、すごいお……もうあそこに毛が生えちゃったのかお!?」

ξ゚听)ξ「………」

ξ///)ξ「………」


ブーンの言葉を聞いたツンの顔が、見る見る内に真っ赤に染まる。
そんな彼女をニヤニヤといやらしい顔で見つめる毒男が、トドメの一言を放った。


('∀`)「ぶほほほほほほほwwwwwwww
    生理が始まったならあたしに言いなさいよ!いろいろ教えてあげるわ!」


203 名前:花魁:2006/11/28(火) 21:22:20.38 ID:6ejCFDC30
ツンwww

204 名前:VIP足軽y:2006/11/28(火) 21:23:37.63 ID:/PPBPy9R0

ξ;凵G)ξ「イヤ――――!!
     あたしもうお嫁に行けない――――――――――!!」


そう叫ぶやいなや、ツンは台所のドアをぶち破ってどこかへ消えた。
そんな幼馴染の後姿を不思議そうな表情で見送ったブーンは、毒男に尋ねる。


( ^ω^)「……生理ってなんだお?」

('A`)「大人の女に起こる現象よ。
   すっごくつらいらしいわ。
   あたしにはまだ来ていないけど……」

( ^ω^)「おっおっお。なら、毒男さんもまだ子供だお!!」

('∀`)「ぶほほほほほほwwww
    そうよ!あたしはまだ子供、永遠の少女なーのよぅ!!
    ところでブーンちゃん、あそこに毛は生えた?」


その言葉を聞いた少年は、ズボンのチャックを下げて確認する。
しばらくチャックの中身とにらめっこした彼は、残念そうな顔をして言った。


( ´ω`)「まだうぶ毛しか生えてないお……」


205 名前:VIP賢者:2006/11/28(火) 21:24:21.89 ID:C79ijElr0
二次元のパイパン>>>>>(越えられない壁)>>>>>三次元のパイパン

206 名前:VIP足軽y:2006/11/28(火) 21:26:12.78 ID:/PPBPy9R0

('∀`)「ぶほほほほほwwwwwブーンちゃん最高よ!!」


地下の台所には、毒男の笑い声だけが響いた。

自分の毛の無さに少し落ち込んでいたブーンだが、
チャックを閉めると、満面の笑みで毒男の顔を見上げて言う。


( ^ω^)「だけど気にしないお!毛なんかもうすぐ生えてくるお!
     そしたら僕は、ツンと一緒に『エデン』を目指すんだお!」


『エデン』


その単語に、笑顔を崩さない毒男の太く濃い眉がピクリと動いた。


207 名前:VIP足軽y:2006/11/28(火) 21:27:12.95 ID:/PPBPy9R0

('A`)「……なんでブーンちゃんは『エデン』を目指すの?」

( ^ω^)「そこに父ちゃんがいるからだお!
     僕の父ちゃんとツンの父ちゃんは、四年前に『エデン』を目指して飛んでいったお!
     だから僕は、ツンと『エデン』を目指すんだお!」

('A`)「ふーん……」


洗い物を終えたらしい毒男は、
ブーンの正面に腰掛けると、頬杖をついてブーンの顔を見つめた。


('A`)「それだけ、なの?」

( ^ω^)「お?」

('A`)「ブーンちゃんが『エデン』を目指すのは、あなたのお父様に会いたいからだけなの?」


208 名前:VIP足軽y:2006/11/28(火) 21:29:55.38 ID:/PPBPy9R0

毒男の問いかけに、ブーンは迷いのない笑顔で答えた。


( ^ω^)「そうだお!
     『エデン』で父ちゃんに会って、一人前の飛行機械乗りになった僕を見せてやるんだお!
     そして、父ちゃんと一緒に『エデン』の空を飛び回るんだお!!」


楽しそうに、そして少し哀しげに宣言したブーンの瞳の奥を、毒男はジッと見つめた。
そんなオカマの見透かしてくるような目に、少年は首をかしげる。


(;^ω^)「お?僕の顔になんか付いているのかお?」


いつものようなふざけた様子のないオカマの真剣な瞳は、
少年の頭に大人が持つ特有の真面目さを感じさせた。


('A`)「……いいえ」


オカマは食卓に身を乗り出し、少年の瞳を至近距離から見つめて、言った。


('∀`)「ブーンちゃんの瞳って、キラキラ輝いているわね!すっごく素敵よ!!」


209 名前:花魁:2006/11/28(火) 21:33:06.83 ID:6ejCFDC30
支援

210 名前:VIP侍:2006/11/28(火) 21:34:37.68 ID:hO0OPorg0
さるは困るよ

211 名前:VIP村人f:2006/11/28(火) 21:49:54.78 ID:HdbdlCtwO
ここまで読んだ

212 名前:VIP賢者:2006/11/28(火) 21:55:38.96 ID:C79ijElr0
くらったっぽいな

213 名前:さくしゃ:2006/11/28(火) 21:57:51.37 ID:aLCwY4e7O
わーい猿さんこんにちわ

214 名前:一生足軽:2006/11/28(火) 21:58:33.51 ID:PdoyziGU0
ちょwwww

215 名前:VIP賢者:2006/11/28(火) 21:59:05.23 ID:C79ijElr0
あせって連続さるくらった?

216 名前:北町奉行:2006/11/28(火) 22:05:45.33 ID:aLCwY4e7O
>>215うん

217 名前:VIP魔法使い:2006/11/28(火) 22:09:47.47 ID:C79ijElr0
10分近く待つ→そろそろいいかな→連続さるさん→また10分待つ→最初に戻る

このコンボか。少なくとも20〜30分ぐらい待った方がいいかも

218 名前:VIP足軽zip:2006/11/28(火) 22:09:56.40 ID:/PPBPy9R0

(;^ω^)「お……それは……どうもだお」


オカマのキモい顔と言葉に鳥肌を立てながらも、ブーンは何とかそれに答えた。
毒男はそのまま立ち上がると、ブーンに向かって


('∀`)「チャオ!あそこに毛が生えたら教えてね!
   ぶほほほほほほwwwwwwwwwwww」


と残し、そのまま台所を後にした。


219 名前:VIP足軽zip:2006/11/28(火) 22:13:57.72 ID:/PPBPy9R0

('A`)「あら小娘。こんなところにいたの?」


ブーン宅から出た毒男は、その玄関の脇でしゃがみこんでいるツンを見つけた。
彼女は体操座りのまま、顔をうつむかせて何も答えない。


('A`)「悪かったわね、恥ずかしいこと言わせて」


彼女の方を見ないでそう言うと、
毒男はポケットからタバコを取り出し、それに火をつける。

彼が吐いた煙は、夜の町へとゆらゆら流れていく。
毒男がその様子を眺めていると、足元の少女が顔をうつむけたまま、小さな声で言う。


ξ゚−゚)ξ「ブーンから聞いたんでしょ?『エデン』のこと」

('A`)「……ええ、聞いたわ。よくわかったわね?」

ξ゚ー゚)ξ「……あんな馬鹿でかい声でしゃべっていれば、イヤでも聞こえるわよ」


そう言って、「ふふふ」と小さな笑い声を上げる少女。
毒男はその言葉を、空に流れていく煙の行方を見つめながら聞いていた。


220 名前:VIP将軍:2006/11/28(火) 22:14:05.74 ID:hO0OPorg0
キタ━━━ヽ(∀゚ )人(゚∀゚)人( ゚∀)人(∀゚ )人(゚∀゚)人( ゚∀)ノ━━━ !!!

221 名前:棒またぎ姫:2006/11/28(火) 22:14:19.55 ID:6ejCFDC30
支援

222 名前:VIP足軽zip:2006/11/28(火) 22:17:34.35 ID:/PPBPy9R0

ξ゚−゚)ξ「あれ、嘘だから」

('A`)「え?」


予想外のツンの発言に、毒男は思わず足元にしゃがみこむ彼女の姿を見た。


('A`)「何が嘘なのよ?」


オカマは、今まで見せたことの無いような険しい表情で言う。
しばらくの沈黙の後、少女はうつむかせた顔を上げて、悲しそうな表情を見せた。


ξ゚−゚)ξ「パパに会いたいからっていうの、嘘なの。
    あいつね、まだ毛も生え揃っていないようなガキだけど……わかっているはずだわ。
    私たちのパパが……もう生きていないってこと……」

('A`)「……」


毒男は再び顔を上げると、短くなったタバコの煙を一気に肺の中に入れた。
ツンはしゃがみこんだまま、前を見つめたままで言葉をつむぐ。


ξ゚−゚)ξ「だってそうでしょう?『エデン』に飛び立ってもう四年よ?
      その間、パパ達は一度も帰ってきていない。
      ……それなら、答えは決まっているも同然よ」

223 名前:棒またぎ姫:2006/11/28(火) 22:18:53.10 ID:6ejCFDC30
wktk

224 名前:VIP足軽zip:2006/11/28(火) 22:21:25.88 ID:/PPBPy9R0

ξ゚−゚)ξ「……ただ認めたくないだけなのよ、きっと。
    それを口に出したら、自分がそれを認めたことになっちゃう。
    解き放たれた思いは、空気を伝って耳に入って、自分の心に重くのしかかる。
    ………だからね、あいつは絶対にそれを口にしないの」


吸い込んだ煙を、毒男は一気に吐き出した。
大量の煙は空へと昇って、そのまま漆黒の闇へと溶けていく。


ξ;ー;)ξ「……笑っちゃうでしょ?
     認めたほうが楽なのに、絶対に認めないのよ、あいつ。
     あたしが何度そう言っても、『父ちゃんは生きているお!』って繰り返すだけ。
     本当に……バカなのよ」


ツンの言葉が、涙でかすれ始める。
やがて、少女の目からこぼれ落ちた一滴の涙が、彼女の頬に一筋の線を描いた。
こぼれ落ちた雫は、すらりとした顎の先から流れ落ち、
乾いた地面に小さな丸いしみを作る。


225 名前:棒またぎ姫:2006/11/28(火) 22:24:47.11 ID:6ejCFDC30
支援

226 名前:VIP足軽zip:2006/11/28(火) 22:25:30.95 ID:/PPBPy9R0

二人は、空を見上げた。

その視線の先では、先ほどまで雲に隠れていた月が顔を出していた。
仰ぐ月明かりが、優しく目に入り込む感覚が気持ちいい。

夜の空は静寂。
そこにあるのは月と星と雲だけ……。

見上げた二人のはるか上空を、低い音を立てて一機の飛行機械が進んでいく。

夜空を駆けていく、銀色の空の舟。

それは、見上げて伸ばしたツンの指先をすり抜けて、小さく消えた。


ξ炎刮)ξ「だからこそ、私たちは『エデン』に行くの!
      行って、パパ達の無念を晴らすのよ!!
      そして私たちは、パパ達を超える飛行機械乗りになるの!!」


消えていく舟を見届けたツンは、涙を拭いながら立ち上がり、
先ほどとは一転して、巨人の星も真っ青なほどに目に炎を浮かべる。

そんな彼女を見て、毒男は大声で笑った。


227 名前:VIP足軽zip:2006/11/28(火) 22:27:39.26 ID:/PPBPy9R0

('∀`)「ぶほほほほほほwwwwwwwww
   前々からあんた達に目を付けていた私の瞳に狂いは無かったわ!
   いいわ!あんた達、最高よ!!」


毒男はツンの瞳を見つめて言い放った。
そんな毒男に対して、唖然とした表情を浮かべるツン。

オカマは彼女を尻目に、玄関前に停めていた自分のトラックへと向けて歩き出す。
運転席の扉を開けそれに乗ると、窓を開け、そこから顔を出した。


('∀`)b「Hey !! Boys do it !!
    ブーンちゃんのあそこに毛が生えたら、真っ先にあたしに知らせるのよ〜!
    ぶほほほほほほほほほwwwwwwwwwwwwwwww」


エンジンの音よりもでかい笑い声を上げて、毒男はツンのもとから去っていった。
騒がしく過ぎ去っていくオカマのトラックを、少女は訳が分からないという表情で見送った。


第六話 おしまい


228 名前:VIP魔法使い:2006/11/28(火) 22:28:24.00 ID:C79ijElr0
ξ炎刮)ξ「父ちゃん、俺はやるぜ!」

229 名前:棒またぎ姫:2006/11/28(火) 22:29:56.29 ID:6ejCFDC30
ドクオがいい女に見えて仕方ない


230 名前:VIP魔法使い:2006/11/28(火) 22:34:47.82 ID:C79ijElr0
乙乙祭りじゃー!

231 名前:VIP足軽zip:2006/11/28(火) 22:38:33.18 ID:/PPBPy9R0
猿さん恐ろしいもんですね。
ご迷惑かけてすいますん。
お詫びにもう一話投下したいんですが、猿さんににらまれたからなぁ

>>192>>194
いや、別に事情なんてないんですね
ただトリップ出すのが面倒くさいんです

>>198
ラストエグザイルみて脊髄反射で書いた作品なんでどうでしょう?
これからの展開は、出来るだけ違うくなるように構成したんですが……
面白くなければすぐ読むの止めてやってください

>>217
ご丁寧にどうもです。気をつけます

232 名前:VIP足軽ktkr:2006/11/28(火) 22:41:06.21 ID:5ti2TcDb0 ?2BP(111)
>>231
なるほど
私もつい最近トリをなくしたばかりなんですよw

ところで、まとめさせてもらっていいですかね

233 名前:VIP魔法使い:2006/11/28(火) 22:42:46.18 ID:C79ijElr0
なんかこういうシーンあった気がするな〜って感じだから特に気にはならない
てかアニメで見たけどもう内容さっぱり忘れた

キャラがイキイキとしてるし、結構細かい設定にも凝ってる(これは原作のものか?)から面白い
これからも期待

234 名前:VIP足軽zip:2006/11/28(火) 22:45:10.21 ID:/PPBPy9R0
>>232
それはもう犯っちゃって下さい

>>233
そう言って下さるだけで猿さんなんか怖くないですね
もう一話逝きます

235 名前:VIP足軽zip:2006/11/28(火) 22:50:32.91 ID:/PPBPy9R0

第七話 「VISTA」


それから半年の間、ブーンとツンの生活の中に特に変わった事は無かった。

その間に彼らの飛行機械はめでたくビルドアップを果たし、
その性能は前に比べて格段に上がった。
しかし肝心の仕事のほとんどがCランク止まりで、
数回来たBランクの仕事も別の飛行機械乗り達に取られてしまっていた。

そんな、自分達の飛行機械の性能を持て余すような日々の中で
唯一変わったことといえば、
風呂上りにすっぽんぽんでツンの部屋へ飛び込んできたブーンが、おにんにんを指差しながら、


(*^ω^)「ツン!僕のあそこに毛が生えたお!!」


と叫んで、彼女に波平さんの頭に生えた毛のようなものを見せ付けたことくらいだった。
もちろんその直後、ブーンは顔を真っ赤にしたツンからマイサンに強烈な一撃を食らっている。

ちなみにそれから数日後、町で偶然であった毒男に対してブーンが
「僕のあそこに毛が生えたんだお!」と言って公衆の面前でパオーンを露出した際にも
彼はツンからゾウさんに強烈な蹴りをいただいている。

そんな平凡な、同じことの繰り返しの毎日を過ごしていた少年達のもとに、
風は突然に訪れた。


236 名前:VIP魔法使い:2006/11/28(火) 22:52:13.17 ID:C79ijElr0
        , -, - 、
  ,、 ,、 ,イ!〃 , ='‐ \__ト,__i、_
 l T! Tl'lT_-r-、ィ_‐_7´ l l! l!  |
 l、` ` lヽ_lー〈!_,. - ´j  _ -, !
  \`丶!、l  ̄ l /,ィ ´  /  <ビルドアップ!
   \ i、!  ̄ l´ ,ィ ヽ/
      l lヽ‐_7´ ll   ゝ
     ! j!  ll   ll ノ
     ヽ、  !l__,.,. -'´

237 名前:棒またぎ姫:2006/11/28(火) 22:52:55.22 ID:6ejCFDC30
支援

238 名前:VIP将軍:2006/11/28(火) 22:54:25.28 ID:hO0OPorg0
>>236
死ねぇぇぇぇ!!!!

239 名前:VIP足軽zip:2006/11/28(火) 22:55:17.03 ID:/PPBPy9R0

えてして、人生の転機とはそれと遭遇している時には気づかないものである。
それがそうであると気づくのは、かなりの時の流れの後で、
ふと、今までの人生を振り返ってみた時だけである。

彼らに訪れた転機も、まさにその類のものであった。


その日、いつものように「飛行機械郵便業協会」へと向かった二人は、
受付の男からとんでもないことを言われた。


( ゚д゚ )「お前たち二人を指名した任務が来ている」


その言葉に、嬉々とした表情を浮かべた二人であったが、
男が放った次の言葉に、二人の表情は一瞬にして凍りつくことになる。


( ゚д゚ )「仕事のランクは『ファイブA』だ」


240 名前:VIP足軽zip:2006/11/28(火) 22:58:03.38 ID:/PPBPy9R0

( ^ω^)ξ゚听)ξ「「……」」

(;^ω^)ξ;゚听)ξ「「……」」


( ゚ω゚ ) ξ( ゚д゚ )ξ「「……」」


( ゚д゚ )「こっち見んな」

( ;ω;)ξ;凵G)ξ「「嘘だと言ってよバーニー!!」」

( ゚д゚ )「残念だが、事実だ」


冷淡にそう言って、彼は書簡を投げてよこす。
それを受け取った二人に対し、彼は間髪いれずに仕事の内容を話しだす。


241 名前:VIP足軽zip:2006/11/28(火) 22:58:43.63 ID:/PPBPy9R0

( ゚д゚ )「宛先は、始まりの島『トップページ』を飛行中のマザーシップ『VIP』。
     時間は明日の一七○○だ」


それを聞いた二人の顔から、血の気が一気に引いていく。


(;^ω^)「場所は『トップページ』……」

ξ;゚听)ξ「しかも宛先は『VIP』……」


そう呟く二人の顔は、面白いを通り越してもはや気の毒なものだった。


242 名前:棒またぎ姫:2006/11/28(火) 22:59:35.21 ID:6ejCFDC30
wktkwktk

243 名前:宿屋の女中:2006/11/28(火) 23:01:10.07 ID:hO0OPorg0
あんま投下速度早いとまたさるさんこんにちはになるぞ

244 名前:VIP皇帝:2006/11/28(火) 23:01:24.79 ID:5ti2TcDb0 ?2BP(111)
>>234
レイプレイプレイプレイプレイプ

すいません
まだ私だと1秒間に5回が限界ですね
http://boonnovel.g.hatena.ne.jp/bbs/21

245 名前:VIP足軽wwwww:2006/11/28(火) 23:06:07.79 ID:/PPBPy9R0

ξ#゚听)ξ「絶対断るからね!!」


自宅の食卓に座るツンが、家が壊れんばかりの大声を発する。


ξ#゚听)ξ「大体あんた、何考えてんのよ!?
     『ファイブA』の仕事なんてその場で断るものでしょうが!?
     それを、『ちょっと考えさせてくれお』って格好付けて保留して……」


あれから二人は、というかブーンは受付の男に一時の猶予をもらっていた。
その場で断る気満々だったツンはブーンに何度も抗議したのだが、
彼は頑として幼馴染の言葉に耳を傾けなかった。


ξ#゚听)ξ「いい?『ファイブA』よ?Aが五個で『ファイブA』!!
     しかも、宛先は泣く子もアナル『海賊狩りのVIP』よ!?」

(;゚ω゚)「わかっているお!!」


今までツンの抗議を甘んじて受けているだけのブーンであったが、
ついに頭にきたのか、食卓を「バン!」と叩き付けて立ち上がった。
しかし、彼の口はなかなか言葉をつむがない……。
それは彼自身、この仕事の危険性を理解している証拠であった。

そんな幼馴染に一瞬ひるんだ様子を見せたツンであったが、
それでもなお、彼女の抗議は終わらない。

246 名前:VIP無職:2006/11/28(火) 23:08:35.59 ID:C79ijElr0
エースファイブって聞くとエロ漫画しか思い浮かばねえな

247 名前:VIP足軽wwwww:2006/11/28(火) 23:09:52.82 ID:/PPBPy9R0

ξ#゚听)ξ「わかっちゃいないわよ!!
     いい!?この前のAランクの仕事だけでも何回死にかけたと思っているの?
     『ファイブA』の仕事なんか請けた日には、あたし達、十回は死ぬわよ!!」


聞き慣れた幼馴染のヒステリックな声が、この日だけはうっとおしい。


(;゚ω゚)「僕達はAランクの仕事をしても死んでないお!
    だから、『ファイブA』の仕事をしたって死にはしないお!
    0に5をかけても答えは0だお!!」

ξ#゚听)ξ「そんな屁理屈、通るわけがないでしょうが!!
     おまけに、相手は『海賊狩りのVIP』よ!?
     あたし達なんか、骨の髄までちゅぱちゅぱちゅぱちゅぱチュパカブラよ!!」


二人は食卓を挟んで、身を乗り出してにらみ合う。
ツンは、間近に迫った幼馴染の顔をにらみつけたまま抗議を続ける。


248 名前:だんご屋のはる:2006/11/28(火) 23:10:38.65 ID:6ejCFDC30
支援

249 名前:VIP足軽wwwww:2006/11/28(火) 23:14:07.89 ID:/PPBPy9R0

ξ#゚听)ξ「『ファイブA』の仕事を受けた人は、この十年間で二人いるわ。
     『蒼風』と『桃色の乳首』の二つ名で呼ばれていた二人よ。
     二人とも、この町『ツダンニ』で数々の伝説を残す名パイロットだった。
     だけどね、この二人でさえ『ファイブA』の仕事を達成することはできなかったの!
     彼らは『ファイブA』遂行のために飛び立ち、そのまま戻ってくることはなかった……」


ツンは自分の言葉に恐怖したのか、体を大げさにガタガタと震わせる。
しかし、それでもなお、彼女のマシンガントークはとどまることを知らない。


ξ#゚听)ξ「そんな二人でさえ出来なかったことを私達が出来るわけ無いでしょうが!
     明日の朝一番で協会に断りに行くからそのつもりでね!!」


そう吐き捨てて立ち上がると、彼女は肩を怒らせて自分の部屋へと向かおうとする。
そんな彼女の背中に、今まで聞いたことの無いほどの怒声が浴びせられた。


( ゚ω゚)「もう一回言ってみろだお!
    その言葉を父ちゃん達に置き換えて、もう一回言ってみろだお!!」


250 名前:だんご屋のはる:2006/11/28(火) 23:16:50.51 ID:6ejCFDC30
支援

251 名前:VIP番長:2006/11/28(火) 23:16:52.62 ID:ZRjsjZN2O
おいついたー
スレタイで思ったけどやっぱり…ブーン小説読んではじめて泣いた、あれ書いてた人だ…。

('∀`)「ブーンちゃんの瞳って、キラキラ輝いているわね!すっごく素敵よ!!」
…これ、つい、くるw

252 名前:VIP足軽wwwww:2006/11/28(火) 23:18:57.25 ID:/PPBPy9R0

ξ;゚听)ξ「ななな、何言ってんのよ!?」


振り返ったツンは、明らかに動揺していた。
ブーンは、これまでに見せたことの無い真剣な表情で続ける。


( ゚ω゚)「『父ちゃん達に出来なかったことを、僕達に出来るわけがない!』
     ツンが言っていることはそういうことだお!!」

ξ;゚听)ξ「だ……誰もそんなこと言っていないじゃない!!」

( ゚ω゚)「言っているお!!
     父ちゃん達は『蒼風』にも『桃色の乳首』にも引けをとらないすごいパイロットだお!
     そんな二人に出来なかったことが僕達に出来ないって言うことは、
     父ちゃん達に出来なかったことが僕達に出来ないって言っているようなもんだお!!」


図星だった。

彼女は何処かで自分達に歯止めを掛けていた。
遥か彼方へ消えていった両親が行き着いた先を想像し、恐怖する。
それは自分の体を取り巻き、今こうやって、行きたくない理由を正当化させている。


253 名前:だんご屋のはる:2006/11/28(火) 23:19:43.69 ID:6ejCFDC30
支援支援

254 名前:VIP足軽wwwww:2006/11/28(火) 23:22:53.15 ID:/PPBPy9R0

そんな彼女が話題を変えるためには、
彼にとって一番の急所を突くしかなかった。


ξ゚−゚)ξ「ブーン……やっぱりあんた、わかってたのね」

(;゚ω゚)「……とにかく、僕は一人でもこの仕事を受けるお。
     こんなことで躊躇していたら、『エデン』なんて夢のまた夢だお……」


うつむいてそう呟くと、ブーンはツンの横を通って自室へと戻った。
少年が自室の扉を閉めた音を聞くと、少女もまた、黙って自室へと戻っていった。


255 名前:だんご屋のはる:2006/11/28(火) 23:25:42.42 ID:6ejCFDC30
支援

256 名前:VIP足軽wwwww:2006/11/28(火) 23:26:30.12 ID:/PPBPy9R0

その深夜。

月明かりの差し込む部屋のベッドの上で、彼女は一人、
自室の壁に貼り付けられた数々の写真を眺めていた。


ξ;−;)ξ「……」


彼女が見つめる壁面には、今は亡きツンの母親とブーンの母親の写真、
どこかの遺跡の写真、よくわからない地図を写した写真、
そして幼いブーンとツンを抱く二人の父親達と、彼らの飛行機械の写真が貼り付けられている。


ξ;凵G)ξ「……パパ…ママ……やっぱりブーンは……わかっていたよ」


写真に向かって呟く彼女の瞳からは、とどまることなく流れ落ちる大粒の涙。
それは、月明かりを受けてキラリと光を放った。


257 名前:VIP足軽wwwww:2006/11/28(火) 23:30:17.34 ID:/PPBPy9R0

翌日の早朝。

彼女が目覚めた頃には、ブーンは飛行服に着替えて飛行機械をいじっていた。


ξ゚−゚)ξ「……珍しいわね、あんたがあたしよりも早く起きているなんて」

( ´ω`)「……」


ブーンは、ツンの方を見向きもしないで作業を続ける。

奇妙な沈黙。
今まで二人が経験したこともない苦痛の時間。

彼女はコチラを見向きもしない幼馴染に苛立ちをつのらせたが、


ξ゚听)ξ「今日は雨が降るわね。……いや、槍が降るわね」


と一言残すと、台所の奥へと消えた。


258 名前:VIP足軽wwwww:2006/11/28(火) 23:32:12.01 ID:/PPBPy9R0

しばらくして台所から出てきた彼女の手には、巨大なサンドイッチが握られていた。
少女は少年に一声かけると、振り向いた彼に向かってそれを放り投げた。


ξ゚听)ξ「……食べなさいよ」

( ´ω`)「……いらないお」

ξ゚听)ξ「食べなきゃ『ファイブA』なんて仕事、とても遂行できないわよ?」


彼女のその言葉に、
投げられて中身がボロボロのサンドイッチをうつむいて見つめていた少年が顔を上げる。


(;゚ω゚)「ツン……」

ξ////)ξ「べべべ、別にあんたのためじゃないんだからね!
     あああ、あたしの夢のためなのよ!
     『エデン』に行こうとするあたしが、『ファイブA』の仕事でビビっていられるもんですか!」


顔を耳まで真っ赤に染めて、彼女は言う。


259 名前:VIP女神:2006/11/28(火) 23:32:42.42 ID:D+T2cQ4IO
しえん

260 名前:VIP無職:2006/11/28(火) 23:32:56.68 ID:C79ijElr0
拳が血を求めている

261 名前:VIP足軽wwwww:2006/11/28(火) 23:34:08.38 ID:/PPBPy9R0

そんな彼女に対し、ブーンは最高の笑顔で笑いかけた。


( ^ω^)「……おっおっおwwwww」

ξ#゚听)ξ「笑ってんじゃないわよ!!」


少女の投げたスパナが、少年の額を直撃する。
しかし彼は、額から緑の血を噴出しながらも笑い続けている。


( ^ω^)「おっおっおwwwwww」

ξ#゚听)ξ「ああもう……ほら!準備はいいの!?
     予備燃料に水、それと工具に発光信号機は積み込んだの!?
     各種メーター、ブースター及びエンジンのチェックはした!?」

( ^ω^)「おっおっおwwww今から取り掛かるお!!」


いつもの調子に戻った二人は、テキパキとその作業に移っていく。
やがて、それらの作業をすべて終えた二人は天井のシャッターを開けた。

そこから見えるのは、雲ひとつ無い真っ青な空。
どこまでも広がる空に向けて、二人を乗せた銀色の空の舟は飛び立っていく。

青く輝くこの空は、今日も騒がしくなりそうだ。


262 名前:VIP番長:2006/11/28(火) 23:35:38.38 ID:ZRjsjZN2O
ブーン死んじゃうwww

263 名前:VIP足軽wwwww:2006/11/28(火) 23:37:32.72 ID:/PPBPy9R0

飛び立った銀色の飛行機械を地上から見上げる二人の男がいた。


「……行ったな」

「ぶほほほほほwwwwwwwあたしの目に狂いは無かったでしょ?」

「……そのようだ」


そう呟くと、男はポケットからタバコの箱を取り出した。
しかしその中身は空だったようで、男は少し残念そうな表情を浮かべた。
そんな彼に向かって、隣にいたオカマが自分のタバコを差し出す。


「……すまんな」


そう呟くと、彼は受け取ったタバコに火をつけた。

うまそうにそれを一口吸うと、
彼は空の彼方へと消えていく銀色の空の舟に向かって煙を吐き出す。


264 名前:VIP無職:2006/11/28(火) 23:37:42.64 ID:C79ijElr0
別にホントに求めたわけでは…

265 名前:VIP足軽j:2006/11/28(火) 23:38:27.21 ID:0IwuB/np0
おもしろい!

しえんしえん

266 名前:壷ふりお京:2006/11/28(火) 23:40:59.24 ID:b6GY4X2w0
私怨

267 名前:VIP足軽wwwww:2006/11/28(火) 23:41:35.15 ID:/PPBPy9R0

「『何度も日々を潜り抜けたそのハートは、きっと答えを知っている』」

「ぶほほほほwwww何よそれwwwwwwww」

「気にするな。俺の好きな詞の一節だ。
 さて、俺達も急がなきゃな。飛行機械の準備はできているのか?」

「ぶほほほほほほwwwwwwwぬーかりはないわよぅ、副艦長!!」


その言葉の後、二人はどこかへと歩き出し、町の雑踏の中へとその姿を消した。


第七話 おしまい


268 名前:南蛮ムキトス:2006/11/28(火) 23:43:38.55 ID:iPfeIVJUO
アフロを書いた勢いの源泉を知りたい

269 名前:VIP無職:2006/11/28(火) 23:45:10.73 ID:C79ijElr0
めくり大K→近距離大P→キャンセル乙

270 名前:VIP侍:2006/11/28(火) 23:45:41.19 ID:XiWT1S0sO
乙。次も楽しみに待つぞなもし

271 名前:だんご屋のはる:2006/11/28(火) 23:49:33.97 ID:6ejCFDC30
お勤めご苦労さんです

272 名前::2006/11/28(火) 23:59:00.82 ID:d/+4NNAyO
>>1乙!
次がまた楽しみだ!

273 名前:78 ◆pP.8LqKfPo :2006/11/29(水) 00:04:25.67 ID:2O9euNi90
今日はおしまいです。
支援くれた人、本当に助かっています

トリップどうなんですかね?
ギコナビから投下しているのでトリップなんかすぐに出せるのですがこの通り

>>251
そう言って下さるとブーン小説書いて心からよかったと思えます。
多分俺の作品で泣くような小説だと、乳首の友情のシーンだけだと思うので
きっと乳首を読んでくれた方でしょう。

>>268
源泉ですか…
まあ、vip系ブログを日夜読みふけっていることでしょうか?
特にAAネタ見ているとアイデアがわく感じですね。
あとはその場の勢いでしょうか。
アフロ見てもらうとわかりますが、一つ自信のあるネタをコネタで彩っていく感じです。
実際、アフロなんか冷静になれば面白くないネタばかりですよ?


274 名前:水汲みおしち:2006/11/29(水) 00:06:45.78 ID:bg3OGhN50
作者さん乙です
できれば飛行機の形なんかを教えてくれませんか
モデルとかあればぜひ

275 名前:VIP奴隷:2006/11/29(水) 00:10:26.51 ID:PUWkF71U0
ヴァンシップなんじゃねえの?

276 名前:VIP足軽e:2006/11/29(水) 00:10:56.40 ID:2O9euNi90
http://www.youtube.com/watch?v=M7JJ1m5RfrA&mode=related&search=
http://www.youtube.com/watch?v=Chyo8_CRkS4

飛行機械のイメージはまんまラストエグザイルですよ

277 名前:水汲みおしち:2006/11/29(水) 00:15:46.17 ID:bg3OGhN50
>>275、276
わざわざサーセン

278 名前:VIP村人r:2006/11/29(水) 00:16:47.89 ID:HiYP23VTO
樹海の糸。

279 名前:VIP奴隷:2006/11/29(水) 00:17:23.24 ID:PUWkF71U0
やべえOP懐かしすぎる

280 名前:VIP村人q:2006/11/29(水) 00:29:03.72 ID:QSeOg+eQO
やっぱり世界の全ての人かwwww
遅ればせながら乙です

281 名前:VIP足軽e:2006/11/29(水) 00:46:43.36 ID:2O9euNi90
ちんこをしごきながら

( ^ω^)「プリンス!応答しろプリーンス!!」
プリンス「は、はい!!」
( ^ω^)「かわいそうに……恐怖ですっかり反応が鈍くなって……」
プリンス「ご、ごめん。それよりさ、移植はしなくていいよ!」
( ^ω^)「え?でも……お前の精子が……」
プリンス「俺の生死なんてもういいんだ……
      父さんにはもう迷惑かけられないから(こいつやべぇから関わりたくないわ)」
( ^ω^)「馬鹿ヤロウ!」
プリンス「!!」
( ^ω^)「俺とお前は一心同体だろうが!毎日毎日仲良くやってきたじゃないか!(特に夜)」
プリンス「……(こいつきめぇwww))」
( ^ω^)「迷惑なんかいつでもかけていいんだ!だけど、顔にだけはかけるなよ!(精子を)」


282 名前:VIP足軽e:2006/11/29(水) 00:47:02.38 ID:2O9euNi90
あ、しまった。誤爆

283 名前:VIP村人d:2006/11/29(水) 01:01:06.08 ID:sErEizG10
ちょwwwww

284 名前:VIP足軽の子:2006/11/29(水) 01:06:31.52 ID:q4Uulfay0
どこのだよwwwwwww

285 名前:VIP盗賊:2006/11/29(水) 01:14:44.08 ID:rpDf7yM10
これはオレオレ詐欺の続きかwww

286 名前:門番の娘:2006/11/29(水) 02:10:52.63 ID:xbfaVUfeO
よーしパパほすほすしちゃうぞー

287 名前:内藤ホライゾン:2006/11/29(水) 02:14:45.28 ID:H66rYeDJ0
ほしゅ

288 名前:VIP村人q:2006/11/29(水) 03:54:53.87 ID:9+idYDFqO


289 名前:宿屋の女中:2006/11/29(水) 06:55:44.81 ID:tUKREuXaO


290 名前:悲しい一人暮らし:2006/11/29(水) 08:07:43.19 ID:xbfaVUfeO
ほすほす

291 名前:内藤ホライゾン:2006/11/29(水) 08:15:25.61 ID:FTxc+d9O0 ?2BP(111)
>>273
ちょwww出せるんすかwwww一緒にしてサーセンwwww

まとめ更新しました
http://boonnovel.g.hatena.ne.jp/bbs/21

292 名前:高校の女教師:2006/11/29(水) 09:13:10.91 ID:GhSIU9SO0
捕手

293 名前:VIP賢者:2006/11/29(水) 10:41:44.75 ID:uOkRwoJ5O
( ゚ω゚)

294 名前:VIP賢者:2006/11/29(水) 12:29:35.16 ID:xbfaVUfeO
ほすほす

295 名前:VIP村人t:2006/11/29(水) 13:08:45.64 ID:H2GcSSDg0
保守

296 名前:VIP商人:2006/11/29(水) 15:05:34.41 ID:baitek9GO
捕手

297 名前:VIP村人Ecup:2006/11/29(水) 16:27:27.93 ID:sQNoVuRc0
ふぉ

298 名前:268:2006/11/29(水) 16:38:35.71 ID:N6QQ+21qO
>>273
ギャグなんて冷静に考えたら下らないのばっかだろ
読み手を冷静にさせない勢いがあってこそウケたんだ

何にせよ返答サンクス

299 名前:VIP悪魔:2006/11/29(水) 17:06:45.97 ID:1uXVBr/40
ドクオがオカマってので精子を思い出したんだが・・・

300 名前:VIP盗賊:2006/11/29(水) 17:56:15.84 ID:QSeOg+eQO
>>299
俺ガイル

301 名前:散髪とめきち:2006/11/29(水) 18:50:11.19 ID:kYQ8elzkO


302 名前:VIP遊び人:2006/11/29(水) 20:02:28.37 ID:sQNoVuRc0


303 名前:VIP奴隷:2006/11/29(水) 20:03:24.50 ID:TpowzElxO


304 名前:一生足軽:2006/11/29(水) 20:16:16.75 ID:RPdC+SQtO
ほす

305 名前:VIP侍:2006/11/29(水) 20:51:59.76 ID:b6deSNjl0
今日作者来るの?

306 名前:78 ◆pP.8LqKfPo :2006/11/29(水) 21:00:52.70 ID:+b5j4L7V0
保守ありがとうございます
投下の準備をしながらレスのお返しを

>>305
ごめんね。来るんだ

>>281
誰だよ。こんな下品なネタ書くやつ。品性を疑うわ

>>286
深夜にありがとうございますパパ

>>291
朝早くから本当にすみません

>>298
そう言ってくださると助かります

>>299
精子のドクオは大好きです

307 名前:VIP神父:2006/11/29(水) 21:02:49.53 ID:sQNoVuRc0
ktkr!!!!!!!

308 名前:VIP将軍:2006/11/29(水) 21:04:01.81 ID:b6deSNjl0
>>1
来るのおっそい!!

309 名前:散髪とめきち:2006/11/29(水) 21:11:04.08 ID:+b5j4L7V0

第八話 「風に乗る船」


しばらくの飛行を続けたブーンとツンは、
途中のコンビニエンス島に着陸すると、地図を広げて打ち合わせを始めた。


ξ゚听)ξ「いい?始まりの島『トップページ』はここよ」


そう言って、彼女は五角形に並ぶ巨大な島々の真ん中にある島を指差した。
前にも軽く述べたが、彼らの世界に国家は五つある。
それらは巨大な五角形の頂点にそれぞれ浮かんでおり、
その対角線上の真ん中に始まりの島「トップページ」は浮かんでいる。


ξ;゚听)ξ「ここから、『トップページ』まではおよそ六百km。
     このままのペースで飛ばせば、あと六時間ほどで到着するわ」

(;^ω^)「おkおk」

ξ;゚听)ξ「約束の時間は一七○○。
     それまでおよそ八時間。私達はそのギリギリまで『トップページ』空域の直前で待機。
     時間になったら一気に空域に突入。そのまま一直線に『VIP』へと向かうわよ」

(;^ω^)dビシィ!!「把握したお!」


二人は、これまでにない緊張した顔をしていた。

310 名前:散髪とめきち:2006/11/29(水) 21:15:34.67 ID:+b5j4L7V0

始まりの島『トップページ』は、この世界ではじめて空に浮かんだ島だとされている。

そこには旧世界の遺物が保管されているらしい。
そして、そこは全部で五つある国家のうち、
メンヘラを除く四つの国家の連合艦隊により堅く守られている。

蛇足ではあるが、読者の皆様には
なぜメンヘラだけが除外されているのかという疑問が浮かびあがるだろう。

それはメンヘラの島々が国家として統一されたのが、
つい最近(と言っても二人が生まれるはるか昔だが)だからだというのが理由だ。
そのため、メンヘラは「トップページ」に眠る旧世界の秘密を知らない。

このことは頭の片隅にでも置いておいてもらいたい。


311 名前:散髪とめきち:2006/11/29(水) 21:20:05.52 ID:+b5j4L7V0

話がズレたが、「トップページ」を守る連合艦隊は、
その空域に侵入したものを容赦なく打ちのめす。
それは、そこにそれほどの価値あるものが眠っている証拠に他ならないのだが割愛する。

今重要なことは、「空域に侵入したものは容赦なく攻撃の対象になる」ということだ。

その攻撃を最小限にとどめるためには、約束の時刻ギリギリに突入し、
短時間の間に宛先である「VIP」に合流する必要があった。


ξ;゚听)ξ「でも……なんで場所が『トップページ』なのかしら?」

(;^ω^)「……確かにそうだお。この書簡を受け取るだけなら、
     もっと他の安全な場所を受け取り先に指定した方がいいはずだお……」


二人は「うーん」と首を傾げながら考えるが、
考えたところでその答えが浮かんでくるわけでもなく、
結局、早々にあきらめた二人は、水筒の水をがぶ飲みすると飛行機械の座席に飛び乗った。


312 名前:VIP村人h:2006/11/29(水) 21:22:22.11 ID:s3tLRgpZ0 ?2BP(111)
さるさん回避

313 名前:散髪とめきち:2006/11/29(水) 21:22:39.30 ID:+b5j4L7V0

ξ゚ー゚)ξ「考えてもはじまらないわ。
    あたし達のやるべきことは、最善を尽くす、ただそれだけよ!」


勢いよく乗り込んだツン。
それに習ってブーンも操縦席に飛び乗った。


( ^ω^)「おっおっお!今日のツンはなんだかカッコいいお!」

ξ゚∀゚)ξ「おほほほほwwwww
    これからはあたしのこと、クール&ビューティーとお呼びなさい!」

( ^ω^)「おっおっお!このまま空に落ちて死んでくれおwwwww」


なんだか緊張感に欠けた会話をして、二人は再び空へと飛び上がった。


314 名前:VIP勇者:2006/11/29(水) 21:26:02.08 ID:rpDf7yM10
支援

315 名前:散髪とめきち:2006/11/29(水) 21:26:08.93 ID:+b5j4L7V0

一方、それから数時間後の「トップページ」近郊の空域。

そこに、雲の中に隠れるようにして浮かぶ一つの巨大な鉄の塊の姿があった。
その中のとある一室で、以下のような会話がなされていた。


「ういっす!飛行機械の整備、完了しましたよ!!
 艦内の駆動機関もオールグリーン!命令しだいでいつでも飛べます!!」

「そうなの?ご苦労さん」


そう言って、男は眠たげに目をこする。


「艦長ー、寝てないんすか?」

「そうなんだよ……昨日、徹夜で小説読んじゃってね」

「そんな面白い本だったんすか?」

「うん。『僕と彼氏のいんぐりもんぐり性日記』って小説。
 最高だったよ。いろいろな意味で眠れなかったね」

「マジっすか!?今度俺にも貸してくださいよ!!」


そんな会話を交わす二人の下へ、一人の女性がやってきた。


316 名前:散髪とめきち:2006/11/29(水) 21:31:11.97 ID:+b5j4L7V0

「失礼します」

「あ、いらっしゃい」

「定刻一七○○まで十分を切りました。
 命令しだいで、いつでも私は飛べます」

「おk。全速力で『トップページ』空域内へ」


その声が艦内に伝えられると、巨大な鉄の塊の駆動系がいっせいに動き出し、
重低音の飛行音があたりに響き渡る。
ブースターの光りが尾を引くようにして雲を切り裂き、
鉄の塊がジワジワと高度を下げ、その巨体を白日の下に晒した。


「で、どうなの?今回の新人」

「副艦長と整備長の報告によれば、将来有望な少年と少女の飛行機械乗りだそうです。
 現時点での技術も、Aランクを二つ続けてこなせるほどに高いものだそうです」

「へー。それはたいしたものだね」

「それと、印象としては、若い頃の長岡によく似ていると」

「え?マジ!?そいつは楽しみだなぁ!!」


長岡と呼ばれた男の明るい笑い声が、艦内に響き渡った。

317 名前:VIP足軽v:2006/11/29(水) 21:32:01.09 ID:o8Quyzg90
支援

318 名前:VIP皇帝:2006/11/29(水) 21:32:03.66 ID:rpDf7yM10
さる回避

319 名前:散髪とめきち:2006/11/29(水) 21:34:17.25 ID:+b5j4L7V0

その同時刻。

ブーンとツンの二人を乗せた飛行機械は
「トップページ」空域のギリギリ外の雲の中を旋回していた。


(;^ω^)「ツン、掘った芋いじくるな?」

ξ;゚听)ξ「一六五○よ。あと五分したら空域内に突入するわよ!」

(;^ω^)「おkおk!」


そんな会話を交わす二人の表情は、明らかにこわばっていた。

しかし、それも無理のないことで、彼らの目の前の空には、
まだ豆粒ほどの大きさではあるが、無数の艦隊の艦影が浮かんでいるのだ。

雲の中に隠れて相手側からは自分達の姿は見えていないはずではあるが、
それでもあの数の艦隊を目の当たりにして動揺を隠せないのが今の二人の現実だった。



320 名前:散髪とめきち:2006/11/29(水) 21:38:26.22 ID:+b5j4L7V0

ξ;゚听)ξ「……一六五五!行くわよ!」

(;^ω^)「うはwwwおkwwww把握!!」


半ば投げやりに笑ったブーンは、アクセルを一気に踏みこむと、
最高速で「トップページ」空域へと進入した。

最大出力のエンジンが起こす振動が尻に響き、口を開ければ小刻みに声が漏れる。
口にする言葉は振動で震え、周囲には甲高い風切り音と、
後部座席のツンの声が風にかき消されてかすかに聞こえるくらいである。

そんな彼らのもとに、相手側艦隊から送られてくる発光信号。


(;^ω^)「……一応聞くけど、なんて言っているんだお!?」

ξ;゚听)ξ「『直ちに立ち去れ。さもなくば撃墜する』ですって!!」

(;^ω^)「お……やっぱりかお……」


あらかじめ想定していたこととはいえ、
ほんのちょっぴり何かを期待していたブーンにとって、彼女の言葉は胸にズシリとくるものだった。

結局そのまま艦隊の方へと向かったブーンたちは、
あたりに次々と響き渡る砲撃音に縮み上がることになる。


321 名前:VIP足軽v:2006/11/29(水) 21:40:12.21 ID:o8Quyzg90
支援

322 名前:散髪とめきち:2006/11/29(水) 21:41:48.90 ID:+b5j4L7V0

(;゚ω゚)「ぶおおおおおおおおおおおおおお!!」

\ξ(^O^) ξ/「イヤ―――――!人生オワタ―――――――!!」


無数の艦隊から打ち出される砲撃の中を、二人は意味不明な叫び声をあげながら飛んだ。

時にループし、時にロールして、
二人を乗せた銀色の空の舟は艦隊の間を抜け一直線に「トップページ」を目指した。
しかし、その奥に行けば行くほど、他の艦隊からの連絡があったのであろう、
待ち受ける艦隊の砲撃は厳しいものになっていく。

特にツンが肝を冷やした場所があった。
その空域で二人は両側を艦隊に囲まれたその間を飛行していた。

するとその艦隊の側面から放たれるのは、弾丸ではなくて無数の巨大な鉄の槍。
二人はその槍の雨の中を、ひたすらに飛んでいた。


323 名前:VIP盗賊:2006/11/29(水) 21:43:57.20 ID:/a+/ijcY0
( ^ω^)

324 名前:VIP勇者:2006/11/29(水) 21:47:08.50 ID:rpDf7yM10
支援

325 名前:北町奉行:2006/11/29(水) 21:48:58.69 ID:SdZIXQNeO
支援

326 名前:VIP盗賊:2006/11/29(水) 21:52:26.49 ID:/a+/ijcY0
( ^ω^)

327 名前:VIP盗賊:2006/11/29(水) 21:52:50.72 ID:/a+/ijcY0
('A`)

328 名前:南蛮ムキトス:2006/11/29(水) 22:00:14.02 ID:+b5j4L7V0

\ξ(^O^)ξ/「いやあああぁぁぁああぁ!!本当に槍が降ってきたあぁぁぁぁあああ!!
        今日あんたが早く起きたせいよおぉおぉぉおおぉ!!」

( ^ω^)「おっおっお、それはすまんことだお」


半ば発狂しているツンとは対照的に、ブーンはすこぶる落ち着いた様子だった。
両側から降り注ぐ鉄の槍の軌道が、今の彼にははっきりと見えていた。

なぜこんな窮地のさなかに、自分はこうも冷静でいられるのだろうか?

今の彼に、それが一流の飛行機械乗りのみが達することが出来る、
一種のゾーンとも呼ばれる最高の緊張状態の賜物であることに気づく術はなかった。


329 名前:南蛮ムキトス:2006/11/29(水) 22:03:38.27 ID:+b5j4L7V0

やがて、二人の目の前に始まりの島「トップページ」の姿が見えてきた。

それはまだ緑色の小さな点ではあるのだけれども、
目標が見えたことによる二人の安堵感は格別なものだった。

しかし、それが災いした。
目標が見えたことによる安堵感が、二人の間にわずかな緊張の緩みを生じさせた。
それにより判断が一瞬遅れる。

その結果、二人は連合艦隊の艦上から離陸した飛行機械の銃撃を受けることになる。


(;゚ω゚)「のわぁぁああぁあ!!」

ξ(´・ω・`)ξ「イヤ―――――!!打たれとるがな――――――!!」


もはや口調まで変わってしまったツン。
幸いにも弾丸は片翼をかすめただけであったが、後方から迫り来る飛行機械の数はどんどん増してゆく。

両側面には艦隊からの槍や砲弾の嵐。
前方にはまだ多くの艦隊。

もはや、彼らの命運もここまでかに見えた。


330 名前:VIP足軽wwwww:2006/11/29(水) 22:04:50.20 ID:o8Quyzg90
しえん

331 名前:VIP奴隷:2006/11/29(水) 22:07:11.18 ID:/a+/ijcY0
( ^ω^)

332 名前:南蛮ムキトス:2006/11/29(水) 22:07:58.34 ID:+b5j4L7V0

しかし、その時だった。

二人の後方に突如現れた、赤と青、二つの飛行機械。
それが後方の連合艦隊の飛行機械を次々と撃破していく。

予期しない光景を目の当たりにして、呆然とアクセルを踏み続けるブーン。
瞬間、身を圧迫するように響く轟音。

その音のする方を見ると、連合艦隊の一隻が炎に包まれて真っ黒な煙を上げていた。


(;゚ω゚)「いったい、何が起こっているんだお……」


そう呟いた彼に、後部座席のツンが叫び声を上げた。


ξ;゚听)ξ「……ブーン!上を見て!!」


333 名前:南蛮ムキトス:2006/11/29(水) 22:09:53.63 ID:+b5j4L7V0

見上げた彼の視線の先では、雲の隙間から顔を出した巨大な鋼鉄の塊が
目の前の連合艦隊に向かって上空から無数の砲弾を次々と発射している姿があった。


(;゚ω゚)「あれが……『VIP』……」


その鉄の塊は、重厚な外見に不釣合いに華麗に空を舞っていた。

そんな空に浮かぶ鉄の塊の様子を表現するとき、
人はきっと「風に乗る船」という言葉を用いるのであろう。


第八話 おしまい


334 名前:暴れん坊VIPPER:2006/11/29(水) 22:11:40.24 ID:SdZIXQNeO
支援

335 名前:南蛮ムキトス:2006/11/29(水) 22:15:47.98 ID:+b5j4L7V0
今日は深夜バイトとそのとき歴史が動いたがあるんでこれで御しまいです。
猿さん引っかかってごめんね。スレの寿命もわずかなんで落とし

336 名前:VIP足軽j:2006/11/29(水) 22:16:33.35 ID:b+w8g+Kk0
ツンwwwww

337 名前:VIP足軽wwwww:2006/11/29(水) 22:16:36.39 ID:o8Quyzg90
おつ

338 名前:VIP村人y:2006/11/29(水) 22:18:19.17 ID:sErEizG10


339 名前:VIP村人q:2006/11/29(水) 22:39:05.08 ID:awsHjxi10
一万年と二千年前から乙

340 名前:花魁:2006/11/29(水) 23:05:46.46 ID:xbfaVUfeO
よーしパパ乙乙しちゃうぞー

341 名前:VIP村人r:2006/11/30(木) 00:08:40.49 ID:otzvBB0ZO
今北俺が読むために保守

342 名前:VIP村人e:2006/11/30(木) 01:08:32.36 ID:/vBhI4+W0
保守

343 名前:VIP村人s:2006/11/30(木) 01:13:41.39 ID:otzvBB0ZO
読み終わった……

作者the pillowsとぱにぽに好きとかこれなんて俺?

344 名前:VIP村人s:2006/11/30(木) 02:14:05.37 ID:Zm1rbPgXO


345 名前:駅前食堂のメグ:2006/11/30(木) 03:36:59.88 ID:j1F/NYTAO
ほすほす

346 名前:78 ◆pP.8LqKfPo :2006/11/30(木) 04:48:02.43 ID:lPO7np3/0
バイトオワタ\ξ(^O^)ξ/
なぜか保守してくれた皆さんありがとうございます

>>343
はい。ぱにぽにとthe pillowsは神ですね。
この世の果てまでと芹沢茜は最高です

347 名前:北町奉行:2006/11/30(木) 04:48:59.88 ID:xyHK5RgX0
>>346
バイト乙!!!

348 名前:VIP魔王:2006/11/30(木) 04:51:11.43 ID:lPO7np3/0
>>347
あなたもこんな時間までありがとうございます。
そんなあなたのために続き投下したいのですがスレの寿命があと一時間…

349 名前:北町奉行:2006/11/30(木) 04:52:42.47 ID:xyHK5RgX0
>>348
ですよね・・・・・・
新スレ立てるのもなんですから
投下は今日の夜にして休んでくださいwww

350 名前:悲しい一人暮らし:2006/11/30(木) 04:54:47.03 ID:hJEY4GQ30


351 名前:VIP遊び人:2006/11/30(木) 05:00:51.41 ID:lPO7np3/0
>>349>>350
こんな時間にレスをくれる方が二人も……
ぶっちゃけ午前中にまたバイト入ってるんで起きてルンバですし
今日の投下は話の都合上、二話連続で行うつもりなんで
今から新スレたてて一話投下しても一向に構わないんですよね。
猿さんとも妙に仲がいいので、二話連続投下はきついものがあるし

352 名前:暴れん坊VIPPER:2006/11/30(木) 05:02:32.08 ID:xyHK5RgX0
>>351
無理するなよ?
もし投下するって言うなら精一杯支援するぞwww

353 名前:VIP村人a:2006/11/30(木) 05:04:27.10 ID:t9hp5smz0
二話投下なら時間帯選んだ方がいいぜ

人が多そうな時間じゃないと連続モンキーパンチでKOされちゃうぜ

354 名前::2006/11/30(木) 05:05:48.45 ID:m1cqacLoO
(;_;)どしたらイイノ

355 名前:VIP遊び人:2006/11/30(木) 05:07:05.38 ID:lPO7np3/0
>>352
じゃあ無理しません。
その代わりどうせスレも落ちることですし
何か読者目線でご意見をいただけませんかね?
テンポが悪いだとか、文章、改行がわかりにくい、その他質問など、辛らつなご意見で構いませんので
むしろ、私Mなんで、厳しいご意見の方が今後の参考になり助かったりします

356 名前:暴れん坊VIPPER:2006/11/30(木) 05:16:57.72 ID:xyHK5RgX0
>>355
すまないが特に文句が付けれない
改行についてはパソコンからは見やすくてちょうどいいと思う
ストーリーも面白くてちょっと読んだだけで引き込まれた
島の位置関係とかそういう所がちょっと細かくてわかりづらいが
これは俺の読解力が無いだけだと思う
”ブーン”や”ツン”固有のキャラもうまいこと生かせてると思う

俺は問題点見つけるのが苦手なんで
あんまり役にはたたないと思うが
一応これが俺の感想

357 名前:愛のVIP戦士:2006/11/30(木) 05:19:15.20 ID:hJEY4GQ30
毎回楽しみにしてるんで無理だけはせんといて

358 名前:VIP村人a:2006/11/30(木) 05:21:47.80 ID:t9hp5smz0
そうだなあ……別にわかりにくいとかはないし、改行も見やすいと思う
原作はやっぱり忘れてるけど、つまんねえなとも思わない。面白いと思う

ただ、全体的に少し盛り上がりに欠ける気がする
これはまだ話が序盤(わかんないけど)だからとかそういうことじゃなくて、一つの場面がちょっとあっさりしてるかも
例えば八話の部分だと、銃弾の波を必死にかいくぐる内藤達を描いてるんだろうけど、少しスイスイ行き過ぎな気がする
もうちっと臨場感を増したら「VIP」の存在感、重厚感なんかも増すし、プラスになるはず

あと「読者の皆様〜」ってのにはちょっといきなり過ぎてびっくりした
なんかバリバリのファンタジーから一気に現実に引き戻されたような感じ
別にいいんだけど、それならそれで少し前半から配慮すれば良かったかも

なんか長くなったけどね、面白いとは思ってるんだよ
ただね、「すごく面白い」んじゃないんだな。「面白い」なの。できればもう一個上に行って欲しい
そのためにはオリジナル要素が必ず必要になると思う
俺は残念ながら肝心の世界のすべてを読んでないからちゃんとは知らないんだけども、作者なりの味みたいなものを出せたら最高だと思うよ

359 名前:VIP遊び人:2006/11/30(木) 05:23:15.75 ID:lPO7np3/0
>>353
それなら、たとえば夜九時に一度、深夜に一度投下するなど
時間を置く形を取ったいいですかね?

>>354
はい。寝たらいいと思います

>>356
そうですか……さては褒め殺しで俺を堕落させる気ですね?
なんという鬼畜……だがそれがいい!
んじゃ、アフロの続編の短編を考えているんですが、こういうのって許されるんですかね?

>>357
というか、最近投下と続き書きだけが楽しみなんで無理は全然していないんですよ。
その言葉だけで書く気が沸いてきます。


360 名前:VIP村人a:2006/11/30(木) 05:29:12.26 ID:t9hp5smz0
まず九時に一話投下してみて、それでモンキーバスターズが多いようならそのまま続けて投下するってどうよ

361 名前:VIP遊び人:2006/11/30(木) 05:32:15.94 ID:lPO7np3/0
>>358
>ただ、全体的に少し盛り上がりに欠ける気がする
なるほど。率直なご意見、ありがとうございます!

>例えば八話の部分だと、銃弾の波を必死にかいくぐる内藤達を描いてるんだろうけど、少しスイスイ行き過ぎな気がする
ここはテンポを選ぶか、詳細を選ぶか悩んだんです。
たしかに言われてみるとあっさりしすぎですね。反省点です

>あと「読者の皆様〜」ってのにはちょっといきなり過ぎてびっくりした
>なんかバリバリのファンタジーから一気に現実に引き戻されたような感じ
眼からうろこのご意見ですね。
前作からのジャンルの違いにまだ慣れていなかったようです。
本当にありがたいご意見です。

>別にいいんだけど、それならそれで少し前半から配慮すれば良かったかも
前半はどうしても盛り上げられなかったので、テンポ重視で行こうと思い長い説明を省きました。
しかし、それはそれでデメリットがあるということですね。

>ただね、「すごく面白い」んじゃないんだな。「面白い」なの。できればもう一個上に行って欲しい
>そのためにはオリジナル要素が必ず必要になると思う
>俺は残念ながら肝心の世界のすべてを読んでないからちゃんとは知らないんだけども、作者なりの味みたいなものを出せたら最高だと思うよ
11話からは完全にオリジナルにしたつもりです。
あなたのような読者に「すごく面白い」と言われるよう下半身全霊でがんばります!
世界のすべては恥ずかしいから読まなくていいです。


362 名前:VIP遊び人:2006/11/30(木) 05:35:24.95 ID:lPO7np3/0
>>360
そうですね。その方法で逝ってみます
では九時の十分くらい前にスレを立てますんで。
あと、あなたの意見本当に参考になるんです。
話の構成で何かアドバイスをいただけませんか?

363 名前:暴れん坊VIPPER:2006/11/30(木) 05:35:39.48 ID:xyHK5RgX0
>>359
俺は一向に構わん
むしろ続編投下して欲しい
だけどそういうの嫌う人もいそう

>>360
今投下したら最低2人はいるんジャマイカ?

364 名前:VIP村人a:2006/11/30(木) 05:44:25.24 ID:t9hp5smz0
二人じゃキツイだろ…常識的に考えて……

構成かあ…なんか思い違いをしてるかもしれないけど俺も同じ素人だからね
立ってる場所は同じだから

そうだなー……この話ってブーンとツンが戦いに巻き込まれながらも成長していくお話だと思うのね
だからその成長というか、心の変化がわかる場面は大事にした方がいいと思う
最初にこうは感じていたけど、気付いたらこう感じている自分がいた……みたいなさ

求めているようなことと違ったらごめんだけど

365 名前:VIP遊び人:2006/11/30(木) 05:49:24.44 ID:lPO7np3/0
>>364
心の変化にはもちろん重点を置くつもりです。

>心の変化がわかる場面は大事にした方がいいと思う
胸に刻んでおきます。

>>363
本当に一スレ完結の短編なんでイイかと思ったのですが、やはりそういうのも嫌いな人はいますよね
まあ、スレタイを変えて、いつかやってみようかと思います


深夜というか朝早くに本当にすみまそんでした


366 名前:VIP村人a:2006/11/30(木) 05:54:57.75 ID:t9hp5smz0
むしろなんか開き直って大々的にやってみるとか
「帰ってきた! ブーンがアフロに〜」みたいなスレタイで
多分嫌な人はそれほどいないと思うけどな

そんじゃまた明日、じゃなくて今日か

367 名前:油売りの左暮:2006/11/30(木) 05:54:59.47 ID:SDZd3Dnf0

★17歳女だけど朝からラジオ★95.703125
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★

ラジオ
http://life7.2ch.net/test/read.cgi/hikky/1164824131/

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368 名前:牛のふん:2006/11/30(木) 05:57:36.90 ID:v4KUkSpW0
支援レスした方が良いのかな?

369 名前:暴れん坊VIPPER:2006/11/30(木) 05:57:40.73 ID:xyHK5RgX0
まぁ作者の息抜きとして投下みたいな形にすれば
誰も文句言わないだろうけどね

370 名前:78 ◆pP.8LqKfPo :2006/11/30(木) 06:01:14.40 ID:lPO7np3/0
いえ、この話が終わってから投下するつもりです。
そろそろ寿命ですね。
込み入った話をしてすみませんでした!
皆さんよい一日を!

371 名前:内藤ホライゾン:2006/11/30(木) 06:02:40.77 ID:v4KUkSpW0
乙でっす


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