( ^ω^)が空を行くようです (http://ex17.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1165407819/)
1 名前:78 ◆pP.8LqKfPo :2006/12/06(水) 21:23:39.70 ID:cNSQyr9v0
まとめサイト様様
http://boonnovel.g.hatena.ne.jp/
http://hebiya.blog40.fc2.com/

2 名前:VIP乙女:2006/12/06(水) 21:30:23.98 ID:cNSQyr9v0

第十六話 「ジオラマの花」


ブーン宅にて、銃を片手に対峙した二人の男。

その銃口の向く先は、
片方は床にへたり込むツン。
そしてもう片方は、そんなツンに対して銃を向けるギコ。

ギコに銃を向けるジョルジュの後ろでは、
無残に転がった玄関の扉を修理するオカマとブーン。

五者五様の思いを秘めて、彼らは同じ屋根の下にいた。


3 名前:武器屋のじじぃ:2006/12/06(水) 21:31:42.50 ID:hJYPtSWeO
ktkr

4 名前:VIP乙女:2006/12/06(水) 21:33:50.99 ID:cNSQyr9v0

(#゚∀●)「覚えていたか……嬉しいぜ」


ギコの放った言葉にジョルジュは振るえあがった。

ツンのような恐怖からではない。
武者震いに似た感覚がジョルジュの全身を駆け巡ったのだ。

ギコの言葉に静かに答えたジョルジュだったが、その瞳からは殺気だけが漏れている。
下から見上げているツンには、その殺気が眼帯から中心に湧き出ていると感じられた。

マシンガンをガチャリと握り締め、照準を定めたジョルジュ。
その視線の先には、不適に笑う『黄豹』ギコ。


5 名前:VIP乙女:2006/12/06(水) 21:39:59.28 ID:cNSQyr9v0

( ,,゚Д゚)「まさかこんなところで会うとはなぁ……お前のナビは元気か?」
  _
(#゚∀●)「……死んだよ……てめえのせいでな!!」

( ,,゚Д゚)「……そうか……そいつは残念だ」

(;^ω^)「こ れ は ひ ど い ! 玄関の扉、粉々だお……」

('∀`)「ぶほほほほwwwww我ながら見事なタックルだわ!!」


ジョルジュの叫び声に一瞬、ギコの表情が硬くなる。
しかし、その表情はすぐにもとの不適な笑みに戻った。
一方ツンは、先ほどのギコの言葉に眼を丸くしていた。


ξ;゚听)ξ「ジョルジュが……『桃色の乳首』?」


彼女の故郷、ここ『ツダンニ』で語り継がれる伝説のパイロットの二つ名。
ギコはその二つ名を、目の前のジョルジュに向けて放った。


( ,,゚Д゚)「で、そのマシンガンで俺をどうするつもりだ、『桃色の乳首』?」


6 名前:VIP足軽hentai:2006/12/06(水) 21:40:00.16 ID:dSkMvOvb0
カオスな人キタ━ヽ(=゚ω゚)人(*^ー゚)人(´・ω・`)人( ´∀`)人( ;´Д`)人(゚∀゚)人(´-`)ノ━━!!

7 名前:武器屋のじじぃ:2006/12/06(水) 21:40:35.40 ID:hJYPtSWeO
ちょwww誰も来ねぇwwwww

8 名前:棒またぎ姫:2006/12/06(水) 21:44:02.34 ID:xdh7MEKIO
ジョルジュの通り名のせいでシリアス感がないぜ

9 名前:VIP乙女:2006/12/06(水) 21:44:05.64 ID:cNSQyr9v0
  _
(#゚∀●)「てめぇを殺すに決まってんだろ!」

( ,,゚Д゚)「ほう?出来るのか?」

(;^ω^)「あーもう……どんな勢いでタックルしたら扉をここまで破壊できるんだお……」

('∀`)「ぶほほほほwwwwwオカマの力を舐めないでちょうだい!!」


ギコの銃口がツンの額に近づけられる。
その動作に、ツンの体、そしてマシンガンを持つジョルジュの腕が震える。


( ,,゚Д゚)「お前がその引き金を引いた瞬間、俺はこのお嬢ちゃんを殺す。
    お前のナビのようになゴルァ!!」
  _
(#゚∀●)ξ;凵G)ξ「「!!」」

( ´ω`)「……玄関の扉、修復不可能だお。
      ここまで粉々にされたらもう買い換えるしかないお……」

('∀`)「ぶほほほほwwwwwwごめんなさいねぇwwwwwwww」


10 名前:VIP村人XL:2006/12/06(水) 21:45:09.27 ID:LieVT9Mi0
桃色の乳首

毎回↑これを見るたびに笑わずにはいられないwwwww

11 名前:VIP乙女:2006/12/06(水) 21:45:29.89 ID:cNSQyr9v0

言葉とは正反対に高らかに笑うと、
オカマは両手に握り締めた二丁の銃のうち一丁をブーンに投げてよこす。

ズシリとくる黒い塊を受け取ったブーンは、オカマとともにその銃口をギコに向けた。


('∀`)「ぶほほほほwwwwこれで三対一!!
    どっちにしろあんたの負けよ、『黄豹』!!」

(;^ω^)「ギコさん!ツンに向けた銃を下ろして、おとなしく降伏してくださいお!!」


銃を構えた二人の姿を見て、ギコは「ハァ……」と深いため息を一つ。

直後、ギコは自分の懐に手を突っ込み、
取り出した何かを地面に叩きつけ、叫んだ。


( ,,゚Д゚)「ここで死ぬわけにはいかんのだゴルァ!!」


12 名前:VIP皇帝:2006/12/06(水) 21:46:34.39 ID:10on2A+rO
うぃ〜す( ^ω^)

13 名前:VIP乙女:2006/12/06(水) 21:46:57.68 ID:cNSQyr9v0

瞬間、眼を覆いたくなるほどの強烈な閃光。
閃光はギコを中心に光速で広がり、四人の視力を奪っていく。


\ξ(^O^)ξ/「キャ――――!あたし死んだ―――――!!」
  _
(#゚∀●)「しまった!閃光弾かよ!!」

( ゚ω゚)「ぶおおおおおおお!眼がぁ………眼がぁ――――――!!」

('∀`)「ぶほほほほwwwwwwバルス!バルス!!」


しばらくして閃光が引いた。

彼らの視線の先に、ギコの姿は無かった。


14 名前:VIP乙女:2006/12/06(水) 21:49:39.75 ID:cNSQyr9v0

閃光弾を使いツンの部屋へと逃げ込んだギコは、
彼女の部屋の窓をぶち破って外へと転がり出た。

その直後、彼の眼の前に、
上空で待機していたしぃと彼女が操縦する黄色の飛行機械が下りてくる。


(*゚ー゚)「ギコ!『エデン』の地図は!?」

( ,,゚Д゚)「回収完了だゴルァ!!」


そう叫んで後部座席に飛び乗るギコ。
彼の搭乗を確認すると、操縦席のしぃは一気にアクセルを踏み込んだ。


15 名前:VIP足軽hentai:2006/12/06(水) 21:49:44.66 ID:dSkMvOvb0
支援

16 名前:VIP皇帝:2006/12/06(水) 21:49:59.67 ID:cNSQyr9v0

垂直に飛び上がり、
グングン加速してラウンジ艦隊旗艦「ジュウシマツ」を目指す黄色の空の舟。

その最中、周囲を見渡したギコは、「チッ!!」と舌を打つ。

彼の視線の先には、味方の飛行機械と交戦する、赤と青、二つの飛行機械の姿。


( ,,゚Д゚)「『蒼風』と『レッドバロン』が出てきたぞ!
    こりゃ、味方の飛行機械が撃墜されるのも時間の問題だぞゴルァ!!」

(*゚ー゚)「わかっているわ!飛ばすからしゃべるのを止めなさい!舌、噛むわよ!!」


しぃはギアを最高速にまで上げ、一直線に旗艦「ジュウシマツ」を目指した。

17 名前:棒またぎ姫:2006/12/06(水) 21:51:48.34 ID:5spVLBoW0
こいつらテンションたけぇぇーな

18 名前:VIP乙女:2006/12/06(水) 21:51:50.46 ID:cNSQyr9v0

轟音とともに飛び去った黄色の飛行機械。
遠ざかる機影を見つめたジョルジュは、マシンガンを床に叩きつけて悔しがっていた。

  _
(#゚∀●)「ちくしょう!もう少しだったのによ!!」


彼の傍らでは恐怖から開放されて泣きじゃくるツンと、
彼女を優しく抱きしめるオカマの姿。

一方ブーンは、目の前で起こったことにただ呆然としていた。
放心状態の彼に向かって、隻眼の副整備長は怒鳴り声を上げる。

  _
(#゚∀●)「ブーン、お前の飛行機械を出せ!『黄豹』を追うぞ!!」

(;゚ω゚)「びびび、びっくりしましたユートピア!」

('A`;)「ジョルジュ!落ち着きなさい!!」
  _
(#゚∀●)「うるさい!!」


叫び声とともに片眼を覆う眼帯を床に叩きつけたジョルジュ。
彼の隠された片眼には、まぶたを斜めに走る大きな傷跡。

そのまま床に転がったマシンガンを拾い上げ、彼はその銃口をブーンに向けた。


19 名前:VIP乙女:2006/12/06(水) 21:54:06.63 ID:cNSQyr9v0
  _
( #゚∀ナ)「やっと見つけたアイツのカタキなんだ……それを見逃してたまるか!」

('A`)「ジョルジュ!いい加減にしなさい!!」
  _
(#゚∀ナ)「黙れオカマ!!
     ……俺はなぁ、『黄豹』を殺すためだけに生きてきたんだ!
     空から堕ちたあの日から……生き恥をさらしてな!!」

('A`;)「ジョルジュ……」

(;^ω^)「長岡さん……」
  _
(#゚∀ナ)「俺を乗せて飛べ!ブーン!!」



20 名前:VIP乙女:2006/12/06(水) 21:54:31.21 ID:cNSQyr9v0

突きつけられた銃口の先、
怒りの中に悲しみの影を垣間見せるジョルジュをブーンは見つめた。

眼帯の下に隠された傷跡。

生々しく刻み付けられたそれを見て、少年は、なぜだかわからない、
わからないけど、この男を乗せて飛ばなければならないような気がした。


( ^ω^)「……おk」


ブーンはそう呟くと、
その言葉を合図に飛行機械へと走り出した『桃色の乳首』の背中を追った。

去り行く少年の背中を、懐にツンを抱いたオカマは悲しげな視線で見送った。

21 名前:駅前食堂のメグ:2006/12/06(水) 21:55:19.46 ID:10on2A+rO
眼帯でよく空飛べるな・・・

22 名前:VIP乙女:2006/12/06(水) 21:55:51.19 ID:cNSQyr9v0
  _
( ゚∀ナ)「いいか、ブーン!
     今操縦しているのは『黄豹』じゃなく『ネコ耳』だ!!
     あいつなら、お前の腕で必ず落とせる!!」

(;^ω^)「おK!」


ブーンの飛行機械の後部座席に手馴れた調子で飛び乗ったジョルジュ。
彼らの見据える先には、すでに小さな点となりラウンジ艦隊旗艦を一直線に目指す黄色い飛行機械の後姿。

  _
( ゚∀ナ)「問題は追いつけるかどうかだが……
     最高速で飛ばせば、甲板に着艦するあいつらを叩けるはずだ!!」

(;^ω^)「把握!!」


23 名前:棒またぎ姫:2006/12/06(水) 21:57:00.57 ID:5spVLBoW0
ドクオが相当優秀なナビってことだな

……あれ? 今はブーン……アッー!

24 名前:VIP乙女:2006/12/06(水) 21:57:24.72 ID:cNSQyr9v0

その言葉にアクセルを踏みつけるブーン。
後部座席からはジョルジュの強烈な殺気。

機体がガタガタ震えている。
空を無理やり引き裂いて飛んでいく感覚。

……こんな空、僕は好きじゃない。

生まれて初めて空への否定的な考えをめぐらした少年の視線の先には、
旗艦「ジュウシマツ」から飛び出してくる二機の飛行機械。


(;^ω^)「長岡さん!!」
  _
( ゚∀ナ)「安心しろ!あいつらが来た!!」


ジョルジュの言葉に横を向くと、
そこには赤と青、見慣れた二機の飛行機械が近づいてくるのが見えた。

その片方、青の飛行機械から放たれる発光信号。


25 名前:VIP乙女:2006/12/06(水) 21:58:52.79 ID:cNSQyr9v0

(;^ω^)「クーさんはなんて言っているんだお!?」
  _
(#゚∀ナ)「……気にするな!進め!!」

(;^ω^)「……」


本当に……大丈夫なのだろうか?

ブーンには発光信号の解読は出来ない。
しかし、長年ツンとともに数多の発光信号を見てきたおかげで、
曖昧ではあるが大意はつかめるつもりだ。

その経験が、ジョルジュの言葉を否定する。

しかし、後部座席で隻眼を血走らせるジョルジュを見て、
「従うしかなさそうだ」と、少年は妙に冷めた頭で思考した。


26 名前:牛のふん:2006/12/06(水) 22:01:23.37 ID:cNSQyr9v0

( ,,゚Д゚)「……まいったな」


「ジュウシマツ」に向かう黄色い飛行機械。
その後部座席の『黄豹』は、後ろを見てため息をついた。

後方からは、グングンとスピードを上げて追ってくる銀色の飛行機械。
パイロットは恐るるに足らなさそうだが、その後部座席に乗っているのは『桃色の乳首』。

一方、味方の飛行機械が二機援護に出てきてくれたわけだが、
側面からやってくる『レッドバロン』と『蒼風』は、彼らには荷が重すぎるだろう。


( ,,゚Д゚)「こりゃ、着艦時にやられるぞ……」


何事においても言えることだが、物事の終わりが人間にとって一番無防備なときだ。
飛行機械の操縦においては着艦時がまさにそうである。


(;*゚ー゚)「どうするの、ギコ?」


心配そうな声でたずねるしぃ。
返答として沈黙を返し、しばし周りを注視する『黄豹』。
周囲の状況を探るその眼差しは『豹』の二つ名に違わない。


27 名前:VIP足軽MS:2006/12/06(水) 22:01:55.83 ID:vOxSsDqZ0
( ^ω^)

28 名前:VIP足軽MS:2006/12/06(水) 22:02:24.00 ID:vOxSsDqZ0
( ^ω^)

29 名前:牛のふん:2006/12/06(水) 22:02:27.73 ID:cNSQyr9v0

すると、眼前の『蒼風』から放たれる発光信号。
それを見た『黄豹』の眼に笑みが宿る。


( ,,゚Д゚)「ギコハハハwwwwwww相手は仲間割れをしてくれたようだぞゴルァ!!」


明滅する光を解読し、高笑いを浮かべる『黄豹』。
その声を聞いた『ネコ耳』は、静かに笑みを浮かべた。


30 名前:牛のふん:2006/12/06(水) 22:04:31.14 ID:cNSQyr9v0

『黄豹』に向かいグングン速度を上げるブーン。
彼の目の前に展開してきた二機の敵機に向かい、赤の飛行機械が飛び込んでいく。

一方、バックミラーから見えるのは後方に付けてきた青の飛行機械。
空を風のように舞う蒼は、両翼から接触回線用のワイヤーを放った。

途端、機体に響く金属音。
同時に開く接触回線。


川 ゚ -゚)「止まるんだ、ブーン。信号は解読しただろう?」


座席のスピーカーから聞こえる、いつもと変わらない落ち着いた声。
一方、後部座席からはいつもと違う男の怒鳴り声。

  _
(#゚∀ナ)「解読したさ!何が『撤退する』だ!?
     目の前に『黄豹』と『エデンの地図』があるのに、指をくわえて見送れってのか!?」

川 ゚ -゚)「勝算が無い。これ以上の交戦は無意味だ」


いとも簡単に数機の敵機を落としておいてよくもまぁそんなことを……
彼女のあまりの慎重さにブーンは少し呆れた。


31 名前:牛のふん:2006/12/06(水) 22:06:06.37 ID:cNSQyr9v0
  _
(#゚∀ナ)「んなこたーない!このまま行けば着艦時に確実に落とせる!!」
川 ゚ -゚)「それで、『黄豹』に奪われた『エデンの地図』はどうなるんだ?」
  _
(;゚∀ナ)「……」


正論だ。

仮に『黄豹』を落とせたとしても、『エデンの地図』を失えば本末転倒。
元も子もない。

  _
(;゚∀ナ)「……う、うるさい!理屈をごちゃごちゃ並べやがって!!
    目の前にアイツのカタキがいるんだ!理由はそれで十分だ!!」


動揺を隠せないジョルジュ。
間髪いれずにスピーカーから響く、耳をつんざく怒鳴り声。


川#゚ -゚)「任務に私情をはさむな!!
    撃墜した後はどうするんだ!!敵艦隊の中で集中砲火を浴びるのか!?
    貴様の私情でブーンを殺すのか!?アイツのようにブーンを死なすのか!!」


32 名前:高校の女教師:2006/12/06(水) 22:06:27.66 ID:10on2A+rO
支援アナルー

33 名前:VIP皇帝:2006/12/06(水) 22:07:30.75 ID:cNSQyr9v0
 _
(;゚∀ナ)「!!」


その言葉に眼を見開くジョルジュ。
後にも先にも、ブーンがクーの大声を聞いたのはこの時だけであった。

 _
( ゚∀ナ)「……了解した……撤退する」


しばしの沈黙の後、ジョルジュは力なく呟いた。

ブーンはバックミラー越しに彼の姿を見た。
呟いた隻眼の男は、肩をガックリと落としてうなだれていた。

少年の瞳には、その姿は触れれば壊れてしまうかのように脆く儚げに見えた。


34 名前:牛のふん:2006/12/06(水) 22:09:43.41 ID:cNSQyr9v0

(´゜ω゜`)「この大バカヤロウが!掘るぞこのヤロウ!!
     ブーン君が死んだらどう責任を取るつもりだったんだ、貴様は!?」
 _
( ゚∀ナ)「……すみません」


着陸した甲板の上に待ち構えていたショボン達。
飛行機械から降りたジョルジュに向かい、ショボンは開口一番に怒鳴り声を上げた。


(´゜ω゜`)「すみませんじゃ済みません!!
     どうだ、このギャグ!?おもしろかったら笑え!!」
 _
( ゚∀ナ)「……」

(´゜ω゜`)「黙ってないで何とか言え!僕がスベったみたいじゃないか!!
     言わないならば尻を出せ!尻を差し出してブーン君に誠心誠意謝れ!!」
 _
( ゚∀ナ)「……すまない、ブーン」


ショボンの言葉に、うなだれたまま静かに頭を垂れるジョルジュ。
極限まで弱った彼の無様な姿に、ブーンは何も声をかけられない。

ただ悲しそうにジョルジュの姿を見る少年に代わり、激昂した艦長はなおも続けた。


35 名前:VIP足軽MS:2006/12/06(水) 22:11:19.42 ID:vOxSsDqZ0
( ^ω^)

36 名前:牛のふん:2006/12/06(水) 22:11:23.96 ID:cNSQyr9v0

(´゜ω゜`)「尻も出さずに謝罪とな!?
     貴様は公開くそみその刑に処す!!さあ、おとなしく尻を出しやがれ!!」


怒鳴りながらガチャガチャとズボムのベルトを外しだすショボン。
あわや、わいせつ物陳列罪の一歩手前。
いろんなところがいきり立つ彼を制して、ミルナは静かに、だがはっきりと言い放った。


( ゚д゚ )「ジョルジュ、お前には独房で三日間の謹慎を言い渡す。
    そこで自分の行いをじっくり省みるんだな」


その言葉に合図に、ジョルジュの両脇を抱え彼をどこかに連れて行く「VIP」の乗組員達。

そんな彼らの後ろ姿を、遅れて着艦した真紅の飛行機械の上から、
赤い男爵モナーはただ黙って見つめていた。


第十六話 おしまい


37 名前:VIP足軽MS:2006/12/06(水) 22:11:40.63 ID:vOxSsDqZ0
( ^ω^)

38 名前:高校の女教師:2006/12/06(水) 22:11:51.23 ID:10on2A+rO
アナルアナルー

39 名前:ex17落とさないでね:2006/12/06(水) 22:13:09.47 ID:a0rdpSiS0
otu


40 名前:牛のふん:2006/12/06(水) 22:15:05.38 ID:cNSQyr9v0
>>21
眼帯をつけてからはジョルジュは空を飛んでません。
今回も乗ったのは後部座席にナビとして、です。
詳しくは次回になります

最近一話ずつになって申し訳ない。
土曜には2〜3話投下するのでお許しください

では、そのとき日本が動いたをみてきます

41 名前:VIP足軽i:2006/12/06(水) 22:15:10.04 ID:dSkMvOvb0


42 名前:高校の女教師:2006/12/06(水) 22:16:19.15 ID:10on2A+rO
>>40


43 名前:壷ふりお京:2006/12/06(水) 22:16:28.42 ID:bQ8EnbSMO
面白いことカゼイン

44 名前:悲しい一人暮らし:2006/12/06(水) 22:17:11.76 ID:nrGvqv7KO
乙!

45 名前:門番の娘:2006/12/06(水) 22:17:24.37 ID:hJYPtSWeO
乙です!

46 名前:悲しい一人暮らし:2006/12/06(水) 22:18:37.18 ID:+3DLkFFgO
>>40
だから整備士なんだな

それはともかく笑っていいのか悪いのかわかんねwwwwww

47 名前:だんご屋のはる:2006/12/06(水) 22:36:02.60 ID:5spVLBoW0
ごちゃごちゃしとるぜ

乙だぜ

48 名前:78 ◆pP.8LqKfPo :2006/12/06(水) 22:37:53.79 ID:cNSQyr9v0
<自己満足のキャラ表>

( ^ω^)ブーン:『ニューソク国ツダンニ』出身の郵便屋さん。現在十七歳。
          二つ名は『赤い彗星のアナル』。ミルナのみ『スロウライダー』

ξ゚听)ξツン:『ニューソク国ツダンニ』出身の郵便屋さん。
        現在一八歳のぴちぴちギャル。二つ名は『暴力少女』

('A`)毒男:パーツ屋、兼『VIP』の整備長。
      二十代後半〜三十代前半。身長二m。二つ名は『ジャイアントオカマ』

(´・ω・`)ショボン:『鈍色の島』出身。『海賊狩りのVIP』艦長。
           四十代後半。二つ名は『くそみそ艦長』

( ゚д゚ )ミルナ:『VIP』副艦長。三十代後半のイケメン。身長は156cm。二つ名は『hyde』
  _
( ゚∀●)ジョルジュ長岡:『VIP』副整備長。二十代後半。二つ名は『桃色の乳首』

( ´∀`)モナー:『VIP』飛行機械部隊隊長。三十代後半。

川 ゚ -゚)クー:『VIP』飛行機械部隊副艦長。三十代前半。

/ ,' 3荒巻スカトロチノフ:古代史教授。六十代。二つ名は『エロじじい』

( ,,゚Д゚)ギコ:『メンヘラ国ラウンジ艦隊』所属。二つ名は『黄豹』

(*゚ー゚)しぃ:『メンヘラ国ラウンジ艦隊』所属。二つ名は『ネコ耳』

トエエイ:『メンヘラ国ラウンジ艦隊旗艦ジュウシマツ』艦長。二つ名は『鳥』


49 名前:78 ◆pP.8LqKfPo :2006/12/06(水) 22:39:12.52 ID:cNSQyr9v0
>>47
作者の筆力が足りなくて申し訳ない。
出来ることなら解説しますが

50 名前:VIP足軽s:2006/12/06(水) 22:41:57.38 ID:6gLv71ux0
('∀`)に噴いたオカマパワーすげぇ

ジョルジュと多分クーもツンダニに居たのか

51 名前:だんご屋のはる:2006/12/06(水) 22:45:51.40 ID:5spVLBoW0
>>49
いや、シリアスとギャグが混ざってるって意味だったんだぜ

一応一般的な読解力は持ってるつもりだぜ

52 名前:78 ◆pP.8LqKfPo :2006/12/06(水) 23:38:47.24 ID:cNSQyr9v0
>>51
いえいえ、読者の方々の読解力云々ではなくこちらの筆力の乏しさの問題ですはい

>>46
笑ってやってくださいな
シリアスはどうも苦手でして

では、バイトいって来ます
いつも読んでくださるかたがたありがとうございましたー

53 名前:VIP下手人:2006/12/07(木) 00:19:08.23 ID:3p6nDEey0
バイトガンガレ

54 名前:VIP無職:2006/12/07(木) 01:21:58.69 ID:s2zk5MTVO
乙です

55 名前:愛のVIP戦士:2006/12/07(木) 02:32:08.48 ID:jTKeTujJO


56 名前:78 ◆pP.8LqKfPo :2006/12/07(木) 05:45:18.22 ID:k/6zOOd40
>>37
( ^ω^) ……
( ^ω^)db ファック!

>>38
卑猥な人!ここは上品なスレですよ

>>53
オリゴ糖ございます。ガンガッテきますた

>>54
深夜にわざわざありがとうございます

>>55
今日もVIPのために戦ってください

57 名前:南蛮ムキトス:2006/12/07(木) 05:46:29.41 ID:q+1cLR3K0
乙です

58 名前:78 ◆pP.8LqKfPo :2006/12/07(木) 05:50:03.99 ID:k/6zOOd40
>>57
ど早朝に元気が出ることば、ありがとうございます。
ヨーデルヨーデル、早く寝ろ


59 名前:籠屋の銀二:2006/12/07(木) 05:51:06.07 ID:L2pPJJFK0
 ∧_∧  ん?
( ^ω^)が空を行くようです

二つ並んでてワロタ

60 名前:壷ふりお京:2006/12/07(木) 05:56:03.09 ID:N4lsv48+0
>>58
バイト終わったの?
乙〜

61 名前:78 ◆pP.8LqKfPo :2006/12/07(木) 06:09:13.18 ID:k/6zOOd40
>>59
<^o^> シュリケン
笑  っ  た  ら  死  ぬ  ス  レ

の並びで、スレを開く前に死にました。

>>60
終わったんです。早朝からありがたい言葉です。
寝ろ。
今から仕事なら頑張ってください。

投下した物語も今日でやっと全体の半分がオワタ
気合入れて今から書き溜め書いてきます。
一日に二話投下できるよう前張ります
まとめサイトさんもバイト頑張ってけろ

「最近中だるみしてんじゃない?」
「文章わかりにくいんだよカス」

など、文句がございましたらドゾー
これ以上は馴れ合いになりそうなのでレスはあんまり出来ませんが
スレを見てもだえておきますので

62 名前:VIP奴隷:2006/12/07(木) 08:49:28.95 ID:pw4eHvEH0 ?2BP(111)
まとめ更新しました
あとついでに、トップも更新しておきました
http://boonnovel.g.hatena.ne.jp/bbs/21

>>61
それは開く前に死ぬだろう…常識的に考えて


63 名前:猿回しの勘三:2006/12/07(木) 09:06:44.33 ID:k/6zOOd40
>>62
毎朝毎朝本当にすみません。
バイトはいかがでしたか?頑張ってくさい

ところで一つ、差し出がましいような意見なんですが、
トップからの各小説のリンク先をリスト表示ではなくツリー表示にしてみてはいかがでしょう?
そのほうが読者としても途中まで読んだところの目安がつけやすいと思ういます。

ホント差し出がましいですね。すいません



64 名前:牛のふん:2006/12/07(木) 09:08:58.34 ID:3p6nDEey0
乙〜

作者寝ないの?

65 名前:猿回しの勘三:2006/12/07(木) 09:14:31.12 ID:k/6zOOd40
>>64
昼夜逆転しているもので…
散髪行って、21話の書き溜めを終わらせてから寝ようと思います。
ちなみに今日は大学は全休です。いやっほーい

66 名前:牛のふん:2006/12/07(木) 09:16:51.60 ID:3p6nDEey0
wktk

作者大学生だったのか
休み裏山鹿

67 名前:VIP商人:2006/12/07(木) 09:21:37.90 ID:JRqcvbq4O
>>63 kwsk

68 名前:牛のふん:2006/12/07(木) 09:24:17.10 ID:3p6nDEey0
( ^ω^)が空を行くようです
その1
その2
みたいな事でしょ?

69 名前:猿回しの勘三:2006/12/07(木) 09:31:26.04 ID:k/6zOOd40
>>67
ブーン系小説グループ様のところには
トップから各小説のリンク先に飛ぶと、その右斜め上に

「リスト表示 | ツリー表示」

という表示項目が表示されているのです。
現状では表示が「ツリー表示」になっているのですが
こちらの「リスト表示」をクリッコすることで各話別にタイトル(もしくは中の人様のまとめた区分)
が出るようになります。
そのタイトルをクリトリスすると各話別に中身が読めるようになっているのであります。

実際に私が試したところ、そちらの方がツリー表示よりも重くなく、
スムーズに各タイトルのリンク先が表示されました。

また、読み終えたあとに斜め右下に表示される「次へ」をクリリンすると
いちいち戻らずに次のタイトルに進めるのでそちらにも不便さを感じませんでした。

こんなところですはい


70 名前:VIP皇帝:2006/12/07(木) 09:33:25.52 ID:k/6zOOd40
>>63
×=トップからの各小説のリンク先をリスト表示ではなくツリー表示にしてみてはいかがでしょう?
○=トップからの各小説のリンク先をツリー表示ではなくリスト表示にしてみてはいかがでしょう?

どう見ても逆です。本当にありがとうございました

71 名前:猿回しの勘三:2006/12/07(木) 09:39:38.96 ID:k/6zOOd40
>>69
ちがう。リスト表示とツリー表示がまったく逆だ。
つまり>>63は合っている。
ああもう自分でもわけ分からん…もう寝ます。さよなら探さないでください

72 名前:VIP足軽ktkr:2006/12/07(木) 09:44:52.53 ID:nPH9PRt+O
おやすみなさい

でもアナルは置いといて下さい

73 名前:VIP足軽l:2006/12/07(木) 10:41:16.78 ID:nPH9PRt+O


74 名前:VIP足軽mp3:2006/12/07(木) 11:51:34.82 ID:nPH9PRt+O


75 名前:VIP村人z:2006/12/07(木) 11:53:10.13 ID:fkWpBfSd0
おい!VIPが馬鹿にされてるぞ!
http://bbs11.aimix-z.com/gbbs.cgi

76 名前:VIP足軽neet:2006/12/07(木) 12:57:21.42 ID:nPH9PRt+O


77 名前:VIP足軽p:2006/12/07(木) 14:47:12.43 ID:nPH9PRt+O


78 名前:暴れん坊VIPPER:2006/12/07(木) 15:11:33.55 ID:ZNh1L7UGO


79 名前:VIP足軽roop:2006/12/07(木) 16:41:42.31 ID:nPH9PRt+O


80 名前:VIP足軽b:2006/12/07(木) 16:41:42.58 ID:ka50JQJp0


81 名前:VIP足軽flash:2006/12/07(木) 18:03:37.87 ID:3p6nDEey0


82 名前:VIP皇帝:2006/12/07(木) 19:14:05.67 ID:3p6nDEey0


83 名前:宿屋の女中:2006/12/07(木) 19:18:22.42 ID:RTbm7I2NO


84 名前:内藤ホライゾン:2006/12/07(木) 19:21:37.43 ID:D3w75yH4O
アナルに忍者?WWW

85 名前:水汲みおしち:2006/12/07(木) 19:46:32.45 ID:pw4eHvEH0 ?2BP(111)
>>69
把握した
しかし直接それをするには、2つほど問題があります

一つは、単に私の技術の低さの問題ですね
もう一つは、心情的な理由になるのですが
オムライスさんを始めとするほかのサイト様とデザイン的にかぶってしまって
特長がなくなってしまうのはちょっと寂しいかなというのがあるんですね

しかしながら、現在のままだと読みにくい作品があることも確かです
そしてなにより私にまとめるきっかけを作ってくださり
現在唯一定期的な更新のある作品の作者であるアナル兄さんの言葉であれば
私としても何の手立ても打たないわけには行きません

とりあえずトップの一番下に、最新5スレの更新日を入れてみました
他に私のできうる解決策は、ブックマークレットですね
アドレスバーにhttp://boonnovel.g.hatena.ne.jp/bbs/1/7
Javascriptから始まる横に長い文字列をトップを表示したウィンドウのアドレスバーにコピペして飛んでもらうと
中央のセリフの下のリンクから
http://boonnovel.g.hatena.ne.jp/bbs/21?mode=treeに飛べると思います(IE6でのみ動作確認)
左と下のリンクを変えるのには、少し時間をください
ブラウザごとの違いという難点はありますが、これが私の技術では現在のところ一番現実的な解決策です

86 名前:駅前食堂のメグ:2006/12/07(木) 20:01:37.40 ID:pw4eHvEH0 ?2BP(111)
ちなみにバイトですが
今日はレジの横で袋に詰めたりする作業(サッカーていうらしいです)をやってました
今日が人生初のレジ体験だったもので
テンパって(;^ω^)←こんな表情しながらパートのおばちゃんとお客様に助けられて
なんとかこなしてきました

あと、色白の美人で私への態度が若干事務的な女性を
自分の中のあだ名をツンにしたとかそんな情報はいりませんかそうですか

87 名前:駅前食堂のメグ:2006/12/07(木) 20:38:43.92 ID:pw4eHvEH0 ?2BP(111)
あと、更新したことが知りたいということであれば
http://a.hatena.ne.jp/とかのアンテナに登録してもらうか
RSSリーダー(という名のアナル)にhttp://boonnovel.g.hatena.ne.jp/bbs?mode=rss
クラウザーさんばりに突っ込むのが手っ取り早い気がします
http://www.infomaker.jp/headline/なんてどうでしょう

88 名前:VIP足軽i:2006/12/07(木) 21:29:07.11 ID:3p6nDEey0


89 名前:散髪とめきち:2006/12/07(木) 21:51:02.04 ID:mTD24qnz0
>>86
リアルツンって厳しくね?(´・ω・`)

90 名前:78 ◆pP.8LqKfPo :2006/12/07(木) 22:08:22.16 ID:Ix16ABgV0
保守してくれた忍者様、ありがとうございます。

>>85
いえいえ。何か私に恩を感じちゃってくれてるようなんですが、
こちらもわざわざ時間を割いてまとめてもらっている以上、
逆にそんなことを言われると恐縮して困ります。
私の意見はあくまで完全に一読者としての意見ですので、
中の人のポリスーがあるのならそれを最優先させるべきでしょう。
こちらも調子乗ってすみません。

バイトは順調そうで何よりです。是非頑張ってください。
ツンは無いです。アウトー

>>88
朝からありがとうございます。


では、ちゃっちゃか投下させてもらいます。
今日も一話しか投下できそうに無いです。保守していただいておいて申し訳ない

91 名前:VIP皇帝:2006/12/07(木) 22:09:11.09 ID:DZ+FWSGXO
wktk

92 名前:VIP足軽l:2006/12/07(木) 22:09:40.81 ID:N4lsv48+0
キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!

93 名前:VIP女神:2006/12/07(木) 22:11:00.06 ID:5kLYBW5L0
>今日も一話しか


だがそれがいい

94 名前:VIP足軽q:2006/12/07(木) 22:12:49.63 ID:Ix16ABgV0

第十七話 「風の日」


ジョルジュが独房に連れて行かれた後、
ブーンにはねぎらいの言葉とともに、しばしの休息が与えられた。
しかし、今から休息を取れといわれても無理な話だった。

わからないことが多すぎる。

なぜ、優しかったギコがツンに銃を突きつけたのか?
なぜ、ラウンジ艦隊は『エデンの地図』を狙っているのか?
なぜ、ジョルジュはあんなにまで怒り狂っていたのか?

こんなもやもやした気分の中で、眠れるはずがなかった。

飛行機械を格納庫へと入れたブーンは、上部甲板で一人、空を見上げていた。
飛行中は夢中で気づかなかったが、この地方では珍しく、空は厚い雲で覆われている。


……あたりには、強い風が吹いていた。


95 名前:VIP悪魔:2006/12/07(木) 22:14:22.18 ID:apTYCNIr0
あの歌って内藤ホライゾンのテーマって感じがするよな

96 名前:VIP足軽q:2006/12/07(木) 22:14:36.67 ID:Ix16ABgV0

どれくらいそこにいたのだろうか?
いつの間にか、肌に吹きすさむ風は冷たくなり、わずかな雲間は茜色に染まっていた。

そろそろ部屋に戻ろうかと振り返ると、
視線の先には、適当な場所に腰掛けてこちらを向いている毒男の姿。


('A`)「何、考えていたの?」

( ´ω`)「……」


吹きすさぶ風の中、オカマはよく手入れされた髪をなびかせながら語りかけてくる。
ブーンには何故かドクオの視線が痛く感じられ、うつむいてしまった。



97 名前:VIP足軽q:2006/12/07(木) 22:16:13.15 ID:Ix16ABgV0


何も言えない。
言わないのではなく、言えない。

考えていたことが多すぎる。
わからないことが多すぎる。

何から聞けばいいのだろうか?
それは聞いてもいいことなのだろうか?


迷いに迷って、少年は静かに顔を上げた。
視線の先には、キモいが優しく笑う毒男の笑顔。

そんな彼の笑顔が免罪符になったのか、少年は胸の中に渦巻く一番の疑問を投げかけた。


( ´ω`)「ギコさんに対して、なぜ長岡さんはあんなにも怒っていたのかお?」


98 名前:VIP女神:2006/12/07(木) 22:17:23.94 ID:5kLYBW5L0
>オカマはよく手入れされた髪をなびかせながら

そういや長髪だったのかwwwwwwwwきめぇwwwwwwwwwww

99 名前:VIP足軽q:2006/12/07(木) 22:17:59.90 ID:Ix16ABgV0

オカマはゆっくりとブーンの方へと歩み寄ってきた。
ブーンの隣に立つと、彼は空を見上げる。

つられて顔を上げるブーン。
少年の見上げる空は、わずかな茜色の隙間のほかは灰色で薄気味悪い。

そんな中、隣に立つ毒男がさらに気味が悪い笑顔で話を始める。


('A`)「……あいつね、昔、飛行機械に乗っていたの」

( ´ω`)「……『桃色の乳首』かお?」


ブーンはギコがジョルジュに対して放った言葉を思い出した。


('A`)「そうよ。何年前かしらね?
   あんた達の故郷『ツダンニ』で『桃色の乳首』の二つ名で有名だった
   ジョルジュと彼の幼馴染でナビだった女の子を、
   ブーンちゃんと小娘の時と同じ様に、あたしと副艦長は『VIP』に招待したの」

( ´ω`)「……女の子?」


思わずブーンは聞き返す。
そんな女の子、「VIP」に乗っていただろうか?


100 名前:愛のVIP戦士:2006/12/07(木) 22:18:52.62 ID:sll3s4oBO
wktk支援

101 名前:VIP悪魔:2006/12/07(木) 22:19:17.73 ID:apTYCNIr0
川'A`川「何、考えていたの?」

きんもー☆

102 名前:VIP足軽wktk:2006/12/07(木) 22:19:22.56 ID:Pd9l09NQ0
( ^ω^)

103 名前:愛のVIP戦士:2006/12/07(木) 22:21:04.19 ID:xOBKdn+iO
相変わらずどう反応すればいいのか迷う文だな


だがそれがいい

104 名前:VIP足軽q:2006/12/07(木) 22:22:15.76 ID:Ix16ABgV0
('A`)「……そうよ。
   あの頃のジョルジュは、本当にブーンちゃんにそっくりだったわ。
   のんきで、無鉄砲で、空を飛べるだけで幸せそうだった。
   でも……幼馴染のナビの女の子は、小娘には全然似ていなかったわねw
   ちょっと丸顔で、クリクリした目が印象的なのんびりした娘だったわ。
   気が付けばこの甲板で一人、ボーっと空を眺めているような静かでおとなしい娘……」


そう言って、毒男はいとおしげに目の前に広がる甲板を見渡した。

彼の瞳の中には、かつてこの甲板の上で空を眺めていた少女の姿が映っているのだろうか?

聞くに聞けない疑問を飲み込み、ブーンはオカマの顔を見つめる。


('A`)「あんた達と同じ様にモナーとクーに訓練を受けて、見る見るうちに二人は腕を上げた。
  すぐに一人前になった二人は、あちこちを任務で飛び回った。
  毎日笑顔を絶やさない二人は、本当に幸せそうだったわ……あの日までは」


あの日。
ポツリと呟くと、ドクオは一時の間を置いた。

一瞬のような、永遠のような間。

そして苦痛に歪む毒男の顔。
少年は、オカマのそんな表情をはじめて見た気がした。


105 名前:VIP足軽wktk:2006/12/07(木) 22:22:44.87 ID:Pd9l09NQ0
( ^ω^)

106 名前:はぐれVIPPER:2006/12/07(木) 22:22:56.87 ID:pw4eHvEH0 ?2BP(111)
>>89
ああ、うん
なんとなくそんな気はしてたんだ(´・ω・`)

>>90
やっぱりアウトすかwwwwサーセンwwwww

では、投下中ですがお先に失礼しますノシ

107 名前:VIP足軽q:2006/12/07(木) 22:25:01.42 ID:Ix16ABgV0

('A`)「……あの日、ある海賊に喧嘩を売られたの。
   海賊自体は大したことなくて、すぐにモナー達がその母艦を沈めたわ。
   でもね、一機だけすさまじい動きをする機体がいたの。
   太陽の下で黄色に輝くあの機体……後に『黄豹』と呼ばれる若かりし頃のギコよ」

(;゚ω゚)「!!」

('A`)「ギコとジョルジュは上空で交戦。
   腕前はクーやモナーに勝るとも劣らない程になっていたジョルジュだったけど、
   ……撃墜されたわ。
   エンジン部に被弾。甲板に戻ってこられたのが不思議なくらいの損傷。
   煙を噴出して、ホウホウの体で艦に戻ってきたジョルジュは、
   『黄豹』に受けた機銃で割られた機体の破片が片目に刺さって失明。
   後部座席の女の子は……『黄豹』の機銃が直撃……すでに死んでいたわ」


信じられなかった。
あんなに楽しそうに笑うジョルジュに、そんな暗い過去があったなんて。

皆を明るくするあの笑顔の下には、こんなにも深い心の闇があったのか。
……それなのに、どうしてあんなに楽しそうに笑えるのか?

数々の疑問が渦を巻き、少年の頭を駆け巡る。


108 名前:VIP悪魔:2006/12/07(木) 22:27:01.01 ID:apTYCNIr0
ホウホウ?

109 名前:VIP足軽j:2006/12/07(木) 22:27:25.70 ID:3p6nDEey0
支援

110 名前:VIP足軽q:2006/12/07(木) 22:27:49.74 ID:Ix16ABgV0

('A`)「それから眼に受けた傷がふさがるまで、
   アイツは医務室のベッドの上で、たった一人で泣いていたわ。
   やがて傷が癒えて片目に眼帯をこしらえたアイツは、気味が悪いほどにいつもどおりの笑顔。
   それからあたしにメカニックの技術を教えてくれって土下座してきて、
   今ではあの通り、どこに出しても恥ずかしくない最高のメカニックよ」

(;゚ω゚)「……」

('A`)「あたしはジョルジュがあの日のことを乗り越えたんだと思っていた。
   でもね、今日久しぶりに聞いた『黄豹』の名前に、ジョルジュは我を失った。
   ……そうよね、乗り越えられるわけなんてないわよね。

   『俺はなぁ、『黄豹』を殺すためだけに生きてきたんだ!』
 
   ……ブーンちゃんの家で叫んだアイツの言葉が今でも頭から離れないわ。
   楽しそうに笑う笑顔の下では、アイツはいつもあの子のことを考えて……」


その言葉に、ブーンは駆け出した。

とにかく今は、ジョルジュの傍に行かなければならないような気がした。


111 名前:VIP足軽q:2006/12/07(木) 22:28:57.49 ID:Ix16ABgV0



('A`)「……ブーンちゃん。
   あんたには、他に真っ先に行かなきゃならないところがあるでしょ?」



駆け出した少年の背中を、オカマは静かな眼差しで見送った。


112 名前:VIP悪魔:2006/12/07(木) 22:29:10.63 ID:apTYCNIr0
ほうほう、そういう意味か。また一つ勉強になりまんた

113 名前:VIP足軽wktk:2006/12/07(木) 22:29:15.81 ID:Pd9l09NQ0
( ^ω^)

114 名前:VIP足軽q:2006/12/07(木) 22:32:03.58 ID:Ix16ABgV0

迷いに迷ってついにたどりついた独房。

その扉は黒鉄色の分厚い鋼鉄製で、
室内と外の世界を完全に断絶するかのように圧倒的な存在感を持ってたたずんでいた。

鋼鉄の扉の前に立ったブーンは、何を言うべきか迷っていた。

勢いでここまで来たのはいいものの、
ジョルジュに対してかけられる言葉がはたして自分なんかにあるのだろうか?

そんなことを考えながら立ち尽くしていると、扉の奥から響く小さな声。

 _
( ゚∀●)「……誰かいるのか?」

(;^ω^)「あ……どうも僕です」
 _
(;゚∀●)「ブーンか!?」


途端、鋼鉄の扉が「ゴン」と低い音を立ててわずかに揺れた。
きっと、ジョルジュが扉の前まで駆け寄ってきたのだろう。

次に独房の中から聞こえてきたのは、嗚咽。



115 名前:愛のVIP戦士:2006/12/07(木) 22:33:01.22 ID:sll3s4oBO
支援

116 名前:VIP足軽wktk:2006/12/07(木) 22:33:34.33 ID:Pd9l09NQ0
( ´∀`)


117 名前:VIP足軽q:2006/12/07(木) 22:34:28.71 ID:Ix16ABgV0

(;^ω^)「……ジョルジュさん?」
 _
( ;∀●)「……うっうっぅぅ……すまねぇ……
     俺のせいで……危険な目にあわせて……」

(;^ω^)「……もういいんですお。話は毒男さんから聞きましたお……」


少年の言葉に、独房から聞こえてくる嗚咽が一層激しくなる。

 _
( ;∀●)「なんとか抑えようとしたんだ……
     だけど『黄豹』の顔を見た瞬間……自分でもわけが分からなくなっちまって……」

(;^ω^)「……」
 _
( ;∀●)「アイツのカタキが目の前にいる……それだけで俺はもう……」


扉から響く声は、もう嗚咽ではなく号泣する男のそれだった。

これ以上ジョルジュに話をさせるのは酷だ。
そう判断したブーンは、最後に一言添えてその場を後にすることにした。



118 名前:油売りの左暮:2006/12/07(木) 22:35:02.16 ID:DZ+FWSGXO
wktk

119 名前:悲しい一人暮らし:2006/12/07(木) 22:35:51.78 ID:9qdfJD3j0
↓VIPPERはニートだってよw おまいら突撃だ!

http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/music/11232/1147329335/241

120 名前:VIP足軽q:2006/12/07(木) 22:36:54.11 ID:Ix16ABgV0

(;^ω^)「……僕のことは気にしないでくださいお。
     それよりも早くそこから出て、また明るい笑顔を見せてくださいお」


少年は扉に背を向けた。
最後に背中に投げかけられる、ジョルジュの悲痛な言葉。

 _
( ;∀●)「……あの日俺は、かけがえのない相棒と片目を失った
      ……あの日から俺は……ずっと死んでいるんだよ……
      空を舞う『桃色の乳首』は……あの日、乳首を失って雲海の底に堕ちたんだ……」


あとに響くのは男の泣き声だけ。

少年は静かに独房を後にした。



121 名前:VIP悪魔:2006/12/07(木) 22:37:59.83 ID:apTYCNIr0
乳首が取れてるポリスマン!

122 名前:VIP足軽l:2006/12/07(木) 22:38:38.84 ID:N4lsv48+0
シリアスな場面なんだろうが
>空を舞う『桃色の乳首』は……あの日、乳首を失って雲海の底に堕ちたんだ……
これ見てワロタwwwwwwwwwwww

123 名前:愛のVIP戦士:2006/12/07(木) 22:38:39.25 ID:sll3s4oBO
ジョルジュ…

124 名前:VIP足軽q:2006/12/07(木) 22:39:11.12 ID:Ix16ABgV0

しばらくトボトボと艦内を歩いていた少年。
そんな彼の目の前に、馬鹿でかいオカマが姿を現す。

オカマのその表情は、心なしか怒っているようにも見える。


( ´ω`)「ジョルジュさん……泣いていましたお」

('A`)「アイツだってあんな姿を見せるのは、本当は好きじゃない……
   だけど、アイツだっていつもピエロみたいに笑えるわけじゃないのよ?」


うつむいて話す少年の頭上に、オカマの大きな、温かな手がのせられる。
少年が顔を上げると、目の前のオカマは厳しい表情で言う。


('A`)「それよりも、あんたにはジョルジュよりも先に会いに行くべき人がいるはずよ?」




125 名前:VIP足軽wktk:2006/12/07(木) 22:40:03.49 ID:Pd9l09NQ0
( ^ω^)

126 名前:VIP足軽q:2006/12/07(木) 22:40:42.03 ID:Ix16ABgV0

(;^ω^)「お……?」


オカマの言葉にブーンはハッとした。



……ツンはどうしているのだろうか?



少年はまたしても駆け出す。
遠ざかっていく少年の背中を、オカマは「やれやれ」といった表情で見送った。


127 名前:油売りの左暮:2006/12/07(木) 22:41:23.15 ID:DZ+FWSGXO
('A`)やれやれだわ…

128 名前:VIP足軽q:2006/12/07(木) 22:43:31.99 ID:Ix16ABgV0

ツンの部屋の前まで走ってきたブーンは、勢いをそのままに扉を開けた。
視線の先には、ベッドの上に腰掛けてうつむいている幼馴染の姿。

彼女はブーンの方を振り向くと、
まぶたにためた涙をボロボロとこぼしながら、少年の胸に飛び込んできた。


ξ;凵G)ξ「ブ――――ン!!」

(;^ω^)「ツン……」


彼の目の前には、幼馴染のウェーブした細く長い髪。
そこから漂ってくる甘い香りに、少年はドギマギした。

ブーンはそっと、彼女の肩に手を触れる。

想像していた以上にやわらかく細い肩。

その肩が小刻みに震えていて、なんだかそのまま手を触れ続けると壊れそうで、
結局、少年は少女に胸を貸すだけで何もできず、肩から離した手をブラブラと持て余すだけだった。



129 名前:VIP足軽l:2006/12/07(木) 22:44:03.40 ID:8u08dK/50
  ( ´ω`)ムシャムシャ
  つi'"':
   `、:_i'

130 名前:VIP皇帝:2006/12/07(木) 22:45:06.27 ID:Ix16ABgV0


ξ;凵G)ξ「あ――――ん!!じぬがどおぼっだよ―――――!!」


自分の胸にうずめて泣きじゃくるツン。
そんな彼女の体を胸で支えながら、少年は

「幼馴染を失った長岡さんは、どんな気持ちでこれまでを生きてきたんだろう?」

と、回転の鈍くなった頭でそれだけを考えていた。


第十七話 おしまい


131 名前:VIP足軽l:2006/12/07(木) 22:46:18.15 ID:N4lsv48+0
>>130
乙!明日もwktkして待ってるぜwwww
バイトガンガレwwwwwwwwwww

132 名前:愛のVIP戦士:2006/12/07(木) 22:46:23.36 ID:sll3s4oBO
乙!

133 名前:VIP悪魔:2006/12/07(木) 22:47:05.68 ID:apTYCNIr0
ダイビング乙

134 名前:VIP村人b:2006/12/07(木) 22:47:19.39 ID:Px2E13yG0


135 名前:VIP足軽q:2006/12/07(木) 22:50:17.82 ID:Ix16ABgV0
>>101
はい。オカマはまさにそんな感じです

>>103
今回はシリアスにキメてみました。
イカしていましたか?

>>106
お疲れ様です

>>112
カタカナですみません。わかりにくかったですね

>>119
わかりました。突撃します。

>>125
( ^ω^)・・・
(⊃⊂)



( ^ω^)ウェルチ!!
(⊃ ⊃三●


136 名前:78 ◆pP.8LqKfPo :2006/12/07(木) 22:52:59.46 ID:Ix16ABgV0
乙ありがとうございます。
さっさと書き溜めに戻ります。
保守は結構です。
今日もありがとうございました

137 名前:油売りの左暮:2006/12/07(木) 22:54:26.67 ID:DZ+FWSGXO


138 名前:VIP女神:2006/12/07(木) 22:55:02.49 ID:5kLYBW5L0
いいな。ジョルジュの感情が伝わってきた

139 名前:油売りの左暮:2006/12/07(木) 23:15:15.85 ID:Jr9k49MVO
乙華麗

140 名前:VIP足軽ktkr:2006/12/07(木) 23:17:38.42 ID:3p6nDEey0
乙!

141 名前:VIP足軽utu:2006/12/07(木) 23:34:35.33 ID:XKHct6TT0
乙カレー

142 名前:VIP無職:2006/12/08(金) 00:33:34.61 ID:oZh4iZMYO
乙です!

143 名前:VIP村人xxx:2006/12/08(金) 01:30:59.37 ID:x08m0xfOO
ドクオのセリフにエルレの風の日思い出した

144 名前:VIP村人q:2006/12/08(金) 01:39:30.71 ID:yhl6ZbyY0
>>143
志村、タイトル

145 名前:VIP魔法使い:2006/12/08(金) 02:21:29.07 ID:EHisqMBi0
乙!
ジョルジュの謝罪の部分はどうしてか涙があふれた

146 名前:荒巻スカルチノフ:2006/12/08(金) 05:13:02.45 ID:nBkGwG11O ?2BP(0)
今北

(T_T)

147 名前:78 ◆pP.8LqKfPo :2006/12/08(金) 05:21:26.48 ID:ld6tGIgQ0
吸いません。作者です。
こんな時間までスレがあることに驚いているのですが、
ちょっと今日は用事が立て込んでおりまして、
投下が深夜の1:30以降になりそうな勢いです。
ですので、今夜はお休みした方がいいのカナーとか考えているのであります
投下しろと言われればもろちん投下させていただきますが
どっちにしろ遅くなるのでスレは落としちゃってくんなまし

148 名前:ヨンタ:2006/12/08(金) 09:22:19.55 ID:svluJBFA0
>>147
いまさらながら把握した
今日はゆっくり休めwwwwww

149 名前:ニタ:2006/12/08(金) 09:27:50.89 ID:+DQnO6jP0 ?2BP(111)
まとめ更新しました
http://boonnovel.g.hatena.ne.jp/bbs/21

>>147
乙です
投下のタイミングは作者さんの考え次第でいいんじゃないですかね

150 名前::2006/12/08(金) 11:30:07.95 ID:89XizFko0


151 名前:ゴタ:2006/12/08(金) 11:33:30.30 ID:oZh4iZMYO
ゆっくり休んでくだされ

152 名前:ゴタ:2006/12/08(金) 12:53:49.62 ID:nBkGwG11O ?2BP(0)
乙華麗

保守


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