( ^ω^)が空を行くようです (http://ex17.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1166226854/)
- 1 名前:78 ◆pP.8LqKfPo :2006/12/16(土) 08:54:14.20 ID:UgbKYvip0
-
川 ゚ -゚)っ まとめサイト様様
くl _l http://hebiya.blog40.fc2.com/
U U http://boonnovel.g.hatena.ne.jp/
- 2 名前:初夢(正月からアニメ):2006/12/16(土) 08:54:31.30 ID:pUzTlN1m0
- もうつまんないから終わりなこのクソスレ
- 3 名前:初夢(宝船の夢):2006/12/16(土) 09:02:18.29 ID:/jjwP9aoO
- 朝からwktk
- 4 名前:78 ◆pP.8LqKfPo :2006/12/16(土) 09:02:27.38 ID:UgbKYvip0
-
間が空いてすみません。
お詫びに、先日産経新聞のコラムでよい言葉を見つけたので載せておきます。
生命は自分自身だけでは完結できないようにつくられているらしい。
生命はその中に欠如を抱き、それを他者から満たしてもらうのだ。
私もあるとき、誰かのための虻だったかもしれない。
あなたもあるとき、私のための風だったかもしれない。
吉野弘『贈るうた』より
- 5 名前:78 ◆pP.8LqKfPo :2006/12/16(土) 09:04:22.55 ID:UgbKYvip0
-
第二十一話 「男の子と女の子」
バーボンハウスの出来事から数週間。
ついに念願の『機械の耳』が完成し、『VIP』はその取り付け作業に追われていた。
しかし、単なる一飛行機械乗りに過ぎないブーンにとってその喧騒など関係無く、
彼は『VIP』の上部甲板の上で、ボーっとドックの機械ずくめの天井を眺めていた。
( ^ω^)「……」
眺めるとは言っても、その焦点は天井に合ってはいない。
虚空をうつらうつらと漂っているだけ。
それにしても、こんな殺風景なところで時間を潰していないで、
暇を持て余しているのなら『鈍色の星』のパーツ屋やらなんやらを見て回ればいいのに、
なぜに彼はこんなところでボーっとしているのだろうか?
- 6 名前:78 ◆pP.8LqKfPo :2006/12/16(土) 09:06:32.17 ID:UgbKYvip0
-
( ´ω`)「……はぁ」
少年は天井から視線を甲板に戻すと、聞いているこっちが憂鬱になるようなため息を一つ。
どうやら悩みがあるようである。
よく言えばいつでも前向き、
悪く言えばいつでも能天気な彼には、これは珍しい事態である。
悩む前に行動。
本能に従い、本能の赴くままに行動する。
そんな少年らしい心意気の持ち主の目の前に、彼の悩みの種が姿を現す。
ξ゚听)ξ「ブーン、何してんの?」
- 7 名前:78 ◆pP.8LqKfPo :2006/12/16(土) 09:08:14.18 ID:UgbKYvip0
-
(;^ω^)「あ……ツン」
甲板の入り口からひょっこり顔を出したツンは、そのままブーンに一直線に近づいてくる。
彼女は少年の隣に立つと、殺風景なドックの天井を見上げた。
ξ゚听)ξ「……こんなの見ていて楽しいの?」
(;^ω^)「あ……いや……ほら、あれを見るお!」
少年はデコボコな天井の一角を指差した。
(;^ω^)「あ、あれ、肛門に見えないかお?」
しどろもどろで言う彼に向かって、ツンは冷めた表情で一言。
ξ゚听)ξ「バッカじゃないの?」
- 8 名前:78 ◆pP.8LqKfPo :2006/12/16(土) 09:10:35.77 ID:UgbKYvip0
-
(;^ω^)「……」
もはや取り付く島も無い表情のツンを見て、ブーンは「あうあう」とてんやわんや。
なんだかいつもの調子じゃないブーン。
そんな彼の様子をものともせず、ツンは続ける。
ξ゚听)ξ「それより暇でしょ?一緒にパーツ屋さんに行こうよ」
(;^ω^)「ふ、二人でかお!?」
ξ゚听)ξ「当たり前でしょ?
整備班や幹部達はみんな『機械の耳』の取り付けで忙しいみたいだし、
クーさんは一人で読書、モナーさんはナンパしに行ってるわよ」
(;^ω^)「あうあう……さすがに二人というのは……」
ξ゚听)ξ「はあ?いつも二人で行動してたじゃない。あんた最近変よ?」
(;^ω^)「ボ、ボクは変じゃなくて変態だお!」
様子がおかしいを通り越して挙動不審なブーン。
具合が悪いわけでもなさそうだし、ギコとの一件をまだ気にしているのだろうか?
ツンは手をバタバタさせて慌てている幼馴染の姿に、首をかしげた。
- 9 名前:猪(お手伝い):2006/12/16(土) 09:11:47.46 ID:EUwpieW70
- 愛してる
- 10 名前:78 ◆pP.8LqKfPo :2006/12/16(土) 09:12:49.49 ID:UgbKYvip0
- _
( ゚∀●)ノ「よう、お二人さん。相変わらず仲がいいね〜」
そんな彼らを、大荷物を抱えながらも目ざとく見つけたらしい眼帯男がニヤつきながら駆け寄ってくる。
ξ゚听)ξ「あら乳首。油売ってないでさっさと仕事に戻んなさいよ」
_
( ゚∀●)「はいはい。死ねばいいのに」
ξ゚听)ξ「あんたがね」
_
( ゚∀●)「口の減らねえ女だな。ブーン、こんな女、嫁にしたら大変だぞ」
ξ゚听)ξ「余計なお世話よ。さっさとあっち行け」
_
( ゚∀●)ノシ「おー怖。そんじゃあな」
(;^ω^)「……な、長岡さん!」
くるりと身を翻して二人のもとから去ろうとしたジョルジュの背中に、
ブーンの助けを請うような声が投げかけられた。
ジョルジュは首だけ振り向いてブーンを見た。
額に汗を浮かべてワラにもすがりたそうな顔をする少年を確認した彼は、
少年の目の前まで歩いてくると、両手で抱えた荷物を彼に手渡す。
- 11 名前:猪(ばくち打ち):2006/12/16(土) 09:14:55.41 ID:SVu3GEfKO
- ミ方 <ブーン
- 12 名前:78 ◆pP.8LqKfPo :2006/12/16(土) 09:15:14.36 ID:UgbKYvip0
- _
( ゚∀●)「ブーン、俺、疲れちまった。これ運ぶの手伝え」
ξ゚听)ξ「何言ってんのよ。ブーンはこれからあたしとパーツ屋さんに行くのよ」
_
( ゚∀●)「……そうなの?」
ブーンの顔を見てニヤリと笑みを浮かべるジョルジュ。
(;^ω^)「て、手伝いますお!」
その問いかけに即答で返すと、
ブーンはジョルジュの抱える荷物の片側に手をやる。
_
( ゚∀●)ノシ「というわけで、ブーンは借りてくよ〜」
(;^ω^)ノシ「ツン、ごめんだお!」
二人は仲良く荷物を抱えると、そそくさと甲板から去っていく。
そんな二人の後ろからは、
「ブーンのアホンダラ―――――!!」
というツンの怒鳴り声だけが響いていた。
- 13 名前:78 ◆pP.8LqKfPo :2006/12/16(土) 09:16:30.60 ID:UgbKYvip0
-
荷物を格納庫まで運んだ二人。
そのままブーンは「ちょっとこいよ」と言って不気味な笑みを浮かべるジョルジュに、
半ば拉致られるようにして整備班の休憩室へと連れてこられた。
なぜかそこで、椅子に体を縄でくくりつけられるブーン。
そんな彼の目の前に、ジョルジュがホットコーヒーを差し出す。
_
( ゚∀●)「まあ飲めや」
(;^ω^)「……縄で縛っといてよく言いますお」
_
( ゚∀●)「うひゃひゃひゃwww悪い悪い!」
ゲラゲラと大笑いすると、ジョルジュはブーンの両手部分だけ縄を解いた。
ブーンを解放する気など、毛頭サラサラ無いようである。
- 14 名前:78 ◆pP.8LqKfPo :2006/12/16(土) 09:18:42.64 ID:UgbKYvip0
- _
( ゚∀●)「で、何があった?」
(;^ω^)「な、何のことですかお?」
_
( ゚∀●)「とぼけちゃって〜。ここ最近、ツンとギクシャクしてるんじゃな〜い?」
(;^ω^)「そ、そんなことないですお!」
ブーンの言葉に「ふーん」と呟くと、ジョルジュは少年の前に立ち、
自分のコーヒーを彼の股間に垂らした。
(;゚ω゚)「熱っ!(だがそれがいい!!)」
- 15 名前:おせち(10,000円):2006/12/16(土) 09:18:53.02 ID:xKmTIAPTO
- こんな時間にアナルアナルー
- 16 名前:78 ◆pP.8LqKfPo :2006/12/16(土) 09:18:56.63 ID:UgbKYvip0
- _
( ゚∀●)「ごみんごみん。手が滑っちゃった」
(;^ω^)「……思いっきりわざとじゃないですかお」
_
( ゚∀●)「そんなことないよ〜」
そう言って、今度はぐつぐつと中身が煮えたぎっているやかんを持って少年の前に立つ乳首。
_
( ゚∀●)「で、何があった?
返答しだいでは、今度はやかんを持つ手がすべるからね」
(;^ω^)「……」
観念したブーンは、ことのすべてをジョルジュに話すことにした。
- 17 名前:78 ◆pP.8LqKfPo :2006/12/16(土) 09:20:17.83 ID:UgbKYvip0
-
(;^ω^)「実は十九話の後、二十話のような出来事がありまして……」
_
( ゚∀●)「あらまあ〜、ラブラブのゲロゲロじゃないですか!
それにしても、小説って言うのは省略できて便利だね」
(;^ω^)「それで……」
そこで「もごもご」と言葉を濁すブーン。
対面に座るジョルジュは、やかんを片手に立ち上がる。
(;^ω^)「は、話しますお!」
_
( ゚∀●)「よろしい」
ジョルジュはやかんをテーブルの上に置いて座りなおす。
そんな彼を見てため息を一つつき、ブーンは嫌々ながらに続けた。
(;^ω^)「それ以来、ツンと会うのが楽しみなような……
だけど実際に会うと何を話していいのかわからなくなるような……
なんだか自分でもよくわからない状況に置かれておりまして……」
- 18 名前:78 ◆pP.8LqKfPo :2006/12/16(土) 09:21:47.41 ID:UgbKYvip0
-
その言葉に、ジョルジュの表情が一気に変化する。
キリリと上を向いた眉。
キュッと引き締まった表情。
まさに『桃色の乳首』の二つ名にふさわしい、りりしい、威厳のある表情。
そのまま彼は、休憩室に備え付けられた艦内放送用の装置のもとへと歩き出す。
そして、その装置のスイッチを入れると、大声で宣言した。
_
( ゚∀●)「総員!ブーンが思春期にロマン飛行で突入した!!
今日は宴会だ!食事当番は赤飯を炊け!!」
- 19 名前:78 ◆pP.8LqKfPo :2006/12/16(土) 09:23:35.30 ID:UgbKYvip0
-
というわけでその日の夜、『VIP』では大宴会が行われた。
食卓に上るのは赤飯におつまみ、そしてテーブルから溢れんばかりの酒、酒、酒。
宴会に参加した者はブーンを除いてすべからくグデングデンに酔っており、
前回の反省でいっさい酒を飲まないようにしたブーンは一人だけシラフの状態で、
ドンチャン騒ぎをする周囲のテンションについていけない。
_
( ゚∀●)「いやー、ブーンもついに第二次性徴に突入したか!!」
/ ,' 3「小僧の分際でいっぱしに色気づきよって」
( ´∀`)「十七歳でそれは遅すぎるモナー。ちょっと心配してたモナー」
川 ゚ -゚)「だが、モナーのような男には決してなるなよ」
余計なお世話だお。
愛想笑いを浮かべつつも、心の中でブーンは毒づいた。
(´・ω・`)「これで性性堂々ブーン君を誘えるってもんだよね」
('∀`)「ぶほほほほwwww艦長、それはあたしのセリフよ!!」
何に誘うんですかお?
二人のいやらしい視線に、ブーンは鳥肌を立てた。
- 20 名前:おせち(200円):2006/12/16(土) 09:24:07.11 ID:Yx+Ue+2LO
- J( 'ー`)し猿は恐いよ
- 21 名前:78 ◆pP.8LqKfPo :2006/12/16(土) 09:25:44.53 ID:UgbKYvip0
-
(´・ω・`)「オカマ……貴様にだけは負けん!ブーン君はボクのものだ!!」
('∀`)「ぶほほほほwwwwこればっかりは艦長にも譲れないわ!!
ブーンちゃんはあたしのものよ!!」
本人の意思をまったく無視して、オカマとショボンの殴り合いが始まる。
それをはやし立てる周囲の乗員達。
いまさらブーンが「喧嘩を止めて〜♪二人を止めて〜♪」と歌ってもまったく無駄なようだ。
しょうがないので、ブーンは周囲を見渡した。
ちょうど今日『VIP』では『機械の耳』の取り付け作業が終わり、数日後には『鈍色の星』を出発する。
今回の宴会はその打ち上げもかねているようで、
宴会場にはかなり多くの『VIP』乗組員が集まっている。
しかし、その中にツンの姿は無い。
幸いにもツンはあの艦内放送を聞いておらず、
誰の手回しか、現在彼女は『鈍色の星』内に連れ出されているようだ。
それだけが、今のブーンにとって唯一の救いだった。
- 22 名前:78 ◆pP.8LqKfPo :2006/12/16(土) 09:28:14.87 ID:UgbKYvip0
- _
( ゚∀●)ノ「それでは、ブーンにプレゼントを渡しちゃおうのコーナー!!」
('∀`)db(´・ω・`)db
/ ,' 3 川 ゚ -゚)ノ ( ´∀`)ノ 「「「「「 いえーい!!」」」」」
(;^ω^)「??」
本人の意思などまったく無視して、唐突にコーナーは始まった。
『VIP』の隊員達の中からその代表らしい者たちが立ち上がり、
ブーンにそれぞれプレゼントを渡していく。
_
( ゚∀●)「整備班からはこれ。『月刊パイオツ通信』だ!」
(;^ω^)「あ……どうもですお」
オッパイで埋め尽くされた表紙の雑誌をブーンは受け取った。
( ´∀`)「飛行機械部隊からはこれ。『正しい女の口説き方(PHP出版)』だモナー」
(;^ω^)「お……すみませんお」
いかにも胡散臭いタイトルの文庫本をブーンは受け取った。
- 23 名前:78 ◆pP.8LqKfPo :2006/12/16(土) 09:29:40.20 ID:UgbKYvip0
-
(´・ω・`)「ボクと毒男からはこれ。『くそみそテクニック』だ」
(;^ω^)「……なんかよくわからんがどうもですお」
男だけで埋め尽くされた表紙の同人誌をブーンは受け取った。
川 ゚ -゚)「女衆からはこれ。『コンドーム』だ」
(;^ω^)「……直球ですね」
川 ゚ -゚)「避妊は大事だぞ」
(;^ω^)「……気をつけますお」
近藤さんの詰まった箱をブーンは受け取った。
それからも宴会はジャンガジャンガと続き、
次第に主役であるブーンなどほったらかしにして変な方向へと盛り上がり始めた。
その隙に乗じて宴会場を抜け出したブーンは、
途中のトイレで用をたし、そのまま睡眠をとるために自室に戻ることにした。
- 24 名前:おせち(200円):2006/12/16(土) 09:32:50.27 ID:Yx+Ue+2LO
- 今更たが、>>1のIDがvipだ。
- 25 名前:78 ◆pP.8LqKfPo :2006/12/16(土) 09:32:51.50 ID:UgbKYvip0
-
(;^ω^)「う〜ん、長岡さんたちにはまいっちんぐマチコ先生だお……」
トイレから出てきたブーンは、ひとりでブツブツ呟きながら自室へと向かう。
階段を下ってきた先には、居住区の長く狭い廊下。
非常灯の寂しい明かりだけが照らす暗がりの廊下を、ブーンはのんびりと歩く。
すると、とある一室の扉がわずかに開いており、そこからこぼれ出る光が彼の眼を引いた。
ブーンはこそこそと、その扉に近づいていく。
そこは副艦長の部屋。
わずかに開いた扉から室内をこっそり覗くと、そこには机に向かって何かをしているミルナの姿。
( ゚д゚ )「誰だ」
ブーンが扉の隙間から顔を覗かせた瞬間にこちらを振り返るミルナ。
「こっち見んな、お前はゴルゴか」と思いつつも、ブーンは扉を開けてミルナの前に姿を現す。
(;^ω^)「あ……すんまそん。どうも僕です」
- 26 名前:あいつと初詣:2006/12/16(土) 09:32:51.60 ID:32td1PSW0
- 支援
- 27 名前:78 ◆pP.8LqKfPo :2006/12/16(土) 09:35:25.23 ID:UgbKYvip0
-
( ゚д゚ )「なんだ、スロウライダーか。
まあ、入れ。茶くらい出すぞ」
彼は椅子ごとこちらを振り返ると、ブーンに中に入るよう促す。
素直にその言葉に従って室内に入るブーン。
ミルナの部屋にあるのは簡素なベッドに黒のカーペット。
壁にはハンガーに掛けられた数着の黒のスーツに世界地図。
特徴的なのは、分厚いハードカバーの本で埋め尽くされた本棚、
そして、様々な筆記用具が置かれた製図用のものと思われる大きな高価そうな机だ。
ミルナはその製図用の机の前にスーツ姿で座っており、
部屋の入り口に立ってキョロキョロと周囲を見渡すブーンに、ベッドの上に座るように促す。
( ゚д゚ )「殺風景な部屋ですまんな。玄米茶でいいか?」
( ^ω^)ノ「あ、オカマいなくですお。
宴会でお酒以外をたっぷり飲まされて、もうおなかパンパンですお」
ブーンの言葉に「あっはっは」と大笑いすると、
ミルナは自分用のカップに玄米茶を入れ、それをすすりだす。
そのまま片手になにやら数枚のプリントの束を持って、それをジッと眺めはじめた。
- 28 名前:黒豆(千粒):2006/12/16(土) 09:36:15.63 ID:PFJ9Rbgo0
- >>22
ちょwwwPHP出版wwwww
あるあr……あるあるあるあるwwwww
- 29 名前:78 ◆pP.8LqKfPo :2006/12/16(土) 09:37:23.58 ID:UgbKYvip0
-
( ^ω^)「ミルナさん、何を見ているんですかお?」
( ゚д゚ )「ああ、海図の資料さ」
そう言って、ミルナは持っていたプリントをブーンに渡す。
そこにはどこかの地図らしきものが描かれており、
さらに難しそうな数字の羅列、そして他方向に向けて引かれた直線がいくつも描かれている。
海図は読めるブーンだったが、作成中の海図の細かな数値の羅列などはさっぱりわからず、
すぐにその解読をあきらめたブーンは、渡されたプリントの束をミルナに返却する。
(;^ω^)「こんな難しいものよく書けますお。
僕なんか読んだだけで頭がクラクラしてきますお!」
( ゚д゚ )「ふふふ。まあ、俺はこれが好きでやっているからな。
お前が飛行機械を操るのと似たようなもんさ。
俺からすれば、お前の操縦技術の方がすさまじく感じられるよ」
ミルナは茶をすすりながらプリントを受け取ると、それを目の前の製図用の机にそっと置いた。
- 30 名前:78 ◆pP.8LqKfPo :2006/12/16(土) 09:39:00.15 ID:UgbKYvip0
-
( ^ω^)「ミルナさんは海図を描くのが好きなんですかお?」
( ゚д゚ )「そうさ。それで『VIP』に誘われたようなものだからな」
そう言うと、ミルナは一枚の紙をブーンに向かって投げた。
折りたたまれたそれを開くと、そこには巨大な世界地図が描かれていた。
( ^ω^)「これ、何ですかお?」
( ゚д゚ )「『エデン』への海図だ」
(;^ω^)「m、mjd!?」
( ゚д゚ )「ああ。と言っても、まだ何も書いていない状態だがな。
『機械の耳』でラウンジ艦隊の進路を測定し、
そのデータに基づいてこれから徐々に埋めていくつもりさ」
(;^ω^)「ほえー」
ブーンは渡された世界地図とミルナの顔を交互に眺めながら間抜けな声を上げた。
一方でお茶をすすっていたミルナはカップの中身が無くなったようで、
立ち上がると備え付けられたポットから急須にお湯を注ぐ。
そこからカップに再びお茶を注ぎ、一口、口に含む。
- 31 名前:78 ◆pP.8LqKfPo :2006/12/16(土) 09:41:03.69 ID:UgbKYvip0
-
( ゚д゚ )「やれやれ、安物の水で煎れた茶はやはりまずいな。
バーボンハウスの玄米茶とは雲泥の差だ」
心底まずそうに呟くミルナ。
( ^ω^)「バーボンハウスに玄米茶があるんですかお?バーなのに?」
( ゚д゚ )「ああ。意外と人気があるんだぞ。なにせ俺がメニューに入れたんだからな」
( ^ω^)「へー。ミルナさん、バーボンハウスの常連なんですね」
( ゚д゚ )「常連と言うか、そこの元バーテンだ」
( ゚ω゚)「ヨーデルヨーデル愛しちゃってる――――??勉強しろ!!」
ブーンは驚きのあまり、天才的な姉のポエムの一節を引用した。
- 32 名前:78 ◆pP.8LqKfPo :2006/12/16(土) 09:43:23.53 ID:UgbKYvip0
-
( ゚д゚ )「あれは二十年くらい前か……
当時、駆け出しのバーテンだった俺は、
バーボンハウスでとある海図書きと出会ってな。
自分も何か手に職を持つべきだと
半ば打算的な考えでその男から海図書きの基礎を学んだんだ。
それから海図書きの世界にのめりこみ、
バーを止めて本気で海図書き一本に職を絞ろうかと考えていた矢先、
ショボン……艦長が俺のもとにやってきてな」
(;^ω^)「マホー……」
懐かしそうに虚空を見つめるミルナの瞳には、
遠い昔のあの時の光景が浮かんでいるのだろうか?
そのまま彼は続ける。
- 33 名前:78 ◆pP.8LqKfPo :2006/12/16(土) 09:45:57.03 ID:UgbKYvip0
-
( ゚д゚ )「アイツは俺のところに来るなりこう言ったよ。
『エデンの地図を書いてくれないか?』ってな」
(;^ω^)「……んな無茶な。まあ、艦長らしいといえば艦長らしいですけど」
( ゚д゚ )「ふふふ。
その誘いに、俺は『資料はあるのか?船はあるのか?』と問うたんだ。
そしたらアイツはこう言った。
『無い。それは僕たちがこれから集めるんだ』
ってなw」
そう言って、ミルナは大声で笑い始める。
思い出し笑いでここまで大声を上げる人も珍しいと、ブーンはニコニコ顔でミルナの姿を眺めた。
( ゚д゚ )「本当に馬鹿な話だろう?
だがな、俺はアイツのそういうところに惹かれたんだ。
俺も当時はお前くらいに若くて、血気も盛んだったしな。
それから二人であちこちを巡り、今のメンバーを集めたと言うわけさ」
- 34 名前:78 ◆pP.8LqKfPo :2006/12/16(土) 09:47:45.95 ID:UgbKYvip0
-
そこまで言うと、ミルナはスーツの内ポケットからタバコを取り出し、それに火をつけた。
ミルナの吐き出す煙が室内を流れていく。
煙はゆらゆらとブーンのもとまで流れて、彼の衣服にその香りを残す。
それきりミルナは何もしゃべらなくなり、
やがてタバコを吸い終わると、灰皿でそれをもみ消しながら静かに言った。
( ゚д゚ )「さて、昔話もここまでだ。俺はこれからいろいろせにゃならん。
お前も宴会で疲れただろうから、もう寝ることだな」
( ^ω^)ノシ「そうしますお。楽しい話をありがとうですお」
ブーンは腰掛けたベッドから立ち上がり、扉へと歩き出す。
そんな彼の後姿に、思い出したかのようにミルナが一言、声をかける。
( ゚д゚ )「そう言えば、お前の思春期祝いを渡していなかったな」
( ^ω^)「お?」
振り返ったブーンのもとに投げられたのは、一冊のハードカバーの本。
- 35 名前:78 ◆pP.8LqKfPo :2006/12/16(土) 09:48:37.08 ID:UgbKYvip0
-
( ゚д゚ )「思春期のお前には必要な本だろう。よく読んで、自分を制御することだな」
(;^ω^)「……」
ブーンは投げられた本のタイトルを見た。
『マスターベーションのすすめ(福沢諭吉著)』
結局こんなオチかよと、ブーンはため息をついてミルナの部屋を後にした。
第二十一話 おしまい
- 36 名前:初夢(宝船の夢):2006/12/16(土) 09:49:24.76 ID:/jjwP9aoO
- ミルナは繊細なイメージがあったが
なんか豪快だな
- 37 名前:あいつと初詣:2006/12/16(土) 09:50:04.65 ID:32td1PSW0
- ちょwwwwwww
- 38 名前:初夢(宝船の夢):2006/12/16(土) 09:53:50.77 ID:/jjwP9aoO
- 作者乙
朝だから人少ない気がするな
- 39 名前:78 ◆pP.8LqKfPo :2006/12/16(土) 09:57:22.65 ID:UgbKYvip0
- 読んでくれた皆さん、こんな朝っぱらからありがとうございます。
VIPPERにとってこの時間は一般人にとっての深夜に等しく、
まさか支援してくださる人がいるとは思いませんですた。
>>36
そう感じていただけて幸いです。
繊細さの中に豪快さを隠し持った男です、ミルナは。
処女作で使っていらい、大好きなんですミルナ。
>>24
わーい
>>9
いやん
>>38
もともとこんなもんですし、見てくれる人がいるだけで私は幸せです
- 40 名前:おせち(200円):2006/12/16(土) 09:58:33.37 ID:Yx+Ue+2LO
- 諭吉乙wwwwwwwwwwwwwwwwwwww
- 41 名前:78 ◆pP.8LqKfPo :2006/12/16(土) 09:58:57.10 ID:UgbKYvip0
- 今夜に最低でも一話、出来たらもう一話投下するつもりです。
そんじゃあ、書き溜めに戻ります。
何かあったらどぞー。良い乳日を!
- 42 名前:給食のおばさんと初詣:2006/12/16(土) 10:34:41.36 ID:32td1PSW0
- 見直したらプレゼントのコーナーで
毒男と艦長が何故かかんちょう体勢になってるwwwww
- 43 名前:猪(緑):2006/12/16(土) 10:59:50.45 ID:f2AEA12P0
- >>42
ほんとだwwwwwwwwwww
- 44 名前:女医さんと初詣:2006/12/16(土) 12:04:18.55 ID:32td1PSW0
- ほ
- 45 名前:猪(青):2006/12/16(土) 13:05:10.73 ID:f2AEA12P0
- 空を行くは大好きなんだな ほしゅ
- 46 名前:初夢(筋肉痛):2006/12/16(土) 13:35:44.45 ID:rzPJYM5AO
- 川 ゚ -゚)保守
- 47 名前:おせち(30,000ウォン):2006/12/16(土) 13:47:13.16 ID:yRSk1UXVO
- やっと追い付いた保守
- 48 名前:恵比須(えびす):2006/12/16(土) 14:11:10.01 ID:N6QGC3o40
- 肉便器図鑑 携帯厨可
http://newsstation.info/up/img/ns16272.htm
- 49 名前:年賀状(配ってます):2006/12/16(土) 14:22:38.76 ID:QCLy6t6C0
- いままでまとめサイトでみてた。
今晩をたのすぃみにしてるホシュ
- 50 名前:猪(緑):2006/12/16(土) 15:31:36.28 ID:EUwpieW70
- あ
- 51 名前:初夢(猿の夢):2006/12/16(土) 16:58:46.26 ID:ZLb2dK8iO
- ワッフルワッフル
- 52 名前:初夢(またバイトか):2006/12/16(土) 17:04:58.04 ID:rzPJYM5AO
- _
( ゚∀゚)保守
- 53 名前:初夢(すべてが夢):2006/12/16(土) 18:13:44.41 ID:grQkxwl20
- そし
- 54 名前:初夢(空も飛べるはず):2006/12/16(土) 18:14:11.62 ID:YfhAD7xDO
- 保守
- 55 名前:姉と初詣:2006/12/16(土) 19:06:54.40 ID:32td1PSW0
- ほ
- 56 名前:黒豆(六粒):2006/12/16(土) 19:55:01.60 ID:cl2N1liGO
- 保守
- 57 名前:女教師と初詣:2006/12/16(土) 20:31:51.90 ID:32td1PSW0
- ほ
- 58 名前:書初め(大願成就):2006/12/16(土) 20:45:33.54 ID:wQwggEo90
- うほw
- 59 名前:黒豆(二粒):2006/12/16(土) 20:52:20.32 ID:+ppBKdhY0 ?2BP(111)
- まとめ更新しました
http://boonnovel.g.hatena.ne.jp/bbs/21?mode=tree
- 60 名前:初夢(みんなと仲間だった):2006/12/16(土) 20:53:32.62 ID:grQkxwl20
- >>59
乙です!
- 61 名前:お年玉(Wii):2006/12/16(土) 21:31:37.55 ID:UgbKYvip0
- >>59
乙です!
- 62 名前:78 ◆pP.8LqKfPo :2006/12/16(土) 21:33:46.03 ID:UgbKYvip0
-
第二十二話 「冒険者たち」
翌日の早朝。
宴会場には、男衆が所狭しと倒れていた。
そんな彼らもミルナの艦内放送に容赦なく叩き起こされ、
『VIP』の総員は出港準備に追われる羽目になる。
もちろん、ブーンもその慌しさの中でこき使われ、
『VIP』が『鈍色の星』を飛び立つ頃には体がヘトヘトになって床にぶっ倒れていた。
もはや頭の中もフラフラで、唯一彼の印象に残っていることと言えば、
出港のためにあちこちを駆けずり回っている最中、
ドックの欄干でショボン艦長とバーボンハウスのバーテンが
握手を交わしているのがちらりと見えたことくらいだ。
もっとも、すぐにジョルジュにせかされてその一部始終を見ることは叶わなかったが。
- 63 名前:猪(貧乏):2006/12/16(土) 21:34:40.36 ID:EUwpieW70
- wktk
- 64 名前:初夢(アキバでびゅーしてきた):2006/12/16(土) 21:34:51.88 ID:grQkxwl20
- キタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !!!!!
- 65 名前:78 ◆pP.8LqKfPo :2006/12/16(土) 21:36:20.89 ID:UgbKYvip0
-
しばらくして、ドック内に警笛が鳴り響いた。
その音にブーンがのっそりと起き上がると、ドックの欄干には大勢の人々の姿。
彼らは皆、一様にこちらに向かって敬礼をしている。
荘厳にして厳粛な雰囲気。
それと同時に『VIP』全体がわずかに振動をはじめ、
敬礼をする欄干の人々の姿が後ろへと流れていく。
その光景の迫力に圧倒されていたブーンだが、
周囲の『VIP』乗組員達がドックに向かい敬礼をしているのを見て我に返り、
出来る限り「ビシッ!」と敬礼を決めた。
やがて、数週間親しんだ『鈍色の星』の姿は遥か後方へと流れて行き、
次第に鉛色の小さな点となり、いつしか空の蒼へと溶けていった。
- 66 名前:黒豆(三粒):2006/12/16(土) 21:37:33.58 ID:+ppBKdhY0 ?2BP(111)
- >>60
曲がりなりにも私が呼吸とかそんなんをしていられるのは
ブーン系小説のまとめの中でもかなりしょぼいまとめサイトに
1分そこそこで乙レスをくださるあなたのような方がいるからだと思うのです
>>61
ちょwww何やってんのwwww
- 67 名前:78 ◆pP.8LqKfPo :2006/12/16(土) 21:39:05.84 ID:UgbKYvip0
-
それから数週間のことはよく覚えていない。
というより、覚えておくほどに特筆すべき出来事がブーンの身の回りには存在しなかった。
ちょっとした周囲の詮索のために、飛行機械で出撃したこと。
ばったり出くわしたツンとしどろもどろになりながら会話を交わしたこと。
それぐらいの記憶が薄っすらと頭の片隅に残っているだけ。
そんな日々の中、朗報は突然訪れた。
穏やかな日差しが心地よい晴れの日の午前。
いつものように上部甲板の清掃をやっていたブーンの耳に響いてきたのは、副艦長ミルナの艦内放送。
( ゚д゚ )『総員、直ちに上部甲板へ集合せよ』
その声に珍しく『VIP』の乗組員全員
(と言っても、飛行に必要な最低限の人員は除く)が上部甲板へと招集され、
ブーンが数時間かけて磨き上げた甲板はものの見事に汚されてしまった。
- 68 名前:初夢(アキバでびゅーしてきた):2006/12/16(土) 21:39:15.96 ID:grQkxwl20
- >>66読んで気づいた。
>>61ちょwwwおまwwwwwwwwwwwww
- 69 名前:78 ◆pP.8LqKfPo :2006/12/16(土) 21:41:12.09 ID:UgbKYvip0
-
(´・ω・`)「あーあー、あーあー、なる。
やあ、艦長のショボンだよ。みんな元気?」
美しく甲板上に整列した総員の前で、ショボン艦長は相変わらずの調子で言葉を発する。
総員は「元気って言ったほうがいいのかなぁ……」なんて考えながら、
とりあえず何も言わないで、前方に立つわれらが艦長の姿を見つめた。
(´・ω・`)「みんな元気じゃないの?それじゃあ死ね。
今日は副艦長のほうからお話があるから、みんな、よく聞いてね」
その言葉の後、皆の前に出てきたのは目の下にクマーを作ったミルナ副艦長。
とっても不健康そうな体で出てきた彼は、それでも威厳のある態度で話を引き継ぐ。
- 70 名前:78 ◆pP.8LqKfPo :2006/12/16(土) 21:44:35.55 ID:UgbKYvip0
-
( ゚д。)「こんな姿ですまん。ここ数日寝ていないものでな。
しかし、その成果はあった。数日前、ラウンジ艦隊がついに動き出した」
副艦長のその言葉に、甲板に整列した全員が歓喜の声を上げる。
( ゚д。)「現在『機械の耳』でその動向を追いながら、俺が『エデン』の海図を製作している。
大まかな進路さえわかればこっちのものだ。
その後はラウンジ艦隊に対し、『機械の耳』の集音範囲である五百kmの距離を保ちながら飛行を続け、
ラウンジ艦隊の動きが止まったところで、やつらに合流して一気にエデンへと降りる」
ミルナがそこまで言い切ると、甲板に整列した全員がかかとを鳴らし敬礼をする。
案の定、ブーンはワンテンポ遅れた。
離れたツンの方をちらりと見ると、彼女もどうやらワンテンポ遅れたらしく、
その場で必死に体裁を取り繕っている彼女の姿を見て、ブーンはくすりと笑った。
- 71 名前:78 ◆pP.8LqKfPo :2006/12/16(土) 21:47:17.30 ID:UgbKYvip0
- _
( ゚∀●)「いやー、とうとう『VIP』の目標が果たされる日が来たんだねぇ!」
( ^ω^)「おっおっお!うれしい限りですお」
上部甲板でのミルナの演説が終わった後、
いつものようにブーンは整備班の休憩室で談笑していた。
所属は飛行機械部隊なのに、
いまやすっかり整備班になじんで彼らの休憩室に入り浸っているブーン。
気心知れた兄貴分であるジョルジュがおり、
そしてなによりツンがあまり顔を出さないここは、ブーンにとって居心地がよかった。
('∀`)「ぶほほほほwwwそれにしても、『エデン』ってどんなところなのかしらねぇ?」
一方で姉御肌の毒男が休憩室にいる全員分のコーヒーを配って回る。
ジョルジュは毒男からコーヒーを受け取ると、神妙な顔をして話を始める。
- 72 名前:78 ◆pP.8LqKfPo :2006/12/16(土) 21:49:55.25 ID:UgbKYvip0
- _
( ゚∀●)「なんでもよ、汚染された地上に残された唯一の陸地が『エデン』らしいぜ?
そこには綺麗な水はおろか、たくさんのうまい食い物が生っているんだってよ!
あー……新鮮な果物を腹いっぱい食いたいなー!!」
突如、妄想の世界に入り、口から涎を垂れ流すジョルジュ。
そんな彼に向かい、オカマが反論する。
('∀`)「あら?あたしが聞いた話だと、どんな夢でも叶う魔法の島らしいわよ?
あたし、『エデン』に着いたら真っ先に女にしてもらうの!」
突如、夢見る少女の瞳になったオカマ。
そんなオカマに、ジョルジュが大笑いしながら話しかける。
_
( ゚∀●)「うひゃひゃひゃwwwwなんだよ、そのメルヘンチックな情報はよ〜!
大体、二mもあるオカマのどこをどうやったら女になるって言うんだよwwwww」
('A`#)「お黙り!この腐れ乳首!!」
怒りの咆哮とともに、オカマはジョルジュにスクリューパイルドライバーを繰り出す。
技の威力よりも、オカマの股間に挟まれたショックでジョルジュは意識を失った。
ジョルジュ長岡。享年二十八歳。
- 73 名前:78 ◆pP.8LqKfPo :2006/12/16(土) 21:52:04.94 ID:UgbKYvip0
-
/ ,' 3「なんじゃ?騒がしいのぅ、ここは」
ξ゚听)ξ「ここはいつもそうよ」
ブーンとオカマがジョルジュの墓を作っていると、扉を開けて入ってきたのはツンと荒巻。
とてつもなく珍しいツーショットだ。
('A`)「あら小娘、荒巻のおじい様と何をやっているのよ?」
ξ゚听)ξ「何もしてないわよ。このクソジジイが勝手にあたしに付きまとってくるの!」
/ ,' 3「むひょひょひょwwww若いおなごは見ているだけで目の保養になるからのぅ」
そう言ってツンに抱きつこうとする荒巻だが、簡単にツンにあしらわれてしまう。
エロジジイの扱いにすっかり慣れたツンは、
そのままブーンが座っていた席に着くと、目の前のコーヒーを指さす。
ξ゚听)ξ「これ、誰の?」
- 74 名前:猪(発情中):2006/12/16(土) 21:53:41.49 ID:GJs2EZjP0
- ジョルジュwwwwwwwwww死んだwwwwwwwwwww
- 75 名前:78 ◆pP.8LqKfPo :2006/12/16(土) 21:53:53.35 ID:UgbKYvip0
-
(;^ω^)「ど、どうも僕のです」
ξ゚ー゚)ξ「じゃあもーらい!!」
そう言って、ツンはブーンのコーヒーを飲み干した。
間接キッス……
そんな馬鹿なことをブーンが考えていると、
彼の妄想など微塵も気にいていない様子でツンが続ける。
ξ゚听)ξ「で、何話していたの?」
('∀`)「ぶほほほwwww『エデン』ってどんなところかしらね〜、って話していたのよ」
/ ,' 3「ほう!それはわしの出番じゃのう!」
オカマの言葉に眼を輝かせた荒巻は、適当な椅子の上に飛び乗った。
そのまま、ブーン達を自分の目の前に座らせると、教授らしく講義を始める。
- 76 名前:初夢(アキバでびゅーしてきた):2006/12/16(土) 21:53:57.62 ID:grQkxwl20
- 再起動後の支援
- 77 名前:78 ◆pP.8LqKfPo :2006/12/16(土) 21:56:00.55 ID:UgbKYvip0
-
/ ,' 3「まずはじめに、なぜこの世界が空中に浮いているかわかるか?」
ξ゚听)ξ「わかんない」
/ ,' 3「このアホ娘が!いいか?
かつて、世界は地上にあった。
しかし、何らかの原因で地上は汚染され、
現在、地上は分厚い雲海に覆われ、酸の雨が年中降り注いでおるのじゃ」
ξ゚听)ξ「なんで地上は汚染されたの?」
/ ,' 3「知らん。世界規模の戦争の結果だとも、大規模災害の結果だとも言われておる」
ξ゚听)ξ「なーんだ。何にもわかってないんじゃない」
/ ,' 3「黙れ小娘!教授が何でも知っていると思うな!!
世の中はわからんことだらけ、仮説だらけで成り立っておるんじゃ!!」
つばを飛ばしながら怒鳴り散らす荒巻。
このじじい、自分の専門分野になるとうるさいようである。
- 78 名前:78 ◆pP.8LqKfPo :2006/12/16(土) 21:57:16.35 ID:UgbKYvip0
-
/ ,' 3「そのため人は、生活の場所を空に求めた。
その際に初めて空に浮いた島が『トップページ』で、そこには旧世界の技術が眠っているらしい。
ちなみに、どういう原理で島が浮いているのかは知らん」
ξ゚听)ξ「結局あんた、何にも知らないんじゃない」
/ ,' 3「うるさい小娘!
そんなに知りたかったら『トップページ』にでも行って来い!!」
ξ゚听)ξ「やーだよーだ!」
/ ,' 3「小娘、退場!」
ξ゚听)ξ「だが断る!」
ツンと荒巻の登場で、先ほど以上に騒がしくなる休憩室であった。
- 79 名前:初夢(アキバでびゅーしてきた):2006/12/16(土) 21:58:18.79 ID:grQkxwl20
- 支援
- 80 名前:78 ◆pP.8LqKfPo :2006/12/16(土) 21:59:18.63 ID:UgbKYvip0
-
( ^ω^)「それで、肝心の『エデン』って何なんですかお?」
/ ,' 3「そう、それ!それがわしの専門分野!!」
ブーンの助け舟に荒巻の表情がパッと明るくなる。
/ ,' 3「そもそも『エデン』とは、
旧世界に存在した『旧約聖書』という書物の中の『創世記』に登場する楽園の名前じゃ。
そこには二人の男女がおり、たくさんの食べ物と動物達と幸せに暮らしておった。
しかし、いろいろあってその楽園を追放されてしまうんじゃ」
ξ゚听)ξ「省略しすぎ」
/ ,' 3「オカマ、この小娘を何とかしてくれ」
('∀`)「ぶほほほwwwお口にチャックよ―――!!」
ξ#゚听)ξ「モガモガ――――!!」
オカマはツンを抱えると、彼女の口を両手でふさぐ。
- 81 名前:初夢(ろうそく熱い):2006/12/16(土) 22:00:19.45 ID:grQkxwl20
- いくらでも支援
- 82 名前:78 ◆pP.8LqKfPo :2006/12/16(土) 22:01:35.57 ID:UgbKYvip0
-
/ ,' 3「まあ、『エデン』という名前の由来はここから来ておるのじゃな。
それで、実際問題、『エデンとはどういうところなのか』
という疑問が浮かんでくると思うのじゃが、残念ながらはっきりしたことはわかっておらん」
ξ#゚听)ξ「モゴモガモゴモゴ―――!!(引っ込めくそじじい――!!)」
/ ,' 3「何を言っておるのかわからんが、そこはかとなくむかつく小娘じゃのぅ……」
荒巻はテーブルの上に置いてある、誰のものかわからないコーヒーを一口飲む。
/ ,' 3「しかし、『エデン』がどういうところなのか推察する手立てはある。
それは、『エデン』の伝説がいつ頃から流れ始めたのか、という時期区分により推察される」
そう言って、「フフン」と得意気に鼻を鳴らすじじい。
一方で、彼の目の前に座るオカマにツン、ブーンは「訳が分からん」といった表情。
/ ,' 3「たとえば、『エデン』の伝説が旧世界からずっと語り継がれているものならば、
『エデン』とは旧世界の民にとっての楽園ということになる。
逆に、新世界、つまり空の時代から語り継がれ始められたのであれば、
それは我々、新世界の民にとっての楽園ということになるのじゃ」
- 83 名前:黒豆(九粒):2006/12/16(土) 22:02:45.50 ID:cl2N1liGO
- wktkwktk
- 84 名前:初夢(ろうそく熱い):2006/12/16(土) 22:03:39.56 ID:grQkxwl20
- 私怨
- 85 名前:78 ◆pP.8LqKfPo :2006/12/16(土) 22:04:57.60 ID:UgbKYvip0
-
いまいち「パッ」としない表情のブーン。
そんな彼とは対照的に、オカマと彼に口をふさがれているツンは「ムフムフ」と頷いている。
/ ,' 3「かつては後者、つまり新世界になってから語り継がれ始めたという説が有力じゃった。
そのため、世間にはさっきオカマが言っておったようなメルヘンな『エデン』像が蔓延していたわけじゃな」
('∀`#)「あらやだ、立ち聞きしていたのね?ウンコおじい様」
/ ,' 3「むひょひょひょwww情報収集と言ってほしいのぅ。
しかし、旧世界の遺跡で『エデンの地図』が発見され始めてから、説は一変するのじゃ。
『エデン』とは、旧世界の民が望んだ理想郷。
これがどういうことを意味するかわかるか?」
( ^ω^)ξ゚听)ξ( 'A`) 「「「わかんない」」」
三人はものの見事に、同時に首を左右に振った。
/ ,' 3「旧世界の民が望んだと推察されるのは清浄なる大地。
つまりは、我々の世界に浮いている島のような大地じゃ。
ということは、『エデン』が我々の住む島のようなものであったとしてもおかしくは無いということじゃ」
- 86 名前:初夢(ろうそく熱い):2006/12/16(土) 22:08:05.94 ID:grQkxwl20
- 私怨
- 87 名前:78 ◆pP.8LqKfPo :2006/12/16(土) 22:08:06.10 ID:UgbKYvip0
-
荒巻のとんでもない発言に、三人は一斉にブーイングする。
( ´ω`)「がっかりだお……」
ξ#゚听)ξ「そうよ!それじゃあ目指す価値なんて無いじゃない!」
(;A;)「あたしの夢はどうなるのよ!?あたしは一生男でいなきゃいけないの!?」
目の前でギャーギャー喚く三人(特にオカマ)を「黙らっしゃい!!」と一喝すると、
鼻息を荒くして荒巻は続ける。
/ ,' 3「あくまで可能性の問題じゃ!
『エデン』が発達した旧世界の文明の島である可能性も十分にある!!」
その声に黙る三人。
荒巻は鎮静剤代わりにコーヒーを口にすると、落ち着いた口調で言った。
/ ,' 3「大切なのは、『エデンがどういうところか』ということではない。
それを探求し、真実へとたどり着く過程こそが真に大切なものなのじゃ。
それこそが人の生きる糧となり、未知なる世界の扉を開く原動力になる。
闇に覆われた真実、見果てぬ対岸の夢こそが人間の進歩の道標であり、
その道を手探りで進んでいく中で得たものこそ、なによりも重い自分を造るのである」
- 88 名前:78 ◆pP.8LqKfPo :2006/12/16(土) 22:10:13.59 ID:UgbKYvip0
-
休憩室に静かに響く荒巻の声。
初めて人生の先輩として威厳ある格言を発した彼を、三人は尊敬の眼差しで見つめる。
そのまま「コホン」と咳払いを一つすると、さらに荒巻は言葉をつむぐ。
/ ,' 3「そして、最も深い闇に覆われた真実こそ、若いおなごの身体である。
というわけで小娘、わしにお前の身体を調べさせんか―――――い!!」
椅子の上から自分の下へとダイビングしてきた荒巻を、
ツンはどこから取り出したわからない金属バッドで、空の彼方へと葬った。
- 89 名前:78 ◆pP.8LqKfPo :2006/12/16(土) 22:12:29.46 ID:UgbKYvip0
-
ジョルジュが逝き、
荒巻が星になってから一週間弱が経過した。
その間の空の旅は、不気味なほどに何事も無く順調。
『エデン』を目指すラウンジ艦隊と『機械の耳』の集音限界点である五百kmの距離を保ったまま、
静かにひっそりと『VIP』は中空を進む。
そんな穏やかな日々も、ついに終わりを迎えた。
突如『VIP』乗組員全員に招集をかけたショボン。
彼の傍らに立つミルナは壇上に上ると、静かに言った。
( ゚д゚ )「ラウンジ艦隊の動きが止まった。
これはつまり、ラウンジ艦隊が『エデン』近郊に到達したことを意味する。
我々はこのままラウンジ艦隊に合流。
やつらから『エデン』近郊の空域を奪取する」
- 90 名前:初夢(ろうそく熱い):2006/12/16(土) 22:12:51.24 ID:grQkxwl20
- 私怨
- 91 名前:初夢(ろうそく熱い):2006/12/16(土) 22:13:16.98 ID:grQkxwl20
- そしてwktkwktk
- 92 名前:初夢(ゴキとの思い出):2006/12/16(土) 22:13:52.19 ID:KK1DMQkt0
- ジョルジュマジで氏んだんか・・・
- 93 名前:78 ◆pP.8LqKfPo :2006/12/16(土) 22:13:55.38 ID:UgbKYvip0
-
静かにそう宣言するミルナの表情は、かつて無いほどに厳しいそれであった。
人生の目的を賭けた、一世一代の大勝負。
彼の表情からその思いを肌で感じ取った『VIP』総員は、
続いて壇上に上がってきた艦長の姿を緊張の面持ちで見つめた。
(´・ω・`)「決行は明日の夕方。
黄昏の空に乗じて、ラウンジ艦隊へ向けて一気に奇襲をかけるよ。
総員、尻の穴を締めてかかってね。以上だよ」
直後、総員はかかとを鳴らし敬礼をする。
今回は彼らに遅れることなく、ブーンとツンも美しい敬礼をして見せた。
第二十二話 おしまい
- 94 名前:猪(禁煙中):2006/12/16(土) 22:14:42.51 ID:GJs2EZjP0
- ジュルジュ復活してねえええええええええええええええええええええ
- 95 名前:美容師と初詣:2006/12/16(土) 22:16:22.70 ID:32td1PSW0
- ジョルジュ逝きっぱなしかよ!!!
- 96 名前:初夢(ろうそく熱い):2006/12/16(土) 22:19:18.41 ID:grQkxwl20
- ジョルジュwwwwwwwwww
もう一話投下するの?
- 97 名前:猪(金歯):2006/12/16(土) 22:19:52.29 ID:FZ/pKdHaO
- もう一話あるかなあるかな(´・ω・`)
- 98 名前:78 ◆pP.8LqKfPo :2006/12/16(土) 22:20:22.80 ID:UgbKYvip0
- ジョルジュ……君を忘れない
ちょっくら借りていたAVを返してきます。
かえってき次第、もう一話投下させていただきます
- 99 名前:初夢(ろうそく熱い):2006/12/16(土) 22:21:09.09 ID:grQkxwl20
- >>98
把握したw風邪引かないようにして行けよwwwww
- 100 名前:黒豆(二粒):2006/12/16(土) 22:33:07.63 ID:jzpRPl4iO
- ジョルジュ死にっぱなしwwwww
- 101 名前:初夢(ろうそく熱い):2006/12/16(土) 22:48:53.95 ID:grQkxwl20
- ほ
- 102 名前:初夢(熱湯風呂):2006/12/16(土) 23:00:23.63 ID:grQkxwl20
- た
- 103 名前:黒豆(三粒):2006/12/16(土) 23:09:55.13 ID:jzpRPl4iO
- る
- 104 名前:愛のVIP戦士:2006/12/16(土) 23:12:36.14 ID:HsTjlABU0
- の
- 105 名前:猪(ボーカル):2006/12/16(土) 23:17:45.64 ID:djEPcTQy0
- は
- 106 名前:初夢(熱湯風呂):2006/12/16(土) 23:19:43.76 ID:grQkxwl20
- ら
- 107 名前:猪(ボーカル):2006/12/16(土) 23:20:46.17 ID:djEPcTQy0
- の
- 108 名前:初夢(熱湯風呂):2006/12/16(土) 23:21:47.28 ID:grQkxwl20
- し
- 109 名前:猪(ボーカル):2006/12/16(土) 23:22:39.89 ID:djEPcTQy0
- ま
- 110 名前:愛のVIP戦士:2006/12/16(土) 23:23:02.54 ID:HsTjlABU0
- じ
- 111 名前:初夢(熱湯風呂):2006/12/16(土) 23:23:13.18 ID:grQkxwl20
- ろ
- 112 名前:78 ◆pP.8LqKfPo :2006/12/16(土) 23:24:23.59 ID:UgbKYvip0
- う
- 113 名前:愛のVIP戦士:2006/12/16(土) 23:24:41.66 ID:HsTjlABU0
- は
- 114 名前:黒豆(十粒):2006/12/16(土) 23:25:47.78 ID:cl2N1liGO
- >>112
アッー!
- 115 名前:黒豆(六粒):2006/12/16(土) 23:26:38.09 ID:YuSNErLrO
- く
- 116 名前:初夢(熱湯風呂):2006/12/16(土) 23:26:42.55 ID:grQkxwl20
- と
- 117 名前:お年玉(とられた):2006/12/16(土) 23:28:02.89 ID:UgbKYvip0
- く
- 118 名前:黒豆(六粒):2006/12/16(土) 23:29:25.81 ID:YuSNErLrO
- ゙
- 119 名前:猪(入れ歯):2006/12/16(土) 23:29:58.69 ID:FZ/pKdHaO
- AVは無事に返せたか?
- 120 名前:黒豆(六粒):2006/12/16(土) 23:30:05.18 ID:YuSNErLrO
- う
- 121 名前:初夢(熱湯風呂):2006/12/16(土) 23:31:07.82 ID:grQkxwl20
- いつまでやってんだよwwwwwwwww
作者も乗りよすぎwwwwwwwwwwwww
- 122 名前:お年玉(とられた):2006/12/16(土) 23:31:15.55 ID:UgbKYvip0
- >>119無事、女性店員に確認していただきました。
では再開させてもらいます
- 123 名前:初夢(熱湯風呂):2006/12/16(土) 23:32:23.80 ID:grQkxwl20
- wktkwktk
- 124 名前:猪(禁酒中):2006/12/16(土) 23:32:33.80 ID:GJs2EZjP0
- Y^´ ∨// /,∠ ,. ' /l/// /, ' , '/ ! | l }´ 〈
〉 変 〈/ , ' // ̄`>< /// /// _,.=‐|'"´l l〈 変 /
〈 態. ∨, '/l| ,.'-‐、`//`7/ /''"´__ | ハ l丿 態 {
人) ! ! (/! |ヽ〈_ ・.ノ〃 〃 / '/⌒ヾ.! ,' !く ! ! (_
ト、__/ ヽ、_,.イ /l l |:::::::```/:::::/...´.. //´。ヽ }! ,' !! ) /
ト' 亦 ,イ⌒ヽ/ !l l ! l し J ::::::::::::::::::::``‐-</ / ,'、`Y´Τ`Y
l 夂 (ハ ヽ l i ! l ', ! , -―-、_ ′::::::::::::: //! Λ ヽ、ヽl
ヽ 〉,\ ! i ',.l `、'、/_,. ―- 、_``ヽ、 ι 〃,'/! ヽ、\ ヽ、
! 能 // ,' lヽ! ii ',l ∨\'⌒ヽー-、 `ヽ、! / ハ ノヽ._人_从_,. \
| 心 { / ,' ' ,! ll l`、 { ヽ' \ ヽ ' '´ Λ ',} ( \
.丿 ∨ // ,',! l l l ヽ`、 \ \ ∨ し /! ∨ 変 ,ゝ、
∧ / / ヾノ //l l l l、_ヽ\ \ ヽ , ' ,.イ |ノ 態 (ヽ
/ノ__ ゚ ゚ (⌒`〃'j | l l l `ヽ `ヽ、.ヽ _,.}'′ ,.イl { | ヽ ! ! ,ゝ\
/ /`Y⌒ヽ/⌒ 〃 ノ | l l l } ヽ、._ } ノ,.イ l | ! ! | )_
- 125 名前:78 ◆pP.8LqKfPo :2006/12/16(土) 23:33:08.61 ID:UgbKYvip0
-
第二十三話 「FLY」
ラウンジ艦隊への奇襲を翌日に控えたその日の夜。
飛行機械部隊の休憩室では奇襲作戦について会議が開かれていた。
隊長のモナー、副官のクーを中心に、ブーンとツンをはじめとした飛行機械部隊の隊員は
長きに渡って作戦の確認作業に追われていた。
川 ゚ -゚)「いいか?『エデン』近郊にいると思われるラウンジ艦隊の総数は三。
ミルナ副艦長からの情報によると、それは
精鋭部隊の母艦である旗艦『ジュウシマツ』、そして二隻の巡洋艦の計三隻だ」
( ´∀`)「巡洋艦一隻は我々の戦力に照らし合わせるとおよそ二分の一の戦力だモナー。
だから、現在のラウンジ艦隊の戦力は単純計算で我々の二倍になるモナー」
つまり、物量的には『VIP』の方が不利ということになる。
しかしいつもどおりのポーカーフェイスで、蒼風は話を続ける。
川 ゚ -゚)「だが、案ずることは無い。
『質』で言えば我々と現在のラウンジ艦隊の戦力はほぼ互角だ。
奇襲といういささか卑怯な作戦を取れば、十分我々に勝機はある」
- 126 名前:VIP皇帝:2006/12/16(土) 23:35:21.58 ID:cl2N1liGO
- wktk
- 127 名前:78 ◆pP.8LqKfPo :2006/12/16(土) 23:37:05.60 ID:UgbKYvip0
-
( ´∀`)「でも、油断は決してしてはいけないモナー。
敵はわずか三隻。おそらくそれは先遣部隊で、
『エデン』を発見しだい、後発の大部隊が来るものと思われるモナー。
こういう時の先遣部隊というのは、
軍の中でも選りすぐりの部隊で編成されていると相場が決まっているモナー。
つまり、『ジュウシマツ』の部隊だけでなく、残りニ隻の巡洋艦にも、
腕の立つ飛行機械乗りがいると思ってまず間違いないモナー」
赤い男爵の言葉に、総員の表情に影が宿る。
しかし、男爵は相変わらずの笑顔のままさらに続ける。
( ´∀`)「しかし、それ以上にお前達は強いモナー。
全員の教習を受け持った僕が言うから間違いないモナー」
そう言って全員の顔を見渡すモナー。
優しい笑顔の中に一家の大黒柱たる威厳を持った彼の表情には、
その言葉を真実と裏付けるだけの説得力があった。
- 128 名前:78 ◆pP.8LqKfPo :2006/12/16(土) 23:38:39.73 ID:UgbKYvip0
-
川 ゚ー゚)「そういうことだ。では、作戦内容を説明する」
モナーの言葉にほんの少しだけ笑顔を見せると、
すぐにいつものポーカーフェイスに戻ったクーが、手にしたプリントの内容を読み上げる。
川 ゚ -゚)「我々は三つの部隊にわかれ、各部隊、割り当てられた一隻を確実に落とす」
そう言って、部隊の隊員とその攻撃目標を読み上げていくクー。
しかし、彼女の口からブーンとツンの名前はいつまでたっても出てこない。
やがて、最後の部隊のメンバーが読み上げられていく。
川 ゚ -゚)「そして、最後の部隊の攻撃目標は旗艦『ジュウシマツ』。
メンバーは、モナー、私、そしてブーンとツンだ」
- 129 名前:トリマーと初詣:2006/12/16(土) 23:39:45.31 ID:32td1PSW0
- wktk
- 130 名前:78 ◆pP.8LqKfPo :2006/12/16(土) 23:40:06.19 ID:UgbKYvip0
-
スポポポポポポーン!!!
。 。
。 。 。゚
。 。゚。゜。
/ // /
( ω)ξ)ξ「「のっぴょっぴょーん!!」」
とんでもない大抜擢に、二人の眼球は空高くまで飛び上がった。
それが自分達のもとに戻ってきたのを確認すると、二人は一斉に抗議を始める。
ξ;゚听)ξ「止めらんないよ、超特急!あたし達じゃだめー、普通にだめー」
(;^ω^)「そうですお!僕たちに『ジュウシマツ』なんか落とせるわけ無いですお!
足手まといになるのが落ちですお!」
立ち上がり、自分たちの無力さを力説する二人。
そんな二人に向けて、クーは静かに言った。
川 ゚ -゚)「そう思っているのはお前達だけだ」
- 131 名前:初夢(熱湯風呂):2006/12/16(土) 23:42:05.07 ID:grQkxwl20
- 私怨
- 132 名前:お年玉(800円):2006/12/16(土) 23:42:48.57 ID:UbkirhR40
- ぱんぴれぽにょーん!!
- 133 名前:78 ◆pP.8LqKfPo :2006/12/16(土) 23:43:29.40 ID:UgbKYvip0
-
途端、室内が静まり返る。
不審に思いブーンが周囲を見渡すと、
飛行機械部隊の全員がブーンとツンを見て頷いている。
川 ゚ -゚)「お前達二人の腕は、並大抵のものではない。
さすがは、幼い頃から飛行機械をいじくっていただけのことはある。
もう少し時が経てば、お前達は私やモナーなどすぐに追い抜いてしまうだろう」
うれしそうに、だけどほんのちょっとだけ悲しそうに呟く蒼風。
二人は『VIP』のメンバーになって初めて、クーに賛辞を受けた気がした。
( ´∀`)「史上最年少飛行機械乗りの称号は伊達じゃなかったのかモナー?」
クーの隣に眼をやれば、優しい顔で微笑むモナーの姿。
なぜか、二人の姿に今は亡き父と母の面影を重ねたブーンとツンは、
周囲の人間が見守る中で、高らかに宣言した。
- 134 名前:黒豆(十粒):2006/12/16(土) 23:45:40.80 ID:cl2N1liGO
- 支援
- 135 名前:78 ◆pP.8LqKfPo :2006/12/16(土) 23:46:14.70 ID:UgbKYvip0
-
ξ#゚听)ξノ「やるわよ!やってやろうじゃない!!」
( ^ω^)ノ「史上最年少飛行機械乗りの称号は伊達じゃないんだお!!」
そう言ってピョンピョンと飛び跳ねる二人を、我が子のように見つめるクーとモナー。
周囲の人間は、その様子をほほえましく眺める。
今はまだ、二人は気づかない。
長らく失っていた『家族』、
それに似た絆が、確かにこの場所には存在していたということに。
後に人生を振り返ったときにはじめて、
この日、この場所、この瞬間に、
彼らが望んでやまなかったものが存在していたことに、二人は気づくのだろう。
大切なことはいつも、失ってはじめて気づくのだから悲しい。
しかし、だからこそ限りない程にいとおしい。
- 136 名前:78 ◆pP.8LqKfPo :2006/12/16(土) 23:48:07.09 ID:UgbKYvip0
-
時は来た。
空がたそがれに染まり始めた夕暮れ時。
雲中に身を潜めながらたどり着いた先。
『VIP』の目の前には、三隻の巨大な鉄の塊。
愛用の飛行機械の座席の上。
身体が震える。
操縦桿がうまく握れない。
少年は瞳を閉じた。
大きく一つの深呼吸。
これまで経験してきたことのすべてが思い出される。
これまで出会ったすべての人の顔が思い出される。
少年は瞳を開けた。
バックミラーに映るは、幼馴染の姿。
彼女はこちらの視線に気づくと、バックミラー越しにニッコリと笑って親指を立てた。
その姿を見て、少年も笑って親指を立てる。
そして二人は、同時にゴーグルを下ろす。
- 137 名前:黒豆(三粒):2006/12/16(土) 23:48:21.09 ID:jzpRPl4iO
- フラグ…
- 138 名前:78 ◆pP.8LqKfPo :2006/12/16(土) 23:51:16.15 ID:UgbKYvip0
- _
( ゚∀●)b「ブーン、お前ならやれる。
たそがれに染まるこの空を……行ってこい!!」
機体の傍らに立つジョルジュが、こちらを見上げながら言う。
直後に振られる、毒男の発進合図のフラッグ。
ξ゚ー゚)ξ「行こう、ブーン!!」
( ^ω^)「……把握したお!!」
機体のエンジンが振動すると、身体がふわりと宙に浮く。
いつもとなんら変わりないエンジンの鼓動。
太陽の光を受けて銀色に輝く、見慣れた自分の機体。
何千回も知覚してきたこの感覚。
すべては、今、この瞬間に繋がっていたのだ。
( ^ω^)「ブーン、行きますお!!」
たくましく成長した二人を乗せ、
銀色の空の舟は、たそがれの中へと飛び込んでいった。
- 139 名前:78 ◆pP.8LqKfPo :2006/12/16(土) 23:54:44.07 ID:UgbKYvip0
-
たそがれに染まる空を眺める男がいた。
鋭い眼光。
『エデン』を目指す飛行を開始して以来、常に獲物を狩るような眼差しを崩さない『黄豹』。
( ,,゚Д゚)「……」
周囲の連中は、もうすぐ目的の『エデン』へ着くのだと、
連日宴会を開いては馬鹿騒ぎを続けている。
そんな彼らを軽蔑の眼差しで見つめていると、
視界に入ってきたのはこちらへと歩み寄ってくるパートナーの姿。
(*゚ー゚)「……不満そうね?」
( ,,゚Д゚)「ああ。精鋭部隊の名が聞いて呆れるぞゴルァ!」
そう吐き捨てて、再び視線を空へと戻す。
- 140 名前:初夢(熱湯風呂):2006/12/16(土) 23:55:09.42 ID:grQkxwl20
- 紫煙
- 141 名前:猪(入れ歯):2006/12/16(土) 23:55:45.28 ID:FZ/pKdHaO
- ジョルジュ生きてた支援
- 142 名前:78 ◆pP.8LqKfPo :2006/12/16(土) 23:57:05.13 ID:UgbKYvip0
-
( ,,゚Д゚)「物事の終わりが一番危険なのだゴルァ。
そんなこともわからんのか……この連中は!」
(*゚ー゚)「ふふふ。あなたが士官だったら、
ラウンジ艦隊は間違いなく史上最強になっているわね」
( ,,゚Д゚)「ふん!海賊崩れの俺を士官登用するなど、この軍では考えられんだろうな」
『エデン』へと続く空には、自分達以外に存在しない。
その考えがもたらす慢心。
そして、おごりたかぶり。
軍事国家として名を轟かせる『メンヘラ国』の軍も、実情はこんなものらしい。
不機嫌極まりない表情のギコ。
そんな彼の視界に、わずかな雲間に浮かぶ見慣れぬ極小の点が映る。
( ,,゚Д゚)「しぃ……あれは何だゴルァ?」
- 143 名前:78 ◆pP.8LqKfPo :2006/12/16(土) 23:58:39.14 ID:UgbKYvip0
-
(*゚ー゚)「え……?」
ギコの言葉に、しぃは視線を移す。
しかし、彼女の目にはたそがれの空以外に何も映らない。
代わりに彼女は自慢の『ネコ耳』を澄ます。
その耳に響いてきたのは、飛行機械のエンジンの音。
(;*゚ー゚)「こんなところに……なぜ飛行機械が!?」
彼女の呟きに自分の視覚の正しさを認識した『黄豹』は、更にそれを研ぎ澄ます。
点は次第に数を増やしていく。
その先頭にいるのは、『赤』と『青』、そして『銀』の飛行機械。
( ,,゚Д゚)「『レッドバロン』に『蒼風』だと!?ふざけるな!!」
振り返るとギコは、宴会で馬鹿騒ぎする連中に向けて大声で叫んだ。
( ,,゚Д゚)「敵襲だ!総員配置に着けゴルァ!!」
そんなギコの言葉をまじめに聞くものなど、彼の配下の部下以外には存在しなかった。
- 144 名前:家族で初詣:2006/12/17(日) 00:00:07.83 ID:mephc4Tr0
- 支援
- 145 名前:書初め(樹木希林):2006/12/17(日) 00:01:32.94 ID:Mcq8A4eU0
- エレクトリッガ〜受けてみろ〜 バロンハンマ〜それ見たか〜
- 146 名前:猪(メイド服):2006/12/17(日) 00:03:53.22 ID:BKtSyJZfO
- アッー!
- 147 名前:78 ◆pP.8LqKfPo :2006/12/17(日) 00:04:16.62 ID:uoR6lM0A0
-
前夜の打ち合わせ通りに展開を始めた『VIP』飛行機械部隊。
接触回線用のワイヤーでつながれた各部隊は、それぞれの目標へと進路を変える。
川 ゚ -゚)「敵飛行機械の発進はまだだ。これはいけるな」
( ´∀`)「注意すべきは『黄豹』一機だけだモナー。だけど決して油断するなモナー!」
スピーカーから響くその声にブーンが「了解」と返すと、
乾いた金属音とともに接触回線用のワイヤーがはずされる。
( ^ω^)「ツン、索敵は頼んだお!」
ξ゚听)ξ「任せて!行くわよ!!」
彼女の言葉に、ブーンは一気に速度を上げた。
小さかった『ジュウシマツ』の機影がドンドンと大きくなっていく。
そこから飛び出してくるのは三機の飛行機械。
他のどの機体よりも早く飛び出してきたこの三機の真ん中に、
たそがれの空と同じ色の、黄色い飛行機械の姿が確かに見えた。
- 148 名前:お年玉(もらいたい):2006/12/17(日) 00:04:19.94 ID:7d+YItyB0
- 作者wwwwwwwwwwww
- 149 名前:愛のVIP戦士:2006/12/17(日) 00:05:51.93 ID:68ds7RM20
- 誤爆乙wwwwwwそしてwktk
- 150 名前:78 ◆pP.8LqKfPo :2006/12/17(日) 00:06:23.28 ID:uoR6lM0A0
-
展開してきた敵機三機のうち、二機に向かっていくのは赤い男爵。
そして『黄豹』へと向かっていくのが、
普段は空の青に溶けて識別しづらいクーの蒼い飛行機械。
今回、『黄豹』の黄色い機体はたそがれの空に溶けており、
逆に夕焼けの空に馴染まない色を浮かべる『蒼風』の姿が、
なぜかブーンには頼りなく感じられた。
ξ゚听)ξ「ブーン、『ジュウシマツ』に攻撃を仕掛けるわよ!」
(;^ω^)「お、おk!!」
その言葉に我に帰ったブーンは、
『ジュウシマツ』の上部甲板に向けて一気に機銃を放った。
火線は直撃。
甲板は穴だらけ。
ブーンはそのまま身を翻すと、意気揚々と第二波を放つ準備に入った。
- 151 名前:猪(おもらし君):2006/12/17(日) 00:06:41.18 ID:HrbeE4xY0
- スレタイに「ブーン」が入ってないから今まで気づかなかったじゃネェか!
- 152 名前:猪(2ch中):2006/12/17(日) 00:07:49.41 ID:1hi+qGGnO
- ドッグファイトwktk
- 153 名前:78 ◆pP.8LqKfPo :2006/12/17(日) 00:08:36.82 ID:uoR6lM0A0
-
川 ゚ -゚)「さて……どう攻めるか」
『黄豹』へ向けて進路を取ったクー。
敵機との距離はまだある。
『黄豹』の戦闘パターンは頭に叩き込んでいる。
やつが得意とするのは「後の先」、相手の出方を待って自分の行動を決めるというやり方だ。
優秀なナビがおり、状況に応じて最善の行為を選択できる者のみだけがなしえる戦闘法。
対してこちらは単座式、一人で操縦するタイプの飛行機械。
索敵係であるナビと長距離飛行能力を切り捨てる代わりに、
エンジン出力、短時間の飛行能力を最大限に重視した機体。
「後の先」にはまったく向かない。
それならばここは正攻法、自分のもっとも得意とする戦闘方法でいくべきだ。
そう判断したクーは、機首を上げ、出力を最大限にまで上げて上昇していく。
川 ゚ -゚)「ついてこられるかな?」
そう呟いて下方を見ると、案の定、『黄豹』はこちらを追って上昇してきた。
- 154 名前:お年玉(もらいたい):2006/12/17(日) 00:09:54.54 ID:7d+YItyB0
- 紫煙
- 155 名前:78 ◆pP.8LqKfPo :2006/12/17(日) 00:10:15.56 ID:uoR6lM0A0
-
( ,,゚Д゚)「相手は『蒼風』か!不足は無いぞゴルァ!!」
こちらに向かって進路を変えた青い飛行機械。
洗練されたそのフォルムに、ギコは吼えた。
直後、『青』は機首を上げて上昇していく。
( ,,゚Д゚)「……なるほど」
おそらく『蒼風』は上昇し、位置エネルギーを稼いで一気に下降。
猛スピードでこちらへと向かってくるつもりなのだろう。
( ,,゚Д゚)「それならば……」
そう呟いて、ギコも対面上空の『青』に向かって上昇を開始する。
- 156 名前:78 ◆pP.8LqKfPo :2006/12/17(日) 00:12:01.98 ID:uoR6lM0A0
-
しかし、じわじわと距離が開いていく『青』と『黄』。
( ,,゚Д゚)「性能の差か……しかし、それだけでは空を生き残れんぞゴルァ!!」
すると、上昇の最中に機首を斜めに下げたギコ。
そのまま一気に下降していく。
( ,,゚Д゚)「ほらほら、俺を落とす絶好のチャンスだぞ?ついてこいだゴラァ!!」
(*゚ー゚)「うふふ。釣れたわよ、ギコ♪」
しぃの言葉にギコは振り返る。
彼の瞳には、遥か上空からこちらに向かって急降下してくる『青』が映っていた。
- 157 名前:猪(メイド服):2006/12/17(日) 00:13:22.30 ID:BKtSyJZfO
- 支援
- 158 名前:78 ◆pP.8LqKfPo :2006/12/17(日) 00:13:47.09 ID:uoR6lM0A0
-
川 ゚ -゚)「妙だな……なぜ降下する?」
位置エネルギー的にはこちらが圧倒的に有利。
このまま急降下すれば、射程内に『黄豹』の後方を確実に捉えられる。
『黄豹』の行動は「落としてください」と言っているようなものだ。
川 ゚ -゚)「……行くしかないだろう」
そう呟くと、クーも機首を斜め下方、下降していく『黄豹』に向けた。
グングンと縮まっていく二機の距離。
このままいけば、相手がループしようがターンしようが確実に後ろを取れる。
川 ゚ -゚)「『黄豹』……この程度の男だったか」
静かに呟いたクーは、自分の勝利を確信した。
- 159 名前:お年玉(もらいたい):2006/12/17(日) 00:14:36.03 ID:7d+YItyB0
- 私怨
- 160 名前:家族で初詣:2006/12/17(日) 00:15:11.37 ID:mephc4Tr0
- らめぇぇ・・・
- 161 名前:猪(72才):2006/12/17(日) 00:15:39.70 ID:lop+kcRB0
- http://oekaki1.basso.to/user40/dokkuu/data/OB000106.png
赤い男爵
- 162 名前:78 ◆pP.8LqKfPo :2006/12/17(日) 00:16:50.30 ID:uoR6lM0A0
-
後部座席のしぃはさらにその後方を見た。
視線の先では、こちらに向けて下降してきた『蒼風』と自分達の距離がドンドンと縮まっていく。
(*゚ー゚)「ギコ!もうすぐ相手の射程に入るわよ!!」
( ,,゚Д゚)「了解!カウントダウンを頼むぞゴルァ!!」
しぃは眼を細め、視覚、そして聴覚を済まして相手との距離を測る。
一方でその視線の先のクーも、射程距離のカウントダウンを始める。
- 163 名前:78 ◆pP.8LqKfPo :2006/12/17(日) 00:17:43.16 ID:uoR6lM0A0
-
(*゚ー゚)「…五」
川 ゚ -゚)「…四」
(*゚ー゚)「…三」
川 ゚ -゚)「…ニ」
(*゚ー゚)「…一」
川 ゚ -゚) (*゚ー゚)「「…ゼロ!!」」
『蒼風』の機銃から、火戦が発射された。
しかし、それが『黄豹』に直撃することは無かった。
- 164 名前:お年玉(もらいたい):2006/12/17(日) 00:18:50.11 ID:7d+YItyB0
- 紫煙
- 165 名前:猪(メイド服):2006/12/17(日) 00:19:30.01 ID:Jx/pTd4IO
- 紫煙
- 166 名前:78 ◆pP.8LqKfPo :2006/12/17(日) 00:19:57.34 ID:uoR6lM0A0
-
川;゚ -゚)「……消えた!?」
火線は空を切る。
その線上にいた『黄豹』の姿は突如として消えた。
途端、機体の下方から強烈な風圧。
川;゚ -゚)「下だと?ふざけるな!!」
ギコはクーが機銃を発射すると同時に180度ロール、つまり背面飛行に入り、
下方に鋭角的な弧を描いて進路を反転。
クーの機体の下方スレスレを通り過ぎていったのだ。
すれ違いの際の風圧に、クーの機体のバランスが急激に乱れる。
川;゚ -゚)「あのスピードで『スプリットS』だと!?やつは化け物か!?」
- 167 名前:猪(2ch中):2006/12/17(日) 00:20:04.50 ID:1hi+qGGnO
- クー逃げてぇ
- 168 名前:78 ◆pP.8LqKfPo :2006/12/17(日) 00:21:42.59 ID:uoR6lM0A0
-
ギコのその秘技的なマニューバを、人は『スプリットS』と呼ぶ。
間髪いれずにギコは『スプリットS』とまったく反対のマニューバ、
『インメルマンターン』を繰り出す。
上方に弧を描いて進路を反転、そのままクーの後ろを取る。
それに気づいて敵射線上から逃れようとするクーだが、
すれ違いの際の風圧で機体コントロールが思うようにいかない。
( ,,゚Д゚)「……チェックメイトだゴルァ!!」
『黄豹』は静かにトリガーを引いた。
放たれた火戦は『青』の飛行機械に直撃。
煙を上げながら高度を下げていく『蒼風』を確認すると、ギコは空域から離脱した。
- 169 名前:お年玉(もらいたい):2006/12/17(日) 00:22:29.88 ID:7d+YItyB0
- 死亡フラグ・・・・・・・・じゃないよな?
- 170 名前:猪(72才):2006/12/17(日) 00:22:46.06 ID:lop+kcRB0
- さすが黄色の13
あ、作品違いだった
- 171 名前:猪(筋肉質):2006/12/17(日) 00:23:51.14 ID:v0/As8BE0
- 死亡フラグなら>>150にあった。
- 172 名前:家族で初詣:2006/12/17(日) 00:24:13.67 ID:mephc4Tr0
- クー・・・
- 173 名前:78 ◆pP.8LqKfPo :2006/12/17(日) 00:24:24.19 ID:uoR6lM0A0
-
川 ゚ -゚)「やれやれ……私もここまでか」
機体に響くのは明らかに異常なエンジンの振動。
機銃の直撃した部分から吹き出るのは煙。
自分の負けを悟ったクーは、シートベルトとゴーグルを外すと、空を見上げた。
西の空はオレンジに染まり、東の空は暗い藍色、夜が迫り始めていた。
川 ゚ -゚)「……最後は、青空の中で散りたかったな」
回転数の下がったエンジンを切り、座席の上に立つ。
エンジン音のしない空は、思った以上に静かで……怖かった。
目からこぼれ落ちるのは涙。
一人、迫りくる闇の中で散るのは、彼女にとってあまりにも恐ろしい現実だった。
- 174 名前:猪(筋肉質):2006/12/17(日) 00:25:59.64 ID:v0/As8BE0
- ここでブーンたちが軽やかにたすける!!!!!!!!
- 175 名前:78 ◆pP.8LqKfPo :2006/12/17(日) 00:26:32.26 ID:uoR6lM0A0
-
しかし、にじむ視界のその先に、彼女は一機の飛行機械の姿を見た。
川 ゚ -゚)「……モナー?」
見慣れた真紅の飛行機械からは、明滅する発光信号。
川;゚ -゚)「……飛び降りろ……だと?」
何を馬鹿なことを……大体、任務はどうした?
私をかまっている暇があったら早く『ジュウシマツ』を落として来い!
死の間際まで、律儀にそんな建前を並べるクー。
しかし、最も頼れる男の飛来に、彼女の心には一筋の光がさしていた。
本当は、この空で散ることがどうしても怖かった。
そして、任務を放棄してまでこちらに向かってきてくれるモナーの思いがたまらなくうれしかった。
『レッドバロン』は『蒼風』の機体の下方へと進路を取る。
その地点に向かって、クーは意を決して飛び降りた。
- 176 名前:女装して初詣:2006/12/17(日) 00:29:39.29 ID:HwHyNVu4O
- wktk支援!!
- 177 名前:78 ◆pP.8LqKfPo :2006/12/17(日) 00:30:03.02 ID:uoR6lM0A0
-
川;゚ -゚)「モナ―――――――!!」
(;´∀`)「ク――――――!!」
飛び降りた先には、座席の上に立ちこちらに手を伸ばすモナーの姿。
彼は器用に足で操縦桿を操って機体のバランスを維持しながら、
堕ちていくクーに向かってゆっくりゆっくり下降してくる。
やがて、真紅の飛行機械の下降速度とクーの落下速度が一致した。
沈み行く西日が、中空を同速度で堕ちていく一人と一機の姿をオレンジに染める。
モナーはクーの手を取ると、そのまま彼女を自分の胸へと抱き寄せた。
- 178 名前:78 ◆pP.8LqKfPo :2006/12/17(日) 00:31:25.17 ID:uoR6lM0A0
-
(;´∀`)「クー!大丈夫かモナー!?」
川;゚ -゚)「モナー……」
彼女は目からあふれ出る涙を拭おうともせず、モナーの腕に抱かれて泣いた。
川 ; -;)「怖かった……怖かったんだ……」
そんな彼女を優しく抱きとめるモナー。
彼女の言葉は、遠く彼方で響いた蒼い飛行機械の爆発音にまぎれて消えた。
そのまま二人は座席の上へと座る。
操縦桿を手で握り、前を向いたモナー。
その視線の先には、そんな彼らのひと時を狙う、黄色い豹の姿。
- 179 名前:猪(2ch中):2006/12/17(日) 00:31:54.01 ID:1hi+qGGnO
- (ノ∀`)
- 180 名前:78 ◆pP.8LqKfPo :2006/12/17(日) 00:32:21.50 ID:uoR6lM0A0
-
( ,,゚Д゚)「……こんな形で決着はつけたくなかったぞゴルァ!!」
夕日に照らされギラリと光る機銃。
しかし、その射線上の二人に、恐怖など微塵も無かった。
( ´∀`)「……あいつらが来てくれたモナー」
川 ゚ー゚)「……ああ」
二人の視線の先、黄色い飛行機械の上空からは、
銀色の機体を夕日にきらめかせ、こちらに向かって下降してくる一機の飛行機械の姿があった。
第二十三話 おしまい
- 181 名前:愛のVIP戦士:2006/12/17(日) 00:32:55.40 ID:68ds7RM20
- 乙
- 182 名前:家族で初詣:2006/12/17(日) 00:33:08.18 ID:mephc4Tr0
- (ノω・)
ブーンきたー??
- 183 名前:お年玉(少々):2006/12/17(日) 00:33:38.65 ID:OH8RG+lnO
- 乙!面白かったお
- 184 名前:猪(筋肉質):2006/12/17(日) 00:33:57.63 ID:v0/As8BE0
- きたー。 おつ!
- 185 名前:猪(泣き上戸):2006/12/17(日) 00:34:12.39 ID:hU1UY8F1O
- ブーンktkr
そして作者乙!!!!
- 186 名前:書初め(樹木希林):2006/12/17(日) 00:34:52.27 ID:Mcq8A4eU0
- 乙だった
- 187 名前:家族で初詣:2006/12/17(日) 00:35:23.17 ID:mephc4Tr0
- 乙ー
- 188 名前:お年玉(もらいたい):2006/12/17(日) 00:35:38.45 ID:7d+YItyB0
- 乙!!!!続きに激しくwktk
- 189 名前:猪(メイド服):2006/12/17(日) 00:36:18.86 ID:BKtSyJZfO
- 乙!画力があったら絵が描きたい……
- 190 名前:女装して初詣:2006/12/17(日) 00:36:51.53 ID:HwHyNVu4O
- 乙!!続きが気になる!!
- 191 名前:78 ◆pP.8LqKfPo :2006/12/17(日) 00:38:43.96 ID:uoR6lM0A0
- 支援、誤爆乙ありがとうございました。
今日はこの辺で失礼します。
明日、間違いなく一話投下しますのでサザエさんに飽きたら見てあげてください。
/ ) / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
./ / | 全身からほとばしるこの熱い喜び!!
/ / \ / ̄ ̄ ̄
/ /  ̄|/ ̄ ̄ ̄ ̄| >>161にとどけ!!
./ / , -つ \
/ / ^ω^) ./__ノ  ̄∨ ̄ ̄ ̄ ̄
/ \ / / ⊂_ヽ、
.| へ/ / .\\
| ∩ レ' /、二つ \( ^ω^)
| ω /. . > ⌒ヽ
/ / / へ \
/ / / / \\
/ / レ∩ ノ ヽ_つ
/ ノ /ω /
_/ / / /|
ノ / ( ( 、
⊂ -' | |、 \
. | / \ ⌒l
| | ) /
ノ ) し'
(_/
- 192 名前:猪(2ch中):2006/12/17(日) 00:39:18.26 ID:1hi+qGGnO
- 乙!
- 193 名前:お年玉(もらいたい):2006/12/17(日) 00:40:06.36 ID:7d+YItyB0
- >>191
ちょwww見えてるwwwwwwwwwwwww
- 194 名前:初詣で痴漢:2006/12/17(日) 00:41:07.17 ID:annW0SUy0
- >>191
誤爆のおかげでこのスレに気付いた俺ガイル
まとめいってくる
- 195 名前:猪(里に下りてきた):2006/12/17(日) 00:48:39.76 ID:HPW8Een5O
- 乙です!
作者はDoAsファン?
- 196 名前:ゴボウ:2006/12/17(日) 00:49:22.45 ID:TLw+vMCm0
- 誤爆先からきますたww
- 197 名前:猪(♀):2006/12/17(日) 00:51:16.87 ID:tTrzPkNH0
- 明日までwktkしながら待ってますww
- 198 名前:78 ◆pP.8LqKfPo :2006/12/17(日) 00:54:52.65 ID:uoR6lM0A0
- >>195
いえ、Do Asは普通に聞くくらいですね。
好きなのは長崎の誇りである福山雅治と原田知世、あとはPILLOWSと芹沢茜です。
>>196>>194
ごめんなさい。あちらのスレを汚してしまいま!した。
- 199 名前:初詣でかつあげされた:2006/12/17(日) 01:39:25.14 ID:mephc4Tr0
- ほ
- 200 名前:おせち(3,000円):2006/12/17(日) 02:28:32.32 ID:BKtSyJZfO
- ほしゅ
- 201 名前:猪(ベース):2006/12/17(日) 02:44:31.63 ID:zqCazsmYO
- >>124
このAAの元ネタなんの同人だっけ?
- 202 名前:愛のVIP戦士:2006/12/17(日) 03:18:22.38 ID:BlGHpsuR0
- h
- 203 名前:78 ◆pP.8LqKfPo :2006/12/17(日) 03:31:28.46 ID:uoR6lM0A0
- 保守してくれる皆さん、本当にありがとうございます。
明け方まで私は書き溜めで起きていますので、保守はお任せください。
せっかくの土曜の深夜なので、皆さんどうぞ好きなことをなさってくださいちんこ。
- 204 名前:愛のVIP戦士:2006/12/17(日) 03:32:44.94 ID:BlGHpsuR0
- 把握
- 205 名前:書初め(冠婚葬祭):2006/12/17(日) 03:34:57.33 ID:Mcq8A4eU0
- じゃあ俺はタイガーアッパーカットの練習するわ
全裸で
- 206 名前:婦警さんと初詣:2006/12/17(日) 04:06:15.48 ID:pEWU9IArP
- バーボンでテラヒマス・・・・・・・・
そんな訳で保守
- 207 名前:78 ◆pP.8LqKfPo :2006/12/17(日) 04:32:42.48 ID:ePSFKsc30
- タイガーアパカッ
- 208 名前:姫初め:2006/12/17(日) 05:03:21.79 ID:7d+YItyB0
- >>207
元ネタが分からねぇ・・・・・・・・・
- 209 名前:姫初め:2006/12/17(日) 05:30:09.75 ID:7d+YItyB0
- ほ
- 210 名前:姫初め:2006/12/17(日) 05:42:43.86 ID:7d+YItyB0
- た
- 211 名前:初夢(ホスト修行中):2006/12/17(日) 05:53:03.09 ID:ePSFKsc30
- て
- 212 名前:姫初め:2006/12/17(日) 05:53:23.90 ID:7d+YItyB0
- の
- 213 名前:猪(ギター):2006/12/17(日) 05:54:08.34 ID:d4X5N62WO
- か
- 214 名前:姫初め:2006/12/17(日) 05:57:25.41 ID:7d+YItyB0
- ら
- 215 名前:初夢(ホスト修行中):2006/12/17(日) 05:58:03.52 ID:ePSFKsc30
- あ
- 216 名前:猪(ギター):2006/12/17(日) 05:59:57.31 ID:d4X5N62WO
- げ
- 217 名前:書初め(点滴必要):2006/12/17(日) 06:01:39.15 ID:Mcq8A4eU0
- この作者は色んなことに積極的だな
- 218 名前:初夢(見るの忘れた):2006/12/17(日) 06:03:25.76 ID:7d+YItyB0
- ちょwww作者いたのかwwwwwwwww
確かに積極的だなwwwwwwwwwww
- 219 名前:初夢(見るの忘れた):2006/12/17(日) 06:11:32.66 ID:7d+YItyB0
- V
- 220 名前:初夢(見るの忘れた):2006/12/17(日) 06:25:10.38 ID:7d+YItyB0
- I
- 221 名前:猪(求職中):2006/12/17(日) 06:40:12.28 ID:tTrzPkNH0
- P
- 222 名前:猪(ドラム):2006/12/17(日) 06:44:22.79 ID:d4X5N62WO
- P
- 223 名前:初夢(犯人だった):2006/12/17(日) 06:48:24.23 ID:ePSFKsc30
- E
- 224 名前:猪(ドラム):2006/12/17(日) 06:54:05.35 ID:d4X5N62WO
- R
- 225 名前:初夢(蛇の夢):2006/12/17(日) 07:02:43.14 ID:7d+YItyB0
- は
- 226 名前:初夢(蛇の夢):2006/12/17(日) 07:17:53.69 ID:7d+YItyB0
- 味
- 227 名前:初夢(宝船の夢):2006/12/17(日) 08:00:22.84 ID:7d+YItyB0
- 方
- 228 名前:おせち(5,000円):2006/12/17(日) 08:28:22.03 ID:Paa2qKM/0 ?2BP(111)
- まとめ更新しました
http://boonnovel.g.hatena.ne.jp/bbs/21?mode=tree
まとめてて姉の才能に嫉妬
これは詩集買うわw
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0612/04/news034.html
- 229 名前:猪(給食中):2006/12/17(日) 08:37:46.68 ID:tTrzPkNH0
- >>228
乙です!!
- 230 名前:初夢(競馬あたった):2006/12/17(日) 08:40:47.27 ID:ePSFKsc30
- >>228
凸です!
- 231 名前:猪(停学中):2006/12/17(日) 09:54:07.06 ID:LzV8OS270
- ほ
- 232 名前:初夢(筋肉痛):2006/12/17(日) 11:09:14.26 ID:aamzn3V8O
- た
- 233 名前:猪(ピンク):2006/12/17(日) 11:24:24.29 ID:tTrzPkNH0
- る
- 234 名前:猪(ちび):2006/12/17(日) 12:02:24.35 ID:/XKm5RKh0
- い
- 235 名前:初夢(宝船の夢):2006/12/17(日) 12:25:07.47 ID:NBLwf01kO
- か
- 236 名前:VIP皇帝:2006/12/17(日) 12:54:51.69 ID:3Aul1+wjO
- サマーAmazonで売ってないのね……
おわた\(^o^)/
- 237 名前:猪(黒板係り):2006/12/17(日) 14:09:59.28 ID:HVpoPoArO
- ほ
- 238 名前:黒豆(二粒):2006/12/17(日) 14:10:09.01 ID:BKtSyJZfO
- や
- 239 名前:猪(ミセブラ):2006/12/17(日) 14:27:20.88 ID:HPW8Een5O
- ハ
- 240 名前:猪(ピーマンきらい):2006/12/17(日) 14:27:47.22 ID:oWy1UGkt0
- やべ まとめで1話からよんだけどおもしろすぎ
つか文才ありすぎだろ
- 241 名前:猪(水着):2006/12/17(日) 15:02:03.68 ID:HPW8Een5O
- イ
- 242 名前:黒豆(三粒):2006/12/17(日) 15:41:00.36 ID:ZKmTnm0/O
- ヤ
- 243 名前:愛のVIP戦士:2006/12/17(日) 15:47:26.19 ID:k/S4pTcU0
- l
- 244 名前:黒豆(四粒):2006/12/17(日) 16:50:43.20 ID:BKtSyJZfO
- ヤ
- 245 名前:猪(濡れシャツ):2006/12/17(日) 16:57:47.13 ID:HPW8Een5O
- ム
- 246 名前:猪(でぶ):2006/12/17(日) 17:02:14.93 ID:HPW8Een5O
- >>232
IDがamazon
- 247 名前:初夢(すべてが夢):2006/12/17(日) 17:05:48.34 ID:K11AxdXBO
- ほ
- 248 名前:猪(でぶ):2006/12/17(日) 17:13:26.47 ID:HPW8Een5O
- ま
- 249 名前:おせち(150j):2006/12/17(日) 17:18:54.40 ID:4JQPNmIZO
- 今北けど>>1さんIDがVIPなんですねほしゅ><
- 250 名前:猪(カビ):2006/12/17(日) 17:52:30.98 ID:e2HQZtpp0
- http://a.look2.nu/19880721/
突撃頼む
- 251 名前:猪(大人):2006/12/17(日) 18:39:13.85 ID:nhmEt+8xO
- ほ
- 252 名前:女教師と初詣:2006/12/17(日) 19:18:25.00 ID:mephc4Tr0
- ho
- 253 名前:おせつ:2006/12/17(日) 19:31:24.80 ID:1hi+qGGnO
- く
- 254 名前:初夢(みんなと仲間だった):2006/12/17(日) 19:58:55.97 ID:7d+YItyB0
- ほ
- 255 名前:猪(巨乳):2006/12/17(日) 20:34:01.07 ID:hU1UY8F1O
- 川 ゚ -゚)保守
- 256 名前:黒豆(八粒):2006/12/17(日) 20:35:10.65 ID:ZKmTnm0/O
- 携帯でまとめを見るとツンξ゚听)ξがξ゚゚)ξになるんだよな
まあ、パソコンで見ればいいだけだが
- 257 名前:書初め(あの子にアタック):2006/12/17(日) 20:38:23.67 ID:Sq6+6lSR0 ?2BP(111)
- >>256
ウチですか?
ここのツンはどうです?
http://boonnovel.g.hatena.ne.jp/bbs/1/6
- 258 名前:黒豆(八粒):2006/12/17(日) 20:40:07.62 ID:ZKmTnm0/O
- >>257
直接アクセスしたらξ゚听)ξになってるけど
ファイルシークを通したらξ゚゚)ξになってるね
- 259 名前:猪(金歯):2006/12/17(日) 21:12:30.18 ID:HPW8Een5O
- フォシュ
- 260 名前:初夢(すべてが夢):2006/12/17(日) 21:18:16.43 ID:OH8RG+lnO
- ほし
- 261 名前:黒豆(六粒):2006/12/17(日) 22:00:51.51 ID:WebUpitPO
- ほ
- 262 名前:猪(濡れシャツ):2006/12/17(日) 22:35:04.65 ID:dRold3jUO
- ほ
- 263 名前:78 ◆pP.8LqKfPo :2006/12/17(日) 22:42:48.53 ID:ePSFKsc30
- すいません。遅れました。
すぐに用意します。
- 264 名前:神主と初詣:2006/12/17(日) 22:45:35.57 ID:CVkVZtlj0
- キタ━━━゚+.((≧▽≦))+゚+━━━!!!!
作者パンクの歌詞好きだろwww
- 265 名前:初夢(熱湯風呂):2006/12/17(日) 22:46:57.41 ID:7d+YItyB0
- キタキタキタキタ━━━(゚∀゚≡(゚∀゚≡゚∀゚)≡゚∀゚)━━━━!!
- 266 名前:78 ◆pP.8LqKfPo :2006/12/17(日) 22:47:07.04 ID:ePSFKsc30
-
第二十四話 「わたしは風になる」
遠くで爆発音が響いた。
音の発信源は青い飛行機械。
ξ;゚听)ξ「間に合わなかったの!?」
( ;ω;)「くそおおおおおおおおおおお!!」
たそがれの空は二人の視力を奪い、
手を取り合うクーとモナーの姿をオレンジの幕の中に隠していた。
自分の無力さに歯噛みし、
せめて一矢報いようと、ブーンは黄色い飛行機械へと一気に下降していく。
だんだんと赤と黄色、二機の飛行機械の動きの詳細が視界に入ってくる。
視線の先では、黄色い豹の機銃が、赤い男爵へその牙を向けていた。
- 267 名前:78 ◆pP.8LqKfPo :2006/12/17(日) 22:49:37.07 ID:ePSFKsc30
-
( ;ω;)「ギコさん!こっちだお!!」
ブーンは叫び声を上げてトリガーを引く。
火線は『黄豹』に向けて一直線に向かっていく。
間一髪、それに気づいた『黄豹』は進路を変え、いったん空域から離脱。
直後に赤い飛行機械から放たれる発光信号に、ツンは大きく喜びの声を上げた。
ξ゚ー゚)ξ「ブーン!クーさんは無事よ!!」
( ^ω^)「ばんじゃーい!……って言っている場合じゃないお!!」
一人でノリツッコミをして、ブーンは速度を上げた。
後方から追ってくるラウンジ艦隊の後発の飛行機械の姿が見えたからだ。
その飛行機械に向けて、赤いモナーの飛行機械が飛び込んでいく。
同時にそこから明滅する発光信号。
- 268 名前:黒豆(十粒):2006/12/17(日) 22:50:00.28 ID:BKtSyJZfO
- 始まったか!
wktk
- 269 名前:VIP皇帝:2006/12/17(日) 22:51:14.06 ID:7d+YItyB0
- アルファベットと秋葉原も同時に・・・・・・・・
脳内がテラカオスwwwwwwwwwwww
- 270 名前:78 ◆pP.8LqKfPo :2006/12/17(日) 22:52:37.23 ID:ePSFKsc30
-
ξ゚ー゚)ξ「ここは任せろ、だって!」
( ^ω^)b「把握したお!」
そのままブーンとツンは周囲を索敵。
ξ゚听)ξ「ブーン!二時の方向!!」
目的の相手を見つけたツンが後部座席から叫ぶ。
目指すは『黄豹』。
『桃色の乳首』と『蒼風』、
故郷で伝説として語り継がれる二人を落とした男。
ブーンとツンはゴーグルをかけ直す。
そして、伝説を越えた男のもとへと進路を向けた。
- 271 名前:78 ◆pP.8LqKfPo :2006/12/17(日) 22:57:16.02 ID:ePSFKsc30
- _
(#゚∀●)「馬鹿ヤロウ!無茶にも程があるぞ!!」
『VIP』の上部甲板から戦場の空を眺めていたジョルジュ。
彼は隻眼の瞳でブーンとツンの進路を見据えると、
大声で怒鳴りながら格納庫の奥へと消えていく。
('A`;)「ジョルジュ!あんた何するつもりなのよ!?」
ジュルジュの後姿を追って格納庫へと入ったオカマ。
彼の視線の先には、予備の単座式飛行機械に飛び乗ってエンジンを始動させる乳首の姿。
_
( ゚∀●)「何をするって?決まっている!ブーンの援護に行く!!」
('A`#)「馬鹿じゃないの!?隻眼のあんたに何が出来るって言うのよ!!」
そう叫んで、ジョルジュの乗る飛行機械の前に立ちふさがる毒男。
('A`)「信じなさい!あの子達の腕なら、きっと『黄豹』を落とせるわ!!」
- 272 名前:トリマーと初詣:2006/12/17(日) 22:58:22.81 ID:mephc4Tr0
- 支援
- 273 名前:黒豆(八粒):2006/12/17(日) 23:00:28.17 ID:XBsFHT7eO
- ('A`)「信じなさい!あの子達の腕なら、きっと『オカマ』を落とせるわ!!」
…(*'A`)
- 274 名前:78 ◆pP.8LqKfPo :2006/12/17(日) 23:01:32.54 ID:ePSFKsc30
- _
( ゚∀●)「そいつは無理だ。あいつらはまだクーや俺を超える腕前じゃあない。
あとニ年……いや、一年あれば話は別だがな」
自分の機体の前に仁王立ちするオカマの姿を眺めながら、静かにジョルジュは続ける。
_
( ゚∀●)「俺はあいつらのことを過大評価も過小評価もしない。
あいつらの才能はたいしたもんだ。だけど……まだ時間が足りない。
俺はあいつらの才能を、こんな空で散らしたくないんだ」
('A`;)「ジョルジュ……」
毒男の視線の先で、ジョルジュは片眼を覆う眼帯をはずした。
そして、それを毒男に向かって投げてよこす。
_
( ゚∀ナ)「腐っても俺は『桃色の乳首』!
そして、ブーンとツンの兄貴分だ!!
アイツのように二人を死なすわけにもいかんし、
それよりなにより、弟は兄貴より先に死んじゃあいけないだろ?」
- 275 名前:猪(友達がvipper):2006/12/17(日) 23:02:46.25 ID:hU1UY8F1O
- ジョルジュ…(´;ω;`)
- 276 名前:78 ◆pP.8LqKfPo :2006/12/17(日) 23:03:41.73 ID:ePSFKsc30
-
そう言ってゲラゲラと笑うジョルジュ。
直後に表情を引き締めた彼の瞳には、
かつて『桃色の乳首』と恐れられていた頃の輝きが宿っていた。
_
( ゚∀ナ)「どけ。お前をひき殺してでも、俺は空を行くぞ」
('A`)「……わかったわ」
呟いて、毒男は進路を開けた。
同時に中空に浮かぶジョルジュの飛行機械。
ゴーグルを下ろした彼に向かって、毒男は厳しい表情で叫んだ。
('A`)「だけど、必ず帰ってきなさい!絶対よ!!」
_
( ゚∀ナ)「うひゃひゃひゃwwwww当たり前田のクラッカー!!
またあの時みたいに、機体に火を吹きながらでも帰ってきてやんよ!!」
毒男の言葉に笑顔で返して、『桃色の乳首』はたそがれの空へと飛び立った。
そんな彼の姿を、毒男は渡された眼帯を握り締めながら見送った。
- 277 名前:牧師と初詣:2006/12/17(日) 23:05:54.00 ID:CVkVZtlj0
- ジョルジューーー
- 278 名前:パティシエと初詣:2006/12/17(日) 23:11:01.55 ID:mephc4Tr0
- 死亡フラグだらけだ・・・ジョルジュ
- 279 名前:牧師と初詣:2006/12/17(日) 23:12:34.45 ID:CVkVZtlj0
- 死亡フラグ×死亡フラグ=生存フラグ
- 280 名前:78 ◆pP.8LqKfPo :2006/12/17(日) 23:16:04.97 ID:ePSFKsc30
-
( ゚ω゚)「ぶおおおおおおおおおおおお!!」
( ,,゚Д゚)「ゴルァアアァァァアァアアア!!」
ブーンは『黄豹』へと進路を向け、ギコは『赤い彗星のアナル』へと進路を向けた。
機銃を乱射しながらすれ違う二機。
両者はすぐにターンすると、再び真正面から互いの方へと向かっていく。
( ,,゚Д゚)「真っ向勝負かゴルァ!若いな少年!だがそれがいい!!」
(;゚ω゚)「当たれええぇぇぇぇえぇぇええええ!!」
再びの火線の交錯。
しかし、弾丸は互いの機体をかすめるだけで直撃までにはいたらない。
( ,,゚Д゚)「クソ!らちがあかんぞゴルァ!!」
(*゚ー゚)「相手のペースに乗ってどうするの!?あなたらしくも無い!!」
後部座席から響いてくるしぃの声。
その声に「そうだったぞゴルァ!」と返事を返すと、
ギコはターンし、ブーン機の側面へと進路を向ける。
- 281 名前:78 ◆pP.8LqKfPo :2006/12/17(日) 23:18:09.12 ID:ePSFKsc30
-
進路を変えてこちらに向かってくる『黄豹』。
このまま機銃を放てば弾薬の無駄。
そう判断したブーンは、
こちらの側面へと向けて飛んでくる黄色い飛行機械の更に側面へと進む。
やがて、両者は並走体制に入る。
高度、機体の旋回性能、最高速度はほぼ同じ。
戦況を左右するのは紛れも無くパイロットとナビの腕。
『銀』と『黄』、二色の機械の鳥は、並走体制のまま互いの後方を取り合って蛇行を始める。
いわゆる『シザース』というマニューバに両機は入った。
この技術の競い合いは、相手の旋回半径の内側に入れた方が勝利し、
その結果、ドッグファイトに圧倒的に有利な後方を取れることになる。
しばらくは両者、まったくの互角。
どちらも相手の後方を取れないままに『シザース』は続いていく。
- 282 名前:78 ◆pP.8LqKfPo :2006/12/17(日) 23:19:15.30 ID:ePSFKsc30
-
しかし、やがて経験の差が浮き彫りになる。
徐々に旋回の半径が大きくなるブーン。
対してギコは、徐々にその旋回半径を縮めていく。
そして更に数度の『シザース』の後、ついにギコの機体がブーンの後方へと入った。
( ,,゚Д゚)「もらったぞゴルァ!!」
機銃の狙いを定めたギコは、咆哮を上げてトリガーを引いた。
- 283 名前:黒豆(四粒):2006/12/17(日) 23:20:30.91 ID:1hi+qGGnO
- ブルァァァに見えた
- 284 名前:78 ◆pP.8LqKfPo :2006/12/17(日) 23:20:44.55 ID:ePSFKsc30
-
ξ;゚听)ξ「ブーン!撃ってくるわ!!」
(;゚ω゚)「いや〜ん!しっかりつかまっているお!!」
ブーンはツンの合図とともに機軸を中心に機体をロールさせた。
視界がグルグルと回る。
一般人ならば嘔吐は免れないだろうが、ここは流石のブーン達。
かろうじて弾丸は避け、即座に体制を立て直す。
ここから反撃へ転じられれば……。
そんなブーンの思いとは裏腹に、後ろから響くツンの声。
- 285 名前:78 ◆pP.8LqKfPo :2006/12/17(日) 23:22:11.35 ID:ePSFKsc30
-
ξ;゚听)ξ「ブーン!また撃ってくるわよ!!」
(;゚ω゚)「うそ〜ん!!」
ブーンが繰り出すのは再びのロール。
スピードを維持しながら機銃を避けるにはこの方法しかない。
しかし、ロールは何度も繰り返し出来るものでもない。
グルグルと回る視界の中で、体力が徐々に、だが確実に削られていくからだ。
かといって、他のマニューバだと速力が急激に失われてしまう。
そうなればいったん逃げ切れたとしても、体勢を立て直した相手に確実に落とされる。
何とかして相手を前にやりたいブーンであったが、『黄豹』はその隙を見せない。
今出来るのは、相手の弾丸を避けながら味方の援護が来るのを待つことだけ。
しかし、『蒼風』は撃墜。
頼みの綱の『レッドバロン』も展開してきた後発の飛行機械たちの相手で手一杯。
とにかく今は、体力の続くまま逃げ回るしかブーン達に生き延びるすべは無かった。
- 286 名前:黒豆(百粒):2006/12/17(日) 23:22:27.05 ID:BKtSyJZfO
- 支援
- 287 名前:78 ◆pP.8LqKfPo :2006/12/17(日) 23:24:11.63 ID:ePSFKsc30
-
( ,,゚Д゚)「なかなかしぶといじゃないかゴルァ!!」
巧みに機銃を交わしていく前方の飛行機械に対し、ギコは感嘆の声を上げた。
しかし、ここであまり時間を取られるわけにも行かない。
ちらりと向けた視線の先で、一隻の巡洋艦が煙をふくのが見えたからだ。
( ,,゚Д゚)「相手のナビが邪魔だな……いい眼をしているぞゴルァ!!」
(*゚ー゚)「ふふふ。これ、使っちゃう?」
不適な笑い声とともにしぃが取り出したのは、発射式の閃光弾。
( ,,゚Д゚)「……いいだろう。ゴーグルをサングラスタイプに切り替えろゴルァ!!」
(*゚ー゚)「了解!」
二人は手馴れた様子でゴーグルを取り替える。
後部座席のシートに立ち上がったしぃは、
発射用の銃を構えて、閃光弾をブーン達へと向けて射出した。
- 288 名前:猪(検問中):2006/12/17(日) 23:26:58.26 ID:tTrzPkNH0
- うわああああぁぁぁぁぁぁぁx
- 289 名前:78 ◆pP.8LqKfPo :2006/12/17(日) 23:27:08.42 ID:ePSFKsc30
-
\ξ(^O^) ξ/「キャ――――!!」
(;゚ω゚)「うおっ、まぶし!」
\ξ(^O^) ξ/「……眼が……眼がぁ!!」
(;^ω^)「バルス!バルス!!……って言ってる場合じゃないお!!」
突如後方で発した強烈な光に、
『黄豹』の動向を注視していたツンの目が焼かれた。
視覚を奪われたのは、ほんの数秒。
しかし、そのわずかな時間が命取りとなった。
( ,,゚Д゚)「回避運動が遅い!もらったぞゴルァ!!」
そう叫んで、トリガーを引こうとした『黄豹』。
しかし、彼は気づいていなかった。
放たれた閃光弾の光にまぎれて、上空から一気に降下してきた飛行機械の存在に。
- 290 名前:パティシエと初詣:2006/12/17(日) 23:28:15.76 ID:mephc4Tr0
- らめええええええええ・・・・
- 291 名前:猪(禁風呂中):2006/12/17(日) 23:28:29.57 ID:lop+kcRB0
- http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9E%E3%83%B3%E3%83%95%E3%83%AC%E3%83%BC%E3%83%88%E3%83%BB%E3%83%95%E3%82%A9%E3%83%B3%E3%83%BB%E3%83%AA%E3%83%92%E3%83%88%E3%83%9B%E3%83%BC%E3%83%95%E3%82%A7%E3%83%B3
本物のレッドバロン
- 292 名前:78 ◆pP.8LqKfPo :2006/12/17(日) 23:30:25.47 ID:ePSFKsc30
- _
(#゚∀ナ)「『黄豹』!!これで終わりだ!!」
突如上空に現れた単座式の飛行機械。
自機に向かって火線を放ちながら急降下してくる機体の来襲に、
ギコはトリガーを引けなかった。
機体に響く金属音。
直後、遥か下方へと過ぎ去っていく謎の飛行機械。
その姿を見据えたしぃが、ギコに向かって心配そうに叫ぶ。
(;*゚ー゚)「ギコ!大丈夫なの!?機銃は当たらなかった!?」
( ,,゚Д゚)「……」
- 293 名前:黒豆(百粒):2006/12/17(日) 23:30:29.23 ID:Gaygpt7sO
- 初のリアルタイム遭遇ktkr!!
あ〜もう何か・・・・・よし!!結婚しよう作者!!結婚だ!!そして4日で離婚だ!!
- 294 名前:78 ◆pP.8LqKfPo :2006/12/17(日) 23:31:46.25 ID:ePSFKsc30
-
ギコは何も答えない。
しぃは前部座席と後部座席の間のわずかなスペースに、
相手から放たれた機銃による弾痕が刻み付けられているのを確認した。
突如、彼女の全身を駆け巡る不安。
(* ;ー;)「ギコ!ギコ―――!!返事をしてよ!!」
( ,,゚Д゚)「……だ、大丈夫だ……ゴルァ!!」
ギコの叫び声にしぃは安堵のため息をつく。
それと同時に『黄豹』は進路を変更。
前方の銀色の飛行機械から、下方へと降下していく謎の飛行機械へと進路を向けた。
- 295 名前:黒豆(四粒):2006/12/17(日) 23:32:51.08 ID:1hi+qGGnO
- ギコやられた…?
- 296 名前:78 ◆pP.8LqKfPo :2006/12/17(日) 23:33:42.46 ID:ePSFKsc30
- _
( ;゚∀ナ)「畜生!コックピットに直撃したと思ったのによ!!」
バックミラーでこちらへ向けて下降してくる『黄豹』を確認したジョルジュは舌を打った。
隻眼の瞳では、距離感がまったくと言っていいほどつかめない。
さらには、数年飛行機械に乗っていないというブランクも彼に災いした。
_
( ;゚∀ナ)「畜生!逃げ切れるのか!?」
下降してきた『黄豹』は、いとも簡単にジョルジュの後方へとつけた。
バックミラー越し、さらに隻眼というハンデを持つ彼に、
ギコが機銃を放つタイミングなどつかめるはずが無かった。
後方の『黄豹』から放たれた弾丸はジョルジュの機体のエンジンにあっさりと命中。
あたりに響く乾いた金属音と、
機体の速力が急激に落ちたことでそれを認識すると、
ジョルジュはエンジンを切り、ゴーグルとシートベルトを外した。
- 297 名前:猪(白髪):2006/12/17(日) 23:34:18.74 ID:HPW8Een5O
- >>293
んっ?作者?俺の横で寝てますよ?
wktk
- 298 名前:パティシエと初詣:2006/12/17(日) 23:35:17.58 ID:mephc4Tr0
- いやぁ・・・ジョルジュ・・。・゚・(ノД`)・゚・。
- 299 名前:初夢(アフリカのシマウマだった):2006/12/17(日) 23:35:22.48 ID:7d+YItyB0
- え?いきなり・・・・・・?
- 300 名前:78 ◆pP.8LqKfPo :2006/12/17(日) 23:35:42.15 ID:ePSFKsc30
- _
( ゚∀ナ)「あーあ。また負けちまったぜ」
空を音も無く静かに滑空していくジョルジュの機体。
……こんなに静かな空ははじめてだ。
まあ、エンジンを切って空を飛ぶ機会なんてほとんど無いけどな。
自分の置かれている状況をまったく気にする様子も無くそんなことを考えながら、
座席の上に立ち上がり、ジョルジュ長岡は周囲を見渡した。
視線の先には、一直線に母艦へと引き返していく黄色の飛行機械の後姿と、
何事も無かったかのように飛行を続ける銀色の飛行機械の元気な姿。
_
( ゚∀ナ)「あいつら無事だったんか!いやー、良かった良かった」
もはや数十秒後には爆発するであろう機体の上で、
ジョルジュ長岡は朗らかに笑って見せた。
- 301 名前:猪(禁風呂中):2006/12/17(日) 23:35:45.76 ID:lop+kcRB0
- あっけねええええええええええええええええ
- 302 名前:牧師と初詣:2006/12/17(日) 23:36:42.34 ID:CVkVZtlj0
- >なお、童貞のまま死んだというのが通説である
急に高感度上がった
- 303 名前:黒豆(百粒):2006/12/17(日) 23:37:39.49 ID:BKtSyJZfO
- ジョルジュゥゥゥゥゥ!!!!!!
- 304 名前:78 ◆pP.8LqKfPo :2006/12/17(日) 23:37:43.43 ID:ePSFKsc30
-
死を目の前にしているというのに、
彼には恐怖はおろか、自分を落としたギコへの憎しみさえも感じられない。
何でかな?
やっぱり、あいつらを守れたからなのかな?
そんなことをぼんやりと考えていると、彼の視線の先に
先ほど無事を確認したばかりの銀色の飛行機械がこちらに向けて急降下してくるのが見えた。
_
( ゚∀ナ)「馬鹿だねー、あいつら。せっかく助かった命だってのによー」
そう呟くと、彼は座席から発光信号機を取り出し、
こちらに向かって猛スピードで近づいてくる銀色の飛行機械に向けて、
生涯最後の発光信号を送った。
- 305 名前:78 ◆pP.8LqKfPo :2006/12/17(日) 23:40:52.53 ID:ePSFKsc30
-
(;゚ω゚)「ツン!長岡さんはなんて言っているんだお」
ξ;゚听)ξ「……」
猛スピードで急降下する中、あたりに響くのは必死の大声で問いかけるブーンの声。
ツンはジョルジュから送られてきた発光信号を解読して、何も言えなくなっていた。
(#゚ω゚)「ツン!答えろ!長岡さんは何て言っているんだお!!」
幼馴染の怒りの問いかけに、ツンは泣きながら答えた。
ξ;凵G)ξ「『もうすぐ爆発するから近づくな』って言っているのよ!!」
そう叫んだ後、彼女は顔を両手で覆いながら大声で泣き続けるだけ。
それでもブーンは、ジョルジュの機体に向かって急降下を続けた。
風を切り、風圧に顔をゆがめながらブーンは進む。
そんな彼の視界の先で、ジョルジュ長岡はこちらを向いて笑っていた。
彼は右手を顔の高さまで上げ、そのまま胸の方へと振り下ろすと同時に何かを口にする。
直後にジョルジュは空を見あげると、空を仰いで、何かを呟いていた。
- 306 名前:78 ◆pP.8LqKfPo :2006/12/17(日) 23:42:31.22 ID:ePSFKsc30
- _
( ゚∀ナ) o彡゜「おっぱい!おっぱい!」
こちらに向かってくるブーン達に向けて笑顔でそう叫ぶと、
ジョルジュ長岡はどこまでも高く続いていく空を見上げた。
空には夜の帳が降りはじめており、
たそがれの色から暗い藍色へとその表情を変えてはじめていた。
……綺麗だな。
やっぱり俺の居場所は、この空なんだろうな。
そんなことを考えていると、ふと見た東の空には、一番星がキラリと輝いていた。
_
( ゚∀ナ)「……やっとお前に会えるんだな」
ジョルジュが呟くと、まるでそれに答えるかのように一番星が数度瞬いた。
直後、彼の脳裏に浮かんでくる数々の風景。
- 307 名前:78 ◆pP.8LqKfPo :2006/12/17(日) 23:44:16.58 ID:ePSFKsc30
-
若い頃、幼馴染と飛んでいた故郷『ツダンニ』の空。
『VIP』にたどり着いた先で対面した、ショボンとミルナの不敵な笑み。
下部甲板に降りてきた自分と幼馴染を怒鳴りつけるクーと、
その隣であたふたとフォローを入れるモナーの情けない笑顔。
一人前になって初めて、幼馴染と二人で飛んだ空。
上部甲板でボーっと空を眺める幼馴染の顔。
それに見惚れていた自分を冷やかす毒男のニヤニヤした表情。
空から堕ちたあの日。
魂の抜け殻と化した幼馴染の無残な姿。
眼帯をつけて初めて見上げた空の色。
『トップページ』からフラフラとやってきた銀色の飛行機械。
自分に罵声を浴びせかけるツンの怒った顔。
一人前と認められてはしゃいでいた、可愛い弟分のくしゃくしゃの笑顔。
そして今、眼前に広がる昼と夜、
その狭間のわずかな時間にだけ垣間見ることのできる、たそがれの空の色。
- 308 名前:78 ◆pP.8LqKfPo :2006/12/17(日) 23:45:28.44 ID:ePSFKsc30
-
美しすぎる世界、美しすぎる言葉、美しすぎる日々。
これまで生きてきた世界のすべてが、今の彼にはたまらなくいとおしく感じられた。
そして今、自分は大好きなこの空で一生を終えようとしている。
ああ、俺は……果てしなく続くこの空へと還るのだ。
再び空を仰いだジョルジュ長岡。
美しいその空間に向かい、彼は最後に、こう呟いた。
_
( ゚∀ナ)「……空へ……」
そして、彼の機体から閃光が発せられた。
闇が暖かい光で溢れ、遠い昔に死に別れた幼馴染の「おかえり」という声が、
ジョルジュ長岡の耳には確かに届いていた。
直後に響いた巨大な爆発音とともに、
最期まで空を駆け抜けた『桃色の乳首』の魂は、天高くへと上っていった。
- 309 名前:寿老人(じゅろうじん):2006/12/17(日) 23:45:30.23 ID:zeZyZFDN0
- ジョルジュ・・・・
- 310 名前:黒豆(百粒):2006/12/17(日) 23:45:34.16 ID:BKtSyJZfO
- 支援
- 311 名前:猪(友達がvipper):2006/12/17(日) 23:45:40.67 ID:hU1UY8F1O
- ジョルジュ。・゚・(ノД`)・゚・。
- 312 名前:猪(禁風呂中):2006/12/17(日) 23:46:19.33 ID:lop+kcRB0
- あぁ・・・
- 313 名前:パティシエと初詣:2006/12/17(日) 23:46:35.29 ID:mephc4Tr0
- ジョルジュ・・・。・゚・(ノД`)・゚・。ウエエェェン
- 314 名前:黒豆(四粒):2006/12/17(日) 23:46:49.33 ID:1hi+qGGnO
- (ノA;)
- 315 名前:初夢(アフリカのシマウマだった):2006/12/17(日) 23:47:21.86 ID:7d+YItyB0
- ジョルジュかっこよすぎ・・・・・・・・
- 316 名前:78 ◆pP.8LqKfPo :2006/12/17(日) 23:48:31.90 ID:ePSFKsc30
-
一方、謎の飛行機械の来襲により被弾した黄色い飛行機械は
母艦『ジュウシマツ』へと戻っていた。
上部甲板は機銃でボコボコ。
とても着陸できない状況であったため、黄色は下部甲板へと進路を取った。
いつもより乱暴に着陸した下部甲板の上。
機体にくすぶる煙を整備班が消火器を片手に消す中で、
しぃは後部座席から飛び降りると、前部座席のギコのもとへとよじ登る。
(;*゚ー゚)「ギコ!大丈……」
彼女は、よじ登った座席の先の惨状に愕然とした。
メーター、操縦桿の飛び散っている血痕。
ぐったりと首を垂れているギコの座席の足元には、おびただしい量の血の海。
よく見ると彼の左太ももは大きくえぐれ、ズボンは真っ赤に染まっていた。
こんな状態でどうやってここまで操縦してきたのだろう?
悲壮感が彼女の全身を貫く最中、どこか冷静な脳の一部がそう知覚していた。
- 317 名前:猪(禁風呂中):2006/12/17(日) 23:50:58.70 ID:lop+kcRB0
- さすが桃色の乳首
- 318 名前:猪(友達がvipper):2006/12/17(日) 23:51:17.47 ID:hU1UY8F1O
- ギコ…
- 319 名前:78 ◆pP.8LqKfPo :2006/12/17(日) 23:51:27.31 ID:ePSFKsc30
-
(;* ;ー;)「ギコ!しっかりしてよ!!
整備班!!早く医療班を呼んで――――!!」
悲痛な叫びを上げながら、しぃはギコの身体を抱き上げた。
しかし、彼の眼はもはや何も見えていないようで、その焦点はうつろだ。
(;* ;ー;)「ギコ!ギコ―――!!」
虚空をさまよう瞳のままで、ギコは静かに笑った。
( ,,゚Д゚)「……しぃ……しぃ……」
彼は震えるその右手を、しぃの名を何度も呟きながらわずかに上げる。
その手を取り、自分の頬へと引き寄せるしぃ。
血が付いた手が触れることにより、彼女の頬が真っ赤に染まる。
ギコは彼女の頬を軽くなでると、最期に、下部甲板の鉄の天井を見上げ、呟いた。
- 320 名前:黒豆(四粒):2006/12/17(日) 23:52:50.10 ID:1hi+qGGnO
- 相討ちか…切なす…
- 321 名前:78 ◆pP.8LqKfPo :2006/12/17(日) 23:52:52.44 ID:ePSFKsc30
-
( ,,゚Д゚)「……空へ……」
そのまま、彼の右手はしぃの頬からだらりと垂れ落ちた。
途端、彼の頭を支えるしぃの腕にズシリと重みが伝わってくる。
血で真っ赤に染まった頬をそのままに、しぃは座席の上で泣き叫んだ。
『黄豹』の愛した空には、漆黒の帳が降りていた。
第二十四話 おしまい
- 322 名前:牧師と初詣:2006/12/17(日) 23:54:01.67 ID:CVkVZtlj0
- ないた。乙
- 323 名前:パティシエと初詣:2006/12/17(日) 23:54:03.02 ID:mephc4Tr0
- 乙、目から変な液体が出てじゃないか!
- 324 名前:猪(白髪):2006/12/17(日) 23:54:56.93 ID:HPW8Een5O
- 乙!
- 325 名前:初夢(アフリカのシマウマだった):2006/12/17(日) 23:55:06.23 ID:7d+YItyB0
- 乙
目から塩水が・・・・・・・・
- 326 名前:黒豆(百粒):2006/12/17(日) 23:55:59.67 ID:BKtSyJZfO
- 乙!そろそろクライマックスの予感
- 327 名前:黒豆(八粒):2006/12/17(日) 23:56:26.40 ID:XBsFHT7eO
- 乙
- 328 名前:寿老人(じゅろうじん):2006/12/17(日) 23:56:57.38 ID:zeZyZFDN0
- ジョルジュ・・・悲しいのはジョルジュがちゃんと仇を討ったことがわからなかったことか
- 329 名前:パティシエと初詣:2006/12/17(日) 23:58:46.17 ID:mephc4Tr0
- ジョルジュの目的が復讐空ブーン達を行かす事に変わってたんだろうし
満足なんじゃね?
- 330 名前:おせち(200円):2006/12/18(月) 00:00:33.79 ID:J3184QuFO
- OK作者、もう婚姻届けと離婚届けに名前は入っている。
あとは君のアナル印が必要なだけだ
- 331 名前:猪(vipper):2006/12/18(月) 00:02:08.24 ID:bQOrgLFTO
- ジュウシマツがもっと早く援軍送ってればなぁ…
- 332 名前:.:2006/12/18(月) 00:02:44.91 ID:+BK5E4aH0
- 2げt!!!!!!!!!!!!!!!
- 333 名前:猪(♂):2006/12/18(月) 00:03:59.73 ID:x9foe1MV0
- 飛行機械の外見ってどんなの?
ナウシカのガンシップしか想像できないから困る
- 334 名前:78 ◆pP.8LqKfPo :2006/12/18(月) 00:05:20.95 ID:pWJpMjaT0
- 今日は遅れてすみません。
これからは今話と同じく、一話の分量が長くなりそうです。
読者の皆さんに負担をかけるかもしれんので、ここであやまっておきます。
明日も投下させて頂きます。
>>291
レッドバロンかっこいいですよね。
童貞ですよ童貞。クリテロの童帝並にかっこいいです。
>>264
銀杏とハイスタはかっこよすぎです。
>>240
過大評価ありがとうございます。
しかし、同期の運命の作者の文章を見れば私なんかチン毛ですよ。
あの人、潜伏していた四ヶ月間で相当努力していたんだろうなぁ。
その間に私がしたことといえば、乳首がとれてコンビニ店員になってアフロにしてダンスして
コンビニのATMにカルピスを振り込んだくらいです。
俺何やってんだろう…
>>326
あと七話で終わる予定です。はい
>>330
実は私のアナルは処女作まとめてくれた
ブーン小説まとめサイトの中の人様のものなのですみません
- 335 名前:お年玉(現物支給):2006/12/18(月) 00:06:48.91 ID:BT5u5COd0
- >>334
そういうレスが出来る所に文才を感じる
- 336 名前:78 ◆pP.8LqKfPo :2006/12/18(月) 00:09:18.56 ID:pWJpMjaT0
- >>333
viploader374139.jpg.html
こんな感じです。まんまラストエグザイルです
- 337 名前:VIP皇帝:2006/12/18(月) 00:11:02.70 ID:tggYMzgA0
- >>336
ちょwwwwwwwwwwwwwwww
- 338 名前:猪(♂):2006/12/18(月) 00:13:21.05 ID:x9foe1MV0
- >>336
wktkして開いたらwwwwwwwwwwwwwwwwww
- 339 名前:78 ◆pP.8LqKfPo :2006/12/18(月) 00:14:37.71 ID:pWJpMjaT0
- すみません。うpするの初めてなんですよ
http://up2.viploader.net/pic/src/viploader374139.jpg.html
これでいいのかな
- 340 名前:お年玉(現物支給):2006/12/18(月) 00:15:35.08 ID:BT5u5COd0
- >>339
そういう意味じゃねぇwwwwwwwwwwww
- 341 名前:78 ◆pP.8LqKfPo :2006/12/18(月) 00:15:44.17 ID:pWJpMjaT0
- あれ?開かない……すみません、誰か教えてエロイ人……
- 342 名前:猪(♂):2006/12/18(月) 00:15:44.56 ID:x9foe1MV0
- あれ、宇宙船みたいな外見なんだな>元ネタ
てっきり単葉の飛行機型かと思ってた
- 343 名前:お年玉(現物支給):2006/12/18(月) 00:17:06.40 ID:BT5u5COd0
- >>339
画像うpの際、普通はパスをかけない
- 344 名前:78 ◆pP.8LqKfPo :2006/12/18(月) 00:18:06.04 ID:pWJpMjaT0
- >>343
了解です。半年ROMっときます
- 345 名前:お年玉(現物支給):2006/12/18(月) 00:19:33.35 ID:BT5u5COd0
- >>344
おまいにROMられたら死んでしまう
- 346 名前:78 ◆pP.8LqKfPo :2006/12/18(月) 00:20:22.60 ID:pWJpMjaT0
- これで見れますかね?
ttp://up2.viploader.net/pic/src/viploader374145.jpg
- 347 名前:書初め(樹木希林):2006/12/18(月) 00:22:38.24 ID:vkJJs34X0
- レッドバロンはこれ以外認めん
http://blog.so-net.ne.jp/_images/blog/_bec/two-tone-cat/3282760.jpg
- 348 名前:猪(入れ歯):2006/12/18(月) 00:22:51.45 ID:WYH++BDH0
- 名無しに喧嘩を売る糞コテがいました。
これはヒドイ・・・
227 名前:ろんりー ◆Lonely.K5c [sage] 投稿日:2006/12/12(火) 08:48:35 ID:???
あ?名無しの分際で驕るな
301 名前:はじめまして名無しさん[sage] 投稿日:2006/12/13(水) 18:17:38 ID:???
ろんりー ◆Lonely.K5c 2006/12/13(水) 18:13:09.23 ID:Mw3zfxSxO
あれ?
俺って花レベルに邪魔コテじゃね??
俺ってネットでもリアルでも要らないコじゃね????
312 名前:ろんりー ◆Lonely.K5c [sage] 投稿日:2006/12/14(木) 00:55:42 ID:???
>>296
あーちょっと困るよー困るよチミ!!!!
コテつけて活動するってのはなああああああ個人情報垂れ流しでネット上をさまよってるって事なのwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
1日限りの単発IDのいち名無しとは背負ってるリスクがちげーんだYOこのマヨネーズがwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
俺たち結構頑張ってルンDAKARAコテを蔑ろ(ないがしろ)←ふりがな にしちゃ駄目だぜwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
つまり何が言いたいかってYOUと、特定とか本当怖いんで勘弁してくだしあwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
なんでかっつーと名無しよりコテの方が偉いから!!!!わかったら日本中の年末ジャンボ買い占めて来いやwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
それじゃあお前らwwwwwwwww良いお年をwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
http://life7.2ch.net/test/read.cgi/intro/1161622413/l50
- 349 名前:お年玉(現物支給):2006/12/18(月) 00:24:43.76 ID:BT5u5COd0
- >>346
おk
- 350 名前:78 ◆pP.8LqKfPo :2006/12/18(月) 00:27:13.31 ID:pWJpMjaT0
- >>349
それはよかった。では危険なクーねぇを見てきます。さようなら
- 351 名前:猪(ギター):2006/12/18(月) 00:27:20.44 ID:+V8GXGi1O
- 読んで来た。
なんでジョルジュいい人の時に限って………
。゜(ノД`)゜。
- 352 名前:お年玉(現物支給):2006/12/18(月) 00:32:52.78 ID:BT5u5COd0
- >>350
やってたのにおまいのおかげで気づいた!!!!!!
ありがとう!!!!!!!!!
- 353 名前:VIP皇帝:2006/12/18(月) 01:23:37.86 ID:+V8GXGi1O
- 落としてなるものかっ
- 354 名前:猪(ベース):2006/12/18(月) 02:43:10.64 ID:+V8GXGi1O
- ほ
- 355 名前:猪(加齢臭):2006/12/18(月) 03:36:35.05 ID:o+PzpPW4O
- 睡眠不足?受験性?ボコボコにしてやんよ
∧_∧
( ・ω・)=つ≡つ
(っ ≡つ=つ
/ ) ババババ
( / ̄∪
- 356 名前:初夢(声優とデート):2006/12/18(月) 03:59:26.83 ID:pWJpMjaT0
- >>356
ああん?何だとこら?
ボコボコにされてやんよ
∧_∧
;;;;;、(・ω(:;(⊂=⊂≡
(っΣ⊂≡⊂=
/ ) ババババ
( / ̄∪
- 357 名前:姫初め:2006/12/18(月) 04:10:54.80 ID:BT5u5COd0
- 上のレスは
>>356が>>356にボコボコにされている。
この場合、>>356はやられた側であるが、その相手もまた>>356なので、>>356がやった側とも言える
同じ時空平面状に2人の同じ人間が実在すると言うことは、不可能ではないが、
タイムパラドックス(ry宇宙が破壊されかねない byドク博士
その為、この2人の>>356は同一人物だと考えるのが妥当だろう
つまり、>>356はリスカ等の自傷趣味がある奇人である
- 358 名前:姫初め:2006/12/18(月) 04:59:27.04 ID:BT5u5COd0
- ほ
- 359 名前:猪(双子の兄):2006/12/18(月) 05:06:08.11 ID:3zVCxtdU0
- >>356のアナルは俺が貰う
- 360 名前:初夢(宝船の夢):2006/12/18(月) 07:00:16.55 ID:BT5u5COd0
- ほ
- 361 名前:猪(24才):2006/12/18(月) 09:06:58.57 ID:pD5qvH+X0 ?2BP(111)
- まとめ更新しました
http://boonnovel.g.hatena.ne.jp/bbs/21?mode=tree
>>356
自傷行為はまずいだろう…常識的に考えて
- 362 名前:78 ◆pP.8LqKfPo :2006/12/18(月) 10:58:27.42 ID:zA0ZzalW0
- 〃´⌒ヽ
., -―― メ/_´⌒ヽ
/ / ̄ ´ヽ ヽ
./ , /// ト. ! 、 丶ヽ
l / /(((リ从 リノ)) '
| i l . ヽノ .V l
l ,=! l /// ///l l ねんがんの『よつばと!6』をてにいれたぞ!
l ヾ! ', l ヽ_フ l l
| ヽヽヽ //
l ヾ≧ , __ , イ〃
li (´`)l {ニ0ニ}、 |_"________
li /l, l└ タl」/|´よっぽど!..l
リヽ/ l l__ ./ |___________|
,/ L__[]っ / /
>>361
毎度すみませんねぇ。バイトのほうはいかがどすえ?
- 363 名前:猪(48才):2006/12/18(月) 11:07:26.05 ID:pD5qvH+X0 ?2BP(111)
- >>362
社員さんが私を見るたびにこんな顔してます
/ ̄ ̄\
/ _ノ \
| ( ●)(●)
. | (__人__) それくらいはできて(知ってて)当たり前だろう
| ` ⌒´ノ 常識的に考えて…
. | }
. ヽ }
ヽ ノ \
/ く \ \
| \ \ \
| |ヽ、二⌒)、 \
あと、新しく入ったぽい人がすごく性格も能力もいい人みたいです
これは俺いらないだろう…常識的に考えて
\(^o^)/人生オワタ
- 364 名前:猪(友達がvipper):2006/12/18(月) 11:08:04.82 ID:iYt/Obcx0
- VIPPER諸君これで、チョンを叩き潰せ!!!!!
君達にもできる社会貢献があります。以下を読んで実行してください
Lycos Europeは「Make LOVE not SPAM!」と題されたキャンペーンで、
スパム行為が確認されているサーバを一斉攻撃するスクリーンセーバを配布している。
スクリーンセーバはスパムを使って自社製品の宣伝をしているソースサイトに対して
リクエストを発行する(サイトを実際に見ることはない)。
多くのスクリーンセーバが同時にこのサイトへのリクエストを発行するため、
スパムサイトは負荷が高まり、遅くなるという。Lycosの説明によれば、
数千台分のスクリーンセーバにより生成されるHTTPリクエストはスパムサイトを
完全な停止状態には追い込まないように「状態チェック」が行われるという。
完全な機能停止ではないのでDDoSではないという考えだ。
同社は既に複数のスパムサイトをこのスクリーンセーバにより反応の低下に追い込んでおり、
数GBのトラフィックを7つのサイトに送り込み、5%から85%までの範囲でレスポンスを低下させているという。
1台のスクリーンセーバから発生されるトラフィックは1日当たり最大で3、4MBになる。
Windows版、Mac OS X版、Mac OS 9版が用意されている。起動すると、
全スクリーンセーバを利用した全ヒット数、発生するトラフィック、スクリーンセーバの数、
その中における自分の貢献度、現在攻撃しているスパムサイトの状態が表示され、リクエストを出すたびに、
赤く表示されたターゲットに自分のいる場所からリクエストが飛んでいるグラフィックが描画される。
http://www.itmedia.co.jp/enterprise/articles/0411/27/news003.html
- 365 名前:猪(休職中):2006/12/18(月) 11:13:51.87 ID:3zVCxtdU0
- 人生オワタ!!
\ オオワオワオワ人生オワタ!!/
♪\(^o^) ♪
_ ) > _ キュッキュ♪
/.◎。/◎。/|
\(^o^)/.| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄| | \(^o^)/
) ) .| |/ ノ ノ
(((( > ̄ > )))) \(^o^)/ ((( < ̄< ))))
) )
((( > ̄ > ))))
\ 首吊りイエーイ!! 練炭イエーイ!! /
('A`)/ ('A`)/ ('A`)/ ('A`)/
ノ( ヘヘ ノ( ヘヘ ノ( ヘヘ ノ( ヘヘ
- 366 名前:書初め(冠婚葬祭):2006/12/18(月) 11:22:56.46 ID:zA0ZzalW0
- >>363
私もコンビニバイト初めてはや2年ですが、最近店長と酒を呑んでいて
「お前は使えん奴だったからどうしようかと思っていた」と言われました。
こんな私でも2年続けられているので大丈夫ですよ。
それに、人と比べていても何にもなりません。
顔はユリオカ超特急、性格はごらんの通りでも私でも図太く働いております。
はじめはひたすら我慢で頑張ってください。
>>364
残念ですが、この作品で手一杯なので協力できません
>>365
こんなダラダラ長い作品ですが、良ければ最後まで見てあげてくんなまし
- 367 名前:猪(48才):2006/12/18(月) 11:34:48.35 ID:pD5qvH+X0 ?2BP(111)
- >>366
ありがとうございます
多分あさってで本格的に採用されるか決まるので、もしクビにされなければ頑張ってみます
- 368 名前:婦警さんと初詣:2006/12/18(月) 13:10:17.41 ID:8aJ5yt4EO
- あ
- 369 名前:猪(背中が弱いの):2006/12/18(月) 13:12:57.28 ID:FU372O/o0
- ,,.r,:-‐'''"""~~`ヽ、:;:;:\
r"r ゝ、:;:ヽ
r‐-、 ,...,, |;;;;| ,,.-‐-:、 ヾ;:;ゝ
:i! i! |: : i! ヾ| r'"~~` :;: ::;",,-‐‐- `r'^!
! i!. | ;| l| ''"~~ 、 i' | 蛇屋管理人さん見てる? イェーイ!
i! ヽ | | | ,.:'" 、ヽ、 !,ノ
ゝ `-! :| i! .:;: '~~ー~~'" ゙ヾ : : ::|
r'"~`ヾ、 i! i! ,,-ェェI二エフフ : : :::ノ~|`T
,.ゝ、 r'""`ヽ、i! `:、 ー - '" :: : :/ ,/
!、 `ヽ、ー、 ヽ‐''"`ヾ、.....,,,,_,,,,.-‐'",..-'"
| \ i:" ) | ~`'''ー---―''"~
ヽ `'" ノ
- 370 名前:黒豆(一粒):2006/12/18(月) 13:22:55.57 ID:1ygqr7HeO
- ぼくはジュウシマツ住職さんがとても好きなのでたくさん出すと良いです。
- 371 名前:塩ザケ:2006/12/18(月) 14:43:12.80 ID:0JLrrZ040
- ほ
- 372 名前:猪(でぶ):2006/12/18(月) 16:10:57.05 ID:KEzHQBDzO
- 八
- 373 名前:猪(ちび):2006/12/18(月) 17:13:56.70 ID:KEzHQBDzO
- イ
- 374 名前:姉と初詣:2006/12/18(月) 17:53:05.76 ID:tggYMzgA0
- ホ
- 375 名前:初夢(みんなと仲間だった):2006/12/18(月) 18:48:30.50 ID:BT5u5COd0
- は
- 376 名前:保母さんと初詣:2006/12/18(月) 19:38:55.37 ID:tggYMzgA0
- い
- 377 名前:黒豆(三粒):2006/12/18(月) 20:13:05.19 ID:MeXTg4HZO
- 痔
- 378 名前:猪(vipper):2006/12/18(月) 21:19:07.64 ID:o+PzpPW4O
- 保守してやんよ
∧_∧
( ・ω・)=つ保守≡つ保守
(っ ≡つ保守=つ保守
/ ) ババババ
( / ̄∪
- 379 名前:黒豆(十粒):2006/12/18(月) 21:58:34.34 ID:DhNJEBK2O
- ほ
- 380 名前:黒豆(百粒):2006/12/18(月) 22:18:36.75 ID:DhNJEBK2O
- しゅ
- 381 名前:婦警さんと初詣:2006/12/18(月) 23:03:39.60 ID:tggYMzgA0
- ほ
- 382 名前:78 ◆pP.8LqKfPo :2006/12/18(月) 23:15:16.48 ID:6gbokioN0
- 油断して寝てました。本当にすみません。
すぐに準備します
- 383 名前:猪(ボーカル):2006/12/18(月) 23:17:04.84 ID:o+PzpPW4O
- ktkr!!!!
- 384 名前:78 ◆pP.8LqKfPo :2006/12/18(月) 23:19:05.54 ID:6gbokioN0
-
先に今話で引用した一節の出典を載せておきます。
真っ黒な、澄んだ瞳。
その中に、空がある。
そこへ、堕ちていけるような。
出典:『ダウン・ツ・ヘブン』森博嗣 中央公論新社二〇〇五 四十七頁
- 385 名前:78 ◆pP.8LqKfPo :2006/12/18(月) 23:20:45.23 ID:6gbokioN0
-
第二十五話 「My last fight」
『エデン』近郊における空戦が一段落ついた翌々日。
『VIP』は『エデン』近郊の空域を奪取。
中空に、その堂々たる艦影を浮かばせていた。
『ラウンジ艦隊』の被害は相当なモノだった。
飛行機械部隊は壊滅的な被害を受け、ジュウシマツも僚艦も損傷。
撤退を余儀なくされる。
一方、『VIP』の被害は、クーの青い機体とジョルジュ機のみ。
空戦は、『VIP』の大勝であった。
- 386 名前:78 ◆pP.8LqKfPo :2006/12/18(月) 23:22:40.92 ID:6gbokioN0
-
『VIP』の上部甲板。
そこに整列した総員。
彼らの表情に、空戦に勝利した喜びはまったく見られない。
皆一様に暗い顔をしており、中には人目をはばからずに号泣している者もいる。
彼らの眼前には、この空戦唯一の戦死者であるジョルジュ長岡の遺影。
総員はジョルジュの遺影に向かって敬礼をすると、彼の遺品を空に向けて放り始めた。
自分生きた証は、生きてきた空に解き放って欲しい。
それが彼の遺言。
ショボンはそれを尊重し、使い古した工具、お気に入りのエロ本、
その他、彼のすべてを放り投げた。
投げられた遺品の数々は蒼の中で緩やかな弧を描き、
『桃色の乳首』の生きた証は、雲海の底へと沈んでいった。
- 387 名前:78 ◆pP.8LqKfPo :2006/12/18(月) 23:23:58.83 ID:6gbokioN0
-
一昨日の晩。
日が沈んでしまったあと。
空戦が終わり、甲板に着艦したブーンとツン。
ツンはただ大声で泣きじゃくり、ブーンは甲板の床に頭を叩きつけて泣き叫んでいた。
( ;ω;)「僕が……僕が悪いんですお!!」
ただひたすらに自分を痛めつけ続けるだけの少年。
総員は何も言えずに見つめるだけで、慰めの言葉が見つからない事に歯噛みしていた。
- 388 名前:鶏肉:2006/12/18(月) 23:25:46.05 ID:5nzVa15G0
- ( ^ω^)
- 389 名前:78 ◆pP.8LqKfPo :2006/12/18(月) 23:26:38.39 ID:6gbokioN0
-
葬式が終わり、閑散とする上部甲板で、少年はただ空を眺めていた。
('A`)「…………」
そんな少年に毒男が無言で近寄ってくる。
まだ十代というのに哀愁を漂わせる背中の隣に立ち、黙って空を見上げる。
蒼い空は視界一杯に広がるだけで、二人の気持ちとは裏腹に雲一つない。
ただ、風だけが静かに渡ってゆく。
その風に誘われて、オカマの長髪がなびく。
- 390 名前:78 ◆pP.8LqKfPo :2006/12/18(月) 23:27:08.20 ID:6gbokioN0
-
( ω )「長岡さん……笑っていましたお」
そよぐ髪を片手で押さえると、傍らの少年が空を見つめたままに、静かに言葉を発する。
('A`)「……そう」
少年の方を振り向かず、ただ空を見続けながら、毒男は呟く。
彼の隣で、少年は毒男と同じ空を見つめ、言う。
( ω )「……なんで長岡さんは笑っていたんだお?
もうすぐ死んでしまうというのに……
目の前に、長岡さんを殺した僕がいたのに……」
- 391 名前:小松菜:2006/12/18(月) 23:27:38.06 ID:xob06wLG0
- オ、オカマじゃなくなってる…!?
- 392 名前:78 ◆pP.8LqKfPo :2006/12/18(月) 23:28:59.19 ID:6gbokioN0
-
ブーンの言葉を聞くや否や、オカマは少年の頬を平手ではたいた。
少年は黙ってうつむくと、はたかれた頬を片手で押さえる。
('A`#)「馬鹿言ってんじゃないの!!
ジョルジュがあんたのために死んだなんてね、うぬぼれもいいところよ!!」
オカマの怒声に、少年は驚いた表情の顔を上げた。
('A`)「……あいつはね、死に場所を探していたのよ。
空から堕ちたあの日、幼馴染を失ったあの日から……ずっとね。
そして一昨日、あいつは最高の死に場所を見つけた。
あんたを守り、宿敵である『黄豹』に一矢報える空をね」
オカマのその言葉に、少年はボロボロと涙をこぼす。
そんな彼を胸に抱きよせ、オカマは続けた。
('A`)「『黄豹』は倒せなかったけど、あいつはあんたと小娘を守れた。
そして、大好きな空の上で死ねた。
……あいつはきっと、幸せだったはすよ」
オカマは少年の身体を自分の胸から引き離すと、
だらりと力なく垂れている彼の左手を取って、その手のひらに何かを握らせた。
- 393 名前:78 ◆pP.8LqKfPo :2006/12/18(月) 23:31:54.15 ID:6gbokioN0
-
( ;ω;)「……これは?」
('A`)「あいつが出撃の前に残していった眼帯よ。
今は……あんたが持っていなさい。その方が、ジョルジュも幸せなはずよ」
オカマの優しい言葉に、少年は泣き声を上げながら再びオカマの胸に飛び込んだ。
( ;ω;)「長岡さんは……長岡さんは本当に……幸せだったのかお?」
('∀`)「ジョルジュは最期に笑っていたんでしょ?それが何よりの証拠よ。
だからね、もう自分を責めるのは止めなさい」
あとに響くのはブーンの泣き声だけ。
オカマはそれ以上何も言わずに少年を抱きとめ、空を見上げた。
見上げた空は、めまいを覚えるような深い蒼。
その蒼のあまりのまぶしさに、毒男の目から、一滴の涙が零れ落ちた。
- 394 名前:黒豆(千粒):2006/12/18(月) 23:37:09.19 ID:1qNWs9gWO
- 支援
- 395 名前:78 ◆pP.8LqKfPo :2006/12/18(月) 23:37:12.43 ID:6gbokioN0
-
その夜の食卓の雰囲気は寂しいものだった。
響くのは、食事を取る人々が鳴らすアルミの食器とフォークがかち合う音だけ。
無理に明るく振舞う者もいたが、彼らの勢いもすぐにフェードダウンし、
早々に食事を終えた彼らは、足早に自分達の持ち場へと戻っていった。
('A`)「はーい、お疲れ様。自分の仕事が終わった人は自室に戻っていいわよ」
食事の後も格納庫で仕事を続けていた整備班達に向けて
ねぎらいの言葉とともに、オカマの仕事終了の合図が告げられる。
その言葉に皆は片付けをはじめ、十分後には格納庫は人もまばらで閑散となっていた。
そんな格納庫の中で、愛機の傍らでひたすらに作業を続ける二人がいた。
- 396 名前:78 ◆pP.8LqKfPo :2006/12/18(月) 23:38:13.82 ID:6gbokioN0
-
('A`)「あんた達、手伝わせて悪かったわね。
もう仕事は終わりだから、部屋に戻って休みなさい」
( ^ω^)ξ゚−゚)ξ「「……」」
毒男の言葉に沈黙を返し、二人は黙って作業を続ける。
ξ゚−゚)ξ「……ちょっとトイレ」
( ^ω^)「……おk」
そう呟くと、ツンは格納庫から消えていく。
毒男に見つめられながら、ブーンは一人、黙々と作業を続けた。
- 397 名前:鶏肉:2006/12/18(月) 23:38:15.17 ID:5nzVa15G0
- ('A`)
- 398 名前:78 ◆pP.8LqKfPo :2006/12/18(月) 23:39:43.28 ID:6gbokioN0
-
空戦という激務を終えたブーンとツンには、数日の休暇が与えられていた。
しかし、かけがえのない男を失った二人にとって、与えられた休暇は苦痛以外の何ものでもなかった。
部屋に引きこもるか、上部甲板に立ちつくし、後悔と罪の意識に苛まれるだけの時間。
……つらかった。
あの時、自分がああしていれば……
自分に、もっと力があったなら……
ジョルジュは、死ぬことは無かったのではないか?
過ぎ去った時間は戻らず、やり直しなどきくはずも無く、
少年は、失われたものの重みにただ押しつぶされていた。
だからこそ、
そんな二人の姿を見かねて整備班の仕事の手伝いを頼んできた毒男の気遣いが、
ブーンには何よりもうれしかった。きっとそれは、ツンも同じだろう。
仕事に追われ、無心にそれをこなしていれば、何も考えずにすむ。
そんな逃避の時間を二人に与えてくれた毒男は、
定時を過ぎても黙々と作業を進めるブーンの姿を少し寂しそうな笑顔で見ると、
「電気はちゃんと消すのよ」と声をかけて、その場を後にしようとした。
- 399 名前:黒豆(千粒):2006/12/18(月) 23:40:05.79 ID:1qNWs9gWO
- 支援
- 400 名前:小松菜:2006/12/18(月) 23:40:45.93 ID:xob06wLG0
- 新米パイロットがよく陥る病気だな
- 401 名前:78 ◆pP.8LqKfPo :2006/12/18(月) 23:40:55.50 ID:6gbokioN0
-
( ゚д゚ )『総員、第一級戦闘配備!!』
突如、響き渡ったミルナの艦内放送。
その声に、ブーンとオカマの顔に緊張が走る。
(;゚ω゚)「……どういうことですかお?」
('A`;)「……わからないわ」
唖然としたブーンの問いかけに、オカマは怪訝な表情で返した。
嫌な予感が走ったのだろう、オカマは上部甲板へと走り出す。
空は夜を示す漆黒の闇。
しかし、その暗がりの中にわずかな黄色い飛行機械の姿が見える。
('A`;)「あれは……」
- 402 名前:78 ◆pP.8LqKfPo :2006/12/18(月) 23:43:07.93 ID:6gbokioN0
-
(;゚ω゚)「……ギコさん!?」
オカマの後を追って甲板へと出てきたブーンは、闇の中に浮かぶ黄色いシルエットを見た。
それに向かって、闇を切り裂くように幾筋もの火線が『VIP』から放たれる。
黄色いシルエットは『VIP』から発射される弾丸を受けつつも、
まるでオッコトヌシが率いるイノシシの群れのごとく、
ただひたすらに、こちらに向けて一直線に降下してくる。
('A`;)「このままじゃ激突するわ!何やっているのよ『黄豹』は!!」
オカマの言葉の直後、『VIP』の艦体が大きく斜めに傾いた。
不意を付かれた二人は甲板の上をゴロゴロと転がり、
甲板の端から漆黒の空へと放り出されそうになる。
間一髪、あわやのところで手すりにつかまってピンチを脱すると、
さらにその直後、『VIP』上空を過ぎ去っていった『黄豹』の機体が爆発。
手すりにぶら下がった宙ぶらりんの体勢のまま、二人はその爆風に何とか耐えた。
やがて『VIP』の姿勢が水平に戻ると、二人は上部甲板の床に転がり込んだ。
そのまま立ち上がり、彼らは無言でブリッジを目指し走り出した。
- 403 名前:黒豆(五粒):2006/12/18(月) 23:43:20.06 ID:bQOrgLFTO
- まさか…
- 404 名前:78 ◆pP.8LqKfPo :2006/12/18(月) 23:44:10.70 ID:6gbokioN0
-
上部甲板からブーンとオカマの姿が消えた直後、
上部甲板後方に向けて滑空する、一機の漆黒のグライダーがあった。
飛行機械の爆発の喧騒に紛れ、静かに着陸したグライダー。
(* ー )「ギコ……その眼でしかと見届けて……私の最後の戦いを!!」
全身黒ずくめの服を着たパイロットは片手に銃を構えると、
『耳』を澄まし、静かに『VIP』艦内へと侵入した。
- 405 名前:猪(ボーカル):2006/12/18(月) 23:44:21.97 ID:o+PzpPW4O
- ゴクリ…
- 406 名前:78 ◆pP.8LqKfPo :2006/12/18(月) 23:45:41.85 ID:6gbokioN0
-
ブリッジへの階段を駆け上がろうとしたブーンとオカマ。
彼らが足を一歩踏み出したその直後、再びのミルナの艦内放送が響いた。
( ゚д゚ )『何者かが上部甲板後方から艦内に侵入した。
おそらくは「黄豹」と「ネコ耳」思われる。総員は銃を携帯し、複数名で行動せよ』
(;゚ω゚)「ギコさん達は何を考えているんだお!!」
('A`;)「起死回生を狙って、『VIP』を内部から破壊する気なのかしら……」
呟いた自分の言葉に、オカマは「ハッ」とする。
('A`;)「ブーンちゃん!格納庫よ!!
飛行機械を爆破されたらそれこそ大損害よ!!」
(;゚ω゚)「把握しましたお!!」
二人はブリッジへの階段から反転し、格納庫を目指そうとする。
直後、背後の階段を駆け下りてくる足音に彼らはゾッとし、銃を構えて階段の上へ照準を向けた。
- 407 名前:78 ◆pP.8LqKfPo :2006/12/18(月) 23:47:14.33 ID:6gbokioN0
-
( ゚д゚ )「止めろ。俺たちだ」
(´・ω・`)「まったく、艦長に銃を向けるなんてぶち殺すぞ」
見慣れた二人の姿に安堵するブーンとオカマ。
そんな二人に、ミルナとショボンは続ける。
( ゚д゚ )「格納庫と動力部。狙われるとしたらまずここだ」
(´・ω・`)「ミルナは動力部の方を頼む。
僕はブーン君とオカマとともに格納庫に向かうよ」
(;^ω^)('A`;)( ゚д゚ )「「「把握した!」」」
その言葉を合図に、全力疾走でそれぞれの目的地へと向かった。
- 408 名前:78 ◆pP.8LqKfPo :2006/12/18(月) 23:48:40.15 ID:6gbokioN0
-
「把握したお!」
『VIP』艦内のとある通路の影。
そこに身を潜め、耳を済ませる女の姿があった。
(* ー )「うふふ。あの子の声はわかりやすくて楽だわ。
場所は……格納庫ね」
そう呟いて、再び耳を澄ませる彼女。
ターゲットの声と足音を頼りに、向かう先の位置を確認しているようだ。
そんな彼女の耳に響く、別の大きな足音。
(* ー )「あらあら。私の近くに誰か来たのね……かわいそうな人」
- 409 名前:78 ◆pP.8LqKfPo :2006/12/18(月) 23:50:11.38 ID:6gbokioN0
-
その足音はドンドンと大きくなり、
彼女でなくても楽に聞き分けられるほどの距離にまで近づく。
彼女は銃にサイレンサーを付け、
その足音の主が自分の目の前に現れるのを、通路の陰に隠れてジッと待った。
ドタドタと道を急ぐかのような足音。
やがて、その人物が目の前に現れると、彼に銃を突きつけて言った。
(* ー )「さようなら」
そう呟いて、引き金を引いた彼女。
男はその声に身を翻し弾丸を避けようとしたが、弾丸は男の腹部を直撃。
「ウッ」と断末魔の声を上げると、スーツ姿の男はその場に倒れこんだ。
- 410 名前:鶏肉:2006/12/18(月) 23:50:47.17 ID:5nzVa15G0
- ( ^ω^)
- 411 名前:黒豆(五粒):2006/12/18(月) 23:52:08.79 ID:bQOrgLFTO
- ミルナあああああ
- 412 名前:78 ◆pP.8LqKfPo :2006/12/18(月) 23:53:30.53 ID:6gbokioN0
-
(´・ω・`)「僕がまず入る。そのあとに君達は続いてくれ」
(;^ω^)('A`;)「把握!」
三人は固く閉ざされた格納庫の扉の両端に、銃を構えて身を潜めていた。
ショボンは扉の取っ手に手を掛け、わずかにその扉を開ける。
その隙間から中を覗き込むと、
今度は蹴破るように扉を開け、全方位に気を配って銃を構えて格納庫内部へと流れ込む。
人の気配は……無い。
ショボンは銃を構えたまま、電気がつけっぱなしの格納庫内を見渡した。
彼の眼前には、数機の飛行機械が存在しているだけ。
飛行機械の陰や別の入り口の陰に隠れている人物がいないことを確認すると、
ショボンは銃を下ろし、オカマとブーンをこちらに呼んだ。
- 413 名前:78 ◆pP.8LqKfPo :2006/12/18(月) 23:54:29.81 ID:6gbokioN0
-
('A`;)「どうやらここは無事のようね」
(;^ω^)「ですねー」
物陰から顔を出した二人。
銃を片手に辺りを見渡すと、警戒の念は弱めずに次の行動を話し合い始める。
(´・ω・`)「これから僕は動力室へと向かう。君たちはここで待機。いいね?」
(;^ω^)('A`;)「「把握した!」」
(´・ω・`)「それとブーン君。自分が侵入してきた経路はちゃんと塞がなきゃダメだよ」
そう呟いて、彼は開けっ放しの扉を指さす。
(;^ω^)「あ……すんまそん」
慌てて扉のもとへと駆け出したブーン。
彼が扉の取っ手に手を掛けたそのとき、格納庫内の空気は急激に冷えていった。
- 414 名前:78 ◆pP.8LqKfPo :2006/12/18(月) 23:56:22.26 ID:6gbokioN0
-
(* ー )「ふふふ。会いたかったわ♪」
(;゚ω゚)「……」
閉めようとした扉。
その隙間から現れた女の手が、ブーンの額に銃を突きつける。
途端に石像のように硬直するブーンの身体。
(* ー )「そうそう、いい子ね。動いちゃダメよ。
そちらのお二人さんも、銃を格納庫の隅に投げなさい。
言うこと聞かないと、この子の頭が吹き飛ぶわよ♪」
ブーンの後頭部へと銃口を移した彼女は、扉の隙間から入ってくると、
少年を自分の前に盾のように立たせながら、格納庫の鋼鉄の扉を後ろ手で閉めた。
彼女の前面にはブーン、背面には硬く閉ざされた鋼鉄の扉。
位置取りは、彼女にとって完璧に有利だった。
(´・ω・`)「……君の目的は何だ?」
心の中で舌打ちをし、ショボンは睨むように言った。
- 415 名前:78 ◆pP.8LqKfPo :2006/12/18(月) 23:57:30.15 ID:6gbokioN0
-
(* ー )「いいから、早く銃を投げなさい」
冷静に言い放つ彼女の笑顔。
オカマとショボンの二人は、その表情に寒気を覚えた。
……こいつなら、本気でブーンを撃ちかねん。
そう判断して、二人は銃を格納庫の隅に投げる。
(* ー )「うふふ。みんなイイ子ね♪」
言葉の内容とは裏腹に冷たい声。
自分のすぐ後ろから発せられるその声に、ブーンはただ黙って両手を上げた。
(´・ω・`)「もう一度聞く。君の目的は何だ?」
ショボンはなんら表情を変えずに聞くと、彼女は妖艶な笑みを浮かべて口を開いた。
- 416 名前:78 ◆pP.8LqKfPo :2006/12/18(月) 23:59:09.99 ID:6gbokioN0
-
(* ー )「うふふ。簡単よ。この子を殺すこと♪」
格納庫に響いた彼女の冷たい声に、三人は更に身を硬くした。
まるで狩りを楽しんでいるかのような口調。
ならば自分達は狩られる立場……。
笑えない。
しかし、そんな心情とは裏腹に、彼女は微笑しながら続ける。
(* ー )「もちろん、ただ殺すだけじゃないわ。
後部座席に乗っていた女の子……ツンとか言ったわね。
その子の目の前で、私はこの子を殺すの♪」
そこまで言うと、彼女……「ネコ耳のしぃ」は甲高い声で笑った。
乾いたその笑い声は、格納庫内にしばらくの間、響き続けた。
- 417 名前:初夢(ピザった夢):2006/12/19(火) 00:00:33.76 ID:PXeWD5z10
- wktk
- 418 名前:78 ◆pP.8LqKfPo :2006/12/19(火) 00:00:59.61 ID:5MsF7yzi0
-
('A`;)「なんでそんなことをするのよ!そんな無意味なことは止めなさい!!」
しぃの笑い声の後、代わりにオカマの大声が格納庫に響く。
彼の声に表情を一変させたしぃは、鬼の形相で一気に続けた。
(#*゚ー゚)「無意味ですって!?そんなわけないじゃない!!
目の前で大切なあの人を殺された私の絶望を、私は味合わせてやるのよ!!
あの人を……ギコを死なせた原因となった、彼女とこの子にね!!」
しぃはそうまくし立てると、ブーンの後頭部に銃を「グッ」と押し付けた。
その直後、後ろで銃を突きつけるしぃのすすり泣く声をブーンは自分の耳で確かに聞いた。
(;゚ω゚)「……ギコさんは……死んだのかお?」
(* ー )「……そうよ。私の腕に抱かれながら、
血の海の中で、もはや眼も見えない状態で苦しみながらね」
(;゚ω゚)「……」
(* ー )「……ギコは最後に言ったわ。
下部甲板の鋼鉄の天井を、もはや見えていない瞳で見上げながら、
たった一言、笑顔で……『空へ』……と」
後ろから響く彼女の悲痛な声に、ブーンは場違いに安心した声を上げた。
- 419 名前:猪(友達がvipper):2006/12/19(火) 00:01:23.17 ID:dCdEBM9gO
- ラルが死んだ後のハモン思い出す展開だな
- 420 名前:78 ◆pP.8LqKfPo :2006/12/19(火) 00:03:41.93 ID:5MsF7yzi0
-
(;^ω^)「……それはよかったお」
途端、ブーンの背中に衝撃が走る。
おでこから格納庫の床へと倒れこみ、彼は「へびゃ!」と痛みの声を上げた。
急いで身体をよじり仰向けになると、
彼の見上げる視線の先には、怒りで震える手で銃をこちらに向けて硬く握り締め、
ボロボロと涙を流すしぃの顔があった。
(#* ;ー;)「よかったですって?もう一度言って見なさいよ!!
あんたの頭に詰まった脳みそをこの床にぶちまけてあげるわ!!」
そんな彼女の怒りの声にも、ブーンは動じずに続けた。
( ^ω^)「毒男さんは僕に言ってくれたお。
死ぬ前に笑顔を浮かべるのは、幸せだった証拠だって。
長岡さんだってそうだったお。
もうすぐ爆発する飛行機械の上に立って、長岡さんは笑っていましたお」
(#* ;ー;)「ふざけないでよ!あんな男とギコを一緒にしないで!!
ギコはね、大好きだった空の中で死ねず、見えない眼で
下部甲板の鉄の天井を見つめながら、冷たい飛行機械の座席の上で死んだのよ!!」
- 421 名前:初詣って何?:2006/12/19(火) 00:05:23.00 ID:IbCSCqxe0
- wktk
- 422 名前:78 ◆pP.8LqKfPo :2006/12/19(火) 00:05:49.14 ID:5MsF7yzi0
-
(#* ;ー;)「最下層の島で、生まれた瞬間に親に捨てられた私は、
子供の頃から太陽の光も届かない暗い裏社会を生きてきた……。
そんな私に手を差し伸べ、そこから出してくれたのがギコよ!!
『二人でいつか自分達の家を持ち、まっとうな仕事をして日々を過ごそう』
二人でそう誓って、いろいろな海賊の船を渡り歩いて、
やっと手に入れた『軍』という日のあたる場所!!
もう少しで夢に手が届くところだった……そんな私たちを、あなたは!!」
しぃは涙でぐちゃぐちゃの顔のまま、ブーンに銃を突きつける。
怒りで震えるその手は、いつ引き金を引いてもおかしくない。
二人を静観するショボンとオカマの顔に緊張が走る中、それでもブーンは笑顔で続ける。
- 423 名前:78 ◆pP.8LqKfPo :2006/12/19(火) 00:06:48.08 ID:5MsF7yzi0
-
( ^ω^)「しぃさんは勘違いしていますお」
(#* ;ー;)「何がよ!!」
銃を突きつけるしぃの手に力が入る。
( ^ω^)「確かに、夢半ばで死んでしまったギコさんには無念があったはずですお。
でも、それ以上にギコさんは幸せだったはずですお」
(#* ;ー;)「あなたに何がわかるのよ!!」
響くしぃの怒号。
それでもブーンは、まっすぐとした瞳でしぃの潤んだ眼を見つめ、言った。
( ^ω^)「わかりますお。だって僕も一人の飛行機械乗りだからですお。
……飛行機械乗りにとって、『空』は空だけじゃないですお。
飛行機械の座席から見えるすべてが『空』なんだお」
- 424 名前:猪(♀):2006/12/19(火) 00:07:04.33 ID:bmkvBI+90
- パイロットの気持ちは、その愛する人には中々わかってもらえないもんだなあ。
「ザ・コクピット」思い出した。
- 425 名前:78 ◆pP.8LqKfPo :2006/12/19(火) 00:08:27.64 ID:5MsF7yzi0
-
(* ;ー;)「!!」
( ^ω^)「飛行機械から見える風景、人々の姿。
バックミラー越しに見えるナビの顔。
それらすべてが、飛行機械乗りにとっては『空』なんだお。
しぃさんの言うとおり、ギコさんが見えない瞳で鉄の天上を見つめていたとしても、
座席の上のギコさんの瞳に映っていたのは、まぎれもない『空』だったはずですお」
(* ;ー;)「……それなら、最後に私の頬に触れたギコの手は、
……『空』に触れていたと言っていいの?」
( ^ω^)b「もろちんですお!しぃさんはギコさんにとっての『空』ですお!
だから、ギコさんは『空』に抱かれて最後を迎えられたんですお!!」
ブーンはできる限りの笑顔を見せた。
開き直った訳ではない。
ジョルジュが……そしてギコが死んだという事実を、自分も背負えると思えたからだ。
そんな少年の力強い肯定の言葉に、しぃの手がわずかに落ちる。
(* ;ー;)「ギコがアタナを気に入ったわけ……今なら……分かる気がするわ」
うつむいて、ただ大粒の涙を流し続けるしぃ。
- 426 名前:78 ◆pP.8LqKfPo :2006/12/19(火) 00:10:02.76 ID:5MsF7yzi0
-
(* ;ー;)「……あなたは……強いのね」
しぃはうつむいた顔を上げ、眼下からこちらを見上げる少年の瞳の中を覗き込んだ。
真っ黒な、澄んだ瞳。
その中に、空がある。
そこへ、堕ちていけるような。
不思議な感覚に陥り、呆然とするしぃ。
そんな彼女の動向を注視しながら、
投げた銃のところへそろりそろりと近づいていくショボンとオカマ。
もう少しで、銃に手が届く。
その時、しぃがゆっくりと銃をブーンに向けた。
(* ;ー;)「……だけど私は……あなたのように……強くない」
- 427 名前:コンニャク:2006/12/19(火) 00:12:31.92 ID:0x/syEeR0
- しええん
- 428 名前:78 ◆pP.8LqKfPo :2006/12/19(火) 00:14:23.12 ID:5MsF7yzi0
-
(;´・ω・`)('A`;)(;^ω^)「「「!!」」」
涙を流したまま笑顔を浮かべるしぃ。
(* ;ー;)「私はナビ。パイロットがいなければ、思いのままに空を飛べないの」
しぃはブーンに向けた銃の引き金をカチャリと鳴らす。
(* ;ー;)「私にはもう……『空』は無い。
だから、あなたを殺して……私も死ぬ」
(;´・ω・`)('A`;)「「止めろおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!」」
ショボンと毒男の叫び声が格納庫に響いた。
直後、そんな彼らの叫び声すらも打ち消すほどに大きな銃声が、格納庫に響き渡った。
(* ー )「……」
( ω )「……」
叫び声を上げる毒男とショボンの目の前で、鮮血が飛び散った。
鮮血の持ち主の身体が、ゆっくりと、スローモーションで倒れていく。
- 429 名前:お年玉(すずめの涙):2006/12/19(火) 00:14:30.51 ID:KUWBVyoc0
- 今来た支援
- 430 名前:鯛:2006/12/19(火) 00:15:27.37 ID:igyZ2P2q0
- wktk
- 431 名前:78 ◆pP.8LqKfPo :2006/12/19(火) 00:15:32.47 ID:5MsF7yzi0
-
( ω )「……人生……」
\(^ω^)/「オワテナイ」
- 432 名前:コンニャク:2006/12/19(火) 00:16:21.44 ID:0x/syEeR0
- ズコー
- 433 名前:猪(不倫中):2006/12/19(火) 00:16:31.43 ID:bmmkfs5y0
- ちょwww
- 434 名前:猪(友達がvipper):2006/12/19(火) 00:16:45.05 ID:dCdEBM9gO
- ちょwwwwwwww
- 435 名前:78 ◆pP.8LqKfPo :2006/12/19(火) 00:17:28.16 ID:5MsF7yzi0
-
両手を天高く掲げながら、のそりと起き上がったブーン。
そんな彼の足元には、腹部から鮮血を垂れ流しながら仰向けに倒れているしぃの姿。
(;゚ω゚)「しぃさん!!」
ブーンがしぃの身体をかかえて抱き起こそうとしたその時、
猛烈な勢いで走ってきたオカマがブーンの身体を突き飛ばし、
その代わりにショボンがしぃの目の前に立ち、彼女を鋭い眼光でにらみつける。
(* ;ー;)「なんで……私は……撃たれた……の?」
途切れ途切れのしぃの言葉に、
ショボンは返答として、格納庫の二階にあるタラップを顎で指した。
見上げたしぃの視線の先には格納庫へ続く別の入り口があり、
その前で銃をこちらに向けてへたり込んでいるツンと、
彼女の傍らに立ち、腹を押さえながら苦痛に顔を歪めているミルナの姿があった。
- 436 名前:猪(筋肉質):2006/12/19(火) 00:17:37.84 ID:e5/5r4SkO
- ヽ(・ω・)/ ズコー
\(.\ ノ
- 437 名前:78 ◆pP.8LqKfPo :2006/12/19(火) 00:18:28.16 ID:5MsF7yzi0
-
(* ;ー;)「あいつは……私が確かに……殺した……はず……」
( ゚д゚ )「悪いな……俺のスーツは特別性でな」
彼はスーツをめくると、その裏地にびっしりと敷き詰められた鋼鉄の繊維を見せる。
どうやら、ミルナのスーツは防弾チョッキの代わりにもなっているようだ。
それでもしぃの銃による衝撃を防ぎきれなかったのであろう、
自分の上げた声で腹部に走る激痛に、再び顔を歪ませるミルナ。
(* ;ー;)「あはは……やっぱり私は……ギコ無しじゃあ……何にもできないや……」
力なく笑い声を上げるしぃ。
彼女の声は、涙に混じってかすかに格納庫の中に反響するだけ。
- 438 名前:おせち(3,000円):2006/12/19(火) 00:19:10.42 ID:BSDZMGI3O
- ミルナ…。死んだかとオモタ
- 439 名前:78 ◆pP.8LqKfPo :2006/12/19(火) 00:19:32.68 ID:5MsF7yzi0
-
ショボンは彼女の腹部を見た。
ツンの放った弾丸は、しぃの腹部を貫通していないようだ。
貫通していれば、助かる望みはあった。
しかし、貫通していないということは、
弾丸の衝撃が内臓にすべて吸収されているということであり、
そのダメージで内臓はズタズタに引き裂かれているということを意味する。
……しぃは助からない。
そう判断したショボンは、しぃの傍らに転がっていた彼女の銃を手に取り、銃口を向けた。
- 440 名前:78 ◆pP.8LqKfPo :2006/12/19(火) 00:20:41.26 ID:5MsF7yzi0
-
(;゚ω゚)「ショボンさん!止めてくれお!!」
('A`;)「ブーンちゃん!落ち着きなさい!!」
(;゚ω゚)「ショボンさん!止めろ!!
止めるんだショボ―――――――ン!!」
吹っ飛ばされた先で、オカマに身体を押さえつけられながらも叫ぶブーン。
彼の怒鳴り声は格納庫内にただ響き渡るだけで、ショボンの行動を抑えるには至らない。
(´・ω・`)「何か言い残すことは?」
冷徹な顔で銃口をしぃに向けたショボン。
彼のその表情を見て、しぃは笑顔で、言った。
(* ;ー;)「……ギコに……会わせて」
- 441 名前:78 ◆pP.8LqKfPo :2006/12/19(火) 00:21:44.09 ID:5MsF7yzi0
-
(´・ω・`)「……わかった」
静かに彼は引き金を引いた。
心臓へと打ち込まれたその弾丸は、「ネコ耳」の身体を貫通。
その返り血に、ショボンの顔が真っ赤に染まる。
しばらくの間、格納庫には、銃声が鳴らした反響だけが響いていた。
- 442 名前:鯛:2006/12/19(火) 00:21:53.82 ID:igyZ2P2q0
- ブーン・・・青いな、俺のケツみたいに青いぜ
- 443 名前:猪(不倫中):2006/12/19(火) 00:23:21.18 ID:bmmkfs5y0
- >>442 キメェw
- 444 名前:78 ◆pP.8LqKfPo :2006/12/19(火) 00:23:27.46 ID:5MsF7yzi0
-
(#゚ω゚)「ショボン!あんた、なんでしぃさんを殺したんだお!!」
(´・ω・`)「……」
息絶えたしぃの傍らに立ち、
返り血に染まった顔を静かにブーンに向けるショボン。
彼は何も言わない。
その代わりに、ブーンを押さえつける毒男が言う。
('A`;)「あの子はもう助からなかった!
だからせめてもの情けとして、艦長は引き金を引いたのよ!!」
- 445 名前:小豆汁:2006/12/19(火) 00:23:30.62 ID:MwB1d7cd0
- ギコしぃ結構早く死んじゃったな
それとももう終盤なんだろうか
- 446 名前:78 ◆pP.8LqKfPo :2006/12/19(火) 00:24:04.25 ID:5MsF7yzi0
-
(#゚ω゚)「ふざけるなお!!
しぃさんを助けようともしないで、何が『せめてもの情け』だお!!」
じたばたと猛烈な勢いで暴れまわるブーン。
彼はオカマの身体を弾き飛ばすと、一直線にショボンへと向かい、彼の顔面を殴った。
( ;ω;)「しぃさんを……しぃさんを生き返らせろだお!!」
(#)ω・`)「……」
ブーンに殴られ、床に転がったショボン。
しかし、彼は何も言わず、涙を流す少年の顔を見つめるだけ。
そんなショボンに馬乗りになり殴りかかろうとしたブーン。
その直後、格納庫に、大声で泣くツンの声が響いた。
- 447 名前:78 ◆pP.8LqKfPo :2006/12/19(火) 00:25:08.82 ID:5MsF7yzi0
-
ξ;凵G)ξ「あたしが……あたしが殺しちゃった……」
タラップの上にへたり込みながら、泣き声の中で途切れ途切れに呟くツン。
そんな彼女に向かい、腹を押さえながらミルナが言う。
( ゚д゚ )「そんなことはない。アイツを撃てと命令したのは…俺だ。
そして……トドメを刺したのはショボンだ。お前は……何も悪くない」
それでも彼女は泣き止まない。
いまだに銃を両手で握ったまま、ひたすらに泣き声を上げるツン。
ξ;凵G)ξ「大切な人を失った……あたしと同じナビの人を……
あたしが……あたしが殺しちゃったああああああああああああ!!」
- 448 名前:78 ◆pP.8LqKfPo :2006/12/19(火) 00:26:17.74 ID:5MsF7yzi0
-
ショボンに馬乗りになっていたブーンはタラップへと続く梯子を駆け上がると、
地面にへたり込む彼女に向かって走りより、彼女の身体を抱きしめた。
( ;ω;)「ツン!ツンはなんにも悪く無いお!!」
ξ;凵G)ξ「あたしの銃が……あのひとを……」
互いに抱きしめあう二人を、
……ミルナは二人の傍らに立って、
……ショボンは殴られた頬を真っ赤に腫らし、
……毒男はそんなショボンに肩を貸しながら、
ただ何も言わずに眺めるだけ。
一つの命が消えた。
亡骸は、何も言わずに終わりの笑みを浮かべ続けるだけ。
その後に格納庫に響くのは、ツンとブーンの泣き叫ぶ声のみであった。
第二十五話 おしまい
- 449 名前:お年玉(すずめの涙):2006/12/19(火) 00:26:51.35 ID:KUWBVyoc0
- 乙
- 450 名前:初夢(競馬あたった):2006/12/19(火) 00:27:16.78 ID:GCvVx0Qc0
- 乙
- 451 名前:猪(友達がvipper):2006/12/19(火) 00:27:35.94 ID:dCdEBM9gO
- 切ないなぁ…前回からの展開は
乙彼産
- 452 名前:鯛:2006/12/19(火) 00:28:14.60 ID:igyZ2P2q0
- 乙wwwwwww
にしても物語に良くある主人公の若い面を乗り越えるところが来たということはもうすぐ終わるな
たぶん
- 453 名前:おせち(3,000円):2006/12/19(火) 00:29:01.30 ID:BSDZMGI3O
- 乙!
- 454 名前:初詣って何?:2006/12/19(火) 00:29:19.81 ID:IbCSCqxe0
- 乙ー
- 455 名前:猪(双子の妹):2006/12/19(火) 00:29:51.07 ID:OhKeyxkR0
- 乙です
悲しい・・・
- 456 名前:小豆汁:2006/12/19(火) 00:33:25.19 ID:MwB1d7cd0
- 乙乙おでん
- 457 名前:猪(アイドル):2006/12/19(火) 00:33:25.77 ID:+aQlMkknO
- 乙
あれ?目から耳から鼻水がとまらん
- 458 名前:78 ◆pP.8LqKfPo :2006/12/19(火) 00:36:59.46 ID:5MsF7yzi0
- 乙ありがとうございます。
>>424
「ザ・コックピット」…映画ですか?
本作もまもなく終わるので見てみたいですね。
>>452
こんなクソ長い話にここまで付き合っていただき本当に感謝です。
あと五話ほどで終わります。
では明日の夜も投下させていただきます
失礼し
- 459 名前:お年玉(すずめの涙):2006/12/19(火) 00:39:41.49 ID:KUWBVyoc0
- >>458
改めて乙!!
明日もwktk
- 460 名前:猪(♀):2006/12/19(火) 00:40:18.08 ID:bmkvBI+90
- >>458
松本零二の漫画ですよ。
熱さありカッコよさあり切なさありロマンありの良作です。
読んで損はないというか、ヤマトより面白い
- 461 名前:書初め(佳作):2006/12/19(火) 00:52:48.06 ID:4p/CLerH0
- 乙!
なんかカオスのときと今回みたいなシリアスな感じとの温度差が激しいね
だがそれがいい
- 462 名前:小松菜:2006/12/19(火) 01:46:56.05 ID:ewWv9Jid0
- 作者さんはスカイ・クロラシリーズはお読みになられてる?
- 463 名前:78 ◆pP.8LqKfPo :2006/12/19(火) 01:48:50.28 ID:5MsF7yzi0
- >>462
スカイクロラと聞いて飛んできました。
今まで読んだ小説の中でベスト5に入るほどに大好きです。
- 464 名前:ウリ坊:2006/12/19(火) 03:04:29.87 ID:OhKeyxkR0
- ほ
- 465 名前:おせち(10,000円):2006/12/19(火) 04:04:54.21 ID:w32YgvEIO
- >>462
作者さんじゃないけど俺も好きですジュウシマツ住職
- 466 名前:VIP皇帝:2006/12/19(火) 07:48:27.43 ID:BSDZMGI3O
- ま
- 467 名前:おみくじ(ひく金ねー):2006/12/19(火) 07:55:27.99 ID:h/1e0Ilu0 ?2BP(111)
- とめ更新しました
http://boonnovel.g.hatena.ne.jp/bbs/21?mode=tree
>>465
今夜あたり、しぃを止められなかった
ジュウシマツ艦長の心理描写の投下が来るといいですねw
- 468 名前:初夢(猿の夢):2006/12/19(火) 08:40:00.59 ID:KUWBVyoc0
- >>467
毎度毎度乙彼です!!!
- 469 名前:初夢(猿の夢):2006/12/19(火) 08:40:51.28 ID:KUWBVyoc0
- 書いた後に思ったんですが
俺が毎度毎度って言うのは作者さんに失礼ですね
訂正しときます・・・・・・・
- 470 名前:78 ◆pP.8LqKfPo :2006/12/19(火) 08:44:06.24 ID:KElzZon50
- >>467
今日も朝からありがとうございます!
>>469
え?なしてです?
戻る