('A`)は樹海行きの切符を買うようです
- 1 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/09/08(土) 13:07:19.78 ID:WGR9Giob0
- プロローグ1
とっくに夏休みは終わったにもかかわらず、
僕は2日連続で学校に行っていない。
誰にも文句をいわれないのは、9月1日2日が土日と休みだったからだ。
2日間の執行猶予もあと半日足らずで終わってしまう。
学校に行くくらいなら死んだほうがマシだ。
僕は、ずっと夏休み最後の日に死のうと思っていた。
靴屋の1人息子である僕は大学へは進学できない。
神に愛された頭脳や才能が僕にあったら
あるいは違っていたのかもしれないが、
僕は大学に行かずに靴屋修行をすることが決まっている。
('A`)「靴屋なんか嫌だ! 僕にはやりたいことがあるんだ!」
僕にはそんな主張はできない。やりたいことなんてないからだ。
だから僕にとって高校3年の夏休みは人生最後の夏休みであり、
僕はその締めくくりに死のうと思っていた。
- 2 名前:携帯2ゲッター:2007/09/08(土) 13:07:30.54 ID:Cr2Y9lvjO
- >>3
2get出来なかった気分はどうだい?
- 3 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/09/08(土) 13:07:32.53 ID:RaBYP4i+0
- 2行で頼む
- 4 名前:携帯2ゲッター:2007/09/08(土) 13:08:03.67 ID:Cr2Y9lvjO
- ワッフルワッフル
- 5 名前:1:2007/09/08(土) 13:08:14.40 ID:WGR9Giob0
- 色々と考えたのだ。
靴屋を継ぐなら学校に行く必要はないのではなかろうか。
だったらこのままだらりと半年間は遊んでいても良いのではなかろうか。
さすがにそう口にしないだけの賢さはあり、
僕は冷房の効いた部屋で布団にくるまるにとどまっている。
僕が大学に行けないのと同じ理由で高校に行かなければ、
すぐに金槌片手に靴型設計の勉強をさせられるに決まっているのだ。
そんなのはごめんだ。学校もごめんだ。
このまま布団の中で1日を終えるのもごめんなので、
僕は起きだすことにした。
顔を洗って着替えると、財布と携帯を持って外に出た。
なんせ明日までに死ななければならないのである。
僕には残された時間がない。
どこか遠くに行きたくて、僕は駅まで歩くことにした。
- 6 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/09/08(土) 13:08:33.33 ID:75ILjYwh0
- 白石みのる乙
- 7 名前:1:2007/09/08(土) 13:09:11.23 ID:WGR9Giob0
-
「よおドクオ。どこ行くんだお」
小太りの男に呼び止められた。
( ^ω^)「暇なら一緒に野球するお」
('A`)「嫌だよ暑い。最後の夏休みに他にすることねーのかよ」
( ^ω^)「ドクオは何かすることあるのかお」
ないよ、とは言いたくなかった。蝉の鳴く声がする。
('A`)「死ぬ、とか」
( ^ω^)「それは面白いお」
- 8 名前:1:2007/09/08(土) 13:09:31.72 ID:WGR9Giob0
- こいつは本気にしていない。
にやにやしながら僕に近寄り汗ばんだ腕で肩を掴んできた。
( ^ω^)「じゃあ樹海で死ぬと良いお。
百均で磁石買って行って、
本当に使えなくなるのか調べてくれお」
話しているのも面倒くさい。
僕は適当にあしらうと、VIP駅まで歩いていった。
蜘蛛の巣状の路線図をぼんやりと見つめた。樹海は静岡の方だろうか。
思えば生れ落ちて18年、路線図をちゃんと見るのははじめてである。
今日死ぬとしたら最初で最後だ。記念になるかもしれない。
注意深く1駅1駅の名前を辿っていくと、
『樹海』
聞いたことのない名前の駅があった。樹海行きの切符は380円。
500円もかからず行けるのならば、仮に何かがあったとしても、
最悪夜通し歩けば帰ってこられるだろう。
('A`)「帰ってくるつもりなのか?」
1人呟き小さく笑った。どうやら僕は死ぬつもりではなかったらしい。
僕は樹海行きの切符を買った。
- 9 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/09/08(土) 13:09:42.97 ID:+Do8YJKv0
- なんで樹海で死のうと思うんだろう
首つるだけなら家で出来るだろうに
- 10 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/09/08(土) 13:09:42.72 ID:rtDndZ6BO
- 執行猶予の使い方がおかしい
- 11 名前:1:2007/09/08(土) 13:11:01.69 ID:WGR9Giob0
- プロローグ2
電車を降りると、あたり一面草原だった。
21世紀の世の中にこんな景色があったのか。僕は驚いた。
しかしすぐに異変に気づいた。
(;'A`)「何故電車を降りたばかりなのに草原しか目に入らないんだ?」
ここは駅だ。駅の筈だ。しかし僕の目には、草原の他に何も見えない。
360度、見渡す限り草原だ。
(;'A`)「では今まで僕が進んできた筈の線路はいったいどこに行ったんだ?
駅の建物はどこへ? そもそも僕は電車から本当に降りたのか?
何故一歩踏み出す前に違和感を感じていないんだ?」
なるほど、夢か。思い至った。それなら僕にも合点がいく。
おそらくは知覚夢というやつだろう。
明日からはじまる学校が嫌でしかたがない僕の脳が作り上げた幻想なのだ。
それなら全てに説明がつく。
どうせ見るならエロい夢なら良かったのにな。
そんなことを考えていると、
「こんにちは」
女の子の声が聞こえた。
- 12 名前:1:2007/09/08(土) 13:11:43.25 ID:WGR9Giob0
- いつの間にか、僕の目の前に女の子が立っていた。
ウェーブのかかった金髪をツインテールにまとめている。
赤1色のワンピースから覗く真っ白な腕が妙になまめかしくて、
自分の夢の中だというのにドキドキしてしまう。
女の子は僕をじっと見つめている。
ξ゚听)ξ「こんにちは。聞こえないの?」
(;'A`)「こ、こんにちは」
ξ゚听)ξ「なんだ、聞こえてるんじゃない。
それなら返事くらいしなさいよね。
あー、わかった。あんたここ来るのはじめてでしょ」
そりゃそうだ。
何度も見ている夢なら、今頃はこの女の子はとっくに僕に犯されている。
- 13 名前:1:2007/09/08(土) 13:12:19.09 ID:WGR9Giob0
- 僕が黙っていると、女の子はいつのまにか右手に刃物を持っていて、
僕の眼前に刃をピタリとつきつけてきた。
なんだこの展開は。
汗腺という汗腺から冷や汗が流れ出るのが感じられる。
ξ゚听)ξ「返事しなさいって言ったでしょ。耳ついてんの?」
(;'A`)「す、すいません。ついてます」
ξ゚听)ξ「聞きたいのはそこじゃないの。そんなの見りゃわかるって。
ここに来たのははじめて?
だよね。こんなにオタオタしてるもんね」
なおもつきつけられている刃物にうまく口から声が出ず、
僕はアホみたいに首を縦に振った。
ξ゚听)ξ「そんなに動いたら刺さるわよ」
僕の動きが止まる。喉がカラカラだ。
- 14 名前:1:2007/09/08(土) 13:12:55.05 ID:WGR9Giob0
- ξ゚听)ξ「ああ、自己紹介がまだだったね。あたしはツン」
('A`)「ドクオです」
ξ゚听)ξ「なんだ、声出るんじゃない。
それならサクサク進めてよね、こっちも暇じゃないんだからさ。
じゃあはいこれ。はじめての人にはサービスね」
手に持っている刃物を器用に回すと、僕に柄が向くように差し出した。
僕は思わずそれを手にする。
それは意外なほどずっしりと重く、
『刃物』という呼び方は似つかわしくないように感じられた。
ξ゚听)ξ「名前わかるでしょ。言ってみて」
('A`)「そんなのわかるわけが…ないのに。なんだろう。
ひょっとして、『ナマクラソード』という名前ですか、これ」
- 15 名前:1:2007/09/08(土) 13:13:20.99 ID:WGR9Giob0
- ξ゚听)ξ「そうそう。んー、じゃあ問題ないわね。
あっち見て。下りの階段があるでしょ。
すごいレトリックな、ザ・階段! みたいなやつが」
('A`)「あー、ありますね。雨のときとか大変そう」
ξ゚听)ξ「うん、ちゃんと見えてるね。じゃあ、あれ降りてってちょうだい」
(;'A`)「え。なんでですか」
ξ゚听)ξ「なんでって。
あんた何しに来たのよ。一生あたしと駄弁ってる気?」
どっちかというとしたいのはセックスだ。
夢の中とはいえとてもそんなことは口にできないので、
僕は何も言えなかった。
こんなにうだつのあがらない夢ならさっさと覚めてしまえば良いのに。
- 16 名前:1:2007/09/08(土) 13:14:04.64 ID:WGR9Giob0
- ξ゚听)ξ「あ。ひょっとして。
あんた夢だと思ってない?」
('A`)「違うんですか」
ξ゚听)ξ「違うわよー」
ちょっと貸して、と剣を取る。
いきなり僕に斬りつけてきた。
(;'A`)「いたたたたたた!
ちょっと何するんですか!」
ξ゚听)ξ「ほら痛いでしょー。夢じゃないって」
はいこれ、と剣を返す。
ツンはバッグから妙な色の草を取り出すと、今つけた傷口にすりこんだ。
めちゃくちゃ痛かったのに、すぐに血が止まり、
動いても痛くならないようになった。
やっぱり夢じゃないのかな、これ。
- 17 名前:1:2007/09/08(土) 13:14:30.30 ID:WGR9Giob0
- ξ゚听)ξ「夢じゃないことがわかったら、そろそろレッツゴーしましょ。
さっきも言ったけど、あたしもそんなに暇じゃないんだから」
(;'A`)「ちょっと待ってくださいよ。
夢じゃないならなおさら行きたくないですよ。
だいたいあそこは何なんですか」
ξ゚听)ξ「え。樹海」
('A`)「地下なのに?」
ξ゚听)ξ「うん。樹海。わかったら行こ」
(;'A`)「じゃなくて。あんな得体の知れないところ行ったら
何があるかわからないじゃないですか」
ξ゚听)ξ「それがいんでしょーが。
だいたいあんたあそこ通らずにどうやって帰るつもりなの?」
('A`)「あ」
- 18 名前:1:2007/09/08(土) 13:15:06.09 ID:WGR9Giob0
- するってーと何かい。あそこ通らなきゃ帰れないってことなのかい?
そんなわけがない。僕は電車で来たのだから電車で帰れる筈だ。
ξ゚听)ξ「馬鹿ねー。線路もないのにどうやって電車で帰るのよ」
('A`)「むむむ」
ξ゚听)ξ「なにがむむむだ!
良い? あんたはあそこに行くしかないの。
別にここでのたれ死んでもあたしは良いんだけどさ」
('A`)「うーん。あそこ行ったら帰れるのですか?」
ξ゚听)ξ「帰れるよー。みんなそうして帰るんだもん」
('A`)「じゃあ行きますよ。行けばいんでしょ」
- 19 名前:1:2007/09/08(土) 13:15:40.12 ID:WGR9Giob0
- ξ゚听)ξ「そうそう。じゃあ行く気になったところではいこれ」
ツンは大きなうまい棒(めんたい味)と変なスイッチを手渡してきた。
ξ゚听)ξ「足踏みしたいときは押してね。
それから、うまい棒は湿気ちゃったらだめだから。
それでも食べられることは食べられるけど、
色々イヤンなことになるからね」
('A`)「はあ」
ほとんどツンの言ってることの意味がわからない。何うまい棒って。
こんなの誰が食うかっつーの。僕はコーンポタージュしか食べないんだ。
ξ゚听)ξ「じゃあがんばってねー」
階段を降りる僕の背後でツンが大きく手を振っている。
ちょっとだけ頑張ってみようかなと思った。
- 20 名前:1:2007/09/08(土) 13:16:40.90 ID:WGR9Giob0
- 『第一話』
階段は暗く冷え込んでいて、Tシャツ一枚の僕には肌寒かった。
降りる途中で何度も引き返そうと思ったのだが、
何故か足が止まらなかった。
地下1階。僕の右手にはナマクラソードが握られている。
暗い暗いと思っていたのだが、降りてしまえば意外と視界は開けていた。
少なくとも僕のいる部屋の様子は見て取れる。
僕の今いる部屋には不自然に板のようなものが落ちていた。
近寄って拾い上げる。板は裏面に取っ手がついていた。
何気なくそこを掴んでみると、
『ドクオはベニアシールドを装備した!』
そんな気がした。
- 21 名前:1:2007/09/08(土) 13:17:20.34 ID:WGR9Giob0
- どうやらこれは盾らしい。防御力的なものが上がった気がする。
右手に剣、左手に盾。これではまるで物語の勇者のようではないか。
僕が調子に乗って部屋中を駆け回り剣を振ったりしていると、
部屋に猫がはいってきた。
でかい。というか丸い。
僕の知っている猫の形とはちょっぴり違う様相だった。
無邪気にはしゃいでしまっていたこともあり、
突然の訪問客に僕はドギマギしてしまう。
僕が何もできずにいると、猫はその場でしゃがみこみ、
後ろ足で器用に耳を掻いていた。
かわいいじゃないか。撫でたい。
ナマクラソードをしまいこむと、僕は猫に近づいた。
僕が動くと同時に猫も動く。近づいてくるのだ。
すぐに僕は猫と隣り合うことになった。
僕の膝下くらいまである大きな猫だが、
丸いせいかあまり恐ろしくはなかった。
- 22 名前:1:2007/09/08(土) 13:17:47.62 ID:WGR9Giob0
- これは好かれてしまったな。
僕はできるだけ猫が怖がらないように、目線を合わせようとしゃがんだ。
猫は動かずじっと僕を見つめている。
僕は猫を撫でた。
『ドクオの攻撃! ギコ猫に0ポイントのダメージ!』
当たり前じゃないか。なんだよ攻撃って。
それにしてもこいつ、ギコ猫というのか。かわいいやつめ。
僕の家は靴屋で、商品に毛が入ったりしたらだめだからという理由で
動物は飼わせてもらえないのだ。
この場で精一杯かわいがってやることにしよう。
すっかり目尻の下がった僕を尻目に、ギコ猫は僕に体当たりをくれた。
『ギコ猫の攻撃! ドクオに2ポイントのダメージ!』
- 23 名前:1:2007/09/08(土) 13:18:16.44 ID:WGR9Giob0
- (;'A`)「いたたたた!」
なんだこれ、めちゃくちゃ痛い。
それに何だよその単位はよ。聞いたことねーよ。
不思議なことに、それでも僕はこの単位を受け入れていた。
('A`)「僕は15ポイントのダメージを食らうと死ぬんじゃないだろうか」
そんな気がした。
お腹がズキズキ痛んでいて、僕はしばらく何もできなかった。
常識的に考えて、じっとしてるとだんだん痛みは引いていくものだけど、
この痛みは増えもしなければ減りもしない。
ずっと2ポイント分の痛さがお腹のあたりを走り回っているのだ。
なんだこれ。
体当たりしてきたあいつを睨みつけるが、
ギコ猫は僕に怒っている風でもなく、
さっきまでと変わらぬかわいさで僕をじっと見つめていた。
- 24 名前:1:2007/09/08(土) 13:18:53.34 ID:WGR9Giob0
- 追い討ちをかけてこないのはどういうわけだろう。僕は考えた。
ひょっとしたらこいつにとって体当たりはただじゃれついただけで、
僕がそれに過剰反応しているのかもしれない。
野生の熊にじゃれつかれただけで人間の体は簡単にもげるというし、
そんなテンションだったのかもしれない。
そうに決まってるさ。お腹はずっと痛いけど。
試しにもう一度目線高さにしゃがんでみても、
ギコ猫は僕を見つめるだけで危害を加えようとはしてこない。
これはやっぱりそうなのだ。疑ってごめんよ。
痛むお腹を気にしながら、僕は再びギコ猫を撫でた。
『ドクオの攻撃! ギコ猫に0ポイントのダメージ!』
はいはい。
『ギコ猫の攻撃! ドクオに2ポイントのダメージ!』
(;'A`)「痛ぇー!!!」
- 25 名前:1:2007/09/08(土) 13:19:18.16 ID:WGR9Giob0
- 今度は鼻っ柱に食らわせやがった。僕はその場で悶絶する。
しばらくじたばたしていたが、やはり痛みは変わらない。
お腹も痛ければ顔も痛い。
僕の顔は涙と鼻血でぐしょぐしょになった。
ギコ猫は僕を丸々と見つめている。
追撃しようとはしてこない。
('A`)「そうか、そうなのか」
僕は急激にわかってきた。
頭ではなく心で! 理解してきた気がする。
つまり、僕もこいつも何らかのルールに支配されているのだ。
僕が行動するとこいつも動く。
僕が行動しなければ動かない。
だからこいつが今愛らしく僕を見つめているのも僕が好きだからではなく、
そういう風にデザインされているからなのだ。
- 26 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/09/08(土) 13:19:32.01 ID:l4rnGWhv0
- 支援
- 27 名前:1:2007/09/08(土) 13:19:46.21 ID:WGR9Giob0
- (TAT)「わかってたもん! 勘違いなんかしてないもん!
彼女いない暦=年齢を舐めんじゃねぇ!」
相変わらずお腹と鼻が痛い。
だからこの涙は心が痛んで流れているのではないのである。
(゚A゚)「殺す! もう迷いはしない!」
僕は『行動』しないように注意深く決意した。
なんせ僕はあと11ポイントのダメージで死んでしまう。気がする。
もう痛いのはコリゴリなのだ。
武器は僕も持っている!
『ドクオはナマクラソードを装備した!』
『ギコ猫の攻撃! ドクオに2ポイントのダメージ!』
(;'A`)「ギャー!」
なんでこーなるんだよ!
悶絶してても大丈夫なのに剣握ったら『行動』なのかよ!
わけわかんねー! 基準を明確にしろ!
- 28 名前:1:2007/09/08(土) 13:20:12.75 ID:WGR9Giob0
- とにかく痛い。
うっかり剣を落とさないように注意しながら僕は状況を確認した。
('A`) HP 9/15 レベル1
右手:ナマクラソード 満腹度:82%
左手:ベニアシールド ちから:8/8
やけに具体的だが、こんな気がする。
そこらかしこが痛い。まったく痛みが和らがない。
とりあえずこいつをなんとかしないことには僕には明日はないだろう。
僕は右手を思い切り振った。
『ドクオの攻撃! ギコ猫に9ポイントのダメージ! ギコ猫をやっつけた!』
ギコ猫は「モルスァ」みたいなことを言いながら
どこかへ吹っ飛んでいった。
- 29 名前:1:2007/09/08(土) 13:20:44.01 ID:WGR9Giob0
- (*'A`)「あれ、ひょっとして僕強いんじゃねぇの? マジ勇者?」
体中に痛みを感じながら、僕は1人悦に入った。
なんだか大人になった気がした。
いつまでもこんなところにいてもしょうがない。
僕は部屋を出て探索することにした。
すると体の痛みが和らいでいく。
僕は再び心で理解した。
つまり、『行動』が時間の経過であり、
それに伴って僕のHPも回復されていくのだろう。
('A`)「なんだよエイチピーって。ヒットポイントかっつーの」
自分でツッコんでおいてなんだけど、ツッコミも意味不明だった。
- 30 名前:1:2007/09/08(土) 13:21:16.32 ID:WGR9Giob0
- 通路を経てまた広い部屋に出る。
不自然に2つのアイテムが落ちていた。
('A`)「アイテム。こんな名詞を使う日が来るとは」
僕の肩が落ちているのはアイテムを拾うためであって、
体中の痛さでどんどんナイーブになっていっているわけではない。
『火ー吹き草を手に入れた!』
『目ー潰し草を手に入れた!』
意味がわからんな。とりあえず同じようなジャンルのものだろう。
あっちからギコ猫が1匹と新キャラが1匹歩いてきた。つがいか?
- 31 名前:1:2007/09/08(土) 13:21:44.34 ID:WGR9Giob0
- ('A`)「ギコ猫は弱いことが先ほどわかった。
一緒に来るやつも似たようなものだろう。
ここは意味不明なアイテムをとりあえず使ってみて、
それぞれどのような効能かを知っとくべきだろうな」
考えた。
目ー潰し草はどっちの目が潰れるのかわからん。
やつらに食わせるべきなのかもしれん。食うのかしらんけど。
火ー吹き草も意味がわからん。
本当に火が吹いて攻撃できるのか、
それとも火を吹くようなダメージを与える、
やはりやつらに食わせるべきものなのか。
('A`)「どっちかっつーと火ー吹き草かな。
食ったら即死とかないだろー」
- 32 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/09/08(土) 13:22:54.02 ID:rtDndZ6BO
- 不思議のダンジョンってわけね
- 33 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/09/08(土) 13:23:19.57 ID:0BlvGYYtO
- 支援
- 34 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/09/08(土) 13:23:37.80 ID:l4rnGWhv0
- さるかな?
- 35 名前:1:2007/09/08(土) 13:23:41.74 ID:WGR9Giob0
- 『ドクオは火ー吹き草を飲んだ! 紅蓮の業火が焼き尽くす!
ギコ猫に25ポイントのダメージ! ギコ猫をやっつけた!』
('A`)「つえー。なんだよ飲めば良いんじゃん。
まー考えればそうだわな」
新キャラが僕の隣までにじり寄る。
これまでの経験からするに、殴るか殴られるかすれば名前がわかるだろう。
やはり僕が行動を起こすまでは動けないようで、
そいつは僕の前でボインボインと飛んでいた。
ここはもう1つの草も試すべきだろう。
視界の端に敵がもう1匹部屋に入ってくるのを感じながら、
僕は草を飲み込んだ。
『ドクオは目ー潰し草を飲んだ! なんと! 目が見えなくなった!』
(+A+)「なんと! じゃねぇえええええ」
- 36 名前:1:2007/09/08(土) 13:24:08.51 ID:WGR9Giob0
- こっちは飲むんじゃないのかよ!
それより脅威は敵の攻撃だ。目が見えないことも相まってすごく怖い。
僕が歯を食いしばると同時に頭部に衝撃が走った。
『何者かの攻撃! ドクオに3ポイントのダメージ!』
(+A+)「いたた! つーか名前も教えてくれねーのかよ!」
不意打ちの形になったため、予想以上の衝撃だった。
僕は思わずナマクラソードを落としてしまった。
『ドクオはナマクラソードを床に置いた!』
(+A+)「置いたんじゃねぇええええええ!
しかも! このテロップが流れたということは…」
剣を落とすのも『行動』だった。
- 37 名前:1:2007/09/08(土) 13:24:49.24 ID:WGR9Giob0
- 『何者かの攻撃! ドクオに3ポイントのダメージ!』
尋常じゃなく痛い。吐き気もする。
おまけに僕は剣を落としてしまっている。
「剣、拾いますか?」
脳内から声が聞こえる。
(+A+)「もう僕にはHPが残ってない。2ターン行動できるかどうか。
ここはイチかバチか拾わないでやってみます!」
「ファイナルアンサー?」
みのかよ。
- 38 名前:1:2007/09/08(土) 13:25:28.58 ID:WGR9Giob0
- (+A+)「ファ…ファイナルアンサー」
僕はこぶしを握り締め、やつの方に思いっきり振り下ろした。
『ガッシ! ボカ! ドクオの会心の一撃!
何者かに12のダメージ! 何者かをやっつけた!』
何者かは「ギャ!グッワ!」みたいなことを言いながらどっか行った。
どこかで何かを祝うファンファーレが聞こえる。
ふらふらながら、僕はまだ生きていた。
心なしか筋肉がムキムキになった気がする。
(+A+)「僕は賭けに勝ったんだ!」
- 39 名前:1:2007/09/08(土) 13:26:21.91 ID:WGR9Giob0
- 僕はすっかり舞い上がっていた。
剣を拾い、装備する。
このまま目が癒えHPを何ポイントか回復できるまでこの部屋にいよう。
そう思ったのも束の間、
『何者かの攻撃!ドクオに3ポイントのダメージ!』
もう1匹入って来ていたのを思い出すことになった。
脳内から声が聞こえる。
「選択肢は4つにしました。上下左右の4方向。
このどれかに敵がいて、今のあなたのレベルなら
一撃でやっつけられます。
しかしこの攻撃をしくじり殴られると
あなたの体はもたないでしょう。
上下左右。どれにしますか?」
絶対みのだ。
- 40 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/09/08(土) 13:26:35.91 ID:t6fJxqBS0
- 投下ペースやべえwww
さるくらうぞ
- 41 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/09/08(土) 13:27:38.95 ID:l1QPK2va0
- しえんww
- 42 名前:1:2007/09/08(土) 13:27:39.37 ID:WGR9Giob0
- (+A+)「フィ…フィフティーフィフティーは?」
「あります」
(+A+)「あんのかよ! じゃあそれだ。早くしろ」
「どれが残って欲しいですか?」
(+A+)「この情報のなさでそんなのねーよ! 早くしろ!」
「ではそうしましょう。…上と右が残りました」
(+A+)「う…テレフォンは?」
「あります」
(+A+)「これもあんのかよ! 先に言えよ!」
「しかしドクオさん。あなたは友達がいないので、
本来4人呼べるはずの協力者が1人しかいません。
それでもかまいませんか?」
(+A+)「1人いたんだ。じゃあそれだよ!」
- 43 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/09/08(土) 13:28:20.79 ID:Z2T5Ntjv0
- いろいろとねーよwwww
- 44 名前:1:2007/09/08(土) 13:28:43.20 ID:WGR9Giob0
- 電話の鳴る音がする。脳内で。
脳内だと『行動』にならないのか? そうなのか?
( ^ω^)「おいすー」
(+A+)「ブーンかよ! こいつとは話したくねーよ!」
( ^ω^)「時間がないお。ドクオ早くするお」
(+A+)「そ、そうだな。よしブーン。上と右どっちだと思う?」
( ^ω^)「なんだそれ。意味わかんねーお」
- 45 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/09/08(土) 13:28:50.77 ID:l4rnGWhv0
- これはwktk
- 46 名前:1:2007/09/08(土) 13:29:23.42 ID:WGR9Giob0
-
(+A+)「僕も意味なんかわかんねーよ! いいからどっちか言えよ!」
( ^ω^)「じゃあ右」
(+A+)「よーし右だな!」
「…決まりましたか?」
(+A+)「上だ! あいつの言ったことはあたったためしがない!」
「ファイナルアンサー?」
(+A+)「ファイナルアンサー!」
- 47 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/09/08(土) 13:29:47.85 ID:Z2T5Ntjv0
- ひでぇwww
- 48 名前:1:2007/09/08(土) 13:30:11.92 ID:WGR9Giob0
- 僕は上に向け思い切り剣を振った。
ナマクラソードが風を切り裂く音がする。
『何者かの攻撃!ドクオに3ポイントのダメージ!』
「残念―!」
僕は死んだ。
『何者かに撲殺』。第二話へつづく
- 49 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/09/08(土) 13:30:32.09 ID:l1QPK2va0
- ドクオwwww
- 50 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/09/08(土) 13:30:44.88 ID:l4rnGWhv0
- おまwwwwwww
乙
- 51 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/09/08(土) 13:30:49.58 ID:Z2T5Ntjv0
- 死んだしwwwwwwwwwww
- 52 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2007/09/08(土) 13:31:00.37 ID:sWOJjAAW0
- おまwwwwwww
- 53 名前:1:2007/09/08(土) 13:31:17.14 ID:WGR9Giob0
- とりあえず第一話。支援してくれた人ありがとう。
うんこしてくるので、10分後に第二話投下しますー
- 54 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/09/08(土) 13:31:18.53 ID:l4rnGWhv0
- まとめマダー?
- 55 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/09/08(土) 13:31:47.66 ID:l4rnGWhv0
- >>53待ってるよー
- 56 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/09/08(土) 13:32:09.85 ID:l1QPK2va0
- wktk
- 57 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/09/08(土) 13:32:28.06 ID:Z2T5Ntjv0
- うんこうp
- 58 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/09/08(土) 13:34:57.88 ID:l4rnGWhv0
- ほ
- 59 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/09/08(土) 13:36:34.71 ID:l1QPK2va0
- も
- 60 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/09/08(土) 13:37:41.61 ID:l4rnGWhv0
- せ
- 61 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/09/08(土) 13:38:11.94 ID:pcP8ykE1O
- っ
- 62 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/09/08(土) 13:38:17.75 ID:0BlvGYYtO
-
/⌒ヽ
( ^ω^)
/ つwktkc
しー-J
- 63 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/09/08(土) 13:40:06.41 ID:6FaZ8NpjO
- これはwktk
- 64 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/09/08(土) 13:40:22.76 ID:l4rnGWhv0
- >>62ちょwwwおまwwwwwwww
- 65 名前:1:2007/09/08(土) 13:42:50.44 ID:WGR9Giob0
- 難産でした。
うんこもれそうだったから必死で投下した。
これからはゆるりと投下します
>>57
http://images.google.co.jp/images?hl=ja&q=%E6%9D%BE%E5%B4%8E%E3%81%97%E3%81%92%E3%82%8B&lr=&ie=UTF-8&oe=UTF-8&um=1&sa=N&tab=wi
- 66 名前:1:2007/09/08(土) 13:44:13.97 ID:WGR9Giob0
- 『第二話』
目覚めた先は、僕のよく知るしなびた靴屋だった。
僕の部屋の僕のベッドだ。寝汗をびっしょりかいている。
('A`)「…夢?」
夢オチだったのか? 僕は自分に問いかける。
やはり、どう考えても夢だろう。夢じゃないなら僕はすでに死んでいる。
だいたい『樹海』なんて名前の駅が存在するはずがない。不景気すぎる。
足を見ると、ちゃんと生えていた。
「ドクオいいかげんに起きなさい!
もうご飯食べてる時間ないわよ!」
台所から声がかかる。かーちゃんだ。
夢じゃないとすると、今日は9月3日か。学校開始か。
- 67 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/09/08(土) 13:44:56.22 ID:l4rnGWhv0
- 支援
- 68 名前:1:2007/09/08(土) 13:45:09.58 ID:WGR9Giob0
- ('A`)「死んでたら死んでたで良かったのにな」
素早く着替えながらそう思う。
かーちゃんの作った弁当をかっさらうと、僕は家を飛び出した。
始業式はつまらなかった。担任の話もつまらない。
途中ブーンにからまれたが、夢の話はしなかった。
時々僕をパシリに走らせるDQNの人たちも、
今日は半ドンということもあってパンを買わせる必要はない。
('A`)「あ」
気づいてしまった。
('A`)「なんで僕弁当持ってきてんだ!」
- 69 名前:1:2007/09/08(土) 13:45:39.27 ID:WGR9Giob0
- もったいないので弁当を食おうと思い、誰もいなくなるまで待った後、
机の上に弁当を広げた。うだつのあがらないおかずだった。
何気なく窓の外を見ながら1人でモグモグやっていると、
校庭に一冊のノートが落ちているのが目に付いた。
('A`)「まさか…」
弁当を食べ終わって校庭に下りていくと、はたしてそれには
『DEATH NOTE』
そんなことが書かれていた。
('A`)「デスノート…直訳すれば死のノート、か」
- 70 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/09/08(土) 13:47:18.00 ID:0BlvGYYtO
- >>64
/⌒ヽ
(( ;゚ω゚))!?
/ つwktkc
しー-J
- 71 名前:1:2007/09/08(土) 13:47:24.19 ID:WGR9Giob0
- じゃなくて。
僕は震える指ももどかしくノートの表紙をめくった。
そこには但し書きなど存在せず、一行ポツリと書かれていた。
『第1回:何者かに撲殺』
僕の腕が鳥肌立つのがわかった。あれは夢ではなかったのか?
('A`)「だがちょっと待ってほしい。
手の込んだイタズラと僕の夢が偶然一致しただけではなかろうか」
鉛筆を持って書いてみると、しかしノートには何も残らなかった。
消しゴムで擦ってみても、この一行はビクともしない。
書けないノート。消せない文章。そして僕の夢。
意味がわからない。僕は駅まで走った。
- 72 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/09/08(土) 13:47:33.79 ID:rtDndZ6BO
- ねーよw
- 73 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/09/08(土) 13:47:40.94 ID:IYvwCb9NO
- ねーよwwwwww
- 74 名前:1:2007/09/08(土) 13:48:16.95 ID:WGR9Giob0
- 確かに『樹海』駅は存在している。僕は電車に飛び乗った。
ξ゚听)ξ「あらこんにちは。昨日の今日じゃない、熱心ねー」
降りた先にはやはりツンがいた。
あたり一面草原で、僕が運ばれて来た筈の線路はどこにも見当たらない。
ξ゚听)ξ「まぁこんな頻度で来てくれると忘れないから楽だけどさ」
呆然と立ち尽くす僕をよそにツンは1人で話している。
はいこれ、と僕に大きなうまい棒(めんたい味)と
足踏みスイッチを手渡した。
ξ゚听)ξ「じゃあレッツゴー」
- 75 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/09/08(土) 13:48:33.19 ID:pcP8ykE1O
- うはww
- 76 名前:1:2007/09/08(土) 13:49:03.23 ID:WGR9Giob0
- ('A`)「じゃなくて!」
ξ゚听)ξ「なによ」
('A`)「ここは一体なんなんですか。夢じゃあなかったんですか」
ξ゚听)ξ「夢じゃあないっていったでしょ。あんた耳ついてんの」
('A`)「じゃあ、もう一度訊くけどここは一体なんなんですか」
ξ゚听)ξ「『樹海』よ、ここは。あんた目ついてんの」
('A`)「昨日潰れましたけどね」
ξ゚听)ξ「ああそう」
- 77 名前:1:2007/09/08(土) 13:49:58.02 ID:WGR9Giob0
- ('A`)「じゃなくて。ああもういいや、どうでも。
どうせまたあそこ行かないと帰れないんでしょ」
ξ゚听)ξ「なーんだ、わかってんじゃない。じゃあレッツゴー!」
イマイチ釈然としないまま、僕は階段へ向かった。
('A`)「あ。ナマクラソードは?」
ξ゚听)ξ「あれは初回のみよ。がんばってねー」
僕は大きくため息をつくと、階段を降りた。やはり暗く静かだった。
- 78 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/09/08(土) 13:50:07.95 ID:l4rnGWhv0
- >>70いや、いいんだwww
wktkを続けてくれwww
- 79 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/09/08(土) 13:50:55.83 ID:rtDndZ6BO
- うまい棒変化マダー?
- 80 名前:1:2007/09/08(土) 13:51:07.32 ID:WGR9Giob0
- 降りた先はやはり大きな部屋だった。アイテムが1つ落ちている。
それから近いところに1匹、遠くに1匹敵がいた。
近くの敵は昨日名前の判明しなかったやつだ。遠くはギコ猫である。
中途半端な距離なので、僕はそいつに近づいた。
『ちんぽっぽの攻撃! ドクオに4ポイントのダメージ!』
('A`)「いたた!」
そんなシモネタな名前なのかよ。つーか先制攻撃すんじゃねーよ。
距離が中途半端なときはどうにかして調節しなければならないらしいな、
と学習した。
それから昨日のベニアシールド。
僕は持っていただけだったのだけれど、
あれでちゃんと防御効果はあったらしい。
受けたダメージがちょっぴり大きいのである。
- 81 名前:1:2007/09/08(土) 13:52:34.42 ID:WGR9Giob0
- だんだんルールがわかってきた。
もう死ぬのはごめんなので、僕は躊躇せずちんぽっぽを殴る。
『ドクオの攻撃! ちんぽっぽに5ポイントのダメージ!』
『ちんぽっぽの攻撃! ドクオに4ポイントのダメージ!』
『ドクオの攻撃! ちんぽっぽに5ポイントのダメージ!
ちんぽっぽをやっつけた!』
僕がちんぽっぽと殴り合っている間に、
遠くにいたギコ猫はすっかり僕に近づいていた。
またもや中途半端な距離である。
('A`)「何か『行動』をしなければ…」
- 82 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/09/08(土) 13:53:28.94 ID:bnYhQKRE0
- これは期待
- 83 名前:1:2007/09/08(土) 13:53:53.90 ID:WGR9Giob0
- 考えた。昨日の経験から武器や防具を装備したり解除したりは
『行動』になることがわかっている。
また、道具を使うのももちろん『行動』だ。
しかし僕には武器防具の類はない。
道具は大きなうまい棒(めんたい味)と足踏みスイッチなるもののみ。
('A`)「スイッチ押すか? 怖いなー」
うまい棒食って悪いことはないだろう。僕はそう考えた。
- 84 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/09/08(土) 13:54:42.02 ID:rtDndZ6BO
- 支援してやんよ
- 85 名前:1:2007/09/08(土) 13:55:25.88 ID:WGR9Giob0
- 『ドクオは大きなうまい棒を食べた! お腹がいっぱいになった!』
('A`)「めんたい味も悪くはないな。今度買ってみよう」
予想通り、ギコ猫は僕に隣りあっていた。
『ドクオの攻撃! ギコ猫に6ポイントのダメージ!
ギコ猫をやっつけた!』
先制攻撃成功である。どこかでファンファーレが鳴るのを感じた。
なんとなく筋肉がムキムキになった気がする。
- 86 名前:1:2007/09/08(土) 13:55:58.89 ID:WGR9Giob0
- ('A`)「常識的に考えて、
こんな頭からポコポコ死ぬようにはデザインされてない筈だ」
フロアの隅にあったソコソコソードを拾いながら考えた。
『ドクオはソコソコソード+1を装備した!』
('A`)「+1ってなんだよ。そういう名前なのか?
バージョン1.01みたいなもんか?」
- 87 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/09/08(土) 13:56:24.24 ID:aYFX8E0NO
- 支援
- 88 名前:1:2007/09/08(土) 13:57:07.46 ID:WGR9Giob0
- 引き続き、地下1階を探索することにした。
道中逢ったギコ猫やちんぽっぽをボカスカ殴り、
頭の中に地下1階の地図ができあがるころには僕はレベル3になっていた。
『お手当て草』と『爆発の巻物』、『わかんないんですの巻物』
を拾った。
最後に入った部屋には下り階段があった。
('A`)「降りろ、と?」
どうやらそうであるらしい。他に道はないのである。
僕は階段を下っていった。
地下2階。僕の右手にはソコソコソード+1が握られている。
- 89 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/09/08(土) 13:57:10.55 ID:l4rnGWhv0
- 支援
- 90 名前:1:2007/09/08(土) 13:58:09.71 ID:WGR9Giob0
- だんだんコツが掴めてきた。
さっきは中途半端な距離のとき『行動』をどうすれば良いのかと思っていたが、
なんのことはない、剣を振ればそれは『行動』だった。
そもそも僕が『行動』するまであいつらは手が出せないのである。
僕に焦る必要はまったくなく、ゆっくり考えれば済む話なのだ。
降りたフロアには何も落ちていなかったが、
隣りのフロアにナマクラソードが落ちていた。
なんだかとても懐かしい気持ちになって握ってみると、
『ドクオはナマクラソード+2を装備した!』
そんな気がした。
やはり『+〜』の部分は武器の名前ではないらしい。
ナマクラソード+2が攻撃力3なのに対して
ソコソコソード+1は攻撃力7であることがわかる。
『ドクオはソコソコソード+1を装備した!』
もちろんそうした。
- 91 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/09/08(土) 13:58:27.29 ID:IYvwCb9NO
- (´・ω・)(・ω・`)ネー
- 92 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/09/08(土) 13:59:28.65 ID:Z2T5Ntjv0
- ペロッ、これは今回は餓死フラグ
- 93 名前:1:2007/09/08(土) 13:59:40.78 ID:WGR9Giob0
- 地下2階でブリキシールドと目ー潰し草の他に
お手当て草、『わかってますの巻物』を拾って
敵どもをザクザク倒し、地下3階へと降りようとすると、
唐突に僕のお腹が鳴った。
('A`)「なんか腹減ってきたな…」
地下3階。僕の右手にはソコソコソード+1、
僕の左手にはブリキシールドが握られている。
- 94 名前:1:2007/09/08(土) 14:00:40.51 ID:WGR9Giob0
- もうそのへんにいる敵は怖くない。
ギコ猫を虐げちんぽっぽを切り裂き
この階からでるようになったビコーズを駆逐する。
僕のレベルはすでに6。
筋肉もだいぶムキムキになっていた。
('A`)「しかし腹減った。
もう何味でも良いからうまい棒を食いたい!
いや食らい尽くしたい!」
そう思った。
- 95 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/09/08(土) 14:01:23.32 ID:t6fJxqBS0
- ビコーズwww
- 96 名前:1:2007/09/08(土) 14:01:34.49 ID:WGR9Giob0
- 地下3階をくまなく歩き回り脳内マップを完成させた。
地下3階では『大きな壷』と『わかってますの巻物』、
『ガチムチ草』、『20本の木の矢』を拾えた。
しかしうまい棒は見つからない。
(ヽ'A`)「やばいぞ…なんか腹がシクシク痛むようになってきた」
『まずい…』
(ヽ'A`)「なんだなんだ…」
『このままでは…』
(ヽ'A`)「…」
『飢え死にしてしまう!』
(ヽ'A`)「!」
- 97 名前:1:2007/09/08(土) 14:02:22.20 ID:WGR9Giob0
- そんなに深刻なのか。
無理やり歩くと、何故か体中が痛みだした。
(ヽ'A`)「いたた! いたた!
つーか飢え死にってこんなんじゃねーだろ!」
- 98 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/09/08(土) 14:02:23.41 ID:l4rnGWhv0
- !
- 99 名前:1:2007/09/08(土) 14:03:00.61 ID:WGR9Giob0
- もう何でも良いから口にしたい!
そう思った僕は、荷物の中に草がはいっていることに
思い当たった。
ひょっとして、これで飢えをしのげるのではないだろうか。
僕の荷物にはお手当て草が2つと目ー潰し草、ガチムチ草が
はいっている。
目ー潰し草はもう絶対に飲みたくない。
お手当て草かガチムチ草。なんだよガチムチって。
無難にお手当て草にしておくことにした。
『ドクオはお手当て草を飲んだ! 25ポイント回復した!』
- 100 名前:1:2007/09/08(土) 14:04:37.59 ID:WGR9Giob0
- 回復するのか。しかも腹にも少したまった気がする。
あえて表現すれば、満腹度にして5%ほどは。
('A`)「なんだよその単位…」
なんだかもう慣れてきてしまった。
人間として大切なものを失った気がする。
地下4階にはうまい棒があるだろうか。
僕は祈るような気持ちで階段を降りた。
地下4階。僕の右手にはソコソコソード+1、
僕の左手にはブリキシールドが握られている。
- 101 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/09/08(土) 14:05:50.06 ID:6SMCvAGHO
- 支援
- 102 名前:1:2007/09/08(土) 14:05:51.80 ID:WGR9Giob0
- 地下に向かって深く深く進んでいる筈なのだが、
これまでの3階と比べて地下4回は明るく感じられた。
なんとなくだが、壁の様子が違うのだ。
腹がシクシク痛んできたので、再びお手当て草を飲んだ。
しかし長くはもたず、続けてガチムチ草を飲むことになった。
小さな賭けになるけれど、目が潰れるよりはマシだろう。
『ドクオはガチムチ草を飲んだ!
ちからの最大値が1ポイントあがった!』
- 103 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/09/08(土) 14:06:09.80 ID:JqMn/pjbO
- 支援
- 104 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/09/08(土) 14:06:36.64 ID:jVE2coKm0
- 世界樹の迷宮って面白い?
- 105 名前:↑地下4階ね。はずかC!:2007/09/08(土) 14:07:11.22 ID:WGR9Giob0
- 胸板が少し厚くなった気がする。
どうやら飲んで良い種類の草だったらしい。
なんにせよ、もっと食いでのあるものを食べなければ
遅かれ早かれ死んでしまう。
僕は現在の状態を確認した。
('A`) HP 42/42 レベル6
右手:ソコソコソード+1 満腹度:6%
左手:ブリキシールド ちから:9/9
こんな気がする。
- 106 名前:1:2007/09/08(土) 14:08:39.67 ID:WGR9Giob0
- じっとしていればこれ以上腹は減らないが、
この状況が変わることはない。
僕が意を決して一歩を踏み出すと、左の方から矢が飛んできた。
『矢のワナを踏んだ! ドクオに5ポイントのダメージ!』
('A`)「ワナなんかあんのかよ! 先に言えよ!」
とても現実とは思えないが、
僕の腹には木製の矢が突き立っていた。
ダメージは5ポイント。
痛みも5ポイント相当のもので、
正直その程度の痛みはもう慣れっこになってしまったのだが、
自分の腹に矢が突き立っているというシュールな光景は
それ以上のダメージを僕の心に与えていた。
('A`)「もう嫌だ…」
お腹もすいているのだ。僕はその場に座り込んだ。
- 107 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/09/08(土) 14:09:10.47 ID:bnYhQKRE0
- 支援
- 108 名前:1:2007/09/08(土) 14:09:57.85 ID:WGR9Giob0
- 何分くらい経ったのだろう。
ひょっとすると数時間はそうしていたかもしれない。
この場の時間概念は僕の『行動』にのみ依存しているわけで、
そのままでいても何も変わらないのだと改めて思い知るまで
僕はそうしていた。
('A`)「行くか…」
腹に突き立った木の矢を眺めていてもしょうがない。
僕はとりあえず地下4階を探索しようと決意した。
一歩踏み出すと、腹から木の矢が消え去った。
- 109 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/09/08(土) 14:10:55.31 ID:IYvwCb9NO
- 支援
- 110 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/09/08(土) 14:11:09.01 ID:9yKjLOR+0
- あれ?結構面白いぞ 支援
- 111 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/09/08(土) 14:12:10.22 ID:l4rnGWhv0
- 支援
- 112 名前:1:2007/09/08(土) 14:12:20.04 ID:WGR9Giob0
- 壁の変化は僕に何かを警告してのものだったのだろう。
この階から、登場する敵がグンと強くなっている。
ある程度ここのルールを飲み込みムキムキになった上
胸板まで厚くなっている僕であっても、
毎回一撃必殺というわけにはいかない。
殴ったり殴られたりしながらフロア内を探索するが、
食べ物は草1本として落ちていなかった。
腹がシクシクと痛んでいる。
『まずい…このままでは…飢え死にしてしまう!』
ついにそのときが来てしまった。
背に腹は変えられない。
僕は荷物から目ー潰し草を取り出した。
- 113 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/09/08(土) 14:12:58.18 ID:bnYhQKRE0
- うぁああ
- 114 名前:1:2007/09/08(土) 14:13:48.66 ID:WGR9Giob0
- (ヽ'A`)「僕は、これを、飲んだら目が潰れるとわかっていながら
これから飲むのか。飲めるのか?」
自問自答した。腹はシクシクと痛んでいる。
広い部屋の真ん中で、あたりに敵がいないことを確認した。
(ヽ'A`)「仮に、これを飲むとしよう」
僕は考える。
目が見えなくなる。これはしょうがない。
問題はその状態が回復するのかどうかである。
もしも回復しないものであった場合、
僕は盲目で餓死することになるのだろう。
そんなのは絶対に嫌だ。
- 115 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/09/08(土) 14:14:07.32 ID:t6fJxqBS0
- これはスレタイで損してる予感
- 116 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/09/08(土) 14:14:21.14 ID:wCGvi7cj0
- シレンか
- 117 名前:1:2007/09/08(土) 14:15:21.73 ID:WGR9Giob0
- 右手の剣を一度振ってみた。
ソコソコソードが風を切る音がし、僕の体を鋭い痛みが襲う。
僕の満腹度は現在0%である。
そして今『行動』してみると、僕のHPは1ポイント減った。
つまり、この状態では、
『行動』する度に1ポイントずつダメージを受けるのだ。
僕のHPは現在32ポイント。
あと32回『行動』すると死んでしまう。
そんな短い時間でいったい僕に何ができるだろう。
(ヽ'A`)「結局僕はわかってるんだ。僕はこの草を飲むしかない」
僕は覚悟した。
- 118 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/09/08(土) 14:16:34.54 ID:6SMCvAGHO
- 支援
- 119 名前:1:2007/09/08(土) 14:16:54.72 ID:WGR9Giob0
- 『ドクオは目ー潰し草を飲んだ! なんと! 目が見えなくなった!』
これで良いのだ。僕の満腹度は5%回復した。
視力が回復しないとしたら、僕はこのまま死ぬだろう。
(+A+)「それならそれでしょうがあるまい。僕はやれることはやったのだ」
開き直る。回復することを祈りながら剣を振り続けた。
- 120 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/09/08(土) 14:17:29.28 ID:rtDndZ6BO
- 確かにスレタイで損してるな
- 121 名前:1:2007/09/08(土) 14:17:55.60 ID:WGR9Giob0
- 10回剣を振ったところで僕の目は再び開いた。
満腹度は4%。どうやら『行動』10回ごとに減るらしい。
('A`)「賭けには勝ったな。
あとはこの階で食料がでることを祈るだけだ」
僕は探索を開始した。
殴り殴られ進んでいく。
途中アイテムを拾ったが、『オワタナイフ』・『ベニアシールド』
『スイスイスピア』と食べられそうにないものばかりだった。
装備を変えるのにも時間がかかるので、僕にそんな余裕はない。
- 122 名前:1:2007/09/08(土) 14:19:03.11 ID:WGR9Giob0
- 往々にして、人の祈りは聞き入れられないものである。
僕の腹はまたもやシクシク痛み出だした。
『まずい…このままでは…飢え死にしてしまう!』
もう無闇に慌てたりはしない。僕は状況を確認した。
(ヽ'A`) HP 38/42 レベル6
右手:ソコソコソード+1 満腹度:0%
左手:ブリキシールド ちから:9/9
こんな気がする。
僕に残された『行動』は38回。
その間に何かしら方策を練らなければ餓死である。
- 123 名前:1:2007/09/08(土) 14:20:07.18 ID:WGR9Giob0
- 隣の部屋に進もうと全身の痛みに負けず歩くと、
今いる部屋に見たことのない敵が現れた。
見た目はギコ猫によく似ている。
類似点は、毛がフサフサと生えていることくらいだった。
(ヽ'A`)「こいつ…食えるんじゃないのか?」
そう思った。
先制攻撃を食らわないようにやつに近づき、
フラフラしながら剣を振る。
- 124 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/09/08(土) 14:21:59.10 ID:bnYhQKRE0
- 支援
- 125 名前:1:2007/09/08(土) 14:22:16.23 ID:WGR9Giob0
- 『ドクオの攻撃! フサギコに16ポイントのダメージ!』
こいつはフサギコというらしい。ギコ猫の仲間なのだろうか。
ギコ猫とは違って、僕に殴られても1撃では死なないタフガイである。
近くで見るとやはり丸々としていて、とても旨そうだった。
『フサギコの攻撃! ドクオに8ポイントのダメージ!』
『ドクオの攻撃! フサギコに16ポイントのダメージ!』
驚いたことに、2度目の攻撃でも死ななかった。
『フサギコの攻撃! ドクオに8ポイントのダメージ!』
『ドクオの攻撃! フサギコに16ポイントのダメージ!
フサギコをやっつけた!』
- 126 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/09/08(土) 14:23:00.49 ID:l4rnGWhv0
- 試練
- 127 名前:1:2007/09/08(土) 14:23:10.40 ID:WGR9Giob0
- 僕はフサギコの死骸を手繰り寄せた。
剣は大きくて解体に使えない。オワタナイフに持ちかえる。
『ドクオはオワタナイフ−1を装備した!
なんと! オワタナイフは呪われていた!』
呪いとかもうどうでもいい。この境遇こそが呪われている。
僕はオワタナイフでフサギコを切り裂く。
フサギコからは血があふれ、ムワっとするような熱気と共に
真っ赤な肉が僕の眼前に現れた。
- 128 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/09/08(土) 14:24:29.88 ID:l4rnGWhv0
- 支援
- 129 名前:1:2007/09/08(土) 14:24:40.84 ID:WGR9Giob0
- 血をすすり、小さく切り分けた肉にそのままむしゃぶりつく。
寄生虫がいるのではなかろうか。
せめて火を通す方法を探した方が良いのではなかろうか。
僕にはそんなことを考えている余裕なんてなかった。
何故なら、食べても食べても僕の空腹は癒えないからだ。
(ヽ'A`)「うめぇ…! うめぇ…!
なのになんだよ。なんでだよ。
なんで食っても食っても腹減ってんだよ!」
僕は腹が立ってナイフを投げ捨てた。できなかった。
呪われたオワタナイフは僕の手から離れない。
(ヽ'A`)「ちくしょう!」
- 130 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/09/08(土) 14:25:49.62 ID:l4rnGWhv0
- 支援
- 131 名前:1:2007/09/08(土) 14:26:13.25 ID:WGR9Giob0
- 僕は地面を殴りつける。
僕の体には1ポイント分の痛みが走った。
まだ残っていたフサギコの死骸は
かつて僕に刺さっていた木の矢と同様消え去る。
(ヽ'A`)「なんだよこれ…どうすれば良いんだよ…」
呆然としながら、しかし僕は立ち上がった。
食料を探しに行かなければ。
一歩ごとに体が痛む。
腹はシクシク痛み、喉はカラカラに渇いていた。
洞窟内はひんやりとした涼しさなのに、何故か汗が止まらない。
僕は猛烈に勃起していた。
- 132 名前:1:2007/09/08(土) 14:27:36.90 ID:WGR9Giob0
- (ヽ'∀`)「ハハ…ハハハハ…人体は死に瀕すると子孫を残そうとするって
聞いたことがあるけど、どうやら本当みたいだな」
なんだか笑けてきた。
体中が限界を訴えている。
僕の視野にフサギコが現れた。
(ヽ'∀`)「フフ…来たな…また食ってやる…」
待ってろよ、食ってやる。待ってろよ、食ってやる。食ってやる。
僕はうわごとのように呟きながら、フサギコに一歩一歩と近づいた。
- 133 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/09/08(土) 14:29:10.77 ID:t6fJxqBS0
- 支援
- 134 名前:1:2007/09/08(土) 14:29:15.68 ID:WGR9Giob0
- あと一歩でフサギコを殴れる。殴って殺して血をすすり、
骨を砕いて肉を食える。
僕の股間は痛いほどに怒張し、歪んだ口元からは唾液が流れている。
オワタナイフを握り締め、フサギコに対して大きく振りかぶる。
それと同時に僕の体は限界を向かえ、僕はその場に崩れ落ちた。
僕の体はもう動かない。
僕は死んだ。
『空腹のあまり死亡』。第三話へつづく
- 135 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/09/08(土) 14:31:26.95 ID:l4rnGWhv0
- 乙
- 136 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/09/08(土) 14:32:10.19 ID:L8s/5dH90
- 乙
- 137 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/09/08(土) 14:33:40.27 ID:0BlvGYYtO
- n /⌒ヽ
(ヨ(^ω^ ) グッジョブ!
Y つ
- 138 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/09/08(土) 14:34:31.01 ID:rnp/RQc/0
- 中々面白いなwwww
乙
- 139 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/09/08(土) 14:34:32.68 ID:b6ROYCZYO
- 久々にwkwk
- 140 名前:1:2007/09/08(土) 14:34:36.91 ID:WGR9Giob0
- 本日の投下は以上です。支援してくれた人ありがとう。
次の投下は明日か、一週間後くらいになると思います。
またはじめたら支援してくだしあ
・スレタイで損しているという意見について
俺もそう思うw けど、これはもともと総合でお題を拝借して書いたもので、
そのときのお題が
夏休みの終わり
人生の終わり
樹海行きの切符
だったからしょうがないw
- 141 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/09/08(土) 14:36:52.73 ID:t6fJxqBS0
- 久しぶりにまともに現行を見た、乙
- 142 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/09/08(土) 14:37:56.04 ID:bnYhQKRE0
- 乙です
まとめさせていただいてよろしいでしょうか?
- 143 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/09/08(土) 14:37:58.63 ID:o1pA30BvO
- >>140
乙!!面白かったぞwwww
- 144 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/09/08(土) 14:38:14.23 ID:rnp/RQc/0
- ふむふむ、つまり>>1は土日しか来れないんだな?
- 145 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/09/08(土) 14:39:47.07 ID:5my/hVWoO
- 樹海行きの片道切符は貴様等の命で買ってもらおう
- 146 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/09/08(土) 14:43:42.14 ID:L8s/5dH90
- 別に問題があるって訳じゃないけど
なぜに靴屋?
- 147 名前:1:2007/09/08(土) 14:44:36.13 ID:WGR9Giob0
- >>142
お願いします。
まとめてもらうのはじめてだから、応答するべきなのか知らないけどw
あと、敵の名前「これ使えやー」ってのがあったら
書き込んでくれれば第三話以降で使います。
どんな扱いになるかわからんけどw
とりあえず『うまい棒変化』は把握
- 148 名前:1:2007/09/08(土) 14:46:31.16 ID:WGR9Giob0
- >>146
それはきっとこの間
『アヒルと鴨のコインロッカー』を観たからじゃないかな。
ドクオの一人称が僕なのもそのせいだw
途中からすげー書きづらかったw
- 149 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/09/08(土) 14:48:21.66 ID:rnp/RQc/0
- 召喚の巻物で「ニダー」
時々賠償を求めてアイテム消費。
……とか駄目?
- 150 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/09/08(土) 14:52:42.62 ID:L8s/5dH90
- アヒルと鴨のコインロッカーぐぐってみたちょっと気になる・・・・
- 151 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/09/08(土) 14:55:21.25 ID:Z2T5Ntjv0
- >>148
アヒルと鴨で靴屋…なぜだw
- 152 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/09/08(土) 14:55:54.28 ID:rtDndZ6BO
- ⌒*(・∀・)*⌒ 矢っ照美
→l从・∀・ノ!リ人 銀矢っ妹者
→从 ゚∀从 銃っハイン
→J( 'ー`)し カーチャン大砲
- 153 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/09/08(土) 14:56:12.50 ID:Z2T5Ntjv0
- と思ってヤフって見たら映画なのかw
- 154 名前:1:2007/09/08(土) 14:56:56.78 ID:WGR9Giob0
- >>149
把握。なんでもいいよw使わせてもらいます
>>150
原作も映画も俺はすごく好きだ。
面白いよ
- 155 名前:1:2007/09/08(土) 14:58:42.39 ID:WGR9Giob0
- >>152
把握。カーチャン大砲は心を攻めてきそうだなw
- 156 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/09/08(土) 15:03:40.67 ID:L8s/5dH90
- 映画やってるとこ少ないな・・・・
原作だけ探してみる、続きに期待!!
- 157 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/09/08(土) 15:07:40.93 ID:xTBVTiigO
- カーチャンの指輪
階段を降りるたびにお金が増える
どう?指輪なかったから
- 158 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/09/08(土) 15:10:43.94 ID:5O+hfYRn0
- 乙〜
- 159 名前:1:2007/09/08(土) 15:12:42.34 ID:WGR9Giob0
- >>157
把握。そーいや指輪出してなかった。
忘れてたよ、サンクス
- 160 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/09/08(土) 15:16:08.70 ID:1vxU2h7LO
- 馴れ合う作者は嫌われる傾向にあるから、引際をしかと見極めよ
- 161 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/09/08(土) 15:24:02.83 ID:6LIh49SS0
- うごおお!面白かった!
餓死前の、飢えている時のくだりはスッゲ怖かった!!
>>1愛してる!
記念かきこ
古いけど、「夢が広がリング」とかどうだー
勢いで言った。効果は考えてない。
- 162 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/09/08(土) 15:24:36.15 ID:6LIh49SS0
- なるほどそうか
自重する
- 163 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/09/08(土) 15:36:37.11 ID:0Xo1Hq9zO
- おもしろかった乙
伊坂好きなのか?
アヒルと(ryとラッシュライフは神だよなw
- 164 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/09/08(土) 15:37:19.56 ID:ieCggzXL0
- 1プレイ380円は割高だな
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