川д川「あれ?」
ここはどこだろう。
教室?
川д川「モララー君?」
どうして私は教室にいるんだろう。
さっきまで、確かにデパートの外、橋の上でモララー君と幸せな時を過ごしていたのに。
川д川「どう、なってるの?」
訳が分からない。
話し声が聞こえた。
隣のクラス。
私は混乱したまま、声のするほうへ向かった。
「マジでー! でさ、いつその子まわすわけ?」
( ・∀・)「次のデートの時かなー。
ほら、やっぱある程度落としとかないと後でめんどいしw」
モララー君が机の上に座って、知らない女子と話をしていた。
「うわー、悪魔w んでさ、いくらでうるのさ」
( ・∀・)「処女だから一人2万〜3万くらいかな。
てか、あれねー。恋すると乙女って可愛くなるよね。値段あがってうまいよね」
「最悪ーw でもそんだけ稼げるなんて一種の才能じゃん?」
( ・∀・)「なあに。貞子だって一瞬だけでも夢が見れて嬉しいだろ?
俺みてーなAランクの男と遊べてよ」
川д川「え……?」
意味が分からない。
あれは、本当にモララー君なのか?
そんなはずはない。モララー君が、あんなこというはずない。
( ・∀・)「あいつ処女マンだから泣き叫ぶぜw録音頼んどこっと」
「悪趣味だねー。悲鳴フェチだっけ?」
( ・∀・)「リョナ最高! ですから」
「あはははwww」
ありえない。
これは夢だ。そうだ、悪い夢なんだ。
夢だ夢だ夢だ夢だ……
ガタン!
( ・∀・)「あ?」
川д川「あ……」
※
また世界が反転した。
薄暗い。どこだろう、ここは。口が苦しい。ふさがれているのだろうか。
( ・∀・)「どうっすか? れっきとした処女ですよ」
「へェ……悪くねぇじゃん。うちの会員も大喜びだぜ」
誰?
知らない男がいる。刺青が腕に彫ってある、大柄な男。
( ・∀・)「つまみ食いしちゃいます?」
「おぉ。いいねぇ。俺4万払うから最初にやらせろや」
( ・∀・)「どうぞどうぞ」
川д川「あ……がっ……」
モララー君。助けて。
と、言おうとしたが声にならない。ガムテープで口が塞がれているようだった。
「おお、いいねぇ! この反応。やっぱ素人じゃねーとだめだな」
( ・∀・)「やらせは萎えますからねー。んじゃ、お楽しみを……」
「おう。終わったら呼ぶわ」
川д川「がっ……むぐっ!」
モララー君に助けを請う。
だけど、一瞬わたしのほうを見たモララー君の瞳は
( ・∀・)
何も映っていなかった。
何も。
私は映っていなかった。
「さあて、どんなモンかな……。楽しもうぜ。貞子ちゃんよぉ」
川;д川「んぐ、んぐぐ!」
男がよだれをたらしながら近付いてくる。
私は必死に身を捩じらせたが
「大人しくしろよ!」
パン!
頬を殴られた。
ゴスッ!
腹を殴られた。
川;д川「ぐ、むぐ!」
「あはは。泣いた泣いた。いいねぇ、そそるねぇ」
痛みと怖さで頭がどうにかなりそうだった。
私はなんでここにいるの? どうしてこんな目にあうの?
さっきまでの幸せが幻のように、心の中から記憶の中から消えていく。
私は忘れていた事を思い出した。
ああ。そうだった。
私は昔からこうだったじゃないか。
人に蔑まされ嫌われ苛められ、信じた人から裏切られ。
幸せなんて一度も掴んだ事はなかったのに。
無駄な期待に胸を躍らせて、バカみたいだ。
川;д川「あ、あう……」
「おーっし、まずは下から脱がすか!」
ずしりと、黒い塊が心の中に落ちていく。
これは、不幸だ。
幸福の反対。私がずっと抱えてきたもの。
その時だった。
( ゚∀゚)「オラァ!」
「ぐおっ!」
突然入ってきたジョルジュ君に、男が蹴り飛ばされた。
(;゚∀゚)「貞子サン!」
川;д川「む、むぐ……ぷはっ! じょ、ジョルジュ君」
(;゚∀゚)「もう大丈夫だ。貞子さん、君を助けに来た!」
ガムテープを外してくれたジョルジュ君に、私は思わず抱きついた。
川;д川「う、ううっ……うあああっ……!」
( ゚∀゚)「貞子サン……」
川;д川「こわ、怖かったよぉぉ……!」
( ゚∀゚)「もう大丈夫。大丈夫だ」
川;д川「う、うう……!」
( ゚∀゚)「怖かったよな。ごめんな、遅くなって」
川;д川「あ、あり、ありがとう。ありがとうジョルジュ君……!」
( ゚∀゚)「もう大丈夫だから」
( ゚∀゚)「君は、俺が食べてあげるからさ」
川д川「え?」
バギィ!!
川;д川「あっ!」
頬を、思い切りグーで殴られた。
( ゚∀゚)「よいしょ」
ガン!!
倒れたところに、今度は蹴り。
( ゚∀゚)「どっこらしょ」
ゴッ!!!
( ゚∀゚)「そんなさぁ」
バキッ!!
( ゚∀゚)「都合よく助けが来ると思った?」
ガンッ!!バシィッ!!
( ゚∀゚)「来るわけねーじゃん。てめぇなんかによー」
ゴッ!!!
( ゚∀゚)「身の程わきまえろや。クソアマがよぉ。クソ虫。下種。生きてる価値ねーな」
川;д川「がふっ! も、もうやめ」
ぐしゃっ!!!
川;д川「あぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁッ!!!!」
( ゚∀゚)「っせーな。手首折れたくらいで騒ぐなや」
ガッガッガ!
( ゚∀゚)「あ、いっとくけど死なせねーぞ?」
ぐりぐり
( ゚∀゚)「おめーみてぇのは醜く生きるのがお似合いだからな」
ガッガ!
川д川「……」
( ゚∀゚)「うわ、すげーブサイクな面」
( ゚∀゚)「最っ高だね。最高に不幸な顔してるよアンタ。
今までで一番うまそうだ。んじゃ、そろそろ廃人になるまえに、いただきます、と」
ジョルジュの口が近付いてくる。
何。
何をするつもりなの。
川д川「や、やめっ……!」
( ゚∀゚)「……」
動きが止まった。
( ゚∀゚)「てめぇ、どうやってココに入った?」
('A`)「俺を舐めるな。妖怪」
そこには、
ドアに寄りかかった一人の男。
川д川「ど、ドクオ……?」
( ゚∀゚)「へぇー。よく気付いたじゃん。あんた、そっちの方の人?」
('A`)「まあな。しかし、まさか呪いの根源が銅像とはな……。
通りで体には何も無い訳だ」
川д川「な、何……な、の?」
('A`)「貞子。悪いとは思ったが、お前の部屋にあがらせてもらった。
あの銅像はな、呪いがかけられていたんだよ」
呪い?
('A`)「幸せになる呪いがな」
( ゚∀゚)「ククク、いい呪いだろぉ?」
('A`)「そう。一見すると良い効用にみえるが、あれには重大な落とし穴がある……。
あれは、幸せになる幻想を見せる呪いだ」
( ゚∀゚)「幻想だとしても、幸せは幸せでいーじゃねえか。
こいつはよぉ、中学時代はうじ虫みてーな生活をしていた。
あの銅像のおかげで、いい夢みれたんじゃねーか。満足してたろぉ? なぁ?」
川д川「あ、う、あ」
声が出ない。私が見ていたあの世界は、幻だっていうの?
('A`)「偽りの幸せなど、本当の幸せではない。
貴様はそれを利用した。貞子を幸福から一気に不幸へと落とした。
不幸……それが貴様の目的なのだろう? ジョルジュ、いやバク!」
( ゚∀゚)「まあなー。不幸こそが俺の飯だからな。
不幸→幸福→不幸の流れで生まれた不幸が、一番うまい」
('A`)「かつては不幸を食べる良妖怪だった貴様がここまで落ちぶれるとはな。
悪いが、除霊させてもらうぞ」
ドクオが、どこからともなく青白い刀を取り出した。
( ゚∀゚)「ひゃひゃひゃ! なら、これでどうだい?」
川д川「あ、あああっ!」
ググッ!
川゚∀川「ひゃひゃひゃ! これで斬れないだろぉ! ドクオさんよぉ!」
('A`)「乗っ取りか」
( ゚∀゚)「ひゃひゃひゃ! 貞子よぉ。
俺が除霊されれば、呪いも何も全部ぱぁだ!
それでいいのかい? 本当にいいのかい?」
川д川「……う、うう」
( ゚∀゚)「そりゃあ確かに、俺はてめぇを不幸にするさ。
飯のためだ。仕方ねぇ。だがよ、その代わりに幸福も与えてやれる!
どうだ? 交換条件だ。この世界は俺の支配下。リセットなんていつでもきくんだ」
( ゚∀゚)「またモララーと清く正しい恋愛が出来るんだぜ?
現実でのテメェに出来ない最高の幸福がそこにまってる。
現実だったら不幸不幸不幸だが、こっちの世界なら不幸のあとに必ず幸福が訪れる!」
川д川「わ、私は……」
( ゚∀゚)「さあ、俺に力を貸せ! 部外者を追い出してやろうぜ。
なあに、簡単だ。妖刀は人を斬れねぇ。おめぇが俺の宿木になってくれれば
俺は無敵だ!」
('A`)「貞子! そいつを体から追い出すんだ!」
ドクオは刀を構え、叫んだ。
('A`)「リセットのきく世界での幸せなど、幸せではない!
不幸だけが積もり、他人に支配された人生に幸福など決して訪れない!
貞子、そいつを突っぱねるんだ! 俺が、お前を助けてやる!」
川д川「わ、私は……」
( ゚∀゚)「幻想を選べ! お前の幸せはこちらにあるぞ」
('A`)「現実へ戻れ! 過去と他人はかえられなくても、自分を変える力は確かにお前に備わっているんだ!」
現実か虚像か。
どっちのが幸せなんだ?
「貞子さーん、掃除やっといてねー」
私はずっと、他人に支配されてきた。
「この銅像を買えば幸せになりますよ」
ずっと他人に流されてきた。
('、`*川「この服なんかどう?」
だから、私がとるべき選択は。
(;'A`)「くそっ!」
( ゚∀゚)「んあ? 何をするつもりだ?」
('A`)「おおおおおおおっ!!」
川д川「私は」
私の選択は、
もみもみもみッ……!
('A`)「秘儀、魂の愛撫……ッ!」
川д川「な」
川#д川「何すんじゃぁぁぁぁぁぁ――っ!!!!!!」
ドガァ!!
(;'A`)「うぐおぉぉぉっ!」
川#д川「気持ち悪い、気色悪い、最悪、最低、変態……!」
(;'A`)「ま、負けてたまるかぁぁぁ!!!」
さわさわ、もみっ! ぎゅっといちばんしぼり!
川#д川「ギャー! ち、乳首を……! 殺す! 絶対に殺す!」
ガガガがぬるぽガッ!!!!
(;'A`)「あああああああ!!!」
(;゚∀゚)「うおっ! な、なんだ! の、乗っ取れねぇ!
しまった、怒りで貞子の人格が全面に出てきてんのか!!」
(;'A`)「今だ!!」
チャキッ!
(#'A`)「妖刀、呪真刀。一閃突きッ!」
スパァァァァァァァン!!!
(;゚∀゚)「ぐ、お、ば、馬鹿な……!」
('A`)「その人の素を見たいのならば」
チャキン。
('A`)「怒らせるのが、一番手っ取り早い方法さ。
貴様の戦略など読んでいたわ。故に、俺はセクハラをしていたのさ。
貴様は俺をただの変態と見くびっていたようだが、それが仇となったな」
(;゚∀゚)「ちっ……一枚、上手、だった、ってことかよ……」
ピキ
パリーン……!
('A`)「虚像の世界が崩れていく」
川#д川「最低、最低ぃぃぃぃ!!!」
ゲシィ!!
('A`)「ぐおっ! よ、ようやく長い世界に、ぐはっ!
終止符を打つときが、痛いって きたようだな」
('A`)「貞子」
川;д川「う、うう。もうお嫁にいけない」
('A`)「確かに現実は辛い事もある。幸福よりも不幸のほうが多いかもしれない。
だがな、現実は、変えられる。自分の力で、変えることが出来るんだ」
川;д川「痛い、ひりひりする。ちくびひりひりする」
('A`)「すまん強くしすぎた。
……ここでの記憶は消え、俺達は高校の入学式の日に戻るだろう。
だがな、今言ったことだけは、心の隅に刻み付けておいてくれ」
パリン……。パリンパリンパリン。
('A`)「虚像の世界はまもなく消える。じゃあな、貞子。
また現実で会おう」
川;д川「うっう。もう顔も見たくない」
('A`)「……似合ってるぞ。その服」
川д川「え?」
('A`)「最後だから!!」
もみもみもみもみもみ
ちゅっちゅちゅっちゅ
川;д川「ぎゃーーーーー!!!」
(;'A`)「服の上からでいいから!乳首!乳首吸わせてくれーな!
ハァハァ、ばぶーばぶー! ぼくみるくほしいでちゅ!
ちょっとだけ! ね? 一瞬でいいから記憶なくなるからっ!!」
川;д川「いやぁぁぁあぁ!!!!」
ドグシャァァァァァ……!!!
――……
―…