( ^ω^)ブーンは装術士のようです (http://raicho.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1293884531/) 戻る
- 1 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/01(土) 21:22:11.40 ID:wLlPA33J0
- 代理だぜぃ
- 2 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/01(土) 21:29:16.30 ID:owFGoxBzO
- なにこのゴミ、なんでこんなに人気ないし駄文を平然と公共の場に晒せるんだ?
まずストーリー、よくあるラノベっぽいなにかに萌え(笑)キャラ。
まるでマネキンのような個性のないキャラ。
地の文は文体からしてレベルが低い。
はっきし言ってしまえば俺からして見れば
アマチュアの『ア』の字すらもったいないないゴミ駄作だと思うわ。
小説を語るのもおごがましいんだよ。
小説はな?らくがきとは違うんだよらくがきとは
厨房の妄想じゃないんだよ。高等で至高なんだよわかったか?
クソつまらない駄作を二度と見せんな勘違い野郎が。
- 3 名前:>>1ありがとうございます:2011/01/01(土) 21:31:57.00 ID:1/8UBb6HO
- (今日投下をするのは)有名作者だと思ったか?俺だよ!
そんな感じで
「シベリア長編序章祭」より
まとめ様(敬称略)
ブーン系小説グループ
フェレット速報
かぎまとめ
第五話「山賊と恐怖」
- 4 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/01(土) 21:36:52.90 ID:1/8UBb6HO
- 受付「――――お二人に、手紙が届いております。どうぞ」
VIPの首都を目指している二人は、経路の途中にあるエスエススレという町に立ち寄る。
そこのギルドに二つの手紙が届いていたので、読んでみる事にした。
(*^ω^)「お!一通は技師さん達からだお!」
川 ゚ -゚)「ふむ……」
――――元気か?
といってもちょっと前に会ったばっかりだから元気に決まってるわな。
こっちは元気だから心配すんな。
さて、本題だが。
アヒャが目を覚まして洗いざらいぶちまけてくれたぜ。
残念だが、あいつに魔法機械を渡した奴が誰なのかはまったくわからなかった。
ただ、どうも奴らは組織だって動いているらしい。
アヒャみたいにそそのかされた奴も少なくはないと聞く。
十分に気を付けてくれ。
それとアヒャの事だが、俺達に協力してくれる事になった。
「傭兵とは違う形でやれることをする」そうだ。
情報は入り次第そちらに伝える。じゃあな。
- 5 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/01(土) 21:38:36.43 ID:B47P0TkZ0
- おお支援
- 6 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/01(土) 21:38:51.50 ID:1/8UBb6HO
- 川 ゚ -゚)「思ったよりシンプルな手紙だな。もっと長々と書くのかと」
意外にも短い文面に意表を突かれたクー。
( ^ω^)「文章だとめんどくさいんじゃないかお?」
川 ゚ -゚)「なるほど、納得だ」
( ^ω^)「でもアヒャさんが大丈夫そうで良かったお!」
実際はどうかわからないが、文章からはアヒャがなんとか立ち直ったように見える。
二人はそれに安堵していた。
川 ゚ -゚)「逃げる様に町をたったからな。……いずれ彼には謝罪しなければ」
そういいながらもう一通の手紙を取り出すクー。
差出人は『ヒート』と書かれていた。
- 7 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/01(土) 21:41:07.84 ID:B47P0TkZ0
- しえん
- 8 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/01(土) 21:42:30.58 ID:1/8UBb6HO
- ――――お姉様!お元気でおられますでしょうか!
わたしは相変わらず元気でやっておりますので心配ご無用です!
お姉様の方からお手紙をいただいた時は嬉しくて嬉しくて飛び上がるほどでした!
――――そこ以降はほとんどがクーに対する賛辞で埋め尽くされていたため、クーはその部分を黙読する。
川;゚ -゚)「……相変わらずだな」
――――さて、お手紙にクーお姉様の美しく力強い字で書かれていた装術士の少年の事ですが、
川;゚ -゚)「ようやく本題か……」
お断りします!
川 ゚ -゚)「えっ」
あまりの事に自分が見間違えたのだと思ったクーは、再びそこに書かれている文を読み返したが、
――――お断りします!
川 ゚ -゚)「えっ?」
- 9 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/01(土) 21:49:36.29 ID:B47P0TkZ0
- しえしえ
- 10 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/01(土) 21:50:14.96 ID:g1D9GWab0
- 支援
- 11 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/01(土) 21:50:50.88 ID:1/8UBb6HO
- 何度読み返して見てもそこに書かれている文章に変わりはなく、
筆跡も本人のもので間違いないという事を確かめたクーは、
川; - )「はああああああぁぁぁあぁ……」
とても大きなため息をついた。
川;゚ -゚)「まったく予想していなかった訳ではないが……」
そうぼやきながら一応先を読み進める。
――――幾らパーフェクトビューティーなお姉様の頼みと言えど男の面倒など見れません!
申し訳ございません!
そいつの面倒は見ませんが、とりあえずお姉様に会いに行きます!
恐らくこの手紙が届く頃にはエスエススレ辺りにいらっしゃると思いますのでわたしもそちらに向かいます!
申し訳ないのですがわたしが着くまでエスエススレでお待ち下さい!
――――――親愛なるクーお姉様へ
ヒートより
- 12 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/01(土) 21:52:36.49 ID:owFGoxBzO
- つまんね(笑)
- 13 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/01(土) 21:53:09.35 ID:B47P0TkZ0
- ふむ
- 14 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/01(土) 21:55:43.75 ID:wLlPA33J0
- 支援
- 15 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/01(土) 21:57:10.91 ID:1/8UBb6HO
- 手紙を読み終えたクーはまた軽くため息をついた。
(;^ω^)「えっと、要するに断られたって事ですおね?」
川;゚ -゚)「ふう……とりあえずこちらに来てくれるというのならなんとかするしかないな」
直接会えれば拝み倒すなりなんなりして一度だけでも装術の手ほどきを受けさせておきたい。
今までは運よく勝ちを拾って来たが、この先戦いは更に激しくなるであろう。
クー自身は勿論のこと、ブーンの力も今より高めておかねばならない。
川 ゚ -゚)「ヒートが来るまでこの町にいなければならないな……」
滞在するにも移動するにもお金がかかる。
そんな訳で出来るだけ時間のかからない仕事をこなす事にする。
――――――――――
(;^ω^)「まさか下水道の掃除をさせられるなんて……」
川 ゚ -゚)「聞いてはいたが実際にやってみたのは初めてだな……む、新聞か」
下水道掃除を終え、ギルドに行く途中に新聞が捨てられているのを見つける。
ゴミが落ちている事でエスエススレの古き良き整然とした景観をぶち壊しにしている。
川 ゚ -゚)「けしからんな、まったく。
こんな事をする奴がいなくならないからいつまでも傭兵の出番が減らないんだ」
- 16 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/01(土) 22:04:38.08 ID:1/8UBb6HO
- ゴミが捨てられていた事と、誌面を飾っている事件の二つに対してクーがぼやく。
( ^ω^)「どうかしたんですかお?」
クーは新聞を指し示して、
川 ゚ -゚)「これだよ。この辺りの山道にどうやら山賊が出るようなんだ」
そう答える。クー達の進路には関係はないが、
山を越えなければならない先の町の人や物が移動できなくなる事は重大な事件と言える。
(;^ω^)「山賊!?」
ブーンが反応するが、どうも様子がおかしい。
川;゚ -゚)「ど、どうしたんだ?いきなり大きな声をだして」
(;^ω^)「い、いや、なんでもないんですお」
川 ゚ -゚)「?」
- 17 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/01(土) 22:05:04.54 ID:B47P0TkZ0
- 支援
- 18 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/01(土) 22:08:20.85 ID:1/8UBb6HO
- 受付「こちらの仕事は町から直接依頼を受けておりますので即日報酬が出ます。はい、どうぞ」
このようなギルドが予め町から依頼を受けているような仕事は、
既に料金の契約が両者間で済んでいる為に報酬をすぐに受け取ることが出来る。
ただし傭兵の都合により報酬をつりあげたりすることは出来ない。
そんな訳で、なるべく町から離れずに短い時間でお金を稼ぎたいクー達にとってぴったりの仕事だと言える。
川 ゚ -゚)「他にこのような仕事はありませんか?」
受付「少々お待ち下さい。……ありました、山賊退治の仕事です」
(;゚ω゚)「!!」
川 ゚ -゚)「詳細はわかりますか?」
受付「調査書類があります。――――どうぞ」
川 ゚ -゚)「この先の山道に現れ、馬車や旅人を襲う。
人数は10人程度、リーダーのエクストと名乗る男は風の装術士だと思われる、か……」
ということは元々は軍人もしくは傭兵であったことになる。
川 ゚ -゚)「人数はともかく戦いなれしていて魔法を使うリーダーは厄介だな……」
- 19 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/01(土) 22:11:50.40 ID:1/8UBb6HO
- 加えてこちらには山道という場所で戦った経験が無い。
下手をうてば分断され1対10などといった状況に追い込まれかねない。
なんにせよこちらの不利にはかわりなく、二人だけで遂行するのは難しいと言える。
川 ゚ -゚)(流石にこの事件にはフォックスは関わっていないだろうが……)
向こうにも協力者がいるとはいえ、それほど多くいる訳ではないだろうから、
山賊などに手を貸している可能性は極めて低い。
ただ警戒するに越したことはないとは思うが。
川 ゚ -゚)(ヒートがこちらに来るまで待ち、それから三人で受けるべきかな)
そう考え、ひとまず書類を受付に返そうとするも、その手が掴まれ止められる。
クーが驚いて横を向くと、その手の主はブーンだった。
川;゚ -゚)「ど、どうした?」
(;^ω^)「すみませんクーさん。この仕事、受けさせて下さいお!」
川 ゚ -゚)「……別に受けないと言う訳ではないぞ。ヒートと合流して、万全の状態を帰す必要があると判断したまでだ」
(#^ω^)「それじゃあ遅いんですお!」
宥めるようなクーの言葉に反発するように言い放ったブーンの様子は、明らかにいつもとは違っていた。
- 20 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/01(土) 22:14:18.13 ID:B47P0TkZ0
- 紫煙
- 21 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/01(土) 22:19:36.72 ID:1/8UBb6HO
- それを不思議に思ったクー。
功を焦っているのかと考えたがブーンはそのような人間ではない。
この際素直に事情をたずねた方がいいだろう、そう考えた。
川 ゚ -゚)「ブーン君、どうした?良ければ事情を聞かせてくれないか」
それを受けたブーンはしばらく言葉に詰まっていたが、
( ^ω^)「とりあえずここじゃちょっと……」
一旦場所を変え、話をすることになった。
―――――――――
川 ゚ -゚)「……なるほどな」
ブーンの話をまとめると、昔ガイドラインで一緒に遊んでいた友人の家族が山賊に殺されてしまったらしい。
今こそその友人は孤児院に入った後、自立して別の町に働きに行ける程回復したが、
最初の頃はとても見ていられない状態だったそうだ。
( ^ω^)「だから、あんなことにならないように少しでも早く山賊を退治したいんですお……
お願いします!」
川 ゚ -゚)「…………」
川 ゚ -゚)「駄目だ」
- 22 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/01(土) 22:20:35.19 ID:B47P0TkZ0
- しえ
- 23 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/01(土) 22:20:53.40 ID:HjRSE4vn0
- 支援
- 24 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/01(土) 22:24:22.71 ID:1/8UBb6HO
- 事情を聞き、改めてお願いをされたクーだが、その答えは否だった。
(;゚ω゚)「!……な、なんで!」
川 ゚ -゚)「君の事情はわかった。心情はいかほどかは察せないが理解はできる」
(;^ω^)「じゃあ!」
川 ゚ -゚)「だからこそなおさら今はこの仕事を受けるわけにはいかない」
時間のことについて懸念がないわけではないが、着実に仕事を完遂するためにやはりヒートを待つ必要がある。
一筋縄で行く相手ではないのだ。
なにより冷静さを欠いた今のブーンでは何をするかわからない。
川 ゚ -゚)「すまん、わかってくれ。君に早まったことをさせたくない」
( ω )「……わかりましたお」
ブーンは納得していない様子だがとりあえず引き下がる。
ただ安心はできないので極力クーの監視下に置かれることになった。
- 25 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/01(土) 22:24:39.30 ID:R1AUiyAgO
- 支援
- 26 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/01(土) 22:26:59.10 ID:1/8UBb6HO
- 川 ゚ -゚)「お騒がせしました。これはとりあえずお返しします」
受付「そうですか、わかりました。また仕事を受けるときはお申し付け下さい」
ギルドを出た二人は、宿に戻り待機することにした。
先ほどの事があったばかりなので、なるべく外には出ないようにする。
川 ゚ -゚)(ブーン君が一人で勝手に行動するとは思わんが、今回に限っては警戒せざるを得ないな)
川 ゚ -゚)(事情が事情だけに仕方ない事ではあるが、明らかにいつもとは違う)
今日はもう遅いのでそこまで気を配る必要はなさそうだが、一応ブーンと離れる事のないようにする。
(;^ω^)「あ、あの!」
川 ゚ -゚)「どうした?」
(;^ω^)「流石に風呂やトイレにまでついてくるのは……」
川 ゚ -゚)「む。確かにデリカシーに欠けていた。すまんな」
- 27 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/01(土) 22:32:14.04 ID:1/8UBb6HO
- その日は何事もなく過ぎ、ブーンもぐっすりと寝ている。
川 ゚ -゚)(少し大げさ過ぎたか、不快な思いをさせてしまったかな)
川 ゚ -゚)(私も寝よう……明日の朝もとりあえず気をつけなくては)
川 - -)
( -ω-)
( ^ω^)
- 28 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/01(土) 22:32:21.11 ID:B47P0TkZ0
- しえん
- 29 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/01(土) 22:34:39.87 ID:1/8UBb6HO
- 翌日の朝、クーが目を覚ましてみると、ブーンが居ない事に気付く。
川;゚ -゚)「やられた!?」
川 ゚ -゚)(いや、トイレに行っただけかも知れん。もし山に向かったとしてもそう容易く奴らと出会うことは……)
そう考えブーンを探すが、やはり宿屋の中にはいるはずもなく
宿をあとにして山へ向かう。
川;゚ -゚)(私より『先に起きた』のではなく『私の寝た後に起きた』のか……!)
宿の主人に聞いてみたところどうやら深夜に出たきり帰ってきていないようだ。
流石にそんな時間に山賊の所に行くことはなさそうなので山の周辺で野宿でもしたという事だろうか。
川;゚ -゚)(そうであればまだ追い付ける!)
山へ向かう足を早める。
すると、見慣れた少年が道端で眠っているのを見かける。
( -ω-)
川 ゚ -゚)「……まさかこんなに近くにいるとは」
- 30 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/01(土) 22:35:35.17 ID:B47P0TkZ0
- ふーむ
- 31 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/01(土) 22:38:09.46 ID:owFGoxBzO
- 空気作者さん頑張れ!
- 32 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/01(土) 22:38:37.68 ID:1/8UBb6HO
- ブーンに間違いない事を確認すると、揺さぶって起こす。
( -ω^)「んが」
目をしばたたかせながら起きたブーンはクーが目の前に居るのを認めると、
(;゚ω゚)「!」
立ち上がって逃げようとするも勿論クーに引き留められる。
川 ゚ -゚)「待て。……君には負けたよ。山賊退治、行こう」
(;^ω^)「ほ、ほんとですかお!?」
川 ゚ -゚)「ああ、ただしちゃんと準備をして行こう。まだ朝ごはんも食べていないだろ?」
( ^ω^)「……わかりましたお」
――――――――――
食事を済ませ、正式に仕事を受ける手続きも終えて、
とうとう二人は山賊のアジトがあると言われている山へ足を踏み入れた。
川 ゚ -゚)「自分の命を守る事を最優先にしろ。私の事は気にしなくていい。
それと、くれぐれも無茶な事はしないでくれ。これだけは守って貰う」
- 33 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/01(土) 22:39:46.17 ID:R1AUiyAgO
- 支援
- 34 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/01(土) 22:41:38.80 ID:B47P0TkZ0
- 四円
- 35 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/01(土) 22:44:56.29 ID:1/8UBb6HO
- クーはブーンにそう警告する。
少し躊躇っていたがうなずくブーン。
川 ゚ -゚)(もう少し慎重に行きたかったが、仕方ない)
クーは貞子に言われた忠告、カーチャンとドクオに託された事を思い返し、
川 ゚ -゚)(守ってみせるさ、私の命にかえても)
そう心の中で呟いた。
――――――――――
しばらくは山道を道なりに進み、何も起きなかったが、
川 ゚ -゚)「近いな……」
クーが気配を感じとり、戦闘態勢に入る。
それを見たブーンも慌てて武器を構える。
しかし―――――
川;゚ -゚)「くっ!」
いきなりブーンの体を掴み体勢を低くするクー。
その頭上を突風が通り過ぎていく。
- 36 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/01(土) 22:48:29.17 ID:1/8UBb6HO
- 間髪入れずに複数の男達が二人を取り囲んだ。
その中にいる小柄な男が口を開く。
<_プー゚)フ「女の方は少しはやるみてえだな。俺達を退治しに来たかよ」
どうやらこの男が山賊のリーダー、エクストのようだ。
<_プー゚)フ「さて、早速で悪いが……」
周りの男達が武器を構える。
<_プー゚)フ「死ね」
それを合図に男達が二人に襲いかかる。
山賊「うおらああああaげあっ!?」
その内の一人が剣を振りかぶりクーを斬りつけようとした瞬間、
横から叩きつけられた火の玉に吹き飛ばされる。
山賊「あ、あちい!あちいよ!」
転げ回り火を消す男を見て他の男達も怯む。
川 ゚ -゚)「数で圧し潰せると思われていたならば、なめられたものだ」
クーが既に出現させていた火の玉を二つ程空中に浮かべながら言い放つ。
その言葉は恐らくエクストのみに向けられていた。
- 37 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/01(土) 22:50:15.46 ID:B47P0TkZ0
- sien
- 38 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/01(土) 22:52:57.81 ID:1/8UBb6HO
- <_プー゚)フ「いいや、思っちゃいねえよ。これっぽっちもな」
未だに地面に転がっている男の顎を蹴飛ばしてエクストが喋る。
それを見た男達が驚き、再び戦意を取り戻す。
(#^ω^)「お前!仲間じゃないのかお!」
<_プー゚)フ「仲間ぁ?……ダハハハハハハハ!笑わせるじゃねえか!」
<_プー゚)フ「こいつらとは利害関係で繋がってるだけだ」
<_プー゚)フ「こいつらが俺のおこぼれを頂戴する。俺は駒が手に入る。WINWINの関係だろ?」
川 ゚ -゚)「ふん、使い捨てにされるのにWINWINの関係もなかろう」
WINWINなどと言ってはいるが、エクストは男達を完全に駒として扱っている。
それでも従わざるを得ないのはそれだけエクストの力が強力だと言うことだろう。
<_プー゚)フ「まあお喋りはこれくらいにしとこう。さて、頑張れよ」
誰に向けられているのかわからない言葉を吐き、エクストが突撃してくる。
(;^ω^)「くっ……」
慌てて装術を発動させるブーン。
エクストの剣を受け止めようとする。
それを見て僅かに口角をあげるエクスト。
- 39 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/01(土) 22:56:38.10 ID:B47P0TkZ0
- しえぬ
- 40 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/01(土) 22:57:03.88 ID:1/8UBb6HO
- 川#゚ -゚)「ブーン君、かわせ!」
クーの声に戸惑いながらもかわす事に成功した。
追撃をしようとしたエクストを火の玉が阻む。
<_プー゚)フ「……ちっ」
ブーンは疑問を込めてクーの方を見る。
男達を牽制しながら少しづつブーンの方に寄ってきたクーは小声で、
川 ゚ -゚)(すまない、言い忘れてしまったんだが君の土属性と奴の風属性では相性が悪い。
今はこれだけ覚えておいてくれ)
そう言ったのでうなずく。
とにかくブーンはエクストの装術には気をつけた方がいいようだ。
すると突然エクストが大声で叫びだした。
<_プー゚)フ「おいおい、何をびびってやがる!?打ち合わないといつまでたっても終わんねーぞ!?」
一見ブーンを挑発する言葉のようにも思えたが、男達が怯んだので恐らく男達を急かす言葉なのだろう。
何人かの男が再びこちらに斬りかかって来る。
- 41 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/01(土) 23:01:17.28 ID:1/8UBb6HO
- クーは火の玉で、ブーンは装術で応戦する。
先ほど顎を蹴られ悶絶していた男も立ち上がり突撃してくる。
今度は火の玉が当たっても他の男は怯む事なく突っ込んでくる。
川;゚ -゚)「ぐっ……」
棒で剣を受け止めるも、このままではいずれやられてしまう。
だが横からナイフが飛んできて男が飛び退く。
ブーンが援護をしてくれたようだ。
体勢を立て直し、再び火の玉を出現させる。
少しづつではあるが、追い詰められている事を感じる。
川 ゚ -゚)(こう囲まれていては大技も使えない……ならば)
更に火の玉を出現させる。
クーの周りには合計五つの火の玉が浮かぶ。
やはり火の玉を脅威と思っているのか男達が少し警戒する。
<_プー゚)フ(おーおー便利だねえ。……だけど魔力の方は大丈夫かな?)
『火の玉』は元々直線上にしか飛ばない魔術だったものを魔力を使い制御出来るように改良したものだ。
あのように自在に操るだけでも魔力を消費するし、数を増やせばそれだけ負担も増す。
<_プー゚)フ(女の息切れは近い、かな)
目論見通りになっている事にほくそ笑む。
- 42 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/01(土) 23:02:49.71 ID:B47P0TkZ0
- ふむふむ
- 43 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/01(土) 23:09:15.75 ID:VV1dhoQ1O
- 支援
- 44 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/01(土) 23:11:43.76 ID:1/8UBb6HO
- <_プー゚)フ「そら行け!」
エクストが更に男達を大声で煽る。
三たび男達は突撃する。
が、その手に持った武器が弾き飛ばされる。
ブーンが装術を纏ったナイフで武器を狙ったのだ。
アヒャと戦った時に偶然発揮された力だったが、しっかりと自分の物にしていた。
これにはクーも驚いたが、すかさず火の玉で武器を落とした男を攻撃する。
男1「ぐはっ!?」
「ッ!」
男2「がっ!?」
男3「ぎっ!?」
男4「ぐげっ!?」
更に他の男にも火の玉をぶつける。
そして一つ残った火の玉で牽制しながら、
川#゚ -゚)「はあっ!!」
更に四つの火の玉を出現させた。
<_プー゚)フ「あれっ?」
- 45 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/01(土) 23:13:19.92 ID:1/8UBb6HO
- 計算が狂う。
女魔術師の方はさっきからずいぶんと無理をしているように見えたのだが、
涼しい顔で四つもの火の玉を一度に作り上げた事はエクストを少なからず驚嘆させた。
<_プー゚)フ(あの女の方はまともに相手するのは難しいな)
物量作戦で魔力切れを狙おうとした作戦が通用しなさそうだと考えたエクストは、
<_プー゚)フ「お前ら!逃げるぞ!」
山道を引き返し逃げる事にした。
川;゚ -゚)「なに……?」
――――――――――
川 ゚ -゚)「ふう……」
圧倒的優位の状況からあっさり退いたエクストに若干の違和感を抱くが、とりあえずは一息つく。
相性で勝るブーンを狙えばこちらが不利だという事はエクストもわかっている筈だが……
川 ゚ -゚)(やはり地の利を活かし確実にいくということなのか)
(;^ω^)「あ、あの」
- 46 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/01(土) 23:16:00.54 ID:B47P0TkZ0
- シエン
- 47 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/01(土) 23:19:24.92 ID:1/8UBb6HO
- 川 ゚ -゚)「む、どうした?」
(;´ω`)「すみませんでしたお、足を引っ張ってしまって」
川 ゚ -゚)「なに、気にする事はない。相性の悪い相手だったんだ」
( ^ω^)「相性、って?」
川 ゚ -゚)「あまり時間もなさそうなので手短に話すぞ。マナの属性には相性があるんだ」
光と闇属性以外の属性には有利な属性と不利な属性を持っている。
光と闇属性は互いが互いを打ち消し合う相殺の関係である。
川 ゚ -゚)「相性の悪い属性と対等に渡り合う為にはマナの量が三倍必要になる」
(;^ω^)「さ、三倍ですかお……じゃあ」
ブーンの脳裏に浮かぶのは先ほどのエクストの笑顔。
もしあのまま打ち合っていたら……
川 ゚ -゚)「そういう事だ。だからくれぐれも単独で奴と戦おうとするのは止めてくれ」
川 ゚ -゚)「さて、ここから先は今よりも慎重に行かなくてはいけないぞ」
- 48 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/01(土) 23:20:20.66 ID:B47P0TkZ0
- 私怨
- 49 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/01(土) 23:24:11.82 ID:1/8UBb6HO
- 罠や不意討ちを警戒しながら少しづつ進んで行く。
しばらく不意討ちはおろか罠が仕掛けられている様子もなく過ぎていく。
<_プー゚)フ「ようお二人さん」
川 ゚ -゚)「……リーダー自らお出ましか」
突然山道に現れたエクスト。
他に誰も連れていない所を見るに、明らかに罠であろう。
<_プー゚)フ「おらよっ!!」
叫び剣を振るエクスト。
突風が発生して二人に向かってくる。
飛び退きかわすが、山道が狭い上に片側が崖になっているので、思うように動けない。
<_プー゚)フ「今だ!やれ!」
その声に反応して斜面側から現れた男達。
瞬く間に滑り降りてクーを囲んでしまう。
(;゚ω゚)「クーさん!」
川;゚ -゚)「問題ない!君は自分を守る事を考えろ!」
<_プー゚)フ「本当に問題ないのかな?」
- 50 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/01(土) 23:32:28.45 ID:1/8UBb6HO
- そう問いかけるエクストは先ほども使った突風をまったく見当違いの方向に放つ。
だが―――――
川;゚ -゚)「なにっ!?」
クーの頭上に大量の土砂が降りかかる。
どうやらあの攻撃は何らかのトラップの起動を促したようだ。
川;゚ -゚)「しまっ――――」
伏せて頭を守る事で精一杯だった。
逃げる事も出来ずにクーは男達もろとも土砂に飲み込まれる。
(;゚ω゚)「く、クーさん!クーさん!」
クー達が埋まった土砂に駆け寄ろうとするブーンにエクストが立ちはだかる。
<_プー゚)フ「よう、ようやくタイマンだなぁ」
(;゚ω゚)「ど、どけお!」
<_プー゚)フ「俺が埋めたのに助けさせる訳ねえだろ」
<_プー゚)フ「それにあの女は言ったろ?『問題ない』って。“仲間”を信じろよ、なぁ?」
(#゚ω゚)「おまえぇぇぇえええええ!!」
- 51 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/01(土) 23:37:42.97 ID:1/8UBb6HO
- 激昂したブーンは装術を発動させてエクストに打ちかかる。
それを軽くいなし、反撃するエクスト。
(;゚ω゚)「うあぁ!」
<_プー゚)フ「どうした?頑張れよ」
エクストの一撃で倒れ込む。
装術も解けてしまった。
(#゚ω゚)「くっそおおおおおおおお!」
再び装術を発動させ、今度は地面にナイフを叩きつける。
エクストの足元の地面が隆起して、エクストが体勢を崩した。
<_プー゚)フ「……ふーん」
エクストはすぐに立ち上がり、三たび突風の技を使う。
<_プー゚)フ(場所を変えるか)
少年の能力なら土砂を簡単にどかされてしまうだろう。
手負いとは言え女魔術師と一度に相手をするのは骨が折れる。
- 52 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/01(土) 23:38:56.20 ID:B47P0TkZ0
- 支援
- 53 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/01(土) 23:42:14.62 ID:1/8UBb6HO
- (;゚ω゚)「うわっ!」
突風をなんとか避けるブーンだが、エクストはそれを盾にするようにして追撃してくる。
どちらの攻撃もかわすのがやっとで、ブーンはだんだんとクーのいる土砂から遠ざかってしまっていた。
(;゚ω゚)(ど、どうすれば……)
カウンターで一撃を浴びせようにも剣を交えただけで装術が解けてしまう状況では思うようにいかない。
なによりナイフの自分と剣のエクストではリーチの違いが歴然としている。
遠距離の攻撃も相手には突風がある。
突風そのものに攻撃能力はほとんどないが体勢を崩されるだけでも厳しい。
もはやブーンに残された選択肢はほぼないに等しかった。
<_フー )フ「逃げろよ。でないと死ぬぜ?」
エクストの放った『死』という言葉がブーンの耳にまとわりつく。
既に先ほどの怒りは消えてしまっていて、ブーンの心を支配していたのは死の恐怖のみであった。
(;゚ω゚)「う……うわああああああぁぁぁあ!!」
ブーンはエクストに背を向け逃げ出した。
- 54 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/01(土) 23:44:18.12 ID:B47P0TkZ0
- 紫煙
- 55 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/01(土) 23:44:25.75 ID:1/8UBb6HO
- (;゚ω゚)「はあ……はあ……」
全力で走った。
クーの事も、山賊に対する怒りも、エクストに対する怒りも、
何もかも放り投げて走った。
少し冷静になり、情けなさが込み上げてきた。
クーの警告を聞いていれば、
自分がもっと強ければ。
そんな思考が更にブーンを追い詰める。
<_プー゚)フ「よう坊主、元気してたか?」
- 56 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/01(土) 23:46:16.03 ID:1/8UBb6HO
- <_プー゚)フ「お前足速いねぇ。ちっと驚いたぜ」
なぜエクストがここに居るのか。
自分は全力で走った筈だ。
なぜ。
(;゚ω゚)「な、なんで」
<_プー゚)フ「あれ?知らなかったか?風属性の装術は脚力を上げるんだぜ?」
知らなかった訳ではなかった。
クーにも教えてもらっていた筈だ。
だが、完全に失念していた。
<_プー゚)フ「一所懸命逃げてたからあんまり追い付いちゃうの可哀想だなと思ってたんだけどさ」
<_プー゚)フ「もう十分離れたからいいかなと思って」
(;゚ω゚)「…………!」
最初からそれが目的だったのだ。
『厄介なクーをブーンから引き離す』ことが。
ブーンは完全に、エクストの手の平の上で転がされていた。
- 57 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/02(日) 00:05:22.21 ID:+FjYI8sA0
- 支援支援
- 58 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/02(日) 00:25:45.70 ID:+FjYI8sA0
- ほ
- 59 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/02(日) 00:36:00.34 ID:l0uVpgexO
- 「くっ……そっ……!」
川;#゚ -゚)「ぷあっ!」
土砂の下敷きになったクーは、なんとか脱出する事に成功していた。
川;゚ -゚)「はあ……はあ……」
思ったよりも量が少なかったのが幸いした。
元々時間稼ぎ程度の物だったのであろう。
だが、周りの男達も条件は同じ。
既に何人かは脱出して、気付いた者はこちらに刃を向けていた。
川;゚ -゚)「まだあんな奴に従うというのか……」
それとも、自分達の意思でクーを襲おうということか。
川 ゚ -゚)「容赦はせんぞ」
かなり疲労は溜まっていたが、周辺に見当たらないブーンに追いつかなくてはいけない。
火の玉を出現させながら男達にそう言い放つ。
- 60 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/02(日) 00:37:49.73 ID:+FjYI8sA0
- シエン
- 61 名前:すみませんちょっと寝てしまってました:2011/01/02(日) 00:40:18.85 ID:l0uVpgexO
- エクストの猛攻に防戦一方のブーン。
攻撃を受けることすらままならない。
(;゚ω゚)「…………!」
<_プー゚)フ「ひゃはははははははは!」
緑色の光を纏った剣をひたすら振り回してくる。
至近距離ではあの突風は使用してこないが、そんな事を気にしている余裕はない。
(; ω )「うっ!?」
突然、ブーンの目に何かが入る。
いつの間にか自分の額が切れて血が目に入ったらしい。
慌てて飛び退いて血を拭き取るも、また滲み出して来る。
いつの間に斬られたのか。
なんとか全ての攻撃はかわしていた筈だ。
<_プー゚)フ「何がなんだか分からねえって顔だな。……ならそのまま死ね」
(; ω )「う、うあああああああああ!!」
めちゃくちゃにナイフを振り回す。
だがエクストにはまったく通じず、簡単に防がれてしまう。
挙げ句の果てに体勢を崩し、尻餅をつく。
- 62 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/02(日) 00:42:57.70 ID:+FjYI8sA0
- 了解支援
- 63 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/02(日) 00:47:15.27 ID:l0uVpgexO
- ( ^ω^)(僕は、こんなところで死ぬのかお)
絶体絶命の状況だった。
しかし不思議と思考は冷静になっていく。
( ^ω^)(クーさんにも謝ってないお)
嫌だ。
死にたくない。
(;゚ω゚)(嫌だ、嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ)
(; ω )(死にたくない!)
<_;プー゚)フ「な……に……!?」
エクストの一撃は、分厚い土の壁によって阻まれた。
- 64 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/02(日) 00:49:47.07 ID:l0uVpgexO
- <_;プー゚)フ「何をした……?」
先ほどとは逆に、エクストの方が得体の知れない恐怖を感じていた。
少年が今まで力を隠していたとでもいうのか。そこまで考えて自らそれを否定する。
<_プー゚)フ(演技な訳がねえ。だったらあそこまで追い詰められない)
<_プー゚)フ(それに、いきなり雰囲気が変わった……)
思い当たる節があった。
エクストにも、エクストは知らないであろうがブーン本人にも。
<_;プー゚)フ(……暴走してやがるのか!)
ブーンが動く。
今までのブーンがそうしていたように黄色い光を纏ったナイフを地面に突き刺す。
<_プー゚)フ(地面の隆起―――違う!)
エクストの足元の地面が盛り上がったと思った次の瞬間には、大きな土の槍がエクストのいた場所を貫いていた。
<_;プー゚)フ「糞ったれ……!」
- 65 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/02(日) 00:53:27.16 ID:l0uVpgexO
- 川;゚ -゚)「…………」
肩で息をしているクー。
その周りに倒れふす男達。
川 ゚ -゚)「急所は外してある。死にはしない筈だ……聞いていないか」
川 ゚ -゚)(少し無茶をし過ぎたようだな)
疲労困憊の体に鞭を打って、ブーンの元に向かおうとしているその頭上に雨粒が振りかかる。
川 ゚ -゚)(雨、か)
川 ゚ -゚)「急がなければ……」
雨のせいで悪くなる足元に気をつけながら走り出す。
- 66 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/02(日) 00:54:33.98 ID:+FjYI8sA0
- しえしえ
- 67 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/02(日) 01:00:16.64 ID:+FjYI8sA0
- ラスト支援
- 68 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/02(日) 01:00:32.59 ID:rlt7WuYZ0
- 支援
- 69 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/02(日) 01:19:25.95 ID:1BVmqZWC0
- >>29
川;゚ -゚)(私より『先に起きた』のではなく『私の寝た後に起きた』のか……!)
理解力がなくて悪いんだがブーンが寝てなかったって事であってる?
- 70 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/02(日) 02:51:32.28 ID:mwl8CC0y0
- 落ちる
- 71 名前:>>69そういうことになります:2011/01/02(日) 04:04:47.45 ID:l0uVpgexO
- <_#プー゚)フ「だらっしゃああああああああああ!」
ブーンの飛ばす石礫を風で吹き飛ばすエクスト。
だが間髪入れずに更なる石礫が飛来する。
<_;プー゚)フ「ぐっ!?」
相性で勝るにも関わらず、完全に力負けしている。
<_;プー゚)フ(暴走ってやつは厄介だな、おい!)
( ゚ω゚)「ッ!」
再び石礫がエクストへ飛来する。
先ほどの結果を考慮してかわす事を選んだが、
動いた先の地面から無数の岩のトゲが地面から飛び出す。
<_フД )フ「うあっ!!」
エクストは槍に足を突き刺され地面に縫い止められる。
ブーンは既にエクストの目の前まで迫っていた。
- 72 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/02(日) 04:07:26.92 ID:l0uVpgexO
- 倒さなきゃ。
倒さなきゃ。
倒さなきゃ、殺される。
みんなの顔も、クーさんの顔も、見られなくなる。
だから、目の前にいるこいつを。
山賊のリーダーを倒すんだ。
ブーンはそれだけを考えて動けないエクストにナイフを振り降そうとする。
だが、そんな思考を中断するがごとくエクストとブーンの目の前に壁が現れる。
炎の、壁が。
- 73 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/02(日) 04:11:38.38 ID:l0uVpgexO
- (;゚ω゚)(新手か!?)
そこまで考えて気付く。この技を使える人を、自分は知っている。
そして彼女は、目の前に立っていた。
既にボロボロであったが、それでも力強く、美しかった。
川;゚ー゚)「大丈夫か、ブーン君」
川; ー )「君を守れて、良かった」
微笑みをこちらに向けながらそう告げると、クーはその場に倒れ伏した。
どういうことだ。
もう少しで自分は勝っていたのに。
倒せて、いたのに。
倒す?
自分は、何をしようとしていた?
動けない相手を、ナイフで殺そうとしていたのか?
やがて、炎の壁が消失した。
その後ろにあった光景は、更にブーンに衝撃を与える。
- 74 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/02(日) 04:14:37.25 ID:l0uVpgexO
- (;゚ω゚)「!!」
エクストは、体力を使い果たして倒れていたが、その足元には切り裂いたような跡が幾つもついていた。
炎の壁の所で途切れている。
あのまま進んでいれば恐らく、この見えない刃の餌食になっていただろう。
よくて相討ち、最悪の場合、一方的に殺されていた。
クーはそれに気付いていたのだ。
自分は力に溺れ、まったく気付かなかったというのに。
手の震えが止まらないのは寒さによるものか、恐怖によるものか。
その時のブーンにはわからなかった。
- 75 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/02(日) 04:22:38.22 ID:l0uVpgexO
- そんなところで第五話は終わりです。
申し訳ございません
申し訳ございません
元日の夜から寝落ちとか俺最悪だよ……
せめてもの罪滅ぼしとしておまけを投下していきたいと思います。
もう一度
申し訳ございませんでした
- 76 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/02(日) 04:38:09.35 ID:l0uVpgexO
- 川д川「はあ……暇ね」
ここはガイドライン。
いつものように貞子は暇を持て余していた。
客も居る時はうっとうしいと思っていたが、居なければ居ないでいろいろと問題がある。
そんな時に思い浮かべたのはつい先日出会った少年のこと。
彼が訪ねて来たらまた話をしようか、そんなことを考えた。
(=゚ω゚)ノ「幽霊さーん、こんにちはだょぅ」
川д川「」
驚いて声も出ない貞子。
(=゚ω゚)ノ「キシシシシッ。この間びっくりさせられたお返しだょぅ」
- 77 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/02(日) 04:45:56.88 ID:l0uVpgexO
- 川д川「この間?昨日きたばっかりじゃないの」
(=゚ω゚)ノ「あれ?なんかもっと長い時間がたってるような気が」
川д川「昨日って言ったら昨日なのよ……あんまり深い所に突っ込まない方がいいわよ……?」
(;=゚ω゚)ノ「わかったょぅ……そんなことより今日もお話聞かせて欲しいょぅ!」
内心少し嬉しかったがそれは表情に出さず、
川д川「しょうがないわね……」
と言った。
- 78 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/02(日) 05:04:01.84 ID:mwl8CC0y0
- 私怨
- 79 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/02(日) 05:08:31.91 ID:l0uVpgexO
- 川д川「怪物って知ってる?」
(=゚ω゚)ノ「知ってるょぅ」
川д川「あれは普通の動物がマナの力によって……
マナって言うのはまた後で話すけど……凶暴になったりしたものなのね」
川д川「だから基本的には普通の動物が巨大化したりしたようなものしか居ないわ。
……最近なにか見た事ないような怪物が居るって聞いたけどほんとかしら」
(=゚ω゚)ノ「見た事ないような怪物……」
目を輝かせる少年。
未知の生物に思いを馳せているのだろうか。
川д川「駄目よ……怪物というのはとても恐ろしいのだから」
川д川「傭兵は怪物から身を守る為に存在する職業なのよ」
川д川「怪物はマナがあるところ……要するにこの世界のどこにでも居る。
例え今居なくてもマナがある限りいくらでも生まれる可能性はあるのよ……」
- 80 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/02(日) 05:18:09.11 ID:l0uVpgexO
- (=゚ω゚)ノ「ほうほう」
川д川「で、普通の武器だけじゃ倒せない事が多いのね……
そこで魔法が使える傭兵の出番なわけ」
川д川「中には怪物を手懐けたり研究したりしている人も居るのだけど……大抵の人にとっては恐ろしい存在なのよ」
川д川「で、傭兵という職業について話します」
川д川「傭兵っていうのはさっきも言ったけど怪物から人々を守ったりするのが仕事ね」
川д川「まあそれだけじゃなくて猫を探したり溝掃除をしたりもするわ」
(=゚ω゚)ノ「え?そうなのかょぅ」
川д川「依頼人との間に契約が結ばれればなんでもやるのが傭兵なのよ」
- 81 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/02(日) 05:30:16.62 ID:l0uVpgexO
- 川д川「さすがに専門の人には劣るけれど、それでもそういう仕事はそれなりにあるのね」
川д川「傭兵といえば魔法だけど、魔術も装術も使えなくても傭兵になれるって知ってる?」
(=゚ω゚)ノ「知らなかったょぅ」
川д川「実は怪物と戦わないような傭兵もかなり少ないけど居るのよ」
川д川「で、傭兵にはランクってのがあるのね。
これはどれだけ仕事をこなしているかとかの指標になるわ」
川д川「高ければ高い程信用がされているって事ね。とはいえ仕事を頼む際の金額も高くなるけど」
- 82 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/02(日) 05:47:11.50 ID:l0uVpgexO
- (=゚ω゚)ノ「ランクってどう上げるんだょぅ?」
川д川「どうやってランクを上げていくのか。基本的には地道に仕事をこなしていくわけね」
川д川「実力があれば強い怪物と戦って勝てば割りと早くランクが上がるわ」
川д川「そして、これは少しずるいやり方なんだけど
『決闘』で自分より高ランクの傭兵と戦って勝つことでも上がるわね」
川д川「この方法は勝った相手のランクに一気に上がれるのね。逆に下のランクに負けた傭兵は降格させられる」
川д川「最近はあんまり『決闘』なんてみないけどね。
相手と自分が合意してないと『決闘』は出来ないからかしら」
川д川「もっと厳格なルールに沿うなら第三者の立ち会いが必要になるけど」
- 83 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/02(日) 05:59:35.23 ID:l0uVpgexO
- 川д川「傭兵の仕事には定額性のものもあるわ」
川д川「これは依頼者が個人じゃなくて町や村、国とかの場合になるのね」
川д川「傭兵のランクやかかった時間に関わらず一定額の報酬が貰えるのよ……勿論経費は差し引かれるけれど」
川д川「国レベルの依頼は難易度も報酬も半端じゃないわね……そもそも滅多に受けられないけどね」
川д川「まあ、こんなところかしら」
(=゚ω゚)ノ「まだマナがなにか教えて貰ってないょぅ」
- 84 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/02(日) 06:18:34.35 ID:l0uVpgexO
- 川д川「ああ、そうだったわね……マナというのはこの世のあらゆるところに存在するエネルギーよ」
川д川「水が流れているのも風が吹くのもマナのお陰と言われているわ」
川д川「当然、魔法が使えるのもマナのお陰ということね」
川д川「マナには似たようなものに集まる特性があって」
川д川「マナが好む物の性質を『属性』と呼んでいるわ」
- 85 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/02(日) 06:34:41.44 ID:l0uVpgexO
- 川д川「で、マナ自体の種類も八つに分けられるのね」
川д川「土、水、火、風、雷、氷、光、闇といった感じね」
川д川「八つの種類のマナの間には相性があって、どの種類のマナがどの種類のマナを苦手としているかわかるの」
川д川「土は風に弱く、
風は氷に弱く、
氷は火に弱く、
火は水に弱く、
水は雷に弱く、
雷は土に弱い」
川д川「光と闇は互いに互いを苦手としているわ」
川д川「苦手な種類のマナと釣り合いがとれるのは得意:苦手の比率だと3:1になるわ」
川д川「魔法を使う時もそれが適用されるわね」
- 86 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/02(日) 06:45:24.63 ID:l0uVpgexO
- 川д川「『属性』は一つのものにつき一つしかないけど、稀に複数の属性の魔法を使える人がいるわ」
川д川「二属性使えるだけでとても珍しく、四属性使える人なんて世界に一人居るか居ないかだけど」
(=゚ω゚)ノ「ふんふん」
川д川「やれやれ、こんなところかしら」
- 87 名前:!omikuji。:2011/01/02(日) 06:48:53.39 ID:LNM4F18x0
- 支援
- 88 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/02(日) 06:59:29.27 ID:l0uVpgexO
- (=゚ω゚)ノ「幽霊さんありがとだょぅ!お腹すいたから帰るょぅ!」
そう言って少年はテントから出ていく。
外をみてみると太陽が真上に昇っていた。
川д川「……昼からは暇ね。どうしようかしら」
- 89 名前: ◆mQ1YeC6SbE :2011/01/02(日) 07:01:29.73 ID:l0uVpgexO
- そんなところでおまけも終わりでございます。
本当に失礼しました。
長らくお付き合い下さりありがとうございました。
- 90 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/02(日) 07:03:32.28 ID:LNM4F18x0
- 乙
- 91 名前: ◆2TXQUsiqkI :2011/01/02(日) 07:05:13.15 ID:l0uVpgexO
- やべ
使ってるトリ解析されてるんですね
変えときます
- 92 名前: ◆tIPtMGfRl6 :2011/01/02(日) 07:10:14.08 ID:l0uVpgexO
- 更にかぶってるだと……
これならどうだ
次回投下予定は来週の土曜日までに投下できればいいなと思っております。
支援感想乙レスありがとうございました!
皆様にも乙を!
- 93 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/02(日) 08:41:53.02 ID:+FjYI8sA0
- 乙
戻る