( ゚∀゚)はヤンキーだけど公正するそうです


649 :( ゚∀゚)はヤンキーだけど公正するそうです:2012/03/12(月) 22:13:36 ID:q58HWKwQ0

「ぐ・・・うぅ・・・」

「くそ・・・ぉ・・・」

とある路地裏。
地面に横たわって呻く男達。
その近くで壁にもたれかかり、煙草をふかす学ラン姿。
蹲る男達は彼に蹴散らされた者だろう。

( ゚∀゚)「ったく、雑魚がよぉ・・・。
     相手をよく見て喧嘩売れっつーの」

(;`ー´)「てめぇジョルジュ・・・覚えとけよ・・・」

地面に伏せながら、そう呟いたリーダー各の男。
ジョルジュと呼ばれた学ラン男は、軽く目を細める。
ニヤリと笑い、その背中を踏みにじった。

(;`ー´)「おごっ・・・!」

( ゚∀゚)「おいこらネーノ、調子に乗ってんじゃネーノ?ってな」

そう言いながらジョルジュは蹲る男の脇腹に更に蹴りを放つ。
そして、煙草を投げ捨て路地裏を後にした。

その姿を遠くから見つめる存在には気づかずに。



650 :( ゚∀゚)はヤンキーだけど公正するそうです:2012/03/12(月) 22:15:10 ID:q58HWKwQ0



――――――――――――




ビルの屋上は風が強く吹き付けている。

その場所に似つかわしくない制服。
そして絹のような美しい黒髪をはためかせながら、腕を組む。

「なるほど、あれが狂犬のジョルジュ、か」

女はニヤリと笑う。

「なかなか問題性のありそうな男だな」

誰にともなくそう呟く。
そして、女はおもむろにビルの屋上から・・・


――――飛び降りた。

651 :( ゚∀゚)はヤンキーだけど公正するそうです:2012/03/12(月) 22:16:25 ID:q58HWKwQ0


春の訪れを感じさせる暖かい風が吹き抜ける。

( ゚∀゚)「・・・はぁ」

町を見下ろせる小高い丘。
春はたんぽぽが咲き乱れる、町の隠れ家的スポット。
ジョルジュのお気に入りの場所でもある。
喧嘩をしたあとには必ず、その丘に寝転んで思いを馳せるのがジョルジュの決まりであった。

思いを馳せる、といっても
「今日の相手は強かったなあ」だの「今日はなかなかいいパンチを打てたな」
とかそういう他愛も無いことなのだが。

ともかく、一人になれるこの場所が、ジョルジュは好きだった。

川 ゚ -゚)「おい」

(;゚∀゚)「んおぉ!?」

突然見知らぬ女に覗き込まれた。
びっくりして身体を起こすジョルジュ。
そこに立っていたのは制服姿の女子高生だった。
顔立ちは美しく整い、流れるような黒髪。


653 :( ゚∀゚)はヤンキーだけど公正するそうです:2012/03/12(月) 22:17:39 ID:q58HWKwQ0


(;゚∀゚)「おま・・・いつの間に・・・?」

川 ゚ -゚)「君がジョルジュ君か。
     これからよろしく頼むぞ」

表情を変えないまま、女子高生が言う。

(;゚∀゚)「は、はぁ・・・?
     よろしくってどういうこと・・・」

川 ゚ -゚)「後で直ぐに会えるさ、じゃあな」

そう言うと、女子高生は踵を返して歩き去っていった。

(;゚∀゚)「・・・・・・」

ポカンとしたまま取り残されたジョルジュは首をかしげ、再び寝転がる。
・・・だが、興が冷めた。

彼は身体をゆっくりと起こし、家路へと向かった。

654 :( ゚∀゚)はヤンキーだけど公正するそうです:2012/03/12(月) 22:19:03 ID:q58HWKwQ0


――――――――――――


( ゚∀゚)「はー・・・ったくなんだったんだあの女は。
     ただいまー・・・っと」

誰にともなくそう呟き、家の扉を開くジョルジュ。

(;^ω^)「お帰り・・・って、また喧嘩したのかお?
       大丈夫なのかお・・・?」

出迎えた小太りの男、ブーン。
彼はジョルジュの同居人であり、唯一の理解者でもある。

( ゚∀゚)「・・・ふん」

(;^ω^)「やれやれ、だお・・・」

ジョルジュ。
彼は『狂犬』という異名をとる札付きの不良。
その名を聞けば泣く子も黙る。
・・・という程でもないが、かなり名の知られた悪餓鬼であることは間違いは無い。
売られた喧嘩は必ず買い、買った喧嘩は負知らずの怖いもの知らずである。

と、家のインターホンが鳴り響いた。

( ^ω^)「・・・来た、かお」

そう言うとブーンが扉を開く。
そこにいたのは・・・。

655 :( ゚∀゚)はヤンキーだけど公正するそうです:2012/03/12(月) 22:21:27 ID:q58HWKwQ0


(;゚∀゚)「!?」

川 ゚ -゚)「やぁまた会ったな」

先ほど会った女子高生。

( ^ω^)「お? もう顔見知りかお?
       それなら話が早いお」

(;゚∀゚)「ブ、ブーンさん?
     どういうことだよコレ・・・」

目を白黒させながら、ブーンと女子高生を交互に見るジョルジュ。
狂犬と呼ばれ恐れられる姿はそこには見られない。

川 ゚ -゚)「私は君を公正させるためにやってきたロボット、クーだ」

(;゚∀゚)「は、はぁ・・・?」

(;^ω^)「あー・・・ジョルジュもそろそろいい年だし。
       まともになってほしいと思ってブーンが呼んだんだお」

川 ゚ -゚)「というわけだ、よろしく頼むぞ」

(;゚∀゚)「いやいやいや・・・」

( ^ω^)「ま、頑張ってほしいお!」

(;゚∀゚)「勝手に決めんなって!」

656 :( ゚∀゚)はヤンキーだけど公正するそうです:2012/03/12(月) 22:22:56 ID:q58HWKwQ0


――――それからと言うものの、ジョルジュは四六時中クーに付きまとわれることになる。

( ゚∀゚)「なんだってんだ・・・ったく」シュボッ

川 ゚ -゚)「煙草はよくないな、煙草は」

(;゚∀゚)「うおっ!? ・・・って、おめーには関係ないだろ!」


――――――――――――

「おいてめぇ・・・」

(#゚∀゚)「あァ?やんのかコラ・・・」

川 ゚ -゚)「喧嘩はダメだぞ」

「あん?なんだこの女・・・」

(;゚∀゚)「ちょおおおおお!?」


――――――――――――

(;゚∀゚)「流石にここまでは・・・」

川 ゚ -゚)「・・・おやおや、態度はでかいのにナニは小さいんだな」

(;゚∀゚)「ぬわああああああ!?」

657 :( ゚∀゚)はヤンキーだけど公正するそうです:2012/03/12(月) 22:24:43 ID:q58HWKwQ0

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―――――――

( ゚∀゚)「・・・はぁ」

川 ゚ -゚)「なんだ、こんなところにいたのか」

(;゚∀゚)「あーもう、驚きって感情も失せて来たぜ・・・」

川 ゚ -゚)「私のようなロボットならともかく、感情を失うなんて不可能だぞ」

たんぽぽの咲き乱れる丘。
そこに寝転がりながらジョルジュは溜息を吐き出した。

川 ゚ -゚)「横、いいか?」

(;゚∀゚)「・・・もう勝手にしろ」

寝転ぶジョルジュの横に座り込むクー。
暖かい風に黒髪が靡いている。

( ゚∀゚)「・・・お前のせいで俺のイメージがぶち壊しだよ・・・ったく。
     最近の『狂犬』は『子犬』だってなぁ・・・」

川 ゚ -゚)「その為に来たんだからな」

クーの発言に、先ほどよりも大きな溜息を吐き出すジョルジュ。
手元に生えていたたんぽぽを摘んで、親指でピンと弾く。
それを見て、クーもその動きを真似る。

川 ゚ -゚)「狂犬さんともあろうものが、花が好きなのか」

( ゚∀゚)「・・・やかましいわ」

658 :( ゚∀゚)はヤンキーだけど公正するそうです:2012/03/12(月) 22:26:19 ID:q58HWKwQ0


川 ゚ -゚)「そういえば、君と初めて会ったのもここだな」

ポツリと、クーが呟く。

川 ゚ -゚)「私に感情は存在しないが・・・いい所だな、ここは」

( ゚∀゚)「当たり前だろ・・・俺が好きな場所なんだからな」

そう言うとジョルジュは得意げに笑った。
つられてクーも少し微笑んだ。
ドキリと動くジョルジュの心臓。
顔が赤くなるのを感じて、クーから視線をそらす。

川 ゚ -゚)「ん?どうかしたか?」

そんなジョルジュの顔を覗き込む。

(;゚∀゚)「ばっ・・・なんでもねーよ!」

川 ゚ -゚)「? おかしなやつだ・・・」

659 :( ゚∀゚)はヤンキーだけど公正するそうです:2012/03/12(月) 22:27:00 ID:q58HWKwQ0

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―――――――


どこへ行くともなく町をふらつくジョルジュ。
このまえの丘での一件以来、クーを見るとなんとなく胸がもやもやしてしまう。
ブーンに相談すると、爆笑されたからぶっとばしておいた。

( ゚∀゚)「・・・はぁ、なんなんだろーねぇ」

誰にともなく呟く。
・・・と、そんな彼の前にイカつい風貌の男達が現れた。

ああ、またか。

そんなことを思いながら人気の無い路地裏へと入っていく。
すると、見覚えのある顔がにやにやと笑いながら待っていた。

( ゚∀゚)「・・・懲りねーなー、ネーノ?」

( `ー´)「はっ、『子犬』風情が粋がってんじゃネーノ?」

(#゚∀゚)「・・・その減らず口、叩きなおしてやろうか?」

660 :( ゚∀゚)はヤンキーだけど公正するそうです:2012/03/12(月) 22:27:44 ID:q58HWKwQ0


( `ー´)「おっと? こいつがどうなってもいいのか?」

ネーノの合図で手下が女を連れてきた。
その女の顔は見知った顔。

川 ゚ -゚)「・・・すまんな」

(;゚∀゚)「クー!?」

( `ー´)「こいつとお前ができてることは調査済みじゃネーノ?」

(#゚∀゚)「・・・クソ野郎だなてめーはよぉ!?」

( `ー´)「まぁそのクソ野郎に今からボコボコにされんじゃ・・・」

(#`ー´)「ネーノっ!」

そう言いながらネーノはジョルジュの腹に蹴りを食らわせた。
よろけるジョルジュ。
それに続けてネーノの手下達も拳を振り下ろす。

661 :( ゚∀゚)はヤンキーだけど公正するそうです:2012/03/12(月) 22:28:40 ID:q58HWKwQ0


・・・・・・

・・・

(;゚∀゚)「げほっ・・・」

(#`ー´)「いつもいつも!おめーにはムカついてたんだよ!」

そう言いながらネーノはジョルジュを殴りつける。
何度も、何度も。
勝ちしか知らないジョルジュにとっては、初めての経験である。
口の中に鉄の味が広がっていく。

(;゚∀゚)「・・・クーには手を・・・出すな」

(#`ー´)「あぁ?聞こえネーノよ!」

ジョルジュの顔面を蹴り上げるネーノ。
流石に効いたようで、呻き声を上げて壁にもたれかかるジョルジュ。

662 :( ゚∀゚)はヤンキーだけど公正するそうです:2012/03/12(月) 22:29:41 ID:q58HWKwQ0


(#`ー´)「この女がそんなに大事かぁ?あ?」

川 ゚ -゚)「・・・・・・」

(#`ー´)「なら目の前でぶち壊してやるんじゃネーノ?」

ネーノがニヤリと笑う。
それにつられて手下達もへらへらと笑い声を上げる。

(; ∀ )「やめ・・・ろ・・・」

薄れるジョルジュの視界。

川 ゚ -゚)「・・・緊急事態、リミッター解除」

最後に彼の耳に入ったのは、クーの機械的な声だった。

663 :( ゚∀゚)はヤンキーだけど公正するそうです:2012/03/12(月) 22:31:37 ID:q58HWKwQ0


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――――――――――――

―――――――

―――――


( ^ω^)「うん、ジョルジュもいっちょまえの顔になったお」

(メメ゚∀゚)「・・・この傷だらけの顔を見てそれ、言うか?
     というか・・・クーが戦えるなんて聞いてなかったんだが」

( ^ω^)「あれ?言ってなかったかお?
       もしジョルジュがクーさんに手を出した場合も考慮して・・・」

(メメ゚∀゚)「ねーよ!」

川 ゚ -゚)「まぁロボットだからな」

気を失ったジョルジュが意識を取り戻した後。
目の前にはボコボコにされた男達が転がっていた。
その真ん中でクーが制服を整えながらこちらに冷徹な笑みを向けていた。

664 :( ゚∀゚)はヤンキーだけど公正するそうです:2012/03/12(月) 22:34:02 ID:q58HWKwQ0


(メメ゚∀゚)「・・・ったく」

川 ゚ -゚)「とりあえず、公正は完了したということで・・・」

( ^ω^)「うん、誰かを護るーってことを学べたことは大きいお」

川 ゚ -゚)「それでは私は、これで・・・」

そう言って、出て行こうとするクー。
咄嗟に、彼女を追いかけるジョルジュ。
なんとなく、そうしなければいけない気がした。

(メメ゚∀゚)「・・・おい、もう会えないのか?」

川 ゚ -゚)「任務のたびに私はアップデートされ、記憶は消される。
     今の私に会う、という意味なら不可能だろうな」

(メメ゚∀゚)「・・・そう、か」

川 ゚ -゚)「なんだ?」

(メメ゚∀゚)「・・・また、あそこの丘、来いよ」

川 ゚ -゚)「・・・ロボットに約束は出来ないし、私に感情は無い・・・。
     だが・・・なるほど、これが寂しいというものか」

(メメ゚∀゚)「待ってるから、絶対来いよ!」

「ああ」と呟き、にこりと笑うクー。
そして、初めて会ったときと同じように歩き去っていった・・・。


~END ?~


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Filed under: 2012年避難所短編 — 青空ヒート 03:01  Comments (0)
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