( ^ω^)「ああ・・・もうツンと初めて会ってから10年になっちゃうお・・・」
ξ゚听)ξ「なんだか・・・長いのか短いのかわかんなかったね」
( ^ω^)「うーん・・・どっちなんだろうお」
ξ゚听)ξ「内藤は服なんか気にしてなくて、私と背も同じくらいで、漫画とゲームの話しかしなくて、芸能人なんか一人も知らなくて・・・」
(;^ω^)「・・・耳が痛いお」
ξ゚听)ξ「それなのに、もう私より背高くなって、生意気にお洒落なんかしちゃってさ・・・」
( ^ω^)「たしかに僕は変われたお・・・けど、ツンを好きってのは変えられなかったお?」
ξ///)ξ「そ、そんなこと言ってるんじゃないわよ!」
( ^ω^)「んでもってツン・・・それ素っ裸で言う台詞じゃないお」
ξ゚听)ξ「・・・変わってないのがもう一つあったわ。ほんとムードとかわかんないんだから!このっ!」
(;^ω^)「ぎゃあああ!万力!」



  
  
背中が赤くなるまで丁寧にゴシゴシしてもらった後、二人は湯船に移動した。
ツンに目隠しされながら移動したせいで湯船の縁に小指をぶつけたが、それは代金だろう。
せまい湯船に体を密着させて浸かっているという、この状況の。

ξ///)ξ「・・・」
( ^ω^)「・・・・・・」

後ろからツンを抱き込むように湯船に浸かっている状況がしばらく続く。
しばらくじっとしていたせいで落ち着いてきた頭は、ほかのことを考える余裕を取り戻した。

( ^ω^) (・・・ミルナ君のこと、どうするつもりなんだろうお・・・)

いわば流されるままに一緒に風呂にはいっているが、内藤はツンと付き合いだした訳ではない。
それが望みではあるが、一番重要なのはツンの気持ちだ。
ツンの気持ちは、もしかしたら内藤に向いてくれているかもしれない。

けど、それは自分が今更ながら気持ちを伝えることができたからだ。
そしてツンはそれに応えてくれたのだろう。
なら次に重要なのは、ミルナ君の存在。

( ^ω^) (・・・けど、言えるのかお?ミルナ君とどうするんだとか・・・別れてくれとか・・・)



  
  
言って良いのだろうか。
ミルナ君と別れて自分と付き合ってほしいなんて、調子に乗ったことを。
無言のまま自分の腕の中に納まったツンを見つめる。
中学の頃は自分とたいしてサイズの変わらなかった体は随分小さく見える。
まるで自分の腕の中に納まるように、成長を止めたように。

( ^ω^) (はっきり言って僕は興奮してるお・・・けど、それに流されてて良いのかお・・・?)

ξ///)ξ「な、何見てるのよ・・・」
(;^ω^)「へ?い、いや・・・仕方ないお?w」
ξ///)ξ「・・・も、もう出ましょっか・・・のぼせてきたし」
(;^ω^)「そ、そうだおね!あんまり長いこと浸かっててもアレだし!」

先生に怒られた中学生のように勢いよく立ち上がった内藤を見て、ツンが固まる。
ツンの目の前、本当に触れそうなくらいの距離に内藤の股間があったから。

ξ///)ξ「・・・・っっ!!??」
(;^ω^)「・・・あ゛」

股間をおさえた内藤が風呂場から出てきたのは、それから数分後だった。



  
  
ξ゚听)ξ「その・・・大丈夫、内藤?」
(;^ω^)「・・・もう大丈夫だお・・・多分」
ξ゚听)ξ「えーと・・・ごめん」
( ^ω^)「まぁ、僕が悪いお。それより布団出すから、ツンはベッドつかってくれお」
ξ゚听)ξ「え?」

意外そうな顔のツンをよそに、内藤はせっせと客用の布団を出す。
とりあえず手伝いながら、ツンは微妙な表情で内藤を見つめていた。

ξ゚听)ξ「な、内藤・・・別にベッドで一緒に寝てあげても良いわよ?」
( ^ω^)「うん、僕もそうしたいお」
ξ゚听)ξ「そ、そう。なら別に布団なんか出さなくても・・・」
( ^ω^)「けど、さっき風呂場で悶絶している間に決めたんだお」
ξ゚听)ξ「決めた・・・?」

布団を敷き終わった内藤は、困惑するツンの瞳を見据えて。
自分の気持ちを伝えたときの表情で。

( ^ω^)「僕は、ツンと結ばれたいお。本当の意味で。けど・・・それは何の憂いもなくなってからだお。たとえば・・・ミルナ君みたいな」



  
  
それはきっと、ツンにとってみれば拒絶の言葉だったろう。
だが。ツンは内藤のことを理解してくれた。
今まで二人はすれ違ってばかりだったが、ようやく少しだけ進歩できたのだ。

ξ゚听)ξ「・・・・・・わかった。私も、それが良いんだと思う」
( ^ω^)「ツン・・・」
ξ゚听)ξ「大丈夫よ、ちゃんとわかってるから。ただ、さ・・・」
( ^ω^)「・・・」
ξ゚听)ξ「ただ、一緒に寝るだけ、腕枕してくれるだけ・・・それくらい、お願いしても良いかな・・・」
( ^ω^)「ツン・・・ありがとうだお」
ξ゚听)ξ「ふふ・・・別にあんたのためじゃないんだからね?w」
( ^ω^)「ああ、わかってるお・・・それでも、ありがとうだお」

せっかくひいた布団を片付けて、二人は結局一緒にベッドにもぐりこんだ。
電気の消えた部屋に深夜の静けさが満ちる。その静けさは、とても心地よいものだった。

( ^ω^)「・・・・・・」

一日中慣れない都会で遊びまわって疲れていたのだろう、ツンはすぐに寝てしまった。
腕に感じる重みがとても愛おしい。
内藤はずっとツンの寝顔を眺めていた。
優しい微笑みを浮かべて、内藤はずっとツンの寝顔を眺めていた。

今夜はいい夢が見れそうだ。



  
  
-居酒屋-

('A`)「結局やってねぇのかよー・・・」
( ^ω^)「ばかたれ、それが良いんだお」
('A`)「・・・俺にはわかんねぇ」
(´・ω・`)「・・・なるほど・・・次の日、ツンはミルナ君とやらのところに行ったと」
( ^ω^)「・・・察しが良いじゃないかお。ショボン?」
(´・ω・`)「仕事柄ね・・・わかるだろう?内藤?」
('A`)「おいおい、何か気持ち悪いぞおまえら・・・ショボンの仕事がどうかしたんかよ」
(´・ω・`)「・・・いいや、別に」

( ^ω^)「ショボンの言うとおり、ツンは次の日・・・いなくなったお」



  
  
次の日の朝。
朝を告げる車の音で内藤は目を覚ました。
楽しい夢を見ていた気がする。
よくは思い出せないが、年をとった自分と、昔からの友達たち。彼らと昔話をしながら、自分の子供が走り回るのを見て。
その隣に、誰が立っていたのか思い出せないが、とても楽しい夢だったような。

( ^ω^)「んん・・・なんで夢ってやつは目が覚めたら忘れるんだお?なぁツン・・・」

( ^ω^)「ツン?」

隣にいるはずのツンはいなかった。
まるで夢の中で隣にたっていた誰かのように、たしかに在った腕の重みは消えうせて。
ただ、テーブルの上に朝食とメモが1枚置いてあった。

ツンは予定通りミルナ君に会いにいったのだ。
USJに行ったのではない。きっと、別れを切り出しに。
内藤にも告げずに、きっと内藤のために決着をつけに行ったのだ。

( ^ω^)「・・・待ってるお、ツン・・・一緒にいられる時を、待ってるお」



  
  
その日、大阪の高速道路で騒動があった。
一台の車を追いかける高速警備隊。そして、ただただ速度を上げる乗用車。

ξ゚听)ξ「落ち着いて、ミルナ君!警察もきてる、馬鹿なことしないで!」
( ゚д゚ ) 「うるへー!今までキープしといたのによぉ、今更実はずっと好きな人がいただぁ!?笑うぜおい!」
警備隊「前の車、停まりなさい!ちょwwwおまwww事故るってwwwww」
ξ゚听)ξ「!ミルナ君、前見て!」
( ゚д゚ ) 「うぉぉぉぉ!?」



  
  
内藤はその日、ずっと家にいた。
哀愁とも期待とも違う、自分の惨めさや人の優しさ、すべてを受け入れたような徳のある空気に身をゆだねて。
ただ、穏やかだったのに。
TVをつけるまでは。

TV「本日午後2時ほどに高速道路で起きた事故について、詳細な情報がはいってきました。どうやら事故車の暴走は痴情のもつれから男性側が起こした行動らしく、現在事故車に乗っていた二人は・・・」
( ^ω^)「・・・痴情のもつれ?今日、大阪で・・・?」
TV「病院に搬送されたのは高知県高知市の大学に通うツンさん。カーブを曲がりきれず激突した助手席側に乗っており、意識不明の重体。運転していた男性は幸い軽症で現在警察の取り調べを・・・」

( ^ω^)「・・・え・・・?」



  
  
( ^ω^)「・・・今、なんて言ったお・・・?」

無情にも答えを返してくるアナウンサーの声に蓋をして、内藤はただ疑問だけを口にしていた。
本当にわからなかった。
事故がおきて、助手席に座っていた人が意識不明の重体だっていうことはわかる。
それが誰なのかわからなかった。

だって、そうだろう。
昨日は楽しかったのだ。大阪を遊び歩いて、ツンが泊まって。
遅い夕食を作ってくれたり、一緒にお風呂にはいったり。
朝おきたらツンはいなかったが、かわりに朝食があった。

隣にいなくても、ぬくもりがあった。
だから待っていられると思ったのに。
いつか近いうちに、また一緒に笑い会えると思ったのに。

(;^ω^)「う・・・あ?・・・うわぁぁぁぁぁ!!」



  
  
どこをどう走ったのか、内藤は病院にいた。
ツンの搬送された病院に。
けどその日は手術中で、内藤が取り乱していたせいもあり追い返された。

次の日も、次の次の日も、面会謝絶だった。
1ヶ月がたったころ、ようやく内藤は病室でツンの顔を見た。
チューブが伸びた個室に、たくさんの機械が並んでいる。

毎日毎日、内藤は病室に通った。
意外と見舞いは少なかった。ツンの大学の友人はみんな高地に居たせいでなかなか見舞いにこれなかったし、中学の友人たちにはもう連絡がとれなかったから。
それでも、泣きつく両親を見た。内藤にミルナ君のことを知らないかと尋ねるツンの兄にあった。
休みをとって見舞いにきたツンと仲の良い娘とも会った。

みんな、悲しんでいた。
そして内藤は、もっと悲しんでいた。

2ヶ月が過ぎても3ヶ月が過ぎても、ツンの目は覚めなかった。
1年が過ぎても、ツンは目を覚まさなかった。
もう傷一つないのに。ただ眠っているだけなのに。

( ^ω^)「・・・今日も、寝てるのかお?ツン・・・どんな夢見てるんだお?・・・ツン・・・!」



  
  
-居酒屋-

内藤は、頭の中で思い出されている話を口にしなかった。
ツンが朝食を置いて出て行った朝までを話し、残ったビールを片付けて。

('A`)「なるほどね・・・それでおまえは出て行ったツンが戻ってくるのを待ってるのか、今も」
( ^ω^)「・・・そうだお。とか言ってもう何年かたっちまったおw」
(´・ω・`)「・・・」
('A`)「それさ、その・・・戻ってくるのか?悪いけどよ」
( ^ω^)「戻ってくるお、きっと。ちょっと休憩でもしてるんじゃないかお?」
(´・ω・`)「・・・そうだね、きっとそうだよ」
('A`)「そういうもんかねぇ。さて、そろそろ出るか?帰って寝ないと仕事できねぇよ」

何時間も居座った居酒屋の席をたち、三人は馬鹿高い勘定を済ませた。
駅に向かうドクオを見送った後、内藤とショボンは近くの公園のベンチに座って買ったばかりの煙草をくわえている。

( ^ω^)「・・・さて。ショボン、知ってるお?ツンがどうなったか・・・」
(´・ω・`)「僕は医者だろ?大阪で君たちに会ったってことは、大阪勤務になったって事じゃないか」
( ^ω^)「そんなことだろうと思ったお。何を言いかけていたお?ツンは、この間・・・とか?」
(´・ω・`)「ツンはこの間、僕のいる病院に移されたよ。まぁ・・・話からして内藤なら知ってたか」



  
  
-公園-

( ^ω^)「へぇ・・・それは知らなかったお」
(´・ω・`)「・・・移されてからまだ数日だってのにね、ツンの病室は花束とかツンの好きだったヌイグルミとかで一杯さ」
( ^ω^)「ふーん・・・誰か知らないけど嬉しいもんだお」
(´・ω・`)「看護婦の話じゃそれを置いていくのは・・・語尾が変な若い男らしいけど?」
( ^ω^)「誰だろうお?」
(´・ω・`)「・・・さぁ・・・誰だろうね?」

内藤は煙草を携帯灰皿に入れて立ち上がった。
公園のそばを通学途中の学生が通っていく。
内藤はショボンに何も言わず、ただ片手を振って歩き出した。

(´・ω・`)「ただ・・・きっとそいつはとんでもない馬鹿ヤロウだよ」
( ^ω^)「言ったお?そんな馬鹿が一人くらいいても良いんじゃないかって・・・」
(´・ω・`)「・・・参った。そいつは馬鹿じゃなくて大馬鹿だったよ」

( ^ω^)「そいつにとっては・・・褒め言葉だお」

懐かしい友人たちとの夜が終わり、内藤はいつものように歩いていく。
家に帰る前に寄っていくところがある。
いつもの、病院に。



  
  
病院が変わってからわずか数日。
それなのに、もう挨拶してくる看護婦の顔を覚えてしまっている。
病室は何階の何号室だとか、その部屋は一人部屋だとか、窓からは学校が見えて、いつも校庭で子供たちが遊んでいるとか。
全部覚えてしまった。

( ^ω^)「ツン、この病室からは学校が見えるお・・・ツンはどんな教師になりたかったんだお?」

ああ、そういえば長い間大学を休んでる。まだ復帰できるのだろうか。
それに目が覚めたら周りは何年も経ってるなんてどんな気分だろう。

( ^ω^)「浦島太郎と同じ気分になるのかお?どんなリアクションか見てみたいお・・・あ、リンゴ食べていいかお?」

この数年でリンゴの皮むきが無駄にうまくなってしまった。
パイナップルだって切り分けられる。仕事をクビになったら果物屋でも開こうか。
もしそうなったら、目の前で寝てばかりいる想い人と一緒に切り盛りしてみたいものだ。

看護婦A「・・・また来てるね、あの人」
看護婦B「あぁ・・・毎日来るのよねぇ・・・それでずっと話しかけてるのよ。返事なんかしてくれないってわかってるのに、毎日毎日・・・」
看護婦A「可哀想だよね。けど、ちょっと羨ましいかな、あの患者さん」
看護婦B「そうねぇ、愛されてるわよねぇ・・・とっても・・・」



  
  
ドクオとショボンに偶然会って飲み明かした夜から、数週間が過ぎた。
何も変わらない。
相変わらず仕事先のチーフは変な人だったし、ガソリンは安くならないし。
煙草税が上がっても喫煙者は減らないし、クソスレは定期的にたつし、魔少年はVIPにいるし。
ツンが眠ってしまってから今まで、何も変わらなかった。

( ^ω^)「・・・ツンと一緒に、僕の時間も寝ちゃったみたいだお」

だから今日も、見舞い品を持って病室にいる。
病室にいた担当の看護婦さんは気を利かせて出て行った。
いつもと同じ景色が見えて、いつもと同じ椅子に座って、いつもと同じ果物ナイフを取り出して。
そして、今日だけは違うツンの寝顔を見た。

( ^ω^)「笑ってる・・・?」

そう、ツンは笑っていた。
何年もずっと表情が変わらなかったのに、今日だけは嬉しそうに。楽しそうに。
様子を見に戻ってきた看護婦さんが、ツンの笑顔を見て血相を変えて走っていった。

( ^ω^)「・・・?看護婦さん、急患でも来たのかお?」
ξ゚听)ξ「ん・・・内藤・・・」
(;^ω^)「っ!?つっ、目がっ・・・あ、ね、寝言かお・・・はは・・・」
ξ゚听)ξ「んん・・・」
( ^ω^)「・・・寝言でも良いお・・・久しぶりに、ツンの声が聞けたお・・・」



  
  
看護婦「先生!307号室の眠り姫が!!」
(´・ω・`)「なんだいそのメルヘンチックな呼び名は・・・ってツンのことじゃないか!どうした!?」
看護婦「笑いました!」
(´・ω・`)「・・・君は僕を馬鹿にしてるのかい?笑うくらい・・・ん?笑った?」
看護婦「はい、笑いました。つまり、夢を見るなり何なり、意識が・・・」
(´・ω・`)「目が覚める・・・!?すぐ行く、ついてきてくれ」

ツンが笑うのは初めてだった。
笑うということは、少なからず意識が戻ってきた証拠だ。
もしかしたらこのまま目が覚めるということも在り得る。

(´・ω・`) (だが・・・数年間も眠っていたんだ、記憶の混乱や損傷の可能性・・・少なくはない・・・)



  
  
病室は、いつもと同じ景色で。
いつもと同じようにリンゴを二人分むいて、一人で食べて。それから今日の出来事を話して、おやすみを言って。
それから、いつも通り帰るはずだったのに。

ξ゚听)ξ「・・・あれ・・・?」
( ^ω^)「・・・え?」

帰るはずだったのに、ツンの瞼が開いていく。
手だって少し動いた。今、首を振った。
そして、内藤のほうを見てくれた。

(;^ω^)「ツ・・ツン・・・!?目が、覚めたのかお?・・・僕のことわかるかお?」
ξ゚听)ξ「・・・」
(;^ω^)「ツン・・・?」

(´・ω・`)「内藤、来ていたか!今ツンがわらっ・・・起きてるし・・・」
看護婦「あらまぁ・・・」

ツンは病室を見回していた。
内藤を見つめて、病室に駆け込んできたショボンを見て、また内藤を見つめる。
その顔には表情がないように見えた。
まだ状況が把握できないのか、それとも。

ξ゚听)ξ「・・・誰・・・?」



  
  
( ^ω^)「・・・し・・・知ってるお・・・?ツンは、僕のこと・・知ってるお・・・?」

それしか言えなかった。
だって、ツンは中学の同級生で、自分はツンのことをずっと好きで。
でも言えなくて悩んで、悩みぬいてようやく。
ずっと待って、毎日寝顔を見て、ツンと一緒に旅行に行く夢や家で一緒にTVを見る夢とか見て、ようやく。
ようやく、目が覚めたのに。

(´・ω・`)「・・・む、ぅ・・・」
看護婦「・・・・・・」

何も言えないだろう。
事情を知っているショボンも、毎日見舞いにくる内藤を見ていた看護婦も。

ξ゚听)ξ「・・・・・・私、ツン・・・」
( ;ω;)「あ・・・あぁ・・・知ってるお・・・誰よりも良く、知ってるお・・・」
ξ゚听)ξ「高知大学の教育学部で・・・中学校は・・・」
( ;ω;)「中学校は、幡多郡の片田舎にあって・・・この間校舎が取り壊されて・・・」

上半身だけを起こしたツンは、じっと内藤を見て話し続けた。
数年間ずっと看護婦が体を動かしていてくれたおかげで、筋肉の衰えは動けないほどではないようだ。

ξ゚听)ξ「・・・それで、大阪に彼氏がいて・・・」
( ;ω;)「・・・う・・・っく・・・」



  
  
ξ゚听)ξ「その・・・彼氏の名前は・・・」
( ;ω;)「・・・な、まえは・・・」

覚えているのだろうか。
今から、ミルナ君という単語を聞かなくてはいけないのだろうか。
ツンは、ちゃんと自分のことを覚えているのに。
内藤の存在だけ忘れてしまって、ミルナ君のことは覚えているとでも言うのだろうか。

ξ;凵G)ξ「名前・・・は・・・」
( ;ω;)「・・・なんで、ツンも泣くんだお・・・?」

無表情に呟いていたツンの瞳から、突然大粒の涙がこぼれる。
どこか痛いのだろうか。それとも、思い出せないのか。
大切な記憶であるはずの彼氏の名前を思い出せないのか。

奇跡が、起こってほしい。
内藤は頑張ったのに。神様が少しくらい褒めてくれたって良いのに。
神様はそんなに意地悪なものなんだろうか。
違うはずだ。きっと、神様なんていう人は全部見ていて、わかってる。
その上できっと、粋な計らいをしてくれる。

ξ;凵G)ξ「名前は・・・内藤、ホライゾン・・・目のまえの・・・あなた・・・」
( ;ω;)「・・・え・・・?」
ξ;凵G)ξ「ただいま・・・内藤・・・」

こんなふうに。



  
  
( :ω:)「・・・ツン・・・もう一回言ってくれお・・・」

ツンは涙を拭いて。
それで、微笑んで。

ξ゚听)ξ「私の彼氏は・・・好きな人は、内藤。あんたの事よ、泣き虫・・・」
( :ω:)「・・・うっ・・・うぅぅ・・・!」
ξ゚听)ξ「ほら、男でしょ。泣き止みなさい・・・」

信じられなかった。
ツンの目が覚めて、自分の顔を拭ってくれているなんて。
笑いかけてくれるなんて。好きって、言ってくれるなんて。

そうだ、言わなければならないことがある。
大人しく涙を拭いてもらっている場合じゃない。
ここはかっこつけて、涙なんか止めて笑いかけて。

( ^ω^)「・・・おかえりだお、ツン」
ξ゚听)ξ「うん・・・ただいま、内藤・・・」





( ^ω^)ブーンがちょっと昔話をしているようです
-エピローグ-







  
  


( ´_ゝ`)「社宅を二人住まいに?なんだ、同棲か?」
( ^ω^)「まぁ、そんなところですかおー?」
( ´_ゝ`)「そうか・・・おかんか。いい年して嫁もいないと母親と二人暮しになるとは、恐ろしい世の中だな・・・」
( ^ω^)「チーフ、いい加減頭沸いてるの直したほうが良いお・・・それに、嫁ならいますおw」
( ´_ゝ`)「そうか・・・ダッチワイフは大事にしろよ」
( ^ω^)「てめーと一緒にするなお」

そう、一人暮らし用のせまい社宅のドアを開ければ。
包丁の音と鼻歌が出迎えてくれる。
そして、内藤がこの世で一番大事な言葉で。

ξ゚听)ξ「あ、内藤おかえり」
( ^ω^)「ただいまだお、ツン」

それから将来のことを話し合いながら、一緒に夕飯を食べるのだ。
ツンは大阪の大学に編入し、もうすぐ教師になれる。そうなったら大阪の学校に配属されるのか、とか。
今日職場でこんなことがあったとか。同窓会に一緒に行こうとか。

ξ///)ξ「・・・私達の子供も、私が教えたいなぁ・・・とか・・・」
( ^ω^)「んー?・・・その前に、これじゃないかお?」

そして、たまには恋人へのプレゼントを渡したり。
今内藤がさしだした、結婚指輪のように。

( ^ω^)「・・・結婚してくれないかお?ツン?」



  
  
('A`)「・・・認めん、俺は認めんぞ!なんで俺は一張羅を着てるんだ!?」
(´・ω・`)「それはここが結婚式の会場だからさ」
('A`)「あまり私を怒らせないほうが良い・・・」

(,,゚Д゚)「まったく、呼びつけられたから何の用かと・・・まさかケコーンとはなぁ」
(*゚ー゚)「良いじゃない。それより私達はまだなの?ギコ?」
( ,' 3 )「スピーチは僕な訳で、何て言おうか?」
( ´∀`)「新郎は高校時代ナンパしてました、で決まりモナー」



  
  
大阪のはずれに、新しい家がたった。
新築の一戸建ては若い新婚夫婦のものだ。
噂では、夫は何かの専門職。妻は高校の教師だとか。

( ^ω^)「いやー・・・貯金しといてよかったお」
ξ゚听)ξ「何いってるのよ、20年ローンよ?」
( ^ω^)「良いじゃないかお、20年くらい?だって、僕たちずっと一緒だお?」
ξ///)ξ「う・・・ま、真顔でそんなこと言わないでよ・・・」
( ^ω^)「愛してるお、ツン」
ξ///)ξ「だ、だから・・・」
( ^ω^)「だから小遣いあげてくれお」
ξ゚听)ξ「・・・あんた今日の晩御飯カップラーメンね」

必死に謝る内藤と、笑顔でいびるツン。
新築の家ではしゃぐ新婚さんを見て、隣の家の老夫婦は自然に笑みを浮かべていた。
とても幸せそうな二人を、誰もが祝福していた。

( ^ω^)「ツン・・・一生、ずっと一緒だお」
ξ゚听)ξ「はいはい、あの世でだってずっと一緒ですよーだ」

めでたしめでたし。




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