('A`) ドクオのペンは進まないようです
大丈夫、あれだけやったんだ。
落ちる訳が無い。
遊びにも行かず、毎日コツコツ努力してきた。
さあ
結果を素直に受け入れよう
【難杉高等学校合格発表】
受験番号152番 不 合 格
「ねーあの人、また勉強してるよー?」
「受験終わったのに勉強するなんて意味わかんな〜いw」
「そういう趣味なんじゃない?ほっとこほっとこ」
('A`)「…」
醜いメス豚がこっちを見て鳴いてやがった
お前らとは目指す場所が違うんだよ
低脳は低脳らしく暗い未来に備えて今を楽しんでいろ…
( ^ω^)「うはwww今日から高校だおwww」
前の席の奴は気持ち悪いし、うるさい。
本当にここは高等学校かよ。
滑り止めをもっと真剣に考えておくびきだった。
VIP高校、俺は人生の選択肢をここで誤ってしまったようだ。
( ><)「担任のわかんないです!!趣味は盆栽を育てて壊すことです!!」
「わははは!!!」
「なんだそれwww」
…くだらね。
お前らの知識レベルにビックリデスヨー。カカワラナイデクダサーイ。
( ><)「じゃあ端から自己紹介してください!!まずはしぃさんお願いします!」
(*゚ー゚)「えっと、しぃです。N中出身で、趣味はバレーです! みなさん一年間よろしくお願いします!」
お、ちょっと可愛い…って違うだろ。つい聞き入ってしまった。
( ^ω^)「ふひひwwか、かわいいwww」
( ><)「内藤くん気持ちが口にでてます!!罰として次は内藤君です!!」
( ^ω^)「コリャしまったww」
「ちょwwww」
「なんだあいつはwwwwおもしれwww」
('A`)「…」
そうだ、明日からは耳栓を持ってこよう。
( ^ω^)「えー、ご紹介にあずかりました内藤ですお!ブーンってよんでください(ハート」
「きめぇwwwww」
「それだけかYO!!!」
それから順々に自己紹介が終わっていった。
( ><)「最後はドクオ君!お願いしますです!!」
('A`)「…(カリカリ」
( ;><)「ど、ドクオ君?君の番ですよ!!」
('A`)「…あ、俺っすか」
「…お、最後はあいつかぁ」
「おい、静かに…」
('A`)「ドクオ…よろしく」
シーン…
( ;><)「あ、終わりですか?」
('A`)「はぁ。特に言うことも無いんで」
( ;><)「そ、それじゃあ係りと委員会について――」
「なんだあいつ、暗ッ」
「なんか空気凍ったなww」
うるさい連中だ。
俺は上、お前らは…下だ。
入学式も終わり、いよいよ本格的に授業が始まる。
受験においてまず仕上げなければいけないのは英語。
どの大学入試でも英語は必須であり、またその配点は高い。
どんなアメリカ嫌いでも受験生なら英語は避けられないだろう。
( ^ω^)「おっおwww」
( ^ω^)「おっおっおwwwwww」
('A`)「…なんか、用?」
( ^ω^)「何真剣に書いてるお??萌え絵かお??」
('A`)「は…? なんだそれ」
( ^ω^)「恥ずかしがらずにちょっと見せておwww」
('A`)「お、おい!」
( ^ω^)「…」
(;^ω^)「う、宇宙言?」
('A`)「…返せよ」
( ^ω^)「あ、ごめんだお。宇宙言がすきなのかお?」
('A`)「…(カリカリ」
( ^ω^)「ちょwwwwシカトwwwww」
無視していたら一時間目の先生が来てうるさい奴は前を向いた。
こんな奴が前の席なんていい迷惑だ。
早急に席替えを要求したい。
「えー、じゃあ授業を終わります」
(;^ω^)「意味ワカンネーwwwww宇宙語wwww」
('A`)「レベル低ッ…なんだあの授業」
参考書を持ってきていたのは正解だった。
あんな授業、30秒も持たない。
内職授業、一つ決定。
(;^ω^)「しぃちゃんwwこのデベロップってどういう意味だお?」
(*゚ー゚)「発展するって意味だよ。…うーん、内藤君これわからないのはちょっとマズイかも」
(;^ω^)「mjk!?」
見た目どうり、頭の中は空っぽか。
(*゚ー゚)「来週、実力テストだよ? 内藤君だいじょうぶ?」
(;^ω^)「すごく…まずいです。しぃちゃん英語教えてくれお!!」
(*゚ー゚)「うーん、私も得意って訳じゃないけど、SVOCはわかる?」
はいはい、Sは主語、Vは動詞、Oは目的でCは補語。いわゆる第五文型。
( ^ω^)「Sはしってるお!!ムチを打つほうだお?でも後はMしかしらないお…」
(*゚ー゚)「あはは…内藤君っておもしろい冗談言うね」
( ^ω^)「ん?いつでもまじめだお?」
駄目だ、聞いてて腹が立ってきた。
('A`)「Sは主語…」
( ^ω^)「え?」
('A`)「Sは主語、Vは動詞、Oは目的でCは補語。第五文型くらい知ってろ」
( ^ω^)「…」
(*゚ー゚)「…」
('A`)「な、なんだよ気味悪い」
( ^ω^)「す、すごいお!!」
('A`)「はぁ?何が!?」
( ^ω^)「よくわかんないけどすごいお!!それ、教えてお!!」
('A`)「な、何で俺が」
(*゚ー゚)「やっぱりドクオ君って頭いいんだ。どっか受験したの?」
('A`)「難杉高校…」
(*゚ー゚)「え! あの名門高校!すごい頭いいんだ!」
('A`)「いやあの…」
「おい!ドクオが喋ったらしいぞ!!」
「え?あのドクオが?」
「ブーンに話しかけたらしいぜ!!」
('A`)「ちょ…人集まりすぎ」
( ^ω^)「ドクオは第五文型知ってるらしいお!!」
「ちょwwwお前だけだろ知らないのはww」
「第一声が第五文型wwwはらいてぇwww」
…うざい。うるさい。
くそっ、やっぱりあんなこと言うんじゃなかった。
勉強ができないじゃないか。
内藤の奴、俺に恨みでもあるのか?
※
「じゃーなードクオ!」
「今度俺にも第五文型教えてくれよwww」
…結局、あの休み時間以来、第五文型を知らない奴が群がってきて教える羽目になった。
高校受験で使うだろ。常識的に考えて。
('A`)「はぁ、図書館にでもよって自習するか」
( ^ω^)「ドクオー!!」
あぁ、また災いの種がやってきた。
火薬爆弾を背負った特攻隊のような危険人物だ。
( ^ω^)「はぁはぁ…追いついたお」
('A`)「まだなんか用?」
( ^ω^)「ドクオ、僕に勉強教えてくれお!!」
('A`)「…はぁ?」
こりゃ面倒な大砲が飛んできたものだ。
どうしてこいつはこうも俺の嫌いなフラグばかり立ててくれるんだ。
('A`)「先生に聞けばいいだろ…俺は忙しいんだよ」
( ^ω^)「ドクオ、第五文型僕に教えてくれたお!!」
('A`)「いや、だから人の話をk…」
( ^ω^)「ドクオの教え方、すっごいすごいうまかったお!!僕びっくりしたお!」
('A`)「…へ?」
( ^ω^)「だから、ドクオに教えてほしいお!!」
何でこいつはこうも思ってることをストレートに表現できるのかな。
俺、ここまで人に必要とされたことあったっけな…
って何考えてるんだ。労力と見返りを考えれば断るべきだ。
断る、べきなんだけど。
( ^ω^)「あ、しぃちゃん!おーい!」
(*゚ー゚)「ん? あ、内藤君にドクオ君」
( ^ω^)「これからドクオに勉強教えてもらうんだけど、一緒にこないかお?」
('A`)「え、いや俺はまだ」
(*゚ー゚)「うん、いいよ。じゃあ私も行こうかな」
彼女も来る…?
一緒に勉強=密着!!
ま、まぁ一応「勉強」するんだし、少しはこの学校の学力向上に
貢献するのも悪くない。
('A`)「じゃ、じゃあ行こうか」
( ^ω^)「おkwwwwじゃあマックにいくおー!!」
は…マック?
マックってマクドナルドのことか?
食べ物をテイクアウトするつもりなのだろうか。
('A`)「で、普通にここで食べるってどういうことよ?」
( ^ω^)「はふはふwwwうめぇwww」
(*゚ー゚)「内藤君、食べすぎw それより英語教えてもらうんでしょ?」
( ^ω^)「そうだったおwwよろすくwww」
本気でここでやるらしい。
店内には他の学校の学生もちらほら見える。
他人のおしゃべりがここまで激しい騒音に聞こえるのは俺だけだろうか。
('A`)「とりあえず、英語はどのくらいまでわかるんだ?」
( ^ω^)「ローマ字は書けるおww後マンデーはモンデーと書くおww」
俺は手に持っていたペンをコトリ、と落とし
隣に座っていたしぃの手もポテトを口に運ぶ途中で止まった。
('A`)「お前、どうやってこの高校入ったんだよ…」
(*゚ー゚)「も、モンデーって…」
( ^ω^)「高校は前期で入ったおww面接うめぇww」
推薦で入った奴は高校で成績が落ちる、と聞いたことがあるが…
('A`)「ここまでの奴は…正直初めてだ。背筋が凍るぜ」
(*゚ー゚)「き、きっと今までやってなかっただけだよ!知識が入ってないぶん入りやすいって!」
('A`)「しぃ…それ追い討ち」
(*゚ー゚)「え…あ、やば」
( ^ω^)「そうか!僕は天才だったんだお!未完の大器だお!」
いらぬ心配だったらしい。
内藤はある意味本物かもしれない。いろんな意味で
内藤に英語を教えてから3時間が過ぎた。
さっきまで騒いでいた学生たちも少なくなり、辺りは暗くなってきた。
そんなVIP市店マクドナルド店内では、怒号の飛び交うまさに地獄絵図とかしていた。
(*゚ー゚)「だから!!ここのThatは関係代名詞っていってるでしょ!!どうして「あれ」って訳すの?」
( ^ω^)「す、すびばしぇ…」
(*゚ー゚)「謝ってる暇があるなら早くやれば? ほんと頭悪い!!」
('A`)「し、しぃ…暗くなってきたし、そろそろ終わりにしようぜ…」
(*゚ー゚)「え? ああ、ほんとだ。もうこんな時間」
内藤は頭を抱えてなにやらぶつぶつ呟いている。
二面性のある女性というのは噂では聞いていたが
想像以上に、怖い
マックをでると、辺りはすっかり暗くなっていた。
春とはいえ、まだ肌寒い風が少し吹いていた。
(*゚ー゚)「ドクオ君は帰りは電車?」
('A`)「あ、俺はバス」
( ^ω^)「僕も…busだお…」
(*゚ー゚)「じゃ、私は電車だから…あ、二人とも携帯持ってる?」
('A`)「あ、あぁ一応」
( ^ω^)「持ってる…お」
高校に入るときにカーチャンから買ってもらったが
メールアドレスはまだカーチャンのしか入っていないさびしい携帯だ。
(*゚ー゚)「じゃあさ、メアド交換しよ?」
('A`)「め、メアド?」
メアド交換と言えば、親睦の深い相手と行う物だと思っていた。
初めてのメル友じゃん…やべぇ、なんだろう。嬉しい。
('A`)「えっと、どうやるんだ…俺のメアドは」
(*゚ー゚)「どれ、見せてw」
('A`)「あ…」
しぃの指先が俺の手に触れた。
白くて、きれいな指先。伝わる体温。
しぃは俺の携帯を取ると、何やらすばやくボタンを打ち込んだ。
俺はその指先よりもしぃの横顔に見とれていた
(*゚ー゚)「はいwできたよ」
('A`)「あ、ありがと…」
しぃの笑顔でまた鼓動が早くなった。
落ち着け俺。be cool
( ^ω^)「ブツブツ…僕のもエクスチェンジ…」
('A`)「うぉっ!びっくりした…」
(*゚ー゚)「あははwちゃんと単語覚えてるねw」
こうして俺たちはメアドを互いに交換し、それぞれの帰路についた。
なんだか色々あった一日だった…って俺自分の勉強してないし!
でも、今日はそんなことが気にならないくらい有意義だった。
('A`)「ただいまー」
家に帰宅し、自分の部屋に入る。
電気をつけて制服のままベットに倒れこんだ。
('A`)「ねみぃ…夕飯はいいや、風呂に入ろう」
だらだらと風呂場へ向かい、熱めのシャワーを浴びる。
('A`)「〜♪」
入浴時の鼻歌が俺の疲れを癒す。
ブルルル!!
('A`)「ん?」
湯船でゆったりしていると、振動音が聞こえた。
そう言えば、携帯はメールがくると振動するんだったな。
('A`)「携帯ポケットにいれっぱだった…誰だろ」
送信者:しぃ
件名:今日はお疲れ様♪
本文:今日は勉強教えてくれてありがとう
ドクオ君ってなんか教え方うまいよね!
すごくわかりやすかったよ♪
('A`)「し、しぃからメールあwせdrftgyふじこ」
裸のまま携帯を握り締め、もう一度画面を確認する。
送信者:しぃ
('A`)「お、おおっ!?」
俺は感動していた。
女の子からメールをもらうと言うことがこんなにも感動するものだったとは…。
('A`)「って、感動してる場合じゃない! へ、返事を書かないと…」
俺の頭脳がフル回転する。
まず、親しみをこめて最初の挨拶…いやいや違う、あー、どういたしまして?
うーん、しっくりこない…ってこんなことやってる間に時間が!!
('A`)「えっと、返信メール編集は…」
その時、誤ってとんでもないボタンを押してしまった。
('A`)「アーッ!!」
送信者:ドクオ
件名:Re:今日はお疲れ様♪
本文:
('A`)「終わった…完全空白送っちまった…」
俺の目の前は真っ暗になった!
送信ボタン間違って押しちゃったってレベルじゃねぇぞ!!
俺は全裸のまま静かに浴槽へ戻った。
('A`)「落ち着け、まずは解決策を考えよう」
相手の予想される返信パターン、フォロー方法…
何より一番痛いのは、これが俺の記念すべきメール第一号ということだ。
ブルルルル!!
('A`)「ハッ!」
返信が来てしまった。
俺は飛びつくように浴槽を飛び出し、洗面所にある携帯を手にとって開く
送信者:しぃ
件名:裏ワザ?
本文:ちょっと、一文字ぐらい入れて欲しいなw
('A`)「せ、セーフ!!」
俺はその場で両手を横に上げ、セーフの姿勢をとった。
('A`)「き、気にしてた俺がバカみたいだ…」
そうだ、たかがメールなんだから普通に、ナチュラルに返信すればいい。
('A`)「えっと、顔文字ってどうやってうつんだ…わかんないから(笑)を使おう」
送信者:ドクオ
件名:Re:裏ワザ?
本文:間違えて送信しちゃった(笑)
俺メールするの初めてだからさ(笑)
だからしぃが初めて、なんちゃって(笑)
('A`)「ふふふ、ギャグも入れたし完璧な内容だ、送信っと」
3分後
('A`)「ああああ俺はなんてメールを送ってしまったんだああ!!」
改めて自分のメールを見直すと、まず(笑)がうざい。
一目見て閉じたくなるような印象を与える…。
おまけに寒い下ネタ…終わった。
今度こそ完全に終わった…
('A`)「俺のばかばか!!調子乗りすぎだ!!」
浴槽の水面を叩きながら恥ずかしさと後悔のあまり顔が赤くなる。
('A`)「こ、これが俗に言う穴があるなら入りたい心境なのかっ!」
ブルルルル…
('A`)「はぃい!!!」
カルタを取るような気合の入った掛け声と共に携帯を開く。
送信者:しぃ
件名:あははw
本文:ドクオ君って意外とおもしろいんだねw
なんかイメージしてた人と全然違うよw
じゃあそろそろ寝ます。
ドクオ君もちゃんと睡眠とらなきゃだめだよ♪
('A`)「ヴィクトリぃぃぃー!!!!」
完璧にセーフ、むしろいい感じのセーフだ。
俺の顔は自然とにやけていき、なんだかまた恥ずかしくなってしまった。
('A`)「うっほいうっほい♪」
J( 'ー`)し「…」
('A`)「…」
J( 'ー`)し「湯冷めしないようにね…」
('A`)「あ、ああ」←急にシリアス
こうして俺は色んなことがあった一日を終え、寝床についた。
(内藤家)
(;;;^ω^)「も、もうthatのところは嫌だお…ZZZ…」
('A`) ドクオのペンは進まないようです
翌朝…
('A`)「ふぁ〜あ…」
アクビをしながら学校へと向かう。
人間というものはいとも簡単に変わるものだ。
初日、あれほど苦痛だった学校が楽しくなったのは、やっぱり彼女のおかげだろう。
「ドクオー!!」
ほら、きた!
( ^ω^)「おっは〜だお〜」
('A`)「わかってたよ。わかっててやったのさ」
( ^ω^)「? なんのことだお?」
('A`)「いんや、こっちの事情。それより早くいこうぜ、ブーン」
( ^ω^)「おk!!」
ブーンとたわいも無い話で盛り上がりながら通学路を歩く。
そういえば、さっき無意識に俺は内藤をブーンと呼んだ。
まぁ、いつまでも内藤じゃ言いづらいからな。
( ^ω^)「おっは〜!」
ブーンは大きな声で挨拶しながら教室に入り、俺も続けて入った。
(*゚ー゚)「あ、二人ともおはよ〜」
('A`)「お、おおおはy」
( ^ω^)「おはようだお!」
また新しい感情を覚えた。「空気嫁」
(*゚ー゚)「うん、おはよwそういえば内藤君、メール見た?」
( ^ω^)「え、メール?」
ブーンは携帯を開けるとメールチェックする。
( ^ω^)「いっけねw眠ってて気づかなかったおwwすまんww」
(*゚ー゚)「なんだ〜届いてないのかと思ったよw」
( ^ω^)「今お返事書くおww」
(*゚ー゚)「ちょw意味ないからw」
('A`)←微妙に会話に入るタイミング逃した
('A`)「お、俺の方にはしぃからのメール届いたよ」
(*゚ー゚)「あ、うんwドクオ君最初空白送ってくるんだモンw故障かと思ったよ」
('A`)「あ、あれは手が滑っちゃってはは(笑)」
( ^ω^)「空白!?そんなことできるのかお!?教えてくれお!」
('A`)「おお、今送ってやるよ」
光る風を追い越したら〜♪
(*゚ー゚)「鳴ってる、鳴ってるからw」
('A`)「ちょwwその着信音ww」
( ^ω^)「僕の大好きな曲だおw」
楽しい雑談をしていると、担任のわかんないです先生が入ってきてホームルームが始まった。
授業中の俺はというと、完全に上の空でその視線は自然としぃの方へ向かっていた。
('A`)「…」
黒板をまじめに移しているしぃの顔に見とれる。
(*゚ー゚)
改めて見ると整った顔立ちや白い肌に素直に綺麗だと思った。
……
…
「おい、ドクオ君」
('A`)「え!?」
完全に上の空だった。
前を見ると教師がこちらをじっと見ている。
「当たってるよ。早く読みなさい」
('A`)「あ、えっと…すいません聞いてませんでした」
「おいおい、頼むよ。誰か好みの子でも見ていたのかいw?」←空気読めない教師
「まじかよwwww」
「おいおい相手は誰だぁ???」
「ヒューーヒューーーー!」←妙にうまい
く、屈辱だ。
というか俺はノート一ページも書いてないじゃないか!!
('A`)「はぁ…」
結局、最後の10分で必死こいてノートを書いたが全部把握できなかった。
誰かに見せてもらうしかないな。
('A`)「おーい、ブーン。ノート見せて…」
( ^ω^)「ん…おはようドクオ〜」
本当に目を開けて寝る奴というのはいるらしい。ここに一人発見した。
ブーンのノートはアテにできないとして、誰かノートをとっていそうな人は…
(*゚ー゚) 「ふぅ〜」
('A`)(ろ、ロマンティックチャンス!!)
※0.3秒中のドクオの思考
制限時間は10分、だが行動は早いに越したことは無い。
まず、第一声だ。「わりぃノート見せてくんね?」
ニヒルぶってるが、やはりこれか…。
いやいやもう少し自然に入るには冒頭の「わりぃ」はいらないかな
('A`)(よし、しぃゴメンノート見せて、でいこう)
俺は意を決するとしぃの席のほうへ歩いていった。
('A`)
(*゚ー゚)
('A`)(ゴクリ…)
(*゚ー゚)
== ('A`)
(*゚ー゚)
('A`) (俺のチキンヤロー!!!!!)
ロマンティックチャンス失敗。
一回失敗するごとに不自然さがupし、さらに時間も押してくるという最悪のシナリオである。
('A`) (と、とりあえずこっちにきた理由を作らなきゃ! でもこっちに知り合いいねぇし!)
俺は頭の中が混乱し、ノートを持ったまま最前列の席まできてしまった。
どうする!?ええっと、とりあえず…
('A`) 「ごめん、ノート見せてくれない?」
川 ゚ -゚)「ん…?」
完全に場違い。
俺は何をやってるんだ
(;'A`)「…」
まったく知らない女子に話しかけてしまった。
しかもいきなりノート見せろってナンパですか?
何様だよ。おそらくこの女子は(ナニコイツ、キモイ)という感情を抱いたに違いない。
(;'A`)「あ、あのごめn」
川 ゚ -゚)「いいぞ」
(;'A`)「…!?」
俺が硬直してると見知らぬ女子はノートを取り出し、「ほら」と言って
俺に差し出した。
('A`) 「あ、おお」
返事にならない返事をしながらノートを借り、自分の席に戻った。
脳が麻痺した状態のままノートを書く。
すぐに書き終え、再びさっきの女子の所へノートを返しに行く。
('A`) 「あの、あ、ありがとう。え〜っと…」
ノートの表紙に、クーという文字が見えた。
('A`) 「クー、さん?」
川 ゚ -゚)「別に礼を言われるほどのことじゃないがな」
そう言うとクーはノートを机に入れ、俺のほうを見て微笑む
川 ゚ -゚)「しかし、勉強していると公言するならノートくらいはとっておくんだな」
(;'A`)「え!? あぁ、ちょっとボーっとしてて…」
会話になってるのかなってないのかよくわからない。
女の子と話すときだけは脳がうまく働かず、心拍数が上がる。
チャイムが鳴り、どやどやと生徒達が各々の席に座り始める
川 ゚ -゚)「おっと、次の授業が始まるな。お前も席についたほうがいいぞドクオ」
('A`) 「あ、ああ。とにかくありがと」
俺は逃げるように席に戻ると、ニヤニヤしたブーンが小声で話しかけてきた。
( ^ω^)「成功したかお?」
('A`) 「な、なにがだよ」
( ^ω^)「な・ん・ぱ♪」
こういう時だけ元気になるやつってのは
味方にしても敵にしてもやっかいなものである。
('A`) 「だからちげーって。ただノート見せてもらっただけだ」
( ^ω^)「またまたw照れるなおw」
こういう状態の人は、とりあえずおもしろい方向へ行けばいいと考えている。
いわゆる野次馬というやつか。
(*゚ー゚)「ね、何の話?」
( ^ω^)「いやー実はドクオが…」
('A`) 「!!」
警告!警告!空気読めないレベルAランク!
ただちにスクランブル発信を行ってください!!
俺はとっさにブーンの口を手のひらでふさぐ
('A`)「さっきボーっとしてたのはちょっと空について考えててさぁ!!」
(*゚ー゚)「空?」
( ^ω^)「むご…むごむご」
('A`) 「いやぁ、空を自由に飛べたら気持ちいいだろうなって…」
(*゚ー゚)「へ〜わかるなぁその気持ち。なんか自由って感じだしね」
('A`) 「そうそうwまぁ途方もない夢だけどね!」
夢の話でしぃをなんとか押し切り
冷や汗をぬぐいながらブーンの口から手を離した
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