/ ゚、。 /「無くしたい事?」
ξ゚听)ξ「そう、無くしたい事」
ダイオードは城を追い出されても商人でした。
魔女の存在を知っても、
「ああ、そうだったのか」
と納得するだけでした。
いくら願いでも無条件に幸せには出来ません。
だから、代わりに彼等の、
後悔した事や、
忘れたい記憶を、
無くすことにしたのです。
だけど、
/ ゚、。 /「無いよ」
ξ゚听)ξ「無い?」
ダイオードはそれを断りました。
/ ゚、。 /「ああ、私に消したい事なんて無いんだ」
ξ゚听)ξ「……」
/ ゚、。 /「忘れたい過去はあるけどね」
/ ゚、。 /「……でも、それは忘れちゃいけない事だ」
ξ゚听)ξ「……」
/ ゚、。 /「絶対に、忘れちゃいけない事なんだ」
ξ゚听)ξ「そう……」
/ ゚、。 /「ああ、だから他な奴のとこへ行きなよ」
ξ゚听)ξ「……わかったわ」
そういって、魔女が別の家臣の下へ行こうとした時です。
/ ゚、。 /「ああ、代わりと言ったらなんだけど」
ダイオードは言いました。
/ ゚、。 /「王様を幸せにしてやってくれ、彼は私と同じだから」
(´・ω・`)「消したい事?」
ξ゚听)ξ「そう、消したい事」
次は庭師のショボンです。
彼もまた、事情を話すと、
「ああ、知ってるよ」、と言いました。
でも、
(´・ω・`)「消したい事なんて無いよ」
ξ゚听)ξ「……」
ショボンもまた、
消す事を、断りました。
(´・ω・`)「無いんだ、消したい事なんて」
ショボンの両目は、全てを見透かしているようでした。
(´・ω・`)「後悔している事はあるけれど」
ξ゚听)ξ「……」
(ねえショボン!僕は星がいいなあ!)
(ショボン、四角とかはできないかなあ)
その時、魔女にも、声が聞こえました。
(´・ω・`)「声の大切さに気づけた、だから、いらないよ」
ξ゚听)ξ「そう……」
そうして魔女が他の家臣の下へ行こうとした時です。
(´・ω・`)「ああ、代わりに頼みたいんだけど」
ショボンが言いました。
(´・ω・`)「王様を幸せにしておくれ、また声が聞こえたのは彼のおかげみたいな物だから」
そうして次はコックです。
「いまさら何しに来たんだよ!」
<ヽ;`∀´> 「ごめんなさいニダ。本当に、すみませんニダ」
だけれど魔女は彼に近づけません。
彼が沢山の人に謝っていたから。
ずっと、ずうっと。
「これ、お詫びの料理ニダ……キムチじゃないニダ……」
「いらねえよ!そんなもん!」
そんなやりとりを何回もニダーはしていました。
何回も何回も、
そして、
「……まあ、受け取ってやるよ、二度と盗みなんてするなよ」
<ヽ*`∀´>「ありがとうございますニダ!」
許してくれる人も、
出てきました。
そうして、ようやく話せるようになりました。
<ヽ`∀´> 「消したい事?」
ξ゚听)ξ「そう、消したい事」
ニダーも魔女の事を聞いても驚きませんでした。
「王様は凄いから何でも出来るニダ」、と言うだけでした。
ただただニコニコしてました。
そして、
<ヽ`∀´> 「消したい事なんて無いニダ」
ξ゚听)ξ「何も?」
<ヽ`∀´> 「なあんにも無いニダ」
ニダーも二人のように、
<ヽ`∀´> 「後悔している事はあるニダ」
<ヽ`∀´> 「でもそれを忘れちゃいけないニダ」
言ったのです。
<ヽ`∀´> 「さ!まだまだ謝る人は沢山いるニダ!」
ξ゚听)ξ「そう……」
<ヽ`∀´> 「頑張るニダ!」
ξ゚听)ξ「……」
そうして魔女がまた別の家臣の下へ行こうとした時です。
<ヽ`∀´> 「あ!もしよければ!」
ニダーが言いました。
<ヽ`∀´> 「王様に幸せを!王様はウリを助けてくれたニダ!」
(*゚ー゚) 「消したい事?」
ξ゚听)ξ「そう、消したい事」
最後は使用人のしぃでした。
(*゚ー゚) 「……」
ξ゚听)ξ「……」
彼女は、
(*゚ー゚) 「あるよ、消したい事」
ξ゚听)ξ「それは、なに?」
(*゚ー゚) 「……」
彼女だけは、
「王様と会ってからの記憶を消して欲しいな」
消す事を、願いました。
(*゚ー゚) 「あんな楽しい毎日なんてなかった」
ξ゚听)ξ「……」
(*゚ー゚) 「もう、来ない日々なら、消して欲しい」
ξ゚听)ξ「……いいの?」
(*゚ー゚) 「うん……」
ξ゚听)ξ「……わかった」
(*゚ー゚) 「……」
そうして、魔女が魔法を唱えようとしたときです。
「……!!!」
ξ;゚听)ξ「……!!!!」
無理矢理に口を押さえ付けられました。
ξ;゚听)ξ「ちょっと!何するの!」
(*;ー;)「駄目っ!絶対に駄目っ!」
ξ;゚听)ξ「あなたが望んだのよ!?」
(*;ー;)「忘れたい!忘れたいけど!」
「それでも毎日は本当に楽しかった!」
ξ;゚听)ξ「……」
(*;ー;)「私…楽しかった……本当に…楽しかった……」
ξ;゚听)ξ「……」
(*;ー;)「ごめんなさい、わがまま言って」
(*;ー;)「私…やっぱり何も、消したく無い……」
(*;ー;)「忘れたく、ない……」
ξ;゚听)ξ「……」
ξ;゚听)ξ「じゃあ、何も、望まないのね?」
(*;ー;)「……うん」
ξ;--)ξ「……わかったわ」
ああ、またか、
そう思い、城に魔女が戻ろうとした時です。
(*;ー;)「もし、もしよかったら!」
しぃが叫びました。
(*;ー;)「王様に幸せを!あの人が拾ってくれたから楽しい日々に会えた!」
そうして、
商人と、
庭師と、
コックと、
使用人な願いを抱いて、
魔女は城へ戻りました。
( ω )「……」
そして、
( ω )(なんだお……)
そして王様の病は治り、
( ω )(なんだか…暖かいお……)
「…!……!!」
( ω )(何か、何か聞こえるお……)
「…様!王様!」
( ω )(みんなの…声?)
そして彼の周りには、
(*;ー;)「王様!王様!」
使用人の少女と、
<ヽ*`∀´>「起きたニダ!」
泥棒だったコックと、
(´・ω・`)「よかった……」
心の読める庭師と、
/ ゚、。 /「……」
過去と向き合う商人と、
「本当に、」
彼が聞いた声は、
( ω )(え……)
( ω )「……まさか」
そして、
「本当に王様になったんだ……」
そしてそれは、彼が求め続けていた、
ξ*゚ー゚)ξ「おめでとうブーン」
彼女の、声でした。
そこで王様は目覚めました。
(;゚ω゚)「ツン!」
聞いた、確かに聞いた。
彼女の声を、求めつづけた、
彼女の声を。
(;゚ω゚)「……」
だけど、彼の周りには誰もいませんでした。
あんなにも、あんなにもリアルに、
声が聞こえたのに。
( ω )「やっぱり……」
嗚呼、何も、何も無いんだ。
僕には、何も、無い。
再び王様が悲しみに染まり始めた時です。
(*゚ー゚) 「王様」
そこに使用人の少女が、いました。
( ω )「しぃかお」
(*゚ー゚) 「悲しい、夢を……見たんですか?」
( ω )「……そうだお、悲しい、とても悲しい夢だお」
( ω )「僕に、何も無い事を、実感してしまう……」
( ω )「悲しい…夢だお……」
(*゚ー゚) 「王様」
( ω )「なんだお」
(*゚ー゚) 「私には家族がいません」
(*゚ー゚) 「戦争で失いました」
(*゚ー゚) 「コックのニダーさんも、そうらしいです」
( ω )「……」
(*゚ー゚) 「でも、でも私は、手には、まだ残っている物があります」
( ω )「……」
(*゚ー゚) 「王様、あなたがくれたのです」
(*゚ー゚) 「私だけじゃない……」
(*;ー;)「ニダーさんや、ショボンさんや、きっとダイオードさんだって!」
(*;ー;)「王様がくれた物を持ってるはずです!」
( ω )「……」
(*;ー;)「王様……それでも、あなたには、あなたの手には、」
(*;ー;)「何もありませんか?」
ぽたり、と
涙が落ちました。
( ;ω;)「……あるお」
( ;ω;)「僕には…沢山の物が、まだ……」
ハラハラと、王様の目からは涙が落ちていました。
泣いて、泣いて
泣いて。
部屋には二人の泣く音だけが響いていました。
それと、
<ヽ;`∀´>「王様泣いてるから励ましに入るニダ!」
(;´・ω・`)「やめなよ」
/;゚、。 /「やめといた方が……」
<ヽ;`∀´> 「な、なんで?」
(´・ω・`)/ ゚、。 /「空気を読んで」
部屋の外では不安そうにしている彼等もいました。
一番に取り戻したい、無くした物は帰って来ませんでした。
しぃとニダーの家族、
ショボンのチャンス、
ダイオードの出会った少女、
だけど、だけで、
( ;ω;)
(*;ー;)
<ヽ`∀´>
(´・ω・`)
/ ゚、。 /
彼等には、まだ残っている物もありました。
そして
ξ゚听)ξ「最後の願いが決まった?」
( ^ω^)「そうだお」
家臣が城に帰ってしばらくした日の事です。
魔女と王様はいつもとは違う話をしていました。
ξ゚听)ξ「まあいいけど、どんな願い?」
( ^ω^)「それは」
*****
「魔女はね、可哀相なんだ」
「魔女がですか?」
「呼び出した者から奪うだけ、」
「……」
「魔女には何もないんだ、何も」
「……王様は、どうしたんですか?」
「それはね」
*****
( ^ω^)「魔女さん、あなたに」
ξ゚听)ξ「私に?」
( ^ω^)「『自分』を作ってあげたいお」
( ^ω^)「それが三つ目の願いだお」
そう、王様が言った時でした。
ξ;゚听)ξ「あ……」
魔女を、光が、包んだのです。
そして、魔女は、自分を手に入れて、
ζ(゚ー゚*ζ「……」
( ^ω^)「ツンに妹がいたらこんなんだおね」
ζ(゚ー゚*ζ「……ありがとう」
( ^ω^)「おっおwwwたいした事ないおwww」
ζ(゚ー゚*ζ「私に頼った人は少ないけど、こんな願いあなたが始めてだよ」
( ^ω^)「おっおwwww」
ζ(゚ー゚*ζ「……お礼に、奪わないであげる」
( ^ω^)「お?」
次の瞬間には、魔女はもうそこにはいませんでした。
*****
老人に近い男は子供に童話を話していた。
話しは時期に終わりそうで子供は興奮し、鼻息を荒げ、話しを聞いていた。
「それで!?それから王様達はどうなったんですか?」
「実はなあ、この先はなあ……」
「ええ!?わからないんですか?教えてくださいよ!王様!」
「おっおwwwwすまないおwww」
だってこのお話は、
( ^ω^)「僕もよくわからないんだおwwww」
終わっていないのですから。
むかしむかしのお話です。
周りの人の事など考えない。
自分のためだけに王様になった男がいました。
だけど、男はみんなに慕われて、
みんなからこう、言われました。
「あの王様は最高だよ!」
( ^ω^)は最低な王様になるようです
おしまい
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