( ´_ゝ`)「……アーアー。マイクよし。弟者。準備できたぞ」
(´<_` )「こっちも大丈夫だ……が、ホントにこのカセットでいいんだろうな……」
( ´_ゝ`)「もちろんだ。おれが選んだ珠玉のセットリストだぞ」
(´<_` )「(だから心配なんだよな……)」
( ´_ゝ`)「案ずるな弟者。そのカセットにおれのPOPでキッチュなMCが乗ったcoolな校内放送を聴けば
こんな退屈な学校の退屈な昼休みなど、一瞬で――」
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ノi|lli; i . .;, 、 .,, ` ; 、 .; ´ ;,il||iγ
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`;;i|l|li||lll|||il;i:ii,..,.i||l´i,,.;,.. .il `, ,i|;.,l;;:`ii||iil||il||il||l||i|lii゙ゝ
゙゙´`´゙-;il||||il|||li||i||iiii;ilii;lili;||i;;;,,|i;,:,i|liil||ill|||ilill|||ii||lli゙/`゙
´゙`゙⌒ゞ;iill|||lli|llii:;゙i|||||l||ilil||i|llii;|;_゙ι´゚゙´
( ´_ゝ`)「ボン、だ」
(´<_` ;)「いやいやいやいやいやいやいやいや」
川 ゚ -゚)<……
↑
(´<_` )「だいたい、部長の許可も取らずに校内放送なんて流していいんだろうか……」
( ´_ゝ`)「細かいことは気にするな。おれの神MCは、落ち目にある我が放送部のいい宣伝になる。
部長も喜ぶだろう」
↓
('、`*川<サスガネvv
(´<_` ;)「その自信の根拠が凄く気になるんだが……兄者、MCどころか校内放送だってロクにやったことないじゃないか。
兄者がいつもサボるから、部長が不機嫌で大変なんだぞ」
↓
_, ,_
川 #゚ -゚)<ブチコロス
( ´_ゝ`)「ふっ、今日のおれはやるぜぇ、やってやるぜぇ」
(´<_` ;)「(答えになってない……)」
( ´_ゝ`)「ほら、何をボヤボヤしてるんだ弟者。もう昼休みは始まっているんだぞ。カセットをかけたまえ。革命の時間だ」
(´<_` )「あぁもう……分かった分かった。じゃあ行くぞ。3秒前……2……1……」
m9(´<_` )「(キュー!)」
『川 ゚ -゚)はデンナミに乗せたようです 前編』
『8ジッデッ シッマールー♪ チューウオーウドーオリー♪ センタクシ ムッゲーン♪ コウカンド アッゲッテー♪』
Σ(´<_` ;)「(うげぇっ!? エロゲソングかよ!? しかも相当マニアックなっ!?)」
( //´_ゝ`//)『ヘーイ! コチラくちびる高校放送部っ! 今日もお昼の校内放送をはじめるゼッ!』
(´<_` ;)「(……だっせぇ……)」
( ´_ゝ`)『今日のオープニングは、みんなもダイスキでmustなあのエロゲからのチョイスだ!
もちろん知らねーヤツはいねーな!?』
(´<_` ;)「(いや、少なくともmustじゃないし、普通知らないから……)」
( ´_ゝ`)『さー、今日7月18日は何の日か、当然お前ら知ってるよな!?
テスト返却なんて冷めたこと言うヤツはNo Thank You!
モチロン、観鈴ちんと往人さんが出会った記念すべき日だぜ! イェアー!』
(´<_` ;)「(もう、この放送やめたい……)」
――同時刻、2年D組教室――
『あえて言おう! DJアニ的にゃ、最高傑作はkann○nだ!』
川 ゚ -゚)「……なんだ、このふざけた放送は……こんなもの、わたしは許可していないぞ……」
『――wwヘ√レvv〜──wwヘ√レvv〜─wwヘ────(電波すぎる内容のため、イメージ化してお送りします)』
川 ゚ -゚)「わたしは許可していない。し、わたしは今放送していない」
『─wwヘ√レvv〜──wwヘ√レvv〜─wwヘ√レvv〜──wwヘ√レvv〜─!!』
川 ゚ -゚)「放送室の鍵は放送部員にしか取れない。放送部員は、わたし以外には流石の兄弟しかいない」
『あqwせdrftgyふじこlp;! ふじこlp;!!』
川 ゚ -゚)「弟くんの方がこんな放送をするワケがない。分かった、主犯はあのバカか」
『――なんつってもサユリさん! くーっ、たまんねぇぜ! やっぱ、おっぱいはDからだよな!』
川 ゚ -゚)「………………」
川 #゚ -゚)「よし、殺す」
――放送室――
(´<_` ;)「(これ絶対ヤバいよなぁ……部長に怒られるってレベルじゃねーぞ……)」
( ´_ゝ`)『フゥー! そんなに熱くならないでくれよ! 分かった分かった!
リスナーの思い、この放送室にもビシビシ届いてくるぜ!』
(´<_` ;)「(兄者には悪いが、次の曲をかけたらここからエスケープしよう……)」
( ´_ゝ`)『そいじゃいくぜぇ! ネクストは、宮崎○夢の「バスト占いのうた」! ジャストリスン!』
(´<_` )「(テープを再生して……ミキサーを、ちょいちょい、っと)」
『Aカップ♪ Bカップ♪ Cカップ♪ Dカップ♪ Eカップ♪ Fカップ♪ Gカップ♪ Hカップ♪』
(´<_` ;)「(なんつー歌だよ……まぁいいや、とにかく脱っしゅt――)」
バタン!
川 ゚ -゚)「…………何をしている?」
Σ(´<_` ;)「うげっ!? 遅かった!?」
川 ゚ -゚)「何をしているんだ、と聞いてるんだ。わたしは」
(´<_` ;)「いや、あのぉ……そのぉ……」
( ´_ゝ`)y-∫『さぁーお前らは何カップ好きだったんだぁっ!?
DJアニ的には断然Hだ! でかくないおっぱいに意味なんてねーっ!
特にウチの部長なんか、ありゃ相当ひでーぜ! なんだありゃ! 洗濯板を通り越してもう盆地――ん?』
川 ゚ -゚)「…………」
( ´_ゝ`;)『……なぁーんてこともねぇか! 発展途上のいい乳してるよな! ありゃいいおっぱいになるぜ!』
(´<_` )「(兄者は……バカだ……)」
( ´_ゝ`;)『え、えっとぉ、じゃあ次の曲をぉ……』
川 ゚ -゚)「ムリだ」
( ´_ゝ`;)『え、何ですか部長?』
川 ゚ -゚)「お前には次の曲をかける自由など、残されていない」
( ´_ゝ`)『え、それはどういう、』
川 ゚ -゚)「知りたいか?」
( ´_ゝ`)『いややっぱいいでs』
『うわっ、部長、ちょっと! 顔が怖い! 笑って笑って、ほらスマーイル! そんな顔、部長さんには似合わなぎゃ――――!』
――同時刻・3年C組――
(,,゚Д゚)「おい、連立方程式って何だ?」
(*゚ー゚)「えっとね、上の式と下の式は関係性があって、だから二つを組み合わせて答えを――」
『ぎにゃぁぁぁぁ! 痛い! 痛いですそこは! やめてぇぇ! もうおムコに行けないぃぃぃぃぃぃぃ!』
(,,゚Д゚)「おい、マクローリン展開って何だ?」
(*゚ー゚)「えっとね、サインとコサインとタンジェントがね、」
『いやっ、ちょっと部長、目がマジじゃないか! ダメだって! 刃物はダメだって! ときに落ち着けって!』
(,,゚Д゚)「おい、ボース・アインシュタイン凝縮ってどうなるんだ?」
(*゚ー゚)「えっとね、レーザーと磁場を使って原子の振動を抑制することで冷却してね、」
『うぎょぉぉぉぉぉぉ!? スピニング・トゥ・ホールド!? 痛ぇぇぇ!!』
――同時刻・音楽室――
从 ゚∀从「だーっ、Fが押さえらんねーよ!」
ノパ听)「そんなこともできんのかお前はっ! もうトライアングルでもやってろっ!」
『焼けてる! 燃えてるって部長! おじさんの毛、すっごいチリチリになってる!』
从 ゚∀从「誰がトライアングルなんかやるかよっ! オレはギターを極めるんだ!」
ノパ听)「半年前はキーボードを極めるとか言ってたろうがボケっ! そんなだからお前はダメなんだ!」
『ボキって言った! 今ボキって言った! 脚の骨イッた! ギブ! ギブギブギブギブ!』
从 ゚∀从「うが―――っ! さっきからうるせ―――っ! 何だよこの放送っ!」
ノパ听)「わたしが知るかっ! スピーカーのスイッチ切ればいいだろうっ!」
『うわああぁぁあロウソクが熱いぃぃいぃぃぃぃでもちょっと気持ちいブツン』
ノパ听)「……なあ、ウチって、校内放送なんてやってたっけ?」
从 ゚∀从「知らね」
――同時刻・社会科資料室――
『だいたい何だこのテープは。カチッ』
『ケードー ソレハー ナニモー テラセーナイー♪ ムイーミナー♪ ニセモノノ ヒカリデー♪』
(-_-)「……『ヒカリ』。『ジサ○のための101の方法』オープニング。2002年」
『モーオー モードレーナーイー♪ アナータノー ウーデーニー♪ ツーツマーレテーイータ ヤーサシイ ヒビー♪』
(-_-)「……『Rumbling Hearts』。『君が望○永遠』オープニング。2001年」
『……弟者くん、これは何の曲だ? ……そうか。年齢制限のあるパソコンゲームか』
(-_-)「……クス……いい趣味してる……」
『公共の放送でこんなものを流すのが良いか悪いかくらいの分別がつかないのか?』
――同時刻・教員室――
(゚、゚トソン「……? さっきからスピーカーが騒がしくないですか?」
( ><)「そうですか? わかんないです!」
『スミマセンモウシワケアリマセンモウニドトシマセン』
(゚、゚トソン「あ、ほら。何やら震えたか細い声が」
( ><)「え!? ちょっとわかんないです!」
『ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい!』
(゚、゚トソン「どこかのラインが混線しているんですかねえ? ちょっとしたホラーですね」
( ><)「すみません、わかんないです!」
(゚、゚トソン「(ダメだこいつ……)」
――放送室――
川 ゚ -゚)「……反省文な」
( メメメ´_ゝ`メメメ)「はい……」
川 ゚ -゚)「100枚な」
( メメメ´_ゝ`メメメ)「はい……」
(´<_` )「あ、あの、部長」
川 ゚ -゚)「ん? 何だ? 連帯責任で80枚ぐらい行っとくか?」
(´<_` )「いや、そうじゃなくて……あの、マイク入りっぱなしだったんで……今の、全校に生中継だったんですが……」
川 ゚ -゚)「……マジか」
(´<_` )「マジです」
川 ///)「とっ、とにかくっ、機材を片付けろ! もう二度とこんなことするなよ! わたしは帰る!」(バタン
(´<_` )「あ、はい。
……まぁ、どうせ校内放送なんか、誰も聞いてないんだろうけど……」
( メメメ´_ゝ`メメメ)「それって、おれ殴られ損なんじゃね?」
(´<_` )「いや、それとこれとは別の問題だと思うけどな」
(´<_` )「とにかく、保健室でも行ってこい。血がドクドク出てるぞ」
( ´_ゝ`)「マジで? 流血とかちょっとカッコよくね? 三井が乱入してきたときの流川みたいじゃね?」
(´<_` )「前々から思ってたが、あんたバカだろ」
( ´_ゝ`)「いやー、放送部はイマイチ地味なメンツだと思ってたんだよな。おれが救世主だったんだな」
(´<_` )「……人の話を聞いてくれ……」
( ´_ゝ`)「ひゃっほぉぉぉぅ! 流石だなおれら――っ!」
(´<_` )「おれ『ら』とか、兄者と同じくくりにしないでくれ」
『ツー トトッ ツー ツー トトトッ ツーツーツー トトトッ』
(´<_` )「……ん?」
『ツー トトッ トトッ トトトッ ツー ツー トトトッ』
(´<_` )「……なあ兄者、なんかヘンな音がしてないか?」
( ´_ゝ`)「おかしいのはいつだって世界だ! オトナたちだ!」
(´<_` )「いや、兄者がおかしいのはいつものことなんだが、ほら。このスピーカー」
『トッ ツー トッ トッ ツー トトッ ツー トトッ トトッ ツー』
( ´_ゝ`)「……? それ、おれが改造したトランスミッターだろ? そんなものから音なんて――」
(´<_` )「でもほら」
『ツー ツー ツー ツー ツー ツー ツー ツー ツー トッ ツー トッ トッ ツー ツー トトッ ツー ツー ツー ツー トッ ツー』
( ´_ゝ`)「…………」
(´<_` )「これ、機械の故障じゃないのか?」
( ´_ゝ`)「おれが手を加えた機械が壊れるワケないだろ」
(´<_` )「……まぁ認めたくないが、この種の才能には長けてるからな、兄者は……」
( ´_ゝ`)「故障じゃない。これは、和文モールスだ」
(´<_` )「モールス?」
――放課後――
川 ゚ -゚)「モールス信号ってどういうことだ」
( ´_ゝ`)「正確には和文モールスだな。間違いない」
川 ゚ -゚)「このバカの言ってることは信用できるのか、弟者くん」
(´<_` )「ええ、まぁおそらく……兄者は、電波についてだけは驚異的に詳しいですから」
( ´_ゝ`)「いや、アニメとかもけっこう詳しいぞ」
川 ゚ -゚)「……で? そのモールスの内容は?」
(´<_` )「最後の十秒くらいしか聞き取れませんでしたが、兄者が言うには『コ・コ・ニ・イ・マ・ス』だそうです」
( ´_ゝ`)「おーい、お兄さんシカト?」
川 ゚ -゚)「『ここにいます』、か。まぁ、確かに意味ありげではあるな。
しかし、別にSOSでもないんだろう? 個人間の通信かもしれないじゃないか」
( ´_ゝ`)「いや、その可能性は薄い。第一に、この電波はCBの周波数帯で流れてきていた。通信の確実性を考えれば――」
(´<_` )「まぁ、そうなんですけどね」
( ´_ゝ`)「第二に、このモールスが発せられた後、返信らしき電波は――」
川 ゚ -゚)「別に活動に支障はないんだろう? ならほっとけ。あとバカ、ちょっとうるさいから黙ってろ」
( ´_ゝ`)
( ;_ゝ;)
( ;_ゝ;)「イジメだ! 先生! この部にはイジメがあります!」
川 ゚ -゚)「先生などいない。そしてウザったいから泣くな」
( ;_ゝ;)「だってだってだって、だって涙が出ちゃ出ちゃう〜」
川 #゚ -゚)「よし分かった、涙が出ないようにして欲しいんだな?」
( ´_ゝ`;)「すいません調子乗りました」
(´<_` )「それで……あの、部長。それがですね、兄者は……」
( ´_ゝ`)「――この通信に返信してみたら面白いと思わないか? 部長さん」
川 ゚ -゚)「…………」
_, ,_
川 #゚ -゚)「……は?」
( ´_ゝ`)「我ら放送部の活動は本来、無線の交信も含んでいたはずだ。
この部屋には立派なリグだってある。窓の外にはバカデカい八木アンテナだって立ってる。
なのに、今の我々がしていることは何だ? しみったれた、誰も聞いてない校内放送だけじゃないか」
川 #゚ -゚)「それは何か、部長のわたしを愚弄してるのか?」
( ´_ゝ`)+「いや、コレはおふざけナシに。
部長さんも、こんな凋落したことでいいのか? この部活、昔は学生ハム大会で優勝とかしてるんだろ?」
川 ゚ -゚)「……ま、まぁ、確かにそれも一面の事実ではあるが……」
( ´_ゝ`)++「放送部を復活させるいいチャンスじゃないか。
確かに、CQを出したところで必ず返信があるワケじゃない。この通信に返事をしても、空振りに終わるかもしれない。
けど、そういうのも含めて無線の楽しみだ。違うか?」
川 ゚ -゚)「う、うん……まぁ、そう、かもな……」
(´<_` )「(兄者、自分の欲望に有益な時だけはものすごくいい顔するよなぁ……)」
川 ゚ -゚)「い、意外と、この部のことを考えてたんだな、キミも」
(´<_` )「で、ホンネは?」
( ´_ゝ`)「部の会計で無線機器買い放題! ラッキー! イヤッホーぅ!」
川 ゚ -゚)「…………死ね」
川 ゚ -゚)「……まあしかし、兄者クンの言うことも一理ある。確かにわたしたちは堕落していたかもしれない。
もし兄者クンの気持ちが本当なら、やってみてもいい」
( ´_ゝ`)「マジで!? やったー!」
川 ゚ -゚)「ただし、予算は出さないから。全部自腹でやってくれ」
( ´_ゝ`)「マジで!? げっそり!」
(´<_` )「というか、ホントにできるのか?」
( ´_ゝ`)b「任せとけ。おれは二技持ってるんだぞ」
(´<_` )「……イマイチ凄さが伝わらないんだが……」
( ´_ゝ`)「ググれ」
川 ゚ -゚)「それで? 具体的にどうするつもりなんだ?」
( ´_ゝ`)「まぁぶっちゃけた話、必要な機材は全部揃ってるな。
イマドキ、CBなんて全チャンネルガラガラだ。しかも交信はモールスと来てる。
CQDDX出すだけでヒットすると思うぞ」
川 ゚ -゚)「意味がまったく分からんが、可能そうなのは分かった。まぁ、がんばってみてくれ」
( ´_ゝ`)「おうよっ!」
――次の日――
(´<_` )「で、昨日の今日でもうできるのか」
( ´_ゝ`)「流石だな、おれ」
(´<_` )「……なんか、不思議と疎外感があるんだが……」
( ´_ゝ`)「何が?」
(´<_` )「いや、なんというか、兄者がキャラ立ちすぎててイマイチ立場がないっていうか……」
( ´_ゝ`)b「ドンマイ!」
(´<_` )「(なんかすっげームカつく……)」
川 ゚ -゚)「それで? これからどうするんだ?」
( ´_ゝ`)「とりあえずまた電波が飛んでくるのを待って、受信し次第返信してみる。あ、そうだ」
川 ゚ -゚)「ん?」
( ´_ゝ`)「コールサインどうしよう」
川 ゚ -゚)「コールサイン?」
( ´_ゝ`)「まぁ、無線のペンネームみたいなもんだな」
川 ゚ -゚)「なんでもいいんじゃないか、そんなの」
( ´_ゝ`)「そうはいかない。コールサインは大事なものだ。まぁ、CBだからある意味何でもいいんだけど」
(´<_` )「流石兄弟と愉快な部長たち、とかどうだろう」
川 ゚ -゚)「部長がいっぱいいるみたいでヤだ」
( ´3`)「コールサインは普通アルファベット数文字だしぃー」
(´<_` ;)「……そ、そうか」
(´<_` ;)「(やっぱり、なんか落ち着かないな……このポジション……)」
川 ゚ -゚)「アルファベットということなら、QUUでどうだ」
( ´_ゝ`)「それ部長さんの名前じゃん」
川 #゚ -゚)「この部の長はわたしだ。文句があるのか」
(´<_` )「いいんじゃないか? 語感がいいし」
( ´_ゝ`)「えー。もっとこう、NEKOMIMIとかMIKOSANとかがいいぃー」
川 ゚ -゚)「ネコミミつけたまま巫女さん姿で校内を練り歩かせてやろうか?」
( ´_ゝ`)「らめぇぇぇ! 恥ずかしいぃぃぃぃ!」
( //´_ゝ`//)「……でもちょっといいかも」
ゴシャッ
川 ゚ -゚)「部内の意思統一も図れたことだし、コールサインはQUUで決定だな」
(´<_` )「賛成ー」
( メメメメメ´_ゝ`メメメメメ)「暴力反対……独裁反対……」
川 ゚ -゚)「なんか言ったか?」
( メメメメメ´_ゝ`メメメメメ)「いえ、最高だと思いますです」
川 ゚ -゚)「いい返事だ」
………………。
………………。
………………。
川 ゚ -゚)「……ヒマだな」
( ´_ゝ`)「まぁ、相手が打ってくるまでは何もやることないし」
(´<_` )「こっちから電波を出してみたらどうなんだ?」
( ´_ゝ`)「やってみてもいいんだが、相手のリグの性能が見えないからな。
オマケに、こいつは双方向通信ができない。相手の通信と被ったりしたら目も当てられない」
(´<_` )「相変わらず言ってる意味がまったく分からないが、無闇に頼もしいな」
川 ゚ -゚)「まぁ、要するに今は待ってる方がいいということか」
( ´_ゝ`)b「イェア!」
………………。
………………。
………………。
川 ゚ -゚)「……しかしヒマだな」
( ´_ゝ`)「むう……」
川 ゚ -゚)「やっぱり、兄者クンの勘違いだったんじゃないか? やっぱり機器の故障だったとか」
( ´_ゝ`)「そんなことないって! 待ってれば必ずカムトゥルーオブドリームだって!」
(´<_` )「恥ずかしいぐらい英文法間違ってるからな」
川 ゚ -゚)「そもそも、たまたま誰かと誰かの交信を拾った可能性だって低くはないんだろう?」
( ´_ゝ`)「ま、まぁ……」
川 ゚ -゚)「よく考えたら、その謎のモールス信号に付き合う意味なんてさらさらないじゃないか。
放送部の無線活動を復興させるためなら、別に交信の相手は誰でもいいんだし」
( ´_ゝ`)「……でも、ほら、せっかくモールスの打鍵器まで用意しちゃったんだし。
わざわざ外にCB用のアンテナ増設しちゃったし」
(´<_` )「…………」
川 ゚ -゚)「別にいいじゃないか。どっちも、いつか使うこともあるだろう」
( ´_ゝ`)「それは……そう、なん、だが……」
(´<_` )「(ヒソヒソ)……兄者、何にこだわってるんだ?」
( ´_ゝ`)「(ヒソヒソ)ちょっ、ばっ、別にこだわってなんてねーよ」
(´<_` )「(ヒソヒソ)ウソつけ。いつもの兄者は、1万円札を紙切れのようにためらいなくパチンコ台に突っ込む男じゃないか」
( ´_ゝ`;)「(ヒソヒソ)へあっ!? 何で知ってんの!?」
(´<_` )「(ヒソヒソ)ちなみに、今月は母者の財布から抜いた分も含めてトータルで8万円負けてることも知ってる。
まして、無線の交信なんて今まで幾度となくやってきた兄者だ。電波ひとつにそんな執着することなんてないはずだ」
( ´_ゝ`)「(ヒソヒソ)……なあ、弟者」
(´<_` )「(ヒソヒソ)……ん?」
( ´_ゝ`;)「(ヒソヒソ)……母者には黙っておいてくれよ」
(´<_` )「(ヒソヒソ)じゃあ理由を教えてくれ。兄者が、あの発信者と交信したい理由」
( ´_ゝ`)σ 「(ヒソヒソ)……それは、ほら(チラ」
川 ゚ -゚)「?」
(´<_` )「(ヒソヒソ)部長? 部長に何の関係があるんだ?」
( ´_ゝ`)「(ヒソヒソ)お前、知らないのか?」
( ´_ゝ`)「(ヒソヒソ)あの人、イジメられてるんだぞ」
Σ(´<_` )「えええええぇぇぇぇぇ!?」
( ´_ゝ`)「しっ! 声がデカい!」
川 ゚ -゚)「何だ? さっきからコソコソ」
( ´_ゝ`)「いや、巫女さんとナースさんはどっちの方が萌えるかなって」
_, ,_
川 ゚ -゚)「……まだ死に足りないのか? その煩悩まっピンクな脳ミソぶちまけてやろうか?」
( ´_ゝ`)「やーはー、部長さん怖い怖い、ほらスマイルスマイル!」
(´<_` ;)「(ヒソヒソ)マジか? 冗談じゃすまないぞそれ」
( ´_ゝ`)「マジだ。だからまぁ、兄ちゃんは兄ちゃんなりに考えがあるワケよ」
(´<_` ;)「にわかに信じがたいんだが……(チラ」
_, ,_
川 ゚ -゚)「?」
(´<_` )「(あの部長が……?)」
『……ツー トッ ツー トッ ツー ツー トッ ツー ツー トッ トッ ツー ツー ツー』
川 ゚ -゚)「!? 来た、なんか来たぞ!?」
( ´_ゝ`)「部長さん、落ち着け落ち着け。交信が聞こえない」
『ツー トッ トッ トッ トッ トッ トッ トッ ツー ツー トッ トッ トッ トッ ツー トッ トッ ツー トッ トッ ツー トッ トッ』
( ´_ゝ`)「…………」
川 ゚ -゚)「なっ、なんて言ってるんだ!?」
( ´_ゝ`)「……コ・コ・ニ・イ・マ・ス、と。これでおしまいだな」
川 //゚ -゚)「ああもう、もったいぶるな! 教えろ!」
(´<_` )「(部長が興奮してる……)」
( ´_ゝ`)「焦らなくても教えてあげますよ。全文は――、」
『ボ ク ハ ナ イ ト ウ コ コ ニ イ マ ス』
川 ゚ -゚)「相手の人は、内藤さんっていうのか? っていうか、これだけか? 意外と短いんだな」
( ´_ゝ`)「モールスっていうのはそういうもんだ。んじゃ、急いで返信するぞ」
川 ゚ -゚)「あっ、ぶっ、文面は? わたし、全然考えてきてない……」
( ´_ゝ`)b「心配ご無用。ちゃんと用意してあるとも」
(´<_` )「……今日の兄者の頼もしさは、どっかネジが抜けてるのか締まってるのか、どっちなんだろう……」
『コ チ ラ ハ Q U U ク チ ビ ル コ ウ コ ウ ホ ウ ソ ウ ブ』
『カ ン ア リ ヤ ? オ ウ ト ウ セ ヨ』
――ザザッ
『コ チ ラ ナ イ ト ウ G A Q U U』
川 ゚ -゚)「返信があった!」
(´<_` )「GAってなんだ?」
( ´_ゝ`)「Good Afternoon.こんにちは、だ。やっぱり、こいつ電信を知ってるな。ただのCB運用者じゃない」
『ボ ク ハ ナ イ ト ウ コ コ ニ イ マ ス』
川 ゚ -゚)「なあ、こいつの言ってる『ココ』ってどこだ?」
( ´_ゝ`)「じゃあ聞いてみようか」
『R S ト Q T H ヲ モトム』
(´<_` )「RSとQTHって?」
( ´_ゝ`)「RSは感度。QTHは、どこで運用してるか、ってことだ。まぁ要するに、相手の住所だな」
『R S 5 7 Q T H ハ ―――』
川 ゚ -゚)「え?」
(´<_` )「これって……」
( ´_ゝ`)「この市内だな」
( ´_ゝ`)「(この市内……CB……モールス……。
やっぱり間違いない……あいつだ)」
川 ゚ -゚)「な、なあ、もっと色々聞いてみよう」
( ´_ゝ`)「あーはいはい、じゃあ交信したいことをリストアップしてくれ」
川 ゚ -゚)「えっと、好きなものとか、趣味とか、えっとそれから……」
(´<_` )「(部長、なんか小学生みたいだ――とか言ったらぶっ飛ばされるんだろうなぁ……)」
( ´_ゝ`)「部長、小学生みたいできゃわいー」
川 #゚ -゚)「ブチコロスゾ」
(´<_` ;)「(…………兄者と思考回路が一緒だったってことか?)」
( ´_ゝ`)「おぉーっと、いいのかなー? おれの黄金の指がなくなったら、交信できなくなっちゃうZE」
川 ゚ -゚)「つまり、指以外を完膚なきまでにぶっ飛ばせばいいんだな?」
( ´_ゝ`;)「え?」
ギャアアアー メコッ
『川 ゚ -゚)はデンナミに乗せたようです 前編 おっしまい』
ウギャアアァー! フェイスロックゥ――――! タップタップタップ、部長さんタップ!
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