『川 ゚ -゚)はデンナミに乗せたようです 後編』
――7月24日・くちびる高校放送室――
( ´_ゝ`)「フンフ〜ンフ〜ン♪ 姉三六角巫女巫女ナース! っと……トンツートンツートントンツーツー……」
( ´_ゝ`)『よう。久しぶりだな』
( ^ω^)『久しぶりだお、流石くん。流石だお、いつもCBまでワッチしてるのかお?』
( ´_ゝ`)『まさか。偶然だ偶然。まあ、偶然こんな電波拾っちゃうのは流石だけどな、おれら』
( ^ω^)『おっおっおっ。まあ、流石くんなら拾ってくれると思ってたお』
( ´_ゝ`)『……やっぱり、わざわざCBでモールスなんてヘンタイな電波出してやがったのはそのためか』
( ^ω^)『おっおっおっ。やっぱり、ぼくだって分かってたのかお?』
( ´_ゝ`)『わからいでか。おれたちの最初のコンタクトとまったく同じ文面じゃねーか』
( ^ω^)『でも、だったらどうして、あんな他人行儀なコンタクトだったんだお?』
( ´_ゝ`)『言ったろ。今は放送部でやってるんだ。色々あるんだよ。
それにそうだ。質問するのはこっちの方だろ』
( ´_ゝ`)『――どうしたんだよ、また急に。お前は、もう二度とハムなんてやれないと思ってたのに』
( ^ω^)『んー、まぁ。でも、チャンスが――』
( ´_ゝ`)『いい。やっぱり聞きたくない』
(; ^ω^)『そっちから振っておいてそれはヒドいお』
( ´_ゝ`)『まぁ、こっちにしてみても渡りに船だったんだ。ちょっとお前に頼みg』
(´<_` )「(バタン!)見えないものを見ようとしてー! 望遠鏡を覗き込んだー……あれ?
なんだ、兄者。姿を見ないと思ったら、先に来てたのか」
(; ´_ゝ`)「(げっ!? 弟者が来た!?)
おとっ、弟者、部屋に入る時はノックくらいしろっ」
(´<_` ;)「いやノックって、ここは放送室であって兄者の部屋じゃないしな……。
そんなことより、兄者が積極的に部活している……大震災がくるぞ大洪水がくるぞ大魔神がくるぞ……」
(; ´_ゝ`)「お前は兄を何だと思っているんだ」
(; ^ω^)『おっおっおっおっおっ? どうしたお? 流石くん応答せよ? 流石くーん?』
(´<_` )「ん? ああ、朝っぱらから無線機イジってたのか。なら納得だ」
(; ´_ゝ`)「お前とは一度、酒でも飲んでじっくり話し合わないとダメな気がする」
( ^ω^)『おーい、流石くーん』
( ´_ゝ`)『弟者 来た 一旦 73』
( ^ω^)『あ、ちなみに73は、無線用語で「さようなら」だお』
(´<_` )「あんたは誰に解説してるんだ」
(; ´_ゝ`)「……は?」
(´<_` ;)「あ、あれ? いま兄者、なんか分かりづらいボケしなかったか?」
( ´_ゝ`)「……まぁ、最近暑くなってきたしな……」
(´<_` ;)「ちょっと待ってくれえええええ、兄者からそんな目で見られたくないいぃぃぃぃぃ!」
( ´_ゝ`)『昼ごろ また 発報 くれ』
( ^ω^)『マルだお』
川 ゚ -゚)「朝っぱらから何をやってるんだ、騒々しい」
( ´_ゝ`)「いや、弟者がなんか暑さにヤラれてヘンな電波を受信したらしくてな」
(´<_` ;)「だから違うんだ! 違うんです! 部長! 信じてください!」
川 ゚ -゚)「…………」
川 ゚ ー゚) ノ 「まあ、弟クンも兄者クンと同じ血が流れてるワケだしな。気にするな、血は争えない」
( <_ )「………………」
( ´_ゝ`)「あ、弟者が燃え尽きた」
( ´_ゝ`)「しかし、何だかんだで部長さんもそうとうハマってるな。わざわざ夏休みに活動するなんて」
川 //゚ -゚)「べっ、別にいいだろう.。いや、というか、部員の活動に付き合ってやるのは部長の責任だ」
( ´_ゝ`)「やーそんなことないね。もう部長はどっぷりだね。無線マニアへ一直線だね」
川 ゚ -゚)「そっ、そんなことないっ!」
( ´_ゝ`)「じゃあ、そのカバンの中に入ってるアマチュア無線試験の過去問集は何なんだ?」
川 ///)「なっ!? なんで知ってるんだっ!?」
m9( ´_ゝ`)「プギャー! ホントに入ってんの!? テキトーに言ったのに!
おっぱいをデカくする100の方法とかそんな本も入ってるんじゃねーの!?」
川 - )
(; ´_ゝ`)「……あ、あれ?」
川 # ー )「殺す方法くらいは選ばせてやる。どうやって死にたい?」
(; ´_ゝ`)「なっ、ちょっ、軽いジョークじゃんっ! ねっ、ご機嫌直して! 前髪で目が見えない!」
川 #゚ -゚)「問答無用っ! インディアンデスロック一時間の刑だ!」
(; ´_ゝ`)「ちょっ! まっ! 弟者ヘルプ! ヘルプユアブラザー!」
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Λ_Λ . . . .: : : ::: : :: ::::::::: :::::::::::::::::::::::::::::
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 ̄ ̄ ̄(_,ノ  ̄ ̄ ̄ヽ、_ノ ̄ ̄ ̄ ̄
↑ 弟者 (1991〜)
川 ゚ -゚)「……? 弟者くん、どうしたんだ? おーい?(ツンツン」
( ´_ゝ`)「(おれと同じ血が流れてるのがそんなにイヤなのかなぁ……)」
( ´_ゝ`)「(よしっ、このスキに話題を変えて、インディアンデスロックの刑を回避するんだ!)」
( ´_ゝ`)「ところで部長さん、おっぱいは揉むと大きくなるらしいぞ。おれがモミモミしようかゲヘヘ」
Σ(; ´_ゝ`)「――はっ!? 選択肢間違えた!?」
川 ゚ -゚)「よしよし。そんなに殺されたいのか。パロ・スペシャル2時間も追加してやろう」
ウギャアァァァー!! こえは むなしく ひびいた
川 ゚ -゚)y- 「で、今日はどうしようか。また向こうの通信を待つのか?」
(; ´_ゝ`)「部長さん、デスロックがキマってて答えるどころじゃないです。
あと、部長ともあろう人がタバコ吸っちゃいけないと思います」
川 ゚ -゚)y- 「これはココアシガレットだ」
(; ´_ゝ`)「そうですか。できれば、デスロックの方もなんとかなりませんか」
川 ゚ -゚)y- 「発売元はオリオン。1箱30円で6本入り。おいしい。一本食べるか?」
(; ´_ゝ`)「ありがとうございます。ハッカの味がおいしいです。あと、できればデスロックを……」
川 ゚ -゚)y- 「もっとキツくかけて欲しいのか? マゾだなぁ兄者くんは」
( ´_ゝ`)「ぎゃあああああああーっ!」
川 ゚ -゚)y- 「で? 結局どうするんだ? 今日は?」
( ´_ゝ`)「……部長のおっしゃる通り、向こうの発報を待って返信しますです……」
川 ゚ -゚)y- 「そうか。じゃあ、わたしはわたしの仕事をしよう」 (ズルズル
(; ´_ゝ`)「ワッツ!? ワッツハプン!? 部長! お願いだからヒトの関節キメたまま歩かないで!」
川 ゚ -゚)y- 「ダメ」
(; ´_ゝ`)「ぎゃああぁぁぁぁぁ痛ぇぇぇぇぇぇ!」
( ´_ゝ`)「……ぜーはー……」
川 ゚ -゚)Φ 「カキカキ」
( ´_ゝ`)「あの……おれの膝関節を脱臼一歩手前まで追い詰めて、何やってるんですか……」
川 ゚ -゚)Φ 「んー、今日の交信リスト。色々聞きたいこともあるし」
( ´_ゝ`)「……結局、すっかりハマってるじゃないか……」
川 ゚ -゚)Φ 「断じて違う。部長としての責任と、自分の勉強のためだ」
( ´_ゝ`)「――勉強といえば、夏休みの宿題とかやらなくていいのか?」
川 ゚ -゚)Φ 「言葉遣いが戻ってる。やりなおーし」
(; ´_ゝ`)「……夏休みの宿題とかはよござんすか?」
川 ゚ -゚)Φ 「当然だ。あんなもの、最初の一日で終わらせた」
( ´_ゝ`)「マジか……ウチの弟者にツメのアカでも煎じて飲ませてやってください」
川 ゚ -゚)Φ 「なんでキミじゃなくて弟クンなんだ」
( ´_ゝ`)「アイツが早く終わると、その分おれも早く写せるんで」
川 ゚ -゚)Φ 「……」
川 ゚ -゚)「キミ、弟クンのを写してるのか?」
( ´_ゝ`)「はぁ、まぁ。双子だから学年同じだし。
あいつデキるんで、テキトーに間違うのがめんどくさいんですけど」
川 ゚ -゚)「それは、キミが強制しているのか?」
( ´_ゝ`)「いや、強制しているというか、勝手にノート盗んでやってるというか……」
川 ゚ -゚)「…………」
(; ´_ゝ`)「ぎゃあああああ!? 無言だから伝わりづらいけど、関節がキツくなってるぅぅぅぅ!?」
川 #゚ -゚)「ヒトの宿題を写すなんて最低だ。今年から自分でやれ」
(; ´_ゝ`)「はい! はい分かりました! 分かったからタップタップ! 死んじゃう! 膝が死んじゃう!」
@
川 ゚ -゚)Φ 「……」
( ´_ゝ`)「……」
( ´_ゝ`)「……なあ、部長」
川 ゚ -゚)Φ 「んー?」
( ´_ゝ`)「あんた、ノートのコピーまでやらされてるのか?」
川 ゚ -゚)「なっ!?」
( ´_ゝ`)「あの時、あんたただの友だちだって言ってたよな? ホントは違うだろ?」
■■■■■■■■■■
ジャー
W.C. ●
▲
川 ゚ -゚)「まったく……どうしてこう、女というのは不便なものかな……」
<ヽ`∀´> 「おいおい、ネクラ部長さんがトイレから出てきたぞ」
(・∀ ・) 「ぎゃははは! よく似合ってるよ! 何? パンでも食ってたの?」
( ^Д^) 「プギャー!」
川 ;゚ -゚)「う……」
<ヽ`∀´> 「なー、部長さんさー。オレたち、ちょーっと困ってんだよな。助けてくんない?」
(・∀ ・) 「そーなんだよ。こいつ昨日スロで4万もスッちまってさ。笑えるだろ?」
m9( ^Д^) 「プギャー!」
m9(・∀ ・) 「プギャー!」
<ヽ`∀´> 「まー、そーいうワケなんだよ。おれら友だちだろ?」
川 ;゚ -゚)「あ……その、いま、お金持ってないから……」
(・∀ ・) 「別にそんな期待してねーよ。100円でも200円でも持ってたら、ちょっと貸してくんない?」
川 ;゚ -゚)「でもその、帰りの電車が……」
<ヽ`∀´> 「歩いて帰ればよくね? 最近部長さん太ったみたいだしさ、ダイエットに協力してやるよ」
( ^Д^) 「プギャー!」
川 ;゚ -゚)「…………」
川 ;゚ -゚)ノ■「これ……おさいふ」
<ヽ`∀´> 「おっ、財布ごと? 部長ったらリッチだなオイ」
(・∀ ・) 「しかも5000円も入ってんじゃねーか。なーんだよ、部長。しらばっくれちゃってー」
川 ;゚ -゚)「あの……定期、切れちゃったから……」
<ヽ`∀´> 「おお、部長さんは1ヶ月も歩いて家に帰るのか! エラいねー、日本の未来は明るいよ!」
(・∀ ・) 「じゃあサンキューな! また困ったら頼むわ!」
( ^Д^) 「プギャー!」
川 ゚ -゚)「……」
川 ; -;)「…………」
「ほれ、部長さん」 ノ^[5000]
川 ゚ -゚)「あっ!? えあっ!? 誰だっ!?(ゴシゴシ」
( ´_ゝ`)「……おれだ」
川 ;゚ -゚)「あっ、えあっ、あのな、今のはな、違うんだ! あれはただの友だちでな!」
( ´_ゝ`)「……友だちなのか」
川 ゚ -゚)「そうなんだ! 友だちが困ってたら助けるのは当然だろう? いやむしろえらい。わたしはえらい。
だから、別にこんなものもらっても嬉しくない」
↓
[5000]
( ´_ゝ`)「……友だちが困ってたら、助けるのは当然なんだろ?」
川 ゚ -゚)「別にわたしとキミとは友だちじゃない」
( ´_ゝ`)「意地張らなくても――」
川 ゚ -゚)「いや、普通にキミと友だちになりたくない」
(; ´_ゝ`)「マジかよ……ちょっとショックだぞ……。
でもまぁ、とっとけ。今日はパチンコの新台入れ替えで5万ほど勝ったんだ」
川 #゚ -゚)「……キミ、パチンコなんてやってるのか。高校生なのに」
(; ´_ゝ`)「え? なんか嫌な予感するんだけど違くね? ここはおれがキメていいところじゃね?」
川 #゚ -゚)「知るかっ! 部内の風紀はわたしが糺す! 衝撃のファーストブリッドぉぉぉぉぉぉ!」
「ぎゃあああああああああああああああああ! (キラーン」
川 ;゚ -゚)「……はぁ……はぁ……」
川 ゚ -゚)「…………」
川 ゚ -゚) [5000] 「まあでも……」
ありがとう。
■■■■■■■■■■
( ´_ゝ`)「……けっこう噂にもなってるんだぞ」
川 ゚ -゚)「ホントにただの友だちだったんだ! 別に違う! そんなんじゃない!」
( ´_ゝ`)「もうバレてるんだよ。ムリに隠さなくても、」
川 #゚ -゚)「友だちだって言ってるだろ!? 何だ!? あの時の5000円を返せばいいのか!?」
( ´_ゝ`)「そんなこと言ってるんじゃない、そうじゃなくて、」
川 #゚ -゚)「バカっ! 死ねっ!」
タタタタッ バタン!
(; ´_ゝ`)「うげ……ヤベ。やっちゃった」
(´<_` )「そりゃ怒るだろ」
( ´_ゝ`)「おお、生き返ってたのか。助け舟出してくれよマイブラザー」
(´<_` )「ヤだ。普通にあんたと兄弟になりたくない」
(; ´_ゝ`)「ええっ、そこも否定するの!?」
(´<_` )「だって、兄者はこの状況でも『やったー関節がフリーダムだヤッホー!』とか思ってそうだし」
(; ´_ゝ`)「(ビクゥッ)」
(´<_` )「とにかく、部長はおれが追いかける。
兄者は、ここで反省して部長に怒られる用意して全身の関節を外される心の準備しておけ」
(; ´_ゝ`)「最後のひどくねぇ!?」
(´<_` )「いやー、あれは、ものすごーく怒ってるぞ絶対。あーあ、しーらないっと。いってきまーす」 (バタン
――20分後――
( ^ω^)『そりゃ怒るお』
(; ´_ゝ`)『ニガテなんだよこういうの。だからお前に頼もうと思ってたのに……』
Σ(; ^ω^)『はぁ!? ぼく!?』
( ´_ゝ`)『そりゃ、お前こういうの専門だし』
(; ^ω^)『いやいやいやいや、そんな設定ないお!』
( ´_ゝ`)『でも、おれより得意だろ。彼女もいるし』
(; ^ω^)『彼女いるとかそういう問題かお!?』
( ´_ゝ`)『別に、部長に強くなってもらうとかそういうのはいいんだ。ただ友だちと趣味ができればなぁ、と』
( ^ω^)『友だちならいるじゃないかお』
( ´_ゝ`)『はぁ?』
( ^ω^)『流石くんたちが友だちなんじゃないのかお?』
( ´_ゝ`)『いや、思いっきり面と向かって友だちになりたくないって言われたぞ』
(; ^ω^)『きっつい子だお……』
( ´_ゝ`)『思ったことをそのまま口に出すタイプだからな。
いや口だけじゃないぞ。手も足も出るぞ』
(; ^ω^)『ま、まあ、でもそれは照れ隠しだと思うお』
( ´_ゝ`)『ンなこたぁーない。なんか、あのセリフ言う時だけめっちゃ顔がマジだったもん』
(; ^ω^)『(まさかホントに本心ってことはないおな……)』
( ´_ゝ`)『まあそういうワケなんだ。ヒトツよろしく頼む』
( ^ω^)『…………』
( ^ω^)『まあいいお。でも、その子モールスできるのかお?』
( ´_ゝ`)『アマチュア無線免許の本で勉強しているらしい。4アマじゃなく3アマを受けさせればいい』
( ^ω^)『……って、それはこれから勉強するという意味かお?』
( ´_ゝ`)『モールスなんて習うより慣れろだろう。実戦の方が勉強になる』
(; ^ω^)『ぼくへの配慮とかはないのかお? 初心者のモールスって死ぬほど聞きづら――』
( ´_ゝ`)『まあよろしく頼むな』
――さらに30分後・放送室前――
(´<_` )「じゃ、そういうワケで遠慮なく行っちゃってください」
川 ///)「うー……」
(´<_` )「?」
川 ///)「あ、あのな、わたし死ねとか思いっきり言っちゃったしな、その……」
(´<_` ;)「(プロレス技までかけといて、今さらそんなの気マズがるか……?)」
(´<_` )「ごほん。あー、大丈夫です。兄者は毎朝電車の中で死ねとか言われてます。
あと、2日前に母者の財布から金を取ってるのがバレて1万と2千回くらい死にかけてます」
川 ゚ -゚)「……マジか」
(´<_` )「マジです。妹者からも、『わたしより先にお風呂に入らないで!』とか言われてます」
川 ;゚ -゚)「……兄者クンって、想像以上にアレなんだな……」
(´<_` )「ええもう、流石家の恥です。部長に息の根を止めていただければ、両親も泣いて喜びます」
川 ;゚ -゚)「う、うん、まぁ分かった。じゃあ入るよ」
きぃ……パタン
川 ;゚ -゚)「あ、あの、兄者クン? さっきはその――、」
( ´_ゝ`)「あ、部長さん。遅いぞ。どこほっつき歩いてたんだまったく」
川 ゚ -゚)「……は?」
(´<_` )「まぁこんなもんです。1時間近く前のことなんて、もうさっぱり蒸発してます」
_, ,_
川 #゚ -゚)「……なんか、それはそれで凄く納得がいかない」
( ´_ゝ`)「そんなことよりほら。部長さんが待ちわびてた発報だ。相手がコンタクト取ってきたぞ」
川 ゚ -゚)「そうか……」
(; ´_ゝ`)「って、なに凄くナチュラルな勢いでおれの関節をキメ始めてるの!?」
川 ゚ -゚)「いやほら、まださっきの罰が数十分残ってるからな」
(; ´_ゝ`)「ええええぇぇぇぇぇぇいたたたたたたた」
川 ゚ -゚)「で? 今日はなんて?」
(; ´_ゝ`)「はぁ、こんにちは、だそうです」
川 ゚ -゚)「挨拶されたら返すのが礼儀だろう。こっちもこんにちは、だ」
(; ´_ゝ`)「あの、パロ・スペシャルの状態からモールス打鍵するのって凄く大変なんですが」
↓
∧_∧
( ゚ -゚)
く ∩ ∩ヽ
〇| | ||〇 こんなん
/ /| | ||
(__)( ) ←兄者
し\/\/ ̄
川 ゚ -゚)「元気があれば何でもできる」
(; ´_ゝ`)「いやあの、確かに関節は捻じ曲げられてますが、さすがに物理法則は捻じ曲げられないと思うんで……」
川 ゚ -゚)「じゃあロビン・スペシャルに移行するか?」
(; ´_ゝ`)「死んじゃう! クビの骨がバッキリ折れて死んじゃう!」
(; ´_ゝ`)「いやあの、そうじゃなくて、できれば部長さんに打鍵してもらいたいんですが」
_, ,_
川 ゚ -゚)「はぁ? わたしはモールスなんかできない」 (ギリギリギリギリ
(´<_` ;)「(うわぁ……人間の腕ってあそこまで曲がるんだ……)」
(; ´_ゝ`)「折れる! マジで折れちゃう! ゆでたまご先生は容赦なさすぎる!」
川 ゚ -゚)「ほら、さっさと返事をしないと。相手を待たせるものじゃないぞ」
(; ´_ゝ`)「符号は教えますから! ね、だから部長もやってみましょう! アマチュア無線免許取るんでしょ!?」
川 ///)「だから取らないって言ってるだろ!」 (ギリギリギリギリギリギリ
(´<_` ;)「(うおお……なんか……あれもうホントに兄者の腕か?)」
(; ´_ゝ`)「おうふ! いっそ肩が外れればいい! この苦しみから解放されるなら脱臼すればいい!」
川 ゚ -゚)「ほら、早く打て!」
(; ´_ゝ`)「弟者、いまだ!」
Σσ(´<_` ;)「え!? おれ!? 何の打ち合わせもしてないのにそんなこと言われても!?」
( ´_ゝ`)σ 「部長さんの指先をモールス打鍵器にかけるんだぁ―――っ!」
川 ;゚ -゚)「わっ、バカ、止めろ! 弟者クン、やめるんだ!」
(´<_` ;)「……部長、すみません……おれ、やります!」
( ´_ゝ`)「いけええええ! 弟者ぁぁぁぁっ! 流石の意地を見せてやれええええ!」
川 ;゚ -゚)「やめっ、やめてくれ!」
(´<_` )「うおおおおおおおおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉっ!」
[モールス打鍵器]
σ● ぴとっ。
『ツ――――――――――――ッ!』
Σ(; ^ω^)『おうふっ!? いきなり何だお!?』
/ヽ /ヽ
/ ヽ / ヽ
/ ヽ___/ ヽ
./ \
/ / \ | /ヽ /ヽ
| \ | / ヽ / ヽ
| / |____ / ヽ___/ ヽ
| __ /____ / \
ヽ -< // \ |
/ ヽ | / |
/ |. | \ |
| | | __ /
| |__ ゝ- <
/| |_ / ヽ
/ | |/⌒ノ | ヽ
| | |ヽ ノ | )
ま さ に 流 石
川 ; )))「あわわわわわわわ、押しちゃった……っ!」
( ´_ゝ`)「ふっ……やはりお前はおれの弟だ」
Σ(´<_` ;)「あっ、しまったっ! つい反射的にっ!」
(; ^ω^)『あのー、お取り込み中すいませんが、何が起こってるお?』
川 ;゚ -゚)「あ、あのっ、これどうすればいいんだっ!?」
( ´_ゝ`)「とりあえず、おれの言う通りに打鍵するんだ。まずは『こんにちわ』でいいだろうな。
『こ』は『ツーツーツーツー』、『ん』は『トッ ツー トッ ツー トッ』……」
川 ;゚ -゚)「あわわわわわ! そんないっぺんに言うな! 分からない!」
川 ゚ -゚)『ここっ、こここっ、こんぬづわっ!』
(; ^ω^)『(案の定、信号にノイズが多すぎてめちゃくちゃ聞き取りづらいお……)』
( ^ω^)『こんにちは。緊張することないお』
川 ;゚ -゚)「うわあああっ、なんかいっぱいツーツー言っててまったく分からんぞ!?」
(; ´_ゝ`)「落ち着け! 驚いた拍子におれに腕ひしぎをかけるのは止めてくれ! 今のは――、」
(´<_` ;)「(なんか、実はすっげえめんどくさいヒトだな……部長……)」
――数分後――
川 ゚ -゚)『取り乱した。ごめん』
( ^ω^)『誰でも最初はそんなもんだお』
(´<_` )「しかし、凄いスピードで覚えるな、部長は。あっという間に50音の符号を覚えてしまったぞ」
( ´_ゝ`)「この手のは、本で覚えるよりも実際にやるのが一番いいんだ。麻雀もそうだろ」
(´<_` ;)「いや、麻雀やるのは兄者だけだが」
川 ゚ -゚)『モールスはめんどう。なんで声にしない?』
( ^ω^)『それがプロのこだわりだお』
川 ゚ -゚)『カッコよくない。無意味。
あと、あなたの語尾の「お」が分かりづらい』
(; ^ω^)『(やっぱこの子きっついお……)』
川 ゚ -゚)『でも無線楽しい。バカには内緒』
( ^ω^)『なんでだお? 言ったら喜ぶと思うお』
川 ゚ -゚)『むり。なんかくやしい』
(; ^ω^)『(流石くんも報われないお……)』
( ^ω^)『分かったお。流石くんには内緒にするお』
川 ゚ -゚)『…………?』
( ^ω^)『お?』
川 ゚ -゚)『あなた、バカと知人?』
(; ^ω^)『おっ!? なんでそう思うお!?』
川 ゚ -゚)『あなた、さっき「流石くん」と言った。知り合いっぽい』
(; ^ω^)『おっおー……』
(; ^ω^)『(鋭いというか細かいというか……。
どうするお? 流石くんは、ぼくたちのことは内緒にしてるっぽいお……)』
(; ^ω^)『べっ、別に知り合いでもなんでもないお! ただ、さっき名前を教えてもらったお!』
川 ゚ -゚)『ほんとう?』
( ^ω^)『ブーン嘘つかないお!』
川 ゚ -゚)『? ブーンってなに?』
( ^ω^)『あ、それはぼくのあだ名だお。昔はパイロットになりたかったからだお』
川 ゚ -゚)『ふうん。昔は? 今は違う?』
( ^ω^)『うーん、まぁ色々あったお。でも、ぼくは空が好きだから、今でも無線をやっているお』
川 ゚ -゚)『空と無線が関係ある?』
( ^ω^)『あるお。無線に使うアンテナは「空中線」とも言うお。この空で、ナイトウとQUUはつながっているお』
川 ゚ -゚)『…………』
(; ^ω^)『きょっ、興味なかったかお?』
川 ゚ -゚)『そうじゃない。オタクっぽい』
(; ^ω^)『(……ホントに思ったことをすぐ口にするおね……)』
川 ゚ -゚)『でも、ちょっとロマン』
( ^ω^)『そうだお! ちょっとロマンチックだお!』
川 ゚ -゚)『あと、わたしはクーでいい。QUUは聞き取りづらい』
( ^ω^)『分かったお!』
(´<_` )「……なんか、出番ないな。おれら」
( ´_ゝ`)「おれとしては、あのヒトが絡むと無意味に関節を痛めるからありがたいんだが」
川 ゚ -゚)『わたし、もう帰らないといけない』
( ^ω^)『おっおっお?』
川 ゚ -゚)『宿題ある。兄者クンに、見栄でやったと言った。急いでやらないと』
( ^ω^)『分かったお。クーはまた明日も来るのかお?』
川 ゚ -゚)『くる。ナイトウと無線、楽しい』
( ^ω^)『そう言ってもらえると嬉しいお』
川 ゚ -゚)『うん』
( ^ω^)『あ、それから、クーのモールス、この短い時間でとっても巧くなったお。きっと、免許もすぐ取れるお』
川 ゚ -゚)『うん、がんばる。でも、褒めても何も出ない』
( ^ω^)『お世辞じゃないお。本当だお』
川 ゚ -゚)『ありがとう。じゃあ、時間。73』
( ^ω^)『おっおっおっ。ばいばいおー』
川 ゚ -゚)「ふー」
( ´_ゝ`)「ずいぶん長い時間だったな。楽しかったか」
川 ゚ -゚)「あんまり」
( ´_ゝ`)「さいで。アマチュア無線技士免許、取る気になったか?」
川 ゚ -゚)「だから取らないって言ってるだろっ!」
(; ´_ゝ`)「あいだだだだ! ごめんなさい! これもう何がどうなってるのか分からないけど痛ぇ!」
(´<_` ;)「(兄者もこりないなぁ……)」
川 ゚ -゚)「それじゃ、わたしは帰る。部室の片付けと戸締り、頼むぞ」
( ´_ゝ`)「え? マジ? もう帰るの?」
川 ゚ -゚)「うん。今日はお母さんがいないからな。わたしがご飯を作らないといけないんだ」
(; ´_ゝ`)「うげえ、聞いてないぞ」
川 ゚ -゚)「すまん。今度埋め合わせするから。じゃっ」 (バタン!
(; ´_ゝ`)「ものすごい勢いで帰ってしまった……」
(´<_` ;)「あのヒトも、けっこう自由な生き方してるなぁ……」
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