ミセ*゚ー゚)リ神様inサイダーのようです(゚、゚トソン
           〜 後編A 〜




心のどこかで気付いていたのかもしれない気持ちを、あからさまに指摘されたから。

引きこもった理由。
私が全部どうでもよくなった理由。

何もわからなかったあの頃、お兄ちゃんが笑ってくれて、あの家に住む事が出来て。
ただ何もわからずに、私は悲しみを乗り越えて笑うことが出来る様になっていた。


神様がくれた幸せ。


でも、それはいつしか私を1人にしてしまった。



2度目のチャイムが鳴る。
時間切れの合図が鳴った。

ミセ*゚ー゚)リ「チャイムが鳴ったよ。次は数学だっけ? 戻らないとまずいでしょ、号令かける人いないし?」

私は早口でまくし立てるように委員長に提案する。
しかし、委員長は私の方をじっと見詰めるだけで、立ち上がろうとはしない。

ミセ*゚ー゚)リ「どしたの? 委員長がサボりは流石に……」

(゚、゚トソン「何故、私は委員長と呼ばれるのでしょうね?」

ミセ;゚ー゚)リ「は?」

突然の事に私は間抜けな声を上げるしか出来なかった。
何を言い出すのかと思えば、委員長が委員長である理由など1つしかないだろう。

ミセ;゚ー゚)リ「そ、そりゃあ、委員長がクラスの委員長だからじゃないの?」

(゚、゚トソン「現在の所は確かにそうですね。しかしながら」

委員長は腕を胸の下辺りで組むような形にし、右手の人差し指をまっすぐに上に伸ばして続ける。


d(-、-トソン「学年が変わって早々、まだクラス委員も何にも決まってない内からそう呼ばれるんですが」

ミセ;゚ー゚)リ「ああー……」

何故か初対面の人もそう呼び、いつの間にかクラス中に伝播して、当然のごとくクラス委員に自分がつくような流れになる
と委員長は言う。
私が納得したように頷くと、委員長は眉間に皺を寄せた。

(゚、゚トソン「先程の話にありました、流れを読むというのが可能であるなら、この流れの理由も読めますか?」

ミセ;゚ー゚)リ「いや、それは読まなくてもわかるよ……」

(゚、゚;トソン「なんですと!?」

心底驚いた顔を見せる委員長。
何の話かと思えばそこに繋がるのか。
委員長が何を意図してそういう話に繋げたかったのかよくわからないが、先の件ならそう驚く話じゃないだろう。

(゚、゚;トソン「では、あなたには私が委員長と呼ばれる理由がわかるんですか?」

ミセ;゚ー゚)リ「見た目」


(゚、゚;トソン「見た……目……」

即答する私に、またも驚く委員長。
少しは意識してああいう髪型にしてるのかと思ったが、どうやら生粋の天然絞りらしい。
見た目から立ち居振る舞い、話し方までパーフェクトに委員長だというのに。

(゚、゚;トソン「そういう話なのですか?」

ミセ;゚ー゚)リ「むしろ気付いていない委員長がすげーよ」

私は委員長の容姿や話し方の1つ1つを例に挙げて説明していく。
委員長はその1つ1つに頷いたり驚いたり、今までの中では一番表情をころころ変えて見せてくれた。

ミセ*゚ー゚)リ「眼鏡はポイント高いよ。コンタクトならだいぶ下がる」

(゚、゚トソン「眼鏡ですか……。コンタクトはちょっと怖いですから変えようがないですね」

高価なものだしと委員長は言う。
私としては、委員長はそのまま委員長然としていた方が似合ってると思うのだが、ひょっとして本人は嫌がっているのだろうか?

(゚、゚トソン「嫌というわけではないのですが……その、誰も苗字ですら呼びませんしね……」

違うクラスの子にまで委員長と呼ばれるのだと苦笑いを浮かべる委員長。
その姿が容易に想像出来るのが笑えてしまう。


(゚、゚トソン「笑わないでくださいよ。一応悩んでいるのですから」

ミセ*゚ー゚)リ「ごめん、ごめん。でもまあ、仕方ない部分もあると思うよ?」

(゚、゚トソン「仕方ないと言われましても、私はそういうのを意識してるわけでなく、単にそのままでいるだけなのですが」

ミセ*゚ー゚)リ「まあ、そうなんだろうけどね、他人がどう受け取るかはその人しだいだからさ」

(゚、゚トソン「それはそうなんですが」

ミセ*゚ー゚)リ「別に委員長って呼ばれた所で、実害はないでしょ?」

(゚、゚トソン「……実害ですか。そうですね……」

委員長はそこで言葉を切り、大きく息を吸い込む。
何事かと思う間もなく、委員長は再び口を開く。

(゚、゚トソン「まず、何かにつけて先生に呼ばれます。用事は主に雑用。至極どうでもいいような事で呼ばれることもあります。
     委員長を便利屋か何かと勘違いしていらっしゃるのですかね? これはまた、同級生にも同じ様な事が言えます。
     委員長がやってくれるから、みたいな態度が見て取れます。先日の掃除の件などがよい例ですね。
     あんな風に放置され、誰かがやってくれる的な空気になった時に一斉にこちらに視線が集まります。
     その場合、まず私が何か言わないと妙な沈黙が続きますし、気まずい事この上ないので仕方なく引き受けますが、
     その返事もあらかじめ私が受ける事を前提に考えられたようなものがほとんどで、画一的なものばかりです。
     大体、委員長に立候補した事は1度もなく、全ては他薦によるもので、時には知らない人から他薦を──」

ミセ;゚д゚)リ「ちょ、ま、ストップ、ストーップ!」


早口に、しかし聞き取りやすいはっきりとした口調で苦情を並び立てる委員長。
顔色1つ変えずに言うその姿は、ほんの少し恐ろしさを感じさせたが、委員長も人間なのだから不平や不満の1つや2つ
あって当然だ。

1つや2つ所の騒ぎじゃなさそうだが。

ミセ;゚ー゚)リ「そんなに委員長やるの嫌だったの?」

(゚、゚トソン「いえ、そのこと自体は嫌ではありませんよ」

誰かやクラスやの為に何かをすること自体は嫌ではないと委員長は言う。
人の役に立ち、感謝される事はたとえ自己満足でも気持ちが良いものだと。

(゚、゚トソン「嫌いなのはそれをいい事に、自分がやるべきことを果たそうとしない人です」

ぴしゃりと言い放つ委員長。
私は、その堂々たる口ぶりに何故か拍手をしていた。

(゚、゚;トソン「何故拍手を?」

ミセ*゚ー゚)リ「いや、何となく?」


聞かれても私もよくわからずに拍手をしていたのだから答え様がない。
強いて言うなら、演説が終わったから拍手をしなきゃいけない空気になったからぐらいだろうか。

そんな私に毒気を抜かれたのか、委員長は首を振り、先程よりは柔らかく感じる口調で言う。

(-、-トソン「まあ、悪い事ばかりでもないのですけどね」

当然、先生の受けは良いし、先の様な件でも注意したりする大義名分が出来るという。

(゚、゚トソン「それに、私の場合は家の事情も知られてますので、昨日のダイオードさんのように、気を使ってくれる人もいますしね」

ミセ*゚ー゚)リ「家の事情?」

両親が不在で、弟妹達の世話をしている話だと委員長は言う。
何でそんな話がクラスのみんなが知る所になっているのかと言うと、先生が美談として皆に話したらしい。

(゚、゚トソン「流石に後で抗議しに行きましたけど」

そんな事は自分の私事であって、みんなが気にする話ではない。
ましてや美談でもなんでもないのだからと委員長は言う。

(゚、゚トソン「よく、大変だねとか言われる事もありますが、大変でもなんでもないんですよ」


確かに育ち盛りの子供の相手をするのは疲れる事もあるが、それ以上に楽しい事も多いのだと言う。
面倒でもなんでもない、自分が好きでやってる事なのだと。

ミセ*゚ー゚)リ「あの子達かわいいしね」

(゚、゚トソン「ええ」

ミセ*゚ー゚)リ(謙遜も何もなしに即答とは、こいつはやはり親馬鹿……)

(゚、゚トソン「何か?」

ミセ*゚ー゚)リ「ううん、何でも。しかし、ヒートちゃん、えらくしっかりした子だね。小学生だよね?」

なかなか勘の良い委員長に、私はそ知らぬ顔で話題を少しずらす。
言ってみて思う事は、確かにヒートちゃんはしっかりしていたなという事だ。
しっかりし過ぎているくらいに。

(゚、゚トソン「やはりそう思われますか? 普段は子供らしいのですが、時折ものすごくしっかりして見える事があるんですよ」

面倒見の良いお姉ちゃんの部分は普段からあるのですがと委員長は呟く。
委員長も含め、兄弟の仲はとても良好に見えるのが微笑ましい。


(-、-トソン「両親はそれほどしっかりしていないのですけどね。全く誰に似たのやら……」

確実にお前だよというツッコミは飲み込み、軽く頷く。
弟妹達の話をしている時の委員長は本当に楽しそうだ。
委員長にとって家族がとっても大切なものだというのはよくわかる。

そんな委員長を眺めていたら、目が合った委員長は急に顔を引き締め、すまなさそうに口を開く。

(゚、゚トソン「すみません、配慮が足りず……」

私はそんなに羨ましそうにでも見ていたのだろうか?
委員長は私の前で家族の事を楽しそうに話した事を謝って来たようだが、何度も言うように気にしないで欲しいものだ

家族なら私にもまだいるのだから。

ミセ*゚ー゚)リ「いいってば。もう慣れたんだし。それより、だいぶ話がずれたみたいだけど……」

そもそも私の話をしていたはずが、いつの間にか委員長の話になっていた。
もう授業開始のチャイムが鳴ってから結構経ってしまっている。
今からでも委員長を授業に行かせるべきだろうか。



(゚、゚トソン「そうですね。話が逸れてしまいました、すみません」

また謝ってくる委員長だが、私としては委員長の事の話は面白かった。
委員長の意外な一面というか、知らなかった事を色々知る事が出来てよかったと思う。

(゚、゚トソン「ですが、あながちそれほど逸れたわけでもないのですよ」

ミセ*゚ー゚)リ「どゆこと?」

(゚、゚トソン「私も委員長と呼ばれ、委員長としての役割はこなしていますが、それ以外の面も持っています」

ミセ*゚ー゚)リ「そりゃそうだろね」

至極当たり前の事を言う委員長。
未だにその意図がわからず、私は首を傾げて委員長を見る。

しかし、委員長がふとため息をついたかと思うと、急に視界から消えた。
それが委員長が後ろに倒れ込んで、仰向けに寝転がったのだと気付くのにはさほど時間はかからなかった。

(-、-トソン「数学は苦手なのですよ」

ミセ;゚ー゚)リ「は?」


寝転んだ委員長がぽつりと呟いた。
私はしばしその意味を考えていたが、考え付く前に委員長が再度口を開く。

(-、-トソン「満腹で午後一の数学はだるいです。たまにはサボりたい事もあります」

ミセ;゚ー゚)リ「へ?」

(゚、゚トソン「委員長でもね」

ミセ*゚ー゚)リ「……ハハ」

私は委員長と同じ様に、勢いよく後ろに倒れ込んだ。
青い空が視界一面に広がる。

何ともまどろっこしい前置きだったが、要するに話を続けようという提案だったのだろう。
委員長だからって、絶対授業をサボっちゃいけないわけでもないと。

いや、本来は授業はサボるべきものじゃないよね、うん。
私が言うなという話は置いといて。

ミセ*゚д゚)リ「回りくどい。つーかわかりにくい」

(゚、゚トソン「そうですか? それはあなたの理解力の問題では?」


ミセ*゚д゚)リ「いーや、10人が聞いて10人共わかりづれーよって突っこむレベルだよ」

(゚、゚トソン「そうですかね? 理路整然としてたはずですが」

ミセ*゚д゚)リ「大体初日から、あのカレーの例とかわけわかんない話してたしさ」

(゚、゚トソン「でも、あなたはあれで納得してたじゃないですか?」

ミセ*゚д゚)リ「あれは納得してたというか、煙に巻かれただけだよ」

(゚、゚トソン「煙に巻かれた等と難しい言葉をよくご存知でしたね」

ああだこうだと寝転がったまま言い争いを続ける私達。
数日前まで全く知らなかった人と何をやってるんだろうかと思う話だが、何だかすごく自然に話せていた。

そのほとんどが文句なんだけど、それはそれで本音トークだ。

くだらない、たわいもない言い合い。
あまりにくだらなさ過ぎて、いつしか吹き出して、笑ってしまっていた。

委員長も同じ様に笑っていた。
屈託なく、歳相応のかわいらしい笑いだった。


ミセ*-ー-)リ「数学嫌いだとか、そんな理由でサボる委員長とか初めて見たわ」

(-、-トソン「私も、引きこもり自体初めて見ましたよ。生引きこもり」

ミセ*-ー-)リ「生とか言うな。しかし残念、もう学校に来てるから引きこもりじゃないんだな」

(-、-トソン「授業をサボってるんだから同じ様なものですよ」

ミセ*-ー-)リ「お前もサボってるじゃんか」

(-、-トソン「先生には、ミセリさんに脅されてと伝えますので」

ミセ;゚д゚)リ「ふざけんなー!」

くだらない文句の言い合いもいつしか途切れ、私達はただ空を見ていた。
隣は何を考えているのかわからないが、私自身は色々考えてる事がある。

何で自宅で委員長に神様の話をしたのか。
何で委員長の家に行ったのか。
何でまた学校に来たのか。
何で神様の本当の話をしたのか。


ミセ*-ー-)リ「何でだろう……」

(゚、゚トソン「何がですか?」

考えてる事がいつの間にか口に出ていたらしい。
こちらを見ている委員長の視線に気付く。

ミセ*゚ぺ)リ「何で委員長に色々話しちゃったのかなーって」

話したといっても、実際は途中で途切れたままで全部ではないのだが、それでも何故委員長に本当の事を話したのか
私にはわからなかった。

しかし委員長は、勤めて平静な調子で答えを提示する。

(゚、゚トソン「あなたが話したかったからではないのですか?」

ミセ*゚ー゚)リ

うん、そうかもしれない。
私が誰かに、委員長に話したかっただけなのだろう。
でも、それを何故かと聞かれたら、やはり私は正直に答える事が出来るだろうか?


ミセ*゚ー゚)リ「そっちは、何であんな話したの?」

話を続ける口実なら、あそこまで回りくどく話さなくてもよかったはずだ。
委員長が私に話した理由は、ひょっとしたら私と……。

(゚ー゚トソン「私がミセリに話したかったからでしょうね」

ミセ* へ )リ「そっか……同じだね」

私は目を伏せ、湧き上がる感情を必死に抑える。

こんな単純なことで。
こんな簡単な答えを。

はっきりと言える委員長、でも、私は……

ミセ* ー )リ(敵わないな……)

まっすぐに正直に生きる瞳に、私は憧れたのかもしれない。
早々に諦めた私は、逃げる事を選んだのだ。
最初は何もわからず、気付いた時には遅く。


本当は遅くなかったのかもしれない。
でも私は、そこで諦めた。
達観したふりで、楽な生き方が出来ると。

だから、今度はちゃんと1歩前に出よう。

ミセ*゚ー゚)リ「そんな無理に変えようとせず、トソンはトソンらしくればいいんじゃないの?」

(゚、゚トソン「え?」

ミセ*゚ー゚)リ「さっきの話、委員長らしく見られるってやつ」

私は、自分の思ったままを口にする。
その答えは、多分自分自身に向けてのもの。

トソンがどんなつもりで私に話をしたのかわからない。
単に愚痴りたかっただけなのか、それとも、私を慮ってなのか。
でも結局それを私が勝手に受け取って、私自身が処理をしただけなのだ。

結局私は自分の思いの全てを話していない。
引きこもった本当の理由、諦めた理由。

でも、私は気付いた。


(゚、゚トソン「私らしく……ですか?」

ミセ*゚ー゚)リ「そ、自分らしく。どうせ無理に変えたところで、結局自分が出ちゃうんだしね」

(゚、゚トソン「自分……ですか……」

しばらく考えた後、深く頷くトソン。
私はただ、その様子を見守っていた。

私の答えもきっと同じ。
私がやりたい様に私らしく。

ミセ*゚ぺ)リ「お?」

スピーカーから5限目の終わりのチャイムが鳴り響く。
随分と話し込んでいたらしい。

ミセ*゚ー゚)リ「……行きますか」

私は勢いよく起き上がり、トソンの方へ身体を向ける。
トソンはゆっくりと上体を起し、私を下から覗き込むように顔を傾けた。

(゚、゚トソン「よろしいのですか?」

ミセ*゚ー゚)リ「何が?」


(゚、゚トソン「……いえ、大丈夫のようですね」

トソンがどこまでわかっているのか、私にはわからないが、少なくとも私が何かを決めた事は気付いたのだろう。
安心した様な笑みを浮かべている。

ミセ*゚ー゚)リ「……明日からも学校行くわ」

(゚、゚トソン「はい」

ミセ*゚ー゚)リ「自分で起きる」

(゚、゚トソン「はい」

ミセ;゚ー゚)リ「……かもしれない」

(゚、゚トソン「……しばらくは様子見に足を運びます」

ミセ*゚ー゚)リ「よろしくね」

(゚ー゚トソン「はい」

私達は、晴れ渡った空が広がる屋上を後にする。
何も変わってないはずの校内は、ほんの少しだけ居心地が良く感じられた。


・・・・
・・・

ミセ*゚ぺ)リ「私と2人の関係って何だと思う?」

('、`*川「「……」」/ ゚、。 /

帰りのホームルームが終わり、5限目の件で質問攻めに会う前に逆に2人に質問してみる。
2人は呆気に取られた表情を見せた後、何故か気の毒そうな視線をこちらに向けた。

('、`*川「……日射病?」

/ ゚、。 /「拾い食いでもしたか?」

ミセ;゚д゚)リ「何だ、その反応は?」

いささか質問が抽象的過ぎたのか、それとも質問自体が何かおかしかったのか、2人の反応は芳しくない。
ペニサスに至っては私の額に手を当てて熱がないか確認してくる始末だ。

そういうのではないと否定するが、だったらどういう意味なのだと聞き返されても聞いたままの意味でしかないから
困ってしまう。


ミセ;゚ー゚)リ「いや、だからさ……今こうやって同じクラスだけどさ、その……」

/ ゚、。 /「はっきり言え、はっきり」

ダイオードの女子にしては大きな手が机に突っ伏した私の頭を掴む。
そのまま俯いてると、徐々に引っ張り起されるというか、引き上げられていく。

ミセ;゚д゚)リ「いだだだだ!? 強すぎ! 強すぎ!!!」

私の悲鳴にダイオードは離して欲しければ話せと駄洒落かと突っこみたくなる様な交換条件を持ちかけてくる。
話せと言われても話してる事が伝わらないのだからどうしようもないのだが。

/ ゚、。 /「お前は何が言いたいのだ?」

ミセ;゚ー゚)リ「うーんっと、その、こないだ私が登校してきた時、話し掛けて来てくれたけどさ……」

引きこもり脱却初日の話かと聞かれたので無言で頷く。

ミセ;゚ー゚)リ「あの時、同じクラスじゃなくても校内で会ったら話しかけて来た?」

/ ゚、。 /「……質問の意図がよくわからんが、多分話しかけてただろうな」

ミセ*゚ー゚)リ「何で?」


/ ゚、。 /「珍しいから?」

ミセ*゚ぺ)リ「ああ……」

まあ、そんなとこだろうと呆れた様に頷くと、珍しくペニサスがダイオードを小突く。
逆はよく見られるが、ペニサスがダイオードをたしなめるのは滅多にない。

('、`*川「適当な事言わない。……私もあんたが何言いたいんだかよくわかんないんだけどさ」

ミセ*゚−゚)リ「うん……」

('、`*川「確実に話しかけてたでしょうね」

勿論ダイオードも、とペニサスが言う。
その理由を尋ねようとしたが、それよりも先にペニサスが続けて口を開く。

('、`*川「だって友達だしね。……あんたがどう思ってるかはさて置きね」

ミセ*゚−゚)リ「友……達……」

('、`*川「何? その反応? ……あんたやっぱりそう思ってなかったわね?」

ミセ;゚−゚)リ「え……いや……その……」


あっさり見透かされていた事に私は少し動揺した。
それなりに上手く繕って接していたはずだが、そんな事を言われるくらいには大根だったのかもしれない。

/ ゚、。 /「金づるとでも答えて欲しかったのか?」

('、`*川「茶化すな。つーか、こいつといると逆におごらされるでしょうが」

動揺する私を尻目に、2人は漫才のようなやり取りを繰り広げている。
見た所、不快には思っていないのかもしれないが、さっきの私の反応は褒められたものではなかったはずだ。

('、`*川「で、まだ何か考えてんの?」

ミセ;゚−゚)リ「え……その、何で友達って言えるの?」

私はこいつらに何もしてあげていない。
むしろ迷惑ヲ掛けてた事の方が多い。

ミセ;゚−゚)リ「どうやったら友達になれるの?」

どうしてそんな私を友達と呼べるのだろうか?

/ ゚、。 /「知らん」

('、`*川「同じく」

ミセ;゚−゚)リ「知らないって……」



/ ゚、。 /「友達とかそういうのは、考えてそうなるものでもないだろう」

('、`*川「本人がそう思ったらそうなんじゃないの? そんなのよくわかんないわよ」

ミセ;゚−゚)リ「でも……」

/ ゚、。 /「阿呆の癖につまらない事を難しく考えすぎるな」

ダイオードが私の頭を再び掴む。

('、`*川「阿呆の子なんだから、阿呆な事を考えるのよね」

ペニサスが私の頬をつまむ。

ミセ;゚、゚<リ「いひゃひゃひゃ!?」

/ ゚、。 /「少なくとも、1年の時にお前と遊びに行ってたのは楽しかったぞ?」

ミセ;゚д゚<リ「そへは……わひゃひも……」

('、`*川「なら、それでいいんじゃないの?」


ペニサスが私の頬から指を離し、ダイオードの手をどけさせる。
代わりに私の頭を掴み、強く下に押し付けながら髪の毛をくしゃくしゃにする。

クシャ*>д<)リ「ちょっ!? うへあ!?」

('、`*川「……そんなに悩んでたんなら、私らに相談ぐらいしなさいよ」

/ ゚、。 /「引きこもる前にな」

もう1本の手が添えられ、さらに髪の毛が大変な事になる。
でも、不思議と心地良く、何だか心が軽くなった気がした。

グシャ*>ー<)リ「……ごめん」

('、`*川「あんたは阿呆なんだから、阿呆が考え込んでもろくな事にはならないのよ」

/ ゚、。 /「阿呆は阿呆らしく、阿呆みたいに泣き付いて来い」

グッシャ*>д<)リ「うん、ごめん……でも、ちょっと阿呆言いすぎ」

さらに繰り返される阿呆の連呼に、私は2人の手を払いのけ、反撃に移る。
同じ様に髪の毛をくしゃくしゃにしてやろうかと思ったが、ペニサスには軽くあしらわれ、ダイオードに至っては届かない。


/ ゚、。 /「……小さいな(笑)」

クシャ;゚д゚)リ「うるせー、お前がデカすぎるんじゃー!!!」

なおも抗ってみるも努力は実らず、仕方なく諦めて自分の髪を整え、一息つくと私は何かに気付いた。
こちらに向けられる視線。
その元には予想通りの姿がある。

ミセ;゚−゚)リ「いつから見てたの?」

(゚、゚トソン「『何だ、その反応は?』と仰ってた辺りからでしょうか」

ミセ;゚д゚)リ「ほとんど最初っからじゃねーか!」

(゚ー゚トソン「中々楽しげな青春模様でしたね」

そう言って微笑むトソンに私達3人はばつの悪い表情を浮かべる。
当事者からすればまあ、納得のいく話し合いだったとしても、そういうのを他人に見られるのは少し恥ずかしいものだ。

/*゚、。 /「委員長は意外と意地が悪いのだな……」

ミセ;゚ー゚)リ「意外どころかすげー悪いよ、こいつは」


(゚、゚トソン「失礼ですね。邪魔しないように離れて見守ってたというのに」

心外だとでも言わんばかりに肩をすくめるトソンに、私も同じく肩をすくめて見せた。
何だか今日は色々疲れた。
主にというか、全て自分のせいではあるのだけど。

ミセ*-ー-)リ「まあいいや。それよっか、帰ろ。今日は疲れた」

今の正直な感想を述べ、空の鞄を掴み立ち上がる私。
その鞄を取り上げ、机の中から教科書を詰め込むトソン。

(゚、゚トソン「私には聞かないのですか?」

ミセ*゚ー゚)リ「何を?」

教科書を詰め込みながら、トソンはそう聞いてくる。
聞き返してはみたものの、その質問の意味は理解している。

ミセ*゚ー゚)リ「ま、聞くまでもないからね」

私はトソンからずっしりと重い鞄を奪い取り、教室の後ろのドアに向かう。
そのまま振り返らずに手を振って、教室を出た。


そこから数歩歩いた所で後ろ手に閉めたはずのドアがすぐに開く。
歩み寄る足音が3つ。

友達の足音が近付いて来る。

('、`*川「何、しれっと帰ろうとしてんのよ?」

/ ゚、。 /「まだ5限目の話を聞いていないのだが?」

ミセ*゚ー゚)リ「トソンに聞けばいいじゃんか」

(゚、゚トソン「私の口からはとても……」

/*゚、。 /「「な、何があったの!?」」('、`*川

ミセ;゚д゚)リ「おい、よくわからん誤解を招く表現はすんな!」

トソンなりに気を使ってくれてるようだが、そういう言い方はあらぬ誤解を招く。
私は、適当にウソと、でも本質は誤魔化してない話をしながら帰路に着いた。

それは何の変哲もない下校風景。
それが今日からの私の日常になるのだろう。

・・・・
・・・


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