( ^ω^)の忠臣蔵


( ^ω^)「・・・殿が死んじゃったお・・・」


VIP藩主、耳無しモナの輔博之('ー`)が死んだのはついこないだ。

江戸でえらいことやらかして、切腹したと聞いた。


( ^ω^)「殿・・・なんでやらかしちゃったんだお・・・」


( ^ω^)「はあ・・・藩も取り潰しになっちゃったし、どうしたもんかお・・・」

( ´∀`)「ブーン!ブーンはおらぬか!」

( ^ω^)「あ、はいはい、なんですお。モナーさま」


モナの輔が長子、モナ次郎勝成であった。御年14。


( ´∀`)「あのな、藩がなくなったな?」

( ^ω^)「はい、そうですお」

( ´∀`)「なぜじゃ?」

( ^ω^)「・・・殿様がやらかしたからですお」

( ´∀`)「なにをじゃ?」


なにを・・・

それは知らされていなかった。

「モナの輔儀、城内にて尋常ならざる振る舞いにおよび、切腹申し付けられたり。
 翌日見事果たしたり」

これが江戸からの報告の全てであった。


( ^ω^)「それは・・・わからないですお」


( ´∀`)「ブーンよ、それではいかぬ。それではいかぬぞ」

( ^ω^)「と申されますと?」

( ´∀`)「わしはな、父上から『好奇心、それイカス』と教わったのじゃ」

( ^ω^)「はあ」

( ´∀`)「だから、わからないことはとことん追究するのじゃ」


( ^ω^)「そうは申されましても、真実は闇の中にございますお
       いまさら何がおこったのかは判り申さぬお」

( ´∀`)「江戸いこう」


しまった。
ブーンは後悔した。
この若君にはこれがあった。


( ´∀`)「父上はこうも申されていた。『現場百回』と」

( ^ω^)「(言ってた・・・)」

( ´∀`)「この件における現場とは、江戸城じゃな?」

( ^ω^)「・・・そうですお」

( ´∀`)「ならば江戸城じゃ。行こう」


VIP藩は三河の小国である

肥沃ではあるものの、山の多い土地は耕作に向かず、
藩主モナの輔の発案のもと、さまざまな副産品を売ることで
財政は成り立っていた。

利発な藩主であった、と思う。

また領民を愛されていた。

その一粒種の、無邪気な願い・・・。


江戸へ・・・。


( ^ω^)「・・・困難ですお」

( ´∀`)「不可能か?」


ブーンはなんともうれしくなった。
モナの輔と同じ物言いであった。


( ^ω^)「・・可能ですお!」

( ´∀`)「ならば支度せい!40秒で支度せい!」

( ^ω^)「わかり・・いや、半刻はくださいお!」


そして二人は東海道を東へ、行くのであった


腰に佩びたり脇差二振り、ブーンは迅さで剣を振る

重き刀はブーンに合わぬ、迅きこと迅きこと剣の道


速さを旨とする剣の使い手、ブーンならではの二本脇差は
城下で知らぬものはなかったが、道中のその姿は
刀を持てぬ貧乏侍の姿に見えた


( ´∀`)「やはりお前に刀は似合わぬのう」


( ^ω^)「この方が刃の身が厚くこしらえられますお」

( ´∀`)「うん、そうじゃそうじゃ。お前にはそれがよい」


着いたは岡崎

神君の国


岡崎は東海道の要所らしく活気溢れ、
また神君の国としての誇りがあった

味噌が香るのは岡崎ならではであった


( ´∀`)「腹が減ったのう」

( ^ω^)「なにか召されますかお」


一軒の飯屋に入った二人である


( ´∀`)「店主、なにか食わせ」

店主「へえへえ・・こりゃあかわいいお侍さまですな
    当地の味噌はご賞味くださいましたかな?」

( ´∀`)「食うたことがない。では味噌をくれ」

店主「へえへえ、ではシジミ汁を」


( ^ω^)「これは・・!ハフハフ!ズリュ!ズババー!」

( ´∀`)「ひどい音を立てるのう・・・」

( ^ω^)「ジョビジョバ!ジョバー!」

( ´∀`)「・・・」

( ^ω^)「・・・ああ!ごちそうさまだお!」

( ´∀`)「・・・おぬし、作法はどうした」


( ^ω^)「こういうところのメシは作法を無視して食べるのが・・」

( ´∀`)「黙れ。お前は侍であろうが」

( ^ω^)「は・・。は・・?それはそうですが・・・」

( ´∀`)「主人に恥をかかせるな」

( ^ω^)「はあ・・・」


おやぁ?

なにかおかしい。

藩はお取り潰しになったのだ。

モナーは既に君主世子ではなく、ブーンも家来ではない。

モナーの江戸行きに同行しているのは、あくまで前藩主への忠義から・・


( ^ω^)「あの・・・若君、状況を説明しますお」


( ^ω^)「・・これこれこういうわけで、いまのブーンはモナ様の家来にはござらんお
      だから『主人に恥をかかせる』ということにはなりませんお」

( ´∀`)「・・・いいたい事はそれだけか」

( ^ω^)「はあ・・・」

( ´∀`)「・・・」


( ´∀`)「忠義を知らぬ畜生め。もうよい、どこなりと行け」


( ^ω^)「え・・・」

( ´∀`)「店主!馳走になった!美味であったぞ!支払いはこのマヌケ顔がいたす!」

店主「へぇ、またのお越しをー」


店主は奥へ行ってなにやら下ごしらえしている

気がつけば、他の客もいない

ひとり残されたブーンである


( ^ω^)「・・・・・えええええ!??」


その日の夜、ブーンは近くの酒場で飲んでいた


( ^ω^)「・・・!なんだおあの態度は!ブーンは善意から同行つかまつったにすぎぬお!
      なんで偉そうに!やってられるかお!」


猪口のヘリに塩をつけた「ソルティ犬」でガンガンやるブーンである。


( ^ω^)「ふざけんなお!ひとりじゃなにもできぬくせに!
      どこぞでのたれ死ね!アホ若!」


酒は飲んでも飲まれるな。

飲まれたブーンはそのまま眠りについた


翌朝

ブーンは痛む頭を抱えつつ、飲み屋の二階から降りてきた


( ^ω^)「いてて・・・飲みすぎたお・・・ぅおえぷ」

('A`)「ちょ、お侍さん!戻すなら裏の川でやっとくれよ!」

( ^ω^)「ああ、ああ、すまんこ。可能ならそうするお・・・ぅおえぽ」

('A`)「おい!裏に行けって!・・・・・あ〜あ〜・・・」


酒屋の下働きのドクオに背負われ、ブーンは店の裏に寝転がった

ドクオはブーンの吐瀉物を片付けている。('A`)こんな顔で。


( ^ω^)「・・・せせらぎが気持ちいいお・・・」


頭半分を川につけたまま、ブーンは言った

そこに船がきた

そしてぶつかった


( ^ω^)「うごえっ!?」


船頭「あれっ?なにかある?・・・あ、人だ。」

( ^ω^)「・・・いっ・・・・・・・たい・・お!!」

船頭「だめだよそんなところに頭出してちゃあ。死ぬよ」


ボチャン


何かが船から落ちる音がした

続いてバッシャバシャと暴れる音

そして、・・・わっぷ・・・たす・・・わっぷ・・・たすけ・・・、と声にならぬ声


( ^ω^)「・・ぅおえ・・・・え?」


聞き覚えのある声にブーンは頭を持ち上げた


そこに見えたのは( ´Д`)こんな顔。

反射でざぶんと飛び込んだブーンは、( ´Д`)こんな顔を助けて
岸へ運んだ


( ´Д`)「げえっふ!はあはあ!・・・おお、かたじけなし・・助けていただいて・・・!?」

( ^ω^)「・・・なにしてるんですお」

(#´∀`)「なんだ畜生か。おまえの知ったことではないわ」


船頭「こぉら!お前は助けていただいて礼も言えんのか!?」

(#´∀`)「・・・」

船頭「・・・そんなやつは船にのせられんぞ」

(#´∀`)「・・・お侍さん、お助けいただきかたじけのう申すシネ」


( ^ω^)「・・・いえ、あの、どういたしまして・・・だお」

船頭「じゃ、お侍さん、失礼しますよ」


ギィ〜コ ギィ〜コ・・・・


船は行ってしまった。

若君を乗せて。


( ^ω^)「なんなんだお・・・」


それから二日、ブーンは飲み屋の二階にい続けた。

('A`)は困った顔だったが、ブーンがあまりに必死に頼むので
ついつい部屋を貸してしまった


( ^ω^)「必ずもう一度あの船が通るはずだお。せめて事情を聞くお」


それが前藩主への

( ^ω^)「せめてもの忠義だお・・・」


三日目の朝、ついにブーンははるか彼方に船をみつけた

いそいで二階から降り、川岸にて船を待つが
待てども船は来ない

不審に思っていると、遠くから声がした


「船頭・・!逃げよ!」


モナーの声である


神速をもって聞こえたブーンである。

一歩で犬に追いつき、二歩で馬に並ぶと言われたその脚は

何に遠慮することなく、川岸を駆けた。


⊂二二二( ^ω^)二⊃ ブンブン!ブーン!


(#´∀`)「きさまら、なにやつじゃ!」


賊「荷を渡せ。殺しはせぬ」

( ´∀`)「なんで荷を渡さねばならぬ!おぬしらのモノではなかろう!」

賊「論を待たず。渡すか死ぬかだぞ」

( ´∀`)「渡しては死ぬも同然じゃ!失せい!」

賊「哀れ若者。ならば死を」


文学がかった賊である


(#´∀`)「死ぬかボケェ!!」
(#^ω^)「死なすかボケェ!!!」


ブーン参上、迅きこと迅きこと稲妻のごとし

舞う草 飛ぶしぶき 血風吹き荒れる

倒れる賊に逃げる賊 いずれ劣らぬ悪人面を

討ちて尽くさん VIP霧崎流


川面はゆれる 船頭は無事

息も整い、二人は顔を見合わせる・・・


( ´∀`)「何しにきた畜生」

( ^ω^)「助けを求める声がいたしましたゆえ・・」

( ´∀`)「助けなど求めておらぬ」


そういわれれば求められた覚えもない


( ^ω^)「し、しかし、若君の危機でした」

( ´∀`)「だからどうした。家来ではあるまい」

( ^ω^)「目の前の人を助けて、なぜそのように言われねばならぬのです」


( ´∀`)「目の前でもなかったろう」


( ^ω^)「・・・わ、わたしが若君を助けてなにが悪いのです!!」


( ´∀`)「・・礼が欲しいか?」


礼?そうだ、助けたのだ。
頭のひとつも下げてもらわねば、ワリに合わぬ
そうだ・・そうだ・・・

( ^ω^)「・・・」

しかしなんだこの充足感は
礼が要るのか?いま満ち足りているのに

若君が助かった
それだけで満ち足りているのに・・!


( ^ω^)「要りませぬお」

( ´∀`)「そうか、ではさらばじゃ」


船頭のもとへ寄り、優しい声をかけるモナーをブーンは見ていた


( ^ω^)「(さらば、と言われた・・・)」


( ;ω;)


なぜだ。

どこへでも行けと言われてブーンは怒った
さらばと言われてブーンは泣いた


「若君に見捨てられた・・・」


その想いが、ブーンの涙となってこぼれようとした


( ;ω;)
  ↓
( ^ω^)


ブーンは船頭に近寄り、手早く傷を確かめ、手当てをした。

幸いかすり傷である

モナーはそれを見ていた


そしてブーン散らばった荷を船に積めなおした

重い荷も多い

力仕事であった


いつのまにかモナーが近くに来ていた


( ´∀`)「・・・大儀であった。誉めてとらす」


もったいのうござりまする

 いや、みごとな働きであったぞ

いえ、腕も鈍りました

 稲妻のようであったぞ

おそれいります

 …まこと、稲妻のようであったぞ


若様・・・何卒、なにとぞ江戸までの道に、それがしを同道させ・・

 ブーン、ついてこい

・・え?

 江戸まで行く。ついてこい



御意に


忠義とは・・・忠義とはなんであったか・・・

モナの輔さまに抱いていた思いは、あれはなんであったか・・・

いま思えば、あれは立派な叔父を誇るがごとき心持であったか・・・

モナの輔さま・・・


それがしは、モナーさまに忠義をつくしまする

最期まで、モナーさまの味方でい尽くしまする!


岡崎の飯屋にはどこでも味噌が香る

旅人はだれでもそれを食らう


ほら、今日もふたり、侍が飯屋に入る・・・





( ^ω^)「それで、なぜ船にのっていたんですお?」

( ´∀`)「江戸に行く金がなかったのじゃ」


ああ、それで金を稼いで江戸に行こうと・・・


( ´∀`)「船なら海路で江戸へ行けよう?」

( ^ω^)「え。」

( ´∀`)「隙を見て船頭から船を奪って江戸へ向かおうと思っていたのじゃが
      なかなか隙のない船頭でのう。というか、働いたあとのメシがうまくてのう。
      つい奪う気になれなんだ」

( ^ω^)「・・あの小船では江戸にはいけませぬお」

( ´∀`)「不可能か?」

( ^ω^)「確率の低い運任せにございますお」

( ´∀`)「そうか、では陸路を行こう」

( ^ω^)「それが理性的かとおもいますお」

とことこと歩く二人をの手にはダンゴ

食べたくなったらその場にしゃがむ

だって立ち食いは作法違いだから


( ^ω^)「めんどくさいお」

( ´∀`)「黙れよ」

歩いて休み 休んで歩く 

そうやって次の宿場へ、次の宿場へ

夜は宿でぐっすり 宿がなければ野宿

慣れない旅も、二人なら楽し


( ´∀`)「そういえばの、あの岡崎の船じゃが」

( ´∀`)「なんか、見たことないものをたくさん積んでおったぞ」

( ^ω^)「見たことないものってなんですお?」

( ´∀`)「見たことないんじゃ。説明もできぬ」

( ^ω^)「はぁ・・・」


( ´∀`)「そうよのう・・・。なんか変な剣があった。細身の」

( ^ω^)「細身の剣ですかお?」

( ´∀`)「そうじゃ。とてもじゃないが、あれでは斬れぬだろうのう」

( ^ω^)「斬れぬ剣、ですかお?確かに変なものですお」

( ´∀`)「そうじゃろう。わは、わはは」


( ^ω^)「そういえば、こんな話を聞いたことがありますお」

( ^ω^)「イスパニヤという国の剣は細いんだそうですお
      細い剣で、斬るのではなく突くのだそうでござりまする」

( ´∀`)「突いたら抜けぬのではないか?」

( ^ω^)「そこは修練によって、引き抜く技術を身に付けるのだそうですお」

( ´∀`)「斬る突くよりも引き抜くことが大変そうじゃの」

( ^ω^)「は、まことおかしな剣と剣術でございますお」


待てよ・・?

( ^ω^)「あの・・・ひょっとしてそれ、イスパニヤの剣だったのではないですかお?」

( ´∀`)「ばかものー。そんなもの、禁輸品じゃろうが」

( ^ω^)「そ、そりゃそうですお」

( ´∀`)「ブーンはばかじゃのう」

( ^ω^)「いじめないでくださいお」

夜、床についてもブーンは目が冴えていた

( ^ω^)「(でもそういえば、あの荷は不自然だったお。
       中身はカチャカチャチャリンと聞いたことのない音がしてたお)」


不審といえば賊もであった。

妙に文学がかった口調、まっすぐな太刀筋、気がつけば倒れたものまで
きれいにいなくなっていた。


( ^ω^)「なんか・・・気になるお・・・」

某所

「なに?間違いないという話ではなかったのか?」

「は、内偵には間違いはございませんでしたが、邪魔が入った様子で」

「それで証拠は」

「ございません」

「・・・岡崎にそんな剛の者がおったか?」

「こころあたりもございませぬ」

「ふむ・・・まあよい、よくねぎらえよ。手を抜いた上での失敗でもあるまい」

「は」


・・・・・・・・・・・



( ´∀`)「さ、今日も歩くぞ」

( ^ω^)「はいですお」


てくてく


( ´∀`)「疲れたぞ」

( ^ω^)「はいですお」

( ´∀`)「なんかこう・・・疲れが溜まってきたのう・・・」

( ^ω^)「歩き詰めですから」

( ´∀`)「なんかほれ、ないのか、名物」

( ^ω^)「は、ちょっと聞いてきますお」


( ^ω^)「あ、おーい、そこの農業従事者」

('A`)「なんですかお侍さん変な呼び方して」

( ^ω^)「すまんこ。それでお百姓、尋ねたき儀あり。ていうか、お前飲み屋の・・・」

('A`)「はぁ・・あれから店が潰れましたんで、こっちで土をいじっております」

( ^ω^)「えらく移動がはやいのう・・・ブーンたちよりはやいではないか・・・」

('A`)「それで、なにを聞きたいんで?」

( ^ω^)「名物」

('A`)「ここらですとアレですな。とろろ汁」

( ^ω^)「とろろ汁!疲れた体に最適ではないか!」

('A`)「へえ、みんな好んで食べますよ」

( ^ω^)「・・・お前、ずいぶんくわしいお。なんか他にも教えてくれお」

('A`)「そうですねえ・・・」

ここは鞠子(まりこ)の宿。

もう少しで駿府。

駿府には神君の植えたみかんの木がある

そのみかんの木には言い伝えがある・・・

なんと、バレンシアオレンジであるという・・・

まことしやかに囁かれる噂

( ^ω^)「バレンシアとはなんだお?バテレンと関係あるのかお?」

('A`)「あるっちゃああるし、ないっちゃあないですな」

( ^ω^)「はっきりいえお」

('A`)「名前は似ているだけですよ。関係はありません。
    ただ、バレンシアというのはイスパニヤの地方の名だそうです」

( ^ω^)「イスパニヤ・・・」

('A`)「で、イスパニヤのバテレンがいま、世界を荒らしまくっております」

( ^ω^)「そうなのかお?」

('A`)「へえ。」

( ^ω^)「なんでそんなこと知ってるお?」

('A`)「へえ、流れ者ですから」

( ^ω^)「・・・そういうもんかお」

('A`)「そんなもんです」

( ´∀`)「おおブーン!名物はあったか!?」

( ^ω^)「この先の丁字屋という店で出すとろろ汁が名物だそうですお!」

( ´∀`)「でかした!ゆくぞ!」

( ^ω^)「は」


てくてく・・・

丁字屋

モナーとブーンは困っていた。

出されたとろろ汁をすすり、メシを口に運ぼうとしたところ、
店の者に怒られた。

「そうじゃなくて、メシにとろろをかけて食うんですよ。」


( ´∀`)「・・・」

( ^ω^)「・・・」

( ´∀`)「・・・そんなことしたら、ずるずると音が出るではないか」

( ^ω^)「でますお」

( ´∀`)「お前など、ずるずるでは済まぬぞ」

( ^ω^)「恥ずかしながら」

( ´∀`)「ズベブランチャ・ズロゾゾローくらいの音は出すじゃろう」

( ^ω^)「だしますお」


( ´∀`)「・・・店、出るか」
( ^ω^)「ええええエエエエエエえええ!!!!!!!!??????」

( ^ω^)「出しませんお!音だしませんお!だからたべましょうお!!」

( ´∀`)「心意気は買うが、音を出さぬというのも無理じゃろう」

( ^ω^)「でも!でも、これうまそうですお!これ!」

( ´∀`)「むう・・・・・・そうじゃ」

( ^ω^)「なんですかお!」


( ´∀`)「お前は、箸で食え」

モナーは四半刻ほどでたいらげた。

ず、ず、ず、と音を気にしながらの食事であったが、

その顔は( ´∀`)こんな感じで満足そうだったという


ブーンは平らげるのにゆうに一刻はかけた

箸で、食いきった


( ^ω^)「食った気がしないですお・・・」

鞠子でとろろを独特な方法で堪能し、二人は駿府へついた

頃もよし、まずは宿を確保した


( ^ω^)「ふー、一息つけますお」

( ´∀`)「おお、今日はなんか脚も楽じゃ」

( ^ω^)「とろろのせいですかおw」

( ´∀`)「さもありなん。うまいメシじゃったもの」

( ^ω^)「うまかったですかお・・・」

( ´∀`)「む、まあなんじゃ。どこにでもあるようなうまさじゃった」

( ^ω^)「・・・」

( ´∀`)「・・忘れろ」

( ^ω^)「は・・・」

とろろのせいで元気になったのがひとつ
とろろをやはりズルズルと食べたかったのがひとつ

二つの理由で、ブーンはモナーが寝付いた後
町へくりだした

( ^ω^)「鞠子とは近所だから、きっととろろ屋もあるお!」

岡場所、飲み屋街、武家屋敷・・・

さまよえどとろろ屋はみつからず

いつの間にか、ブーンは駿府城のあたりへ来ていた


( ^ω^)「そういえば、昼の貧相な百姓が何か言ってたお。みかんの木がなんとか・・・」

( ^ω^)「・・・ひと目みておくかお」


⊂二二二( ^ω^)二⊃ ブーン

ダッ!


お堀を飛び越えて城壁へへばりつくブーンであった

打ち首モノである

( ^ω^)「えいおえいお、よじよじ、えいおえいお・・・」


城壁を登りきったブーンは、そのまま城壁の上を歩いた。

歩きながら、城壁の内側を見ていた。


( ^ω^)「みかん、みかんと・・・」


バカである


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