★壁殴り代行始めました★
ムカついたけど壁を殴る筋肉が無い、壁を殴りたいけど殴る壁が無い、そんなときに!
壁殴りで鍛えたスタッフたちが一生懸命あなたの代わりに壁を殴ってくれます!
モチロン壁を用意する必要もありません!スタッフがあなたの家の近くの家の壁を無差別に殴りまくります!
1時間\1200〜 24時間営業 年中無休!
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働かなくても腹は減る。
蓋し、名言である。
流されるように小中高と進学し、地方の、吹けば飛ぶような女子大に入学して早四年。
何の芸も身に付けぬまま、突然告げられたモラトリアムの宴の終わりに、私は、なす術をもたなかった。
ξ゚听)ξ……ない内定マジ洒落にならん。
気が付けば、心中ひそかに精子脳だのスイーツ笑だのとあざ笑っていた同級たちは要領よく早々と身の振り方を決め、
取り残された小娘が一人、明日の飯にも窮する情けない有様で思い悩むばかりであった。
なんのことはない。ベルトコンベアーに乗せられて、ただ流れていく風景を眺めていたら、たどり着いた先が現実だっただけだ。
ξ゚听)ξ……しゃーない。しばらくは、バイトでしのごう。
私にだって、言い分はある。元々、それほど就職活動に熱心になれなかったということもそのひとつだ。
何のとりえもない私に勤まる仕事など、せいぜいたかが知れている。
脂ぎった親父たちに愛想を振りまき、日がな一日コピーをとったりお茶を入れたり尻をもみしだかれる日々をこの先延々送るくらいなら、
手首かっきって死んだほうがましと思う性分なのだ。
あるいは、手ごろな男に寄生して、餌を待つ雛鳥よろしくぬくい巣箱の中で、ピーチクパーチク囀っていればことはすむかもしれない。
やんぬるかな、そう開き直って他人に寄りかかれるほど、私は強くもない。
まあ言ってしまえば、自分の無能を棚上げし、ちょこざいな繰言に遊んでいるだけなのだが、それを理解はすれど納得には至らないのが結局私なのだ。
突きつけられた現実を、素直に頭をたれて押し頂けるほど人生のなんたるかを心得ていたら、そもそもこんな有様にはならないのだろう。
というか、それがこの22年間に蓄積されたすべてでもある。
だから私は今、一生懸命アルバイトを探している。
すでに試合時間を使い切った自覚はあるが、逆さに振ればそれでも多少の無理はきくというものだ。きけ。
ロスタイムって何だろう。ロサンゼルス時間とかそんな感じだろうか。生まれたときからロスタイム。
ξ゚听)ξ……時給750円……ぷおーwwwwwwwww
何もできないくせに、プライドだけは人一倍なのだ。分かっている。分かっては、いる。
ξ゚听)ξ……壁殴り、代行……?
あくび混じりに捲っていた求人誌の一頁、その片隅に、私はそれを見つけた。
シンプルなデザインのロゴに、簡潔な文章。筋肉質な男のイラストが、花を添える。
思い返せばそれが、全ての始まりだった。
ξ゚听)ξ…………時給1000円、か。とりあえず、電話だけしてみようかな。
目印に、小さく折った頁の片隅。それが私にとって、吉事だったのか凶事だったのか。
今をもってしても、謎のままである。
案件1:欝田ドクオ様
ξ゚听)ξ……帰ろうかな。
薄汚れた雑居ビルの二階、磨りガラスの年季の入ったドアの前に立って、私は迷っていた。
うずたかく詰まれた古新聞の束に、ガムテープで補修されたさびた傘たて。
ほこりをかぶった出前の器は、もう長い間そこに鎮座していることが、一目で見て取れる。
テレビドラマで見た三流やくざの事務所が、ちょうどこんな具合だったと思う。
ξ゚听)ξ……。
ことここにいたって、それでもまだ私を踏みとどまらせていたのは、逼迫した生活費と、
事務所に来るまでの交通費の170円だ。往復なので帰るのにもう170円かかる。実に腹立たしい。
ξ゚听)ξ……ええい!ままよ!
貧すれば鈍するの言葉の通り、花も恥らう22歳のためらいを、その金銭問題が吹き飛ばした。
横断歩道で言えば、これぐらいはまだ黄色信号だ。渡っていけぬことはない。
途中で赤信号に変わったら、引き返せばいいだけのことだ。
仕方あるまい。働かなければ飯が食えぬ。飯が食えねば人は死ぬ。真理だ。
だが現実は常に予想の斜め上を行く。
鬼が出るか蛇が出るか、意を決して押し開いたドアの向こうに
(´・ω・`)あらぁん? いらっしゃいん。お仕事のご依頼かしらん?
……マッチョなオカマがいた。
ξ゚听)ξ……こんにちは。
(´・ω・`)はぁい、こんにちはん。あなた、はじめてちゃんねん。今日はどういったご相談かしらん?
ξ゚听)ξあ、すいません。昨日お電話差し上げた、津出です。アルバイトの件で……。
(´・ω・`)あらぁん! じゃ、あなたが令ちゃんねん! 私、ここのオーナーのショボンていうの。よろしくねん。
ξ゚听)ξあ、はい。よろしくお願いします。
(´・ω・`)まぁオーナーっていっても、私一人で切り盛りしてるんだけどねん、うふふふ。
ξ゚听)ξああ、はぁ。
(´・ω・`)よく来てくれたわねん。さささ、座って頂戴、今お茶入れますからねん。
ξ゚听)ξ……。
正直、だまされた感が否めなかった。昨晩の電話のやり取りで、てっきり相手は女性だとばかり思っていたからだ。
ハスキーに響く話し声と、あまったるい口調から連想した妙齢の婦人像に、ガチムチのオカマが上書される。
帰ろう、と思った。
(´・ω・`)はいはい……これね、すごく良い紅茶なのん。奮発しちゃった。うふふふ。
ξ゚听)ξあ、どうも。
(´・ω・`)ベノアティよん、ベノアティ。うふふ。
ξ゚听)ξ……。
(´・ω・`)それでねん、お仕事の話なんだけどねん、
ξ゚听)ξあっ、すいません。そのことなんですけど……
(´・ω・`)もうばっちし! あなた、ばっちぐーよん! 採用!
ξ゚听)ξ……
見込まれてしまった。ばっちぐーってなんだ。このオカマ、何年ものだ。
せめて履歴書くらい見ろ。写真込みの単価で200円くらいかかってるんだぞ、多分。
ξ゚听)ξすいません。私、力仕事とか出来ないんですけど……。
(´・ω・`)あらぁん、かまわないわよん。そっちは私のお仕事だからん。
電話でもお話したけど、ツンちゃんには簡単な事務のお仕事、やってもらうのん。
すでにツンちゃん呼ばわりだ。馴れ馴れしいことこの上ない。
(´・ω・`)それで、今日から働いてもらっちゃってかまわないのん?
あ、そうそう。私のことは、所長って呼んでねん、所長。うふふ。
ξ゚听)ξ……。
(´・ω・`)じゃ、一息いれたし早速お仕事にとりかかろうかしらん。初仕事ねん、うふふ。つんちゃん初仕事、うふふふ。
ξ;゚听)ξあっ、えっ。
(´・ω・`)大丈夫よん、ばっちし教えたげるわん! 難しいことなんか、ないのよん。
駄目だ、このオカマ。私のコミュ能力のつたなさを差し引いても、人の話を聞かないタイプの人間だ。
初見で分かってしまった。なんというオカマ。間違いなくオカマ。
流されてはいけない。そこはかとなく、否、高確率で地雷の香りがする。
ξ゚听)ξ……ひ、日払いとか大丈夫ですか!?
渾身振り絞った私のなけなしの抵抗は、しかし
パチッ(´・ω-`)^☆ おっけー! おっけーよん!
あっけなく一蹴された。
ξ゚听)ξ……。
(´・ω・`)あぁなぁたぁにぃ〜♪ あぁいた〜く〜て〜♪ あぁえな〜く〜て〜♪
そんなこんなで私は今、正体不明のオカマの運転する日産マーチの助手席に揺られている。
備え付けのステレオから、大音量で、耳慣れたいわゆる懐メロが響いてくる。
それに負けない音量で、隣のオカマがいぶし銀な歌声を張り上げる。
無駄にうまいのがまた、むかつく。
(´・ω・`)……ふぅ。やっぱり聖子ちゃんは本物のアイドルよねん……。
ξ゚听)ξ……。
うら若き乙女が一人、ワンコーラス歌いきってやり遂げた顔のマッチョなオカマの横で半ば自暴気味に、
目的地もわからぬ行路に身を任せている。
あれ、黄色だと思ってたけれど、これってとっくに赤信号じゃね。気が付いたら2tトラックに跳ねられてるパターンじゃね、これ。
(´・ω・`)さ、ついたわよん!
まな板の上の鯉のような、もうどうにでもなれ的な心境で、車上に30分。
流れとぶ建物たちの屋根の上を高速で走りまわる忍者の、けなげな活躍を夢想しているうちに、どうやら到着したらしい。
颯爽と車を降りたオカマに無言で付き従い、顔を上げた先にあったのは、なんの変哲もない一棟のアパートだった。
(´・ω・`)さ、お仕事お仕事ん♪ いくわよん、ツンちゃん!
ξ゚听)ξ……はぁ。
働くって、大変だ。
(´・ω・`)ピンポーン♪
<……ハイ
(´・ω・`)こんにちわぁん! 毎度ありがとうございまぁっす!
壁殴り代行サービスでぇす♪
<ア……ドウゾ
(´・ω・`)……はぁいん! 失礼しまっすん!
ξ゚听)ξ……。
オカマがいそいそと、ドアを押し開く。
向こう側に居たのは、顔色の悪い胃腸の弱そうな痩せ身の男だった。
('A`)……どうも。
(´・ω・`)こんにちわん♪ ドクオさん、毎度ありがとうございます♪
('A`)……その人は?
ドクオと呼ばれた男が、いやな目つきで、オカマの後ろに控える私をジロリと一瞥する。
(´・ω・`)アルバイトの、ツンちゃんっていうのよん。まだ新人なのん、やさしくしてあげてん♪
ξ゚听)ξよろしくお願いします。
ペコリ('A`)……どうも。
なにやら口の中でもごもごといって、ひょいと視線をそらす男。
自慢ではないが、割と人を見るほうの勘はするどい。
その勘が告げている。この男は童貞。間違いなく、ニフラムとか使える種類の人間だ。
そう考えると、先ほどのどこか投げやりな態度も納得がいく。
異性に積極的になれないタイプの人間の、一種特有のポーズのようなものだ。
(´・ω・`)それで、今日はどうしようかしらん?
('A`)……聞いてくださいよ。まったくあいつら……。うんざりだよ……。
ぼそぼそと呟いて男が指差したのは、その部屋の壁だった。
タバコの脂がしみこんで、黄色く変色した一枚の壁。
一瞬何のことか分からず、キョトンとしてしまった私の耳に飛び込んできたのは
<ギシギシ……
<アンアン……
すぐにそれと分かるほどのあからさまな、お隣の激しい情事の音だった。
ξ;゚听)ξ……。
(´・ω・`)あらあら……。
('A`)……ちくしょう。
理解して、そして心底同情した。
多分コンビニ店員とかそんな感じだ。世間の荒波にもまれ、夜勤で疲れて帰ってきた彼が、唯一心休まる自宅でのひと時。
しかし彼の安息は、無残にも引き裂かれる。
生まれてこの方、異性の手も握ったことのない独身フリーター35歳童貞のこの男にはむごすぎる仕打ちだろう。
外では毒男とさげすまれ、心身ともにボロボロになって帰宅すればこの責め苦である。心ある人ならば、涙を流して哀れむこと請け合い。
全部想像だけど、多分大体あってる。
('A`)……何とか、してほしいんだ。
俯いて肩を震わす35歳童貞。あわれだ。あわれ過ぎる。肩を抱いて慰めてやりたくなるくらいだ。
でもフケとか付いてそうだから、本気にはしないでね。
(´・ω・`)……わかったわぁん。これは、ガッツリパワフルコースがいいわねん!
('A`)……お願いします。
腕まくりをしたオカマの横顔が(キリッと引き締まり、頼りがいのある精悍な表情が浮かぶ。
35歳童貞の自宅の、やるせなさに満ちたそのよどんだ空気が、一瞬にして張り詰めるのを感じた。
……あれ、そういえばそもそも壁殴り代行ってなんだ。
流されるままについてきたけれど、まず根本を理解してなくないか私。
なんかものっそい音で指鳴らしてるけど折れてないかそれ。え、なにすんの。
そんな私の逡巡を尻目に、
(#´・ω・`)……いくわよおおおおうっ!!!
猛り狂ったオカマが、吼えた。
(#´゚ω゚`)らぶりいいいいいいいいッ!!!!
ξ;゚听)ξ(……あれ、なんか……)
(#´゚ω゚`)ちゃあみいいいいいいいッ!!!!
ξ;゚听)ξ(……膨らんでない!?)
(#´゚ω゚`)ばあああああいばああああいッ!!!!
(;'A`)……いっけえええええ!!! マグナアアアアッムッ!!!
ξ;゚听)ξ(……待て待て待てッ!!!)
ξ ゚听)ξ
ただでさえマッチョな上に当社比1.5倍くらいに膨れ上がったオカマの、振りかざされたその左拳が、壁に叩き込まれて爆音を生む。
(;,,゚Д゚)のわあああああっ!!?
(;゚ー゚)きゃああああっ!!!?
ていうか、穴があいてる。全裸のお隣さんがこんにちはしている。
うわ、ちっせ。ていうかなんだこれ。
(´・ω・`)……ふぅ。
(;'A`)……はっ、ざまみろっ!!
(;,,゚Д゚)なななんだゴルァっ!!!
(;゚ー゚)いやああああっ!!!
ξ゚听)ξ
パチッ(´・ω-`)^☆ 今日も絶好調ねん♪
('A`)……最高の、壁殴りでした。
ξ゚听)ξ
なんだこれ。
('A`)……ありがとうございました。おかげでスッとしました。
(´・ω・`)どういたしましてん♪ じゃあ、ガッツリパワフルコースでお会計3500円になりまぁっす♪
('A`)はい、これ。
(´・ω・`)ちょうどお預かりいたしまぁっす♪ さ、ツンちゃん、領収書きっといてねん!
ξ゚听)ξえっ、あ、はい。
ペコリ('A`)……どうも。
(´・ω・`)ありがとうございましたぁん! またよろしくねぇん♪
ペコリξ゚听)ξ……ありがとうございました。
こうして、私の記念すべき初仕事は無事に終わった。
(;,,゚Д゚)……
(;゚ー゚)……
無事に終わった。
何で膨らんだのかとか全身海綿体なのかとかそもそも人間なのかとか聞かなければならないことは色々あったのだが、
詳しく知ると戻れなくなりそうな気がしたので、私はただ黙って、車に乗り込んだ。
(´・ω・`)お疲れ様! ツンちゃん最寄駅どこかしらん? おくってってあげるわよん。
ξ゚听)ξえ、ありがとうございます。××です。
やった。170円浮いた。色々ぶっ飛んでるが実はこのオカマ、良い人なのかもしれない。
悪趣味な紫色の財布をバリバリ言わせて、二千円札を取り出して、オカマが言った。
(´・ω・`)これ、裸で悪いんだけど今日の分のお給金ねん。はい。
ξ゚听)ξ……ありがとうございます。でも……いいんですか?
(´・ω・`)うん?
自分で言うのもあれだが、私は割と常識人なのだ。
紅茶飲んでノコノコオカマに付いていって領収書きるだけで2000円分の仕事をしたと思えるほど、厚かましくはない。
それに、一件で3500円にしかならなかったのだ。どう考えても給金の設定を間違えている気がする。
(´・ω・`)ああ、そのことねん。それは心配しなくていいのん。
私がそういうとオカマは、何でもなさそうに笑った。
(´・ω・`)壊した壁の修理は、ドクオさん持ちで私の知り合いの業者さんに頼むことになってるから、そっちから別に紹介料が入ることになってるのん。
というかむしろそっちが本当の収入なのん。
……汚いなさすがオカマきたない。やぁね、大人って。
そういえば事務所においてあったチラシに壁は当方で準備します、とか書いてなかったか。
35歳童貞さんあんた騙されてるよ。広告に偽りありだよ。ジャロに相談したらどうジャ言わせんな恥ずかしい。
(´・ω・`)彼、お得意様なのん。大体二ヶ月にいっぺんくらい、依頼が来るのよん。
待て、お得意様って何だ。今まで何度もあんな意味不明な行事を繰り返してるのか。
ていうか二ヶ月に一回って結構頻度たかくね。フリーター35歳童貞の財布は大丈夫なのか。
毎回修理してる割に壁汚れすぎじゃね。ていうかお隣さんもいい加減学習しろよ。
……今更ながら、あれは仕事だったのだろうか。いや、需要と供給がマッチしていれば物事は立派に商売として成り立つのだ。
本能がすばらしい勢いでアラートを告げている。ここはぐっと我慢だ。興味を持っては駄目だ。
(´・ω・`)それに、あなたね……
ξ゚听)ξ?
(´・ω・`)……なんでもないわ、そのうち分かるわよん。うふふふ。
おいやめろ。なんだその才能見つけちゃった♪ みたいなフリは。
(´・ω・`)さ、ついたわよん。お疲れ様ん♪
ξ゚听)ξあ、ありがとうございます。お疲れ様でした。
(´・ω・`)じゃあ明日は10時に事務所のほうに来てくれるか知らん?
ξ゚听)ξえ……。
そうだった。何も言わなければ、私はこのままこのオカマの元でアルバイトに精を出すことになるのだった。
ξ゚听)ξええっと……私……。
(´・ω・`)……。
私のためらいを読み取ったかのように、オカマがつぶらな瞳で見つめてくる。
やめろ、捨てられた子犬みたいな目をするな。というかちょっとは世間体を気にしろ。
これではどう見てもよからぬ間柄の二人の図じゃないか。
すでにあたりは暗くなりはじめ、帰宅途中であろうサラリーマンたちが、興味深げに横目で私たちの様子を伺っている。気がする。
ξ゚听)ξ……。
駄目だ。うなずいては駄目だ。この道を行けば戻れなくなる。猪木じゃなくても分かる。
アルバイトなら他にいくらでも働き口があるのだ。わざわざこんなオカマの手下に加わるなんて自殺行為だ。
色々な思考が頭を駆け巡って、最終的に私の口から飛び出た答えはしかし、何故か、
ξ゚听)ξ……ええと……はい。
……肯定だった。
(´・ω・`)うっふ♪ これからよろしくねん! ツンちゃん!
ξ゚听)ξ……よろしく、お願いします。
どうして意地っ張りで、そのくせ臆病な私が、あそこで素直にうなずいてしまったのだろうか。
今をもってしても、謎のままである。
(´・ω・`)あ、そうそう。一度言ってみたかったのだけれど……。
ξ゚听)ξはい?
(´・ω・`)……それじゃあ明日もまた来てくれるかなっ!? なぁんて、うふふ!
ξ゚听)ξイラッ
こうして、私の壁殴り代行が始まった。
領 収 書
欝田ドクオ 様
¥ 3,500 −
但し ガッツリパワフルコース
上記金額正に領収致しました
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