案
                8
          件

       :       
              藤
      近
                    様
   ヒ       ッ
       キー



ξ゚听)ξ……。

それが始まったとき、私はおんぼろ事務所でいつもどおりオカマと二人、
丸暴42歳が持ってきたお菓子をお茶請けに放課後ティータイムしつつ、テレビ観賞と洒落込んでいた。        
時刻は午後四時四十三分。今日は日曜だというのに予約の仕事も飛び込みの依頼も一件もなく、
一日中グダグダしているうちにあますところ後二十分足らずで本日の尊い労働タイムも終了という刻限だった。

(´・ω・`)やっぱり、二時間ドラマはこうじゃなくっちゃねぇん……。

ξ゚听)ξ……。

シガールクッキーをかじりながら、しみじみとした口調でそうつぶやくオカマ。
テレビ画面の中では、断崖絶壁の上で犯人役の女に人道を説く船越英一郎が、いい味の演技を見せている。

サスペンスものはとりあえず海が見える崖に犯人を追い詰めて説教する法則。
これって誰が初めにやりだしたんだろうね、やっぱ松本清張とかそのあたりの人だろうか。

(´・ω・`)……この人、わるい女ねぇん……。

ズズーξ゚听)ξ……。

ああ、お茶うめぇなぁ……。
崖の上の英一郎、いいね。眞鍋とかをりの所得税隠しくらいにグッと来るものがあると思う。
ジブリでやらないかな。
そんないつもどおりの、平和な夕暮れ時であった。


その穏やかなひとときを引き裂いたのは、事務所の固定電話である白いファックスフォンの、けたたましいコール音。

(´・ω・`)……あらぁん? 誰かしらぁん……。

オカマがつぶやいて立ち上がり、事務机の上に置かれていた子機を取り上げる。
本来ならばそのような電話応対などは事務作業担当の下っ端である私の役目のはずだが、
基本的にオカマはそういった役割分担ということを気にしない。
電話が鳴っても来客があっても、手が空いていれば自分で応対してしまう。うむ、いい心がけである。
でも今大事なところだから、もう少し声のトーン落として喋ってね。テレビの音聞こえないから。

(´・ω・`)……はぁい…………はい……っ!?……それはっ…………はい、はい……。 
     ……荒巻さんは? ……わかったわぁん! すぐに向かうわねぇん!

途切れ途切れのオカマの声が聞くともなしに耳に届き、次いで、
いつも余裕たっぷりのオカマにおよそ不似合いな、ガシャン! という乱暴な音をたてて、受話器が置かれたのが分かった。
うるせぇ。テレビの音聞こえないっていってんだろ。


(´・ω・`)……ツンちゃん! 悪いんだけど、急なお仕事なのん! 手伝ってくれる?

ああん? 時間外労働させんのかよ。嫌だよマンドくせぇ、これ見終わったら帰るんだから。
そう思って白目を剥いて睨んでやろうと顔を向けるとそこには、初めて見る険しい表情をした、オカマがいた。

(´・ω・`)……。

ξ゚听)ξ……?

(´・ω・`)……ちょっと厄介ごとなのん! 詳しいことは、車の中で説明するわぁん!

なにやら尻assな雰囲気である。
……なんか知らんけど、サビ残はしねーかんな。ちゃんと時給払えよ。

(´・ω・`)……行きましょう! 

手早く出支度を整えたオカマが声高にそういって、件の有事用非常ドアを開け放t
……おい、馬鹿待て。マジでそれ使うのかよ。

(´・ω・`)そぉい!!

そんな私の胸中をよそに、妙な掛け声とともに勢いよく四メートルほど下の地面に向かって飛び降りるオカマ。
いや、何普通に飛び降りてんだよ。そこまでやったら上り棒使えよ。


(´・ω・`)ツンちゃん! 急いでっ!

外のアスファルトに降り立ったオカマが振り向きざまに大声で私の名を呼ぶ。
オイ待てふざけんなこの棒私用だったのかよやるわけねーだろスカートだぞ今日。
急いで事務所の出口に回り階段を使おうと考えたが、あれでも鍵持ってるのあいつだしそしたら二度手間d

(´・ω・`)早くっ!

階下のオカマが張り上げる叫び声に、軽くパニックに陥る。……あああ! もう、くっそ!! なんだこれっ!?

ξ;゚听)ξ……。

埒が明かないので仕方なしに腹をくくり、両手でその銀色に鈍く輝く棒につかまって、足を絡め、腿を使い体を支えた。
勢いがつき過ぎないように気をつけて、ゆっくり、慎重に滑り降りる。
するすると体が滑っていき、目線がどんどん下がっていく。

ξ;゚听)ξ……うぅ……。

トンッと両足が地面について、上手に着地できた。おお、意外にやれるもんだな。

ξ*゚听)ξ……。

……ていうか、何してんだ私。


(´・ω・`)パンツ、丸見えだったわよぅ。恥ずかしい……。

お前マジでぶちころすぞ。

ξ゚听)ξ……あれ、窓の鍵は……?

(´・ω・`)オートロックだから大丈夫よぅ! ばねの力で自動的にしまるようになってるからぁん。

なんでたかだか窓ごときにそんな……ああ、そうか。コイツ、馬鹿なんだ。前から知ってたけど。

(´・ω・`)急ぎましょう!

だから、どこへ?


(´・ω・`)……あっ、もしもしぃ? 私。ショボンだけどぅ……そうなのよぅ、あっもうテレビでやってるのねぇん?
    そう……えぇ、お願いしてたやつ……うん、分かってるわぁん。でも、それしか手がないのよぅ。

駐車場を目指して先をいくオカマが、歩調を速めて軽く息を弾ませつつ、右耳に当てたアイポンで誰かと連絡を取っている。

(´・ω・`)……うん、うん……それは大丈夫よぅ。耐えられる人しか、リストアップしてないからぁん。……うん、そう。
    電話して……うん、おねがいねぇん! 頼んだわよぅ!

通話したままズボンのポケットから片手で器用にキーをとりだし、
ワイヤレスのそれが持ち主の要求にこたえて、三メートルほどさきの距離に駐車してあった車のドアロックが解除される。
オカマの愛車のマーチの、その金色に光るヘッドライトが二度点滅して、スクランブルを予感させた。

(´・ω・`)……さっ、いくわよぅっ!

一言そういって、颯爽と車内に身を滑らせるオカマ。私もそれにならい、助手席に乗り込む。
一体何事だというのか。雰囲気的に随分な緊急事態だということは分かるが、そろそろ説明してほしいものである。


目的地の判然としないまま事務所を飛び出して数分のち、詳細は後で、との言葉とは裏腹に、ただ黙々とハンドルを繰るオカマ。
お約束のオンステージも本日は公演取り止めが決定したらしく、ねずみ色のアスファルトをひた走る車内には、重苦しい空気が漂っていた。

ξ゚听)ξ…………あのぅ、

いい加減に焦れた私が、説明を求めようと口を開きかけたとき、オカマが険しい表情のまま、ポツリ、と言った。

(´・ω・`)……ねぇツンちゃん、人って、どこまで自分を嫌いになれると思う?

……は? いきなり何言ってんだこいつ。
不意打ちの理解不能な質問に、私が何も答えられないでいると、かぶせるようにオカマが続けた。

(´・ω・`)……人はねぇん、自分の存在を消してしまうほど、自分を嫌いになることが出来る。
    人の心にはそういう力があるのん。

……何言ってんだこいつ。ついに宗教でも始める気になったのか。

言わんとしていることがさっぱり分からず、言葉が出てこない。
そんな私を尻目にオカマが、ハンドル片手にアイポンを操作しだした。
おい、危ないから運転中にそういうもん弄るんじゃないよ。

(´・ω・`)……見て。

数十秒の間をおいてのちに手渡された、その小さなディスプレイに映っていたのは……



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画面いっぱいに広がる、黒い、竜巻のような何かだった。
漏れ聞える悲鳴のような声から判断すると、どうやらワンセグ放送で何かの実況をしているらしいのだが、
映し出されるのはその砂嵐のような暗闇だけで、何が起きているのか皆目見当がつかない。

ξ゚听)ξ……?

アナウンサーらしき人間の声が、途切れ途切れに耳に響く。
移動中の車内なので電波状況が悪いためか、映像が不鮮明でちょくちょく中断するのだが、
そのことを差し引いても全く状況が理解できない。これは……。

ξ゚听)ξ……なんですか、これ?

(´・ω・`)……それはね、人の心が作り出したものなのん。

……んあ?

(´・ω・`)……リジェクト、dat落ち、神隠し、あるいは単に消滅。
    偉い学者さんたちは自己定義能力喪失症なんて呼ぶこともあるわねぇん。

呼び方はいっぱいあるけれど、意味は一緒、といってオカマが言葉を続ける。

(´・ω・`)……消えちゃうのよん。

……はぁ?

(´・ω・`)そのままの意味よぅ。この世から、消えちゃうのよん。居なくなっちゃうのん。

……わけが分からない。何言ってるんだこいつ……。


(´・ω・`)……自分がそこにいる意義がぼやけて、分からなくなってしまう。自分の存在を、自分で認めてあげられない。
    そういう気持ちが強すぎるとねぇん、人は、自分というものが、うまく維持できなくなってしまう。

……自殺の話、か……?
    
(´・ω・`)そうじゃないのん。言葉通り、消えちゃうのよん、居なくなっちゃうのん。ただ、消えてしまうのん。
    誰の記憶にも、どんな記録にも残らない。初めからそんな人は居なかったことになる。
    
人の心には、そういう力が、ある。噛み締めるようにそう繰り返してオカマは続ける。

(´・ω・`)そして今、それを引き起こして居る人がいる。画面に映っているのは、その映像なのよぅ。

ξ゚听)ξ……。


言われて思わず再び、手の中のアイフォンに目を落とした。
映し出されている映像は相変わらず不明瞭で、ただ暗闇だけが、そこに広がっていた。

……存在が、消える? そんな馬鹿なこと……。

(´・ω・`)……あるわけないって、思うわよねぇ。

私の胸中を見透かしたかのようにそう呟いて、まるで幼子をあやすかのような口調でオカマが言った。

(´・ω・`)……でもね、ツンちゃん、良く聞いて。これ、現実のことなのよぅ。
    私たちが理解していると思っている世界の仕組みなんて、本当にごく一部分のことなのん。


 この世界はね、本当に、
  あ な た の 思 う 以 上 に、不 完 全 で、不 条 理 な も の な の よ 。
 虚実なんて、私たちが認識出来るか、出来ないか、それだけの違いしかないの。
 意義なんてものはそこにはない。事象の可能性だけが、そこにある。


(´・ω・`)それを切り取って何か意味を持たせるのが、人の心の役割なのだけれど……。
    それができなくなってしまえば、行き着く先は一つだけなのよぅ。

その人は、消えてしまうだけ……。寂しそうにそういって、オカマは言葉を切った。

ξ゚听)ξ……でも……それ、は……そんなこと……。

あまりに現実味を欠いたその話に、まず理性が拒否反応を起こす。
人間が消える? この世界からいなくなる? 馬鹿らしい、あるわけないだろそんなこと。

……そうだ。だいたいそんなの、記憶や記録に残らなければそういうことがあるかどうかも分からないじゃないか。
誰にも認識されないんだったら、今オカマが語ったのは何だったんだよ。なんでお前がそんなこと知ってるんだ。

(´・ω・`)それはね、ツンちゃん……。それは……、かつて私が通った道だから。

ξ゚听)ξっ……!!

(´・ω・`)……自分は失敗作で、不用品なんだって思ったことはない? 
    間違って生まれてきちゃったんだって、そういうふうに感じた事はない?

っ……それは……。

(´・ω・`)……私はあるわ。世界に関わる気持ちがなくなってしまう。心を閉ざして、何も見ない、何も聞かない。
    そういうふうになってしまったことが、私にもあったのん。そして……、

……私はあれを、引き起こした。今でも、よく、覚えているわ……。
そういって、オカマが、静かに語りだした。



 
  ……間違っちゃったんだって、思ったの。間違って生まれてきちゃったんだって。
  私なんか、この世界に、必要ないんだって、本気で思ったの。消えてしまいたいって。

  何をやってもうまくいかない。誰とも上手に関わっていけない。居場所なんかどこにも、ない。
  目に映る世界が全部、つまらなくて、冷たくて、色あせたものに見えた。
  失敗作で、不用品で、楽しいことなんかひとつもない。
  そういうふうに生まれてきちゃったんだって、思ったの。これが私の運命なんだって。

  生まれてきちゃいけなかったんだって、思った。

  それは本当に突然のことだった。
  ある瞬間、世界からすべての色が抜け落ちた。そして、身体の奥底から暗闇があふれ出てきてね、
  あっという間にそれに包まれて、逃げられなくなってしまったの。

  気がついたときには、ただ真っ暗な、何もない闇の中にいたわ。
  目を凝らしてみても何も見えない。叫び声をあげても音にならない。
  ただ、どんよりとして、気が狂いそうになるほど絶望的な、暗闇だけがそこにあった。


 
  そしてそうなってしまってからようやく、何が起こったのか理解したわ。

   こ れ が 私 の 望 ん だ こ と だ っ た ん だ っ て。

  世界から、切り離されちゃったんだって。本当に一人ぼっちになってしまったんだって、気付いたの。
  
  そして、その闇の中で、自分の体が末端から少しずつ消えていくのを感じた。
  四肢の感覚が少しずつ、少しずつ失われていく。血が、肉が、骨が、暗闇に溶け込んで、流れ出していく。
  濃密な闇の中で、その中で、自分の命が静かに、ただ静かに消えていくのが、分かったの……。
  自分で望んだことだったはずなのに、それは、物凄く苦しくて、恐ろしいことだった。

  ……皮肉よね。
  それまで必死にしがみついていた唯一の希望が、自分が消えるというそのことが実は、本当の絶望の果てだったなんて。
 
  ああ、私はこのまま消えちゃうんだって、思った。
  肉体も、魂も……本当にこのまま存在が消えてしまうんだって。それは本当に、本当に、悲しくて恐ろしいことだった……。


(´・ω・`)……でもね、そんな私を、救ってくれた人がいた。それこそ真実命がけで、この世界につなぎとめてくれた人がいた。

ξ゚听)ξ……それは……。

(´・ω・`)……それが、荒巻さんだったのよぅ。
    あの絶望の暗闇の中で、巻き込まれれば自分も一緒に消えてしまうかもしれないのに、
    それでも私を助けにきてくれた人がいた。死に物狂いで、私に手を差し伸べてくれる人がいた。
    一人じゃないんだって、教えてくれた人が、いた。……あの人の手は、すごく、温かかった。

ξ゚听)ξ……。

(´・ω・`)……だから私には、その暗闇の正体が分かる。今、絶望の中で、苦しんでいる人がいるって、分かるの。
    その人がどんな思いで、どうしてそんなことになってしまったのか。 私 達 に は そ れ が 分 か る。
    ……そうでしょう、ツンちゃん?

ξ゚听)ξっ……。

……生まれてきたのが間違いで……出来損ないのクズで……消えてしまえばいいって……それは…………それは、私の………。


(´・ω・`)ねぇツンちゃん、想像してみて。もし仮に、今どこかで誰かがそういうふうに苦しんでいるとして、
    そしてその結果消えてしまうとしたら。居なかったことになってしまうとしたら、あなたはそれについてどう思う?

ξ゚听)ξ……それは!

両膝の上で知らずのうちに、拳を握り締めていた。力が入りすぎて手のひらに爪が食い込むのが分かったが、
今はその痛みすら気にならなかった。
絶望の中でたった一人で、誰にも知られずに消えてしまうなんて……そんなの……そんなの…っ!!

(´・ω・`)……それが、答えだと思うわよん。

ξ゚听)ξ!!

オカマが続ける。

(´・ω・`)私達は誰よりも、そういう人達の気持ちに近い場所にいる。
    100%の理解なんてありえないとしても、限りなくそこに近づくことは可能なのよん。
    だからこそ私達は、苦しんでいる人たちに寄り添うことが出来る。それが、壁殴り代行師の素質なのよぅ。

ξ゚听)ξ……じゃあ……はじめ、から……?

……初めから全部……分かってた、の……?


(´・ω・`)……そういうことに敏感じゃないと、いけないお仕事だからねぇん。
    本当はもっと早くになんとかしてあげたかったんだけど……。
    ツンちゃん、素直じゃないから、うふふ。自分でそこに気がつかないとねぇん、ふふ。

その言葉を聞いた途端に、オカマの優しく響く声音が胸にしみこんできて、
どうしてだかいきなり涙がこぼれ落ちそうになり、慌ててうつむいて何度も瞬きをした。

……誰も私のことなんか気にしないって……ずっと一人なんだって、そう思ってたのに……。

(´・ω・`)……壁殴り代行はねぇん、誰かの気持ちになって、寄り添ってあげることから始まるのん。
     だ か ら こ そ、誰 に で も で き る 簡 単 な お 仕 事 な の。
    人の心はね、自分じゃない誰かの痛みだって、ちゃんと感じることができるようになってるのよん。

まぁ私の場合はネガティブ思考が強かった分だけ、アドヴァンテージではあったけど。
そうつぶやいたオカマの横顔は、少しだけ微笑んだように見えた。

(´・ω・`)だからわたしは、壁殴り代行師になったの。過去の自分と同じ絶望を抱えた人たちに、新しい世界を届けるために。

そういってオカマは、話を結んだ。ハンドル操作にあわせて、バックミラーのぬいぐるみが、右に、左に揺れている。
助手席でただ呆然とオカマの話を聞いていた私は、頭の中ではまだ必死にあらゆる否定の言葉を探していた。
にもかかわらず……それでもその時には既に、現実味を欠いたその話が妙な実感を伴ってストン、と私の胸に落ちてしまっていた。

ξ゚听)ξ……本当に……本当に、消えちゃう、んですか? ……居なくなっちゃうんですか?

蚊の鳴くような私の声に一度小さく、こくりとうなずいて、オカマが答える。


(´・ω・`)……イライラしたりむしゃくしゃしたりする気持ちっていうのはねぇん、
    上手に生かしてあげれば、それはすごいパワーになるのよん。
    でも、方向性を見失って、その切っ先が自分に向いてしまえば、今度みたいに恐ろしい事態を引き起こしたりもする。

ξ゚听)ξ……。

(´・ω・`)人の心には、そういう力が、あるのよん。

ξ゚听)ξ……それじゃ……。

(´・ω・`)そう……このままリジェクトが進めば、消えてしまう。

ξ゚听)ξた、助けられるんですか?

(´・ω・`)……手遅れでなければ……いえ、手遅れでも助けてみせるわ。昔、荒巻さんが私に、そうしてくれたように。
    ツンちゃんも、だから、力を貸してほしいのん。

ξ゚听)ξで、でも……私に出来ることなんて、

なにもないのに、といいかけて、しかしそれはオカマの力強い言葉にさえぎられた。

(´・ω・`)大丈夫よん! 恐がらないで。言ったでしょう? 捉えかたが変われば、世界なんていくらでも変わっていくものなんだからぁん。
世界が私達を作っているんじゃないの。私達が世界を作っているのよん。難しいことじゃないのん。すぐに分かるわぁん。

ξ゚听)ξ……だけど……私は……。

(´・ω・`)大丈夫! 今は、先を急ぎましょう!

そういってオカマが、アクセルを強く踏み込んだ。


(´・ω・`)……あ”っ。

ξ゚听)ξ えっ?

(´・ω・`)いっけなぁい! 道間違えちゃった、うふふ♪

ξ;゚听)ξ……えええっ!!?

ちょまええええええええお前このタイミングで何やってんだよアホッ!!

(´・ω・`)……こまったわねぇん。

ξ;゚听)ξはっはやく戻らないとっ!!

困ったじゃねーだろ早く車戻せよ馬鹿っ!! 早くほらそこでUターンしろっ!!

(´・ω・`)……なぁんて、うっそぴょ〜ん♪ 

ξ゚听)ξ ……は?

……は?

(´・ω・`)ツンちゃん、すぐ引っかかっちゃうんだから、うふふ。うぶよねぇん♪

イラッξ#゚听)ξ……。

……こいつ……マジ、こいつ……。
……よし決めた。全部終わったら一発ぶん殴ろう今決めた絶対殴る。
シリアス成分返せこのハゲがっ!!


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