ξ゚听)ξが引っ越してきたようです3
川 ゚ -゚)「召使くん! みかんパワーが足りない!」
(;^ω^)「あなた今日、みかん何個目ですかお?」
川 ゚ -゚)「二十過ぎたあたりから数えてない。それとお茶もプリーズ」
(;^ω^)「……はいはい」
コタツで横になりながらノートパソコンを行儀悪く器用にいじくる忍者さん。
正月からなんとも平和な光景だ。
ξ゚听)ξ「おねーちゃん。みかんばっかり食べてると手が黄色くなるよ?」
川 ゚ -゚)「好きなもんは好きなんだからしょうがないだろ。
それに、もとはと言えばツン、私のみかん好きはお前の責任なんだぞ」
ξ゚听)ξ「どゆこと?」
川 ゚ -゚)「いいか? よく聞けよ?
お前が一人でトイレに行けるようになったから、私は似たような色のみかんで」
( ^ω^)「クーさん、お茶ですお」
ヽ川 ゚ -゚)ノ「うっほほーい」
川 ゚ -゚)ノ旦「あー、お茶はうまいなぁ。お茶は偉い」
ξ゚听)ξ「ねぇ、似たような色のみかんでどうなったの?」
川 ゚ -゚)「いやな、お茶を飲んだらおしっこしたくならない?」
ξ゚听)ξ「なる」
川 ゚ -゚)「つまりはそういう話だよ」
ξ゚听)ξ「はあ?」
( ^ω^)「ツンさん。ツンさんは、クーさんのこと、好きかお?」
ξ゚听)ξ「好きだけど?」
( ^ω^)「なら、この話題にはもう触れない方がいいお」
ξ゚听)ξ「はあ?」
川 ゚ -゚)「ツン、おしっこしたくないか?」
ξ゚听)ξ「いや、大丈夫だけど、なんで?」
川;゚ -゚)「召使くん! カテキンパワーが足りない! 早くツンにお茶を!」
( ^ω^)「お茶っ葉切れましたお」
川 ゚ -゚)「は? なら買ってこいや」
(;^ω^)「……はいはい」
クーさんの目がマジだったので立ち上がったその時だった。
川 ゚ -゚)「あ、ああん、あひん、電話だ」
ケータイを取り出したクーさんの顔色が変わった。
川;゚ -゚)「は、はい! ご無沙汰しております! クーでございます!
は? え、今なんと……? ぎょ、御意にございます!
直ちに向かいまするであります!」
クーさんは慌てて立ち上がると、上着を羽織り、玄関へ向かった。
ξ;゚听)ξ「お、おねーちゃん! どうしたの!?」
川;゚ -゚)「すぐにわかる。私は一足早く現地に赴き、対策を練る。では、戦地であおう」
そう言って、クーさんの姿は扉の向こうに消えた。
(;^ω^)「つ、ツンさん、クーさんはどうしたんだお?」
ξ;゚听)ξ「わかんない。……いや、もしかして」
その時、ツンさんのケータイもなった。
彼女は着信画面を見て真っ青になった。
ξ;゚听)ξ「は、はい! ツンデレでございます! ご無沙汰しております!
は? えっと……いま、からですか? い、いえ! それは十重承知しております!
は! ただちにそちらに参りますので! ええ、では!」
(;^ω^)「つ、ツンさんまで、ど、どうしたんだお?」
ξ゚−゚)ξ「内藤。あんた、スーツ持ってる?」
(;^ω^)「お? スイーツなら冷蔵庫に……」
ξ゚−゚)ξ「ないなら学生服でいいわ。直ちに着替えてきなさい」
(;^ω^)「え? なんでだお?」
ξ#゚听)ξ「いいから早く!」
(;^ω^)「ぶひー!」
慌てて部屋に戻って学生服に着替えると、
艶やかな晴れ着に身を包んだツンさんが迎えにきた。
しかし、彼女の表情はとても険しかった。
ξ゚−゚)ξ「さあ、行くわよ。まずは足を確保しなくっちゃ」
(;^ω^)「お? 行くってどこにだお?」
ξ゚听)ξ「最初の目的地は学校よ。それ以外はなにも聞くな」
(;^ω^)「お、おお……」
僕たちは学校へと急いだ。
正月の誰もいない学校になんの用があるのだろうか。
(´・ω・`)「は? 車を出せ? 馬鹿じゃねーの? セルフクンニにチャレンジして死ねよ」
ああ、こいつがいたっけ。
ξ゚听)ξ「いいから車を出しなさい」
(´・ω・`)「あのねぇ、君、ぼくちんが今なにしているのかわかる?」
(´゚ω゚`)「ぼくちんはねぇ! いま珍しく実力テストを自力で作ってるの!
進研ゼミのを流用したらダメって校長先生に叱られたから!」
( ^ω^)「おまえ絶対教員試験不正合格だろ」
(´・ω・`)「当たり前だろ。世の中コネだよ、コネ」
(´゚ω゚`)「てめぇらなんかさっさと家に帰って妊娠しろ!
そしたら退学処分にしてやっからよ!」
ξ゚听)ξ「これを見てもまだそんなこと言ってられるのかしら?」
ツンさんは一枚の写真を取り出した。
担任はふんぞり返って答える。
(´・ω・`)「は? なにそれ? おいしいの?」
ξ゚听)ξ「私の姉が撮った誰かさんの写真よ。
これをしかるべきところに送れば、しかるべきことになるでしょうね」
担任は立ち上がると、ツンさんの肩をポンと叩いた。
(´^ω^`)b「行こうぜ! ピリオドの向こうに! 俺のラパンで!」
正月。高速道路を疾走する一台のラパンがあった。
(´゚ω゚`)「おらおら! 引き殺されてーのか馬鹿やろこんにゃろおめー!」
('A`)「先生。ガンガン抜かれてます。エンジン音がやばいっす」
(´・ω・`)「うーん、真冬の高速を軽自動車ではきつかったかなー」
( ^ω^)「ところで先生?」
(´゚ω゚`)「運転中に話しかけんなって! 事故りてーのか!」
( ^ω^)「なんでドクオさんがいるんだお?」
('A`)v「いえーい」
(´・ω・`)「なにが悲しくてカップルのお抱え運転手やらなきゃならないんだよ。
だからドクオ君を連れてきた。彼なら存在するだけで雰囲気ぶち壊してくれる」
('A`)「お褒めにあずかり光栄です」
ξ゚−゚)ξ「いいからさっさと飛ばせ」
(´^ω^`)「へい! ツンデレさんの申すがままに!」
ここは奥州平泉。
かつては奥州藤原氏が栄え、そして源義経が最期を迎えた趣のある土地である。
(´゚ω゚`)「けっ! 退屈な土地だな! なにが平等院鳳凰堂だ! ただの十円じゃねーか!」
(;^ω^)「あんたホントいい加減にしろお……」
(´゚ω゚`)「うるせぇ! で、なに? どこで降ろしゃあいいんですかー? ツンデレさまさまー!」
ξ゚−゚)ξ「もう少し先よ」
(´゚ω゚`)「はあ? もう少し先? さっきからおめー、バカでかい壁しかないじゃ……」
その時だった。みすぼらしいラパンの前に、金色の巨大な門が現れた。
(´・ω・`)「……なに、これ?」
ξ゚听)ξ「私の実家」
担任は車を止めると、ツンさんの座る座席の扉を開け、地面にひざまずいて言った。
(´^ω^`)「お嬢様! この私め、たしかにあなたさまを無事送り届けました!」
ξ゚听)ξ「うむ、御苦労。さあ、内藤、行くわよ」
(;^ω^)「お? え? は、はいですお!」
ツンさんが立ち上がり、歩きはじめた。
僕も後を慌ててついていく。
門番が一斉にツンさんに礼をした。
(´^ω^`)「うへへ! お嬢様! 足元にゴミが!」
担任がツンさんが歩く地面の先をペロペロと舐めて掃除した。
('A`)「すげー、金だー」
ドクオさんはそう言って股間を金の門に摺りつけていた。
二人は直ちに門番に連れていかれた。
僕とツンさんは何枚もの襖を通り抜け、それはもうバカでかい和室に招かれた。
ししおどしの音が遠くきこえる。やがてしばらくの沈黙の後、ツンさんがぽつりと語り始めた。
ξ゚听)ξ「とりあえず、これが私の実家よ」
(;^ω^)「えっと、武家ですかお?」
ξ゚听)ξ「違うわよ。豪族よ」
さらりと言ってのけるツンさんが怖かった。
ξ゚听)ξ「うちはね、17になると見知らぬ土地で一年暮らさなきゃならないの。
そういうしきたりなのよ。庶民の生活を身をもって体験するためにね」
(;^ω^)「なるほど……だからあのアパートで一人暮らしを……」
ξ゚听)ξ「そう、それでね」
するとツンさんは顔を赤らめ、もじもじとしながら、呟いた。
ξ////)ξ「それ、それ、それそれ、それと……」
(;^ω^)「……そ、それと?」
(´゚ω゚`)「そーれっそーれっそーれっそーれっ!」
('∀`)「よいやっさー! よいやっさー!」
ξ゚−゚)ξ「……」
( ^ω^)「……」
遠くで雑音が聞こえた。
ツンさんの話では、二人は地下牢に連れていかれる最中だろうとのことだった。
ξ゚听)ξ「それ、それ、それそれ、それと……」
( ^ω^)「……そ、それそれ、それと?」
とりあえず、僕らは仕切り直した。
そしてツンさんは、やっぱり顔を赤らめて言った。
ξ////)ξ「そ、その間に、は、伴侶を見つけないといけないの……」
(;^ω^)「……それって、もしかして」
ξ////)ξ「か、勘違いするんじゃないわよ! あ、あんたなんか伴侶にするわけないでしょ!
た、ただ、どうしても見つからなかったから、とりあえず、そう、とりあえ……」
その時だった。遠くの襖が開く音がした。
僕たちは黙った。襖を開く音はどんどんと近づいてきて、そして、ついに。
(,,゚Д゚) (*゚ー゚) 川 ゚ -゚)「……」
(;^ω^)ξ;゚听)ξ「……」
役者は、そろったようだ。
(*゚ー゚)「はじめまして。ツンデレの母、椎の木と書いてしぃでございます」
川 ゚ -゚)「はじめまして。ツンデレの姉、空と書いてクーでございます」
(,,゚Д゚)「……ツンデレの父、古きに擬えると書いてギコだ」
ξ;゚听)ξ「ご無沙汰しております、お父様、お母様、お姉さま」
(*゚ー゚)「しばらく見ない間に立派になったわね、ツンデレ」
川 ゚ -゚)(お姉さま……ハアハア……)
(,,゚Д゚)「……して、貴様は?」
そして、ツンさんのお父さんが僕を向いた。
僕が慌てて答えようとした、その時だった。
(´゚ω゚`)「はじめましておとーたま! 諸々の煩悩と書いてショボンと申します!」
('A`)「独身男性と書いてドクオです。趣味は女子高生です」
(#,,゚Д゚)「ひったてぃ!」
(´・ω・`) ('A`)「あーれー」
(#,,゚Д゚)「ったく! あいつらどうやって牢を抜けだしたんだゴルァ!」
(*゚ー゚)「まあまあ、落ち着いて、あなた」
川 ゚ -゚)(テラワロスwwwwwwwww)
(,,゚Д゚)「まあいいだろう。して、貴様」
(;^ω^)「は、はいですお!」
(,,゚Д゚)「名はなんと申す?」
(;^ω^)「な、内藤ホライゾンと申しますお!」
そしてお父さんはツンさんをじろりと睨みつけ、尋ねた。
(,,゚Д゚)「このふぐりがお前の婿か、ツンデレ」
ξ゚听)ξ「ええ。そうでございます」
ツンさんは凛として言い切った。
そう言うと、お父さんは静かに胡坐を組んだ。
彼に従い、お母さんとクーさんが正坐をする。
そして僕は、小刻みに震えていた。
ここでツンさんが「操を奪われたから」と言えば。
(#,,゚Д゚)「……切腹の準備はよいか?」
(*゚ー゚)「辞世の句はここにしたためてね☆」
川 ゚ -゚)「バロスwwwwwVIPで実況しよwwwwwww」
間違いなくそうなる。
しかし、現実は違った。
ξ゚听)ξ「内藤は……彼は……優しくて……とても強い方です」
ツンさんはまっすぐにお父さんを見ながら、
初めは途切れ途切れだったけど、やがて謡うように語り始めた。
ξ゚听)ξ「彼は陸上競技を極めるため、一人見知らぬ町にやってまいりました。
そこで朝から晩まで鍛錬にいそしみ、そして、二度と競技の出来ぬ体になりました。
しかし彼はそれにくじけることなく、自分のような人間を二度と作らないため、
トレーナーになるという夢を絶望の中から見つけ出しました。
彼は優しく、朗らかで、そして、とても強いお方です。
彼はひとりあの町にやってきた私を手厚く保護し、日々を助けてくださいました。
そんな彼だったからこそ、私は操をささげ、彼と添い遂げる決心をいたしました」
(;^ω^)「ツ、ツンさん……」
これは彼女の本心なのか。僕は、なにがなんだか分からなくなっていた。
一方、その頃地下牢では。
(ヽ´゚ω゚`)「……なあ、ドクオ君」
('A`)「なんすか?」
(ヽ´゚ω゚`)「俺ら……どこで人生間違ったのかねぇ」
担任は虚空を見つめ、真っ白に燃え尽きていた。
ドクオはしかし、眼差しに光をたたえ、未来を向いていた。
('A`)「俺、間違えてませんよ。俺は今も、夢の途中にいます。
俺にはこの暗闇の中でも、まっすぐに指す、目指すべき光が見えてます」
(ヽ´゚ω゚`)「はは……そりゃ羨ましいわ……よかったら聞かせてくれないかい?」
('A`)「なにをです?」
(ヽ´゚ω゚`)「きみの……ゆめってやつを、さ……」
('A`)「俺、ひざをやっちまったんです。
それが原因で、俺、これまで積み重ねてきたものを全部失いました」
(ヽ´゚ω゚`)「ああ……そんなこともあったねぇ……あれは俺も辛かったよ……」
ちなみに、ドクオがひざを故障したとき、担任はキャバレーで女を口説いていた。
('A`)「あれから俺は、ここより暗い絶望に囚われました。
どこにも光は見えない。行っても行っても闇ばかり。正直、辛かったです」
(ヽ´゚ω゚`)「思いだすよ……あの時の君は見るに堪えなかった……見てるこっちがつらかった……」
ちなみに、ドクオが絶望の中にいる時、担任は修学旅行の積立金を流用しヨーロッパで豪遊していた。
('A`)「でも、俺はついに光を見たんです」
(ヽ´゚ω゚`)「それは……なんだったんだい?」
ちなみに、ドクオが光を見たとき、担任はヨーロッパで置き引きにあっていた。
('A`)「あのとき俺は、未練がましくトラックを走る部員たちを見ていました」
('A`)「そのとき、気づいたんです」
(゚A゚)「女子部員の生足! 生足! すごくいい! いい! いいいいいいいいEE‐JUNP!!」
('A`)「って」
(ヽ´゚ω゚`)「それが……君の夢……かい?」
('A`)「ええ。俺は永遠に女子高校生の、いや、女子陸上生の生足を見ていたい」
('A`)「だから俺は、スポーツトレーナーになるって決心したんです!」
そして、担任は笑った。
暗闇の中で、希望に満ちた笑いを浮かべた。
(´・ω・`)「その夢……まぢパネェよ……」
('A`)「ええ、パネェっす」
(´・ω・`)「そりゃあ……叶えなきゃダメだろ……常考」
担任は立ち上がった。そして暗闇の中で親指を立てた。
ドクオにはそれがハッキリと見えた。なぜなら、その親指は、二人の希望の光なのだ。
(´・ω・`)b「俺たちは終わらねぇ……あきらめなきゃ、夢は永遠に終わらねぇんだ!」
('A`)b「俺たちの冒険は始まったばかりだ!」
そして、地下牢は爆発した。
一方、時は戻ってバカでかい和室。
ツンさんの語りを聞き終えた僕たちは、なにも言えず、黙っていた。
ししおどしの音が近くに聞こえた。
やがて、どれくらいたっただろうか。
お父さんはひとつ大きく息をつくと、ぽつりと言った。
(,,゚Д゚)「……そうか」
ξ゚听)ξ「……はい」
そしてお父さんは、にっこりと笑うと、手をパンパンとたたき、こう言った。
(,,^Д^)「誰か! ナタ持って来い!」
ただちに襖が開けられ、従者がお父さんにナタを差し出した。
お父さんは受け取って立ち上がると、僕にナタを振りかざし、叫んだ。
(#,,^Д^)「てめぇ……俺の可愛いツンたんを……ツンたんの割れ目を……」
(;^ω^)「お、お義父さん?」
(#,,^Д^) 「黙れ! 俺はお前のパパじゃねぇ! おい、外野! プギャーって言うな!」
(;^ω^)「い、言ってませんお!」
(#,,^Д^)「黙れ! いいか! よく聞け! 俺がどれだけツンたんを可愛がっていたのかを!」
ξ;゚听)ξ「お父様!」
川 ゚ -゚)「クソワロスwwwwwwVIPにスレ立てよwwwwwwwww」
(#,,^Д^)「あれはツンたんが小学生のころだった……
ツンたんを好きだといったガキを、俺はす巻きにしてやった!」
(;^ω^)「はい?」
(#,,^Д^)「中学生のころラブレターよこした奴のそれを掲示板に張ってやった!
ツンたんに告白したガキどもは、全員最上川の泥としてくれたわ!」
ξ;゚听)ξ「ちょ、ちょっと待って! それっておねーちゃんがやったんじゃないの!?」
川 ゚ -゚)「は? なにそれ? 知らないよ?」
(#,,^Д^)「こいつはお前のションベン飲んでただけだ!」
川;゚ -゚)「ちょwwwwwwwなんで知ってんのwwwwwwwwww」
(#,,^Д^)「初めての子どもは妹のションベンを飲む変態オタク……
ようやく出来た次のツンたんは、とっても良くできた可愛い可愛い娘だった……
そして俺は決心した。俺の財産はすべてツンたんに相続させるとな!」
川;゚ -゚)「ちょっと待ってよとっつぁ〜んwwwwwwwwwww」
(#,,^Д^)「それがなんだ! こんなふぐりのような男に操を奪われて……」
川;゚ -゚)「ちょwwww財産くれよwwwwwwwwww」
(#,,^Д^)「貴様に……貴様にツンたんはやらああああああああああああん!」
(;^ω^)「ちょwwwwwwwwww」
ξ;゚听)ξ「内藤!」
川;゚ -゚)「財産!」
ナタが、僕めがけて振り下ろされた。その時だった。
(*゚ー゚)「お待ちなさい」
天使の声が響き渡った。
それまで沈黙を保っていたお母さんが立ち上がり、
白く華奢な腕で、振り下ろされかけたお父さんの腕を止めていた。
(*゚ー゚)「あなた、落ち着いてよく考えて」
(,,゚Д゚)「しぃ……」
(*゚ー゚)「ツンデレはあなたの可愛い可愛い娘なんでしょ?
それが選んだ殿方を、父親の貴方は信じられないの?」
(,,゚Д゚)「しぃたん……」
川 ゚ -゚)「財産……」
お母様は天使のように頬笑み、言った。
(*゚ー゚)「私は信じられない」
ξ゚听)ξ( ^ω^)「は?」
そして手をパンパンとたたき、言った。
(*゚ー゚)「誰か、アイアンメイデンを持ってきて」
ふすまが開けられ、直ちに従者がアイアンメイデンを持ってきた。
彼女はその扉をあけ、やっぱり天使のように微笑む。
(*゚ー゚)「さあ、内藤さん。この中にお入りなさい」
(;^ω^)「ちょwwwww中、トゲトゲでいっぱいですやんwwwwwww」
(*゚ー゚)「大丈夫。あなたがツンデレにふさわしければ」
从゚∀从<は〜い、いらっしゃいませ〜
(*゚ー゚)「それにこれ、しゃべるのよ? いいでしょ?」
ξ;゚听)ξ「よくないわよ!」
川 ゚ -゚)「バロスwwwwwww母GJwwwwwwwwww」
(*゚ー゚)「さあ、内藤さん。どーんと、ね?」
(;^ω^)「ちょwwwww無理wwwww無理wwwwwww」
从゚∀从<いらっしゃいませ〜
( ゚ω゚)「ああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ」
そして僕は、アイアンメイデンに抱かれかけた。
と同時に、アイアンメイデンは爆発した。
(,,゚Д゚)「な、何事だ!」
(*゚ー゚)「ちっ……せっかく初めてのメイデンだったのに……」
川 ゚ -゚)「超展開ktkrwwwwww続きはWEBでwwwwwwwwww」
爆発で床に転がった僕は、
僕を抱き起こしてくれたツンさんは、金色に輝く戦士を見た。
(´゚ω゚`)「俺の生徒に手出しはさせねぇ!」
傍らのドクオさんは呟いた。
('A`)「先生はなれたんだ……スーパーしょぼい人に……」
(;^ω^)「先生!」
ξ;゚听)ξ「どうしてここに!?」
(´^ω^`)b「決まってんだろ? お前らを助けに、だよ!」
( ^ω^)ξ゚听)ξ「……」
僕たちは絶対に嘘だろうなと思った。
(´^ω^`)「さあ、行くぜ! 俺のラパンに乗ってトンズラだ!」
( ^ω^)ξ゚听)ξ「……」
担任はふすまをなぎ倒しながら駆けだした。
とりあえず、僕らも駆けだした。
担任を先頭に、僕たちはラパンへと急いだ。
迫りくる従者たち。しかし、担任はことごとく彼らをなぎ倒した。
(;^ω^)「なんで先生、あんなに強いんだお?」
('A`)「それはね、夢、の力だよ」
(;^ω^)「夢、ですかお?」
('A`)「そうだ。夢さえ持っていれば、人はあんな風にどこまでも強くなれるんだ」
( ^ω^)「……」
そう言い切ったドクオさんは、あの日僕が見たドクオさん同様、眩しく輝いていた。
そして僕たちはラパンへたどり着いた。
そこで僕は担任の夢の正体を知った。
( ^ω^)ξ゚听)ξ「……」
(´^ω^`)b「さあ、お前ら、乗れよ!」
( ^ω^)「これの……」
ξ゚−゚)ξ「どこに乗れっていうんです?」
そこには、金銀パール骨董品ドラゴンボールでいっぱいのラパンがあった。
ξ゚听)ξ「てゆーか、これ、私の家の倉庫に保存してたお宝ですよね?」
(´^ω^`) 「うん! これを売って海外に高飛びするのが俺の夢さ!」
( ^ω^)「じゃあ、僕たちを助けたのって、もしかして……」
(´・ω・`)「追手がかかったときの人質にするために決まってんだろ」
(´・ω・`)「おら、早く乗れよクズども」
ξ゚听)ξ「だからと言って、ねぇ……」
( ^ω^)「人質すら乗るスペースがないお……」
ラパンは運転席以外、テトリスのように財宝で満たされていた。
(´・ω・`)「ちーと詰め込み過ぎたか。まあいいや。追っても当分かかんねぇくらいかき回してきたしな。
お前らいらねーわ。俺ひとりで行くからよ。んじゃーな」
ξ#゚听)ξ「ちょっと待ってよ! 私たちどーやって帰ればいいのよ!」
(´゚ω゚`)「歩いて帰れ! 若もんだろーが!」
ξ#゚听)ξ「若ものにも限度があるわよ!」
(´・ω・`)「しゃーねーなー。んじゃ、この財布好きに使っていいから、タクシーで帰れや」
担任は財布を投げつけると、ラパンに乗って走り去っていった。
ξ゚听)ξ「タクシーで帰れって言ったってねぇ……」
(;^ω^)「財布、いくら入ってるんだお?」
ξ゚听)ξ「827円」
担任が哀れでしょうがなかった。
ξ゚听)ξ「しょうがないわね。みんな、いくら持ってる?」
(;^ω^)「5000円くらいだお」
('A`)「ミニロトの外れクジ円」
川 ゚ -゚)「30円かな」
ξ゚听)ξ「私が500万ちょっと。ま、なんとか帰れそうね」
そして僕たちはタクシーを捕まえ、僕たちの町へと帰った。
捕まえたタクシーの中で、みんな眠っていた。
無理もない。あんなことが一日の内に起こったのだから。
ふと、僕は目覚めた。外は真っ暗で、雨が降っていた。
フロントライトの光は、とても頼りない。流れるラジオの声も、頼りない。
しかし、ラジオがこう言ったのだけは、はっきりと聞き取れた。
「本日夜、海岸を猛スピードで走行していた軽自動車が突如横転。
そのまま海へDIVE!しました。
目撃者の証言から推察するに、軽自動車のタイヤがパンクしたことが原因のようです。
なお、車体および運転者は、いまだ見つかっておりません」
( ^ω^)「……」
誰の車か、一発で分かった。
僕は目をつむり、担任と思い出に浸る。
しかし、ロクな思い出が見つからなかったので、すぐに止めた。
('A`)「内藤くん……ラジオ、聞いたかい?」
( ^ω^)「……ええ。ドクオさんも、起きてたんですおね」
('A`)「ああ……先生は……いい先生だったね……」
(;^ω^)「どこがですかお……」
('A`)「いや、これ以上いい先生はいないよ。だってさ……」
ドクオさんは悲しげに笑い、言った。
('A`)「人の夢と書いて、儚いと読む。
先生は、そのことを身をもって教えてくれたんだ」
僕は目をつむり、ドクオさんの言葉を反芻した。
人の夢は、儚い。
僕が描く夢も。
ドクオさんが描く夢も。
担任が描いた夢……は別にどうでもいい。
ならば、人の夢が儚いというのなら。
一筋の泡となり弾けるような存在だというのなら。
僕は……僕は……
( ^ω^)「どないせー、ちゅうねん」
('A`)「だから、僕らは確かなものを求めるんだ」
( ^ω^)「確かな……もの……」
('A`)「そうさ。人の夢が儚いというなら、それを補えるだけの確かなものを持てばいい。
そうすれば、いつかきっと、夢も形を持つ。バベルの塔も、いつかは天に届く日が来る」
ドクオさんは、まっすぐに前を向いていった。
確かなもの。僕にとっての確かなもの。
それはきっと、彼女だ。
川 ゚ -゚)「むにゃむにゃ……だめだよ……そこは違う穴だよ……」
間違えた。
ξ‐凵])ξzzZ
それはきっと、彼女だ。
( ^ω^)「ドクオさん」
('A`)「なんだい?」
( ^ω^)「ドクオさんの確かなものって……なんですかお?」
('A`)「生……」
そしてドクオさんは、ニヒルに笑った。
('∀`)b「それは……内緒さ!」
そうだ。確かなものを、人にやすやすと語ってはいけない。
僕の追い続ける背中はやっぱり輝いていた。
ああ、それでこそ、僕が尊敬するドクオさんだ。
それからの話を、少しだけ。
明け方、町に帰った僕たちは、それぞれの日常に帰っていった。
正月も開け、冬休みも開け、始業式。
朝練で僕は、ドクオさんと一緒に走るみんなを眺めていた。
( ^ω^)「僕は、ずっとこの光景を見ていたいんですお」
(*'∀`)「ハァハァ……いい……すごくいい……」
(;^ω^)「え? ド、ドクオさん?」
('A`)「え? あ、ああ。俺もだよ」
( ^ω^)「だから、僕はいつか、あなたを追い抜きますお」
('∀`)「……ああ。やれるもんならやってみろ」
ドクオさんは、限定版のえろげとかなんとか言って、帰っていった。
(´゚ω゚`)「起立! 気をつけ! イナバウアー! 否着席!」
なにごともなかったかのように現れた担任。全員が着席した。
(´゚ω゚`)「はい! 新年あけまして死ね!
ところで先生、今年は億単位のお年玉をもらいました!
それでラスベガスに行って全財産すってきました!」
(´;ω;`)「だから誰か、お金貸してください!
もう三日も何も食べてません! 先生に愛の手を!」
全員が中指を立てた。
(´゚ω゚`)「けっ! てめーら全員落第だ! バーカ! お前らの将来全力でつぶしてやるからな!」
担任は、今日も元気に生きている。
川 ゚ -゚)「うはwwwwwwwアフィリエイトでうはうはwwwww
これだから2ちゃんブログは止められねぇwwwwwwww」
クーさんは、どうやらいくつかのブログを始めたらしく、
よくわからないがとても儲かっているらしい。
川 ゚ -゚)「さーて、次は写真集の撮影だ。ネットアイドルは辛いね。
フォトショさん、今日もよろしくお願いしますよっと」
その他、いろいろな手段で金もうけにいそしんでいるみたいだ。
これも一つの夢の形。
是非ともクーさんには頑張ってほしいと思う。
そして、放課後、部活終わり。
僕は校門へ小走りでかけていく。
ξ#゚听)ξ「遅い!」
(;^ω^)「ごめんだお!」
夜の中、二人で連れ立って歩く。
徐々に日が長くなり始めたとはいえ、まだまだ夜の闇は深い。
けれど、寒くもなければ、暗くもない。
僕は、まっすぐに歩ける。
ξ゚听)ξ「今日は冷えるね」
( ^ω^)「ホントだお。なにか暖かいもの食べたいお」
ξ゚ー゚)ξ「あ! ならシチューがいい! お肉たっぷりの!」
( ^ω^)「はいはい。にんじんもいっぱい入れるお」
ξ゚听)ξ「えー、にんじんはミリ単位でよろしく」
(;^ω^)「ちょwwwwwwwそれはねーおwwwwwww」
それは、いつのころからだっただろう?
アキレス腱を切ったとき?
ドクオさんに声を掛けられた時?
ξ゚听)ξ「ねぇ、ブーン?」
( ^ω^)「お? なんだお?」
ξ;゚听)ξ「ここここ、今夜、おねーちゃん、いないの」
いや、違う。
それは、あの日。
ξ////)ξ「だだだだだだ、だかららら、ととと」
(;^ω^)「だ、だから、どうしたんだお?」
段ボールで通路がふさがれていたあの日。
段ボールの陰から君が現れた、あの日。
ξ////)ξ「ととと、泊まってけって、い、言ってんのよ!」
ツンさんが引っ越してきた、あの日からだ。
ξ゚听)ξが引っ越してきたようです
おわり(´^ω^`)
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