〜 え ぴ ろ ー ぐ 〜
/ ̄ ̄\ 。 。
/ /二\ 丶/ /
||(の丶Y/⌒ヽ
(((\\二ノノ -ω-)
\ ̄ ̄ ̄ UノU
 ̄ ̄ ̄ ̄
キーンコーンカーンコーン
(; "ゞ) ゴクッ
/ ゚、。;/ ゴクッ
( "ゞ)「ついに二学期だね」
/ ゚、。 /「そうだし……」
( "ゞ)「忘れものとかないかな? 大丈夫? 教室まで一緒に行こうか?」
/ ゚、。 /ノシ「大丈夫だし! ひとりでがんばるし!」
( "ゞ)「うん、うん……そうか、そうだね。もう大人だもんね」
/*`、、 /「だしっ!」
/ ゚、。 /
/ `、、 / )) モジモジ
( "ゞ)´「どうしたの? お手洗い行きたい?」
/ ゚、。 / ))「ちがうし、ちがうし!」
/ ゚、。 /「デルタ! ちょっと屈むし! ひそひそ話するし!」
( "ゞ)「んっ? んん、わかった」
/ ゚、。;/「もっと低く! 届かないし!」
( "ゞ)、「はいはい、ちょっと待って待って」
ワイワイガヤガヤ……
( "ゞ) (届く?)
/*゚、。 /b (バッチリだし!)
/ ゚、。 / (んーで、あのねあのね、ダイオード言っときたいことあるし!)
( "ゞ) (何?)
/*゚、。 / (ダイオード、デルタのこと好きだし! ママとおんなじくらい大好き!)
( "ゞ)、(ハハ、ありがと)
/*`、、 / (でね、でね? デルタ、ダイオードの将来の夢、知ってるし?)
( "ゞ) (え、えっとえっと……)
(; "ゞ) (ごめん、何だっけ?)
/*゚、。 / (デルタあほだし! じゃあ教えてやるし!)
/*`、、 / (ダイオードの〜、将来の夢はぁ〜)
/*゚、。 /9m (デルタのー!)
( "ゞ)、 (僕の?)
/*゚、。 / (お嫁さんになることだしーっ!)
( "ゞ)`、、 / チューッ
( "ゞ)
( "ゞ)
( "ゞ)・。゚. ボベラバフゥ
/ ゚、。;/「ぎゃあああ、きちゃないし!」
(; "ゞ)ノノ「い、いきなり変なことするからでしょーッが!」
ヒソヒソ……
ナニカシラアレ……
ロリコンカシラ……
ザワザワ……
ペドカシラ……
ツウホウシマスタ……
:(; "ゞ):「うぅうわぁあぁぁぁあ、世間の目が、世間の目が痛い!」
/ ゚、。 /「?」
(; "ゞ)ノシ「ととと、とにかく行ってらっしゃい。遅刻しないよーに!」
( "ゞ)「きっと、きっとこれから何もかもうまくいくようになるから」
( "ゞ)「……頑張ろうね」
/*`、、 /「だし! 行って来るし!」
‐=三/*゚、。 / テテテー
( "ゞ)-3 ホッ
(; "ゞ) (さ、変な目で見られない内に早く帰ろう……)
ガララ
( "ゞ)-3「ホー、危うく通報されかけるところだったー」
( "ゞ) チラッ
( "ゞ)「……色々あって、夏の間はあまり掃除する暇なかったな」
( "ゞ)q「よし、じゃあダイオードが帰って来るまでに家をピカピカにしておいてやろう!」
パタパタパタ
(; "ゞ)ノシ「ゲホッゲホッ、すごいホコリだな。我ながら酷い有様」
(; "ゞ)「タンスの上とかほとんど触らないから……」
ドサッ
(; "ゞ)、「あ、あれ? 何か上に乗ってたのかな?」
( "ゞ)「とっとっと、これもすごいホコリだ……お菓子の箱?」
カパッ
( "ゞ)
( "ゞ)「あ、あぁ……これ、こんなところに……」
( "ゞ)「ハインさんの遺品……まさかタンスの上でホコリ被ってたなんて」
( "ゞ)、(でも、そうだ中身は本がいくつかあっただけだし……)
( "ゞ) (ドストエフスキー、カフカ、コナン・ドイル。病院でも……色々読んでいたんだな)
( "ゞ)、(『赤毛のアン』もあるよ。はは、こんなの読み飽きてるだろうに) パラパラパラ
ヒラッ
〜□
( "ゞ)´
( "ゞ)「手紙……? ページの間に、挟まってたのかな」
( "ゞ)「宛名、書いてないけど……」
( "ゞ)「開けても――いいよね?」
( "ゞ) ベリッ カサッカサッ
( "ゞ)「ハインさんの字だ。やっぱりハインさんが書いた手紙……」
( "ゞ)、 (まさか……遺書、なのか?)
パラッ パラッ
――まず最初に、この手紙を見つけてくれてありがとうございます。
――自分で書いておいてなんだけど、分かり難い所に隠しちゃうだろうなぁと思って。
――それで、多分この手紙が読まれているという時、すでに私はこの世にいないでしょう。
――それはいいんです。仕方のないことだと思います。私はお母さんと似て、生まれつき病弱だったし。
――こういう最後が訪れることに対して、それほどショックを抱きませんでしたから。
――なんだか、遺書代わりの手紙にしたら変な前置きだけどねぇ。
( "ゞ)「…………っ」
( "ゞ) パラッ パラッ
――ただ、やっぱり死んじゃうってことになると。
――もしかしたら今このお腹にいる、私の娘を命の危機に晒してしまったんじゃないか。
――そして、幸い無事に産まれても、その後の人生で彼女に辛い思いをさせてしまったんじゃないか。
――そういう心配で、いまも胸がいっぱいです。
――あぁ、そうそう、それに娘の顔を拝めずに死んじゃったとなると、ちょっと寂しいかなぁ。
――やっぱり、気になるものね。私に似てるのか、ジョルジュに似てるのか、とかさ。
――女の子なら私に似て欲しいなぁ、なんて。ジョルもブサイクじゃないけどね。
――えへへ。
――私は、早くにお母さんもお父さんも亡くしてしまったから。
――親のいない不幸っていうのは、なにより娘にあって欲しくないものなの。
――それなのに、どう頑張っても長く生きられない自分には憤りを感じる。
――ジョルジュにも、文句をつけたいところはある。でも、それはいいの。
――ジョルジュは元々、そういう奴だから。
――でもね、私はこの手紙を書くにあたり、絶望なんかしてはいない。
――だって、多分この手紙を読んでいるあなたは、きっとすごくすごくイイ人。
――イイ人って……信じたい。責任を押し付けるようで、申し訳ないけど。
――死んでいく私の言葉が、生きているあなたに重すぎることは重々承知です。
――でも、お願いします。中途半端に死んじゃう、私の願いです。
――私の娘を、幸せにしてあげてくれませんか?
――彼女を抱きしめてあげてください。
――彼女を褒めてあげてください。
――彼女を叱ってやってください。
――彼女の生きる姿を、見守ってあげてください。
――それが、死に際した私の唯一の願いです。
――この子の幸せ以外、もう何も望みません。
( "ゞ) パラッ
:( "ゞ): パラッ
――やっぱり、無理難題かなぁ。
――頼むのは簡単だものねぇ。いっぱい、いっぱいあなたに迷惑かけてしまうものねぇ。
――でも、きっときっと、彼女はあなたの愛に応えてくれると思います。
――あなたが与えてやった愛を、きっと最高の形でお返ししてくれると思います。
――私がもらえなかった、私の娘からの愛を、
――あなたにお譲りすることにします。
:( "ゞ):「はは、ひどいなぁ……」
:( "ゞ):「なんだよハインさん、ホント、無理難題だよ」
:( ゝ):「だって子育てって、すごく、大変だもんね」
:( ;ゝ;):「でも、確かにお返ししてもらったものも、すごく、すごく素敵だったよ……」
――ちょっと、手がしびれて来ちゃったよ。
――もうあまり長い文章を書けそうにないな。まだ、書きたいこといっぱいいっぱいあるのに。
――そう、そうだ! それともしあなたが関ヶ原デルタ君を知っているなら、
( ;ゝ;)´
――病室に積んでいる、私の蔵書を彼に譲ってあげてください。
――私はもう読み飽きたような本ばかりなので、せっかくなら彼にあげたい思ってたのよね。
――その本たちには、色んな物語と、知識と、他にも素敵なものがいっぱい。
――それできっと、私の小さな想いとかも詰まってるから、ぜひ彼に。
――彼には娘と同じくらい、幸せになって欲しいから、ね。
:( ;ゝ;):「ハイン、ざん……ハイ、ン、さんっ」
――それじゃ、最後に一言!
――私と、私の娘を愛してくれたすべての人に
――深い感謝を送り、永い幸福を祈ります
Heinrich.
* * *
(* ´∀`)「さてさて、始業式も終わりましたモナね!」
人
( ´∀`)「これから夏休みの宿題や、通信簿を提出したりしてもらいますが」
( ´∀`)「その前に、皆さんへ大事なお知らせがあります!」
エーナニナニー?
( ´∀)「ささ、入ってくるモナよ。ダイオードさん」
ガララ
/ ゚、。;/ ドキドキ
*(‘‘)*「あーっ!」 ガタッ
/ ゚、。;/そ ビクッ
*(‘‘)*ノシ「ダイオードちゃんだー! 久しぶりだねー! 元気になったのー?」
川д川「ホントだー、ダイオードちゃん学校に来れたのねー」
(・∀ ・)ノシ「おかえりーダイオードちゃん!」
/ ゚、。 /
/*゚、。 /ノシ「た、ただ、ただいまだし!」
ワイワイキャッキャ
(* ´∀`) )) ウンウン
( ´∀`)「ねえ、ダイオードさん? ちょっといいモナか?」
/ ゚、。 /「は、はいなんだし! モナ先生」
( ´∀`)「実はね、ダイオードさんに折り入ってお話したいって言う子たちがいるんだモナ」
( ´∀`)「その子たちのおはなし、聞いてあげてほしいモナ。イイモナ?」
/ ゚、。 /
/*゚、。 /「いいし、聞くし」
(* ´∀`)「ありがとうだモナ。それじゃ……」
( ´∀`)「ギコ君、ツンさん、しぃちゃん、つーさん」
( ´∀`)「ちゃんと、自分で言えるモナね?」
(,,-Д-) ガタッ
ξ;凵G)ξ ガタガタ
(;゚ー゚) ガタッ
(*;∀;) スッ
/ ゚、。;/、
/ `、、;/「うぅ……」
/ `∩、;/ (ダメだし、戻しちゃダメだし……。ダイオード、デルタと約束したし)
/ ゚、。;/ (逃げちゃダメなんだし、ガンバって、前をむくんだし)
(,,゚Д゚)「ダイオードさん」
ミ(,,-Д-)「ごめんなさい!」 ペコッ
/ ゚、。 /「!」
ミξ--)ξ「ごめんね、ダイオードちゃん!」
ミ(*;ー;)「私もごめんなさい。反省してます、本当にごめんね」
/ ゚、。 /
(*;∀;) ウッウッ
( ´∀`)「つーさん、ホラ」
(*;∀;) )) コクコク
ミ(*-∀-) 「ご、ごめす、ごめん、めんな、ざい゛」
/ ゚、。 /
/ ゚、。 /「だし……」
/ ゚、。 / (ちょっと、むねが苦しくなくなった……)
/ ゚、。 / (吐き気、こないし?)
(,,;Д;)「オレら、ダイオードさんにヒドイこと言ったの、よく分かってなかった」
ξ;凵G)ξ「それなのに、い、イジメたりとか、仲間ハズレ、しちゃって」
(*;ー;)「お母さんやお父さんに怒られて、初めてきづいたの。ごめんなさい」
(*;∀;)「うぇ、うぇう、えぶ、えぅ〜」
(; ´∀`)「つーさん、しっかりしっかり」
(*;∀;)「う、ごべ、ごべんね、ヒドイこと言って、ごべんね゛」
(*;∀;)「私、イミよく知らないのに、ヒドイ言葉使って、ごめんなざい」
(*;∀;)「ダイオード、ぢゃん、のキモチ、考えてなかったの、サイアクだった!」
/ ゚、。 /、
(*;∀;)「でも、いろんなひとに゛、いっぱい怒られて、気付きましだ」
(*;∀;)「おとうざんにも、アタマ叩かれて、すごぐイタかったの」
(*;∀;)「そぢだら、もしかじて、ダイオードちゃんは、もっと、イタかったのかなっで」
(*;∀;)「ヒドイことされで、心とかが、い、いだ、いだかったの゛、がなって!」
(*-∀-)。 グシグシ
(*;∀;)「だからね、その、いっぱいあやまりたくて、いっぱい」
(*;∀;)「ダイオードちゃん? わだし、ゆるしてくれるぅ? んで、んで」
(*;∀;)「もっかい、おともだちに、なって、くれます、か?」
/ ゚、。 /
/ ゚、。 / (もう、ムネ苦しくないし。スーっとするし)
/*゚、。 / (もう、戻さなくていい。もう、ダイオード学校行ってもいいんだし!)
/*`、、 /「モチロンだし! 仲直りだし!」
/*゚、。 /っと(;∀;*) ニギニギ
/*`、、 /「仲直りのあくしゅだし! もうこれで、つーちゃんとトモダチだし!」
/*゚、。 /「ギコ君とも!」
/*`、、 /「しぃちゃんとも、ツンちゃんとも!」
(*;∀;)「う、うゅ、う、あ、ありがど、う、ダイオードちゃん!」
/*゚、。 /「だしっ!」
(* ´∀`)「つーさん、頑張りましたモナね!」
(* ´∀`)「ダイオードさんもお帰りなさい! また一緒に授業しましょうね!」
人
オカエリー
パチパチパチ パチパチパチ
ワーイ
ヨカッタネー
パチパチ
( ´∀`)「それじゃ! みんな通知簿を集めるモナよー。席に着くモナー」
(( .../*゚、。 / テテテ
/*゚、。 / (ここ、ダイオードの席だし! なつかしいし、ちょう嬉しいし)
(*゚∀゚) )) ガタン
(*゚∀゚)「ダイオードちゃん、エヘヘ……お隣だね」
/*`、、 /「そうだし!」
っ華o
(*゚∀゚)´
(*゚∀゚)σ「ねぇねぇ? その、持ってるのって貝がら?」
/*゚、。 /「そうだし! 貝だし!」
/*゚、。 /っ華「耳に当ててみるし!」
/*゚、。 /っ華(*゚∀゚)´ ゴーッ
(*゚∀゚)「ゴゥゴゥ、って音がしてる! 波の音みたい!」
/*゚、。 /「これはー、夏休みにダイオードがデルタと海に行った時に見つけたんだし!」
/*`、、 /「海の声だし! 貝がらが、海がスキ、海がスキよ〜って! うたってるんだし!」
(*゚∀゚)「へぇ〜! すごいねぇ! うたなんだぁ!」
(*゚∀゚)「でも、それを教えてくれたのって、だぁれ?」
/*゚、。 /「デルタだし!」
(*゚∀゚)、「デルタさん、ってダイオードちゃんの……お父さんだよね!」
/*`、、 /「そうだし! パパだし!」
「ダイオードが世界でいっちばん、だいすきなパパだし!」
(* "ゞ)っと/*`、、 /っと从∀^*从
┼ヽ -|r‐、. レ |
d⌒) ./| _ノ __ノ ...@ノ”
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