( ´ー`)「アンタ、コウモリ族だヨな?」
【+ 】ゞ゚)「そうだ。隣村からの出だ」
( ´ー`)「アンタもご機嫌取りに仕事を斡旋されたのかーヨ?」
【+ 】ゞ゚)「いいや? 私は先代時代から文官だ。当時はほとんど雑用係だったのだが」
/ ゚、。 /「雑用係が文官長に? 他の文官はどうなったのです?」
【+ 】ゞ゚)「仕事をしないお飾りは魔王さまがみんな解雇されてしまった。
金の無駄だとおっしゃって」
/ ゚、。 /「!」
【+ 】ゞ゚)「今この城にいるのは他に庭師と召使いが1人づつ。
それから魔王さまの御子が2人いらっしゃるだけだ」
(;´ー`)「んなバカな! このデケー城に!」
【+ 】ゞ゚)「城の部屋の殆どは先代の時代から溜め込んだ書類と
当代魔王さまが作った資料の倉庫になっているんだ」
/ ゚、。;/「この城、全部ですか?」
【+ 】ゞ゚)「そう。本館は5部屋しか空いていない。
私も城下の家から通っている。お前たちもそうしてもらう予定だ」
(;´ー`)「ご、5部屋?」
【+ 】ゞ゚)「嘘だと思うのなら庭を見てみろ。庭師は1人しかいないぞ」
/ ゚、。 /「本当だ……」
( ´ー`)「……ふん、どうせ俺たちを懐柔するための狂言だーヨ!
みろ、こんなにドアが並んでるのに、全部が資料だなんて……」ギィッ
【+; 】ゞ゚)「あ、そのドアは!」
( ´ー`)「ねーy」ドサドサドサドサドサー
(;´ー`)「!?」
【+# 】ゞ゚)「お前たちの初仕事が決まった。この部屋の片づけだ」
*資料室
(;´ー`)「ち、畜生……」
/ ゚、。 /「ネーヨが悪いな」
(;´ー`)「だって本当だって誰も思わねーヨ! ぶえっ、埃っぽい!」
川д川「失礼いたします」
(;´ー`)「おわっ!」
川д川「雑巾とバケツ、ここに置いておきますね」
/ ゚、。 /「ああ、どうも。あなたが召使いさんですか?」
川д川「はい。貞子と言います」
( ´ー`)「本当に召使いは1人だけなのかーヨ?」
川д川「ええもちろん。あ、晩餐の時間には鈴を鳴らしますから、さっきの食堂にきてくださいね」
(;´ー`)「……ちょっとだけ手伝ってもらえねーかヨ? 夜までにおわらねーヨ」
川д川「私は他に洗濯と掃除と晩餐の支度があります。代わりに……」
( ><)「僕たちがお手伝いするんです」
(*‘ω‘ *)「ぽっぽ!」
(;´ー`)「? なんだ、ガキかぁ……」
川д川「私はこれで」
/ ゚、。 /「あ……いっちゃった」
( ´ー`)「んだよ。召使いいるんじゃねーかヨ。ちっこいけど……」
( ><)「?」
( ´ー`)「あーあー。どうすんだーヨこの量……」バサバサッ
( ><)「あ、その辺は四角いハンコが押してあるから、この箱に入れるんです」
( ´ー`)「ん? そうなのかーヨ」
( ><)「はい。そんで、後でしつむしつに持ってくんです。
年号がちょうど今の書類といっしょだから、きっと近いうちに使うんです」
/ ゚、。 /「君、詳しいね。執務室に行ったことがあるの?」
( ><)「書類をわけるお手伝いしてるんです」
/ ゚、。 /「なるほど……」フキフキ
(*‘ω‘ *)「ぽっ! そこはぬらしたぞうきんでふくんだっぽ! ぞうきんぬらすぽ!」
/ ゚、。;/「ええ? そうなの?」
(*‘ω‘ *)「しぼるのやってぽ!」ビチャビチャ
/ ゚、。 /「う、うん……」ギュッ
_,,
(*‘ω‘ *)「もっとしぼるぽ! もっかい!」
/ ゚、。;/「ごめん」ギュウウッ
( ´ー`)「ぷっ……」
(#><)「その書類は年号がちがうからまぜちゃだめなんです! こっちの箱なんです!」
(;´ー`)「わ、わかったーヨ」
(*‘ω‘ *)「ぽっぽがここふくっぽ。あっちふいてほしいぽ」
/ ゚、。 /「うん」
( ><)「箱がいっぱいになったんです! 先に運ぶんです!」
( ´ー`)「重いから俺がもってやるヨ」
( ><)「ありがとうなんです。じゃ、これも持ってほしいんです。こっちです!」
(;´ー`)「重……」
( ><)「庭師さんは6つ重ねて持つんです!」
( ´ー`)「……そうかヨ」
( ><)「? えっと……」
( ´ー`)「ああ、俺はシラネーヨ。さっきのはダイオードだーヨ」
( ><)「僕、ビロードなんです!」
( ´ー`)「ふん」
( ><)「ここが文官さんの部屋なんです。ここで一つ箱を渡すんです!」
*文官室
( ><)「失礼するんです」
【+ 】ゞ゚)φ,,「どうした?」カリカリ
( ><)「書類がちょうど使いそうなのだったんです! もってきたんです!」
( ´ー`)「これだーヨ」
【+ 】ゞ゚)「どれ。……ああ確かに。よくわかったな」
( ><)「仕分けのお手伝いで覚えたんです!」
【+ 】ゞ゚)「将来有望だ」
(*><)「えへへ……じゃあ、もうひと箱も届けて来るんです!」
【+ 】ゞ゚)「そうしてくれ。お前も見習うといいぞ」
(;´ー`)「こんなチビを? 勘弁してくれヨ」
( ><)「シラネーヨさん、おいてっちゃうんです!」
(;´ー`)「ま、待てヨ!」
【+ 】ゞ゚)「……もうあいつの方が部下だなぁ」
*廊下
( ><)「大丈夫ですか?」
( ´ー`)「ああ……にしても、ビロードはどうして手伝ってくれるんだーヨ?
自分の仕事はないのかヨ?」
( ><)「僕、今日は午後に仕分けの手伝いをすることになってたんです。
でもちんぽっぽちゃんとやってたらすぐ終わっちゃって、新しいお手伝いを探してたんです」
( ´ー`)「ははん。雑用係なのかヨ?」
( ><)「ううん。これもガクシュウノイッカンなんです」
( ´ー`)「?」
( ><)「あ、ついたんです」コンコン
『どうぞ』
*執務室
(;<○><○>)φ,,,「終わらない……終わらない……」ガリガリガリガリガリ
(;´ー`)「ひぃ! ままま、魔王!?」
( <●><●>)φ「ん、ビロード。と、シラネーヨさん」
(;´ー`)「さ、さんはいらねーヨ……」
( ´ー`)(ここ、魔王の執務室かヨ? 狭いし、調度品が机と椅子しかねーヨ……)
( <●><●>)「そうですか。それで、どうしました?」
(*><)「ついかの書類をおもちしましたんです!」
( <○><○>)「キケイの真似はやめなさい! 私の一番嫌いな言葉です!」
( ><)「でもでも、今の書類と同じ年号なんです……」
( <●><●>)「まだこの年の書類が?」
( ><)「ほらっ!」
( <●><●>)「! これは確かに欠けていた日付です。よく見つけましたねビロード」
(*><)「えへへ……本当はシラネーヨさんが見つけたんです!」
( <●><●>)「そうなんですか?」
(;´ー`)「い、いや、偶然山を崩しちまったんだヨ……」
( <●><●>)「? よくわかりませんが、優秀な文官が入ってくれて嬉しいです」
( ´ー`)「……」
( ><)「じゃあ僕はお片づけに戻るんです」
( <●><●>)「よく手伝っていらっしゃい」
( ><)「はいなんです!」
*廊下
(;´ー`)「ふー、いきなり魔王の執務室につれてくなんて、心臓に悪ぃーヨ!」
( ><)「? なんでですか?」
( ´ー`)「なんでって……
魔王ってのは怖いし、ちょっとでも粗相したらすぐ罰を与えたりするんだヨ」
( ><)「そんなことないんです。優しいんです」
( ´ー`)「優しい魔王なんて、いる訳ねーヨ」
( ><)「魔王さんは魔王だけど、その前に魔王さんなんです」
(;´ー`)「意味ワカンネーヨ!」
( ><)「えっと、魔王ってひとくくりにしちゃうと、今の魔王さんのことがわかんないんです」
( ´ー`)「!」
( ><)「今の魔王さんは、前の魔王とは違うんです。
だから、魔王さんの気持ちになって、考えなきゃいけないんです」
( ´ー`)「……違うって、わかってるヨ」
( ><)「魔王さんは、いっつも労働ばっかりなんです。
前の魔王がこわしたもの、直すほうが大変なんだって……」
( ´ー`)「……直す、ねぇ」
( ><)「そうなんです」
( ´ー`)(魔王の気持ちなんて、わかんねーヨ……)
*資料室
( ><)「ただいまなんです!」
(*‘ω‘ *)「ぽ!」
( ´ー`)「お? なんか綺麗になってるんじゃねーかヨ」
/ ゚、。;/「雑巾がけって、大変だよ」
(*‘ω‘ *)「ぽっぽの方がまだじょうずだぽ!」
/ ゚、。 /「君には負けた……」
(*^ω^ *)「ぽ!」
( ><)「あとはこっちの棚に重ねて置いておけばいいんです」
( ´ー`)「よっと」
/ ゚、。 /「なんとかなったね」
( ´ー`)「奇跡的だヨ」
チリンチリーン
( ><)「ご飯の時間なんです!」
(*‘ω‘ *)「はやくいくっぽ!」
/ ゚、。 /「食堂ってどっちだったかな?」
( ><)「こっちです」
( ´ー`)「晩餐というからには御馳走がでるんだろうヨ。 魔王の晩餐のあまりとかに期待するヨ」
*食堂
( ><)「今日のごはんはなんですか?」
川д川「今日は(レヴィアタンの)ムニエルよ」
( ><)「お魚ですか?」
川д川「そうね(多分)」
(;´ー`)「なんだ、家庭料理じゃねーかヨ」
川д川「質素にとお言いつけなんです」
/ ゚、。 /「誰がです?」
( <●><●>)「私です」
(;´ー`)「うわっ!」
( <●><●>)「そこまであからさまに避けないでください……いくらなんでも傷つきます」
(;´ー`)「まさか、魔王までこの食堂でメシ食うのかヨ!?」
【+ 】ゞ゚)「そうだ」
( ・∀ ∀・)「「オッ、君たちが新しい文官さんか。よろしく」」
川д川「お二人はこちらの椅子へどうぞ」
( ´ー`)「あ、ああ……どうも」
/ ゚、。 /(長テーブルに、人数分の椅子しかないや……)
( <●><●>)「それではみなさん、手を合わせて」
( ><)(*‘ω‘ *)
人 人
イタダキマース
川д川( ・∀ ∀・)【+ 】ゞ゚)
人 人 人
(;´ー`)/ ゚、。;/「い、いただきます……」
人 人
( )<●><●>)゛「おいしいです」
川д川「ありがとうございます!」
( ´ー`)「いつもこうなのかヨ?」ヒソヒソ
( ><)「? そうなんです」
/ ゚、。 /「……おいしい」
( ・∀ ∀・)「「貞子さんの料理はおいしいですよ」」
【+ 】ゞ゚)「スープおかわりしていいか?」
川д川「はい、もちろんです」
( <●><●>)「今日は南の部落の内乱問題書類を解決しました。
手紙をたくさん書いたので、朝一番で送ってください」
【+ 】ゞ゚)「はい。晩餐の後にそこの一番新しい地図と過去の内乱の資料を持っていきます」
( <●><●>)「そうしてください」
( ・∀ ∀・)「「僕は西塔の周りを整備して、花壇に花を植えました」」
( ><)「見たいんです!」
( ・∀ ∀・)「「明日ご案内しますよ」」
(*‘ω‘ *)「ぽぽも! ぽぽも!」
( ・∀ ∀・)「「もっちろんですよ!」」
【+ 】ゞ゚)「こちらはトカゲ族への支援物資について城下の市場と提携しました。
少し安い値段でとれるように」
( <●><●>)「市場も最近活気づいてきたようで何よりです」
【+ 】ゞ゚)「ただ、最近治安が……」
( <●><●>)「ネズミ族から手紙を預かっています。
支援物資の礼に自警軍の一部を派遣してくれるそうで」
川д川「市場の警備をしてくれれば治安の問題も解決しますね!」
( <●><●>)「彼らの宿舎を用意して、東区画の空家を少しでも埋めるつもりです。
あのあたりは人通りが少ないので、すこしでも改善したいのです」
川д川「そういえば、西塔の掃除が終わりましたわ。明日にでも使えます」
( <●><●>)「ではそこにビロードとちんぽっぽの勉強部屋を作りましょう。
それと資料を整理して図書館を作ります」
川д川「用意します」
(;´ー`)/ ゚、。;/(会話についていけない!)
( ><)「僕たちの部屋?」
( <●><●>)「そうですよ。そこに勉強に関する本などを置いておくのです」
(*‘ω‘ *)「ぽ……もうまおうさんのへやでおえかきできないぽ?」
( ><)「書き取りも?」
( <●><●>)「……好きな場所でかまいませんよ」
(*><)「へへ……」
(;´ー`)「魔王の部屋で書き取りにお絵描きって……ずいぶんいい御身分だヨ」
( <●><●>)「? なぜですか?」
/ ゚、。 /「それは……」
( <●><●>)「まぁ、自分の子どもを仕事部屋にいれるのもどうかと思いますが
そういう教育方針なのです」
( ´ー`)「教育方針ってレベルj……自分の子ども?」
( <●><●>)「?」
(;´ー`)「嘘だーヨ!」
( ><)(*‘ω‘ *)「?」
/ ゚、。;/「だって、年齢の計算が……」
( <●><●>)「この子たちは人間です。私が養子にとりました」
(;´ー`)「に、人間!」
/ ゚、。 /「そんなバカな。人間を子どもにしてどうするんです?
私たちの天敵ですよ。育てて非常食にでもするつもりですか!」
(;><)「うぇっ!? 僕おいしくないんです!」
( <●><●>)「そんな心配しなくてよろしい。これは私の個人的な決定です。
魔王なんですから、それくらいの我儘を言ってもいいでしょう」
/ ゚、。;/「でも、人間なんて……」
( <●><●>)「彼らは餓えて凍えて人食い花に食われる寸前だったのです。
目の前にそんな子どもがいたら思わず助けてしまうでしょう」
( ´ー`)「!」
( <●><●>)「まあ、エゴだとはわかっています。
それでも、知ってしまったら助けたくなるでしょう?」
/ ゚、。 /「……私たちのことも、知ってしまったから?」
( <●><●>)「ええ、そうです」
( ´ー`)「知らなかったら?」
( <●><●>)「知らない物をどうにかすることはできません。悲しいことですが」
/ ゚、。 /「知って良かったですか? それとも、知らない方が金もかからず楽でしたか?」
( <●><●>)「それは」
/ ゚、。 /「正直にお答えください!」
( <●><●>)「知る機会に恵まれて本当に良かった」
( ´ー`)「!」
( <●><●>)「本当は、もっと早く知りたかったのです。ごめんなさい」
( ´ー`)「……なんだよ。無責任だーヨ」
/ ゚、。 /「ネーヨ」
( ´ー`)「俺たちだって、もっと早く知ってほしかったヨ……」
( <●><●>)「ごめんなさい」
( ´ー`)「あんたの所為じゃねーんだろ。なんで謝るんだヨ……」
/ ゚、。 /「……私たちが怒れないじゃありませんか、これじゃ」
( <●><●>)「あなた達には怒る権利があると思いますよ」
/ ゚、。 /「今の魔王さまにはそんなこと、できません」
( ´ー`)「俺たち、働きにきてるだけだヨ……こんな、家族みたいに扱うなヨ」
( <●><●>)「私の国の民ですから」
/ ゚、。 /「……私は、体が弱いのです。岩山では働けないのです」
( ´ー`)「俺は、昔足を怪我して、あまり運動できないんだヨ。開墾も畑仕事もできないんだヨ」
/ ゚、。 /「邪魔ものにされないのは、初めてなのです」
( ´ー`)「堂々とメシを食える場所は、あそこになかったんだヨ……
あそこでは、労働できないやつは邪魔ものなんだヨ」
( <●><●>)「厳しい環境だったことはわかっています。
でも、労働は肉体労働だけでありません。あなた達はここで働いてほしい」
/ 、 /「……ご飯、おいしいですね」
( ー )「ああ……うめぇヨ」
( ><)「魔王さん」
( <●><●>)「何です? ビロード」
( ><)「コウショウって難しいけど、ちょっぴりでも上手くいくとうれしいんです」
( <●><●>)「ええ。私も嬉しいです」
*寝室
( <●><●>)「ほらほらベッドに入って。湯冷めしますよ」
( ><)「今日はなんのお話してくれるんですか?」
(*‘ω‘ *)「ゆうしゃのはなしぽ?」
( <●><●>)「うーん、今日は昔話じゃなくて、現代の話をしましょうか」
(*‘ω‘ *)「ぽ?」
( <●><●>)「やっぱり知ることは大切です。今日改めて感じました」
( ><)「知らないと何にもできないんです」
( <●><●>)「そう。だから、ちんぽっぽの言うとおり私もどんどん人にきくことにしました」
(*‘ω‘ *)「ぽー?」
( ><)「え、でも……そんな簡単にいくんです?」
( <●><●>)「いくようにするのです」
( <●><●>)「まずそれぞれの氏族の長をすべて洗い出して、中部との繋がりを作ります」
( ><)「つながり?」
( <●><●>)「コウモリ族に協力してもらいます。彼らは今魔王城の専属伝令を担当しています。
空を飛べるので移動が早いのです」
(*‘ω‘ *)「おそらとべるぽ! すごいっぽ!」
( <●><●>)「彼らの雇用を増やして、それぞれの氏族との間の定期連絡便を運んでもらうのです」
( ><)「テイキレンラクビン?」
(*‘ω‘ *)「おてがみっぽ?」
( <●><●>)「そう。『お元気ですか? 何か困っていませんか?』とお手紙を送るのです。
すると『最近こうです。あれを送ってください』とお返事がくる、予定です」
( ><)「欲しいものがわかるんです!」
( <●><●>)「お返事をくれればですけどね」
(*うω‘ *)「ぽー」ゴシゴシ
( <●><●>)「それでも、機会は多い方がいいのです。
それから各氏族にも文官を付けたいところですね。報告書を出させます」
( <●><●>)「大きな変化になりますよ。これから忙しくなります」
( ><)「いまより、いそがしくなるんですか……?」ウトウト
( <●><●>)「ええ。ですから、たくさん勉強して、またお手伝いしてくださいね」
(*うω-*)「ぽ……おてつだい……ぽ」
( ゚><)「ふわぁ〜……するん、です……」
( ><)(*-ω- *) スースー
( <●><●>)「……おやすみなさい」
パタン
( <●><●>)「さて、もうひと頑張りしなくては」
*人間の国、神王軍
( ゚д゚ )「訓練兵のミルナです。お呼びでしょうか、モララー宰相」
( ・∀・)「ああ、君がそうか。どうぞかけてくれ」
( ゚д゚ )「失礼いたします」
( ・∀・)「君の訓練での成績を見たよ。剣技、組手、情報の判断能力も申し分ない」
( ゚д゚ )「? ありがとうございます」
( ・∀・)「君は、魔力は無いのか?」
( ゚д゚ )「ええ、自分はそういった才能には恵まれておりません。
そもそも魔法を使えるのは100人に1人。中級魔法を使えるのは1000人に1人とも」
( ・∀・)「そんなことはわかっているさ」
( ゚д゚ )「失礼いたしました」
( ・∀・)「そうか……魔力は……いや、でも魔法使いの供をつければ」
( ゚д゚ )「あの、何のお話で?」
( ・∀・)「そうだな、こう言う事は早い方がいい。君にも話しておこう」
( ゚д゚ )「?」
( ・∀・)「『勇者』を知っているね?」
( ゚д゚ )「それは……もちろん知っていますが」
( ・∀・)「君には半年後、勇者として魔族の国に行ってもらう」
(;゚д゚ )「!?」
( ・∀・)「目的は魔王討伐だ。いいね」
(;゚д゚ )「御冗談でしょう……自分は訓練兵です! 軍全体が行軍するならまだしも、単独で……」
( ・∀・)「無理は承知だ」
(;゚д゚ )「それに、そうです。停戦条約は!?」
( ・∀・)「陛下のご命令なんだ」
(;゚д゚ )「!」
( ・∀・)「無理を言っているのは分かっている。
それに、我が国は当代魔王になってからも何度も『勇者』を送りこんでいる」
( ゚д゚ )「そんなこと一度も」
( ・∀・)「聞いたことが無いだろう。当たり前だ。
勇者は魔王を倒して、ようやく勇者になるのだから」
( ゚д゚ )「?」
( ・∀・)「送りこんだ『勇者』たちは全員記憶喪失になって戻ってきた。
気が付いたら神王城の門の前で眠っていたと言うんだ」
( ゚д゚ )「そんな、話は……」
( ・∀・)「戻ってきた勇者は、陛下が一人残らず殺してしまった……」
(;゚д゚ )「なぜ……!」
( ・∀・)「勇者が魔王を倒しもせずに簡単にもどってくるなど、国の恥だからさ」
( ゚д゚ )「……」
( ・∀・)「ショックかい? 勇者は城下の大通りを歓声の中駆け抜けて旅立っていく。
そんなおとぎ話を信じていたのかい?」
( ゚д゚ )「それは、その」
( ・∀・)「表向きの停戦条約のせいで軍を出せないんだ。城の将校は顔が割れている。
あくまで私怨でということで、魔王を殺したい」
( ゚д゚ )「それでは……それでは勇者など、ただの暗殺者ではありませんか!」
( ・∀・)「そうだ」
( ゚д゚ )「……」
( ・∀・)「これは陛下の決定だ。半年後には旅立ってもらうよ。訓練、頑張りたまえ」
(;゚д゚ )「あ、待っ!」
バタン
(;゚д゚ )「―ッ! くそ!」ガンッ
(;゚д゚ )(こんなことで、死にたくない……何でこんな……くそ、くそ!)
( д )(陛下が……いや、魔王なんて奴がいるから……)
(# д )「ちくしょう……っ! ……殺してやる、死ぬくらいなら、殺してやるっ!!」
( <●><●>)魔王さまが養子をとるようです 3話 おわり
[前のページへ] 戻る つづく