( ^ω^)ばすけっとからバスケットのようです 最終話【VIP高校バスケットボール部】
('A`) 「次、個人でシュート練習!」
(;^ω^)「把握ッ!」
(;><)「はいです!」
(´・ω・`) 「了解しました」
窓を閉め切った体育館は暑かった。
いや、暑いというよりは熱いの方が適当かもしれない。
バッシュを買いに行ったジョルジュを除くバスケ部4人で、
今日も練習に励んでいた。
('A`) 「……」
たった4人で体育館を使うと、広いにもほどがある。
寂しい体育館を眺めながら、俺はシュートフォームを構えた。
ミ,,゚Д゚彡「ドクオッ!」
入り口に一人の男が現われた。
この大雨の中、傘も持たずに走ってきたらしく、ずぶ濡れだった。
ミ,,゚Д゚彡「……俺を、部活に入れてくれ」
('A`) 「……」
ミ,,゚Д゚彡「バスケットが、したいんだ」
('A`) 「怪我した足でか?言っとくけど、お遊びの部活じゃねーぞ」
ミ,,゚Д゚彡「ああ。絶対にお前等に迷惑はかけねぇ。むしろ、役に立ってみせる」
('A`) 「そんなんじゃねぇ。お前の気持ちの問題なんだよ」
ミ,,゚Д゚彡「……」
('A`) 「チームのためとか、人のためとか。
確かに、バスケットは団体競技だから、そういうのは大切だ」
('A`) 「だけどな……。一番は、やっぱり自分なんだ。
楽しくないバスケをしたって、それじゃ意味がないんだ」
('A`) 「お前は、どうなんだよ」
ミ,,゚Д゚彡「好きだ。バスケが。
きつい練習は確かに辛いけど、それでも、あの試合に勝ったときの感動があるんだ。
全部忘れるくらい、気持ちがいいんだ」
ミ,,゚Д゚彡「怪我した時は、目の前が真っ暗になった。
『もうバスケが出来ない』と、ずっと考えてた。
試合に勝てないバスケなんて、面白くないと」
ミ,,゚Д゚彡「……でもさ。
しばらく離れてみて分かった。
俺からバスケとったら、何の価値もねぇ。
試合の勝ち負けだけじゃない、バスケットが、好きなんだ」
('A`) 「……」
ミ,,゚Д゚彡「バスケがしたい。
試合に勝ちたい。
もう一度、あの感動を掴みたい」
ミ,,゚Д゚彡「それが、今の俺だ」
しばらく黙り込んで、俺は口を開く。
フサギコの髪の毛から、いくつもの水滴が爛れていた。
('A`) 「言ってることぐちゃぐちゃだぞ。意味わかんねぇ」
ミ,,;゚Д゚彡「……わ、わりぃ」
('A`) 「でも、伝わった」
_
( ゚∀゚)「試合に勝ちたいのは、誰でも一緒」
フサギコの後ろからジョルジュが現われる。
手には新品のバッシュが握られていた。
(´・ω・`) 「勝った時の感動は、みんな一緒」
ショボンが声を出す。
(;><)「辛い時だって、一緒なんです!」
ビロードだ。
額に汗を流しながら、そう言った。
( ^ω^)「バスケが好きなのも……一緒だお!」
内藤ホライゾン。
ブーンが、フサギコに言う。
ミ,,゚Д゚彡「……?」
('A`) 「あーあ。どうもウチのメンバーはお前がお気に入りらしい」
('A`) 「……言っとくが、キツいぜ?」
ミ,,゚Д゚彡「……」
ミ,,゚Д゚彡「上等ッ!」
6月のある日、
6時を過ぎようとしたその時間に
6人目のバスケ部員が、誕生した。
──……・・・
─……
…・・
──────………・・・・・
────……・・・・
───…・・・
─……・
・・・・
きーんこーんかーんこーん。
終業のベルが鳴る。
それと同時に、先ほどまで寝ていた男が突然目を覚ました。
( ><)「わーい!部活なんです!」
ビロード。
2年A組、俺と同じクラス。
ウチのチームのポイントガードを勤めている。
( ><)「ドクオ君!早く用意するんです!」
('A`) 「……授業中寝てたからって、元気あまりすぎだろ……」
( ><)「僕は先に行くんですー!」
そう言って、いち早く教室を出て行くビロード。
俺もすぐに鞄に教科書を詰め、教室を出て行った。
(´・ω・`) 「おっと」
目の前の男にぶつかりそうになる。
手にはいくつもの分厚い参考書が握られていた。
(´・ω・`) 「すいません。相手と対峙するときの腰の角度を考えていたもので。
今から部活ですね。すぐに向いますよ」
('A`) 「……ああ」
いつまで経ってもこいつは苦手だ。
大体、腰の角度がなんだっていうんだ。
そんなもん、とにかく体で覚えるしかないだろうに。
(´・ω・`) 「では」
ショボン。
ウチのチームのパワーフォワードを努める、頭脳派。
ちょっと痛い子。
ミ,,゚Д゚彡「ドークーオっ」
('A`) 「うおっ」
いきなり背中にアタックされた。
よろけながら後ろを見ると、そこには例の奴がいる。
ミ,,゚Д゚彡「早く部活にいくぞー」
('A`) 「なら邪魔すんな……っと。"いつもの”が来たぜ」
ミ,,;゚Д゚彡「ゲッ……」
女子「「「ふさぎこきゅ〜〜〜ん!!」」」
フサギコファンクラブ。
その会員達が、一斉に目の前の男子に走りよってくる。
フサギコ……。
スモールフォワード、抜群のセンスの持ち主。
そして、爆弾の持ち主でもある。
_
( ゚∀゚)「おい、ドクオ」
('A`) 「ジョルジュか。こんちゃ」
敬語とタメ語を混ぜて話す。
そんな奇妙な関係も、俺とジョルジュならではだ。
_
( ゚∀゚)「つーとチューしたか?」
('A`) 「してねー。てか付き合ってもない」
_
( ゚∀゚)「よっしゃああ!!!」
それだけ聞くと、ジョルジュは走っていった。
いつまで経っても変わらぬ心の持ち主。
ジョルジュ。
ウチの(自称)エース、スモールフォワード。
ダムッ……ダムッ。
('A`) 「……やってるな」
俺が体育館に行くと、既に一つの影があった。
一年前までは、そのゴール下のシュートをいつまでも外していた男。
太りきっていた体は多少細くなり、今ではスピードもある。
チームのセンター。
そして、このVIP高校バスケ部の創立者。
( ^ω^)ノシ「ドクオー、早く着替えてバスケするおー!」
('A`) 「おう、ブーン」
終
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