( ^ω^)ブーンが高校バスケで日本一を目指すようです  第二部

第1章 新風






ここはニュー速県立VIP高校。県内での学力は中の上程度で、世間からは辛うじて
「進学校」と呼ばれる、ごくごく一般的な高校だ。そしてこの高校には廃部寸前から
めきめきと力をつけ、わずか一年で県大会ベスト8クラスの実力をつけた
バスケットボール部があった。

―体育館―

('A`*)「(うし、新入生が7人…上出来だろうよ)」
('A`)「2年でキャプテンのドクオだ。よろしく頼むよ」

彼はドクオ。VIP高バスケ部をキャプテンとして牽引する頼もしい男だ。試合中も
PGとしてチームを引っ張り、心強い存在である。さらに技術面においても、中学時代は
県準優勝のチームでキャプテンを努め、県内でも有数の名門校の今北産業大学付属今北高校の
特待生の座を得るまであと一歩のところまで上り詰めた実績を持つ。





(=゚ω゚)ノ「(さて、使えそうなやつはいるかヨウ……?)」

大きめの服を着た、小柄な男はイヨウ。小柄な体を活かしたドリブルから産み出される
トリッキーなプレーは、ストリートボールで磨いたものでしばしば観客席から
歓声の渦を巻き起こす。SGとして、主にスリーポイントでチームの得点を稼ぐ。

(;´∀`)「…………」

新入生を前に緊張し、やけにそわそわとしているのはモナー。190cm近い身長に
がっしりした体型をしており、VIP高バスケ部の縁の下の力持ち的な存在である。
入部当時はややピザだったが、みっちりと走り込んだことにより、ややややピザへと
変貌を遂げた。

(#゚∀゚)「マネージャーはなぜいないんだ!!!???」

一見するとボディビルダー、いや、グラップラー刃牙のような筋肉に纏われた肉体を
持つのはジョルジュ。見た目どおりの驚異の身体能力を余すところなく活かし、
リバウンドにブロックにと活躍する。2年生5人の中では唯一の未経験者であるが、
飽くなき向上心ゆえに着々と実力をつけてきている。
現在は試合でダンクを決めることを夢見ている彼は、キムチ鍋が大好きな
おっぱいハンターである。




ゆえに、たまに口が臭い。

(*^ω^)「おっおっwww新入生いっぱいだおwwwおじさんといいことすr…」
ξ#゚听)ξ「でぇぇぇぇぇい!」

――デュクシィッ!

( ゚ω(#)「まぺらっち!!」
(*゚ー゚)「つ…ツンちゃん!一年生みてるよ!」
ξ;゚听)ξ「はっ…しまったわ…」

笑顔を絶やさない少年のアゴに容赦なく右ストレートをたたきこんだのは、ふわふわと
巻かれた髪が印象的なツン。そしてそれを制する黒髪の小柄な少女はしぃ。二人とも
VIP高バスケ部のマネージャーを努めてくれている。

そしてツンの黄金の右を食らったのは…

(;^ω^)「いたたた……ひどいお!アゴが割れたらどうするんだお!僕のアゴは
    ガラスのアゴなんだお!」




ξ゚听)ξ「再戦に向けてそれくらいはやっとかなくちゃ前回は八百長でした、で
      終わっちゃうわよ!」
(;^ω^)「…………」

VIP高バスケ部の副キャプテンを努める、内藤ホライゾン。通称ブーン。
中学時代からバスケットはしていたが高校に入り、とある決意を胸にインターハイ制覇を
目指すこととなる。良くも悪くもVIP高バスケ部のムードメーカーであり、プレーに
おいてはまだまだ可能性に満ち溢れている。

(´・ω・`)「それじゃあ新入生には一人ずつ自己紹介してもらおうかな」

細く引き締まった体に紺色のスーツを纏う20代半ばほどの若々しい青年はショボン。
VIP高バスケ部の監督を努めている。悪魔のような練習メニューをさらりと言い付けるが、
綿密に計算されたその練習メニューは部員に確実に力をつけさせている。
様々な過去を持っている、なかなかに謎の多い人物だ。




(-__-)「VIP北中でキャプテンやってました!ポイントガード希望のヒッキーです!
    よろしくお願いします!」
(・▽・)「VIP中央中学でパワーフォワードやってました!トラオです、
    よろしくお願いします!」

( ^ω^)「(ビッパーズの二人だおwww本当に来てくれたおwww)」
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(´・ω・`)「よし、じゃあ早速だが一年生には……」
生意気な一年「(一年生同士の試合か?いや、人数が足りないから二年に混じって
       試合か…?どっちにしろ実力をアピールするいい機会……)」
(´・ω・`)「小手調べに外周30周。始め」
('A`;)「(うほっwww)」
( ^ω^)「(まぁマシな方だおwwwショボン先生はこんなもんじゃないおwww)」
(-__-;)「うへぇ……www」
(・▽・;)「厳しいなぁwww」




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――ガラガラガラ…

(-__-;)「はぁ…はぁっ…」
(・▽・;)「ひーっ…きつい…ヒッキーはえぇな…」
(-__-*)「へへっ…脚には自信あるからね」
(´・ω・`)「(ふむ。この二人はなかなか走れるみたいだね。まだまだ改善の余地は
       あるが…)」

一年生全員が体育館へ戻ってきたのは、先頭のヒッキーが戻ってきてから20分以上も
後のことだった。

(´・ω・`)「(残念だがヒッキー君とトラオ君以外はまともに走れなさそうだ…参ったな…)」

ヒッキーはPGの、トラオは体格的な問題から、高校では恐らくSGやSFの控えに入って
もらうことになるだろう。実力はあるので経験さえ積めばスターティングも有り得る
かもしれない。しかし今年の新入生には目立ったインサイドプレーヤーがいなかった。
ガード、フォワード、センターにそれぞれ一人ずつは控え選手が欲しかった、というのが
ショボンの正直な心境だった。

(´・ω・`)「(とりあえずしばらく様子を見よう…)」




('A`)「っしゃ、インターハイ予選は5月!一年だろうと実力のあるやつはどんどん使ってく
   からな!」
一年一同「はい!」
( ^ω^)「インターハイ制覇だおーー!!」
二年一同「っしゃぁぁぁぁ!」
(-__-)「そうこなくっちゃ」
(・▽・)「早く試合に出たいよ」
生意気な一年「(全国……??マジかよ…)」
('A`)「っしゃ、二年はいつも通り行こう!ツン、しぃ!一年は任せたよ」
ξ゚听)ξ「了解。一年生!覚悟しとくのよ!」
(*゚ー゚)「(ショボン先生に言われたことをそのままやるだけなのに…www)」

新たな戦力を加えたVIP高バスケ部はインターハイ予選に向けて練習を開始した。




―ニー速工業高校―

(*´Д`)「イヤッホオォォォォオゥッ!!!」

――ガコンッ!!

( ´Д`)「(今年こそは…インターハイへ!!一戦たりとも気を抜くつもりはねぇ…!!)」
(*´Д`)「イヤッホオォォォォオゥッ!」

――ガコンッ!

(*´Д`)=3「(そして全国でファンを増やす!!)」
(*´Д`)「うひょwwwサーセンwwwwww」




―今北産業大学付属今北高校―

( ,,゚Д゚)「ニダー!シュートだゴルァ!」

――ビッ…ばしっ

<ヽ`∀´>「ニダ!」

――ザシュッ

(■_■)「よーし、いいぞギコ。よく見ていた」
( ,,゚Д゚)「はいゴルァ!」

(■_■)「(やはりウィンターカップでの敗戦が効いたか…。最近じゃラフプレーも
     めっきり減ってきたようだしな)」
( ,,゚Д゚)「もう一本行くぞゴルァ!」
(■_■#)「(しかし『あいつ』の到着が早くとも冬まで延びてしまうとは…理事会は 
     何をやってるんだ全く…しっかり説得しろよ…)」
(■_■)「(まぁいい。ギコはきっと今年で大きく伸びる。ギコが成長して3年になる来年、
     そして『あいつ』の到着する来年は今北の年だ……ふふふ…)」




―ラウンジ学園―

ミ,,゚Д゚彡「っし、速攻!」
(´_ゝ`)「把握ですよフサギコ先輩!」
(´<_`)「走ってしまおうか、兄者!」

――ザシュッ

(´_ゝ`)「ナイスシュートだ弟者!」
(´<_`)「当然のことさ兄者」
ミ,,゚Д゚彡「(二人の調子もいい…。俺にとっては高校バスケ最後のインターハイ…
      今年こそは全国ベスト8の壁を破ってみせる!そして…頂点を狙う!)」




―FOX学院―

――キュキュ!キュキュキュキュ!バチッ…ザシュッ

*(‘‘)*「よし、ナイッシュ!じゃあ次は『あれ』やるよ!インターハイまでに
     マスターしようね!」
(・∀・)「対ひろゆき用…ね。あれはきついってば、ヘリカル」
(*‘ω‘ *)「最低でもこれくらいやらなきゃひろゆき高校には勝てないっぽ。頑張るっぽ」
( ^Д^)9m「ぜーっ…ぜーっ…これがフルタイムできたら…どこにも負ける気がしねぇwww
     プギ…ャーwww」

―ひろゆき高校―

(`・ω・´)「ではこれよりレギュラー争奪戦を行う。実力のある者以外は使わない。
       試合に出たければ実力を示せ!」
ひろゆき一同「はい!」
/,' 3「(3年生はすごい殺気だなぁ…)」
( ´ー`)「俺らは俺らで全力を尽くすだけだろ」
/,' 3「…だな。3年生だからと言ってレギュラーの座を譲るつもりはない」
( ´ー`)「シラネーヨ」
/*,' 3「ちょwww」




―晴れ時々バスケットボール編集部―

( ><)「モララーさん、インタビューのまとめ終わったんです!」
( ・∀・)「お、ありがとう」
( ><)「今年のインターハイはどうなると思いますか?わかんないんです!」
( ・∀・)「大方の予想だと、決勝はひろゆき高校とFOX学院だろう、ってとこだね。
    今年はラウンジ学園も注目校だ」
編集長「モララー君、ピロード君。ちょっといいかい?」
( ・∀・)「なんでしょう、編集長?」
編集長「君たち二人は今回はインターハイ前に、ニュー速県の県予選の取材を頼みたい」
( ・∀・)「ラウンジ学園…ですか?」
編集長「それもあるが今年のニュー速は面白くなる、って話があるようなんだ」
( ・∀・)「わかりました」
( <●><●>) 「わかってます」
編集長「ちょwww」

( ・∀・)「ニュー速県、か…。面白いチームがあればいいんだけどな…」
( ><)「わかんないんです!」
(#・∀・)「…………」

それぞれの思いを胸に迎えるインターハイ予選。インターハイに出場できるのは
ほんの一握り、選ばれた者のみ。そしてその頂きへ辿り着くことができるのは
わずか1チームのみ。インターハイという魔物に魅せられ、他者の夢や希望を喰らい、
至上の栄光を求め、彼らはその先に何を得るのだろうか。
それはおそらくその場所に辿り着いた時に初めてわかることなのだろう。

第1章 完


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