オッス、オラギコ。


知る人ぞ知る隠れヲタ。


隠れヲタっていいもんだぜ。


周りからはそんな風には思われていないにもかかわらず、陰では二次元の女の子に
ゲヘゲヘと醜い笑みを浮かべながらヨダレを垂らし、チンコをこすり、白い天使たちを
下界へと解き放つ。そして自分が精子の世界の神になったかのような錯覚に陥り、そんな自分に酔いしれる。






この上ない快感だ。



川 ゚ -゚)「それはお前だけだ」

(;,,゚Д゚)「うおっ!?クーか!?いつの間に……!?」

川 ゚ -゚)「ついさっき入ってきた。鍵の開けっぱは防犯上よろしくないぞ」

(,,゚Д゚)「だからと言って勝手に入ってくるなよな…寮とはいえ、最低限のプライベートくらいは
     確保させてくれやゴルァ」

川 ゚ -゚)「あんなでかい声で『あぁっ!みくるたん!オイラもうイッちゃうでごわす〜!』」なんて
     叫ぶのは、近隣の人にとっての迷惑だとは考えなかったのか?」

川 ゚ -゚)「そもそもお前のような者が隠れヲタを名乗るな。隠れヲタの品位がめちゃくちゃだ」

(;,,゚Д゚)「ど、どどどど童貞ちゃうわ!」

川 ゚ -゚)「あぁ、お前は童貞ではなく童帝だ」

(,, Д )「……………」







さて、改めて自己紹介させてもらおうか。


(,,゚Д゚)


俺はギコ。キングオブ童帝だ。

魔法使いになったときに恥をかくことのないよう、最近はメラを唱える練習をしている。



川 ゚ -゚)

この女顔はクー。うちの監督のお墨付きで海外からうちに編入してきた帰国子女だ。

風貌、体格。どれもがどう見ても女にしか見えないんだよなぁ。

本人はそのことにかなりのコンプレックスを抱いているようなので、口には出さないが。

こんなナリして試合中は鬼のような強さを発揮するんだ。驚きだな。

だが、これまでクーと共に戦った数試合のその全てにおいて、こいつは本気を出していない

ような気がしてならない。底の見えないこの男は、不思議以外の何者でもない。






さて、俺たちはここ、今北産業大学附属今北高校のバスケットボール部に所属している。

ちなみにキャプテンはこの俺だ。カッコイイだろ?

今北は主にスポーツに力を入れている私立高校で、ほとんどの部活が全寮制になっている。

ほぼ全員がスポーツをするためにこの高校に通っている。いわゆるエリートってやつだ。



川 ゚ -゚)「学校の偏差値は40だけども」



あ、馬鹿。言うな。


さて、全寮制であるのは我がバスケ部も例外ではない。

うちの寮では、だいたい2人あたりにつき一部屋が割り振られている。

ちなみに俺のルームメイトはニダー。チームではセンターでレギュラーを張っている。

試合中は意外と頼りになる男だ。欠点は口臭がきついこと。キムチくせぇんだよな。



まぁ、こいつは今回の話には関係がないので省略させてもらうぜ。




話を戻そう。寮生活では、部屋が違うものの、一つ屋根の下、寝食を共にすることで、

他にはない団結力を得ることができる。そして長い間、同じ時間を過ごしていると、

部員ひとりひとりがどういう人間なのかだいたいわかってくるもんなんだ。



ところが、だ。



川 ゚ -゚)



この寮に来てまだ数ヶ月。個人を深く理解するにはまだまだ不十分な期間かもしれないが、

この男のことだけは、全くの謎なのだ。監督から優遇されているせいなのか、こいつには

二人用の部屋をクー一人のために充てられているくらいだしな。ルームメイトがいないがゆえに

私生活も完全に不明。唯一わかることは…。





川 ゚ -゚)「アニメ大好き。アイアムオタク」


隠れヲタではなく、オープンヲタであること。

練習時に限らず、試合前のアップのときでさえ、某団長が背中にプリントされたTシャツを

着用していたり、某団長とお揃いのカチューシャを自前で改造したヘアバンドをつけて試合に

出場するという異常っぷり。



そこで、だ。




俺はクーという人間の私生活を調査することを計画した。







  
( ^ω^)ブーンが高校バスケで日本一を目指すようです


〜Side Story 馬鹿と天才は紙一重〜













(,,゚Д゚)「………………」


今日は部活が珍しくオフだ。各々が自由に過ごす一日。

自室で疲れを癒す者、仲間うちで遊びに行く者、数少ない休日の機会に恋人と会う者…。

その過ごし方は様々だ。彼女いるやつ死ね。


件のターゲット、素直クールは一人で出かけるようだ。黒のジャケットを羽織り、セットアップの

黒いスラックスをはくお馴染のスタイル。今日はなかなかに冷えるので、ジャケットの下には白い

タートルネックセーターを着て、さらにマフラーを巻いている。そして、何が入っているのかは

わからないが、黒の革張りの大きめのボストンバッグを持っている。








その後ろを、いくらか距離をおいて尾行するのが俺だ。服装はジャージにダウンジャケット。


仕方ないだろうが!服を買いに行く服がねぇし、そもそもそんな時間もなかなかないんだからよ!

お洒落になりたくて雑誌とか買ってきてもどれがかっこいいのかとか全然わかんねぇんだよ!!

……まぁ、そんなことはどうでもいい。今は目の前のことに集中だ。服なんて大人になってから買えばいい。



(,,゚Д゚)「……環状線、か。遠出するつもりか?」


到着したのは学校の最寄り駅。ここからどこかに向かうつもりなのだろう。





俺はクーの様子を窺う。

奴がいくら分の切符を買うか確かめるためだ。

もしも金額が足りなければ乗り越しをしなくてはならなくなり、時間のロスになる。

そして、それにはクーを見失うという可能性がある。かと言って、高い切符を買い、クーが

その料金区域より手前で降りてしまえば、差額が無駄になってしまう。




(#,,゚Д゚)「貧乏高校生をなめるなよゴルァ!」


ところが。


川 ゚ -゚)「……………」



クーは券売機には向かわず、すたすたと改札へ一直線に向かっていき、そして……



――ピッ。




(;,,゚Д゚)「はうあっ!」


あ…あの野郎!「ビプカ」を使いやがった!この地方で流通しているカードで、「ビップカード」と

呼ばれているそれは、予め金額をチャージしておくことで切符代わりに使うことができ、改札でカードを

かざすだけで「ピッ」という心地よい音と共に改札を抜けることができるのだ!



(#,,゚Д゚)(あの野郎、お洒落ぶりやがってぇぇぇぇ!!)



このままではクーを見失ってしまう。そんなわけにはいかない!


俺は慌てて券売機に向かい、一番高い切符を買ってクーを追う。

幸い、見失うには至らなかった。

相変わらずクーから少し離れた距離をキープし、やってきた電車にクーが乗り込んだことを確認し、

俺はその隣の車両に乗り込んだ。





――ガタンゴトン。ガタンゴトン。


環状線に乗り込んで、はや30分近くが経過した。


(,,゚Д゚)(どこまで行くつもりなんだ、こいつは…)


そのまま待つ俺。だが、クーはいつまで経っても降りる気配を見せず、俺たちの乗った電車は…


環状線を一周した。


(;,,゚Д゚)(はぁぁぁぁぁ!?)



そして、クーは結局、学校の最寄り駅の隣、すなわち学校の最寄り駅の次の駅で下車した。



(;,,゚Д゚)(ええええぇぇぇ!?)


まったくもって意味不明だ。すぐ隣の駅で降りるのになぜわざわざ余分に一周する必要があるんだ。

俺なら一駅くらい歩くわい。つーか切符代の差額が財布に痛い。




そしてクーは駅の中の女子便所へと入って行った。



(;,, Д )゚ ゚(なんですとおおおお!?)



これはあれか。女子便所の中でオナヌーをハァハァ楽しむとかそういうノリか!?


俺はクーの意味不明な行動に頭を悩ませた。



――30分後



(;,,゚Д゚)「あれは……クー…か?」


女子便所から出てきたのはどこからどう見ても女子高生。略してJK。今、俺の中でJKはアツい。非常にアツい。

黒髪ロングの女子高生。さらにアツい。



(,,゚Д゚)(一体何がどうなってやがんだゴルァ!?)





謎に包まれた不思議な行動を繰り返し、挙げ句の果てに女子高生に変装。

おそらくはあの大きめのバッグの中にセーラー服を詰め込んであり、女子便所で着替えたのだろう。

それにしてもクーよ…。紺ソとローファーとスクールバッグまで用意してあるとは……アツい。アツすぎるぜ!


不思議がいっぱいのクー尾行作戦。


その後クーは、始めに持っていた黒いバッグを駅のコインロッカーに預け、さらに不思議な行動を開始した。



(,,゚Д゚)(ここは……下着屋、か?)


女性用の下着屋。クーはそこで買い物をしたようで、約20分後、大きめのショップ袋をぶら下げて店から出てきた。




川 ゚ -゚)「…………」


そしてあろうことか、路上でその中身を取り出して、買った下着のタグを切り、手でくしゃくしゃと

丸めながらスクールバッグに詰め込み始めた。



(,,゚Д゚)「……………」



もはや思考が追い付かない。


総数15に及ぶ下着を全て丸めてスクールバッグに詰め込み終えたクーは、再びどこかへ向かって歩き始めた。



(,,゚Д゚)(もうどこへ行って何をしようと驚かねぇぞゴルァ……)




その後も延々と歩き続けるクーを追跡する俺。

もはや不審者と言っても差し支えない。今日一日だけで道行く人に何度指を指されてボソボソ言われたかわからないか

らだ。

「キショイ」

「顔キモい」

「ママー、変なおじさんがいるー」

…数え始めたらキリがない。目から出てくる正体不明の水も、もはや心地よい。


そしてクーは、またもや不思議な行動を開始した。

手慣れた感じで見知らぬ道を突き進む。その迷いのない歩調に、俺はついていくのが精一杯だった。

すいすいと進み、路地を曲がっていき、裏路地のあたりへクーがたどり着いたと思しき場所がわかった。



(,,゚Д゚)(『アダルトショップ・JK倶楽部』…?)


クーが店内へ入った。




俺は店の外から中を覗こうとするが、通常の目線位置では、壁に貼られているスモーク状のもののせいで、見えない。

背伸びをしてなんとか店内を見ることができた。クーが店の奥の方へ向かったのを確認し、俺は静かに店内に入った。



(*,,゚Д゚)(イッツ・パラダイス!!)


店内は女子高生もののAVやエロ本で埋め尽されており、壁にはポスターや使用済み下着など、女子高生関連グッズ



大量に置かれている。それらを思わず手にとって欲情していると、店の奥の方から声が聞こえてきた。

すかさず物陰からそーっとウォッチング。


店長「ぐひひ、クーにゃん。また来てくれたのかい?」

川 ゚ -゚)「はい☆最近またお金に困っちゃっててぇ〜…バイトも長続きしないし、頼れるのは店長だけなんですよぉ〜♪
     きゃぴっ☆」

(;,,゚Д゚)(誰だお前は!?)




店長「ぐひひ、構わないよ。クーにゃんが来てくれるだけでボキは嬉しいしさww」

川 ゚ -゚)「ホントですかぁ!?☆嬉し〜い!店長だぁいすき(はぁと」

店長「ぐひひひひwwwところでクーにゃん、今日は何を持ってきてくれたんだい?」

川 ゚ -゚)「ぅーんとぉ、ちょっと恥ずかしかったけどぉ、あたしの使用済み下着持ってきたの♪きゃぴっ☆」

店長「パンティーきたぁぁぁwwwww」

川 ゚ -゚)「家にあるやつほとんど持ってきたんですよぉ↑ほらぁ☆」



そう言って、スクールバッグの口を開き、店長らしきメタボ将軍に中身を見せるクー。メタボ将軍の興奮は最高潮に達し

た。


店長「ぶ…ブヒィィィィ!クーにゃんの下着がこんなにたくさんあるぅぅぅぅ!!クーにゃん!たまらない!
   最高だよぉぉぉ!ブヒィィィィ!!!」

川* ゚ -゚)「ゃーん、恥ずかしかいよぉ〜☆きゃぴっ☆」

店長「パンティーとブラジャーの1セットで8000円!15セットで12万円でどうだい!?」

川 ゚ -゚)「即決ぅ〜〜↑きゃぴっ☆」




店長「クーにゃんの下着はよく売れるんだよなぁ。ブヒヒwwwこちらとしてもありがたいよwww」

川 ゚ -゚)「毎度ぉ〜〜☆」


(;,,゚Д゚)(じゅ……12万……!?)


俺がその相場に硬直しているとき、店長はふと口を開いた。


店長「あ…あのね、クーにゃん?」

川 ゚ -゚)「なぁに?きゃぴっ☆」

店長「こ…これは個人的なビジネスなんだがね」

川 ゚ -゚)「なんですかぁ?きゃぴっ☆」

店長「く…クーにゃんが今はいてる脱ぎたてパンティーをボキに売ってくれないかい!?」

川 ゚ -゚)「え〜っ?そんなことしたら、あたしノーパンで帰らなきゃいけないじゃないですかぁ…恥ずかしいよお…」

店長「10万出す!」

川 ゚ -゚)「脱いじゃお〜っと☆ヮラ」

店長「きたああああああwwwwwww」




(,,゚Д゚)「………………」



開いた口が塞がらない。この店長、気が狂っとる。



川 ゚ -゚)「はいっ、店長☆あたしの脱ぎたてパンティーだよぉっ☆」


こいつッ……まさかッッ!?この展開を始めから予想していたというのか!?

このメタボ将軍が破格の交渉を持ちかけてくることを見越して、さっき駅の女子便所で着替えたときに

下着までかえていたとでもいうのか!?

いや…きっとそうだ!そうでなければ、今あのメタボ将軍の汚れきった手に、黒色のヒモパンが乗っている

はずがないッッ!しかも紫のレースつきだッッ!明らかに勝負下着じゃないかッッ!

奴の今日の行動は全てこのために行われていたとでも言うのかッッ!?




店長「ぐひひひひ、クーにゃん、ありがとうよ。今日の買い取り金額12万円と…」

店長「個人的な買い取り金額、10万円だ」

川 ゚ -゚)「わぁい☆ありがとぉ店長☆これでやっとあの服が買えるしぃ(はぁと」

店長「ブヒッ、ブヒヒッ。また来ておくれ」

川 ゚ -゚)「うん☆バイバイ店長!またねぇ(はぁと」


(,,゚Д゚)(…おっと…)



クーがこちらに歩いてきた。バレたのか…!?まずい…!

……と思ったが、クーは俺が隠れた物陰には目もくれずに店を出た。

危なかった…。俺が一息ついて胸を撫でおろしていると、この世の地獄ともいうにふさわしい声が聞こえてきた。



店長「クーにゃんのパンティーwwwwwすーはーすーはーwwww」



メタボ将軍が、クーが下着屋で買ったばかりの下着を顔に押し付け、匂いをかいでいる。




店長「あああwwwwほんのりクーにゃんの香りがするよおおおおwwwwww」


(,,゚Д゚)(店長さん、それはクーの残り香じゃなくて新品の香りだぜ)


…と心の中で思いつつ、メタボ将軍が全ての新品下着の匂いをかぎ終わるのを陰から眺めていた。

やはり……楽しみは最後にとっておくタイプの人間なのか。


店長「ブヒヒ……最後はクーにゃんの脱ぎたてパンティー……」


メタボ将軍はそれを躊躇いなく頭にかぶり、すーはーすーはーし始めた。


(,,-Д-)(いや、それはいてたの男だから)


さらに、メタボ将軍はおもむろにかぶっていた下着をとり、股間部分に舌を這わせ始めた。


店長「ブヒヒwwwクーにゃんの味がするよおおおwwwwブヒヒヒヒwwww」

(,,-Д-)(いや、そこにはあの男のおちんちんがだな……)


店長のメタボ将軍を目視できなくなった俺は、静かに退店した。




川 ゚ -゚)「ずいぶん遅かったな」

(,,゚Д゚)「へ?」

川 ゚ -゚)「なかなか上手い尾行だったが、『絶(ゼツ)』が不完全だったようだな」

(,,゚Д゚)「抜かった……!!」

川 ゚ -゚)「まぁ、あれだ。上手い焼き肉でも食いに行こうじゃないか」

(*,,゚Д゚)「おごりか?」

川 ゚ -゚)b「おごりだ」

(,,゚Д゚)「ホワイ?」

川 ゚ -゚)b「口止め料」

(,,゚Д゚)「把握したwwww」



その後、俺はセーラー服(ノーパン状態)の美少女(?)と、激ウマ焼き肉デート(脳内)を満喫した。


いやぁ、いい一日だった。




(,,゚Д゚)「つかあんな法外な金もらってんならちょっとくらい分けてくれよ」

川 ゚ -゚)「だが断る」

(,,゚Д゚)「ホワイ?」

川 ゚ -゚)「これは私の、貴重なヲタ活動資金だ」

川 ゚ -゚)「お前も仮にも隠れヲタならそれくらいのプライドは持つべきだ」

(,,゚Д゚)「…なるほどな」



若干納得。

しかし…なんだ。


(,,゚Д゚)「ぶっちゃけ、俺の尾行いつから気付いてた?」

川 ゚ ー゚)「さあな」




やっぱり……こいつは、不思議なやつだ。






( ^ω^)ブーンが高校バスケで日本一を目指すようです


〜Side Story 馬鹿と天才は紙一重〜    おしまい



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