( ^ω^)ブーンが高校バスケで日本一を目指すようです 第40章 ユメトキボウ
深夜の道路を、ブーンは白い息を吐きながら歩く。少し離れた大通りからは車の走る音が
わずかに聞こえる。こちらの住宅街には人一人歩いていない。とても静かだ。
―VIP公園―
(;^ω^)「(ついつい来ちゃったお…)」
ブーンは公園の外の茂みに隠れながら公園内をこっそりと覗く。
( ^ω^[壁]「(ツン…)」
ツンは一人、入り口から少し離れた所にあるブランコに座り、ブランコを揺らしている。
( ^ω^)「(勢いで来ちゃったけど…やっぱり何も話せないお…)」
( ´ω`)「(ツンには申し訳ないけどやっぱり帰るお…)」
ブーンが踵を返し、家へ帰ろうとした瞬間だった。
ξ゚听)ξ「ブーン、いるの!?」
( ゚ω゚)「!!(なんでわかったんだお…)」
ツンの足がゆっくりと土を踏む音が聞こえる。ツンがこちらへ近寄ってくるのが
わかった。その瞬間ブーンは駆け出していた。
( ^ω^)「(ツン、ごめんだお!)」
ξ゚听)ξ「な…なんで逃げるのよ!?ブーン!」
ツンはブーンを追い掛けようと走り出す。が、しかし2、3歩走った所で右足に鈍い痛みが走る。
ξ;;)ξ「(いったぁ……)」
ツンは一瞬右膝を押さえ立ち止まったが意を決して再び走り出す。公園を出て、右足が
アスファルトを蹴るたびに悲鳴をあげる。ずきずきと絶え間なく襲う痛みに耐えながら
ツンは必死に走る。
ξ;;)ξ「(うぅっ…痛くない…痛くなんてない…!)ブーン!」
ブーンはぎょっとして振り向く。自分が走っているのに後ろからツンが自分を呼ぶ声が
聞こえた。歩いていたら絶対に追い付けるわけがないのに。間違いない。ツンは
走って自分を追い掛けている。
( ^ω^)「(ツンの足……!!!!)」
ブーンはすぐに引き返す。涙を流し、右足を引きずりながら必死に走るツンに出会うのに
さほど時間はかからなかった。ブーンはすぐにツンへ駆け寄り、今にも崩れ落ちそうな
ツンの体を支える。
(;^ω^)「ツン!足…右足!!」
ξ;;)ξ「そんなことより……どういう…つもりなの…よ…ひぐっ」
ツンは嗚咽混じりにブーンを問いただす。
(;^ω^)「僕は……」
ξ;;)ξ「嘘つき!」
(;^ω^)「………」
ξ;;)ξ「インターハイ連れてってくれるって言ったのに!嘘つき!私の分もバスケする
って言ったのに!嘘つき!」
( ^ω^)「………」
ξ;;)ξ「こんなとこで諦めないでよ嘘つき!死んじゃえバカ!!」
( ^ω^)「ツン……」
ξ;;)ξ「みんな心配してるのに…なんで…なんでわかってくれないのよ!?」
( ´ω`)「ごめんだお…けど僕はきっとあのチームには必y…」
ξ;;)ξ「ふざけたこと言わないでよ!」
(;^ω^)「!!」
ξ;;)ξ「あんたは…みんなの希望なのよ…?バラバラになりそうになっても…
あんたがいたから…みんな…それなのにどうして…」
(;^ω^)「けど僕は試合中は何も力になれなていお…そんなの本当に必要とされてる
わけじゃないお…」
ξ;;)ξ「…バスケットは個人競技じゃないのよ…」
( ω)「………」
ξ;;)ξ「チームで責任を押しつけあってどうするの?足りない部分はみんなで
補い合えばいいじゃない…そんなこともわかんなくなっちゃったの…?」
( ^ω^)「でも…」
ξ;;)ξ「言い訳なんて聞きたくないよ!みんなで…勝とうよ…みんなで…勝ちたいよ…!!」
( ^ω^)「……」
ξ;;)ξ「ニー速工業戦の後にあんたが言ってたことよ!?ラウンジとの負けからあんたは
何を学んだのよ!?」
( ω)「僕は……(…きっと立ち止まったまんまだお…)」
ξ;;)ξ「ニー速工業戦の後にあんたが言ったことを…みんな実践してるのよ!?
ドクオも、イヨウも、モナーも、ジョルジュも!…ショボン先生だって
すごく考え込んでる!私もしぃも……みんなみんな悔しいよ!」
( ω)「…………」
ξ;;)ξ「お願い……夢を諦めないでよ……!!」
――ザッザッザッ…
ξ;;)ξ「ブーン…待っt」
( ^ω^)「みんなに……謝ってくるお」
ξ゚听)ξ「ブーン……!で、でもこの時間はさすがに…。明日にしといた方が…」
( ^ω^)「今じゃなきゃ…ダメなんだお。行ってくるお!」
⊂二二二二( ^ω^)二二⊃ ブーーーーーーーーーーン
ξ゚听)ξ「…置いてかれちゃったじゃないの…いたたっ…無理しすぎたわね…」
ξ゚ー゚)ξ「ま…結果オーライ、ってことで♪♪…いたたた……www」
・
・
・
・
( ^ω^)「はぁ…はぁ…あとはショボン先生の家…(みんな驚いてたけど…受け入れてくれたお。
もう二度と期待は裏切らないお!)」
( ゚ω゚)「…ショボン先生の家知らないお…」
(*^ω^)「(ここで名前を呼んだら現れるなんていうラッキー展開……ねーよwww)」
( ^ω^)「けど……ほんのわすかな希望でも全てを込めてやるお!これから先はそういう
戦いなんだお!」
( ^ω^)「……(ショボン先生ぇー…)」
……………。
( ´ω`)「(まぁ世の中そんなに甘くないお。もしかしたらまだ学校にいたりするかもしれないお)」
⊂二二二二( ^ω^)二二⊃ ブーーーーーーーーン
―学校―
( ^ω^)「体育館に灯りが……?ボールの音も…奇跡かお?」
―体育館―
――ガラガラガラ…
(´・ω・`)「お?内藤君。久しぶりじゃないか」
( ^ω^)「ショボン先生……どうしたんですかお?」
(´・ω・`)「今日は体の調子がすこぶる良くてね。久しぶりにボールを触ったけど
やはりバスケットはいい」
( ^ω^)「(体の調子…?)」
――ズダッ
(´・ω・)「よっ……!」
(;゚ω゚)「…………!!」
――ガコンッ!!
( ゚ω゚)「!!!(ショボン先生がダンク……!?)」
――ダム…ダム…
(´・ω・`)「…君が悩んでしまうのもわかるさ」
ショボンはドリブルをつきながらスリーポイントラインまで歩く。
(;^ω^)「(やっぱりお見通しだったのかお…)」
――シュッ……ガツッ
(;´・ω・)「ありゃりゃ」
(´・ω・`)「要するに、だ」
(´・ω・`)「伸び盛りのプレーヤーは必ずと言っていい程、何かしら壁にぶつかる。
そしてその壁を越えることができるかどうかが君を一流の世界へ導くのか、
一生を二流で終えるのかの分岐点なんだよ」
( ^ω^)「でも僕はこのチームでの得点が…」
(´・ω・`)「万人受けするフォワードなら得点力は必要さ。けどここはVIP高だ」
( ^ω^)「……?」
(´・ω・`)「君は『VIP高の内藤ホライゾン』。そうだろう?」
( ^ω^)「……?そうですお…」
(´・ω・`)「そしてVIP高にはVIP高のスタイルがある。うちでの君のプレーは……
言わなくてもわかるだろう?」
( ^ω^)「走って、走って、走りまくる…ですお」
(´・ω・`)「わかってるじゃないか。君が全力で自分の役割を果たすことで他のメンバーも
自分のプレーができるようになる。余計なことを考える必要はないんだよ」
( ^ω^)「自分の…プレー…」
(´・ω・`)「バスケットというスポーツはね、1×5が10にも100にも、1000にもなり得る
スポーツなんだ。そしてそれを導くのは、各々がそれぞれの役割を理解することさ」
( ^ω^)「……」
(´・ω・`)「君たちにはまだまだ色んな可能性が眠っている。僕はきっと…君たちを一流、
いや、超一流にしてみせる。そして必ず…」
(*^ω^)「インターハイ制覇。ですお」
(´・ω・)「その通り。わかったなら早く帰って寝なさい。子供がこんな時間に……」
( ^ω^)「ちょwwwひどいですおwww僕はまじめに…」
(*´・ω・)「練習は明日もあるんだ。支障をきたさないためにね」
(*^ω^)「(ショボン先生……!)はい!おやすみなさいですお!」
⊂二二二二( ^ω^)二二⊃ ブーーーーーーーーン!!だおー!!
・
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('A`)「VIP高ぉ〜〜〜〜〜!ファイッ!」
一同「おぉぉぉぉぉぉぉぉ!!」
――ダンッダンッダンッ!
('A`)「っしゃ、もう2ヵ月ちょいしたら俺らにも後輩できるからな。
恥ずかしくないようにしようぜ!」
( ゚∀゚)「やっべぇw上手いやつ入ってきたらどうしようww」
( ´∀`)「負けたくないモナね」
(=゚ω゚)ノ「どれだけ骨のある奴が入ってくるか楽しみだヨウ」
ξ゚听)ξ「その前に入部者がいればいいんだけどね」
(*゚ー゚)「うーん…多分大丈夫だと思うよ?」
( ^ω^)「誰が入ってきても僕達の目指すものは一つだけだお!!!」
一同「インターハイ制覇!!!!!」
(´・ω・`)「さぁみんな、今日も張り切っていっちゃってイインダヨー?」
一同「グリーンダヨー!!」
ほつれかけた結束をさらに堅く紡ぎ直し、再び夢に向かって走り出したVIP高校バスケ部。
1から始め、1年と経たないうちに県ベスト8クラスの実力をつけるという大躍進。
しかし、彼らはまだまだ進み続ける。全国大会の頂へと向けて、走り続ける。
彼らの夢はまだまだ終わらない。
第40章 完
第1部 fin
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