−−−−十日目・エピローグ



チュンチュンとすずめの声がする。

沢山寝ていた気がする。

眩しい、でも目覚める気にはなれない。

もうしばらく寝ようか……。


   ピピピピ……


電子音が自分を起こそうとする。

構うものか、手探りでスイッチを切った。

さて、改めて寝ようか……

 「ブーン、早く起きないと学校に遅れるわよー?」

そうだ、学校に行かないと。

重い体を持ち上げた。



  
J( 'ー`)し「もうドク君たち来てるから、早く準備しないと」

(;^ω^)「mjd!? 起こすの遅すぎるお」

J( 'ー`)し「ゴメンね、カーチャンも寝坊してパートに遅刻だよクビになるよゴメンね」

(;^ω^)「笑えneeeeeeeeee! とりあえず行ってきますお!」

J( 'ー`)し「ごはんは?」

(;^ω^)「食パン口にくわえて美女と正面衝突ktkrだお!」

食パンが無いのでコッペパンで代用して家を出た。
玄関にはいつものメンバーがいた。

ξ゚听)ξ「遅いわよ、いっつもノロマね」

('A`)「俺だって頑張って起きてんだから」

(´・ω・`)「ごめんなさいしないといけないよね」

(;^ω^)「ツン、ドク、ショボ! 待たせたお!」

急いで喋ったら、口にくわえたパンが落ちた。
いつもの登校風景だった。



  
( ^ω^)「そういえば……昨日変わった夢を見たお」

('A`)「どう見ても末期症状です、本当にありがとうございました」

(´・ω・`)「いい病院勧めるよ?」

ξ゚听)ξ「熱でもあるの?」

(;^ω^)「ちょww夢見たってだけでヒドスwwww」

ξ///)ξ「べ、別にアンタが風邪引いたら座薬くらい刺してあげるんだから!」

( ^ω^)「風邪引きますた」

ξ///)ξ「し、仕方ないわね、偶然持っていたからよかったものの……」

(;^ω^)「ちょwww座薬常備あるあ……ねーよww」

いつものやり取りだった。

('A`)「そういえば俺も久しぶりに夢見たなぁー。
   なんだかオレが王様で、戦ってるの」

ドキッとした。
まさか……そんな事があるわけない。



  
('A`)「それで内藤が料理長だった」

( ^ω^)「女体盛りktkr!」

(´・ω・`)「僕的には男体の方がいいかな」

そうだ、同じ夢を見るなんて……そんな偶然あるワケない。
安心した自分がいた。

ξ゚听)ξ「それで、どんな変わった夢だったの?」

( ^ω^)「夢っていうのは……あれ?」

('A`)「もしかして……」

(;^ω^)「さっきまで覚えていたはずなんだけど……忘れたお」

('A`)「釣り乙」

(´・ω・`)「バーボンハウスへようこそ」

ξ゚听)ξ「通報しますた」

おかしいな、さっきまで覚えていたはずだけど忘れた。
とても不思議な夢だったんだけど……悔しいけど忘れた。



  
(´・ω・`)「夢ってね、結構その人の深層心理が出るらしいよ」

ξ゚听)ξ「何か色々あるらしいわね。
   夢で医者も分からなかった病気の原因が分かったりとか」

('A`)「俺樹海に行く夢を良く見るぜ?」

(´・ω・`)「夢に意味がある時もあるらしいね。
   予知能力や、超能力の部類かもしれないけど」

ξ゚听)ξ「前世論とかもあるみたいだしね。
   変わった夢を見たときは何かのメッセージかもしれないわよね」

( ^ω^)「釣れますか?」

('A`)「いえまったく。鬱だ死のう……」

いつものやり取り、何の変哲も無いいつものやり取り。
この一時はすごく幸せだった。



  
それにしてもどんな夢だったのだろう?

すごく大切で……すごく悩んだ夢だった事を覚えている。


変わった夢は何かのメッセージか……。


だとすると一体どんなメッセージを自分は受け取ったのだろうか?







  「おーい、何してんだよ。学校遅れるぞ」


(;^ω^)「お、待ってくれお!」

所詮夢なんて儚いものだ。
夢は夢だ、真に受けていてはいけない。

僕は考えをやめると、走って仲間達に追いついた。



  
---中立VIP国


(;゚∀゚)「相変わらず完全否定ってのは無茶苦茶だな……」

ジョルジュはバーボン国の激しい地震と地割れにも拘わらず、奇跡的に無傷だった。
ただその迫力だけは凄まじく、生きた心地がしなかった。

そしてようやくと中立VIP国に戻ってきたのだ。
ジョルジュの帰りをツンデレが出迎えた。

ξ゚听)ξ「お帰り、ようやく終わったわね」

(;゚∀゚)「お帰りってオマエ……死んだと思ったぞ」

ξ゚听)ξ「いつもの事でしょ、主が否定したのは私達の国じゃないんだからアンタは死ぬわけないじゃない」

(;゚∀゚)「そういう問題じゃないんだよ、分かっていても怖いもんは怖いんだよ!
   主からも不審に思われないようちゃんと隠れたし大変なんだぞ?」

そしてジョルジュを迎えるように中立国の人々が集まった。

川 ゚ -゚)「ジョルジュ、お疲れだな」

( ゚∀゚)「ああ、でもようやくだ……」

/ ,' 3「ようやくワシらの国が勝ったんじゃのぅ!」

新巻が高々と勝利報告をした。"心の主"、残る国は唯一つ。
その争いにこの国は勝ったのだ。



  
ξ゚听)ξ「それにしても意外にてこずったわね……」

( ゚∀゚)「俺なんて"心の主"に拳銃をどうしたかって聞かれたときはどうなったかと思ったぜ」

そう言ってジョルジュが見た先には見慣れた顔が二つあった。

(`皿´ )「自分たちは山賊として予定通り"心の主"を襲っただけですよー」

< のΩの>「そうですよ、中立国所属って事もばれてなかったですし。あれはジョルジュさんのミスです」

ξ゚听)ξ「ホント、私がサポートしなかったらどうなっていたか……」

(;゚∀゚)「反省してるよ」

ジョルジュはバツが悪そうに頭をかいて見せた。
確かにあそこでばれてしまっていたら……きっとこの国は真っ先に完全否定で潰れていただろうから。

ξ゚听)ξ「せっかく進化も『武器』と『知識』だけで、他はたいして望まなかったのに……。
   お陰で"心の主"の頭から私達の国という選択肢がうまく浮かんでいなかったけど、
   下手したらあの時にばれてだったんだからね!」

(;゚∀゚)「だから反省してるって。それに俺よりも実際ショボンの方がやばかっただろ?」

ξ゚听)ξ「ああ、アイツね……マジで殺してやろうかと思ったわ。
   発展が強制でないことを言われたりとか、うまく私達の国を意識させないようにしてたのに……
   多分アイツ、ある程度気付いていたんじゃないかしら?」

(`皿´ )「そのために自分達が"心の主"ショボンを信じるなって言ったんですから」

ξ゚听)ξ「アンタたちがショボンの前で見つからなければもっと楽だったわよ」



  
責任を押し付けあいながらも、結果は勝利だ。それは揺ぎ無い。

川 ゚ -゚)「それにしても私たちは本当に死ななかったな」

( ><)「一応中立国出身じゃないから死ぬんじゃ無いって思っていたんです!」

ξ゚听)ξ「それだけ忠実に動いてくれたって証拠よ。
   とりあえず主の心をどちらかに動かせば、簡単に揺らぎは大きくなってくからね」

( ゚∀゚)「それにしてもあれだな、本当面白いくらい二つの国ってのは一気に潰れるもんだな」

ジョルジュは笑って言ってみせる。
確かに昨日まで五分五分だった国が、今日一日にして一気に潰れたのだから。

川 ゚ -゚)「うまく戦闘機が出るまで進化させれた事が大きいな」

( ゚∀゚)「ああ、脅えきった国民達がその恐怖から解放されて喚起上げてたぜ?
   "心の主"なんてそれを相手国が消滅した事の嬉しさだと勘違いして、一気にバーボン国は潰れたからな」

/ ,' 3「ほれほれ、おしゃべりは後にせい。
   ここはもう受け渡すぞ?」



  
ミ,,゚Д゚彡「それではここ一体の土地は買い取らせて頂きます。
   ただ元バーボン国領土は地割れが酷く……こちらの地価は75%引かせて頂きます」

/ ,' 3「75%? それはちょっと足元見すぎじゃないですかフサさん」

ミ,,゚Д゚彡「荒巻さん、毎度土地をこうも提供してもらっているのに足元見ませんよ。
   ちゃんと査定した結果の額です」

ξ゚听)ξ「仕方ないわよおじーちゃん。
   それよりも新しい土地と"心の主"を探しに行きましょうよ」

( ゚∀゚)「クーとわかんないですが新しく仲間に入ったから、その祝いが先だろ!」

/ ,' 3「……分かりました、それではこの金額でいいですよ。
   その代わりたまにはそちらも勉強してくれよ?」

ミ,,゚Д゚彡「こりゃ手厳しい、いつも勉強させてもらっているつもりですがね」

フサはそう言うと、土地の契約書に印を押してお金を払う。

/ ,' 3「さて、とりあえず次の場所も候補はあるし、先に祝いといこうか」

ξ゚听)ξ「あら、次はどこなの?」



  
/ ,' 3「ラウンジとやらでまた下らん争いをやっているらしい。
   また中立国として、しっかりその土地を頂くとしようか」






        ( ^ω^)ブーンの心が世界を左右するようです・END




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