後編:整備長、空と別れの日記


『桃色の乳首墜つ』

その報を受けVIPへと急行したあたしたちが見たのは、
爆発していないのが不思議なくらいにボロボロのジョルジュ機と、
医務室のベッドに横たわる、顔面に痛々しい包帯を巻いた桃色の乳首。

ほうほうの体で帰艦して以来、彼はいまだ意識を取り戻さないらしい。

ワタナベの遺体は、すでに空葬されていた。




(#'A`)「信じられない! 何考えているのよ!
   ジョルジュが目を覚まさないうちにワタナベを空葬するなんてどういうつもりよ!」

(#´・ω・`)「ワタナベのあんな姿をアイツに見せられるわけなかろうが!」

( ゚д゚ )「ワタナベは頭部に機銃の直撃を受けたらしい。
    ……彼女の顔面は、半分以上が消し飛んでいたそうだ」

艦長室で怒鳴ってはみたものの、艦長の言い分はもっともだった。

ただでさえ弱っているときに幼馴染の無残な姿を見れば、
いかなジョルジュとはいえ立ち直れはしないだろう。

だけど、彼女を見送ることのできなかった彼が、あまりに不憫でしょうがなかった。

('A`;)「……クソ!」

下唇を噛み締め、艦長室の扉を乱雑に開けた。

廊下の壁を拳でぶち抜いたと同時に、
駆け寄ってきた乗組員からジョルジュが目覚めたとの報告を受けた。




面会は、艦長と副艦長のみに限られていた。

数十分にも及んだ面会。
医務室から出てきた彼らに、ジョルジュの様子を尋ねた。

(;´・ω・`)「ちくしょう……最悪の状況だ」

(;゚д゚ )「……あいつの復帰は絶望的かもしれん」

ジョルジュは開口一番にワタナベの安否を尋ねたそうだ。

それとなくぼかしていた二人だったらしいが、
それ以外に何も口にしないジョルジュに根負けし、ワタナベの死亡を告げた。
ジョルジュはうつむいて涙を流すだけで、以後、何も話そうとはしなかったらしい。

それから連日のように、二人はジョルジュと面会した。

一度だけあたしも面会を許されたが、
久方ぶりに再会したジョルジュの顔は、
本当にあのジョルジュなのかと疑うほどに憔悴しきっていた。

残された片目は虚空をさまようだけ。
瞳は死人のようで、かつての輝きを失っていた。




羽を失い、地に墜ちた飛行機械乗りの姿はあまりに惨めだった。

片目を失い、パートナーをも失った彼に、
もう以前の飛行が不可能なことは、誰の目にも明らかだった。

川;゚ -゚)「気の毒だが……あいつはもう、ダメだろうな。
    失ったものが多すぎる。私があいつだったら、間違いなく死を選ぶ」

クーの言葉は、艦内のクルー全員の想いだった。
誰も言うべき言葉が見つからず、一同の間に、気まずい沈黙が流れる。

それを覆したのが、モナーの一声。

( ´∀`)「……僕が行くモナー」

これまでかたくなにジョルジュとの面会を拒み、沈黙を保っていたモナー。

赤い男爵は飛行服に身を包むと、一人静かに、医務室の扉を開けた。




医務室の前の廊下には、
艦長をはじめとしたほぼすべてのクルーが集結し、
面会の行方を固唾を呑んで見守っていた。

数時間にわたった面会。
最後の最後で、泣き叫ぶジョルジュの大声が、扉越しからもハッキリ聞こえた。

それまですすり泣くことしかしなかったジョルジュ。

何が起こったのかと顔を見合わせるクルーの前に、扉を開けてモナーが姿を現す。


( ´∀`)「もう大丈夫だモナー」


キョトンとするクルーの視線を一身に受けた男爵は、
相変わらずのにやけ顔でそれだけを残し、静かにその場を立ち去った。




正直言うと、モナーの言葉には半信半疑だったあたし。

しかし後日、見舞いに訪れようとしていたあたしに先んじて姿を現したジョルジュを前に、
モナーの言葉は真実だったのだと思い知らされる。
  _
( ゚∀●)「……頼む。俺に整備の技術を叩き込んでくれ」

そう言って土下座までしてみせた桃色の乳首。
顔面にこしらえた眼帯の痛々しさに反して、彼の言葉は力強かった。
瞳には輝きが戻っていた。

もちろん、あたしは二つ返事で快諾した。

('A`;)「にしてもあんた、一体どんな魔法を使ったの?」

( ´∀`)「なーに、ちょっと昔話をしただけだモナー」

のちに何度尋ねてみても、モナーはそれ以上何も言おうとはしなかった。

医務室でのモナーとジョルジュの会話は、今でもVIP最大のなぞとして語り継がれている。




パイロットからメカニックへ、
飛行服から薄汚れたツナギへと姿を変えたジョルジュは
わずか三年足らずの間にメキメキと頭角をあらわしていった。

もともとツダンニにいた頃からメカニックとしての適性は見せていたし、
『ニューソクカップ』を制するだけあって飛行機械の構造にも明るかった。

そして何より、血眼になって貪欲に知識と技術を吸収しようとする姿勢が、
他のメカニックには無い飛行機械乗りとしての視点が、
彼をして脅威の成長を遂げさせることとなった。

ツダンニでのスカウト活動を主要な任務にしていたあたしには、
彼を指導できる機会は数えるほどしかなかった。

しかし、あたしが報告のためにVIPに戻るたび、
彼はあたしの後ろに金魚の糞のごとく引っ付きまわって質問を連発したし、
そのたびに彼の成長には眼を見張らされることになった。

通常、一人前のメカニックを育てるには十年かかると言われている。
あたしだって十年かかったその道のりを、ジョルジュはわずか三年通過してしまった。
ブーンちゃんと小娘が入隊する直前には、
艦長からじきじきに副整備長の役職まで拝命している。

何より驚いたのが、他のメカニックたちがその人事に一切文句を言わなかったこと。

副整備長にふさわしい彼のムードメーカーぶりとメカニックとしての知識と技術は、
ほかの誰もが認めるものだった。




『あいつの努力と才能には敵いませんよ』

いつか誰かがこう言った。
それがジョルジュの脅威の成長の基盤となっていたのは事実だろう。

だけど、絶対にそれだけじゃない。
もっと別の何かが、彼をここまで押し上げたはずだ。

それは一体なんだろう? 時折あたしは考える。

桃色の乳首としてのプライド? 空を失った悔しさ? 死んだワタナベの意識? 
それとも、彼女だけが聞くことの出来たという、空の声? 

それを知るのは、きっとモナー以外にいないだろう。
あの日、閉ざされた医務室で行われた飛行機械乗り同士の対面。
そこに、すべての答えがあるはずだ。

けれど、何度尋ねてみても、モナーは何も語ろうとはしない。
にやけた笑顔の下に隠した答えは、きっと明かされることはないだろう。

悔しかった。

所詮はメカニックに過ぎないあたしには、
パイロットの気持ちなど理解できるはずが無かった。

ジョルジュ。あんたは何を見て、何を感じて、ここまで来たの?
死んだワタナベの意識に導かれたの? モナーはあんたに何を言ったの?

空の声って、何なの?




                      *

まどろみの夢は、覚めてしまえば急速にその姿を消して行く。
浜辺に作った砂の城のように、現実という名の波にさらわれてまっさらな状態に。

だけど、今回見た夢は、消えることなくはっきりと頭に残ったままだった。

寝転がっていたソファーから身体を起こす。
続けて髪をボリボリとかきむしっていると、すぐ側から声が聞こえた。

( ´∀`)「寝タバコはいかんモナー」

('A`;)「え? モナー……あっ!」

テーブルを挟んだ対面のソファーにはモナーが座っていた。
なぜ彼がいるのか考えていたあたしは、先ほどの言葉にハッとする。

眠る直前、確かタバコをくわえたままだったはず。

( ´∀`)「僕がお前の口から引っこ抜いてやったモナー」

('A`;)「ああ……悪いわね」

( ´∀`)「今後は注意するモナー」

あごに生えた無精ひげを撫でながら答えたモナーは、やっぱりいつものにやけ顔だった。




('A`)「にしても、あんたがここにいるなんて珍しいわね」

( ´∀`)「いやなに、飛行機械部隊の休憩室はコーヒーが切れていたんだモナー」

('∀`)「あら、そうなのw」

大きく伸びをして尋ねた。
よく見ると、モナーの前には飲みかけのカップ、
そして、クーが忘れていったらしい文庫本がひとつ。

彼の言い訳はそんな彼女と同じで、ちょっとだけ笑ってしまった。

休憩室の壁に掛けた時計に目をやれば、針は一時間ほど経過していた。
タバコなんて五分もてば上出来だから、モナーは一時間近くこの部屋にいたことになる。

つまり、あたしは彼にずっと寝顔を見られていたということだ。恥ずかしい。

('A`)「ここにいたんなら起こしてくれればよかったのに。
   レディの寝顔を見るなんて、男爵の名にはそぐわないんじゃなくて?」

( ´∀`)「寝顔が楽しそうに笑ってたから、起こすのは野暮かと思ったんだモナー」

('A`;)「……あたし、笑ってたの?」

( ´∀`)「ああ、とっても気持ち悪い笑顔だったモナ。いい夢でも見て他のかモナ?」




あんな夢を見ていても人は笑うのか。不思議なものだと自嘲した。

('A`)「……いや、いい夢じゃあなかったわねぇ」

( ´∀`)「そうなのかモナ?」

('A`)「ジョルジュと、死んだワタナベの夢を見たわ」

( ´∀`)「……」

顔は変わらずにやけたままだったけど、彼の眉がピクリと動いたのだけは確認できた。
モナーは静かに立ち上がると、二人分のコーヒーを作って、再びソファーに腰掛けた。

( ´∀`)「お前も懐かしい夢を見るもんだモナ。まだ過去を振り返る歳じゃないモナ?」

('A`)「……ジョルジュの様子が最近おかしいの」

モナーのからかいを軽くいなし、この間見たジョルジュについて話した。
そして、黄豹と再会して以来時折見せる彼の奇行。モナーは静かに聞いてくれた。

あらかた話し終わって、差し出されていたカップに口をつけた。
中身は冷めてはいたけれど、小娘のとは違い、上品な大人の味がした。




( ´∀`)「……誰にだって捨てきれない過去はあるモナー。
     それと折り合いをつけながら、みんな歳をとっていくんだモナー」

('A`)「……あたしにはそんな過去、無いわ」

頬の無精ひげをジョリジョリしながら、しばらくの沈黙をはさんで呟いたモナー。
反射的にあたしは、彼の言葉に真っ向から反発していた。

('A`)「あたしは男だった頃の過去も、虐げられてきた記憶も、全部踏みつけてここまできたわ。
  だから、あんたが言う捨てきれない過去なんてもの、あたしには全く理解できない」

( ´∀`)「過去を踏みつけて進むことも、十分に過去と折り合いをつけていると言えるモナー」

('A`)「……そういうもんなの? さっぱりわかんないわ」

タバコに火をつけて、煙を吸い込んだ。吐き出して、カップに口をつける。
モナーの淹れたコーヒーの味は、タバコの煙のきな臭さと絶妙にマッチしていた。
思わずぺろりと舌なめずりして、調子に乗ってあたしは尋ねる。

('∀`)「あんたにもあるの? 捨てきれない過去ってもんがさ」

( ´∀`)「そりゃあ、もちろんあるモナー」

相変わらずのにやけ顔でカップの中身を飲み干して、彼は一言。

( ´∀`)「僕は仲間を殺したモナー」




('A`;)「!?」

口にしたタバコがこぼれそうで、慌てて指で挟みなおした。
驚くあたしを尻目に、目の前のモナーはやっぱり笑っていた。

( ´∀`)「守りきれずに見殺しにしたとか、そんな間接的なものではないモナー。
     文字通り、この右手でトリガーを引いて、放った機銃で直接に仲間を葬ったモナー。
     理由は確かにあったモナー。
     だけど、僕のしたことはそんな理由ではとても片付けられないことだモナー。
     仲間殺しは、飛行機械乗りにとっては決して犯してはならない大罪だモナー」

今度こそ、あたしは口にしたタバコを地面に落とした。

その驚きの対象は、モナーの過去だけではない。
『モナーが自らの過去を話した』ということに対してだ。

モナーの特異な経歴を、VIPに乗るものならば誰もが知っている。
だからこそ誰も彼に過去を聞くことはしないし、聞いたとしてもそれは差しさわりのないことくらいだ。

そんな彼が、今、赤裸々に過去を話している。

置かれている状況に当惑しながらタバコを拾い上げたあたしに、モナーは自嘲交じりに聞いてくる。




( ´∀`)「驚くのも無理ないモナね。
     この話は艦長と副艦長、それにジョルジュ以外には話してないモナ。
     どうだ? 僕を軽蔑したかモナ?」

('A`)「あんたの人柄は良く知ってるわ。あんたが味方を撃つって言うくらいだから、
   よほどの理由があったんでしょ? 軽蔑なんかしないわよ。それより……」

『ジョルジュに話した』 この言葉が頭に引っかかっていた。
もしかしたら、これが、ジョルジュの立ち直るきっかけになった話なのかもしれない。

( ´∀`)「それより……なんだモナ?」

('A`)「ジョルジュにその話をしたのって、いつ?」

( ´∀`)「……確か、ジョルジュが黄豹に堕とされた直後だったモナ」

ビンゴ。思ったとおりだ。矢継ぎ早にあたしは質問を連ねる。

('A`)「そのときあんたはあいつになんて言ったの? どうやってあいつを立ち直らせたの?」

( ´∀`)「僕はただ昔話をしただけだモナー」

('A`)「嘘よ。それだけで立ち直れるほど、あいつの落ち込みようは軽くなかったわ」




( ´∀`)「……少しだけ、アドバイスしたモナー」

('A`)「なんて?」

( ´∀`)「それでも僕は空を飛んでいる、と」

飲み干したカップを片手に席を立つと、
彼はあたしに背を向けて、部屋の隅の棚でコーヒーを作り出す。

荒ぶるひとつの時代を駆け抜け、仲間を殺し、
それでもここまで生きながらえてきた大きな背中。

その背中が、語る。

( ´∀`)「仲間を殺して、かつての居場所に反旗を翻して、それでも僕は空を飛んでいるモナー」

('A`)「……それはなぜ?」

( ´∀`)「空には何もないからだモナー」




つい一時間ほど前にも、クーの口から小説の一節として聞いた言葉。
問いかけた赤い背中は、明瞭で、だけどやっぱり理解できない答えを返してきた。

( ´∀`)「空には何もないモナー。命だって、死だって。ただ空気だけがそこにあるんだモナー」

('A`)「空に命はあるわ。飛んでいるあんたたちが命でしょう?」

( ´∀`)「それは大きな間違いだモナ。
     空で命を意識した瞬間、そいつはまっさきに墜ちていくことになるモナー。
     だから飛行機械乗りはみんな、空では命を意識しないモナー。
     だから空には、死だって無いんだモナー」

背中は振り返り、笑った。

( ´∀`)「空では飛んでいる僕自身も空気になって、過去も罪も何もかもが関係なくなるんだモナー。
     そこでは、過去に散った仲間も空気として空を舞っていて、僕の隣で飛んでいるモナー。
     僕が赦される場所は、そんな空だけ。
     そして、ジョルジュだって同じことなんだモナー。
     ジョルジュが赦されるのも空だけ。だから僕はジョルジュに言ったモナー。
     『お前は、飛べなくても空を見上げ続けろ』と」




('A`)「……わかんない。全然わかんないわ。あんたたちの考え方も、何もかも」

( ´∀`)「メカニックにはメカニックの、パイロットにはパイロットの考え方があるモナー。
     無理やり理解して欲しくなんか無いし、そうしようとすることこそ愚かしいモナー」

('A`)「まったくだわ。だけど何よ、ジョルジュが赦されるって? ジョルジュに罪なんか無いわ」

( ´∀`)「僕たちがどう捉えようと、あいつが罪と思えば罪になるモナー。
     あいつの最後の交戦記録、見たかモナ?」

('A`;)「そんなものがあったの!?」

( ´∀`)「正規のではないモナ。僕が無理矢理書かせたモナー」

モナーはソファーに腰掛けカップをテーブルに置くと、それに口もつけずに言った。

( ´∀`)「黄豹……今最大のライバルは、思えばあの頃から僕たちの前に立ちふさがっていたモナね
     ジョルジュは黄豹との交戦の際、出会い頭に後方下部の死角から銃撃。
     しかし、ネコ耳はそれを聞き逃さず、黄豹は即座に回避。
     そこから数度の交錯の後、ジョルジュは背後を取られるモナー。
     そこであいつは、サーカスで一発逆転を狙ったそうだモナー」

そして、報告書を見たモナーが言うには、その直後、ワタナベはこう言ったらしい。

『ダメ! 今の空は受け止めてくれない!!』




( ´∀`)「ワタナベの言うとおり機体は大きく体勢を崩し、あいつはサーカスに失敗。
     黄豹にドカン。あとの結果は、お前も知っての通りだモナー」

('A`)「……ワタナベの言葉を無視した。それがジョルジュの罪だって言うの?」

( ´∀`)「それと、ワタナベを死なせたこと。少なくともジョルジュはそう考えているモナー。
      ところで、僕が複座式飛行機械を嫌うわけがわかるかモナ?」

('A`)「いいえ。まったく。理由なんてあったの?」

( ´∀`)「もちろんあるモナー」

そこでようやく、モナーはカップに口をつけた。
鼻と口の間の無精ひげにコーヒーのくすんだ色が染み付いていて、少しおかしかった。

そのまま一呼吸置いて、彼は続ける。

( ´∀`)「複座式飛行機械は二人でひとつ。互いの意志がかみ合わないと最適な飛行は出来ないモナー。
     それはうまくかみ合えばとんでもない力を出すけど、かみ合わなければ実力の半分も出せない。
     そして、ひとりが欠ければ、二度とその飛行は出来ないモナー。今のジョルジュみたいに」

('A`)「……」

( ´∀`)「僕はその恐怖に耐えられないモナー。
     だから今でも独りで飛び続けているモナー。僕はジョルジュのように強くは無いから」




('A`)「……あの子は強いの?」

( ´∀`)「ああ。あいつなら心配しなくても大丈夫だモナー。
     あいつは僕の弟子だモナ。そして、あの地獄から這い上がってメカニックになった男だモナ。
     僕たちとは比べ物にならないほど、あいつは強い男だモナー。
     それに、この部屋に来る前、あいつが笑いながら走り回っているのを見かけたモナー」

立ち上がったモナー。大きく腕や腰を回し身体をほぐし始める。
そして、いつも以上のにやけ顔であたしを見て、大きく笑った。

( ´∀`)「あいつ、ツンとクーのブラジャーを被って二人に追いかけられていたモナーwww」

('A`;)「……あのバカはホントにもう……」

拍子抜けして、身体中から力が抜けた。
あたしのこれまでの心配はなんだったんだろう? あとであいつを殴り飛ばしてやるわ。

( ´∀`)「さて、昔話のお代をいただくモナ。ちょっと飛行機械を診てくれモナー」

('A`)「あら、そういえばあんた飛行服着てるわね。飛んだの? 今日は飛行禁止のはずよ?」

( ´∀`)「硬いこと言いっこなしだモナー。 
      こんな気持ちいい日に飛ばない飛行機械乗りはいないモナー」

('∀`)「しょうがない男ね、あんたってw」

立ち上がって、クーの忘れていった文庫本をポケットに入れる。

そしてあたしたちは、休憩室の扉を開けた。




                         *

('A`)「にしても何で上部甲板なんかに停めたのよ? あんたの機体の定位置は下部甲板でしょうが」

( ´∀`)「こんな晴れた日には、空が見える上部甲板に着陸したくなるもんだモナー」

('A`)「おかげでこっちは大迷惑よ」

上部甲板へと続く艦内通路を歩きながら、何気ない会話を交わす。
『いつかもこうやってモナーと歩いたな』と懐かしんでしまったのは、きっとあたしが歳を取ったからだろう。

振り返るものが多くなったということは、失ったものも多くなってしまったということだ。
それが悲しいことなのかどうか、今はまだわからない。

( ´∀`)「ワタナベが生きていたらきっと、上部甲板で空でも見上げているモナね」

('∀`)「そうね。『空の声が聞こえる』なんてわけのわからないこと言いながらね」

( ´∀`)「モナモナモナwwww 『空の声』なんて懐かしいモナーwwwww」

手すりを握りながら、ゆっくりと階段を上る。

いつかまた、こうやってモナーと話したことを懐かしむ日が来るのだろうか?
今、この手で握った手すりの冷たさが、この記憶を思い出す引き金になるのだろうか?




( ´∀`)「『空の声』ってどんなもんなのか気になるモナね」

('A`)「あら? 空を知り尽くしたレッドバロンにもわからないものなの?」

( ´∀`)「僕が知っている空なんてほんの一握りなもんだモナー」

カツン、カツンと、階段を踏みしめる音。すれ違う人間は誰もいない。
きっと、みんなどこかで、思い思いにゆったりした時間を過ごしているのだろう。

( ´∀`)「僕には風の流れが何となくだけど見えるモナ。
     ネコ耳にも僕たちの聞こえないさまざまな音が聞こえるみたいだモナ。
     それと一緒で、ワタナベの言っていた空の声はあくまで個人の感覚の問題。
     他人の感覚を理解しようだなんて、それはきっとおこがましいことなんだモナー」

('∀`)「気になるとか言っておきながら、自分でそれを否定していちゃ世話無いわね」

( ´∀`)「全くだモナーwww 今日の僕はどうかしてるモナーwwwwwww」

('∀`)「ホントよwwwww ま、あたしもだけどねwwwww」

笑いあって、階段を上りきった。

目の前に、日の光に照らされた広大な鋼鉄の地面が広がった。




砲台の鉛色。
飛行機械の格納庫と、高く伸びた管制塔くすんだ黒鉄色。

モナーが端に停めた飛行機械の赤い色。
そして、澄み切った空の青い色。

太陽に照らされてほのかな熱を帯びた鉄の大地には、
それ以外に、何も無い。

何も無い、はずだった。


从'ー'从「……」


広い広い甲板の真ん中で、死んだワタナベの横顔が空を見上げていた。




(;´∀`)「ワ……ワタナベ!?」

('A`;)「う、嘘でしょ!?」

ありえない光景に立ち止まり、驚いて声を上げた。
まるで記憶の一ページを再現したかのような光景が、目の前に広がっていた。

模擬戦でジョルジュがクーを破ったあの日。
降り立ったこの上部甲板で、空の声と呟いたワタナベ。

その顔は、立ち尽くすあたしたちへ、ゆっくりと振り返る。

ξ゚听)ξ「……?」

ξ゚听)ξ「モナーさん、オカマ、何か用ですか?」

そこに立っていたのは、ワタナベではなく小娘だった。




('A`;)「あ、あんた! そこで何してるのよ!?」

ξ゚听)ξ「何って、空を見ていただけだけど? 悪い?」

目にした幻影に驚いて、何とか口に出した言葉はあまりにつまらない内容だった。
隣に立つモナーに至っては声も出せないようで、にやけ顔をピクピクと引きつらせている。

遠くに見えていた小娘がツカツカとこちらへ歩いてきて、
大きくなったその姿と、続けて発せられた不機嫌な声に、
彼女が間違いなくワタナベでないと思い知らされた。

小娘はあたしたち二人の前に立つと、赤い飛行機械を指差して言う。

ξ゚听)ξ「モナーさん、飛行機械で出たみたいですね。今日の飛行は禁止じゃなかったんですか?」

(;´∀`)「あ、いや……あんまり気持ちいい空だったからついモナー……」

ξ゚听)ξ「ふーん。隊長っていうのは結構なご身分ですね」




あまりにも不遜な小娘の態度に、戸惑っていたあたしも落ち着きを取り戻した。
ふくれっ面の彼女の脳天に、一発拳骨をお見舞いしてあげる。

('A`)「こら」

ξ;゚听)ξ「へびゃ! ……痛ったー! 何すんのよウンコオカマ!!」

(#'A`)「ウンコじゃないわよ! 生意気なこと言ってんじゃないの!
   モナーは仮にもあんたの上官でしょうが! 口の利き方ってもんがあるでしょ!」

『ゴチン!』と盛大な音が響いて、小娘は顔を歪めてうずくまった。
あたしは女であろうと容赦しないから、拳骨はかなり痛かったはず。
それでも悪態をついてくるあたり、さすがは小娘である。

(;´∀`)「まあまあ毒男、こればっかりは僕が悪いモナー。
     それよりツン、さっきジョルジュを追いかけてたみたいだけど……」

ξ゚听)ξ「ああ、あの変態ならクーさんに捕まって艦長室に連行されましたよ。
     今頃、頭の上にりんごでものっけてるんじゃないんですか??」

頭をさすりながら立ち上がった小娘の言葉に、あたしとモナーは顔を見合わせて笑った。




('∀`)「全く、あいつって筋金入りのバカねwww」

ξ゚听)ξ「バカじゃなくて変態よ」

( ´∀`)「モナモナモナwwww で、ツンは一人で空を見上げていたモナか?」

ξ゚听)ξ「はい。ブーンは何かよそよそしいし、他にすることもありませんでしたから」

再び空を見上げた小娘は、まぶしそうに目を細め、言った。

ξ゚ー゚)ξ「でも、こうやって空を見上げるのって、悪くないわ。
   今日みたいな気持ちのいい日って、空も本当に楽しそうなんですよね。
   まるで空の笑い声が聞こえるみたいで、眺めているだけで楽しいって言うか……」

('A`;)「!?」

(;´∀`)「!?」

その言葉を耳にしたあたしたちは、思わず小娘に詰め寄っていた。




('A`;)「あ、あんた! 空の声が聞こえるの!?」

ξ;゚听)ξ「は、はぇ?」

(;´∀`)「空の声が聞こえるのかって聞いてるんだモナー!!」

ξ;゚听)ξ「い、いや、空の声っていうきゃ!」

ξ;゚听)ξ「か、噛んじゃった……」

噛んだ舌を口外に晒し、ヒーヒーと苦しむ小娘。

目に涙を、額に脂汗を浮かべた彼女は、
詰め寄るあたしたちにたじろぎながら続ける。




ξ;゚听)ξ「空の声っていうか、切った風の音が声みたいに聞こえるときがあるんでふ。
    そういう時って、すごく飛ぶのが楽しいって言うか、空と一体になれるって言うか……。
    とにかく、たまにそんな声が聞こえるんでふ。あー、ベロいたーい……」

('A`;)「……」

(;´∀`)「……」

('∀`)「ぶほほほほほwwwwwwwwwww」

( ´∀`)「モナモナモナwwwwwwwwwwwwww」

小娘の言葉に唖然とした後、あたしとモナーは腹を抱えて笑った。




ξ;゚听)ξ「な、なに笑ってんのよ! あんたたちがいきなり詰め寄ってくるからベロ噛んだのよ!?」

('∀`)「ぶほほほほwwww 違うわよwwww そんなことじゃないのよwwwww」

( ´∀`)「モナモナモナwwwww こいつは傑作だモナwwwwww」

ξ;゚听)ξ「だ、だったら、何がおかしいって言うのよ!!」

顔を真っ赤に染めて怒鳴る小娘。
それを前に、あたしとモナーは笑いを止めることが出来なかった。

('∀`)「ぶほほほほwwwww 小娘、あんたは間違いなくいいナビになれるわ!」

( ´∀`)「モナモナモナwwww これは僕もうかうかしていられないモナー!」

ξ;゚听)ξ「はぁ? 一体なんの話ですか!?」

それきり、こみ上げる笑いに何も言えなくなったあたしたちの前で、
小娘は大げさな身振り手振りでピョンピョンと飛び跳ねながら、ギャーギャーと騒ぎ続けた。




ワタナベの言っていた空の声。
彼女にだけ聞こえていたその声が、意外な人物にも受け継がれていた。

ワタナベとツン。過去と現在の間に結ばれていた、『空の声』という名の繋がりの糸。
それを発見するたび、こんな風に笑えるのなら、歳を取ることは悲しいことなんかじゃない。

時の流れに立ち止まり、後ろを振り返って過ぎていった人と日々を懐かしみ、
そこから現在に続く繋がりの糸を見て、それが紡がれていくであろう未来に想いを託す。
その糸をたどって未来へ進めば、失った人にも日々にも必ず出会える。

悲しくなんかない。寂しくなんかない。今、この時が過去になったとしても、
ここから伸びる繋がりの糸さえ見失わなければ、あたしたちは必ず、未来で出会える。

隣でモナーも笑っていた。
今なら、先ほど彼が言っていたこともわかる気がした。

空には、空気以外に何もない。
堕ちた人間も、生き残った人間も、空ではみんな、空気になる。
そこでは、過去も未来も関係なく、出会える。
生も死も、咎められるべき罪もない。だからこそ、赦される。

そんな飛行機械乗りが、少しうらやましく思えた。




ひとしきり笑いまくったあたしの耳に、甲高い銃声が数発聞こえてきた。

一体何事かと音のした管制塔へと目をやると、
そこから顔面にブラジャーを被った艦長とジョルジュ、そして般若の面を被ったクーが出てきた。

(´○ω○`)「ふははははははははは! これがブラジャーというものか!!
      良いではないか……良いではないかあああああああああああああああああ!!」
  _
( ○∀○)ノ「でっしょー!? ブラジャーイカスでしょー!?」

川#゚ -゚)「貴様らああああああああ! 臓物をブチ撒けろおおおおおおおおおお!!」

それから上部甲板を走り回る三人。顔を引きつらせたツンがクーに向けて叫ぶ。

ξ;゚听)ξ「クーさん! どうしたんですか!?」

川#゚ -゚)「おお、ツンか! 見ての通り、艦長がご乱心なさった! 
     これから私はジョルジュのバカと一緒に艦長を粛清する! ツン、お前も手伝え!!」

ξ#゚听)ξ「了解! 発砲は!?」

川#゚ -゚)「許可する!!」
  _
ヽ(○∀○)ノヽ (´○ω○`)ノ「「ウィー・アー・ブラジャーマスクメン!!」」

川#゚ -゚)y=- ξ#゚听)y=- 「「ぶち殺す!!」」

そして四人は走り去り、上部甲板から姿を消した。




(;゚д゚ )「やれやれ、ちょっと遅かったか」

('A`)「あら、副艦長じゃない。何やってるの?」

(;゚д゚ )「艦長とジョルジュのあとを追っていたんだ」

消えていく四人を眺めていたあたしとモナー。
その背後から現れた副艦長は額の汗をぬぐい、ぼやく。

(;゚д゚ )「まったく、ジョルジュは元気すぎていかんな。
    おかげで艦長まで触発されて悪ノリする始末だ」

('∀`)「ぶほほほほwww まったくよねぇwwww」

(;゚д゚ )「笑い事じゃない! クーたちより先に取り押さえなければ、
    二人は本当に殺されるぞ!? お前たちも手伝え!!」

('∀`)「悪いけど無理よ。これからモナーの飛行機械を診なきゃいけないの」

(;゚д゚ )「何だと!? モナー! 今日の飛行は禁止だといったのに飛んだな!?
    隊長たるお前が命令を守れんでどうするんだ!? しっかりしてくれよ!!」

( ´∀`)「いやはや、すまんことだモナー」

(;゚д゚ )「しょうがない。スロウライダーに手伝ってもらうか。飛行機械の整備はしっかりやれよ!?」

( ´∀`)('∀`)「「了解!!」」




四人の後を追い、上部甲板から姿を消した副艦長。
それを見届けたあたしは、モナーに向かってぽつりと呟く。

('∀`)「ホント、あのバカを心配して損したわ」

( ´∀`)「僕の言うとおりだったモナー。ジョルジュは大丈夫だモナー」

('∀`)「そうね。あとのことは副艦長に任せて、あたしたちは機体整備にでも行きますか」

( ´∀`)「頼むモナー」

モナーの飛行機械へと歩を進めたあたしたち。

晴れ晴れとした青空の下には、たくさんの銃声と悲鳴、そして笑い声がこだましていた。




                     *

それから数週間後。
エデン近郊で行われた『黄昏の空戦』にて、ジョルジュ長岡は空に散った。

その二日後、皆に見送られた空葬のあと、ひとり泣き続けるブーンちゃんに、あたしは言った。

('A`)「あいつはね、死に場所を探していたのよ。
   空から堕ちたあの日、幼馴染を失ったあの日から……ずっとね。
   そして一昨日、あいつは最高の死に場所を見つけた。
   あんたを守り、宿敵である黄豹に一矢報える空をね。
   ―――あいつはきっと、幸せだったはずよ」

( ;ω;)「……」

ブーンちゃんは笑いはしなかったけど、きっと納得してくれたと思う。
手渡した眼帯を握り締めた彼の手は、あたしの想いも受け止めてくれたはずだわ。

だけどあたしはブーンちゃんに、ひとつだけ嘘をついた。

たとえ飛行機械乗りとはいえ、
まだまだ子供のあの子には、きっと理解できないことだと思ったから。




('A`)「あんたは死んでなんかいない」

ジョルジュが堕ちた日の深夜、どうしても眠ることが出来ないでいたあたしは、
満天の星に見下ろされた上部甲板の端に立ち、夜空を眺めていた。

('A`)「空には、命も死もない。あんたはただ、空気になって空へ還っただけ。
  どうせ今頃、あんたはあたしたちの気持ちなんか知りもしないで、
  ワタナベと一緒に、どこかの空を渡っているんでしょ?」

少しだけ寒い夜風が頬を撫でた。
揺れる髪を押さえて、あたしは文庫本を前に掲げる。

('A`)「ジョルジュ、忘れ物よ。あんたがクーに貸した小説。あたしが回収しておいたわ」

あの日、整備班の休憩室にクーが置き忘れていったジョルジュの小説。

別れのあいさつ代わりに、
あたしは、いつかクーが読み上げた、あの一節を口にする。




――加速の限界で、回生の息を戻し、生命を蘇らせ、
瞬時に振り返って、次の煙を見る。そのまた次の炎を確かめる。

どこまでも上がっていき。どこまでも。遠いところへ。
撃たれた奴だって、同じこと。みんな、どこまでも、上っていくんだ。

みんな、踊っている。違いは、なにもない。
周りには、空気しかない。なにもない。命も、死も――


('∀`)「クサイ台詞w あんたがこういうの好きだったなんて、知りもしなかったわw」

クスリと笑って、放り投げた。

それはどす黒い雲海へと吸い込まれ、すぐに見えなくなった。




('∀`)「ホントのこと言うとね、あたし、あんたのことちょっと好きだったのよ?」

視線を星空に戻して、呟いた。
答えは何も返ってこず、あたしの言葉が夜風に乗って流れていくだけ。

('∀`)「だけどね、あたしは薄情なのよ。
   死んだ人間のことなんていちいち覚えていられないわ。
   あんたから受け取った眼帯も、今度ブーンちゃんに渡すつもり。
   これまでと同じように、あたしは過去を踏みにじって前に進んでいくだけよ。
   あんたのことなんて、すぐに忘れてしまうわ」

笑いかけた空。やっぱり答えは、何も返ってこない。
空の声なんて、聞こえもしない。

('A`)「それに、あたしは飛行機械乗りじゃない。
   飛べないあたしがあんたと空で会うことなんて、あるはずがない」

不意に、目頭が熱くなった。
押し留めようとしても、それは別れの言葉と同じように、自然とこぼれ落ちていく。

(;A;)「だから……さようなら。ジョルジュ長岡」




('∀`)「ぶほほwww ちょっと泣いちゃったわ!」

涙をぬぐって、また空に笑いかけた。
一度外に出してしまえば、涙にも、言葉にも、感情にも、何も縛られることはない。

('∀`)「ブーンちゃんも、ツンも、クーも、モナーも、みんなみんな、空を飛び続けるわ。
   だからたまには、あんたもあいつらの前に顔を出してやんなさいよ?
   それと、もしあたしとあんたの間に何か糸の繋がりのようなものがあれば、
   その時はまた、あんたに会うことがあるかもしれないわねぇ」

夜風が冷たくなってきた。
そろそろ部屋に戻ろうと、夜空に背を向けた。


『うひゃひゃwwww オカマとなんか繋がりたくねーよwwwww』

『ダメだよ〜ジョルジュ〜、そんなこと言っちゃ〜』


背後から、懐かしい声が聞こえた気がした。




('∀`)「……気のせいだわね」

一瞬だけ立ち止まって、だけど振り返らなかった。
代わりに右手を上げて、呟いてあげた。

('∀`)ノ「チャオ。またね」

『おうよ! またな!』

『オカマさ〜ん、元気でね〜』

その声も、やっぱり気のせいだっただろう。
彼らはこんなところにはいない。いるとしたら、それは広い広い空のど真ん中だ。

上部甲板を抜け、自室へと戻った。
今度は不思議と、すぐに眠れた。そして、ちょっとだけ夢を見た。


ピンク色の飛行機械が、誰かの名前の色をした空を行く夢。


だけどそれは、覚めてしまえばすぐに忘れてしまう、ただの夢に過ぎなかった。




その二日後、ジョルジュの空葬のあとであたしが涙を流したのは、
空の蒼がとっても綺麗だったから。



ただ、それだけのこと。



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( ゚∀゚)が空を行くようです  おしまい




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