元より、私は不幸の星の下に産まれた

lw´‐ _‐ノv オギャーオギャー ギャギャー フゥ・・


王宮御用達の由緒ある占い師が、私が災いをもたらす存在だと予言したらしい
城の中では忌み子が産まれたとして大騒ぎだったようだ
つまり私は占い師のせいで産まれても歓迎されなかったのだ
おのれ占い師め ゆるせん


lw´‐ _‐ノv ・・・・・・


しかし占い師は正しかったらしい 私は何年間も身の回りに次々と災いを呼んだ
まず母が死に、乳母が倒れ、父は過労でグダグダ
国の財政は傾き、ゲームは必ずバグるという始末


lw´‐ _‐ノv 何で産まれてきたんだろうな、私


こんな暗い事を生後7年目にして考える聡明な自分
そんな私にも生後12年目にして救いの手は差し伸べられた
それは────


从 ゚∀从 治してやるよ、その体質


lw´‐ _‐ノv ・・・・・・

从 ゚∀从 ・・・・・・

lw´‐ _‐ノv ・・誰だ君

从 ゚∀从 ん? 魔術師だけど?

lw´‐ _‐ノv ほう・・ 私は姫だ

从 ゚∀从 知ってるよ、お姫様

lw´‐ _‐ノv ・・? 私は君の事を知らないのに君は私の事を知っている・・

lw´‐ _‐ノv ・・魔法か!

从 ゚∀从 ちっがーう


  第一話:厄姫さんと灰色魔術師さん

この自称魔術師は突然現れた 颯爽と現れた

ガッシャァーン

从 ゚∀从 ・・・・あれ?

突然過ぎた為、城中の護衛の者に捕まった
やはりアポは必要不可欠だと生後12年目にして悟る

从#゚∀从 うおーい! 何故捕まえる! 俺は不審者じゃなァーいッ!!

(#゚Д゚) どう見ても不審者だ! そこ入っとけ!

从#゚∀从 ええい、貴様ら俺をこんな牢で閉じこめられたと思うなよ・・!

lw´‐ _‐ノv ・・・・?


確かにこの自称不審者をこんな牢で閉じこめる事は出来なかった
間違えた自称魔術師だ
とりあえずこの自称ナントカは次の日、牢から姿を消していた


で、午後に私がバグりまくるゲームを相手に悪戦苦闘している時だった


从 ゚∀从 よっ! お姫様、また会えたな!

lw´‐ _‐ノv ・・うぉっ 君は自称黒魔術師君

从 ゚∀从 いや、別に黒という訳では・・

lw´‐ _‐ノv ん? じゃあ白?

从 ゚∀从 どっちも使えるぜ

lw´‐ _‐ノv マジか・・ 白と黒混ぜるとどうなるんだ・・?

从 ゚∀从 混ぜると凄くなるんだ

lw´‐ _‐ノv 凄いのか

从 ゚∀从 凄いぜ

どうやら凄い魔術師らしかった
ついでに白と黒を混ぜると灰色になる


从 ゚∀从 全く、こんな天気の良い日にテレビゲームか!

lw´‐ _‐ノv んむ、外は私にとって危険だからな

从 ゚∀从 ほう? やはり厄災が?

lw´‐ _‐ノv うん 散歩するだけでも命懸けなんだ

从 ゚∀从 でもテレビゲームもバグりっぱなしじゃ詰まらないだろう?
       他の家政婦さんとかと遊ばないのか?

lw´‐ _‐ノv ほとんどの人は私に近づこうとはしないよ 悪い事が起きてしまう
       だから、私もあまり近づかないんだ 一応例外な奴もいるが・・

lw´‐ _‐ノv ・・君も一緒にいない方がいいぞ

从 ゚∀从 なーに、私なら大丈夫だ!


从 ゚∀从 何故なら私は魔術師だからな!

lw´‐ _‐ノv 魔術師スゲー


どうやら魔術師は万能らしい
水陸空厄なんでも対応可能だ ガンダムなんて目じゃない


lw´‐ _‐ノv で、何か用かい? 万能魔術師君

从 ゚∀从 ん? だからその厄を呼ぶ体質を治してやろうかと思ってだな

lw´‐ _‐ノv なんと 治せるのか?

从 ゚∀从 君が望むなら治せるぜ

lw´‐ _‐ノv すぐに治せるのか?

从 ゚∀从 んー・・ とりあえずどれくらいの厄の強さなのかを調べなきゃならないね
       観察しなきゃならん

lw´‐ _‐ノv なるほど 俗に言うストーキングってヤツだな

从 ゚∀从 俗に言わーん


観察=ストーキングでは無いという事を知る
ところでストーキングってストッキングと似てると思う


で、そんなこんなで話してる時、護衛の者が颯爽と現れた


(;゚Д゚) あっ! こんな所にいやがった! シュー様になにしてやがる!

从 ゚∀从 ヤベッ みつかっちった

lw´‐ _‐ノv おお そういえば脱走してたんだったな、君

从 ゚∀从 そう 俺の華麗なる魔術でテレポーテーションを決め込んだのさ・・

(#゚Д゚) 嘘付け! 明らかにピッキングに使った針金落ちてたじゃねーか!

从 ゚∀从 ・・高尚なる魔術師は魔法を濫用しないのさ・・

lw´‐ _‐ノv ・・・・・・

(#゚Д゚) つべこべ言うな! 来いッ!

从#゚∀从 引っ張るな! 女の子だぞ俺は!

高尚なる魔術師は盗賊のスキルをも兼ね備えているようだ
移送方陣とか使えよ ロストミスティックとか使えよ

从 ゚∀从 あっ、お姫様! ちゃんと君の事観察させてもらうからな!

そしてストーカー的な捨て台詞を吐き捨て、護衛のものと供に消え去った
可愛いって罪


lw´‐ _‐ノv ふぅ・・

騒がしい二人が居なくなったマイルームで、何事も無かったかのようにゲームの続きに興じる
やはりバグっている 画面が恐ろしい事になっている
変な音が鳴り止まない 夜にやると凄く怖い雰囲気(何故か変換できる)だ

lw´‐ _‐ノv やめよっ

ゲームは辞め、読書にいそしむ事にした

lw´‐ _‐ノv ・・・あれ?

本が何故か水で濡れてた 読めぬ
読み途中だったのに オチ楽しみにしてたのに
犯人誰だよ 誰がアクロイドを殺したんだよ

lw´‐ _‐ノv うーん・・ 今日は何するかなぁ・・


私がやる事なす事、必ず裏目に出る
そうして身動きが出来なくなる まさに悪循環
同世代の友達なんていない 友達なんて作ったら不幸にしてしまう
私だけが不幸で充分なのだ

lw´‐ _‐ノv うーん 12歳にしてこんな事考える私、くーるでかっこいい

こんな恥ずかしい思考が私を蝕みそうになったが、何とか正気に戻れた
やっぱ友達欲しい

lw´‐ _‐ノv ・・本当なのだろうか

lw´‐ _‐ノv あの魔術師が言ってた事は・・

lw´‐ _‐ノv ・・いいや、もう寝よ 早いけど



「溺れる者は藁をも掴む」
まさに私は溺れていた
そして私にとって魔術師は藁だった(笑)      ←このギャグ面白くない?


[牢屋]

从 ゚∀从 ふーむ・・ なかなか立派な厄をお持ちのようで

从 ゚∀从 (しかも本を濡れさせるとは・・ 水呼びまでするのか)

(,,゚Д゚) ん? 何やってんだお前 また脱走する気か?

从 ゚∀从 違うっつーの! 鏡見てんだっつーの!

(;゚Д゚) えぇ・・ 鏡見て独り言とか・・ やっぱりヤバいヤツだなお前

从#゚∀从 えぇい、人をイライラさせるのがうまいヤツめ・・

从 ゚∀从 (ま、何にしても観察させてもらうかね・・ 成功したらお金たくさん貰おう)

(,,゚Д゚) ?


私の朝食はほとんど一人だ


lw´‐ _‐ノv モグモグモギュモギュ

私と一緒にご飯を食べる人は、ほとんど嫌な顔をする
両親とも最近はめっきり食べない
昔、一緒に食べた時は食中毒騒ぎになった
自分に降りかかる厄より、相手に招く厄の方が大きいらしい

lw´‐ _‐ノv ごちそうさま

一人でご飯食べるのは健康に悪いらしい
やはり私は長生き出来そうもない

lw´‐ _‐ノv ・・・・・・

食後は何もする事が無いので、テレビを見る
私がテレビを点けると、いつもチェスとかゴルフしかやってない
興味は無いのに知識だけは増えていく パターに関しては完璧だと自負する


lw´‐ _‐ノv 久々に外行ってみるか

私が一人で外出するのは月に一度あるかないかぐらい珍しい
一人で外出は極力避けてるが、どうしても出たくなる時がある
時には日に当たらねばもやしになってしまう
この日は城の敷地外まで行ってみる事にした


(,,・д・)(゚ω゚=) キャッキャッ


同じ年ぐらいの子供達が遊んでいる


lw´‐ _‐ノv やぁ、おはよう

(,,・д・) (=゚ω゚) ! ・・・

д・;)(゚ω゚;) ・・・・・・

lw´‐ _‐ノv ・・・・・・

やはり私の姿を見るとどこかへ行ってしまう
親から関わるなと言われているのであろう 当然といえば当然だ
昔私と一緒に遊んだ子供は腕を折ってしまった
それ以来会ってない 会わせてもらえない
まるでロミオとジュリエット 罪な女だな私は


当然私自身にも厄は降ってくる


lw´‐ _‐ノv ぬわっ
コケる

lw´‐ _‐ノv ぐおーっ
人とブツかる

lw´‐ _‐ノv ぶくふくぅうぅ・・
水に落ちる

lw´‐ _‐ノv ごぶっ
物が飛んでくる

lw´‐ _‐ノv いや、やってないッスよ・・ ぼく姫ッスよ・・ いやマジで・・
万引きの嫌疑をかけられる


lw´‐ _‐ノv ・・帰るか


いつも服はボロボロだ

lw´‐ _‐ノv ただいま

川 ゚ -゚) おや 姫様ボロボロでございますよ
     一人で外出なんて危ないじゃないですか

帰るといつもこのメイドさんが出迎えてくれる
名前はクーだ  ロングスカートと黒いメイド服がよく似合う
私と遊んだりまともな会話をしてくれる唯一の人間だ
どうやら世の中には厄を寄せ付けない人間も多少いるらしい

川 ゚ -゚) ご飯が出来ておりますよ 早くお着替えになって下さい

lw´‐ _‐ノv ありがとね

クーが休みの日はいつも一緒にご飯を食べ、一緒に遊ぶ
ただ職業柄、週一でしか休みを貰えない
そして何故か休暇中は専らジャージだ
仮にも姫の前でジャージなのはいかがなものかと思う


川 ゚ -゚) オススメはユニクロですよ

lw´‐ _‐ノv 聞いとらん


lw´‐ _‐ノv ズルルル

今日の昼食はラーメンだった
普通に美味いぞこれ
メイド恐るべし 転職したらどうだろうか
メイド喫茶ならぬメイドラーメンみたいな
間違いなく流行らない

lw´‐ _‐ノv ズルルルルルルルル

ところで、私はラーメンを食べる際、途中で麺を噛み切らずに食べるポリシーがある
こうする事により1.5割り増しで美味しく食べる事が出来るのだ


lw´‐ _‐ノv ズルルルルルルルルルルルルル

lw´;‐ _‐ノv ズルル・・ズッズッ・・コフッ・・ グッ・・


何故かあのメイドの作るラーメンは麺がすごい長い
危うく過呼吸で倒れる所だった 何してんのメイド
これも厄のせいなのか
それとも私のポリシーのせいなのか
私は十中八九ポリシーのせいだと思う


lw´;‐ _‐ノv ハァ・・ハァ・・ オェッ・・

川 ゚ -゚) どうしたのですか、そんな壮絶な顔して

lw´;‐ _‐ノv いや、何でもない・・

壮絶な昼食を終えた後は勉強だ
教育係には先ほどのメイドが受け持ってくれる
私が相手だと他の人だと勤まらない

川 ゚ -゚) えぇと、じゃあ今日はですね アレやりましょう ジェンガ

lw´‐ _‐ノv どんとこい


こうして勉強という名のジェンガで時間を潰す
彼女と一緒にいる時は幸せだ 彼女は唯一私と遊んでくれる
厄を吸い取ってくれるのだろうか、私自身にも悪い事は起こらない
メイドって万能  魔術師なんて目じゃない


lw´‐ _‐ノv あぁ、楽しかった 面白いなジェンガ

川 ゚ -゚) 知ってますか? ジェンガって元々崩し将棋が元祖なんですよ

lw´‐ _‐ノv えっ? 本当?

川 ゚ -゚) 嘘です

lw´‐ _‐ノv ・・・・・・

川 ゚ -゚) ・・・・・・

このメイドは嘘の常習犯だ
年齢も15歳と言って譲らない
嘘のセンスはズレている

川 ゚ -゚) そういえばお聞きになりました?

lw´‐ _‐ノv んあ? 何が?

川 ゚ -゚) お父様の容態が悪化しているとの事ですが

lw´‐ _‐ノv ・・・・・・

悪質な嘘は言わないのがメイド・ポリシー
ポリシーという単語が短時間で一杯出て来た気がする
何かポリシーって言葉が別の言葉に見える


lw´‐ _‐ノv 父上、休んでるのか?

川 ゚ -゚) いえ、体調を崩されながらも働き通しで御座います
      賢王と呼ばれるだけの事はありますが、そろそろ限界かもしれません

lw´‐ _‐ノv ・・代理の者は頼まないのか?

川 ゚ -゚) あれでいて頑固ですから

lw´‐ _‐ノv ・・・・・・

川 ゚ -゚) お会いに行って励ましては如何でしょうか

lw´‐ _‐ノv ・・私が行くと、父上に悪いからな もっと体調が悪化するかもしれん

川 ゚ -゚) ・・そうですか

lw´‐ _‐ノv ・・・・・・


父は良い王だと思う なんだかんだでこの国を保たせ続けている
滅ぶのも時間の問題だと思うのだが
とりあえず難しい事は考えずに昼寝する事にした


──なんだかんだで晩御飯
寝て起きて食べて寝る それが姫スタイル 別名ニートスタイル
晩御飯は私の好きなものを作ってくれる


川 ゚ -゚) 姫様、ディナーは何がよろしいでしょうか?

lw´‐ _‐ノv うーんそうだなぁ 寿司とかいいなぁ

川 ゚ -゚) ネタは如何致しましょう

lw´‐ _‐ノv それじゃあ玉子とツナと・・ カッパとコーンで

川 ゚ -゚) 安ゥッ 倹約家でございますね、姫様

lw´‐ _‐ノv いや、単に好きなだけなんだが・・

川 ゚ -゚) それでは少々お待ち下さい安姫様

lw´‐ _‐ノv ・・・・・・


嫌がらせかこのやろう  何だよ安姫って


lw´‐ _‐ノv うん やはり軍艦ネタはいいなぁ

川 ゚ -゚) おいしゅうございますか

lw´‐ _‐ノv うん ありがとう

川 ゚ -゚) ところで、どうして「軍艦」っていうか知っていますか姫様?

lw´‐ _‐ノv そういえば知らないな・・ どうして軍艦っていうんだ?

川 ゚ -゚) いや、知りませんが

lw´‐ _‐ノv ・・・・・・

川 ゚ -゚) ・・・・・・


話振るなよ



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