川 ゚ -゚) 姫様

lw´  _ ノv ・・・・・・

川 ゚ -゚) 姫様、起きて下さい

lw´ _ ノv ・・・・・・

川 ゚ -゚) 姫様、もう朝ですよ 姫様ってば

川 ゚ -゚) ・・・・・

川 ゚ -゚) 姫様・・・・


朝が来ても姫様は起きません
うなされている声も出さず、ただジッと寝ているだけです
私が好きな姫はこんな姫では無いですのに





  第二話:厄姫さんと黒色家政婦さん




lw´ _ ノv ・・・・・・

( <●><●>) ううむ

川 ゚ -゚) 起きませんよお医者様

( <●><●>) 少しマズイですね 熱も相当出てるようです

川 ゚ -゚) じゃあ早く冷ましましょう 冷蔵庫ならそこにあります
      姫様を中に入れましょう さぁ早く

( <●><●>) いや、いいから落ち着いて下さい

川 ゚ -゚) 落ち着いてますよ ふざけないで下さい なめてんですかすっとこどっこい

( <●><●>) ・・・・・・

川 ゚ -゚) ・・・・・・

全く失礼な医者です クールが代名詞な私に落ち着けなどとは笑止千万
あなたが落ち着きなさいあなたが


川 ゚ -゚) 何でもいいから早く姫様を起こして下さい
     今回も姫様の一人称視点のつもりだったんですから
     話が進めづらい事山のごとしですよ

( <●><●>) そんな理由であなた・・

川 ゚ -゚) とにかく起こして下さい 早く お願いします先生

( <●><●>) もうやれる事は全てやりましたよ
        あとは姫自身の体力の問題です

( <●><●>) 私たちには、もう声をかけ続ける事以外に出来る事はありません

川 ゚ -゚) ・・・・・・

川 ゚ -゚) 姫様 起きて下さい 姫様

( <●><●>) ・・・・・・

川 ゚ -゚) 姫様ぁ


川 ゚ -゚) ・・皮肉なものですね

( <●><●>) 何がでしょうか

川 ゚ -゚) 只のメイドの私がずっと寄り添い続けているのに
     血を分けた肉親は見にすらこないなんて

( <●><●>) ああ、それは私が来ないように警告しておいたんです
        他の人達にも同様ですが

川 ゚ -゚) ? 何故ですか?

( <●><●>) 気付いてないんですね やはり相当焦っていますよあなた

川 ゚ -゚) ?

( <●><●>) 私の腕を見て御覧なさい

川 ゚ -゚) おや

( <●><●>) 真っ赤に焼け爛れているでしょう? 昨日シュー様の傷を手当てした時からです

川 ゚ -゚) ・・・・・・

川 ゚ -゚) オッコトヌシの呪いですか?

( <●><●>) 違います


( <●><●>) 数年前にシュー様の傷を手当てした時がありましたが、こんな事は初めてです
        相当厄が強まっているんですよ

( <●><●>) 正直、私はこの場に居るだけで辛いのですよ
        何かに押し潰されそうな感覚に襲われるんです

( <●><●>) あなたは厄を寄せ付けない体質だから分からなかったのでしょうが・・
        一般人をこの部屋に入れる事は危険なんです

川 ゚ -゚) ・・・・・・

川 ゚ -゚) お医者様、ありがとうございました 今日はもうお引き取り下さい

( <●><●>) ・・何かあったら連絡下さい

川 ゚ -゚) それではお気を付けてお帰り下さい
      特に野性のプロレスラーとかに気を付けて下さい

( <●><●>) はい とにかくあなたは落ち着いて下さい


だから私は落ち着いているというのに この医者は全くなってませんね
自分の方がパニックだという事に気付いていないのでしょう
私の中ではもうヤブ医者の評価ですからね


[牢屋]

(,,゚Д゚) うぅむ・・ んむぅ・・

从 ゚∀从 んぁ、どうした牢番 変な声出して

(,,゚Д゚) んん・・ シュー様の容態が心配でなぁ

从 ゚∀从 へぇ 見かけによらずロリコンなのか

(,,゚Д゚) 馬鹿か
     ・・心配じゃねぇかよ 相当危険らしいぞ

从 ゚∀从 いつもの天然ボケはどこへ行った!
      お前に真面目な台詞は似合わんぞ牢番!

(#゚Д゚) お前なぁ・・



(,,゚Д゚) ・・そういえばお前、魔術師らしいな

从 ゚∀从 ん?


(,,゚Д゚) ここに来たのもシュー様の厄を祓う為なんだろ? あんま信用ならんが・・
     その魔法でサクッと怪我治したりとか・・

(,,゚Д゚) ・・いや、出来る訳ねぇよなぁ・・

从 ゚∀从 あぁ、うん

从 ゚∀从 出来るけど?




(,,゚Д゚) 

从 ゚∀从 

(,,゚Д゚) 

(,,゚Д゚) 今すぐ治してこい

从 ゚∀从 料金制ですわよ


(#゚Д゚) おまっ・・ 人の命がかかってんのに金かボケッ!

从 ゚∀从 「地獄の沙汰も金次第 私の心も金次第」 byハイン
      万屋ハインちゃんをどうぞよろしく  あっ、これ名刺ね

(#゚Д゚) 何の宣伝だ!

从 ゚∀从 しかしお前、何であいつの為にそんなに必死なんだ?
      こいつは裏がありそうじゃねぇか

(,,゚Д゚) ・・そんなのどうだっていいじゃねぇか

从 ゚∀从 ・・そんなにロリコンだという事を隠さなくても・・

(#゚Д゚) 違うっつーのッ!!

从 ゚∀从 ま、大金を支払ってくれるなら考えなくともないな
      なにせ人命ですから なはははは

(#゚Д゚) くそっ! ブス! カス! ゴミッ! 癖毛!

从 ゚∀从 小学生かお前は・・


[深夜]

lw´  _ ノv ウーン・・・

川 ゚ -゚) 大変、熱が上がってますね 今取り替えるから待っていて下さい

頭にのせておいた濡れタオルが熱くなっていました
何度取り替えてもすぐに熱くなってしまいます
負けじと何度も何度もタオルを取り替える作業が続きました


川 ゚ -゚) お待たせしました、冷たいタオルですよー

lw´  _ ノv ・・・・・・

川 ゚ -゚) ・・・・・・

川 ゚ -゚) ん? ・・・・

川 ゚ -゚) あ、これ雑巾だ


lw´  _ ノv グゥ・・

川 ゚ -゚) しかし姫様、もう夜ですよ 怒りますよ私

lw´  _ ノv ・・・

川 ゚ -゚) このままだと姫様の服を全部ジャージにしますよ
     ジャージ姫って呼ばれますよ

lw´  _ ノv ・・・

川 ゚ -゚) 

川 ゚ -゚) 本当に起きてはくれないのですね・・


私が人生において「怖い」と思ったのはこの時が初めてでした


lw´  _ ノv 

川 ゚ -゚) 

私の中に目覚めた不安と恐怖は、いつしか私の理性を壊していたように思います
抑えきれない感情が溢れ出して来ました

川 ゚ -゚) ・・・・・・

川 ゚ -゚) ・・「まだアナタは行動に出ない」んですね?

川 ゚ -゚) そろそろ出てきたらどうですか?
     「視て」いるんでしょう? いつまで動かない気なんですかアナタは?

川 ゚ -゚) ・・・・・・


川  -) ・・・・・・


川#゚ -゚) ・・いい加減に出てきなさいッ! ハインリッヒッ!!
     いつまでも傍観者でいるのは許しませんッ!!

...::::;;;从  

..::;゚∀从 ・・そんなに怒鳴るなよー 初めて聞いたぞ怒鳴ってる声・・
      それにこの移動疲れるんだっt

川#゚ -゚) 黙りなさいッ! 私は焦っているんですッ!
      いきなり何ですかこの急展開はッ! まだ二話目なのにッ!

从;゚∀从 いや、俺に言われても・・ とりあえず落ち着こう、なっ!

川#゚ -゚) ・・何故今まで何もしに来なかったんですか
      私が依頼した「厄を祓う事」だけがあなたの仕事という訳ですか?

从;゚∀从 いや、まぁ・・ そんな感じだったり・・ 違うかったり・・
      頼むから落ち着いてくれ シワ増えるぞ

川#゚ -゚) ・・まぁいいです あなたに新しい依頼をしましょう
      とっとと姫様を治して下さい

从 ゚∀从 ・・あぁ、その事なんだがな・・


从 ゚∀从 結論としては「必要無い」んだ
      治す必要が無いんだよ

川 ゚ -゚) 

从 ゚∀从 

川 ゚ -゚) 舌引きちぎりますよ

从;゚∀从 頼むから話を聞いてくれ・・

川 ゚ -゚) それでは聞きましょう 何を仰ってるんですかアナタは
      返答次第ではもう喋れなくしてさしあげます
      焼き肉屋に舌売りつけますからね

从 ゚∀从 ・・あの姫の場合、手を加えると逆効果なんだよ

川 ゚ -゚) ?


从 ゚∀从 厄を呼ぶ体質の人間は少なからずいるんだが・・
      あの姫の場合は希なケースでね

川 ゚ -゚) ほう

从 ゚∀从 簡単に言うとだな・・ 一般的に不幸な奴は「厄を呼ぶ」体質なんだ
      だがあの姫の場合は特殊でね
      「姫自身が厄を持っている」んだよ

从 ゚∀从 そもそも厄っつーのはな、「人為的な物を排除」しようとする力の事なんだ
      天変地異が周期的に起こったりするのも、自然が文明を破壊しようとしている為なんだ
      勿論人間自身だって厄の影響をモロに受ける 本人だって例外じゃない

从 ゚∀从 ・・それにだな、厄の特徴として
      「為す事柄が大きい程、大きな災いをもたらす」んだ
      だからこれほど大きな怪我を治療するとなると逆効果だ

从 ゚∀从 そして厄を持つ本人に意識が無いとなるととんでもない事になる
       魔法でガードしてるとはいえ、この部屋にいるのはちょっと辛いしな・・

川 ゚ -゚) ・・・・・・


川 ゚ -゚) なるほど つまりこういう事ですね

川 ゚ -゚) 「姫自身の回復力に身を委ねる」だけだと

从 ゚∀从 うん そゆこと

川 ゚ -゚) よし、舌を引き抜かれる準備は良いですか?

从;゚∀从そ えぇー!? 俺ちゃんと説明したよな!?

早速ハインの舌を買ってくれそうな焼き肉屋を手配しなければ
まぁ彼女の舌なんて買ってくれる人居なさそうですが

川 ゚ -゚) 理由なんてどうでも良いんですよ
     そんな結論なら無論引きちぎりますよ

从;゚∀从 もう結論先に言ってたじゃないか俺・・

川 ゚ -゚) とにかく私は彼女を助けたいんです ただそれだけなんですよ

从 ゚∀从 ・・・・・・


从 ゚∀从 ・・ま、最終的な俺の見解を言うとだな

从 ゚∀从 助かるよ、ちゃーんと

川 ゚ -゚) ・・何故そう言い切れるんですか? 慰めのつもりですか?

从 ゚∀从 クーよ・・ お前に問題を出そう

从 ゚∀从 「何故厄を持つシューが今まで無事」だったと思う?
      「何が厄を引き起こす」んだと思う?

川 ゚ -゚) ?

..:::;;;∀从 ・・じゃ、看病頑張れよーい

川 ゚ -゚) ! ハイン、待ちなさい! ハインッ!

川 ゚ -゚) ・・・・


本当に昔から逃げるのだけは得意な人です
聡明たる私を混乱させる捨て台詞付きとはいい度胸です
少しは自重しなさい 伏線回収出来なかったらどうするんですか


lw´  _ ノv 

川 ゚ -゚) ・・・・・・

川 ゚ -゚) 信じますからね、ハイン


彼女を信じるとは、流石の私も少々混乱していたと認めざるを得ません
ですが仮にも有名魔術師の上、私の様に嘘も付かない人柄
以外と励ましにはなりました その事には感謝しましょう

今から私は徹夜です
姫が起きるまで寝ませんよ───

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───はじめまして───

・・・・?


───返事は無しでしょうか?───

え・・? あぁ・・? んぇ? こ、こんちはっ


───どうやらお腹を刺された様ですね───

ん・・? まぁ・・ そうみたいだが・・ え? ん? 何だコレ?


───これはお気の毒に きっと逃れられない運命だったのでしょうね───

ああ・・ あれほど厄い日はそうそう無いな・・


・・というか誰だ君? そして何だこの空間? 夢の中か? 声しか聞こえないぞ

───ほら、よくあるじゃないですか 漫画とかで───


あぁ、あるな・・ 主人公補正でパワーアップする時とか・・
内なる自分のもう一人の声が聞こえるみたいな・・ 天の声みたいな・・

───まぁそんな感じのやつです───


ほう じゃあ私はパワーアップ出来るのか? 覚醒するのか?

───どこか覚醒させたい所でもあるのですか?───


うむ・・ スタイルをもうちょっとセクシーにしてもらいたいんだが

───子供はそれぐらいで丁度良いのです いや、それが良いのです───


ロリコンがお前

───失礼な 守備範囲が広いだけです───


世も末だな

───まぁそう仰らずに───


で、天の声よ

───何でしょう?───


本当にお前は何者だ? どんな目的で話しかける?

───そんな事はどうだって良いんですよ今は いずれ分かる事です───


お前は私の不幸体質に何か関係あるのか? そしてどれほど伏線を増やす気なんだ

───ノーコメントです───


どうも裏がありそうだな

───ふふふ 悩みに悩みぬいて下さい どうせわかりっこないですから───


何か悔しいな

───ま、どうせ起きたら忘れてるんです 気楽にしていて下さい───


───で、そろそろ起きたら如何ですか?───

なんだ、やはり私は眠っているのか
・・夢の中ならもう少し寝ていたいんだが


───駄目ですよ あなたは早く起きなければならない───

何故だ? というか私はどれほど眠っているんだ?


───この時点で3日目ですね───

なんと もう三週目プレイか・・ 十週目ぐらい目指したいものだ


───駄目ですって───

何故だい 心地いいんだよこの空間は




───あまり従者を泣かしてはいけませんよ───


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