(;゚Д゚) ・・ハァ、ハァ・・・・・ 結構走ったな・・

汗がダラダラと額から落ちる ダラッダラッ
結構城に近づいたみたいだ 時間はまだ余裕がある
思考も何とか回復した 何ださっきの俺の発想 ちょっとヤバかった
地球が丸いのは表面張力がどーのこーのだ 多分
よし、冷静だ俺

(;゚Д゚) うむ・・ これぐらい時間があれば流石に大丈夫だろう
     油断は出来ないがな・・

(,,゚Д゚) ・・よし、ここからは歩きながら体力回復をしよう
     街の風景を眺めながらゆっくり歩くぜ

出来る限り体力を温存する事にした
テスト時に体力が残ってなかったら本末転倒だからな


城が近くにあるせいか、周りの風景も華やかになった
そういえばちらほら騎士っぽい奴も歩いたり馬に乗ったりしている
ああ、いいなぁ馬 俺も乗りたい 世話してやりたい
騎士になって出世すれば、きっと貰えるはずだ

(,,゚Д゚) 動物っていいよなぁ
     嫌されるっつーか・・ もうこの際猫でもいいかな

猫も良いなぁ 欲しいぜ
出来ればあんまり綺麗過ぎない奴がベストだ
そこら変の野良猫っぽいのが一番可愛いぜ



(,,゚Д゚) そういや、よく見たら城に向かって歩いてる奴が何人かいるな・・
     俺と同じ騎士志望なn・・ ん?

そんな事を考えつつ、ゆっくり歩きたかったがどうも叶わない様だ
ふと目がいった路地裏、そこには──


[路地裏]
  _
( ゚∀゚) ・・よう、また会えたなトソンさんよ

(゚、゚トソン ・・また君か 懲りないね
     流石の僕も君の執念深さには辟易するよ
     逆恨みもいい所じゃないか
  _
( ゚∀゚) 辟易? 辟易って何だコノヤロウ
     三行以内で説明しやがれ

(゚、゚トソン えっ? 辟易・・ 三行か・・ えぇと・・
      「嫌気がさす」かな
      あぁ、駄目だ一行だ・・
  _
(# ゚∀゚) 俺だってテメェには嫌気がさしてんだよ!
     何度も何度も俺の仕事の邪魔しやがってッ!
     今回ばかりは容赦しねェ! 俺の怨みをくr


           _  て
-ニ三(,,#゚Д)つ#); ゚∀)そ らいやgっぶへオァ!? 
      ドッグッシャァッ!!

(゚、゚トソン !?


(#゚Д゚) お前かッ! お前かッ! フラグはお前かッ!
     何度も何度も邪魔しやがってえええええちくしょおおおがあああああッ!!!!
     死にさらせえええええええああああああああああああああああああああッッ!!
  _
(#):;∀゚) なっ?! 何だお前いきなrゲブフゥッ! ちょ、やmドフゥッ!
バキッ! ドゴァッ!!

(#゚Д。) 畜生ッ! へし折ってやらァ! 邪魔すんじゃねェ畜生がッ!
     乗らせろ! 馬にッ! 馬ッ! 猫ッ! 猫欲しいいいいいいイィィィッ!!
  _
(##)∀") ちょ、もうやm・・ y g・・・ ・・・・・・・・・
ドガッ!バキッ!!


(゚、゚;トソン き、君、いきなりどうしt・・

(#゚Д゚) 御礼ノーッ! ノーセンキューオ・レー!!

(゚、゚;トソン ・・!?


しまった、うっかり錯乱してしまった
イカンイカン、得意の英語を無意識に使ってしまうとは 反省しなければ

(;゚Д゚) ハァ・・ハァ・・ すまない、取り乱してしまった・・
     ただ君が襲われそうな雰囲気だったから仲介に入っただけだ・・

(゚、゚;トソン そ、そうかい まぁ、えぇっと、助かったよ ありがとう
      仲介ってレベルじゃないけども・・
  _
(##)∀";) ・・・・・・

(;゚Д゚) それじゃ、俺はこれで・・ 次から気を付けてな・・ハァ・・フゥ・・

(゚、゚トソン あ、ちょっと待ってくれ 助けてもらって何もしないのもアレだし
      僕に御礼でもさせてくれないか

(;゚Д゚) いや、いい! 俺、本当に急いでいるから・・ 城に行かなきゃ・・
     それじゃ!

(゚、゚トソン (城?)


(;゚Д゚) 時間は・・ まだ何とか大丈夫だな

何とか本日4人目の御礼を断り、その場を後にする
もう何物にも構っている暇は無い
このまま歩き続けなければ

(;゚Д゚) くそっ、駄目だ このままでは絶対にまた何かに巻き込まれる!
     次は多分悪の組織に負われている人が登場する展開だ!
     いや、もしかして俺自身が既に追われているのかもしれん!
     そう、多分俺は過去に何かを託された救世主でナンタラカンタラ・・・・

(;゚Д゚) ・・やばい、冷静になろう 少し焦りすぎだな俺
     流石に一日に何回も何回も・・

さっきから多々思考がおかしくなっている
ここはクールダウンだ とにかく焦ってはだm


(゚、゚トソン ・・やっぱりちょっと待ってくれ、君



(;゚Д゚) うわああああ今度は何だああああああああ追っ手かあああああああッ!!
     俺は救世主なのかあああああああああああああッ!!

(゚、゚トソン !?


(;゚Д゚) ・・あ、あぁ、さっきの人か・・ 一体どうしたんだ?
     すまんが俺には待っている時間は無いんだ

(゚、゚トソン 歩きながらで良いよ しかしさっきから大丈夫かい君・・

(;゚Д゚) いや、気にしないでくれ で、まだ何か用か?

(゚、゚トソン もしかして今日城に向かうとしたら騎士志望なのかな、と思って

(,,゚Д゚) あぁ、実はそのとおりなんだ
     今日はどうしても間に合わなくちゃいけなくってな
     今回の試験は絶対にパスしなきゃならないんだ、絶対に

(゚、゚トソン それだったら安心してもいいと思うよ
      まだ時間には余裕があるし

(,,゚Д゚) いや、実は遅刻フラグを立ててしまって・・
     さっきから何人も困っている人が目の前に・・
     どうにも放っておけなくて・・

(゚、゚トソン えぇー・・ 何だか凄い理由だなぁ・・


(,,゚Д゚) で、そんな遅刻しそうな俺に何のようだ?

(゚、゚トソン うん、やはりきっちりと御礼はしておこうかな、と思ってね
      僕の性格上気が済まないんだ

(,,゚Д゚) だから良いって・・ 御礼を受けている暇も無いんだよ
     また誰か困ってる人がいたらもう俺は終わりだ・・

(゚、゚トソン うーん・・ そうか・・

(゚、゚トソン ・・ああ、じゃあこうしようか


(゚、゚トソン 困ってる人が居たら、僕が代わりに助けてあげるよ


(,,゚Д゚) ・・んえ?

(゚、゚トソン 絶対に今回の試験で騎士に成りたいんでしょ?
      これも何かの縁だ 是非とも手伝わせて欲しいな
      「人助けの手助け」っていうのも何かおかしいけどね

(,,゚Д゚) ・・・・・・

(,,゚Д゚) ・・あ、ありがとう

(゚、゚トソン 御礼だよ、オレー


俺はこの女性と一緒に城を目指す事になった
名前はトソンというらしい 言い辛ッ
本当に律儀で礼儀正しい人だ

(,,゚Д゚) いやぁ、しかし助かるよ
     やっぱり人助けってやってみるもんだな

(゚、゚トソン 君の場合それで泥沼にハマってしまうみたいだね
      希に見る正義漢だよ

(,,゚Д゚) そうか? 君の方がそんな感じするが
     礼儀正しいなぁ、しかし

(゚、゚トソン そうかい? これはもう先天的なものだから治しようが無いなぁ

(,,゚Д゚) ところでさっき何で絡まれてたんだ?
     セクハラされそうになってたとか?

(゚、゚トソン あぁ、ちょっと逆恨みされてね
      因縁つけられてただけさ 君が気にする事は無いよ

(,,゚Д゚) そうか 白い神父っぽい奴には気を付けろよ

(゚、゚トソン ?


(゚、゚トソン しかし何だ このペースならもう一安心じゃないかな

(,,゚Д゚) いやいや、油断したら駄目だ
     油断したらまた壁が立ちはだかってくるんだなコレが

(゚、゚トソン ・・本当だ 壁、立ちはだかってる

(,,゚Д゚) へ?



l从;∀;ノ!リ うぅ・・ おっきぃ兄者ぁ・・ちっちゃい兄者ぁ・・ あうぅ・・


(,,゚Д゚) (あらら・・)

そこには泣いている7,8歳の女の子
見た目からして、迷子になっているという事がハッキリ分かる
その子に話しかける人も数人いるが、その子は怖がって怯えるばかりだ

(゚、゚トソン 早速任せてくれ 僕があの子の処理をしよう

(,,゚Д゚) 「処理」って、仮にも人なんだからさあ・・


(゚、゚トソン 君、保護者と離れちゃったのかい? 僕が一緒に捜してあげよう

l从;∀;ノ!リ うっ、うわああああああっ! 兄者ああああぁあぁッ!
 ビクッ

(゚、゚トソン あっ・・ ご、ごめんよ 怖がらせるつもりじゃ・・

l从;∀;ノ!リ うあああああああ・・っ! うえええええええ・・っ!

(,,゚Д゚) お、おい 大丈夫か?

(゚、゚トソン いや、君はいいから早く城へ向かうんだ
      僕が何とかするから、君はとにかくテストを受けなくっちゃ

(,,゚Д゚) そ、そうか・・ すまん、任せたぞッ!

泣き声を背中に受けつつ、俺は走る
本当に大丈夫だろうか、心配が胸を包む
だが彼女が折角俺の為に手助けしてくれたんだ 行くっきゃない


(゚、゚トソン ・・彼は行ったか 大丈夫だと良いんだけど・・
      さて、それじゃあ僕はこの子を何とかしないと

l从;∀;ノ!リ あうぅ・・ えぐぅっ・・ っぅうう・・

(゚、゚トソン ほら、涙を拭いて
      僕が君のお兄さんを捜してあげるよ

l从;∀;ノ!リ えぐぅ・・?

(゚、゚トソン さぁ、手を繋いで一緒に歩こう

l从;∀;ノ!リ いやなのじゃぁー! 兄者達とじゃないと嫌なのじゃあーっ!
        あっち行けー! うあああぁっ!

(゚、゚;トソン うぅ、困ったなぁ・・


もうかなり城に近づいた様だ
あと1kmも歩けば無事に到着だろう 時間はギリギリだ
いやぁ、長かった 本当に長い道のりだった

(,,゚Д゚) ふぅ・・ もう大丈夫だろう
     トソンも手伝ってくれた事もあって、何とかなったぜ

(,,゚Д゚) しかし、ちゃんと見つかったかなあ保護者
     ・・むぅ、心配だ

だが俺はこんな心配をしている場合では無い
やっと念願の騎士になれるかどうかの窓際 いや、瀬戸際なのだ
そして何より俺の平和な生活を守る為だ

(,,゚Д゚) ぐ・・ 柄にもなくちょっと緊張してきたな・・

気を取り直して俺は身を引き締める
いざ、城へ  待っていやがれ一次試験


(,,゚Д゚) よし! 気合入れて早速いk

(; ´_ゝ`) 弟者! どうだ、妹者は見つかったか!

(´<_` ;) 駄目だ兄者! どこにもいないッ!
      大分離れてしまったのかもしれん!

(; ´_ゝ`) 何ぃ・・ まだ小さい女の子だぞ!
       人見知りだってするんだ きっと怖がっているぞ


(,, Д ) 



やばい
やばいやばいやばいやばい
やばいやばいやばいやばいやばいやばいやばい

これは絶対にさっきの子の兄達だよ 絶対そんな展開だよ 畜生神様このやろう何やってんだボケ
どうしよう、俺はあの子の居場所を知っている 何で知ってるんだよ俺の馬鹿畜生ボケ
もうあの場所には居ないかもしれないが、トソンと一緒だろうから俺なら簡単に見つけられるだろう
だが、ここで引き返したら、人助けしたら

俺の生活は終わりだ


(; ´_ゝ`) ・・あっ! おい、そこの君!
       今俺達は人を捜しているんだが、少し良いか?

(;゚Д゚) ・・あっ? い、いやぁ・・ えぇえっと・・ ぅうん・・?

(´<_` ;) まだ幼い女の子で、全然似ていないが俺達の妹なんだ
      口調は語尾に「なのじゃー」をつける子なんだが、あんた見てないか?
      きっと怖がっている

(;゚Д゚) ・・・・

冷静になれ、俺
ここでの決断は、簡単だが俺の人生を決める重大な決断だ


まず俺は城を真っ直ぐ目指して来たから、口でその子を見た場所を上手く説明出来ない
つまり場所を教えるには実際にその場に行く必要性がある 絶対に間に合わない

だが、時間は掛かるかもしれないがきっと妹は見つかるだろう
それにあの子にはトソンが付いている 危険では無いはずだ

そして、俺はトソンに助けられたおかげでここまで来れた
ここで俺が引き返すのは、彼女の手助けを無下に扱うと同義だ
「任せてくれ」と言った彼女に対してあまりに失礼な行為であろう

他人の一瞬、それも解決の光が既に見えている一瞬か
自分の一生、それも泥沼にはまるかもしれない一生か


(,,゚Д゚) ・・・・・・

(,,゚Д゚) (・・アレ? よく考えたら迷う必要無いよな・・ アホらしい気がしてきたぞ・・)

(; ´_ゝ`) おい、やっぱり知らないか!? 知らないなら知らないで良いから!

(,,゚Д゚) ・・・・・・

(,,゚Д゚) それは────


(゚、゚;トソン ──困ったなぁ、全然懐いてくれそうにない

l从;∀;ノ!リ うう・・ 兄者ぁ・・

(゚、゚トソン (騎士団を呼んで保護してもらうのも手だけど、逆に怖がらせてしまうだろうし・・)

(゚、゚トソン やっぱり僕とは一緒に歩きたくないかい?

l从;∀;ノ!リ い・・ 嫌・・ なのじゃああぁ・・・

(゚、゚トソン ほら、飴あげるよ 美味しいよー

l从;∀;ノ!リ 黒飴しか食べたくないのじゃー

(゚、゚トソン (し、渋い・・)


(゚、゚トソン うーん・・ しかしどうしたものか・・ このままじゃ探せそうにも無いなぁ・・

(゚、゚トソン うーん・・うーん・・ ・・ん・・・・ ん?


(,,゚Д゚) ・・ほら、あそこだ アレだろ? お前らの妹

(; ´_ゝ`) おおおおぉぉおッ! 妹者アアアァァアアアッ!!

(´<_` ;) おおッ! 無事だったか!

(゚、゚;トソン ・・は!?

l从;∀;ノ!リ あッ! 兄者! 兄者なのじゃーっ!
       兄者あああああああああああああ!!

(; ´_ゝ`) うぅ・・ 怖がらせてごめんな妹者よ・・
       もう絶対に我々はお前から離れないぞぉ・・!

l从;∀;ノ!リ うわああああああん・・! 怖かったのじゃー!

(,,゚Д゚) はは、良かった良かった

(´<_` ) アンタ、本当にありがとうな
      流石だと言わざるを得ないな

(; ´_ゝ`) あぁ、本当に助かったよ 今度会ったら礼させてくれ

(,,゚Д゚) 良いって事よ もう妹さんを怖がらせちゃ駄目だぞ

(゚、゚;トソン ・・き、君・・・・

(,,゚Д゚) ・・・・・・


───公園のベンチ
既に夕暮れで辺りはちょっと赤い
その赤い光に照らされ、項垂れる俺
どれくらい項垂れているかというと、もの凄い項垂れている

(,,゚Д゚) ・・・・・・

(゚、゚トソン ・・はい、缶コーヒー
      僕の奢りだよ 受け取ってくれ

(,,゚Д゚) ・・あ、ありがとな 有難く貰うぜ

トソンから貰ったコーヒーを何となく開け、何となく飲む
彼女はベンチに座る俺の傍らに立ったままだ


(゚、゚トソン ・・・・・・

(゚、゚トソン 一つ、聞いてもいいかい?

(,,゚Д゚) ・・・どーぞ

(゚、゚トソン ・・どうして君は戻ってきたんだい?
      どうしても今回の試験をパスしなきゃいけなかったんじゃないのかい?
      それに、君が戻らなくてもあの兄妹はいずれ会えたと思うんだけど

(゚、゚トソン それに人助けは義務じゃないよ
      自分が不幸になるのが分かってて、どうしてこんな事を?
      正直言って、かなり無駄な事をしたと思うんだけど

(,,゚Д゚) ・・そう、何だけどさぁ・・・・


(,, д ) ・・どうしても駄目だったんだよ
     頭では分かってんだけど、どうしても「助けなきゃ」って・・・
     すげぇアホらしいだろ? 自分の人生をさ、こんなくだらない事で無駄にしてさ・・

(゚、゚トソン ・・・・・・

(,, д ) どうしても困ってる人がいると、体が動いちゃうんだよ・・
     ただのお節介なのかもしれないし、単なる偽善なのかもしれないさ
     でも、駄目なんだよ・・ どうしても・・ 頭でいくら考えても・・

(,, Д ) 自分の人生をさ、無駄にしちゃうんだ・・ 俺・・
     昔っから大切に出来ないんだよ、自分を
     俺、馬鹿なんだよ・・ 本当に馬鹿なんだ・・

(゚、゚トソン ・・そうなのかい・・

(,,゚д゚) ・・また、騎士・・・・  成れなかったなァ・・

(゚、゚トソン ・・・・・・



(゚、゚トソン そんな事、無い


(,,゚Д゚) ・・?

トソンが夕暮れで頬を染めながら、俺の真正面に立つ


(゚、゚トソン 君はもう、"立派な騎士"じゃあないか
      「慈悲に満ち溢れ、力だってあり、自分を犠牲にしてでも弱者を護ろうとする」
      とても素敵な騎士道精神じゃないか これを騎士と言わずして何と言うんだい?

(,,゚Д゚) ・・俺は、そんな大層なつもりで人助けしてたんじゃないんだ
     ただ、単純に・・ もっと単純な事なんだ・・

(゚、゚トソン その「単純さ」が重要なんだよギコ君
      僕は、君ほどの立派な騎士を今までに見たことが無いよ

(,,゚Д゚) ・・・・・・

(,,゚Д゚) ・・ありがとな、慰めてくれるのか・・

(゚、゚トソン 慰めなんかじゃない、事実だよ
      騎士の称号は貰えなかったとしても、君は騎士だ
      本物の、ね

(,,゚Д゚) ・・・・・・


(,,゚Д゚) ・・まぁ、悪い気はしないよ
     でも、やっぱり慰めに過ぎないさ
     もう今の生活を捨てなきゃならないんだ・・ まぁ理由は省くが

(゚、゚トソン そうか・・ それは残念だったね

(゚、゚トソン ・・でも、そんなに僕の台詞は慰めに聞こえるかい?

(,,゚Д゚) ・・自分が「絶対に成る」と誓った信念を、簡単に投げ捨てちまうなんて・・
     そんなの絶対に騎士なんかじゃあない 駄目な人間のする事だろ

(゚、゚トソン いいや、絶対に君は騎士だね 僕が保証するよ

(,,゚Д゚) お前に保証されてもなァ・・ ま、嬉しいけどな

(゚、゚トソン 僕の保証は絶対だよギコ君?

(,,゚Д゚) 凄い自信だな・・ 

(゚、゚トソン だって・・

(,,゚Д゚) ・・?



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───既に日は沈み、辺りは暗い
走り回って疲労した足を引きずり、ようやく俺はハインの家に辿り着いた

(,,゚Д゚) ・・俺の暮らしも、終わりかぁ・・
     短い夢だった

(,,゚Д゚) ・・でも


でも、俺はこれから頑張っていけそうな気がする
騎士の称号は貰えなかったけど 騎士としての職は貰えなかったけど
俺は騎士になれたみたいだ 証人はトソン

この事実があれば、俺はどんな苦難にも立ち向かっていける
最後の最後に、俺は本当に良い人と出会えた

もう帰る覚悟も準備も出来ている
今日ぐらいはベッドでちゃんと寝させて欲しいが、アイツは問答無用で追い出すかもしれない
考えを捨て、諦めて扉を開ける俺


(,,゚Д゚) ・・・ただいm

パァーンッパァーンッ!!

(;゚Д゚) うおおぉおッ!? ク、クラッカー・・?

lw´‐ _‐ノv ギコ、お疲れ! 大変だっただろう
       祝おう祝おう

(;゚Д゚) シュ、シュー様・・

川 ゚ -゚) おかえりなさいギコさん お疲れ様です
     大変だったでしょう? さあ、夕食の準備は出来ていますよ?

(;゚Д゚) えっ? い、いや・・ 俺・・

俺が試験を通過したと思っているんだろう
前祝いのつもりらしい
あぁ、何か… 言い出すのが辛い


(;゚Д゚) あ、あのさ・・ いや・・ みんな・・ 俺・・

lw´‐ _‐ノv ・・ん? どーしたギコ、苦しそうな顔して
       腹痛いのか?

川 ゚ -゚) あら、それでしたら胃腸薬を準備しましょう
     ちょっとお待ち下さいギコさん

(;゚Д゚) ち、違うんだ・・ 俺・・ その・・
     き、騎士・・ 騎士にさ・・

lw´‐ _‐ノv え? キシキシ?

(;゚Д゚) ・・・騎士のテスト・・ さ・・


(; Д ) 受けられなかったんだ・・・・・
     騎士・・ 無理だった・・
     俺・・ もう、帰らなきゃ・・・

lw´‐ _‐ノv ・・・・・・

川 ゚ -゚) ・・・・・・

(; Д ) ご、ごめん・・ で、でもさ・・

(;゚Д゚) 今日ぐらいは・・ 最後ぐらいは・・ 一緒にご飯食っても・・ 良いよな?
     今日ぐらいは・・ ゆっくりベッドで寝てもいいよな?

川 ゚ -゚) ・・・・・・


川 ゚ -゚) 今日は"御馳走"ですよ? ギコさん

lw´‐ _‐ノv そうだぞ "御馳走"だ
       ハインが「御馳走でも良い」って言ってくれたからな

(,,゚Д゚) 

(,,゚Д゚) え?


少し現状把握に困る俺
そんな時、奥から天敵が

从 ゚∀从 ・・ん? 何お前ら玄関でゴチャゴチャやってんだ?
      ギコ帰ってきてんじゃん とっととご飯食おう

(,,゚Д゚) あ、ハイン・・ いや、えっと・・ 俺、その、
     騎士のテスト・・ 受けられなくて・・

从 ゚∀从 ・・・・・・

(,,゚Д゚) それで・・ その・・ 俺、帰らなきゃ・・

从 -∀从 ・・・・・・

从 ゚∀从 ・・何で?

(,,゚Д゚) 

(,,゚Д゚) は?



从 ゚∀从 "騎士"、成れたじゃん


(,,゚Д゚) 

(;゚Д゚) ・・は?

从 ゚∀从 ・・何だよ 何か俺、間違えた?

(;゚Д゚) い、いや・・ だって・・ 試験・・


川 ゚ -゚) ・・立派な騎士って認めてもらってたじゃないですか、ギコさん
      それも本物の、可愛い可愛い騎士さんから

lw´‐ _‐ノv テストを受けずに騎士になるとは、流石は我が国の元牢番
       かっこいいぞう、ギコ
       明日からは焦って職捜す事も無いぞ

(;゚Д゚) ・・! み、見てたの・・ か・・!?

从 ゚∀从 見え見えですぜ


(;゚Д゚) ま、待ってくれ・・ お、俺・・ 俺、居ても・・ いいのか・・?
     公式の騎士じゃないけど・・ い、いい・・のか・・?
     給料だって貰えないけど・・

从 ゚∀从 くどいわ! ほら、分かったならとっとと来い!
      ご飯冷めちゃうぞ!

lw´‐ _‐ノv いくぞーギコ 今日の料理は全員で作ったんだ
       実はハインが作ったのも混じってるんだぞ

从;゚∀从 い、言わなくていいッ!

川 ゚ -゚) へったくそでしたねーハイン 見ただけで分かりますね、アレは

从;゚∀从 うるせー! 作っただけマシだと思えッ!


(,,゚Д゚) ・・・・・・

(,,゚Д゚) (居ても・・ 良い・・ んだな・・)

从 ゚∀从 ほら! とっとと来いって! 腹減ってんだよ俺は!

(,,゚Д゚) ・・・・・

(,,゚Д゚) ・・おうっ!


その日の晩、食卓には本当に豪華な料理が並べられていた
凄く本格的な料理、子供らしい可愛らしい料理、兵器みたいな料理

本当に、本当に美味い料理だった

料理の種類に統一感は無かったけど
味付けがちょっと変だったのもあったけど
異臭を放つ料理もあったけど

本当に、本当に、本当に美味い料理だった
人生で最高の夕飯だった






(;゚Д゚) ・・あ、駄目だコレはマズ過ぎる マジで食えん

从#゚∀从 

嘘でした
やっぱり不味かった



-続きゅ-



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