(゚、゚トソン 神父さん、神父さん

(-@∀@) どうしましたトソンさん

(゚、゚トソン 今日こそ僕は望みを叶えたいと思うんです

(-@∀@) へえ、なるほど

(゚、゚トソン そこで、自称占い大得意なアナタに、是非とも僕を占って貰いたいんです

(-@∀@) ふむ・・

(-@∀@) 

(-@∀@) ラッキーアイテムは桃色の下着ですね
       全ての願いが成就するでしょう

(゚、゚トソン 

(-@∀@) 


  第七話:厄姫さんと廃色魔王さん


僕はよくここの教会へ足を運ぶ
中には少し変わった人が住んでいるのだ


(゚、゚トソン ピンク・・ か・・ 僕はそんなの持ち合わせていない

(-@∀@) うーん・・ じゃあ下着を着けないという手もありますが
       運勢大幅アップですよ

(゚、゚トソン 神父さん、神父さん、僕が法的処置をとらないと思ったら大間違いですよ

(;@∀@) じょじょじょじょ冗談ですがなアナタ・・
       で、えぇと・・ 何だっけ? 望みを叶えたいと?

(゚、゚トソン はい 13回目の正直です 今日こそ成功させたいと思うんです

(-@∀@) ふーん 頑張って下さいね

(゚、゚トソン ・・・・・・

(゚、゚トソン いや、だから占えと言ってるんだ変態

(-@∀@) 君まで変態呼ばわりだと・・?
       ここ最近の私の扱いは何なんだ畜生・・


(゚、゚トソン 「君まで」って、あなた、僕以外に誰か会う人居るんですか?
      ここ付近であなた以外の人に会った事なんて無いんですが

(-@∀@) そうだねぇ 最近は面白い人達が時々来るよ
       黒いシックな人と小さくて厄い子
       君と同じでお茶飲んで帰るだけなんだけどね

(゚、゚トソン へぇ・・ よく分かりませんが、物好きな人がいるものですね

(-@∀@) 君だって物好きじゃないですか 毎週毎週来ちゃってー
       休日ぐらい、友達と街に遊びにでかければいいものを

(゚、゚トソン む・・ いや、いろいろとあるんですよ
      神父さんこそ友達と遊びに出掛ければいいじゃないですか

(-@∀@) いや、私 友達居ないので

(゚、゚トソン えっ


この神父さん、友達がいないらしい
ふふん、なるほど 友達がいないのかこの神父さん
少し可哀想だから、やはり僕が話し相手になってあげようではないか


(゚、゚トソン ふふふ、可哀想だから僕がもう少し話し相手になってあげるよ

(-@∀@) え? あぁ・・そう・・

(゚、゚トソン ・・・・・・

(-@∀@) ・・・・・・

(-@∀@) あの、もしかして・・

(゚、゚トソン どうかしましたか?

(-@∀@) ・・・・・・

(-@∀@) 君、もしかして友達が居無

(゚、゚;トソン なななな何、何、何を言ってるんですかッ! 居すぎて逆に居ないぐらいですよッ!
      本当に何をいきなり言い出すんですか神父さん、もう! 変態神父さん!

(-@∀@) (あ、友達いないなこの人・・)


なんと失礼な人だろう、この神父さんは!
この僕に向かって友達が居ないと?
自分が居ないからって失礼すぎやしないか、全く  ふふふふ… ふ…
ふ…………
……………


(゚、゚トソン ・・じゃ、友達が沢山いる僕はそろそろお暇させて頂きます
      何せ友達からお誘いが一杯来ておりますので それではさようなら友達の居ない神父さん

(;@∀@) (あれ・・? もしかしてトソン君、とてつもなく可哀想な人だったのか・・?)

(゚、゚トソン あっ、そうだ まだ占って貰ってませんでしたね
      今日の運勢を占って貰いたいんですが

(-@∀@) ・・ん? あぁ、そうだったね 占い、か・・

(-@∀@) ・・・・・・
 ジィッ・・

(゚、゚トソン ・・・・・・

神父さんの占いは、いつも僕の顔をじっと見つめるだけ
分厚い眼鏡を掛けているが、僕の顔から胸にかけて焦点を合わせている事は分かる
何だろう、全てを見透かされたかのようなこの感覚は


(゚、゚トソン (ううむ・・ 久しぶりにこの人の真面目な顔を見た・・)

(-@∀@) (ううむ・・ 何故こんなにも貧相な胸なのだろう・・)


(-@∀@) ・・うん、よし 占い終わり

(゚、゚トソン どうでした?

(-@∀@) 「良い事」、ありますよ 詳しくは分からないけどね

(゚、゚トソン えっ? 本当ですか じゃあ今日こそ成功するかもしれませんね

(-@∀@) うーん・・

(-@∀@) ・・・・・・

(-@∀@) "こんな事"、するもんじゃないですよ・・?

(゚、゚トソン いいえ、僕が決めた事ですので神父さんは口出し無用です

(-@∀@) "魔女"は手強いでしょうに・・ 手練れのあなたでも魔法には敵わないんじゃないですか?

(゚、゚トソン 「敵う、敵わない」じゃないんです 「やるか、やらないか」ですから


言い終わるや否や、僕は寂れた教会を背に街へと歩いていった
向かうは呪われた空間、「魔女の家」
相対するは呪われた血、「ハインリッヒ」────


从 ゚∀从 ──いや、だからさぁ 確かに仕事を持ったのはいいけどさ?
      これは流石に無いだろうよ・・ どんだけ低賃金なんだよお前さぁ・・

lw´‐ _‐ノv いや、私は別に良いと思うぞ 職を見つけられただけでも良しとしようじゃないか

川 ゚ -゚) そうですよハイン 結構頑張った方ですよギコさん

从 ゚∀从 いや、だからってさァ・・ コレはあまりにも・・

(,,゚Д゚) ・・何ッ! 「ゴミ収集業」の何が悪いッ! 俺が必死に見つけた仕事を!

从 ゚∀从 いや・・ 騎士から随分と転がり落ちたなぁと・・


もうハインの家に来てそれなりに経った
ギコはとうとうゴミ収集の職を見つけたらしいが、ハインは不服な様子である
というかギコに対しては全てが不服のようだ

そんなこんなな私達の日常
拝啓父上様、太陽の光が眩しいです


(#゚Д゚) いや、騎士に関しては心意気の問題という事で片づいた問題だろうが!
     お前だって認めてただろ!

从 ゚∀从 ・・俺、実は最後までお前を残す事に猛反対だったんだが・・ いやマジで

川 ゚ -゚) 姫様に感謝ですよ、ギコさん?
     ハイン、実は既に移動用魔法陣作り終わってたんですから
     現に私もアレは・・ 前半はさよならパーティーのつもりで料理作ってましたし・・

(;゚Д゚) え、えええぇぇ・・ あ・・ あれ・・?
     「俺の優しい行動に皆が納得した」とか、じゃなかったの・・?

从 ゚∀从 いや・・「轢かれそうな子供を助けた」とかならまだしも「迷子の保護」って・・
      冷静になって考えろ・・ アレただの馬鹿だから・・

lw´‐ _‐ノv 説き伏せるのにどれぐらい時間が掛かった事やら
       私は好きだぞ、ああいう自己犠牲の行動
       いつまでも馬鹿なままで居てくれ 姫様命令だ

(;゚Д゚) 本当にありがとうございますシュー様・・ 馬鹿で居続けます・・

川 ゚ -゚) (純粋っ・・ 純粋過ぎです姫様・・)
 キュン

この事に関しては本当に感謝して貰いたいものだ
私がもう少し薄汚い大人であれば、お前はここに居なかったのだから
まぁ、渋々ながら了承し、料理まで作ったハインの良心にも本当は感謝だ
一応は真面目に料理作ってたらしい でもすげぇ不味かった 何あの猟奇的な味


lw´‐ _‐ノv 感謝といえば、あの騎士さんにも感謝だな、ギコ
       あの人の発言があればこそ、だぞ
       彼女の力強い発言が事を動かしたのだからな

(,,゚Д゚) あぁ・・ 本当に良い人だったなァ、あの人
     また会えるかねぇ

川 ゚ -゚) 本当に格好良かったですよね 真っ直ぐな人で・・
      そういえば女性の騎士って珍しいですよね
      ハイン、あの人の事詳しく知りませんか?

从 ゚∀从 ・・あぁ、トソン? 詳しいけど

(,,゚Д゚) マジで? 御礼しに行きたいんだけどさあ
     家とか分かる?

从 ゚∀从 いや、知らなくてもいいと思うぞ  実はちょくちょく我が家に来るからな
      その時御礼を言えばいいさ

(,,゚Д゚) え? 知り合いだったのか?

从 ゚∀从 顔広いんだってばー俺っ

ふむ、知り合いだったとは
魔女に騎士、メイドに私(姫)
うむ、これぞファンタジーである
ゴミ収集業の奴がいらない奴に思えてきたが、心にしまっておこう


lw´‐ _‐ノv しかしハイン、何でそんなに有名人なんだ?
       やっぱ珍しいのか、魔術師

从 ゚∀从 あー・・ それもあるけどな、俺の爺ちゃんが凄い有名人でな
      それでその血を引く孫の俺も有名なんだ もう死んじゃったけど

川 ゚ -゚) あぁ、この国でお爺さんを知らない人はいないぐらい有名ですね
     本当にお世話になりました

(,,゚Д゚) へー どんな人なんだ?

从 ゚∀从 「英雄」と呼ばれてるぜ

川 ゚ -゚) またの名を「魔王」ですかね

(,,゚Д゚) ・・? 何だその相反する名前は・・

lw´‐ _‐ノv 何という名前の人なんだ?

从 ゚∀从 「ロマネスク」

(,,゚Д゚) 

从 ゚∀从 

(;゚Д゚) ロ マ ネ ス ク ゥ ッ ! ?

lw´‐ _‐ノv ?


何だ何だ、私だけ置いてけぼりか
そんなに有名人なのか、ハインのじーちゃん

(;゚Д゚) ロマネスクって・・ あのロマネスクか・・
     そんなに凄い奴の孫だったのか・・?

lw´‐ _‐ノv おいおい、私にも教えてくれよ どんな人なだ

从 ゚∀从 あぁ そうだなぁ 身内には本当に優しい爺ちゃんだったんだがな

川 ゚ -゚) えぇ とっても温かい人でしたけど・・ 他人から見たら、それはもう


从 ゚∀从 「最低の

川 ゚ -゚) 残虐な

(,,゚Д゚) 極悪人」

lw´‐ _‐ノv 


从 ゚∀从 ってなイメージ持たれてる人間でなぁ・・ 俺とクーは大好きなんだけどさ
      嫌いな人間の方が多かったりするだろうなァ 一応英雄ではあるが

(;゚Д゚) 俺はちょっと抵抗あるな・・

lw´‐ _‐ノv えええぇぇ・・ もう第一印象が予想以上の低ポイントだ


lw´‐ _‐ノv むぅ・・ 気になるなぁ
       詳しく教えてくれよ、そのビザンツとかっていう人
       世間知らずなんだよ私は

从 ゚∀从 よし、俺のじーちゃん伝説をとくと教えてやろう
       そしてロマネスクだ

川 ゚ -゚) (・・ん?)

从 ゚∀从 昔々、ある所にろまねs

川 ゚ -゚) あの、ハイン 話の腰を折って悪いのですが・・

从 ゚∀从 ん?


川 ゚ -゚) ・・そこの扉付近、"とても危険"です
      姫様とギコさんももっとこちらに来て下さい

从 ゚∀从lw´‐ _‐ノv(,,゚Д゚)   ・・へ?


lw´‐ _‐ノv どーしたんだクー 何かあったのk

川 ゚ -゚) ・・・・・・

lw´‐ _‐ノv ぬおっ クー・・?
 ギュッ

(,,゚Д゚) 何だ何だ・・?

从 ゚∀从 (あっ・・ もしかして)

クーがその身で、私を庇うように抱きしめる
何だかよくわからんが、出来るだけ扉から離れた場所に移動する我々
どうした事だろうか 邪気眼でも発動したのだろうか

と、思った瞬間だった




        バキャッ!!!


lw´‐ _‐ノv(;゚Д゚) !? 


扉が凄い勢いで蹴破られ、留め金がはじけ飛んだ
ドタン、と扉が倒れた際、人影が矢のようにハインめがけ突進する
少し小さめの、見覚えある人影
それは…



(゚、゚#トソン ハインリッヒッ! 覚悟ッ!



从;゚∀从 あぁ・・ やっぱりぃ

(;゚Д゚) ・・えっ!?

川 ゚ -゚) おや?

lw´‐ _‐ノv む?


从 ゚∀从 やぁートソン 噂をすればなんとやら・・

(゚、゚#トソン たぁっ!

从 ゚∀从 ・・ふふん、遅い遅い 既に絶対防御中だぞーぅ
 ガキーン

(゚、゚トソン ・・! くそっ・・ 奇襲失敗か・・


彼女の手にはすごい、綺麗で輝く、高価そうなつるぎ、つまり、剣が握られていた
えぇと、あの、剣を、そう、銀色で格好いい剣が窓から差し込む光を浴び、何か凄かった

んでもってそれをハイン目がけて、目にも止まらぬ、光のような速度で振r
いや、光は言い過ぎた 音? とにかく凄い高速で横にすぱーんと 目で追えないぐらいの速度で
そう、それはさながら… さながら… とにかく凄い速かった 達人技である

それが見事にハインの横顔にかきーんとぶつかった さながら… サムライみたいに 凄い吃驚した
だけど何故か鈍い金属音だけが響き、ハインは椅子に平然と座ってる、みたいな?



川 ゚ -゚) 姫様、戦闘描写なんて無理しないで下さい

lw´‐ _‐ノv すまん


とにかく私が言いたい事は、噂をしていたトソンが襲撃してきたという事だ
遠回しに描写すると格好良くなると思ったらそうでもなかった

(゚、゚;トソン くそっ! これでもかッ! これでもかッ!

从*゚∀从 ケラケラケラケラケラケラケラケラケラ
ガキンガキーン

トソンが乱撃を繰り出す
あまり剣術には詳しくないが、凄い太刀筋である事は容易に分かった
だがハインは平然とコーヒーを優雅に飲む
衝撃すら感じていないようだ 無邪気に笑っている 何か腹立つコイツ


(;゚Д゚) ト、トソン・・!? お、おい・・ 一体・・? えぇ・・?

从 ゚∀从 おい、今近づくと危ないぞ とばっちり食らう
ガキッガキンッ

(;゚Д゚) ・・・・・・

(゚、゚トソン ・・! やはり切れない・・!


(゚、゚;トソン ハァ・・ハァ・・

既にハインはコーヒーを全て飲み干し終わった
ついでにカフェインの過剰摂取はトイレが近くなるぞ みんな気を付けろ

从 ゚∀从 お、諦めたか・・ ちょっと落ち着いた?

(゚、゚;トソン ・・くそっ! また駄目だったか・・ッ!

从 ゚∀从 じゃ、今度はこっちの番ね

(゚、゚トソン むっ!?

ハインの座る椅子を中心に薄い光の魔法陣が広がる
昼間ながら、そのうっすらした光は目に焼き付く

(゚、゚;トソン うわっ!
ドタッ


lw´‐ _‐ノv おぉ 何だコレ

トソンが床に倒れる
よく見ると、ぼんやり光る蛇の様な"何か"がトソンの足に巻付いていた
足から腰、胴体へと巻付き、とうとう身動きがとれなくなり倒れるトソン

(゚、゚;トソン うぅ・・!

从 ゚∀从 学習せん奴よのう・・

(゚、゚;トソン また失敗か・・ 今日は成功すると思ったんだけど・・

从 ゚∀从 まぁとりあえず落ち着いて周りを見渡してみろ、トソンよ
      クールダウーンだ

(゚、゚トソン むっ・・?


lw´‐ _‐ノv 

川 ゚ -゚) 

(;゚Д゚) 


(゚、゚トソン ・・・・・・

(゚、゚トソン 

(゚、゚;トソン ・・あぁぁッ! ええっと・・ えっと・・ あの・・ あれ・・ 何だっけ・・ その・・
      ・・そう、ギコ君! ギコ君じゃないか! 何故ここに!?

(;゚Д゚) (あれ? 何か妙に時間かかったな・・)

(;゚Д゚) ・・俺は居候の身なんだが・・ トソンこそ何やってんだ・・?
     状況把握がちょっと出来ないんだが・・

(゚、゚;トソン 居候・・? こんな家に居候なんて、今すぐやめるべきだぞギコ君!
      君は不幸になるだけだ!

lw´‐ _‐ノv 安心しろ君 ギコは充分不幸だ

川 ゚ -゚) 安心して下さい姫様 あなたが一番厄いです

从 ゚∀从 安心しろクー お前は何だか見た目が薄幸だ

(,,゚Д゚) 安心しろハイン お前が手がける料理は全てが惨憺たる道を辿る

(゚、゚トソン (え? 不幸自慢?)


(゚、゚トソン ────「お姫様」・・?

縛られたままのトソンに、とりあえず一通り自己紹介する事にした
まずは我々を知ってもらい、彼女の警戒を解かねば
しかし何だろう、この縛られた相手に自己紹介という光景
不気味過ぎやしないか 何だこれ

(゚、゚トソン なるほど 君、厄祓いをしていた訳なのか

lw´‐ _‐ノv うん そうなんだ

川 ゚ -゚) そして私は姫様の従者クーです
      好きなものは姫様です よろしくお願いしますねトソンさん

(゚、゚トソン あ、あぁ、よろしく

(,,゚Д゚) で、まぁ、俺は・・ 元、城の牢番だったんだ
     この間は本当にありがとな また会えるとは嬉しいな

(゚、゚トソン 何かの縁かな

从 ゚∀从 それじゃ最後に・・ まぁ必要無さそうだが・・
      俺はそこのクーの旧友でな だから隣国の姫様がこの国にいるんだ
      依頼を承ったのでこうして面倒見てる、という訳だ

(゚、゚トソン ふん・・ 君の事なんてどうでもいい・・ 知りたくもない

从 ゚∀从 嫌われてるなぁ、俺・・


(゚、゚トソン じゃぁ僕も、縛られて苦しいけど自己紹介しておこう・・
      僕の名前はトソン 職業は騎士をやっている
      一ヶ月毎にこうやってこの家を襲撃する日々さ

lw´‐ _‐ノv 何故襲撃してるんだ君

(゚、゚トソン ・・君には関係の無い事さ 気にしないでくれ給え

川 ゚ -゚) 何を仰いますか あなた、危うく姫様を怪我させるかもしれなかったんですよ?
     もしも姫様が傷物にでもされたら、私はあなたを許しませんでしたからね

(゚、゚;トソン むっ・・ それはすまない・・ てっきりハインリッヒ一人かと思っていたんだ・・
      本当にすまない 反省するよ・・ 姫様、傷物にはなってないよね

川 ゚ -゚) 傷物にならずに済んで何よりです

lw´‐ _‐ノv すまん、「傷物」って言い方やめてくんない?


(,,゚Д゚) で、結局どうしてこんな事してたんだ?
     気になるぜ 教えてくれよ

(゚、゚トソン ・・・・・・

(゚、゚トソン 「復讐」だよ

川 ゚ -゚) ・・復讐?

lw´‐ _‐ノv ほう

从 ゚∀从 ・・・・・・

さっきまでニヤニヤしていたハインが少しばつの悪そうな顔をする
やはりハインが何かしでかしたのだろうか
確かに怨みを買うような商売をやっている気がしなくもないが


(,,゚Д゚) 何だ、俺以外にもコイツの事を恨んでる人間がいたのか・・ 安心したぜ

从 ゚∀从 お前マジぶっ殺すぞ


川 ゚ -゚) 詳しく聞きたいものですね、言いたくなければ別ですが

(゚、゚;トソン む・・ まぁ、君達にも迷惑かけた事だしな
      説明するのが礼儀だろうが、しかし・・

川 ゚ -゚) ハインの性格の意地汚さなら私は熟知しているつもりです
      私も彼女には相当の恨み辛みがありますから、気持ちを共有出来ると思うんですが

从;゚∀从 ええええぇぇ・・ 意外な所でも怨みもたれてたよ俺・・
       シューだけじゃん普通に接してくれてたの・・

(,,゚Д゚) シュー様はお優しいからなっ

lw´‐ _‐ノv で、まぁ、教えてくれるのかい? 詳しい理由

(゚、゚トソン ・・・・・・


(゚、゚トソン 僕の・・ 父上を・・

( 、 トソン ・・・・

トソンが途切れ途切れに語り出す
だが、言葉が出てこなくなってしまった様だ
相当に辛い思い出なのだろうか

从 ゚∀从 あー・・・ 俺が話すよ まぁ、その、辛いだろうから

(゚、゚トソン ・・・・・

从 ゚∀从 あのだなぁ・・、まぁ大分昔の事なんだが・・





从 ゚∀从 俺の爺ちゃんがさ、こいつの父さんを殺したんだよ

lw´‐ _‐ノv えっ


少し風向きが変わった
聞かなきゃよかった、と少し後悔する

(,,゚Д゚) ・・すまん、もしかして笑える要素は一切無しか

从 ゚∀从 無ぇよ 何を期待してるんだお前は

lw´‐ _‐ノv え? じゃあ・・ ちょっと早いけどこの話終わりにする?
       大怪盗vs少年探偵のテレビ見たいんだけど  さっきから気になって気になって・・

从 ゚∀从 いや、終わらねーよ そんなに嫌かこういう話題
      ついでに俺の予想では元祖ルパンvsホームズみたいになりそうだアレは

川 ゚ -゚) ・・すみませんトソンさん 軽い気持ちで聞いてしまって
      お爺さんに大しての怨みでしたか・・

(゚、゚トソン ・・いや、別にいいんだ

lw´‐ _‐ノv しかし、ハインの爺ちゃんって確か

从 ゚∀从 そうそう ロマネスクっていう名前の爺ちゃんだ
       英雄だけど極悪人っつー、さっき話してたアレだ

lw´‐ _‐ノv ふむ・・

从 ゚∀从 じゃ、ちょっとシューの為にも昔話するか 爺ちゃんの話・・

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そうだなぁ、シューが産まれる結構前、俺達ですら産まれていない頃からだ
この国では長い、大きな戦争をやっていてな
ある大きな国と大戦争を繰り広げていたんだ

ずーっと続いてたんだが、ある時その戦争は突如終わった
その理由が俺の爺ちゃんだ

俺の爺ちゃんは大陸随一と呼ばれる程の魔術師でな
並ぶ者すら居ないと称されるほどの大魔術師だった

既に結構老いていたが、その魔力は衰えるどころか日に日に増していく程だ
そんな爺ちゃんが自ら進んでこの戦争に出る事にしたんだ
国の為、というよりは幼い俺を育てる金を工面する為のようだったけどな
まぁよくある話だ 良い爺ちゃんだった


だが一つ、大問題が発生した


戦争に出陣する魔術師っていうのは昔から何人か居てな
後衛で魔法陣を作り、それを発動、敵を駆逐するっていうのが当り前だったんだ
しかし、俺の爺ちゃんはその上を行く発想と実力を併せ持っていた


( ФωФ) うぅむ・・ そうだな 今日は・・


( ФωФ) ・・空飛ぶ"悪魔"の軍勢でも引き連れてゆくか!


そう、戦い方が大問題だったのだ


俺の爺ちゃんは過去から現在まで数えても、唯一「召喚術」を使うことが出来る人間だった
召喚術っつーのは、まぁゲームとかでお馴染みのアレだ
そこで爺ちゃんは召喚した「悪魔」を大量に引き連れ、前線で戦うという荒技をやってのけた

悪魔の軍勢を引き連れ、自身は空飛ぶ悪魔に乗り、安全圏から魔法で攻撃
さながら「魔王」と呼べるに相応しい光景だったらしい


俺にもよく「悪魔」についてはよく分からないし、どこからそんなものを召喚するかもわからない
だがそれは鳥のようだったり、犬のようだったり、時には人のようだったりした
とにかく多種多様で見たこともない様な生き物達だった
それらの生物を一括りにするのは間違っているんだろうが、とにかくそれらは「悪魔」と呼ばれた


爺ちゃん曰く、その悪魔にも人間のように様々な性格があるし、知能も様々だ
だが一貫して「攻撃性」、「残虐性」の面に関しては皆似たようなものだった
正に悪魔と呼べるに相応しい


戦争時、目についた敵国の人間は片っ端から殺し、肉を矧ぎ、骨を砕く
中にはその肉を貪り、血を啜る奴らだって居たらしい
唯一爺ちゃんの命令には忠実だったが、如何せん数が多すぎる


当然勝手な行動を起こす悪魔達もいたって訳だ


そうなると起こる問題はただ一つ
"無差別"攻撃さ


( ФωФ) む、また自軍への被害であるか・・

( ФωФ) ・・・・・・

( ФωФ) ま、運が悪かったとしようではないか


味方のせいで自分たちが死んでゆく光景っていうのはどんなものなんだろうな
俺には分からないし、知りたくも無い
だが凄惨だっただろう事は俺だって分かるさ

その多数いた自軍の被害者の中にトソンの父さんが含まれていてな
それが理由って訳だ

結局、相手の国は爺ちゃんの戦争参入で「勝てない」とふんだらしい
爺ちゃんの活躍のおかげで、ながーい戦争がようやく終わった
長い戦争を終わらせた働きを称えられて、爺ちゃんは国の「英雄」になったんだ
称号やら金やら有り余る程貰った 「魔王」の汚名と共に


で、残すは課題は一つ
無意味な犠牲者を出した謝罪だ
ある日、俺は何をするかよく分からないまま、爺ちゃんの後に付いていった

(;ФωФ) ごめんなハイン・・ 我輩なんかに付き合わせてしまって・・
        駄目なじーちゃんでごめんな・・ 今度良い物一杯食わせてあげるからな・・

从゚∀从 いーよ! まち、たのしむぞ!

( ФωФ) クーを一人残してきたからあまり楽しんでる時間は無いである

从゚∀从 げ


余談だが、クーは戦争中に俺が山中で見つけ、そのまま連れて帰ってきた子だ
悪魔の軍勢を召喚している作業を街の中でやる訳にはいかない
爺ちゃんの都合で、山の中にひっそりと住んでいたって訳だ

クーは見た目、俺と同じぐらいの歳だった  だが、見つけた時は全く言葉が喋れない子供だった
長引く戦争による大不況で発生した、貧困層の子供だったんだろう
しかしいくら貧困層と言っても、「言葉が喋れない」というのはあまりにも酷すぎる状態だ
そんな原因を作る戦争を終わらせた爺ちゃんは、やっぱりどんな人間よりも大好きだ


( ФωФ) (うーむ 何て謝れば一番効率的であるかな・・
        我輩といえどもそれなりに罪悪感はあるからな
        まぁ、所詮は他人事だが)

从゚∀从 じーちゃん、かおこえー

( ФωФ) マジか 極力楽しい事考えるである パフェの事とか考える

从゚∀从 たのしいものいっぱいありそうだ、まち! パフェくいてぇ!

( ФωФ) 近いうち、ここに引っ越そうなハインよ
        一杯美味い物食わせてやるである パフェとかケーキとかパフェとか
        でも今日はクーが留守番中だからお預けである

从゚∀从 げー


まだシューより全然幼かった俺は、街に出るのが嬉しかった
人混み嫌いなクーは家で留守番していたが、アグレッシブかつプログレッシブな俺はとにかく嬉しかった
今日は一杯爺ちゃんと遊ぼうと胸を輝かせていた

でもまぁ、そんな幼い俺の楽しみは打ち崩されるんだがな


('、`#川 この・・人殺しィッ!!
'
( ФωФ) ・・・・・・

(;、;#川 アンタの・・ アンタのせいで・・・ッ!!

从;゚∀从 ・・? ??

まだ小さな俺には理解出来なかった
知らない人に罵られ、それを黙って受け止める爺ちゃんが
物を投げられても避けようともせず、ただ黙って佇んでいる爺ちゃんが

从;゚∀从 じ、じーちゃん・・?

凄く怖かった 相手の剣幕が凄く怖かった
俺はそのやり取りを見ていられずにふと視線をそらした

その視線の先にソイツはいた


从゚∀从 ・・!

(゚、゚トソ ・・・・・・

まだ小さい、俺と同じぐらいの歳の子がじっと、こちらを睨んでいた
罵る母の影に隠れ、何も言わず、じっと
ただただ俺を見つめていた

(゚、゚トソ ・・・・・・

(゚ トソソ 
タタタ...

从;゚∀从 ・・?


今考えれば俺の顔を必死で覚えようとしていたんだろうな
将来、父さんの仇を討つ相手の顔を

同じ目線の高さだったのが災いだったのかね
「怨み」は俺に向けられてしまった様だ


( ФωФ) ・・やっと一人目への謝罪が終わったである・・ あと100人以上もいるが・・
        個人的な金銭援助も考えねばな 国からの援助だけでは足りぬかもしれぬ
        ああ面倒臭い・・

从゚∀从 じーちゃん・・

( ФωФ) よし、次に行くぞハイ・・

( ФωФ) n・・・・・・

从゚∀从 ・・・・・・

( ФωФ) ・・こっちに来るのだハイン やはり我輩が家まで送ってやろう
        先に帰ってクーと遊んでいるとよい
        夜には帰るである 一ヶ月ぐらいこんな日が続くであろうが、我慢してくれ

从゚∀从 ・・・うん


そんな爺ちゃんも死に、クーは一人で隣国に働きに出掛けた
残された俺は街で得意の魔法を活かした万屋稼業を始める事にしたんだ
爺ちゃんのお陰で知名度もあったからな、それなりに儲けられた

で、1年ぐらい前からだったな トソンが我が家に来たのは

(゚、゚トソン ・・・・・・
ガチャリ

从 ゚∀从 おっ、いらっしゃい! チャイムぐらい押してくれれば良かったのに・・
      まぁいいや 今日はどんな依頼ですかね? 依頼金は内容で変動しm

(゚、゚トソン ・・間違い無い

从 ゚∀从 ・・へ?

( 、 トソン お前・・ だ・・ な?
      お・・ 前・・ が・・ お前・・が・・ッ!

从 ゚∀从 ・・? お客さん、どーかしt


(゚、゚#トソン ・・ハインリッヒッ、覚悟ォッ!!

从;゚∀从 ・・なっ!? あ、えぇぇぇっ!?

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从 ゚∀从 まぁ、そんなこんなで紆余曲折あり、今に至る訳だが・・

(゚、゚トソン ・・ついでにあの日から2年後、僕の母も他界した
      だから残された僕は両親の敵討ちの為に、今もこうやって・・

lw´i! _ ノv 川i! -) (i! д) ・・・・・
      ズゥーン

(゚、゚トソン ・・ごめん、もう充分すぎたね

lw´‐ _‐ノv すまん・・ とにかくこの雰囲気を明るくする事に努めるとしよう・・
       暗い雰囲気とか好きじゃないんだよ私は

(゚、゚トソン 僕としてもあまり思い出したくは無かったな

从 ゚∀从 でまぁ、それから我が家を何回も何回も襲撃するようになってな
      俺としても少々の罪悪感はあったから、いつも攻撃だけ攻撃させて帰らせる、って感じだったんだが

(゚、゚トソン ・・僕だって、こいつに遊ばされていた事ぐらいは分かってた
     「勝てないだろうな」とは思っているし、全くの筋違いという事も分かるさ

(゚、゚トソン でも、この復讐を遂げないと、前へ進めない気がするんだ
      僕は・・ 自分自身の人生を歩めないんだ・・ どうしても割り切れないんだ・・


あぁ、何だろうこの暗い部屋と空気は
未だ太陽が差し込む時間帯だというのに

lw´‐ _‐ノv 何か・・、どっちも「可哀想」だな
       ハインもトソンも、どっちも悪くないじゃないか

川 ゚ -゚) 本当に復讐を果たすべき相手は既にいませんからね

(,,゚д゚) もうこんな馬鹿げた事やめようぜトソン
     立派な騎士がそんな事しちゃ駄目だろ

(゚、゚トソン だからさっきも言ったじゃないか
      筋違いとは分かっているけど・・ それでも・・
      君と同じで僕は「馬鹿」な人間なんだ・・

从 ゚∀从 俺としても罪悪感はあるからさー 償えれば償いたいもんだけどさ
      何すりゃいいかね

(゚、゚トソン ・・そんなの知らない

从 ゚∀从 むぅ・・


ふーむ、なかなか複雑な心境の様だ
つまり一度始めた闘争は必ず終止符を打たなきゃいけないって訳かな

lw´‐ _‐ノv ・・・・・

lw´‐ _‐ノv !
ピコーン

lw´‐ _‐ノv なぁ、クー、クー、私今すっごい良い事閃いたぞ

川 ゚ -゚) ん? 何ですか姫様

lw´‐ _川 ゚ -゚) ・・・・・・
ゴニョゴニョリータゴニョリータ

川 ゚ -゚) ・・・・・・

lw´‐ _‐ノv どう?

川; - )  くぅっ・・ 純粋過ぎかつ天才過ぎです姫様っ・・
キュンキュンッ お願いですから今日は一緒のベッドで眠らせて下さい・・っ!

lw´‐ _‐ノv ふざけんな


早速準備をする為、ある物を取りに私の部屋へ行く
クーにも少し準備を手伝わせる事にした

(,,゚Д゚) ・・? 何してんですかシュー様、クーさん

川 ゚ -゚) あ、ちょっとすみませんトソンさん

(゚、゚トソン ・・ん?
カチャカチャ

川 ゚ -゚) この腰の"剣"、少々私が預からせて頂きます

(゚、゚;トソン な!? 君、何する気だ!? 騎士にとっての誇りを・・!

川 ゚ -゚) ハインもいい加減にトソンさんを開放なさって下さい
     それとハイン、この"杖"も少々預からせて頂きますよ
     杖なくても魔法使えるから意味無い気もしますが・・

从;゚∀从 ・・え!? お、お前・・ いつのまに抜き取った・・!?
      まぁ、別に良いけどさ・・


lw´‐ _‐ノv よーしあったぞ これで始められる

川 ゚ -゚) 昔二人でよくやってましたからねぇ

自分の部屋から持ってきた「箱」を胸に抱え、それをドン、と机に置く
なかなか重かった 我ながら暇人よのう

从 ゚∀从 ・・? 何だその箱は・・?

川 ゚ -゚) 二人でよくやってましたからねぇ

lw´‐ _‐ノv よーしみんな、よく聞けー

从 ゚∀从 (,,゚Д゚) (゚、゚トソン ?

lw´‐ _‐ノv えー皆様、これより・・


lw´‐ _‐ノv 「仁義なき復讐ゲーム大会」を開催します

川 ゚ -゚) いっえぇーいっ


从 ゚∀从 

(,,゚Д゚) 

(゚、゚トソン 


从 ゚∀从 (,,゚Д゚) (゚、゚トソン 


从;゚∀从 (;゚Д゚) (゚、゚;トソン は?

さて、厄いゲームの始まりだ
クーと一緒に内心ニヤニヤしながら私は箱を開けた



-続づ-



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