朝です 快晴です
窓から見える木々が綺麗ですね
都会とは思えないこの風景、魔法も良いものです
ですが、今日は鳥の鳴き声が聞こえません
川 ゚ -゚) おや、寝過ごしてしまいましたか
疲れが溜まっていたのでしょう
最近身体がダルいです 久々にグッスリ眠ってしまいました
一緒の部屋で寝ている姫様もおりません
私とした事が 姫様よりも遅く起きてしまうとは
早く着替えて朝食をとりましょう
階段を下り、一階の居間へと向かいます
このハイン低では「ご飯は極力、全員で食べる」というルールがあります
また、自由な時間も大体居間で過ごすのが普通です
家族を感じられるいいルールです ハインも家族が欲しいのですかねぇ
川 ゚ -゚) ギコさんだけに準備させてしまうとは・・
私としたことg
川 ゚ -゚) ・・おや
そういえば先日、トソンさんが特攻してきた為に扉が壊されました
すぐに直したのですが、少し薄い扉をこしらえた為に、話し声が聞こえてきます
…少し聞いてみますか
盗み聞きも家政婦の仕事の一つですし
川 ゚ -゚) うふふ
[居間]
(,,゚Д゚) よーし出来たぞー 今日の朝食はすくらんぶるえぇーっぐ
lw´‐ _‐ノv おーっ 今日はスクランブルエッグかー
ちくしょー 飽きたよースクランブルー
(,,゚Д゚) シュー様、好き嫌いはいけませんぜ!
何でも食べなきゃこれ以上大きくなれませんよ!
从 ゚∀从 お前って本当に朝コレばっかりだな・・ 流石の俺もこれはキツい
(,,゚Д゚) あ? ハイン、好き嫌いは駄目だぜ?
何でも食べなきゃこれ以上大きくなれねーぞ
从 ゚∀从 もうとっくに身長止まってるっつーの
(,,゚Д゚) ん? 身長っていうか・・
(,,゚Д゚) ・・うん
从 ゚∀从
(,,゚Д゚)
瞬間、何だかもの凄い音が響きました
多分ギコさんがぶっ飛ばされた音かと思われます
セクハラはいけませんね
从 ゚∀从 ところでシュー、クーはどうした?
lw´‐ _‐ノv んー 何か凄い気持ちよく寝てたからさ
起こすのも忍びないかな、と
あぁっ 流石姫様
これだから大好きなんですよ
本当に優しい優しいお人なんですから
(#)"Д゚) どっかの誰かが家事しないせいで働きっぱなしだからなー
"
从 ゚∀从 あぁ、全くだ シューも家事手伝えよなー!
姫だからって調子こいてんじゃねーぞコラ!
lw´‐ _‐ノv お前だっつーの
(,,゚Д゚) お前だっつーの
从 ゚∀从 うるさいっつーの
(,,゚Д゚) しっかしクーさんってミステリアスだよなー
最初会った時はちょっとだけ近寄りがたかったぜ
おや、それは意外でした
道理で家政婦仲間からあまり話しかけられなかった訳です
案外寂しいんですよ、アレ
从 ゚∀从 あー でも話してみると普通だろ?
・・いや、普通では無いが・・ アホで楽しいだろ?
アホとは失礼な
あなたの方がアホですよ
ハインのあ〜ほ〜っ
lw´‐ _‐ノv 確かに初対面の時はちょっと怖かったなぁ
表面的にずっと無表情だからな、アイツ
从 ゚∀从 本当に笑わないよなー 内心ではずっと笑ってるだろうけどな
むぅ、やはり表情がちょっと硬いですかね
でも姫様、昔 私が鏡の前で笑う練習してたら「気持ち悪い」って言ったじゃないですか
なんですか、もう 天の邪鬼ですねホント そんな事言われて嬉しがるような性癖ではありませんよ
しかし、気付いてみると私についての話題が中心になっています
なんでしょう、とても入りづらくなってしまいました
早く機会を見つけて入らないといけませんね
(,,゚Д゚) ・・あー でもやっぱり、クーさんってモテるんだろうなぁ
(,,゚Д゚) きっと恋愛とかも一杯してるんだろーなぁ
…ん?
从 ゚∀从
(,,゚Д゚)
lw´‐ _‐ノv
从 ゚∀从
从 ゚∀从 無いwwwwwwwそれは無いwwwwwww
つーかありえねぇwwwwwwwwwwwwww
川 -) [扉]
ピクッ
(,,゚Д゚) え? 無いか? 美人さんじゃん
从 ゚∀从 無いwwwwwあいつが恋愛とかwwww無理無理wwwww
不可能wwwwww 性格的にwwwwwww
川 -) [扉]
lw´‐ _‐ノv 確かにクーって仕事ばっかりだもんなぁ
休みの日はずっと私と一緒だったし、出会いも無かったのだろうな
从 ゚∀从 出会いがあっても無理無理!
長年の付き合いの俺が言うんだから間違いないね!
付き合えば付き合う程、奴の腹黒さが分かってくるからな!
lw´‐ _‐ノv あぁ、確かに腹は黒いな そこは全力で認める
从 ゚∀从 蛇の様な奴だよな
川# -) [扉]
从 ゚∀从 ま、遠目から視てる分には良いんだろうけどさぁ
バラにはトゲがあるんだぜ いがいがーっ
(,,゚Д゚) なるほど・・ まあバラでもイガグリよりはマシだろう
从 ゚∀从 おい、イガグリって誰の事だ おい
(,,゚Д゚) 勿論おm
ガチャリ
川 ゚ -゚) ・・皆さん、おはようございます
lw´‐ _‐ノv あっクー おはよう ゆっくり眠れた?
从 ゚∀从 おぉ 噂をしていれば何とやら、だな
(,,゚Д゚) おはようございますクーさん 朝御飯出来てますよーっ
ちょうど今から食べる所なんですよ
川 ゚ -゚) ・・・・・・
(,,゚Д゚) ?
川 ゚ -゚) ・・ギコさん? ご飯なんて食べてる場合じゃないでしょう
・・もしかしてお忘れですか?
(,,゚Д゚) へ?
lw´‐ _‐ノv む?
从 ゚∀从 ん?
川 ゚ -゚) ・・やっぱりお忘れでしたか まぁ、いいんですけどねっ
どうせどうでもいい約束だから忘れちゃったんでしょうねっ
いいですもんねっ そうやって蔑ろにされるのは慣れてるんですからねっ
(;゚Д゚) え、え? ど、どうしたんスか? 俺なんか忘れてました?
すんません、仕事で忙しくって・・
休日でしたから腑抜けてました 何でしたっけ?
川 ゚ -゚) いえ、ですから・・
川 ゚ -゚) ギコさん、今日は私と "でーと" の約束してたじゃないですか
朝ご飯は二人で一緒に食べよう、って約束してたのに・・
公園でこっそり待っていてくれる約束してたのに・・
(,,゚Д゚) ・・あれ? そうでしたっけ? いやぁ、それはうっかりd
(,,゚Д゚) しt・・・
(,,゚Д゚)
(;゚д゚) !?
lw´;‐ _‐ノv从;゚∀从 !?
川 ゚ -゚)
さて、証明してみせましょう
デートの一つや二つ、リンゴの皮むきぐらい容易いという事を
そして私のお腹が黒く無いという事を
【第九話:厄姫さんと焦茶色のお散歩】
川 ゚ -゚) ギコさん、先に近くの公園で待っていて下さい
準備でき次第、そこに参りますので
(;゚д゚) ・・・・・・
lw´;‐ _‐ノv从;゚∀从 ・・・・・・
川 ゚ -゚)
川 ゚ -゚) いいですよ いいですよ・・ どうせ私なんて・・
(;゚д゚) あ、いえ、違ッ・・ ・・!?
───朝です 快晴です 二度目です
公園から見える木々が綺麗ですね
都会とは思えないこの風景、この国も良いものです
ですが、今日は姫様と一緒では御座いません ごめんなさい姫様
川 ゚ -゚) お待たせしましたギコさん 準備に手間取ってしまいました
それではいざ、でーとへ参りましょうっ お腹が空きましたよ私は
(;゚Д゚) あ、あの・・ クーさん・・ 1,2個聞きたい事が・・
川 ゚ -゚) 何でしょうか?
(;゚Д゚) 「デートの約束」なんてしてましたっけ・・?
どうしてもそんな記憶が無いのですが・・
川 ゚ -゚) うーん どうでしたっけ 今じゃもう忘れちゃいました
まあいいじゃないですか こうやって準備も整えてしまったんですし
(;゚Д゚) あ、じゃああと一つ聞きましょう
川 ゚ -゚) はい、何でしょう
(;゚Д゚) ジャージを着ているのは何故ですか?
川 ゚ -゚)
川 ゚ -゚) ・・え? これ、もしかして何か可笑しかったですか・・?
(;゚Д゚) あ、いや・・ もう何でもない・・
…あ、なるほど 私とした事が
流石にデートに黒色は駄目でしたね
残念な事にピンク色は持ち合わせておりませんでした
後で調達しに行かねばなりませんね
川 ゚ -゚) 申し訳ありませんギコさん こんなギスギスした色を・・
今度はもっと華やかな色合いをチョイス致します
(,,゚Д゚) (ギスギスっつーか緩すぎるだろう・・)
川 ゚ -゚) ではどこかお店へ入りましょう
優雅な朝食を楽しみましょう でーとなんですから、でーと
(,,゚Д゚)
(,,゚Д゚) (そういえば・・ これは・・ "デート"・・・)
(*゚Д゚)
(*゚Д゚) あ、えぇっと・・ じゃあ朝御飯食べにいきますかっ!
川 ゚ -゚) ええ、いい場所を知っております 散歩しながら行きましょう
(*゚Д゚) りょ、了解ッ!
[物陰]
从;゚∀从 あ、あいつ・・ さっき扉の前で会話聞いてやがったな
とんでもない嘘を・・
lw´‐ _‐ノv いやぁ、アホだな・・ クーって・・ アホだな・・
この国に来てからアホが加速してる気がする・・
从 ゚∀从 何かもう、いろいろと爆発したんだろう 仕事とか城の家政婦としての建前とか・・
「我慢する事から開放された人間は駄目」、という典型的な例だ 覚えておけ
ギコも災難な奴・・
lw´‐ _‐ノv でも嬉しがってるっぽいぞ、ギコ
从 ゚∀从 あいつもアホだから・・
lw´‐ _‐ノv 成程 アホ二人のデートかっ
从 ゚∀从 うむ・・ 流石にアホ二人を放っておく訳にはいかない
从 ゚∀从 そこで任務だ! 我々二人で、奴らが他人に迷惑を掛けないか監視だ!
状況次第では適宜こちらからこっそり干渉するぞ!
lw´‐ _‐ノv サー、イエッサーハイン、サー! シーサーッ パンダッ
さて、朝の公園を二人で…
そう、"異性"の方と"二人"で"一緒"に歩き始めます
二人っきりです そう、二人っきり 異性と ふっふーん
これを"でーと"と言わずして何というのでしょうか
どうですかハイン それ見た事ですか ざまぁ〜みろぉ〜
川 ゚ -゚) (何かもう完璧ですね、私)
(,,゚Д゚) ・・・・・・
(,,゚Д゚) あの、クーさん
川 ゚ -゚) はい、何ですかギコさん
(,,゚Д゚) あのさ、デート・・何ですから
(*゚Д゚) 手、とか・・ 繋いだり・・ とか・・
川 ゚ -゚)
成程
手、ですか 盲点でした
あぁ、なるほど、手
川 ゚ -゚) ・・・・
川 ゚ -゚)っ ・・では手、繋ぎましょうか
(*゚Д゚) あ、はい・・!
(*゚Д゚)っ (や・・ やっべえええぇぇ・・ こんなに美人の人と手を繋ぐとは・・
い、いかん 流石の俺も完全に惚れてしまいs
(,,゚Д゚)
パキッ
(,,゚Д゚)
川 ゚ -゚) ん?
おや、手を握った途端、ギコさんの態度がちょっと変わりました
どうしたんでしょうか、やっぱり照れてるんでしょうか
きっと緊張しているんでしょうね 全く、ウブなんですから
[物陰]
lw´‐ _‐ノv む? 何だ今の変な音は? 何が起こった? 良くわからんぞ
从 ゚∀从 ・・ん? ちょっと待ってろ
_,
从 ゚∀从 ジーッ
_,
从 ゚∀从 ・・・・・・
从 ゚∀从
从;゚∀从 ・・あれ? アイツ、手 折れてね?
lw´‐ _‐ノv ・・え?
从;゚∀从 ・・あれ?
(,,゚Д゚) ・・・・
(;゚Д゚) (・・あれ? 手・・ おかしいな、違和感が・・
一瞬だけもの凄い激痛が走った気がしたんだが・・ 変な音も・・)
川 ゚ -゚) おや、どうしましたギコさん やっぱり手を繋ぐのは恥ずかしかったですか?
(;゚Д゚) あ、いえ 何でもないですよ
(;゚Д゚) (な、何だ・・? 手、確認したいけど・・ 離すわけにも・・)
川 ゚ -゚) ? 早く歩きましょう お腹ぺこぺこです
(;゚Д゚) は、はぁ・・
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从;゚∀从 ま、間違いねぇ! アイツ絶対指の骨折れてる!
突然過ぎて気付いてねぇ!
lw´;‐ _‐ノv え、ええぇぇぇ・・ ちょ・・ ええええぇぇ・・
初っ端からなんぞ・・
从;゚∀从 うーむ・・ 俺の推理からすると、クーが慣れない事に緊張したせいだな
力の加減を誤ったんだろう
lw´‐ _‐ノv おい、ちょっと待て クーはいつからゴリラになった つーか緊張してんのかアレ
从 ゚∀从 爺ちゃん曰く、時々そういう超人的な人間も産まれるんだってよ
親から捨てられた理由の一因でもあるんじゃねーかな・・
ついでにアイツは自分がパニックな事に気付くことが出来ない人間だ
lw´‐ _‐ノv ま、まじか すごいぞクー、必殺技とか使えそうだ
从 ゚∀从 (いや、あの時実際使ってたな・・)
lw´‐ _‐ノv しかしハイン、どうするんだ ギコが自分の手に気付くのも時間の問題だ
このままでは、こっそり二人の跡を付けてニヤニヤするという計画が台無しだ
私、今日暇だっつーの
从 ゚∀从 うむ やっぱり俺とお前の考えることは一緒だな
まぁ任せとけ 魔力の無駄遣いをさせたら俺の右に出る者はいないッ!
lw´‐ _‐ノv 仕事しようよ
从 ゚∀从 不況でして・・
てくてくてくてく
朝のぽかぽかの陽射しの中を歩きます
隣が姫様では無い分、少しだけ違和感を覚えます
(;゚Д゚) (・・これはおかしい 絶対におかしい 何かがおかしい・・)
川 ゚ -゚) ・・む
やはり先ほどからギコさんが変です
額に脂汗が浮かんでおります
ところでお寿司って、脂がありすぎると逆に食べにくいですよね
やっぱりアッサリな白身が私は好きです
川 ゚ -゚) やっぱりお寿司はアッサリしたネタですよね
ところでどうしてそんなにトロみたいな脂を滲ませているのですか
(;゚Д゚) ・・え? 何故にいきなり寿司・・
いや、実はちょっと手に違和感がありまして 手を繋いだ瞬間に・・
川 ゚ -゚) ・・・・・・
川 ゚ -゚) (・・ん? 手・・? 繋ぐ・・?)
川 ゚ -゚)
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[クーの思い出:十数年前]
从゚∀从 じーちゃん! じーちゃん! きてきてーっ!
( ФωФ) ん? どうしたハイン
从゚∀从 すごいぞ! クーがちょっと"言葉"しゃべったぞ!
川゚ -゚) んあー
( ФωФ) え! マジか! 吾輩も聞きたいである!
从゚∀从 クー! もういっかい! もういっかいぃー!
(* ФωФ) wktk!wktk!!
川゚ -゚) ・・・・・・
川゚ -゚) ・・「文明開化」ぁーっ
( ФωФ)
从*゚∀从
川゚ -゚) んあっ
从*゚∀从 ほら! しゃべった! なんかよくわかんないけど、言葉だったよな!
( ФωФ) え・・ いや、うん・・ 言葉・・ だったけど・・
川゚ -゚) 文明開化ぁーっ
从*゚∀从 ほら!ほら! これはごほーびあげてもいいレベルだよなっ!
( ФωФ) (どこで聞いたこんな言葉・・?)
( ФωФ) ・・まぁいい機会である ご褒美に、そろそろクーに街を見せてやるか
从*゚∀从 やった! まちだーっ!
川゚ -゚) 文明開化ぁーっ!
( ФωФ) ちょ、もう辞めて 何か素直に喜べないその言葉
川゚ -゚) ?
从゚∀从 ?
( ФωФ) さて、魔法ばかり使うのも何だし、久々に歩いてゆくか
从゚∀从 あるくぞー!
川゚ -゚) んげーっ
( ФωФ) ほら、爺ちゃんと手を繋ぐである 危ないぞ
从゚∀从 わーい
ニギッ
川゚ -゚) んぁ?
( ФωФ) クー、ハインみたいに吾輩と手を繋ぐのだ コケてしまうぞ
川゚ -゚) んぁっ
( ФωФ)
バキッ
( ФωФ) ・・・・・・
从゚∀从 まーちーはーたのしぃーぞー♪
川゚ -゚) んあーぁーうーぅー♪
( ФωФ) ・・クー、クー、ちょっと聞くである
川゚ -゚) うあ?
( ФωФ) ・・・・・・
( ФωФ) 人の痛みを・・ 知れる大人になるのだぞ・・
川゚ -゚) あーう?
从゚∀从 じーちゃん、なんか目 あかいぞー どうした?
:( ФωФ): いや、何でもない・・ 全然痛くないもんね・・ 全然・・
耐えようと思えば全然あれだもんね・・ 全然・・ 痛・・
从゚∀从 川゚ -゚) ?
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川 -) ・・・・・・
(,,゚Д゚) それで、とりあえず手を確認しt・・ あれ、どうしましたクーさん
川 -) ギコさん、お爺さん
川 -) 本当に・・ 本当にごめんなさい・・
(,,゚Д゚) ・・はい?
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