ミセ;゚ー゚)リ「きゃー!怪人よー!ひどくエラの張った怪人よー!」
<ヽ`∀´>「ニダニダニダ!銀行強盗してやるニダー!」
('、`;川「な、なんですってー!市民の生活を脅かすつもり!?」
<ヽ`∀´>「うるせーニダ!怪人なんて安月給の仕事、銀行強盗でもしないと食っていけないニダよ!」
<#`∀´>「お前らにウリたちの辛さがわかるニダか!?怪我しても保険が効かないニダよ!」
<#`∀´>「ウリだって嫁も子供もいるニダ!その生活費を得るのがどれだけ大変か!お前にわかるニダか!!」
('、`;川「えぇ…愚痴られても…」
<ヽ`∀´>「ともかくもう銀行強盗は決定事項ニダ!とりあえず十万あれば今月はしのげるニダ!」
( ^ω^)「待てい!!」
<ヽ`∀´>「!!誰ニダ!?」
( ^ω^)「私こういう者です」
┌─────────────┐
│全日本ヒーロー派遣(株) ......│
│ ヒーローニ課 │
│ │
│ 内藤 ホライゾン .│
│ │
│電話番号 xx-xxxx-xxxx .│
│ 住所 xxxxxxxxxxxx .....│
└─────────────┘
<ヽ`∀´>「ああ、これはどうもご丁寧に…」
<;`∀´>「ってヒーロー!?あんたヒーローニダ!?」
( ^ω^)「ええ、まだまだ若輩者ではありますが…よろしくお願いいたします」
<#`∀´>「やめるニダ!ヒーローに頭を下げられる趣味はないニダ!」
( ^ω^)「いえいえいえそんな!先輩に頭を下げないなんて、後で僕が怒られてしまいますので!」
<;`∀´>「先輩て…まぁ確かに先輩っちゃ先輩ニダけど…」
('、`;川「ちょっとあなたヒーローなんでしょ!?早く怪人をやっつけてよ!」
( ^ω^)「いえ、しかし…街中で暴れては皆様のご迷惑になりますので…」
ミセ;゚ー゚)リ「銀行強盗されるほうがよっぽど迷惑なんですけど!?」
( ^ω^)「あ、これは失礼しました。先輩のお名前を伺ってもよろしいでしょうか?」
<ヽ`∀´>「ウリはニダーニダ」
( ^ω^)「ニダーさん…もしかして、『ゴミ漁りのニダー』さんですか!?」
('、`;川「不名誉すぎるだろその二つ名!!」
<ヽ`∀´>「ニダ!まさかその二つ名を知っているやつがいるとは…お前、通ニダね!」
( ^ω^)「いえいえそんな…ニダーさんの高名はうちでも有名ですよ!」
ミセ;゚ー゚)リ「ゴミ漁りで高名なんだ…怪人界厳しいな…」
<ヽ`∀´>「それはそれとしても、お前は俺を邪魔しに来たってことは間違いないニダね?」
( ^ω^)「はい。お仕事の邪魔をするのは非常に心苦しいのですが、こちらも仕事ですから」
<ヽ`∀´>「ホルホルホル!そんなことはわかってるニダ!さぁ、胸を借りるつもりでかかってくるニダよ!」
( ^ω^)「私もそうしたいのは山々なのですが…恥ずかしながら戦いは苦手分野でして…」
<;`∀´>「ヒーローなのに!?お前決定的なところ欠けてるニダよ!」
( ^ω^)「そこで少々交渉をしたいのですが…あ、立ち話もなんですし、そこの喫茶店でもいかがでしょう?」
<#`∀´>「舐めるんじゃないニダ!!ウリにだってプライドがあるニダ!!何でヒーローとお茶なんか」
( ^ω^)「料金は気にしないでください。経費で落ちますので」
<#`∀´>「是非ご一緒させてもらうニダアアアアア!!!」
('、`;川「プライド投げ捨てた!!さすが怪人!!」
(´・_ゝ・`)「いらっしゃいま…うわあああああ!!ひどくエラの張った怪人だあああああ!!」
<ヽ`∀´>「安心するニダ、今日は普通に客として来たニダ」
(´・_ゝ・`)「ええ…?マジですか…?」
( ^ω^)「はい。私、こういう者でして」
(´・_ゝ・`)「どうも…あ、ヒーローの方でしたか。でしたら安心ですね」
( ^ω^)「ええ。何かあったらこう、とっちめますので」
<ヽ`∀´>「ホルホルホルwww面白い冗談ニダwww」
(´・_ゝ・`)「禁煙席になりますがよろしいでしょうか?」
<ヽ`∀´>「構わないニダ。ウリはタバコは嫌いニダ、肺ガンになるニダ」
(´・_ゝ・`)「ご注文お決まりでしたらどうぞ」
<ヽ`∀´>「コーヒー、ミルクとガムシロも頼むニダ。あと、サンドイッチとナポリタンとオムライスを二つずつニダ」
( ^ω^)「私はウーロン茶でお願いします」
(´・_ゝ・`)「かしこまりました」
<ヽ`∀´>「いやー、助かったニダ!これだけ食えば一週間はもつニダ!」
( ^ω^)「いえいえ、お礼なんてとんでもありません」
<ヽ`∀´>「ヒーローなんてふざけた奴しかいないと思ってたけど、お前は話が分かるニダね!」
( ^ω^)「大先輩にそう言っていただけると光栄です」
<#`∀´>「だいたいあいつらおかしいニダ!変身中は攻撃禁止とか、自分勝手なルールばっかりニダ!」
( ^ω^)「それは近年問題視されていますね。怪人保護法に抵触すると」
<ヽ`∀´>「他にも色々言いたいニダ!毎回絶対あいつらが勝つようにシナリオが仕組まれてる気がするニダ!」
( ^ω^)「確かに…怪人側の苦悩はなかなか描かれませんしね」
<ヽ`∀´>「その通りニダ!ウリの極貧生活なんか、ドキュメンタリーにしたら視聴率二桁は硬いニダよ!」
(´・_ゝ・`)「お飲み物お持ちしました」
( ^ω^)「あ、ありがとうございます」
<#`∀´>「肝心なところでいっつもパワーアップするし…あいつら絶対トレーニング怠ってるニダ!」
( ^ω^)「ヒーローの端くれとしてお恥ずかしい限りです…あ、それで本題なのですが」
<ヽ`∀´>「ニダ!銀行強盗の件ニダね!ウリは断固として止めないニダよ!」
( ^ω^)「ええ、それが怪人の仕事なのはわかっているのですが…市民の皆様の迷惑ですので、ここはどうかひとつ」
<ヽ`∀´>「こればっかりは譲れないニダ!ウリにも生活がかかっているニダ!」
( ^ω^)「ええ、それもわかっています。ですから、タダでとは言いません」
(´・_ゝ・`)「ナポリタンになります」
( ^ω^)「あ、どうもすいません」
<ヽ`∀´>「いただきますニダ!」
<ヽ`∀´> ズゾゾゾゾゾゾ
<ヽ`∀´>「それで、タダじゃないってどういうことニダ?」
( ^ω^)「言葉の通りです。ニダーさんが手を引いてくだされば、お金をお渡ししようと」
<ヽ`∀´>「怪人を買収する気ニダ?はっ、バカバカしい話ニダ」
<ヽ`∀´> ズゾゾゾゾゾゾ
( ^ω^)「…では、お聞きしたいのですが。具体的に、どのように銀行強盗を行うつもりですか?」
<ヽ`∀´>「そんなん決まってるニダ!窓口に押しかけて行員を脅してやるニダ!」
( ^ω^)「それで首尾よくお金を手に入れたとしましょう。逃走経路はどうします?」
<ヽ`∀´>「邪魔するやつらはブッ倒して逃げるニダ!完璧ニダ!」
( ^ω^)「…大変申し上げにくいのですが。その計画では、100%失敗しますよ」
<#`∀´>「ファッビョーン!!喧嘩売ってるニダか!!」
( ^ω^)「脅迫ですが…近年は銀行の強盗対策もしっかりしていますので、素手ではまず間違いなく無理です」
( ^ω^)「窓口の通報装置ですぐに通報されてしまうでしょう。恐らく…戦隊クラスのヒーローが駆けつけるでしょうね」
<;`∀´>「せ、戦隊クラスニダ!?」
( ^ω^)「ええ。そうなれば戦闘は避けられません。勝つ見込みはおありですか?」
<;`∀´>「ぐぐ…そ、それでも!勝つみこみゼロとは言えないニダ!」
( ^ω^)「それは希望的観測です。ニダーさん、失礼ですが…今までの戦績は?」
<ヽ`∀´>「…百七十五戦一勝ニダ」
( ^ω^)「その一勝は誰相手ですか?」
<ヽ`∀´>「…市民Cニダ」
( ^ω^)「AとBには?」
<ヽ`∀´>「負けたニダ…」
( ^ω^)「もう一度聞きます、ニダーさん。戦隊クラスのヒーローに、勝てる見込みはおありですか?」
<ヽ`∀´>「…ない、ニダ…」
( ^ω^)「…正直にお話してくださってありがとうございます」
<ヽ`∀´>「ニダ…」
( ^ω^)「ですから、私は今日。こうして平和的な解決を持ちかけているのです」
( ^ω^)「手を引いてくだされば、ニダーさんはお金を得て、しかも死亡の危険もない…いかがでしょう?」
<ヽ`∀´>「…いくら、貰えるニダ?」
( ^ω^)「とりあえず、百万円ほど用意しております」
<;`∀´>「ひゃ、百万!?百万って言ったら…一円玉が何枚ニダ!?」
( ^ω^)「百万枚です」
<;`∀´>「…ということは、百万グラム…恐ろしい額ニダ…ほ、本当に貰えるニダ?」
( ^ω^)「ええ。平和のためなら、安いぐらいです」
<ヽ`∀´>「……」
( ^ω^)「いかがなさいますか?」
ミセ;゚ー゚)リ「…さっきの二人、喫茶店に入ったきり出てこないけど…」
('、`;川「一体何をしているのかしら…」
バリーン!!
(;^ω^)「くぅっ…やはり、交渉は決裂か!!」
ミセ;゚ー゚)リ「うわっ!窓を破って出てきた!」
('、`;川「やっぱり平和な解決なんて無理だったのね!社会と同じなのね!」
<ヽ`∀´>「ニダニダニダ!コーヒーにサンドイッチにナポリタンとオムライス程度でウリを懐柔しようなんて考えが甘いニダ!」
<ヽ`∀´>「ウリを懐柔したかったら、WiiとDSiを持ってくるニダよ!」
('、`;川「いやそれも結構安いな!」
<ヽ`∀´>「もうすぐ子供の誕生日ニダ…」
ミセ;゚ー゚)リ「意外にいいお父さんだこの怪人!」
(;^ω^)「くそっ!!こうなったら、仕方ない…ニダー!貴様をここで倒す!」
<ヽ`∀´>「くくく…やれるものならやってみるニダ!!」
( ^ω^)っΦ サッ
( ^ω^)「変・身!!」
ミセ*゚ー゚)リ「うわー!!生変身だー!!写メ撮っちゃお!!」
( ^ω^)「あ、すいません…フラッシュはなしでお願いします」
('、`;川「フラッシュ炊かなきゃいいんだ…」
( ^ω^)「では、改めて…変・身!!」
( ^ω^)「とうっ!!」
説明しよう!
('、`;川「どこ!?どこから聞こえてんのこの声!?」
ブーンは変身アイテム「ファイスティック」を振りかざすことで
正義の力をその身に宿すヒーロー、ジャスティスカイザーに変身することができるのだ!!
(::::::::::::::) フォワワワワワ
<ヽ`∀´>
('、`;川「変身待ってる!!律儀!!」
スタッ!!
(::::::::::::::)「…天下無双のヒーロー…」
ドカーーーー ( =☆=)「ジャスティスカイザー!!ここに見参!!」 ーーーーン
<ヽ`∀´>「…ホルホルホル!現れたニダねジャスティスカイザー!」
('、`;川「完全にタイミング計ってたこの怪人!!」
<ヽ`∀´>「ウリは『残虐大帝ニダー』!!今日を貴様の命日にしてやるニダ!!」
ミセ;゚ー゚)リ「こいつ名前だけめっちゃ強そうだ!!」
('、`;川「残虐大帝ゴミ漁りしてんの!?」
<#`∀´>「うるさいニダ!!最初のマネージャーが勝手に付けたんだからしょうがないニダ!!」
ミセ;゚ー゚)リ「マネージャーいるの怪人!?」
( =☆=)「うおおおおお!!行くぞおおおおお!!」
<#`∀´>「ニダアアアアア!!ゴミ漁りクロー!!」
('、`;川「やっぱそっち本業なんだ!!」
ピュー
ε==<つ`∀´>つ (=☆= )
ミセ;゚ー゚)リ「危ない!逃げてジャスティスカイザー!」
( =☆=)「…必殺!!」
<つ`∀´>つ ピタッ
ミセ;゚ー゚)リ「止まった!!怪人完全に止まった!!」
('、`;川「ルールに厳しい業界だな!!」
( =☆=) フォォォォォ…
つ◎と
('、`;川「な、何!?あのエネルギーは!?」
説明しよう!
('、`;川「またかよ!!」
ジャスティスカイザーは、手に正義のエネルギーを集めて放出する必殺技が使えるのだ!!
その名もジャスティスボール!!
建築物やその他もろもろに一切の被害を出さずに怪人のみを攻撃する非常に安全な攻撃だ!!
しかもそのエネルギー効率は電気代に直すと一時間当たり0.2円ととても経済的だぞ!!
ミセ;゚ー゚)リ「後ろ二行世知辛っ!!なんか悲しい!!」
ギュオオオオオオオオオオン
( =☆=)
つ つ ε===◎
('、`;川「…なんかしょぼくない?」
( =☆=)「後でVFXかけます」
ミセ;゚ー゚)リ「それ言っていいの!?」
<つ`∀´>つ
<;`∀´>「ニ、ニダアアアアア!!!」
('、`*川「あ、動き出した」
ガッスウウウウウ
<;`∀´>「ぐ…あああああああああ!!!!!」
::::::::::::::::::::::::...... ........::::::::::::::::::::::::::: ;;;;;;;::::::::::::::::::
γ ⌒ ⌒ `ヘ
イ "" ⌒ ヾ ヾ ドガァァァァァァァァン.....
/ ( ⌒ ヽ )ヽ
( 、 , ヾ )
................... .......ゞ (. . ノ. .ノ .ノ........... ........
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.._....,,. .-ー;''! i;;;〜−ヽ
γ ,〜ー'''l ! |'''ーヾ ヾ
( ( |l | ) )
ヾ、 ⌒〜"""''''''⌒〜'"´ ノ
""'''ー-┬ーr--〜''""
| | :
ノ 从 ゝ
('、`;川「爆発は本格的なのかよ!!あ、でもなんかいい香り…」
説明しよう!ジャスティスボールで倒された怪人はフローラルな香りを周囲に振りまいて倒れるのだ!
ミセ;゚ー゚)リ「すげぇ気の利く必殺技だ!!」
( =☆=)「…ニダー…お前も、ゴミ清掃員として暮らしていれば…それなりに生活できていただろうに…」
シュン
( ^ω^)「……」
('、`*川「すごい!さすがヒーローね!」
ミセ*゚ー゚)リ「写真撮ってもらっていいですか!?」
( ^ω^)「あ、はい。サインも入れましょうか?」
ミセ*゚ー゚)リ「ミセリさんへでお願いします!」
( ^ω^)「わかりました…あ、すいません!路上には出ないでください!全員分対応しますので!はい!」
キャーキャーワーワー
〜三時間後〜
(;^ω^)「ふぅ…やっと全員分終わった…」
<ヽ`∀´>「お疲れ様ニダー」
( ^ω^)「あ、どうもニダーさん。さっきは迫真のやられ方でしたね!」
<ヽ`∀´>「ホルホルホル!怪人歴二十五年は伊達じゃないニダ!」
( ^ω^)「さすが歴史が違いますね。本当に爆発したかと思ってヒヤヒヤしましたよ」
<ヽ`∀´>「色々テクニックがあるニダよ。それで…」
( ^ω^)「はい、こちらが約束のお金になります」
<ヽ`∀´>「…確かに受け取ったニダ。本当助かったニダ」
( ^ω^)「いえいえいえ、こちらこそ本当にありがとうございました」
<ヽ`∀´>「それじゃ、失礼するニダ!」
スタスタ…
( ^ω^)「……」
プルルルルル
( ^ω^)】「あ、もしもし?ヒーロー二課の内藤ですが…ええ、はい。終了しました」
( ^ω^)】「…もちろんです。見せ場もちゃんと作りました。サインや写真会もばっちりです」
( ^ω^)】「そうですね…グッズ類の売れ行きは、数千万円規模で見込めるかと…はい」
( ^ω^)】「はい、はい。それでは、失礼します」
ピッ
( ^ω^)「…ふぅ…これでよし、と。全くヒーローも楽じゃないお」
( ^ω^)「怪人がいなきゃヒーローも人気が出ない…因果な商売だおねぇ」
( ^ω^)「ま、儲かるからいいんだけど…」
第一回 登場怪人
<ヽ`∀´> 残虐大帝ニダー
怪人歴二十五年のベテラン怪人。妻子持ちで、業界屈指の愛妻家として知られる。
やられ役として絶大な人気を誇っている(ヒーローの間で)のだが…。
当の本人はそんなことを知る由もなく、ゴミ漁りなどの微妙な悪事を働く日々。
しかも悪事をした分ボランティアをしてしまうのでどうしようもない。
( =☆=)「みんな!今回の僕の活躍はどうだったかな?」
( =☆=)「残虐大帝ニダーは強敵だったけど、みんなの応援のおかげでなんとか勝てたぜ!」
( =☆=)「それじゃ、また次回!せーの!」
( =☆=)「いつも心に、ジャスティスを!!」
( ^ω^)は現実的ヒーローのようです
第一回 「利害の一致がマーケットになるのだ!」
終わり
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