13-aルート.イタリアンにいく


革張りの上品なイス。
整頓されたテーブル。
淀みなく発音を重ねる洗練されたボーイたち。
ここはオシャレなレストラン。内藤に教えてもらったイタリアンだ。


('A`)「あわわ」


伊藤さんに見栄ははったものの、どうしたらいいのかわからない。
そんな俺にボーイが近づいてくる。


「御予約はされていますか?」

('A`)「あ、はい。どどどどどどどどど毒田です」


後ろで伊藤さんがクスリと笑う。
俺は何事かと振り返る。


('、`*川「毒田さん、緊張しすぎですよ」

('A`)「いや、今は全然ですよ。予約の時に緊張してただけで」

('、`*川「あら」

「どどどどどどどどど毒田様ですね。こちらへどうぞ」

('A`)(よく笑わないな……)


案内された席にはなんだかわからん花が飾られている。
俺は花はチューリップとひまわりぐらいしかわからない。


('、`*川「この花は〜」


だから、目の前で花のうんちくを語る女性の言うこともあまりわからない。
俺はタイミングを外さないように適当に相槌を打つ。


「メニューです」

('A`)「ふむ……」

('、`*川「……」

(;'A`)(メニューが何を示しているのかわからない! 写真は!? 写真はどこ!?)

(;'A`)「い、伊藤さんはなににします?」

('、`*川「……ふふ」

(;'A`)「?」

('、`*川「あなたと同じで」

(;'A`)(やっばーい!!)


(;'A`)「えーと、えーとえーと……」

('、`*川「……ふふ」


慌てふためく俺。
それを見て笑う伊藤さん。
俺は観念してボーイさんに説明を求めた。


「こちらが肉料理のコースで……こちらが魚料理のコースです」

('A`)「あ、じゃあ俺は肉料理で……伊藤さんは」

('、`*川「あたしも同じで」

「かしこまりました」


ボーイさんが下がっていく。
その洗練された動きに思わず見惚れる。


('、`*川「毒田さん」

(;'A`)「ひゃい!?」


ボーイさんに見惚れていた俺は急に話しかけられて思わず声が裏返る。


('、`*川「ここ、初めてですよね?」


イジワルそうな顔で尋ねられる。
ああ、その顔は卑怯だ。


('A`)「……すいません」

('、`*川「ふふ。謝らないで。少しかわいく見えちゃって」


('A`)ウボァー


デート開始30分でリア充もとい化けの皮が剥がれてしまった。
しかし伊藤さんはそんなことは気にしないらしい。


('、`*川「ふふ、かわいいですね」

('A`)「同い年なんだからかわいいはやめてください」

('、`*川「そっか、同い年なんだ」


メールやなんやで知ったことだがどうも俺たちは同い年であったらしい。
正直なところ、伊藤さんより俺の方が年下だと思っていたので知ったときは驚いた。


('、`*川「ね。これから禁止しようか」

('A`)「何をですか」

('、`*川「敬語。なんだか敬語じゃ他人行儀よ」


('A`)「……」


そういえばナチュラルに今まで敬語で通してきたがそれはきっと変なのだろう。
たぶん。俺は願ってもないチャンスと承諾する。


('A`)「わかりまし……」

('、`*川「……」

('A`)「……わかった」

('、`*川「よろしい」


それから俺たちは出てきた料理に舌鼓を打つ。
なんたら風かんたらとかうんたら風かんたらと名前を付けられた獣肉を貪る。
伊藤さんの食べっぷりは、野球選手の俺から見ても豪快で、密かに計画していた


('、`*川『もう食べられません……』

('A`)『それなら僕が食べましょう』

('、`*川『ワオ。なんと素敵なエコロジースタイル』

('A`)『ちきゅうを だいじに』

('、`*川『惚れた。抱いて』

('A`)『HAHAHAおいでよハニー』

('、`*川『ダンケシェーン』


という作戦はお蔵入りになりそうだ。


('、`*川「ところで……」


という伊藤さんの切り出しをきっかけに話題は野球へと移る。
自分は野球しか能の無い人間なので、この話題はありがたい。
もしかしたら、伊藤さんが配慮してくれているのかもしれないが。


('A`)「今のヴィッパーズは……」

('、`*川「ふむふむ……」


彼女も記者になるほどの野球狂である。
懸念していた気まずい空気も流れることなく、俺たちは会話を楽しんだ。


('、`*川「あのサヨナラヒットはすごかったよ」

('A`)「いやいや、そんなことないって」


そして話題は俺の優勝決定サヨナラヒットに移る。
俺がレールウェイズの守護神バルケンから打った一打だ。


('A`)「……あ」

('、`*川「?」


ふと、思い出す。
俺が空振りしかけた時、バックネットから聞こえた声援は――


('A`)「伊藤さん、最後のとき大きい声で応援してくれたよね」

('、`*川「! ……聞こえてたんだ」


恥ずかしそうに目を伏せる。
その表情と仕草に思わず胸キュンだ。


('、`*川「ホントは大人しく席で応援するはずだったんだけど」

('A`)「はあ」

('、`*川「なんだかヒートアップしちゃって」

('A`)「いやいや、あの一打は伊藤さんのおかげだよ」


この言葉は事実だ。
あの応援がなければ三振して、さらに負ければ2ちゃん内で戦犯扱いになってただろう。


('A`)「そろそろ出ますか」


デザートもあらかた食べ終え、俺たちは席を立つ。
おいしいイタリアンを食べさせてくれる店だった。機会があればまた来よう。
伝票を持っていこうとする伊藤さんを制止する。


('A`)「払うよ」

('、`*川「いや、でも……」

('A`)「大丈夫大丈夫。これでもまあまあ稼いでるから。外で待ってて?」

('、`*川「……そう。ごちそうさま。ありがとう」

('A`)「どういたしまして」


伊藤さんが店から出て行く。
まあこれで男の面子は保てただろう。


('A`)「……さて」


俺は手に持った伝票をまじまじと見つめる。
こんないい感じのイタリアン(笑)だ。結構な金を取ってしかるべきだろう。
一つ小さく息を吐き、覚悟を決めて伝票を開く。


(゚A゚)「ハイッ! ……あれ」


しかしそこに並んでいた数字は俺が想像した以上に良心的だった。
どうやらこの店は優良店らしい。
俺は会計の時にボーイさんと握手した。ボーイさんは引いてた。


('A`)「……」


腕時計を見る。午後8時。
まだ帰るには早い時間だ。


(;'A`)(でももう一軒誘う度胸なんてないしなあ)


そう思いながら外で待っていた伊藤さんに話しかける。
店の照明に淡く照らされた伊藤さんはひどく艶めかしかった。


('A`)「えーと……」


誘うか誘わないか迷う。
誘うならもちろんお酒の席だろう。お洒落な隠れ家的居酒屋(笑)とか。
間違ってもロイホなどに誘ってはいけない。


('A`)「あのー……」


意を決して誘おうとする。
しかしそれは伊藤さんの言葉に遮られた。


('、`*川「もう一軒行きませんか?」

('A`)「……!」

('、`*川「……ダメ、ですか」


伊藤さんが泣きそうな顔になる。
そんな顔も美人だな、とか思っている場合ではない。


('A`)「いやいや、行きます行きます。世界が滅んでも行きます」

('、`*川「よかった」


伊藤さんが心底ホッとした表情を見せる。
俺で良ければいつでも食事ぐらい一緒にできるのだが。暇だし。
その旨を伝えると彼女は、


('、`*川「そうですか。なら、ガンガン誘いますね」


と、言ってくれた。
嬉しい限りだ。


――と、言うわけで。
俺は今伊藤さんオススメの居酒屋に来ている。
個室で仕切られた雰囲気の良いそこは、今まで隠れ家的(笑)とバカにしていたのを覆した。


(;'A`)「……」


しかし、俺は今困っている。
話題が続かないとか、そんなんではない。


('、`*川「あはははは!! でね!? でね!? その時その娘が!!」


この目の前にいる酒乱をどうしたもんかと困っているのだ。


ヴィッパーズにも酒乱は大勢いる。
茂等さん、アーロン、朴さん。
杉浦さんも下戸と言いつつ酒が入ると猫みたいな口調になるので酒乱に入れてもいいだろう。
キャラ崩壊的な意味で。


(;'A`)「……」

('、`*川「それでね!? その娘がおかしいったらありゃしないの!! キャハハハハハ!!」


だから、チームの飲み会で潰れる先輩もいるし、酒乱の扱いは慣れたはずだった。
しかし、なんか伊藤さんのパワーに圧倒される。
相槌を打つだけで向こうが勝手に盛り上がるから楽と言えば楽だが。


('A`)「……」


ちらりと腕時計を見る。
もう針はてっぺん(業界用語で12時)を指している。
俺はどっちにしろタクシーだからいいが、伊藤さんは困るだろう。


('A`)「伊藤さん、終電無くなるよ」

('、`*川「えー、ドックンノリ悪いー、もっと飲むぅー」

('A`)「飲みすぎだよ。帰ろう。送るから」


伊藤さんはすでに俺の2倍近く酒を飲んでいる。
俺もまあまあ飲む方なので、尋常ではない量だ。
間違いなく明日に響くだろう。


('A`)「立てる?」

('、`*川「立てなぃー! おぶって!」

(;'A`)「ええ!?」

('、`*川「おぶらないと帰らないから!」

(;'A`)「酔いすぎだよ」

('、`*川「酔ってませんー」


そう言ってはーっと息をかけられる。
めちゃくちゃ酒臭かった。


('A`)「……」


これは本当におぶらないとてこでも動かなさそうだ。
とりあえず先に会計を済ませる。


そして伊藤さんのところに戻る。
伊藤さんはテーブルに赤い顔で突っ伏していた。
非難めいた感じで責められる。


('д`*川「ドックン遅いー」

('A`)「ごめんごめん。さ、立って」

('、`*川「だーかーらー! おぶって!!」

(;'A`)「うーん……」


どうしたもんか。


('A`)「……ふう」


観念する。
恥ずかしいがまあ仕方ないだろう。
もはや寝そうな伊藤さんを背中に乗せ、店を出る。
潰れた人を介抱するのは珍しくないのか、特に奇異の目を受けることなく道を歩く。


('A`)(かるっ……)


伊藤さんをおぶって最初に考えたのはそれだった。
練習でチームメイトをおぶってダッシュする練習がある。
その時の内藤の3分の1ぐらいしか無い気がする。


('A`)「電車に乗るわけにもいかんしな……」


こんな状態の伊藤さんを電車に入れるなど、躊躇する。
ここはタクシーに乗せるべきだろう。


「タクシー」「アイヨー」「ギャー」


(;'A`)「……」


向こうでは重大な人身事故が発生している。
見なかったことにして普通にタクシーを止める。


('A`)「ほら、伊藤さんタクシー入って」


そう言って伊藤さんをタクシーに詰める。
あとは運ちゃんがなんとかしてくれるだろう。
これで俺の仕事は終わりだ。


('、`*川「ドックンも!!」


伊藤さんがタクシーの座席を焦点が合わない目でポンポンと叩いている。
どうやら俺の仕事はまだ終わりではないらしい。


「……」

('、`*川「すやすや」

(;'A`)「……」


タクシーの中で三すくみ。
伊藤さんは行き先だけ伝えるとすやすや眠りについた。
俺いる意味ないじゃん。


「……大変ですね」

('A`)「ええ、まあ」

('、`*川「すやすや」

「SPは」

('A`)「……」

('、`*川「すやすや」

('A`)(夕方の運ちゃんじゃん……)


ささやかな、別にいらない奇跡が起こっていた。


「ありがとうございましたー」

('、`*川「むにゃむにゃ」

(;'A`)「……」


タクシーの運ちゃんに見送られ、伊藤さんの家に着く。
相変わらずおんぶの体勢のままだ。


(;'A`)「伊藤さん、ついたよ」


背中を揺すって起こそうとする。
伊藤さんはむにゃむにゃと何事が呟きながらカギを取り出した。


('、`*川「……505号室」

('A`)「えっ」

('、`*川「……むにゃむにゃ」

(;'A`)「えぇー……」


カギでオートロックを開け、エレベーターに乗る。
他の住人に会わなかったのは幸いかもしれない。
185cmの黒スーツが可愛い人をおんぶしているなんて怪しさMAXだ。


('A`)「……ここか」


505号室で表札には「伊藤」。間違いないだろう。
預かったカギでドアを開ける。


('A`)「ほーら、伊藤さん。起きて起きて」

('、`*川「うーん……」


背中に伊藤さんを乗せたまま体を揺さぶる。
やっとの思いでここまで運んできたのだ。
最後ぐらいはしっかり言うことを聞いてほしい。


('、`*川「……ベッドー」

(;'A`)「……」


どうやら、素直には聞いてくれそうにない。


('A`)「お邪魔しまーす」


いつまでも玄関先にはいられないのでちゃっちゃと伊藤さん家に入る。
ベッドはすぐに見つかった。
そこに伊藤さんを寝かせる。


('A`)「じゃあ、俺帰るから。ちゃんと着替えなよ」

('、`*川「うーん……ドックンお水ぅ……」

(;'A`)「……」


ワガママなお姫様か。
美人じゃなかったら愛想尽かされるぞ。
美人だからいいけど。


('A`)「……」


ジャーっと水道から水を入れる。
勝手にコップを使ったがまあ、いいだろう。


('A`)「はい、伊藤さんお水……っ!」


その時、俺は見た。
伊藤さんの安らかな寝顔。
おんぶしているときに感じた控えめな胸部の膨らみ。
服の上からでもわかるきゅっとしたウェストにちゃんと出るとこは出ている尻。


('A`)「……」


そして、スカートが少しはだけて露わになっている張りのありそうな大腿。
そんな魅力的な女性がベッドに寝ている。無防備で。
俺はコップを持ったまま、立ちすくんでいた。


('A`)「……」

('、`*川「……むにゃむにゃ」


俺は25年間モテないで過ごしてきた。
高校時代も、野球だけに必死で取り組んできた。
俺から野球を取れば、本当に何も残らない。
満足な女性経験など、あるはずがなかった。


('A`)「……」

('、`*川「すやすや」


それが今、ほんの少し手を伸ばせば意中の女性に触れられる。
2人きり。相手の家。遮るものは、なにもない。


('A`)「……」


コップをテーブルに置く。
カタン、という音がする。
それすら、彼女を起こさないかと心配する。


('、`*川「……」

('A`)「……」


カタカタと、震える手を伸ばす。
指先の、ほんの数センチ先には、俺の追い求めてきたものがある。


俺の手が、伊藤さんの胸に当たるか――当たらないかぐらいの時。
俺は、見た。


('、`*川「すやすや」


安らかな寝顔。
――俺を、信頼している寝顔。


('A`)「……」


出した手を引っ込める。
伊藤さんに毛布をかけ、置き手紙を書き、電気を消す。
ドアをくぐって鍵をかけて、ポストの中に入れた。


('A`)「……」


エレベーターに乗って、一階まで下がる。
きっと、あれで良かったのだ。――きっと。
オートロックの自動ドアを出て、ふと505号室の辺りを見る。
何かしら何の得にも損にもならないことを考えて、歩を進める。


――マンション『アアァッース』505号室


暗くなっていた部屋に、電気が灯る。
おしゃれ着を脱ぎ捨て、洗濯機に入れ、部屋着のジャージに着替える。
枕元に置いてあった水を一気に飲む。


('、`*川「……ふぅ」


その顔が紅潮しているのは、果たしてお酒のせいだけか。
コップを置いて、一言つぶやく。


('、`*川「……いくじなし」


もう一杯水を飲むため、台所へと立ち上がる。


――1月某日

(K‘ー`)「内藤さーん!!」

( ^ω^)「おう慶三。あけおめだお」

(K‘ー`)「ことよろです!!」

( ^ω^)「しかしドクオも人使いが荒いお。いきなり引っ越し手伝えなんて」

(K‘ー`)「全くですよ」


そうブツクサ文句を言いながらも寮に向かう2人。
今日はドクオの引っ越しのため、手伝ってくれと言われたのだ。


( ^ω^)「ドクオー、開いてるのかお―?」


ドクオの寮の部屋のドアをノックする。
中からドクオの声がする。


「お待ちしておりました。どうぞ中へ」


( ^ω^)「!?」

(K‘ー`)「!?」


( ^ω^)「今のドクオだよね」ヒソヒソ

(K‘ー`)「……たぶん」ヒソヒソ

( ^ω^)「なんかあったのかお?」ヒソヒソ

(K‘ー`)「わかりません」ヒソヒソ

( ^ω^)「とりあえず入るお」ヒソヒソ

(K‘ー`)「了解です」ヒソヒソ


内藤はドクオの部屋のドアを開ける。
そこで2人が見た者は――


('A`)「ああ、あけましておめでとうございます。今年もどうぞよろしく」


荷造りを終えた部屋の中心で座禅を組む1人の男だった。


( ^ω^)「なんで敬語? なんで座禅?」

(K‘ー`)「ていうか荷造り終わってるじゃないですか……」

('A`)「……ワシはなあ、貴様等とは違うんじゃ」

( ^ω^)「!?」

(K‘ー`)「!?」


('A`)「なぁにが結婚だ。なぁにが24時間耐久だ。

   貴様等は女性をそんな目でしか見れんのか」

( ^ω^)(ドクオ変な宗教入ったのかお?)

(K‘ー`)「毒田さん変な宗教入ったんですか?」


('A`)「やかましいわ。俺は悟りを開いた。

   俺は性欲から完全に解放された。いわゆるプラトニックラブだ」

( ^ω^)「ふーん」

(K‘ー`)「あ、内藤さんそっち持ってください」

( ^ω^)「ほいほい」


家主である俺を無視して引っ越し道具を運ぶ俗物ども。
まああいつらはあの状況なら光の速さで手を出すんだろう。
まったく呆れた性獣どもだ。


ちなみに。


(K‘ー`)「あ、毒田さん糸取ってください」

と川島に5回ぐらい言われ、


( ^ω^)「僕この曲好きなんだお」

(K‘ー`)「スキマスイッチいいですよね」


スキマスイッチの『糸の意図』が8回連続ぐらいで流れた。
が、特に俺は動揺せずに引っ越しを完了した。
まあそもそも動揺する要素がないが。


――そして、引っ越しが完了して数日後。


('A`)「ふぃー」


そろそろこの新居にも慣れてきた。
一人暮らしには少し広いが、まあ1年のうちの3分の1はいないのでいい。
時刻は午後8時。そろそろ来る時間だろうか。


('A`)「……」


お酒は用意した。つまみも用意した。
部屋も掃除した。突然現れる『妖怪チン毛散らし』も退治した。
あとは、待ち人を待つだけだ。


『ピンポーン』

('A`)「おっと」


インターホンの音。俺は、はーいと返事をしてドアへと向かう。
ふとドアを開けようとして、覗き窓から待ち人を覗く。


('、`*川


前に見た服とはまた違う、しかしおしゃれな服。
いったい女性はどれだけ服を持っているのだろうか。
そんなことを考えながらドアを開ける。


('A`)「いらっしゃい」

('、`*川「お邪魔します」


今日の2人宴会が楽しいものになるかはわからない。
でも、今日自分の気持ちを真摯に伝えれば、きっとあの日の続きができる。
もちろん彼女の意志も尊重して。
なんとなく、そんな気がする。


おわり

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