( ^ω^)「これなんの写真だお?」のようです
-
83 :メモ消えてました。すみません
:2007/12/05(水) 01:30:46.45 ID:zgAlznuiO
- その問いに触れるのは心の琴線。
そしてこの子の純然な疑問を解消するために、私の口が紡ぎだす。
幸せで暖かい、蚊帳の外では分からない、彼と私の物語の始まりを。
( ^ω^)「これなんの写真だお?」のようです
-
85 :メモ消えてました。すみません
:2007/12/05(水) 01:31:32.73 ID:zgAlznuiO
- センター試験で四点をとったしぃは、東大に前乗りした。
(*゚ー゚)「ここが最高学府で母校になるとこかぁ……」
後ろに手を組み、スキップスキップ。
実に楽しそうだ。
(*゚ー゚)「パトロールといこうかな〜♪」
両手を広げて、発進。
パタパタと早歩きで動く姿は奇行ともとれる。
-
86 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。
:2007/12/05(水) 01:32:40.29 ID:zgAlznuiO
- ≡≡≡⊂(*゚ー゚)⊃「ひゅ〜!しぃ様のお通りだぞー!」
輪を作って座る男子学生の中央を突破するしぃ。
地べたに置いた缶を、ボーリングのように吹き飛ばす。
(#´・ω・`)「ちょっと待てやコラッ!!」
⊂(*゚ー゚)⊃
⊂(*゚‐゚)⊃
⊂( ゚‐゚)⊃「……なんですか?」
(#´・ω・`)「人のジュース倒しといて詫び一つ入れられねーのかよ!?何様なんだテメーは!!」
⊂( ゚‐゚)⊃
⊂( ゚‐゚)⊃
⊂(#゚д゚)⊃「私だって好きでこんなことしてんじゃないもんっ!!!」
-
88 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。
:2007/12/05(水) 01:33:20.75 ID:zgAlznuiO
- (;´・ω・`)「えっ……」
⊂(#゚д゚)⊃「二浪してんのにまたダメそうだからこうしてんだもんっ!!!」
(;´・ω・`)「そ、そんなに怒らなくても……」
⊂(#゚д゚)⊃
⊂ニニ(゚д゚)ニニ⊃「とりゃあああああ!!!」
学生の首にラリアット。
突然受けた衝撃に、彼はバランスを崩して後頭部を打った。
-
90 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。
:2007/12/05(水) 01:34:49.64 ID:zgAlznuiO
- (´・ω・`)「がはっ!!」
Σ(*゚‐゚)(あっ!いけない!!)
(;゚‐゚)(いくらイライラしてたからって……こんなことしていいはずないよね……)
(*゚‐゚)「ごっ、ごめんなさい……」
(;´・ω・`)「ゲホッ……ガッ……急に……しおらしくなったね」
(*゚‐゚)(……悪いことしちゃったなぁ……どうしよう……)
(*゚ー゚)(そうだ!!)
ぽんっと手を合わせるしぃ。
表情が輝き、今にも自画自賛しだしそうな雰囲気だ。
-
91 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。
:2007/12/05(水) 01:35:56.41 ID:zgAlznuiO
- (*゚ー゚)「あの……お詫びといっては何ですが……」
(*σー゚)ホジホジ
(*゚ー゚)σ 「鼻くそ食べますか?」
(;´・ω・`)「いやいやいや!食べないよ!!」
Σ(*;゚‐゚)σ「えっ!?私のじゃダメですか?」
(;´・ω・`)「何を言ってるんだ君は……それは食べ物じゃないだろうに……」
(*゚‐゚)(……そんなことないもん。
『実話ゴンナックル』に男の子は女の子のばっちぃのが好きって書いてあったもん!)
(;´・ω・`)「君は一体何者なんだい?頭が少し可哀想なのかな?」
-
92 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。
:2007/12/05(水) 01:37:17.72 ID:zgAlznuiO
- (*゚ー゚)(そうだ!もしかしたら固体が苦手なのかも……!!)
(´・ω・`)「君に関わったのは僕の失敗みたいだ。ジュースのことは不問にするから(ry」
(*゚听)ペッ ・`(;'ω・`)ビシャッ
(,;∵ω・`)「…………」
(*゚ー^)「お気に召しましたか?」
(´つω・`)
(((((#´゚ω゚`)))))「なに考えてんじゃボケエエエエ!!!
なんでワシの顔面に唾かけんだよおおおおっ!!?」
Σ(*;゚‐゚)「えっ……うぇ……」
(((((#´゚ω゚`)))))「 こ ん な に バ カ に さ れ た の は 」
(((((#´゚ω゚`)))))「生まれて初めてじゃあああああああああああああっ!!!!」
-
94 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。
:2007/12/05(水) 01:38:23.83 ID:zgAlznuiO
- (;゚‐゚)(怒ってる……一体どうすれば……)
(*゚‐゚)(まてよ……固体も液体もダメってことは……)
(*゚ー゚)「腋の匂いすか!先輩!!」
(´゚ω゚`)「……は?」
(*゚ー゚)「それとも足すか!?ケツすか!?」
バッ(ー゚*(つ )о「存分に嗅いでくだ(ry」
ギャーッ(д;*(つΣ⊂≡≡(・ω・`#)
(*;д;)「……お尻をぶつなんて……酷いです!!!」
(((((#´゚ω゚`)))))「酷いのは貴様の頭の中身じゃあああああいっ!!!
なんでワシがケツなんぞ嗅がなあかんのじゃあああああっ!!!」
(;゚‐゚)(分からない……この人が分からないよ……)
-
95 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。
:2007/12/05(水) 01:39:14.20 ID:zgAlznuiO
- Σ(*゚д゚)(そうか!)
(*゚‐゚)(……あれが欲しいって……暗に要求してるんじゃ……)
(;´‐ω‐`)ゼェゼェッ
(* ‐ )(仕方ない……よね……私が悪いんだし……)
(;´・ω・`)「……ごめん。少し熱くなりすぎ(ry」
(;゚‐゚)「イタッ……イタタタッ!!!」
(´・ω・`)「?」
-
96 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。
:2007/12/05(水) 01:40:12.34 ID:zgAlznuiO
- (;>_<)「ん〜〜っ!んん〜〜んっ!!」
(´・ω・`)「……なんでズボンに手を突っ込んでいるんだい?」
(*;д;)「イッタァッ!!!!」
(´・ω・`)「…………」
(*;ー;)σ「ほら抜けましたよ!!どうぞお納めください!!!」
(((((;´゚ω゚`)))))「はあああああ!!?
いらないよおおおお?僕そんなのいらないよおおおお!?」
Σ(*;д;)σ
(((((#´゚ω゚`)))))「それも食べさせるつもりなのおおおお!?
どんなグルメでもそれはちょっとキツいんじゃないのかなああああ!?」
-
99 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。
:2007/12/05(水) 01:40:58.49 ID:zgAlznuiO
- ゚ミo(*;д;)o彡゜「じゃあいったいどうすればいいのよ!!
さっきからイジワルばっか言っちゃってさぁ!!」
(((((#´゚ω゚`)))))「言ったじゃんかああああ!
もう行っていいみたいなことをさああああ!
なのに君がいつまでもここにいるんじゃないのおおおお!!!?」
(;д;*≡*;д;)「だって許してくれないんだもん!!
ごめんって言ったのに怒ってるんだもんっ!!!」
(((((#´゚ω゚`)))))「すげええええ許せるよ!!
今すぐ消えてくれたら気持ち良く許せるよおおおおっ!!!」
(*;д;)「怒鳴ってるじゃんかああああ!
怒ってるじゃんかあああああ!!!
もういいよ!分かったよっ!!!」
-
100 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。
:2007/12/05(水) 01:41:41.06 ID:zgAlznuiO
(#´゚ω゚`)
(#´゚ω゚`)「あらら!!」
(#´゚ω゚`)「どうしてベルトを外すんだい!?」
( ;ー;)フンッ
( ;ー;)「あなたの望みを叶えてあげるのよ!」
(#´゚ω゚`)
(#´゚ω゚`)「ワッツ?僕には君が何を言ってるか分からないよ」
-
101 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。
:2007/12/05(水) 01:42:36.41 ID:zgAlznuiO
- ( ;ー;)「とぼけちゃって……」
( ;ー;)「 小 便 す る と こ を 見 た い ん で し ょ ? 」
(#´゚ω゚`)
(#´゚ω゚`)「 誰 か こ の バ カ を 止 め て く れ ! ! 」
(*;д;)「邪魔しないでよおおおお!!!あんたがやれって言ったんじゃんかああああああ!!!」
(#´゚ω゚`)「言ってないよー!!!一言も言ってないよおおお!!!」
-
103 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。
:2007/12/05(水) 01:43:14.28 ID:zgAlznuiO
- (*;д;)「はーなーしーてっ!!!離せってばあああああ!!!」
(#´゚ω゚`)「学舎で放尿すんなってええええ!!君は頭がおかしいんだよおおおお!!!!」
/ ,' 3「ショボン君……」
(#´゚ω゚`)
(#´゚ω゚`)「教授!!!!」
/ ,' 3「いったい何をしているのかね?」
-
105 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。
:2007/12/05(水) 01:43:59.27 ID:zgAlznuiO
- (#´゚ω゚`)「これはですねー……あのですねー……」
(*;д;)「この人……私にここでおしっこしろって……」
/ ,' 3
/ ,゚ 3
(#´゚ω゚`)
\(#´゚ω゚`)/
-
106 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。
:2007/12/05(水) 01:44:52.30 ID:zgAlznuiO
- ※
(*゚ー゚)「それじゃ失礼します」
一礼し、部屋から出るしぃ。
さっきまで、大学側からこってりと叱られていたのだ。
(´・ω・`)「やあ」
(*゚ー゚)「あれ?……待っててくれたんですか?」
(´・ω・`)「ああ、まあね」
(*゚ー゚)「それじゃ一緒に帰りましょう」
(´・ω・`)「うん」
並んで歩く二人。
物憂げに校舎を見る。
-
107 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。
:2007/12/05(水) 01:45:31.66 ID:zgAlznuiO
- (*゚ー゚)「……もし合格しても入学拒否だって言われちゃいましたよ」
(´・ω・`)「へえ」
(*゚ー゚)「まあどのみち受かるとも思えませんでしたけどね」
(´・ω・`)「そう」
(*゚ー゚)「先輩はどうでした?」
(´・ω・`)「退学だってさ」
(*゚ー゚)「ついてませんね」
(´・ω・`)「ついてないよね」
気温は低く、吐く息は白い。
滲み夕日が、彼女達を赤く染める。
-
113 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。
:2007/12/05(水) 02:00:09.57 ID:zgAlznuiO
- (´・ω・`)「ねえ」
(*゚ー゚)「はい」
(´・ω・`)「ぶん殴ってもいいかな」
吹く風は、木枯らしか。
葉がひらひらと舞っていく。
-
115 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。
:2007/12/05(水) 02:01:00.45 ID:zgAlznuiO
- (*゚ー゚)
(*‐‐)
(* ‐ )
(*^ー^)「ダメェ〜☆」
両手で作る、×マーク。
二人は同時に、駆け出した。
-
116 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。
:2007/12/05(水) 02:01:53.36 ID:zgAlznuiO
- ※
(;^ω^)「…………」
Σ(;^ω^)「そっ、それで終わりかお!?」
(*´ー`)「いいえ……その後に紆余曲折があって、パパとママは結婚したの」
膝に乗るしぃの子は、きょとん、というより呆然自失していた。
(*´ー`)「そして貴方が生まれた、幸せな日々を送っているのよ……」
(;^ω^)
(´・ω・`)「ただいまー」
-
117 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。
:2007/12/05(水) 02:02:32.56 ID:zgAlznuiO
- (´・ω・`)「おや?その写真は……」
(*´ー`)「フフフ……」
幼子が持つ一枚の写真。
それは東京大学を背にしたウエディングドレスのしぃとタキシードを着た夫の姿。
出会いの場所と果たせなかった夢の残骸を写す、あの頃の想い出の一枚。
今はもう、色褪せてしまった記憶と写真。
しかし目を瞑ればいつだって美しく、蘇る。
そんな、過去。
大事な、恋。
TOP 目次へ 前に投下された作品に戻る
次に投下された作品へ