从'ー'从 オトナの階段を上るようです(-_-)万物パート




歪曲した空間。
明るいとも暗いとも言えない。広いかも狭いかも分からない。
上も下も、右も左さえ区別がつかない。

何千年か、それとも一瞬にも満たない時間なのか、それすらも理解出来ない。

三次元に存在するあらゆる概念が通用しない空間を、渡辺は漂っていた。
異時間から異時間へ、異空間から異空間へと移り渡る為の通り道。
敢えて称するならば四次元とでも言うべき空間を経て――

从'ー'从「……ふぎゃ!?」

――渡辺とヒッキーは、新たなる世界へと辿り着いた。
突然の事で着地に失敗してしまい、頭をしたたかに地面に打ちつけたようだが、何とか2人は体を起こす。
それ程高い所からではなかったが、それでもやはり痛いらしく、2人は暫し無言で自分の頭を押さえていた。

从'ー'从「……ふぇ?」

頭に走る鈍痛に暫し呼吸を忘れていた渡辺は、しかしふと、鼻を突く異臭を感じた。
蒸し返るような、脳の髄が麻痺するような臭い。

(;-_-)「……渡辺さん、これって……」

ヒッキーが辺りを見回しながら、小さく声を零す。
その声は恐怖か驚愕か、もしくはその両方の為か、微かに震えていた。
渡辺が顔を上げて、

从;'ー'从「……うわぁ、何と言うか……パラダイスだねぇ」

そこに広がる光景を見て、思わずそう呟いた。


彼女の目に映ったのは肌色の地面と彩り鮮やかな森。
思わずそう錯覚せんばかりの、人の群だった。

様々な姿形をした彼らは、しかし一つの共通点があった。

ある者達は地に伏して、また在る者達は立ちながら。
一人で行う者もいれば、多人数で営む者もいた。
薬物、彫刻、機械、其処ら中に錯乱する様々の道具を用いながら。

条件は異なれど、全員が性行為に耽っている事だ。
辺りには淫臭が立ち込め、嬌声がさながら斉唱のように響いている。

(;-_-)「こ、これもDATのせいなんでしょうか……」

うろたえながらも何とかヒッキーが言葉を紡ぎ、






lw´‐ _‐ノv 「何故ばれたし」

彼の背後から、それを肯定する声がした。
まるで何時間も前からそこにいたかのように、自然にだ。


(;-_-)「え? ……うわっ!?」

数秒の間を以ってようやく、ヒッキーは自分がどれだけ無防備な状況にあったかを理解する。
思わず驚愕の叫びを上げて、身を翻し後退りした。

lw´‐ _‐ノv 「むぅ、初対面の人間にこれは酷い」

ヒッキーの背後にいたのは、女性だった。
表情はまさしく無表情と言った所で何を考えているかは分からないが、それでも各部のパーツはどれも一級品と言える物だった。

透き通るような白い肌と艶のある黒髪のボブカットが何とも魅力的で。
また大きな目はまるで中に宇宙を宿したかのように深い黒色をしていた。
鼻と口もまるで精巧な作り物のように整っている。

体は目立つほどではないが、それでもしっかりと視認できるだけの起伏があった。
年齢はまだ若く、恐らくはヒッキーと同じ位だろう。

どことなく不思議な雰囲気を纏うその女性は、その表情も相まって人形のようにさえ思える容姿をしていた。

(;-_-)「……っ! 初対面だからこそだろ!」

その容姿にヒッキーは一瞬逡巡して、しかしハッと正気を取り戻すと慌てて言葉を返した。
しかしその言葉にも、ヒッキーが対峙する彼女は動じない。
まるで見とれていた事が見透かされたように思えて、ヒッキーはその表情を顰めた。


lw´‐ _‐ノv 「ふふ、分かる。分かるよチェリーボーイ。君は今、自分の貞操に危機を感じているんだろう?」

(;-_-)「なっ……」

彼女はどこか芝居掛かったと言うべきか、深意の読み辛い語調で喋り始め、

lw´‐ _‐ノv 「安心したまえ。私はそんな事に興味はない。それに」





lw´‐ _‐ノv 「そんな短小ポークビッツでは、誰も相手にしてくれまいよ」

常人ならば口に出す事を躊躇うであろう現実を、容赦なくヒッキーに突き刺した。

(;-_-)「な、な……何でその事を!?」

lw´‐ _‐ノv 「オマケに皮被り。……戦闘力たったの5か。ゴミめ」

(;-_-)「う……うわぁぁぁぁぁん!」

辛辣な言葉に耐え切れなくなったのだろう。
ヒッキーは涙目になりながらどこかへ走り去ってしまった。

lw´‐ _‐ノv 「やーいやーい短小包茎ー」



その背中から、少女は容赦の無い追い討ちを仕掛ける。
そして、その後姿が完全に見えなくなった頃、

lw´‐ _‐ノv 「……さて。ようこそ、男の世界へ……」

少女は渡辺に向き直り、対峙した。

从'ー'从「……アナタは、何者なのかな?」

用心深く距離を取りながら、渡辺が問い掛ける。

一切の気配を感じさせずにヒッキーの背後を取った事も、
また彼の包茎短小を一瞬にして見切った事も、
明らかにただの人間では成し得ない事だからだ。

lw´‐ _‐ノv 「私? 私はシュー。大人になったら月に帰らなきゃいけなくて河童を信じてやまない美少女です」

从;'ー'从「えっと……どう言うリアクションを取ればいいのかな?」

lw´‐ _‐ノv 「笑えばいいと思うよ。……まぁ、俗に言う『不思議っ娘』って奴」

从'ー'从「……何となく把握」

lw´‐ _‐ノv 「この世界は『属性』の世界。これからアナタの行く手には様々な属性っ娘が現れる。
        アナタの求める物は、その子達を(性的な意味で)倒した先にある」


从;'ー'从「く……詳しいんだねー」

lw´‐ _‐ノv 「って、月から電波が飛んできた。この事は三年前からの規定事項らしい」

从;'ー'从「えーっと……ヒントありがとね。私そろそろ行かなきゃ、ヒッキーもどっか行っちゃったし」

lw´‐ _‐ノv 「酷い! 利用するだけ利用して、私を捨てるのね! あの細目の少年みたいに!」

从;'ー'从「えー……今から探しに行くっていったじゃん……。それにさっきの助言はアナタが勝手に……」

lw´‐ _‐ノv 「ここは ぞくせいの せかい です」

从;'ー'从「……それじゃ、お元気でー」

lw´‐ _‐ノv 「……ゴメンなさい」

从'ー'从「ほぇ? ……ヒッキーの事? それなら気にしてないよー。短小包茎はホントの事だしねー」

その言葉を最後に渡辺はシューに背を向け、ヒッキーが走り去った方向へと駆けて行った。


lw´‐ _‐ノv 「私にはどうする事も出来ない。この先に待ち受ける、無惨で残酷な仕打ちが見えていても」

lw´‐ _‐ノv 「その事件は、存在しないのだから」





lw´‐ _‐ノv 「……悲劇のヒロインを気取ってみた。反省はしていない」


――DATさえなければ、もっと別の方向で賑っていたであろう大通りを、渡辺が歩いていた。

从'ー'从「……おーいヒッキー、どこー? もう短小包茎とか言わないから帰っておいでー」

彼女が大声でヒッキーを呼び、しかし答えは返ってこない。
どうやら、相当遠くへ行ってしまったらしい。
思わず渡辺がうな垂れてしまい、

「お姉さん、誰か探してるの?」

不意に、彼女の横隣から声が掛けられた。
反射的に渡辺はそちらを向いて、しかしそこには誰もいない。

(*゚ー゚) 「おーい、こっちこっちー」

渡辺の視界の下側で、何かが僅かに揺れ動いた。
それに釣られて彼女は視線を下へと向ける。

(*゚ー゚) 「人探し? だったら、アタシ見てるかもよ? さっきからずっとここにいるし」

そこには、大きなダンボールからひょっこりと顔を出した、猫耳姿の女の子がいた。
俗に言う『猫耳っ娘』と言う奴だろう。

頬が僅かに紅潮した真珠のような肌と、僅かに感じられる幼気さ。
金色に輝く猫そっくりの大きな目と、それとは対極に銀色のウェーブ掛かった頭髪。
更にはダンボール箱と言う粗末な物に入りながらも、さながらペルシャ猫の様な気品と愛嬌を醸しだしている。

その容姿は、女である渡辺の目にも可愛いと映るほどのものだった。


从'ー'从「あー、うん。俯きがちで細目な男の子なんだけど……」

(*゚ー゚) 「……私、その子さっき見たよ? ちょっと前に、そこを泣きながら走っていったけど」

从'ー'从「ホント? どっちに行ったか分かる?」

(*゚ー゚) 「分かるけど……」

从'ー'从「分かるけど?」

(*゚ー゚) 「条件があるわ」

从'ー'从「……何?」


(*゚ー゚) 「私を、満足させて」


予想通りの答えだった。
シューの予言通り、渡辺は目の前の少女を性的な意味で満足させない限り、この先には進めないのだろう。

从'ー'从「どうして、私なのかな? 別にその辺の男にでも声掛けたら? アナタ十分可愛いし……」

(*゚ー゚) 「……もう試したわ」

渡辺の言葉に少女はそう返して、それからダンボールの裏側、渡辺にとっての死角を指差した。
見てみろと言う意味だろう。
そう解釈して、渡辺は少女が指し示す先を見やる。


(,ヽ゚Д゚)「ゴ……ゴルァ……」

そこには恐ろしい形相をした男が転がっていた。
頬が痩け落ちて、見るからに衰弱している。
驚きのあまり思わず、渡辺は体を硬直させ仰け反ってしまった。

(*;゚ー゚) 「その……枯れちゃったみたいで、当分起たないらしいの」

从;'ー'从「……お盛んな事で」

(*゚ー゚) 「……人間と違って、私達には発情期ってものがあるんです」

少し恥ずかしそうに、俯きながら少女は言葉を返した。

(,ヽ゚Д゚)「……アレは……最早……拷問……だ……」






lw´‐ _‐ノv 「ちなみに猫の発情期は、雌が雄の周りでケツを振りつつも一定の距離を遵守すると言う焦らしプレイが横行します」

lw´‐ _‐ノv 「はて、なんなのだこの電波は」


(*゚ー゚) 「……っ」

不意に、少女が小さく体を震わせた。
同時にダンボール箱の淵から覗かせていた猫の手を、力なく中へとしまい込む。

不審に思い、渡辺が箱の中を覗き込み――暗がりでも分かるほどに濡れそぼった少女の秘所が、彼女の目に映った。

(*//-//)「お願い……もう、私……」

頭髪と同じく、薄っすらと白い毛によって覆われた彼女の陰部は、外からの僅かな光によって妖艶な輝きを帯びていた。
到底満足出来ないと知りながらも自らの指で秘所を弄りながら、今にも泣き出しそうな表情で少女は渡辺を見上げねだる。

その光景は、渡辺の中に潜在する嗜虐性を擽り呼び起こすには十分すぎる程で。

从'ー'从「アナタ……名前は何て言うのかな?」

(*//-//)「しぃ……だけど……それがどうかしたの……?」

从'ー'从「名前は大事だよ〜? 何たって……」

薄っすらとした笑いを浮かべながら、渡辺はしぃを箱から抱き寄せる。

从'ー'从「今から愛し合うんだから」

流水のような動きでしぃの背中を撫で上げながら、渡辺が小さく呟く。
微細な指の動きにも反応し、身震いをするしぃを見て一層笑いを大きくしながら、

从'ー'从「……可愛がってあげるよ、しぃちゃん」

甘ったるい吐息に交えて、渡辺はしぃの耳元でそう囁いた。


从'ー'从「さーて、しぃちゃんはどこが敏感なのかなー?」

しぃの秘所に中指を中程まで差し込みながら、渡辺は子供をあやすような口調で言葉を紡いだ。

(*//-//)「……」

時分で頼んだとは言え、羞恥の余りしぃは悔しそうな表情を浮かべ黙り込む。
とは言え、元々渡辺も答えなど求めてはいなかっただろう。

不意に渡辺が狙いを澄ましたかのように、しぃの膣壁を抉った。

(*//-//)「ひゃ……っ!」

しぃが一際高く大きな嬌声を上げ、それを聞いた渡辺が唇を大きく歪める。

从'ー'从「みーつけた……」

どこか意地悪く呟くと、渡辺は彼女の『弱点』を重点的に責め始める。
途方も無い悪意と、一握りの愛情を以って、徹底的に虐め抜く。

(*//-//)「ふぁっ! ……やっ……らめ……」

恥ずかしさと熱に頬を上気させ、しぃは言葉にならない声を漏らす。


从'ー'从「ダメ……? ……もちろん冗談だよね?」

彼女が辛うじて紡ぎだした言葉を、渡辺はいとも容易く無き物にした。
それからゆっくりと、しぃの秘裂から指を抜く。
ようやく与えられた休息にしぃが思わず溜息を吐き、

从'ー'从「休んでる時間はないよー?」

言いながら、今度は渡辺は自らの顔をしぃの秘裂へと近づける。
そして、甘噛みした。
彼女の秘所の上部に存在する突起、最も敏感な部位とされる陰核を。

(*//-//)「……っ! ふゃ……そこは……!」

从'ー'从「まだまだだよー? ……なんでアナタが、満足できなかったのか教えてあげる」

秘裂への責めを絶やす事無く、渡辺は空いた両手をしぃの背中へと回す。
右手は尻尾の付け根へ、左手は腰へ。
そして――撫で上げた。

優しく労わるように。悪魔のような微笑を以って。

直後、おぞましいほどの快感が、しぃを襲った。

(*//-//)「ふにゃっ!? な、なんで……あぁっ!」

从'ー'从「知ってる? 尻尾の付け根と腰って、猫にとっては立派な性感帯なんだよ?
     いやらしいよね。飼い主様に撫でてもらって、震えながら感じてるんだもんね」

从'ー'从「そんないやらしい子には、お仕置きしなきゃだよね」


顔を上げしぃを抱き寄せて、渡辺は彼女に口付けをした。
眼前に迫る朧気にまどろんだ瞳と、涎に濡れて艶やかに輝く小さな口に、渡辺の中で何かドス黒いものが燃え上がる。
彼女は一瞬その感覚に躊躇して、しかし深く考える事無く次なる手の準備をした。

あたりに転がる多種多様な性具。
その中から渡辺は男根を模した巨大な張型を拾い上げ、ゆっくりとしぃの秘所へと挿し込んでいく。

(*//-//)「ちょ……そんなの無理……っ! んぁ! ひぎぃ!」

明らかにしぃの小さな体躯とは不釣合いなそれを、しかし彼女の秘裂は徐々に飲み込んでいく。

(*//-//)「痛っ……っあぁ!! んっ! キツ……ひゃぅ!」

从'ー'从「んー、やっぱりキツイかな〜? ……えいっ」

中程まで入り込んだ張型が、突然捻転された。
不自然に取り付けられた張型の突起が、しぃの膣壁を抉り掻き回す。

それが、とどめだった。

(*//-//)「ふぁ、にゃっ、ぁああああああああああああああああああ」 」


今までで最も大きな快感の波がしぃを襲い、飲み込んだ。


从'ー'从「……で、ヒッキーは結局どっちに行ったのかなー?」

情事を終えて困憊したしぃに、何気ない口調で渡辺が問うた。
その答えに、力なくしぃが右手を上げて方向を示す。

从'ー'从「そっか、ありがとー。……あ、そうそう、そこの雄猫君」

(,ヽ゚Д゚)「……あ、俺すか?」

从'ー'从「そうだよー」

そう言いながら、渡辺は体を起こした彼へと近寄り、

从'ー'从「覚えた? 腰と尻尾。……上手く飼い慣らしてあげてね?」

言葉を紡ぐ渡辺の笑みは、途方も無い邪悪さを孕んでいた。

(,ヽ゚Д゚)「は……はい……」

思わず畏怖しながらも、辛うじて彼は答えを返した。





そうして猫耳の2人と別れを告げ、渡辺は再びヒッキーを探し歩き始めた。
一方その頃、他ならぬそのヒッキーはと言うと、


(;-_-)「来るな! こっち来るなー!」

「オイオイ逃げるなよ少年!」

執拗に迫り来る追跡者から、必死に逃げていた。
その追跡者は長身、筋骨隆々、豪放磊落な雰囲気を纏っており、その様は正に、

N| "゚'` {"゚`lリ「ちょっとでいいんだ! 全部がダメなら先っぽだけでもいいから!」

『いい男』と呼ぶのに、相応しかった。

(;-_-)「いやだよ! なんだよその生々しい表現! 逆に嫌だよ!」

N| "゚'` {"゚`lリ「だったら全部でいいよ! とにかくやらないか!」

(;-_-)「いやだぁぁぁぁぁ!」

どの世界にも異常性欲者と言うものは存在するらしい。

青いツナギを身に着けヒッキーを追走するその男は、所謂『男色』と言う人種だった。
男の股間には既に、天を衝く巨塔を彷彿とさせる膨らみが出来上がっており、ヒッキーの恐怖を増長させたが、
それによってヒッキーが命拾いしている事も事実だ。

N| "゚'` {"゚`lリ「おぉう! ツナギが擦れて……っ! これは新感覚! どうだい少年! 君も一緒に!」


凄まじい大きさの肉棒が、男の疾走を阻害しているのだ。
もし彼が何の邪魔も受けずに走っていたならば、とうの昔にヒッキーは捕まり掘られていただろう。


(;-_-)「やだ……! いやだ! 僕は掘られない! 掘られてたまるかぁ!」

走り続け肺に鋭い痛みを覚えながらも、ヒッキーは叫ぶ。

身体的にも精神的にも運動に向いているとは言えない彼だったが、容易に予想できる激痛や男色に対する嫌悪感が彼の力になっていた。
そして何よりも人生初の性行為が男と、それも仕様部位が尻の穴となってしまっては、笑い話にも出来ない。
童貞を捨てる前に処女を捨てるなど、死んでも御免だ。

ヒッキーにはそう言った思いがあり、そしてその力は以外にも大きかったらしく、

N| "゚'` {"゚`lリ「速いな……ッ! あの細い体のどこに、それ程の精力が詰まっているんだ!?
          ……まさか、デカタマか!? デカタマなのか少年!」


徐々に、徐々に、ヒッキーと男色の男の距離は開いていった。

いける。
逃げ切れる。
まるで子供の頃に帰ったかのように、体には力が満ちている。

そうヒッキーが思い――建築物の角を曲がった時だった。


「ぬっ?」

(;-_-)「ぎゃっ!?」

何か硬い物に、ヒッキーは激突した。
その硬さは尋常ではなく、彼は一瞬岩壁か何かかと錯覚さえ起こすほどだ。
そのまま衝撃で後に倒れ込み、自分がぶつかった物を視認して、

( ,_ノ` )y━・~~「オイオイ、大丈夫か? 小僧」

そこには、男――否、漢がいた。

無精髭を蓄えたその漢は、中年期独特の渋みがあり、獣のように鋭い双眸はそのまま彼の生き様を現しているようだった。
右手に携えた葉巻がアクセントとなり、より一層の渋みを醸し出している。

ヒッキーが岩壁かと錯覚したそれは控え目ながらも鍛え抜かれた胸筋で。
機能性のみを追及したくすんだ黄緑色の服装が、その力強さを強調していた。

その容貌と鍛え抜かれた五体は、まさしく質実剛健と呼ぶに相応しい。

それを見てヒッキーは図らずも驚嘆し、同時にある考えを懐いた。
即ち、

(;-_-)「助けて下さい! 変な男に追われてるんです!」

この漢ならば、あの追ってくる男を打ちのめし、助けてくれるのではないか。
そんな考えだった。


( ,_ノ` )「ほぅ……?」

漢は葉巻を落とし足で踏みにじりながら、ヒッキーの言葉に耳を傾けた。
それからまじまじと、彼を観察するように見据える。

( ,_ノ` )「……なるほど、お前『ショタっ子』だな。それじゃ無理もねぇ」

観察を終え、漢は導き出したケツ論を小さく零した。
そして脅えた表情で己を見つめるヒッキーに、

( ,_ノ` )「任せとけ。どこの変態だか知らねぇが、仁義ってモンを叩き込んでやるよ」

そう告げて、体を反らしヒッキーの通り道を空けた。
瞬間、ヒッキーの顔が希望に輝く。
貞操の危機から、ひとまずは免れたのだから、当然の事だ。

(-_-)「あ、ありがとうございました!」

仰々しく頭を下げて、ヒッキーはそこから走り去った。






N| "゚'` {"゚`lリ「……少年がいい漢に進化した?」

( ,_ノ` )「……下らねぇ冗談は止すんだな」




N| "゚'` {"゚`lリ「オイオイ連れないなぁ。……もっとこの出会いを楽しまないと」

一人は『いい男』。
圧倒的な力と才を誇り、だがそれ故に鍛錬を知らぬ荒々しい本能の権化。

( ,_ノ` )「楽しむ、か。無理な相談だな。【空想魅創】の異名を持ついい男、阿部高和が相手とあってはな。安請け合いするんじゃなかったぜ」

もう一人は『いい漢』。
丹念に研磨した技術と肉体、そして決して折れる事のない信念を持っている。
心技体全てを修め有した存在。

N| "゚'` {"゚`lリ「だからこそじゃないか。なぁ? 【固體蛇】、渋沢君?」

阿部の言葉を最後に、彼らの会話は終わりを告げた。
同時に、二人はそれぞれ異なった構えを取る。

阿部は全てを抱きとめてやると言わんばかりに腰を深く落とし、両手を広げて。

一方渋沢は体を斜めにして軽く重心を落とし、両手を顔面の高さに構えた。

そして――静寂が訪れた。
常人ならば到底耐え得ない緊迫が場を包む。
二人は暫し不動を決め込んだが、


N| "゚'` {"゚`lリ「やらないかッ!」


先に動いたのは、阿部だった。


直線的な、しかし素早い突撃と同時に、渋沢を捕えんと大きく広げた両腕が弧を描く。

だが、渋沢は動じなかった。

突撃によって必然的に下げられた顔面に、右蹴りを見舞う。
蹴り上げるのではなく、力の逃げ場が無い突き落とすような蹴りだ。
渋沢の思惑通り、阿部の猛進が止まり、

N| "゚'` {"゚`lリ「……オイオイ、ホモのタフネスを嘗めちゃいけないぜ? こちとら急所を毎日のように貫かれてるんだ」

協力無比な踏み込みを以って、阿部は顔面に減り込んだ蹴り足ごと渋沢を突き飛ばした。
堪らず渋沢が態勢を崩し、その間に阿部は悠々と歩き間合いを詰める。
そして渋沢の視界に、ツナギ越しにもハッキリと輪郭の分かる引き締まった――ケツが映った。

N| "゚'` {"゚`lリ「どっせーい!」

(;,_ノ` )「ぬぐぅっ!」

阿部の全体重が掛かったヒップアタックに、渋沢の体が大きく飛ばされる。
だが何とか受身を取り、一瞬で体勢を立て直し、渋沢は再び阿部に対峙した。
しかし、

N| "゚'` {"゚`lリ「……ダメだな。こんな戦い方じゃ、つまらない」

そう言って、阿部は唐突に構えを解いた。


( ,_ノ` )「ほう……奇遇だな。……俺もそう思っていた所だ」

それに呼応して、渋沢も同様に構えていた腕を下ろす。
二人の体勢は、戦いの最中とは思えないほどに脱力していた。

N| "゚'` {"゚`lリ「戦いは……」

ゆっくりと、この上なくゆったりとした動きで、阿部は自分の胸元に右手を運び、ツナギのホックを外し始める。

( ,_ノ` )「やはり……」

まるで鏡に映したかのように、渋沢も己の首元に位置するジッパーを下ろし始めた。



そして、



( ,_ノ` )「全裸でなくては盛り上がらんッ!!」リ| "゚'`{ "゚`lN


全くの同時に、そう叫んだ。


(#,_ノ` )「ぬおぉぉぉぉ!」

着衣を脱ぎ捨て叫び声と共に、渋沢が阿部目掛けて疾走する。

N|#"゚'` {"゚`lリ「ダヴァイ!」

阿部はそれを受け入れんと言わんばかりに両腕を広げた。

だが、渋沢は直前で急停止、そのまま体を反転させながら弧を描き――阿部の背後を取った。

N| "゚'` {"゚`lリ「おぅ?」

あまりの速度を目で追えず、阿部はただ呆然としている。

(#,_ノ` )「頂きだッ!」

その彼のケツに、渋沢はいきり立つ猛りそそり立つ剛直を突き刺した。

N| "゚'` {"゚`lリ「ひゃぅっ! ……あっ……やめろぉっ……! そんなに……おぅぅッ!」

唐突過ぎる挿入と押し寄せる快感に、思わず阿部は嬌声を上げ悶え震える。

(#,_ノ` )「まだまだ行くぞ!」

阿部が落ち着きを取り戻す暇を与えず、渋沢は怒涛の責め、凄まじい速度でピストン運動を始める。
絡みつくような粘着音が響き、絶え間ない快感に二人は思わず顔を緩め吐息を漏らした。


N| "゚'` {"゚`lリ「くぁっ……! あッ! そんなイキナリ激し……きゃひぃ!」

主導権を握られた阿部はただ喘ぐ事しか出来ず――しかし決してその状況に甘んじた訳ではない。
犯そうが、犯されようが、主導権を握るのは自分でなくてはならない。
それこそが、阿部高和。

それこそが、『いい男』なのだ。

だが、今から攻守逆転は許されない。
相手が絶頂を向かえる前に肉棒を抜くのは、マナー違反だ。
ならば何が出来るか。

N| "゚'` {"゚`lリ「ひゃっ! ふっ……んっ! んあぁっ! このぉっ!」

(;,_ノ` )「……おうぅッ!?」

突然の事だった。
渋沢の股間に、電撃のような快感が押し寄せた。
思わず、キンタマから熱い物がこみ上げん程の快楽。

N| "゚'` {"゚`lリ「へ……へへ……しっかりケツの穴を……締めとかないとなぁ……!」

鍛え抜かれた括約筋を締め上げながら、阿部はそう零す。
彼の腸壁はまるで幾千の動物のように、渋沢の肉棒を滑り包み込む。
放尿後の満足感にも似た形容し難い快楽に、渋沢は暫し呼吸さえ忘れてしまった。

(#,_ノ` )「こ……この野郎!」

だがそれでも、渋沢は責めの手を緩めない。
むしろ更に速く、そして深く剛直を突き込んでいく。


だが、それだけでは足りない。
克つ為にも、そして敬意を表する為にも、更なる一手が必要だ。
そう本能的に理解した渋沢は、己の右腕を、

N| "゚'` {"゚`lリ「んうぁっ! そんな……それはひきょ……ひゃぅぁ!」

阿部の前部へと運び、そそり立つ肉棒を掴みしごき始めた。
亀頭を虐め、裏筋を撫で上げ、キンタマを揉みしだいて、阿部を快感の渦中へと落とし込んでいく。
だが、快楽に負けまいと力む阿部の括約筋はこれまで以上に締め上がり、それによって渋沢自身も既に限界が近かった。

(#,_ノ` )「ぬおぉぉぉぉぉぉ!」

前立腺を抉るように深く、渋沢が腰を突き上げた。

N| "/// {//`lリ「ふみゅあっ! あはァ! ん……あぁぁぁぁぁ!」

頭の中が真っ白になるような快感に、阿部はついに絶頂を迎える。
阿部の全身が小刻みに痙攣し、

(,/_ノ//)「アッ――――――!!」

その余波に耐え切れず渋沢もまた、阿部の腸内に濃厚な白濁をぶち撒けた。


――――――――――――――――以下何事もなかったかのように再開――――――――――――――


从'ー'从「うー……ヒッキーが見つかんないよぉ……」

歩き続ける事に飽きを覚え、思わず渡辺はそう零した。

既に相当な距離を歩いた筈なのだが、依然としてヒッキーの姿は見えない。
視界には時たま、性行為に励んでいる人間が映るばかりだった。

从'ー'从「もー! どこまで行ったのよー! ヒッキーのバカー!」

実際には阿部高和と言う絶対的な不可抗力が原因なのだが、それを知る由も無い渡辺はただ不満を篭めてヒッキーの名を叫んだ。

从'ー'从「うー……、ん?」

(=゚ω゚)ノ「……」

ふと、渡辺の目に小さな子供が留まった。
その子供もどうやら渡辺を見ていたらしく、二人の視線が交差する。

健康的で、若さ故の綺麗な肌。
男性女性いずれにも好かれるであろう、整った目鼻や口。
邪魔にならない程度に短く纏まった黒髪。

子供らしい半袖短パンの服装がこの上なくマッチしている。
中性的な容姿をした可愛らしい男の子だと、渡辺は思った。


(=゚ω゚)ノ「おねーちゃん、誰か探してるの?」

凛としたよく通る声で、子供が渡辺に話しかけた。

从'ー'从「ふぇ? あ、えっと……目の細い男の人なんだけど……」

(=゚ω゚)ノ「あ、それならボク、さっき見たよ?」

渡辺の返事に子供はそう言葉を返し、それを聞いて渡辺は思わず目を輝かせた。

从'ー'从「ホント? ……お姉ちゃんに教えてくれるかな?」

嫌な予感に少し逡巡しながらも、渡辺は問い掛け、

(=゚ω゚)ノ「うんいいよ!」

二つ返事で、その子は承諾してくれた。
渡辺が、内心でホッと胸を撫で下ろす。

从'ー'从「ありがと、坊や」

微笑みながら渡辺が子供の頭を撫でて――しかし唐突に、その子の顔から笑顔が消えた。
突然の変化に渡辺が違和感を覚え、一瞬の静寂の後、


(=;ω;)ノ「う……うっ……うえぇぇぇぇん!」

从;'ー'从「あれ? え? あれ!? ど、どうしたのかな?」

周囲に子供の泣き声が響き渡った。
予想外の事に、渡辺はただ慌てふためく事しか出来なかった。

(=;ω;)ノ「おねぇちゃんも! おねぇちゃんもボクを男の子と間違えたぁぁぁ!」

泣きながら訴える子供に、渡辺の表情が苦い驚愕に染まる。
まさかと言った感情と、しまったと思う感情が両存した表情だ。

从;'ー'从「あ……もしかして、女の子……だった?」


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