('A`)ドクオと飛竜と時々オトモのようです エピローグ 前のページへ] 戻る [次のページへ
384 :エピローグ:2011/12/22(木) 17:45:51 ID:tS9kwa0AO

次の日、ユクモは久しぶりの快晴に湧いていた。

ジンオウガ討伐の報は、瞬く間に知れ渡った。

村人達は中止となっていた収穫祭に向け、忙しそうに走り回っている

ユクモを長年悩ませてきた【雷狼竜】ジンオウガは、一人の狩人の犠牲によって遂に取り除かれた。


活気溢れるユクモ村。その中で、一つだけ、妙に静かな場所があった。

ハンターギルドである。

いつもは、踊り歌い、陽気に酒を飲む狩人達。だが、今日の空気は普段と全く違う物だった。

/ ,' 3「……」

中央の椅子に座っているのは、アラマキ。他にもチラホラと知った顔がいる。

ドクオの亡骸は、見つからなかった。だがあの断崖絶壁から、流れの急な龍川へと落ちたのだ。助かるはずがない。

ドクオは、まだユクモに来て日が浅い。人付き合いも良い方ではなかった。

泣いている者は見えないが、それでも皆神妙な面持ちで目を伏せている。




誰も一言も発さぬまま、時は流れて行った。


386 :終幕:2011/12/22(木) 17:56:03 ID:tS9kwa0AO



―――以上が今回の顛末となっております



o川*゚ -゚)o「ありがとうございます、フォックス様」


爪'ーメ)「いえいえ、聖下の頼みとあらばねー。それにしても、狩人達は凄いですねー。たった二人であの怪物を討伐してしまうなんてねー」


片目に大きな傷を負ったこの男、名前はフォックスという。モナーが騎士制度を作った時、狩人から鞍替えをし、己の才一つて、騎士派を纏めてきた剛腕の持ち主である。


o川*゚ -゚)o「ですが、犠牲者も出てしまいました。Gの損失というのが、どれ程の物なのか。私には想像も出来ません」


爪'ーメ)「大変な事でしょうねー。不幸中の幸いは、ギコ君が大事に至らなかった事ですねー。せっかく伸び盛りの狩人達には、彼の存在が不可欠でしょうからね」


387 :名も無きAAのようです:2011/12/22(木) 17:56:54 ID:tS9kwa0AO

o川*゚ -゚)o「私は、無力です。結局、私は何も出来ませんでした」

そんなキュートの言葉に、フォックスはとんでもない、と慌てて言った。

爪'ーメ)「聖下もお疲れでしょう。今日はもうお休みになっては?」

騎士派から何とか戦力を捻り出そうと、キュートはずっと説得に飛び回っていた。

顔色もどこか青白く見える。

o川*^ー^)o「はい。では今日はもう休みます」


キュートは少し無理矢理笑顔を作って、フォックスの部屋を後にした。


388 :名も無きAAのようです:2011/12/22(木) 17:59:19 ID:tS9kwa0AO

―――

――



爪'ーメ)「………」

キュートが出て行った後、部屋に残る男。

ゆっくりとテラスへと続く硝子戸を開け放ち、外へ出る。

爪'ーメ)y‐「……くくっ、やはりこの“角笛”の効果は伝説通りだね」

小さく笑うフォックス。

爪'ーメ)y‐「……二十年以上かけて、散々実験してきた甲斐があったという物だね」

自身の左目を押さえた。この傷とも、二十年以上の付き合いとなる。

爪'ーメ)y‐「しかしドンドルマのGがユクモに向かっているというのは厄介だね。ドクオという男の実力以上の持ち主がいるならば、障害に成りかねないね」

しかし、もう自分は止まれない。後は突き進むだけだ。何人にも邪魔はさせない。


389 :名も無きAAのようです:2011/12/22(木) 18:00:51 ID:tS9kwa0AO





爪'∀メ)y‐「ふふふっ……フハハハハハハハッ!!!!!」





男の笑い声がユクモの空に響いた。








  ('A`)ドクオと飛竜と時々オトモのようです

    Fin.



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