ヒートはビデオガールのようです
LOVE#5 ヒートちゃんのデート講座

















( ^ω^)「たっだいまーーだおーーww」

( ^ω^)「ああー、これは夢じゃないかお??」


部屋に戻ると、そこには既にヒートがいた。



ノパ听)「おい、ビシッと決めてきたか?」


( ^ω^)「いや・・。先手をとられたおww」



ノパ听)「ったく、しょうがねえ男だ。・・で?いつデートするの?」


( ^ω^)「なんでも明日から渡辺さんちは二週間ほど旅行するそうだお」

( ^ω^)「だから延びに延びちまって・・ 31日!!」

( ^ω^)「夏休みの最後を飾るにふさわしいおwww」


ノパ听)「ふーーーーーーーん」



(;^ω^)「で・・さぁ、ヒートぉ、頼みがあるんだお・・・」

ノパ听)「なんだよ」




(;^ω^)「デートのやり方!教えてくれお!!」



ノパ听)「ははははは!!!」


(;^ω^)「わ、笑うなおーー」

ノパ听)「・・そうだよなあ。おまえが知ってるわけないもんな」



ノパ听)「よし! ビデオガール・ヒート!! ひと肌脱いでやるよ!!!」



( ^ω^)「ありがとーだお・・w」



安心した僕は、今日喫茶店でもらったメモ紙を見ながら、渡辺さんのメールアドレスを電話帳に登録しようとした。
ヒートはおもむろに喋り始める。



ノパ听)「・・しっかしおまえら、よく似てるよな」



(;^ω^)「な、なにがだお?」


ノパ听)「あのぅ・・ そのぅ・・ って 感じがよ!」

(;^ω^)「ほっとけお!!」



ノパ听)「・・・・・・・・・・」












ノハ )「____キライじゃねーよ。あーゆう純粋な感じは・・」



( ^ω^)(・・ん?)




  よし! あの子なら許す!


   付き合ってもよろしい!



     なんで、おまえの許可を得なきゃなんないんだお・・・w



  あはは・・・・



__そしてその日から、ヒート指導による特訓が始まったんだお!!




( ^ω^)「なあ、ヒート。なんでわざわざ街に出るんだお?」


ノパ听)「バカだなーー。こういうのは実際に現場にいかないと何も始まらんだろ」


ノパ听)「・・んで?まずはどうしたいわけ」


(;^ω^)「そっ、そーだお・・やっぱり」

( ^ω^)「一緒に手を繋いで歩きたいお!!」



ノパ听)「・・ぷっ。そうか」

(;^ω^)「な、なんか変かお??」


ノパ听)「別に!」


そう言ってヒートは、歩道橋から下のほうを指差す。


ノパ听)「人が多いし、あそこの交差点を利用して練習しよう」

( ^ω^)「う、うん」


ノパ听)
「まず、ブーンが先に歩きだすんだ。彼女よりちょっと速足気味にね。
 一歩・二歩・三歩・四歩って。
 人ごみに揉まれちゃうから彼女をリードするんだよ!
 しかし、うまくやんねーと」

( ^ω^)「冷たい人だと思われちゃうお!」


ノパ听)「よくわかってんな。じゃあ実戦だ」



信号が青に変わった。よし、行くぞ!ヒートより少し早めに・・



( ^ω^)「わっ!!ちょ!!」


いきなり足がもつれて転倒してしまった!!!!なかなか起き上がれない。群集が僕の顔や体を踏み散らしていく・・・。


( ^ω^)「いだだだだ!!」



ノパ听)「はぁーっ。こりゃ道は険しいぞ・・」





___それから毎日、デートの特訓は続いた。

渡辺さんと一緒に街を歩く姿を夢見て・・・

僕の部屋の日めくりカレンダーはすごい勢いでめくれていった。



            *


ノパ听)「食事はニオイや色がつくもんは食べないほうがいい」

ノパ听)「あっさり系でいけ!」

( ^ω^)「はふはふww ・・なんだって?」

ノパ听)「・・例えば、おまえが今食べてるミートソースや、カレーは絶対アウトだ」

(;^ω^)「やばww」






ノパ听)「映画館じゃ、真ん中の席をとれればベストなんだが・・」

ノパ听)「今日みたいな場所だったら、通路側とかにしてやったほうがいいかな」

( ^ω^)(こうして会話しながら顔を近づけるのもいい手だお!)





ノパ听)「よし、今日はこのへんでお洒落な服でも買おうぜ!」

( ^ω^)「そうするお! あ、この店に決めたwww 」

ノパ听)「おっとブーン!一つの店で全部のアイテムを揃えようとするなよ?」

ノパ听)「あと、絶対絶対試着はするんだぞ? サイズが合わないのが一番格好悪いんだ」

( ^ω^)「了解だお!」





ノパ听)「おまえのメール見てると思うんだけどなあ・・」

( ^ω^)「なんだお?」

ノパ听)「シンプルすぎる!!! もっとちゃんと絵文字とか入れてやれよ!!」

(;^ω^)「そっ、そうかお?」

ノパ听)「そうだ!男は別にいいけど・・・、女とメールするときぐらい、1、2個使え」

(;^ω^)「そんなもんかお?」

ノパ听)「そんなもんだ」





( ^ω^)「よし!ヒート!手ぇ繋ぐお!」

ノパ听)「うむ!ついにその域まで達したか!」

がしっ

ノパ听)「ばーーーろーー!!」

(;^ω^)「ど、どうしたお?」

ノパ听)「常考!!デートとかで手を繋ぐときはな・・」

ノパ听)「そうやるんじゃなくてっ、こう指と指と一本ずつ・・」

( ^ω^)「こ、これはいいつなぎかた」

ノパ听)「だろ?"恋人つなぎ"って呼ぶ人もいるぞ」

( ^ω^)「スキルアップだおーーww」



__________そして



ノパ听)「いよいよ明日かあ・・・」

ノパ听)「たった一日のデートに二週間も下準備してやんのww」

( ^ω^)「ま・・楽しかったからいいんだお」

ノパ听)「そーだな」


ノパ听)「・・」


ノパ听)「今日は感心したよ。少しは成長したじゃん?」

ノパ听)「オレに柔らかいほうの椅子を座らせただろ?気がきいているね」


( ^ω^)「だろww 映画館の応用だお!」



ノパ听)「ああ・・ よいしょと」

( ^ω^)「しょんべんかお?」





ノパ听)「ぶー!デリカシーのない発言!減点1だな」

( ^ω^)「渡辺さんにそんなこと言うかおww」



コーヒーをすする僕の背中に、誰かがノックする。


( ・∀・)「よっす!」

( ^ω^)「モ、モララー! 久しぶりだお」


奥にはモララーの彼女らしき女の子が座っている。

( ^ω^)「あ・・どもだお」



モララーはおもむろに語り始める。



( ・∀・)「やっぱなーー あの・・ ヒートちゃんだっけ?」

( ・∀・)「あの子といると、おまえ生き生きしてるもんな。お似合いだよ」


( ^ω^)「なに言ってるんだおww」


( ・∀・)「せっかく手伝ったのに全部意味なかったなww まあいいよおまえが幸せなら・・」

( ^ω^)「・・おあにくさまだお!明日、渡辺さんとデートだお!!!」


(;・∀・)「・・へ?」



ノパ听)「おいブーン!出るぞー、デートの続きだ!」



( ^ω^)「わかったおー」

(^ω^ )「じゃあなww」



(;・∀・)(あ・・あいつ、知らぬ間にプレイボーイになったな)




僕らはしばらくその辺をぷらぷら歩き、緑に囲まれた静かで綺麗な公園へと軟着陸した。





( ^ω^)「ふぅ・・ 今日はいろいろ疲れたお・・」


ノパ听)「デートのルート確認とかやったからな・・」


ノパ听)「よし、最終レッスンだ!」

ノパ听)「名づけて公園編!!」



ノパ听)「とりあえずベンチ腰をかける。と・・」



タンクトップを着ているせいで、身をかがめたヒートの小さく、しかし、くっかりとした谷間があらわになる。
そして外はいいくらいに暗く、完璧に二人きり・・

いかん、いかんなあこれは・・







ノパ听)「ま、そんで普通に今日一日のことを話したりして・・」

ノパ听)「手、出してみろよ」

( ^ω^)「うん」



僕はヒートの言葉に従う。
ヒートは掌をぴったりと僕の掌にくっつけた。

ノパ听)「・・んで、まぁよくあるテなんだけど、会話が途切れたら手の大きさを比べてみるとかな・・」

( ^ω^)「ふむふむ」




ノパ听)「わあ!渡辺さん手ぇ小さいねー とか いいつつ・・」

ノパ听)「・・それで、手相見てあげる って言って近づく、と」


( ^ω^)「手相なんてわかんねーお!」

ノパ听)「バカ。適当でいいんだよそんなのは」





ノパ听)「そんでだな。相手の顔のホクロなんか見つけるんだよ」

ノパ听)「あ、こんな所にー って・・。そして、徐々に接近!!」



( ^ω^)「なかったらどうするんだおww」

ノパ听)「頭わりーなー・・。そんときゃ、わぁ 綺麗な肌してるね とか言えばいいだろ?」


( ^ω^)「ほほう・・」


ノパ听)「んでそのうち・・・・」









ノパ听)「シーンと・・」









ノパ听)「なったら・・・」



ノパ听)「手」




( ^ω^)「え?」



ノパ听)「手を肩にかける・・」


( ^ω^)「こうかお?」








僕はヒートの肩に手をあてた。それだけなのに、ヒートの体全てを包んでいるような感じだ。
こうすると、彼女の体は案外小さくて、華奢だってことがわかる。



ノパ听)「蚊がとまってるんじゃないんだからさ・・」










ノハ )「もっと・・・グッと・・・」












( ^ω^)「わ・・わかったお」



手に力が入る。


すると、ぴたっとヒートと僕の体が重なった。


僕と、ヒートの瞳がバッチリ見つめ合っている。


ヒートの唇が微かに震えている・・。


胸の鼓動や、息遣い、髪の毛の一本一本・・・。


この距離でしか分からないことがたくさんある。




そう思った。



__




从'ー'从(明日のデートは何着てこっかなー♪)




从'ー'从「・・・・!?」




从'ー'从(ヒートちゃんと・・・、内藤くん?)


从'ー'从(やっぱり・・そうなのかなぁ)


从 ー 从「・・・・・・・」



ノパ听)(はっ! あの子、ブーンの・・・!!!)



どんっ!




( ^ω^)「わ!なんだおいきなり突き飛ばして・・・」

( ^ω^)「ヒート・・?」


ノハ )「ここまで!!」

ノハ )「ヒートちゃんのデート講座の全過程を終了するっ!!」







ノハ )「・・・ちなみにあの後は、抱くなりキスするなり・・ 好きにしな!!」



夜の街の中へ、ヒートは駆けていった。



暗い公園に僕は独り・・。



なんとなくフラフラしたくて、街をほっつき歩いた。



あそこも・・ ここも・・ こんなところも・・・



ヒートと一緒に行ったところばかりだ。



どんな些細な場所でも、彼女との思い出が一つずつある。



渡辺さんとも・・ そんなものをたくさん作っていきたいな・・。



そう思って僕は自宅に着いた。



__家で待っていたのは、いつものヒートだった。







ノパ听)「おせーーぞっ!どこほっつき歩いてたんだ!」

(;^ω^)「ちょっ!いきなり抱きついてくるなっていつも言ってるお!!」









   そしてついに、念願の渡辺さんとのデートの日を僕は迎えた。




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