── ξ゚听)ξ僕らは別れを告げるようです ──
   ── 3月22日 ──<




ξ゚听)ξ「よっと」

優れないはずの気分も、旅という非日常の空気が高揚させるようだ。
私は自然に口から漏れた呟きと共に、バスのステップから最後の一段を飛び降りた。

いちいち掛け声をを掛けてしまう癖は、子供っぽいとか年寄り臭いとか、人によって正反対な評価を受けて来たけど、
長年染み付いた癖はそう簡単には拭えないらしい。

ξ゚听)ξ「わぁ……」

降り立った歩道には前日の雪がまだ残っている。
空には青が広がり、地面には白が広がるこの景色は嫌いじゃない。
雪の多い場所で暮らしたことのない私には、雪が珍しく、良いものにしか見えない。

でも、これからここで暮らし、長くいるとこういう気持ちも消えてしまうのだろうか。
それが日常になり、目新しさが消えると煩わしさだけが残るのかもしれない。

慣れることは良いことだと思う。
でも、それが感覚が鈍化することならば本当に良いことなのだろうか。

私は、この雪をずっと好きでいたいと思う。




ξ゚听)ξ「……」

眼下に広がる白に覆われた地面。
まだ踏み荒らされた跡が少ないのは、きっと大学が休みの期間で人が少ないからだろう。
それでなくても町全体がひなびた印象ではあるが。

なんだかあの町と似たような空気を感じる。
ここもいい町であって欲しい。

あの町のように。

ξ゚听)ξ「……さてと、行きますか」

私は足を踏み出す。
新たな一歩、前に進むための別れの一歩を。


      ステーン

     ヽξ゚听)ξ   
    \(.\ ノヽ
  、ハ,,、  ̄




転んだ。

それはもう見事に転んだ。
視界の端に自分の足が空をバックに見えるぐらいの見事さだ。

私はしばらく呆けていたが、どうするべきなのかに気付くとようやく立ち上がった。
周りを見回すが幸い誰にも見られずに済んだようだ。

ξ--)ξ「なんだかもう雪が嫌いになりそうだわ……」

私はしこたまぶつけたお尻に付いた雪を払う。
スカートじゃなくてよかった。

ξ゚听)ξ「はあ……幸先悪いわね……」

新たな門出の一歩としてはどうしようもないものだろう。
一歩目から躓くどころか転倒なんて。

少し雪を甘く見ていたようだ。

私は、視線を後方に向ける。
私の転んだ跡が綺麗に雪の上についている。




ξ゚听)ξ「……」

この様を見て、大笑いをするである馬鹿2人はいない。
そして、転んだ私に手を差し伸べてくれるあいつもいない。

笑顔で手を差し伸べる、あいつはもう私のそばにはいないのだ。

ξ--)ξ

私は大きく首を振り、浮かび上がった考えを振り払った。

決めたのは私達だ。

私とあいつで決めたことなのだ。

ξ゚听)ξ「私は大丈夫」

私は自分に揺れを抑えるように、言い聞かせるように呟く。

あいつもきっと大丈夫だから。
私は私の道を歩くのだ。

私は再び大きく足を踏み出す。
先に進むために、私の道を行くために。




      ステーン

     ヽξ゚听)ξ   
    \(.\ ノヽ
  、ハ,,、  ̄


……畜生、もう雪蒸発しろ。


・・・・
・・・

「ありがとうございました。またおいでください」

事務的な挨拶に見送られ、不動産会社を後にする。
いくつかの物件は見せてもらったが、どれも今一つピンと来ない。
1人暮らしをするには十分な広さで、大学にも程よく近く、家賃もそこそこな物件もあったのだが、どうしても決め切れなかった。

ξ゚听)ξ「出来れば今日中に決めたいとこだけど……」




一応明日までの余裕はとってあるが、なるべくなら今日の内に決めたい。
明日は大学に向かい、院への入学の正式な手続きやら色々なことを済まさなければならない。

ξ゚听)ξ「別の不動産屋に行ってみるかな」

ひなびた感じで、賑わっているとは言い難い空気の町ではあるが、大学があるので学生の町としては相応に不動産屋の数はある。
ここ以外にも町中に数件、さして探さなくてもすぐに見つかるぐらいだ。

ξ゚听)ξ「どうしようかな……」

私は見慣れぬ商店街の中を外れの方に向かって歩く。
流石に除雪されており、もう転ぶようなことはなかった。

道に雪はないが、吐く息は白く、屋根に残る雪も白い。
見上げる空の透き通るような青さと雪の白さのコントラストが目に眩しい。

気付けば空を見上げる自分に苦笑する。
いつから空ばかり見上げるようになったのか、自問せずとも答えは明白だ。

私の隣にいたあいつが空が好きだったから、私もつられて、いつしか見上げるのが癖になっていた。




ξ--)ξ「……」

私は静かに目を閉じる。
思い浮かぶいくつもの空の下の情景。
それを一緒に見続けてきた横顔。

私は……


      ステーン

     ヽξ--)ξ   
    \(.\ ノヽ
  、ハ,,、  ̄


……除雪されているとはいえ、滑りやすくなっている道を上を見ながら歩くのは危険だ。
さらに言えば目を閉じて歩くのは論外だと私は文字通り身を持って味わった。




ξ;゚听)ξ「最悪……」

雪こそ付かなかったものの、除雪され、湿っていた道に尻餅をついてしまった。
それがどういうことに繋がるか、言わずもがなである。

ξ゚听)ξ「先に宿に向かうかな……」

そう思い、踵を返そうとしたが考え直してこのまま大学に向かうことにした。
大学なら暖房もきいているだろうし、確か不動産の斡旋もやっていたはずだ。
手荷物も1泊分なのでさして多くない。

ξ゚听)ξ「お腹も空いたしね」

私は再び歩き出す。
ちゃんと前を見て、しっかりと足を踏み出す。
転ばないように気を付けて、窮屈そうに足を伸ばす姿はきっと滑稽だったかもしれない。

でも、それが今の自分の姿なのだ。

私は1人で、この道を自然に歩けるようにならなければならない。

ξ゚听)ξ「それが私達の決めたことだから」

私は大学に向かい、1人歩き出した。



・・・・
・・・

ξ゚听)ξ「ごちそうさまでした」

休日の学食は閑散としていたが、暖を取るには十分の暖かさを保っていた。

ξ゚听)ξ「味はまあ、どっこいどっこいかな……」

これからまた4年間お世話になる味が、卒業した大学のそれと大差なくて安心したような残念のような複雑な気分だ。
不満があるなら自分で作ればいいという話もあるが、これから忙しくなるだろうし、料理の腕を振るう相手もいない。

料理自体も得意ではないというか、一度振舞ってみたら、馬鹿その1に、これは料理という名の暴力だという甚だ
心外な評価を頂いたのでそれ以降作っていない。

ξ゚听)ξ「そんな料理でもあいつは残さず食べてくれたけどね」

翌日学校休んだけど。

ξ゚听)ξ「さてと」

私はトレーを手に立ち上がる。
食器を返却し、階下に降りた。
下が生協になっており、ここで不動産の斡旋もやっているようだ。




ξ゚听)ξ「あら?」

さして広くもない店内を抜け、奥のカウンターに向かうも、そこには昼休み中のプレートが置かれていた。
昼休みが一番学生が訪れそうなものだが、よく考えたら今は大学は休みだ。
営業しているだけマシなのかもしれない。

ξ゚听)ξ「仕方ないか……」

私はどこかで時間を潰すことに決めた。
再び学食に戻り、のんびりお茶でも飲んでいてもよかったのだが、折角だから少し大学の構内を歩いてみることにした。

試験の時に一度来てはいるが、その時は見回る余裕もなかったし、丁度良い機会だ。

私は取り敢えずの目標は定めずに歩き出した。
春期休暇中の構内は人もまばらで、踏み荒らされていない新雪も所々残っている。
もう日は昇ってしまっているが、溶け出すほどには気温が上がってはいないようだ。

ξ゚听)ξ「なんだか別世界って感じよね」

卒業した大学のある町も故郷の町も、雪が降ることはあったがここまで積もることはまずなかった。
今後はこの見慣れぬ光景が馴染みのものに変わっていくのだろうか。




私は1人歩く。
すれ違う人もなく、ただ1人。
1人で歩くのがこんなに寒いものだったことを思い出しながら。

ξ゚听)ξ「ホントに寒いわね……」

雪が溶けない気温だ。
寒いのは当たり前だ。

でも、それ以上に私は寒さを感じているのだろう。

ξ゚听)ξ「……」

私は足を止め、また空を見上げる。
日は少し傾き、既に昼休みは終わってるのではないと思うぐらいには歩いた。

広さも古さも、卒業した大学と同じぐらいに感じる。
この町からも感じたように、どことなく似た匂いがする。

違うのはこの雪と、隣に誰もいないことだけだ。




ξ゚听)ξ「馬鹿みたい……」

私は空を見上げたまま呟いた。

本当に馬鹿みたいだ。

今日だけで何度あいつのことを思い出したのだろう。
あいつと別れてから、ずっと、そのことを考えない日はなかった。

今日で201日目だ。

あの夏の終わりの日からずっと、過ぎた日は数えるまでもなく覚えている。

わかっているのだ。

私はまだあいつを……

ξ゚听)ξ「馬鹿みたい」

私が目指した空へ顔を向けたまま、同じ言葉を呟く。
顔を下げれば涙がこぼれるかもしれない。




ξ--)ξ「……」

私は目を閉じる。
幾度となく繰り返し、その都度同じ答えを選んだ問いをまた繰り返す。

私たちが選んだ答えは、間違っていたのだろうか?

お互いの道のためには、正しい答えだった。

また繰り返す。

私の答えとあいつの答え。
私達の答えを。

お互いのために、お互いが幸せになるために選んだ答えを。

ξ--)ξ「今頃引越しの最中かな……」

あいつはあの町を今日で去って行く。
もう、会うことはないかもしれない。
いや、友達としてならまたいつか会えるのかもしれない。

いつか、遠い未来、想い出を懐かしめるような関係で。




友達として。

ξ;凵G)ξ

見上げたままの顔を涙が伝う。

それが私の本当の答えのはずなのに、どうして私は1人ここにいるのだろう?

あいつの答えも私と同じじゃなかったのだろうか?

どうして同じ答えが二つ合わさったら、全く反対の答えになってしまったのだろう?

思い起こせばすぐに浮かぶあいつの横顔。
少し頼りない、でも、いつもやさしい笑顔を浮かべていた。

私に向けられるその穏やかな視線が嬉しくて、でも気恥ずかしくて、私はいつも気難しい表情を浮かべていた。
すごく感謝しているのに、引きつった笑顔を見せる私に、わかっているから大丈夫とただ笑ってくれた。

私は顔を下ろし、提げていたバッグを漁る。
探すまでもなく目的のものは見つかり、二つ折りにされたそれを取り出し、そっと開いた。


【( ^ω^)ξ゚ー゚)ξ】




私が初めて自然な笑顔で映ることの出来た写真。
後にも先にも、これ一枚だけだったかもしれない。
普段でさえ、強張った笑みしか浮かべられないのに、写真ともなると緊張してダメだった。

この場所も、この時のこともよく覚えている。
初めて出かけた動物園、どちらかといえば大失敗の部類に入る日だった。

時間を間違えたり道を間違えたり、雨に降られたり、色々と散々なことばかりだった。

あの時の私はすごく不機嫌だった。
あいつはオロオロするばかりで、頼りにならなくて、でも、一生懸命挽回しようとしてくれた。

その度に余計に失敗を重ねて、最後はもう、呆れるを通り越して馬鹿馬鹿しくなって笑うしか出来なかった。
なんだかそれが本当におかしくて、そしたらあいつも笑い出して、私達は2人で大笑いした。

いつの間にか雨も上がり、私達は雨上がりの動物園を手を繋いで歩いた。

ごく自然に手を取り、ごく自然に笑顔を向けて。


【( ^ω^)ξ゚ー゚)ξ】




そんなときに撮った写真だ。

それ以降は、私も自然な笑顔を向けられる回数が増えた。
写真はダメだったけど、あいつのそばで自然な自分でいることが出来るようになった。

私が私でいられたのはあいつがいたからだ。

私は写真をゆっくりと元のように二つに折った。
そしてそれをバッグの中に大事に仕舞い込む。

私はまた空を見上げる。

こんなにも答えがわかり切っているのに、私は何をしているのだろうか?

ξ゚听)ξ「あの写真、あいつはどうしたのかな……」

律儀なあいつのことだ。
私に迷惑がかからぬようなどと考えて、処分してしまったかもしれない。
それとも、友達との想い出として、故郷に連れ帰ってくれたのだろうか。

どちらにしても、私は寂しい。

どちらにも、私自身はあいつのそばにいないのだ。




ξ゚听)ξっ[]

私はバッグから携帯電話を取り出す。

アドレス帳を開き、目的のページ辿り着くがそこで手が止まった。

ξ゚−゚)ξ[]「今更何て言えば……」

私が寂しい言えば、あいつはすぐに飛んでくるかもしれない。
色々なものを投げ出して、全てを置いて。

ようやく掴んだ未来さえも捨てて。

ξ゚−゚)ξ「それはダメ」

私は携帯電話を閉じる。
あいつがそうするとわかってるから、私は別れることを決めたのだ。
あいつのために、お互いのために。

だのに今更、泣き言を言ってあいつを困らせるわけにはいかない。
私はここで、私の道を歩むと決めたのだ。




ξ゚听)ξ「よし」

私はもう一度携帯電話を開く。
アドレス帳の別のページ、あいつの手伝いをしているであろう馬鹿に電話をかける。

ξ゚听)ξ[]「引越しの状況を聞くくらいいいわよね……」

ξ゚听)ξ[]

[]<「はい、もしもし……てか、何で俺にかけるんだよ?」

数回の呼び出しの後、電話に出たドクオは相変わらずの悪態で応対する。
そういうとこを直さなければモテないと思うのだが、今はそのことは置いておく。
直したところでモテるとも思えないし。

ξ゚听)ξ[]「もしもし? 仕方ないじゃないの、ショボンは携帯持ってないんだし」

[]<「ちげーよ、直接かけろって話──」

ξ゚听)ξ[]「その話はいいから、それで、引越しはどうなったの?」

[]<「だから直接かけろよ……」




ξ゚听)ξ[]「……」

[]<「……」

ドクオの言葉に私は押し黙る。
はぐらかしが通用しない相手だとわかっているが、同時に察してくれもする相手だ。
私は要点だけを尋ねる。

ξ゚听)ξ[]「……無事に帰ってった?」

[]<「……ああ、ほんのさっき送り出したとこだよ」

ξ゚听)ξ[]「そう、良かった。ありがとね」

[]<「待った」

それだけ聞けばそれで良かったのに、ドクオが私を引き止める。
ドクオにはずっと気を揉ませ続けて申し訳なかったと思うが、私とあいつで決めたことなのだ。

ξ゚听)ξ[]「……何?」




[]<「お前、それでいいのか?」

ξ゚听)ξ[]「……いいわよ」

いつも以上にストレートな質問に私は一瞬だけ言い淀むが、極めて普段の調子で返した。
声は震えていないはずだ。
震えていたとしたら、それはここが寒いからなだけだ。

[]<「嘘吐け。いいわけないだろ?」

ξ--)ξ[]「……いいのよ、もう」

それが私達2人のためなのだから。
私は電話を切る旨を告げ、携帯電話を耳から放す。

しかし、ふと思い立ち、あのことをドクオに質問してみた。

ξ゚听)ξ[]「ねえ、ドクオ、ブーンは写真どうしたか知ってる?」

[]<「写真?」

私達2人が写った写真。
あいつは想い出を捨てていったのか、それとも……




[]<「持っていったよ」

ξ゚ー゚)ξ[]「そう……」

そのことがほんの少し嬉しかった。

[]<「大事そうに、胸ポケットに入れて」

ξ゚听)ξ[]「そっか……ありがとう」

私は携帯電話を耳から放し、通話終了ボタンに手をかける。
切る直前、ドクオの声が届いて来た。

[]<「自分のしたいようにしろよ。あいつのためとかじゃなく、普段通りわがままに──」

ξ゚听)ξ「……」

私は携帯電話を見詰めたまま立ち尽くす。
201日前に変えたっきり、デフォルトのままの待ち受け画面を見ながら。

ξ゚听)ξ「自分のため……?」

ドクオは何を言ってるのだろうか?




私がここにいるのは、私とあいつ、お互いのためだ。
それはつまり私のためであり、あいつのためなのだ。

ドクオは何を言って──

ξ゚−゚)ξ「違う」

私は大きく首を振る。
前髪が揺れ、視界に映る白い世界にわずかに影を落とす。

ξ゚听)ξ「これはお互いのためだけど、私のためじゃない」

私のためなら、どうしてこうも寂しいのか。
私のためなら、どうしてこうも悲しいのか。

私はこんな場所を望んでいない。

私は、私がこの道を選んだきっかけを思い出した。
いつも空ばかり見ていたあいつの視線を追い、同じ世界を見るべく、同じ世界を知るべく、私はこの道を選んだのだ。

それなのに私は……

私は再び首を振る。




あいつは気付いていたのだろうか?
あいつは今どんな気持ちなのだろうか?

お互いのため、でも、私の望まない答え。
私は間違った答えに従い、あの町に別れを告げた。
きっとあいつも望まない答えを抱えて、あの町に別れを告げたのだろう。

そう思う。
あいつならきっとそう思っている。
私は、あいつのことなら何でも知っているから。

少し気弱で、でも責任感はあって、いつも笑顔で、頭はそんなに良くないけど相手のことを第一に考えるやさしいあいつ。
私が一番あいつのことを知っているのだ。

でも、きっとあいつは答えを変えない。
変え切れないのだ。

ξ゚ー゚)ξ「やさしさと、気弱さと、そして馬鹿なところで」

私は口の端を緩める。
わがまま呼ばわりしたあの馬鹿は許さないけど、確かに私が引っ張らなければあいつは答えを変えないだろう。

だから……

ξ--)ξ「私は……」




私はくるりと踵を返し、歩いて来た方向へ向き直る。
進むために別れた道を、戻ればやり直せるのだろうか?

それはわからない。

でも、私にはまだやれることがある。
いや、私がやりたいことがあるのだ。

ξ゚听)ξ「行きましょう」

私は大きな声で自分に言い聞かせ、足を踏み出す。

私が私のために、そしてあいつのために選んだ道へ。

私の一歩は力強く踏み出され、そして──


      ステーン

     ヽξ゚听)ξ   
    \(.\ ノヽ
  、ハ,,、  ̄


宙を舞った。


 ── ξ゚听)ξは別れを告げるようです 終 ──



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