『ある貴族の娘、ツンデレラはお父さんとお母さんと幸せに暮していました。』
/ ,' 3『ほっほっ、ツンデレラは本当によい子だのぉ』
ζ(゚ー゚*ζ『ねぇねぇ、お父さんと私って血繋がってるの〜?』
J( 'ー`)し『やぁね、ツンデレラったら。そんな当たり前の事w』
/ ,' 3『ほっほっほっwまだツンデレラは小さいからのぉ』
ζ(゚ー゚*ζ『いや、絶対有り得ないだろ。年齢的に。』
『しかし、そんな幸せな毎日もツンデレラが十六歳の時に終わってしまうのでした。』
/ ,' 3『…。』
ζ(;ー;*ζ『お母さん!』
『大好きなお母さんが死んでしまったのでした。』
ζ(;ー;*ζ『うっ…ぐずっ…。なんでよ、お母さん!お父さんならいつでも覚悟は出来てたけど、なんでお母さんが…!』
/ ,' 3『何気に酷いのぉ、ツンデレラ…。お父さん、別の意味で泣きそうじゃ…。』
『そしてツンデレラを可哀想に思ったお父さんは、新しいお嫁さんを募集することにしました。』
/ ,' 3『ツンデレラ、新しい家族ができたぞい』
ζ(゚ー゚*ζ『どうせ遺産目当ての人達よ、お父さん。』
/ ,' 3『これ!ツンデレラ!なんてことを言うんじゃ!薄々勘付いてることを!
ほら、いいから新しい家族に挨拶するんじゃ!』
『ツンデレラはしぶしぶ新しい家族に挨拶することになりました。』
('、`*川『あらあら、可愛いわねぇ。あ、初めまして。今日からあなたのお母さんになるペニサスよ〜、よろしくね。』
ζ(゚ー゚*ζ『はぁ。ツンデレラです。どうぞよろしく、ペニサスさん。』
('、`*川『ふふっ、他にも家族がいるのよ〜。みんな、挨拶して〜。』
(*゚ー゚)『初めまして、私はしぃよ。この中じゃ一番年上だからいつでも頼ってくれていいのよ。』
ζ(゚ー゚*ζ『はぁ。』
|゚ノ ^∀^)『私は二番目に年上のレモナですわ。どうぞ、宜しくお願いしますね』
ζ(゚ー゚*ζ『はぁ。』
(*゚∀゚)『アヒャヒャヒャ!私は3番目に年上のお姉さまのつーだ!宜しくな!アヒャヒャヒャ!』
ζ(゚ー゚*ζ『ちょっと宜しくしたくないかな。』
『こうしてツンデレラは新しい家族との日々が始まりました。』
ζ(゚ー゚*;ζ『(お気に入りの服切れちゃった…。)』
(*゚ー゚)『ツンデレラ、何か困った事はない?』
サッ
ζ(゚ー゚*ζ『ないよ。だから私に構わないで。』
(*゚ー゚)『…そう。なにかあったらいつでも言ってね。』
|゚ノ ^∀^)『ツンデレラさん、何か食べたい物はありますか?』
ζ(゚ー゚*ζ『ない。』
|゚ノ ^∀^)『あら…。そうですか、では、私の得意料理を作りますね。』
ζ(゚ー゚*ζ『勝手にすれば?』
(*゚∀゚)『ツンデレラ〜!俺と一緒に包丁研きしないか!?』
ζ(゚ー゚*ζ『1人でどうぞ。』
『ツンデレラは新しい家族に心を開くことが出来ませんでした。次第に可愛いらしい服から男の子らしい服へ。言葉遣いも段々と男の子のようになっていきました。』
『そんなある日、ツンデレラは皆がこそこそ話しているのを目撃してしまいました。』
ζ(゚ー゚*ζ『(…どうせ僕の悪口か、遺産の話だろ。)』
『ツンデレラは皆の話を立ち聞きすることにしました。』
('、`*川『やっぱり、お母さんを亡くしてツンデレラちゃんは心を痛めているのね…。』
(*゚∀゚)『…私らも父ちゃん亡くしてるから痛み分かるよな…。』
(*゚ー゚)『…そうね。でも、今は新しいお父さんが居るから幸せだけれどね。』
|゚ノ ^∀^)『でも、ツンデレラさんはまだ立ち直れていないようですわ。』
(*゚ー゚)『私達は辛い時皆がいたから支え合えたけど、ツンデレラはお父さんが仕事に行ってる間はいつも1人だったのよ?そう簡単には立ち直れないわよ…。』
('、`*川『そうね、私達が頑張ってツンデレラちゃんの支えになってあげなきゃね。』
(*゚∀゚)『おう!明日も一緒に包丁研きしないか誘ってみる!』
(*゚ー゚)『あら!包丁命のつーが包丁研きを他人にさせるなんて…』
(*゚∀゚)『アヒャヒャヒャ!ツンデレラは特別なんだよ!』
|゚ノ ^∀^)『私も後でお父さまにツンデレラちゃんの好きなお菓子聞いてみますわ!』
(*゚ー゚)『よしっ、皆でがんばるわよっ!』
(*゚∀゚)|゚ノ ^∀^)『おー!』('、`*川
ζ( 、 *ζ『…。』
『ツンデレラは誰にもばれないように家から逃げるように出て行きました。向かった場所は、ツンデレラがいつも辛くなった時に1人で行く場所でした。』
ζ( ー *ζ『お母さん…。僕、なんでこんなに悪い子になっちゃったのかな。』
『ツンデレラが辛い時、1人で行く場所。
それはお母さんのお墓でした。白い十字架が立てられているそのお墓は、生前のツンデレラのお母さんのように優しい色をしていました。』
ζ( ー *ζ『お母さん、僕、わかんないんだ。』
ζ( ー *ζ『新しい家族は皆優しいんだよ、凄く優しいんだ。その優しさが僕にはとても痛いんだ。』
ζ( ー *ζ『お母さんがいなくなった時に、凍ってしまった僕の心を溶かしてしまうぐらい。そう、太陽のように温かいんだ。あの人達の優しさは。』
ζ( ー *ζ『もう十八歳になったけど、僕は二年前のままだよ、お母さん。変わらなくちゃいけないって分かってる、でも、僕は怖いんだ、お母さん。』
ζ( ー *ζ『新しい家族を受け入れてしまったら僕の中のお母さんが薄れちゃうんじゃないかって、お母さんが本当にいなくなっちゃうんじゃないかって。それが、凄く怖いんだ。』
『ツンデレラは白い十字架に抱きつきながら、ポツリポツリと呟きました。
それは、まるで新しい家族に対する懺悔かのようにも聞こえました。』
『ツンデレラ、また泣いてるのかお?』
ζ(;ー;*ζ『ッ…!また、君か。』
( ^ω^)『…はぁ、本当に良く泣く奴だお』
『ツンデレラが1人で泣いていると、必ず彼はやってくるのでした。』
ζ(;ー;*ζ『ふ、これは泣いてるんじゃなくて』
( ^ω^)『汗が目からでてるだけだよ、っていう言い訳はもう聞き飽きたお。』
ζ(;ー;*ζ『…うるさいな、毎日白装束着てる変質者の癖に。』
(; ^ω^)『お!?白装束じゃないお!これは魔法使いのれっきとした正装なんだお!?』
ζ(゚ー゚*ζ『はっ、魔法使いね…。変質者の方が君にはピッタリだと思うけど?』
『そう、彼は魔法使い。ツンデレラのお母さんが死んだ時、ツンデレラは毎日のようにお墓で泣いていました。それをたまたま見掛けた彼は、その日からツンデレラに話かけてくるようになったのです。』
( ^ω^)『なんて奴だお…。』
ζ(゚ー゚*ζ『はっ。僕は事実を言っただけさ』
( ^ω^)『…まぁ、いいお。もうこんな時間だし、箒で送っててやるから乗れお。』
ζ(゚ー゚*ζ『仕方ないから、この可愛い僕が変質者の箒に乗ってあげるよ』
( ^ω^)『男の格好しといて何が可愛いだお、全く…。そら、飛ばすおー!』
ζ(゚、゚*ζ『ヒュー!これだけは尊敬するよ、変質者!』
( ^ω^)『だから、僕は魔法使いなんだお!』
『ツンデレラは気付いていないようですが、彼といるとツンデレラはいつも自然と涙が止まっているのでした。』
『それからしばらくしたある日、王様から招待状がツンデレラの家に届きました。』
/ ,' 3『ふぉふぉふぉ。ダンスパーティーか。王子様の結婚相手探しじゃろうて。』
('、`*川『あら、ギコ王子はもう結婚を…?』
(*゚ー゚)『…。』
/ ,' 3『なんじゃ、ギコ王子を知っているのかい?』
('、`*川『しぃとギコ王子は幼なじみなんですよ。
私が昔ギコ王子にお菓子作りをお教えしていたので、同い年の二人は良く遊んでいたものです。』
(*゚ー゚)『昔の話よ…。』
ζ(゚ー゚*ζ『(なんだ、しぃさん。珍しく暗いな…。)』
/ ,' 3『しかし、それならますますこのダンスパーティーは楽しみじゃな。』
(*゚ー゚)『…私は、参加しません。』
|゚ノ ;^∀^)『しぃお姉さま、何故ですの?あんなに昔ギコ王子様と仲良くしていらっしゃったのに』
(;*゚∀゚)『そうだそうだ!どーして出ないんだよ!』
(*゚ー゚)『…いいから、私は行かないわ。』
ζ(゚、゚*ζ『(…?)』
『どうして此処まで頑なにダンスパーティーを断るのか、ツンデレラには分かりませんでした。
興味を持ったツンデレラはしぃが趣味の服作りをしている時、理由を聞いてみることにしました。』
ζ(゚ー゚*ζ『ねぇ、しぃさん。なんで、パーティー行かないの?』
(*゚ー゚)『…ギコ君、いや、ギコ王子と昔約束をしたの。』
ζ(゚ー゚*ζ『約束?』
(*゚ー゚)『ギコ王子がね、私とお別れする時、何処にいっても必ず見つけ出して迎えに行くって。』
ζ(゚ー゚*ζ『へぇ。じゃあ、尚更なんでパーティーに行かないのさ』
(*゚ー゚)『ギコ王子が探し出してくれるのを待ってるのよ。』
ζ(゚ー゚*ζ『…ふぅん。』
『しぃは自覚していたのでした。自分がギコ王子には不釣り合いな身分だと。
今では貴族のしぃですが、以前はちょっとお金持ちの普通の一般庶民。王子と結婚なんて夢のまた夢でした。彼女は王子が自分を見つける事が出来ないと分かっていて、待つことを決心したのでした。』
ζ(゚ー゚*ζ『僕には理解できないや。好きなら会いに行けばいいんだ。』
( ^ω^)『話はそんな簡単じゃないお。仮にも相手は王子様だお?しぃさんが気にするのも分かる話だお。』
ζ(゚ー゚*ζ『…会いに行ける人なら、僕ならどんなことをしても会いにいくけどね。』
( ^ω^)『…ツンデレラ。』
ζ(゚ー゚*ζ『まぁ、いいや。さぁ、今日も箒で飛ばしてくれよ、変質者。』
( ^ω^)『だから、魔法使いだお!』
(*゚∀゚)『おぉ、おかえり。ツンデレラ、一緒に包丁研きでもしないか?』
ζ(゚ー゚*ζ『結構。』
|゚ノ ^∀^)『ツンデレラ、晩御飯できてますわよ。』
ζ(゚ー゚*ζ『…あ。』
ζ(゚ー゚*ζ『たこさん、ウインナー…。』
/ ,' 3『おぉ、懐かしい。ツンデレラは昔たこさんウインナーが大好きだったのぉ』
|゚ノ ^∀^)『うふふ。さぁ、いただきましょ。』
『晩御飯を食べおわるとツンデレラはいつも自分の部屋に閉じこもってしまいました。』
バタン
ζ(゚ー゚*ζ『…お父さんがきっとレモナさんに教えたんだな。たこさんウインナー。』
ζ(゚ー゚*ζ『…はぁ。
ダンスパーティー何着てこう』
ガラッ
『ツンデレラはクローゼットを開けて、ダンスパーティーの服を選ぶことにしました。』
ζ(゚ー゚*ζ『…。』
ζ(゚ー゚*ζ『この服、破れた所、直ってる…。』
『そして、月日は流れ、ダンスパーティーの日となりました。』
(*゚∀゚)『…んだよ、姉貴、本当に行かないのか?』
(*゚ー゚)『えぇ、いいの。楽しんできて』
|゚ノ ^∀^)『…はぁ、しぃお姉さまったら。行きましょ、ツンデレラちゃん』
ζ(゚ー゚*ζ『…いや、僕もいいや。ちょっと用事ができた。』
|゚ノ;^∀^)『なっ!?ツンデレラちゃん!』
『ツンデレラは家を飛び出し、お母さんのお墓へと行きました。勿論、彼に会うために。』
ζ(゚ー゚*ζ『変質者!でてきてくれ!』
( ^ω^)『だから、変質者じゃなくて魔法使いだお!』
ζ(゚ー゚*ζ『君が魔法使いなら、やって欲しい魔法があるんだ!』
( ^ω^)『お?やって欲しい魔法かお?』
ヒソヒソ
ζ(゚ー゚*ζ『あぁ、僕を……!』
(;^ω^)『お!?』
ζ(゚ー゚*ζ『できるかい?』
(;^ω^)『出来るこたぁ出来るけど、時間制限付きだお。』
ζ(゚ー゚*ζ『何時間ぐらい耐えられる?』
( ^ω^)『…もって、今日の深夜12時だお。』
ζ(゚ー゚*ζ『よし、十分だ。今から急いで、ダンスパーティーへ行こう!』
( ^ω^)『なら、馬車を用意しなきゃだおね。えいっ!』
『魔法使いが一声かけると、箒が馬車へと変身しました。』
ζ(゚ー゚*ζ『馬はどうするんだい?』
( ^ω^)『ん〜…。お、ネズミがいるお。えいっ!』
ζ(゚ー゚*ζ『ネズミが馬になった…!』
( ^ω^)『さて、次はその男物の服をドレスにするお。』
ζ(゚ー゚*ζ『ちょっと待って。…この服をドレスにしてくれない?』
( ^ω^)『お?ツンデレラにしちゃ可愛い服だお。えいっ!』
ζ(゚ー゚*ζ『…おぉ!』
( ^ω^)『ほら、馬車の中で着替えて!もうダンスパーティーは始まってるお!』
ζ(゚ー゚*ζ『あぁ!いこう!』
( ^ω^)『…いつみても、立派なお城だお。』
ζ(゚ー゚*ζ『そりゃあ王様が住んでるんだから。当然さ。』
(‘_L’)『招待状は?』
( ^ω^)『お。』
(‘_L’)『馬車は私めにお任せを。今宵は楽しんでください。』
ζ(゚ー゚*ζ『…なんで、招待状もってんの?』
( ^ω^)『これでもれっきとした貴族の身分なんだお。』
ζ(゚ー゚*;ζ『はぁ!?』
( ^ω^)『ほら、良いからじっとしてお。魔法かけるから。』
ζ(゚ー゚*ζ『う、うん。』
(;^ω^)『ふぅ…、いくお。』
ζ(゚ー゚*;ζゴクリ
( ^ω^)『メリメリメリーポピンズスーパーカリフラジリスティックエクスピアリドゥーシャス!』
,
ζ(゚ー゚*;ζ『…ど、どう?』
( ^ω^)『…分からんお。まぁ、多分成功したお。』
ζ(゚ー゚*;ζ『ちょ、ふざけないでよ』
( ^ω^)『まぁ、いいから王子様に会ってこいお』
ζ(゚ー゚*ζ『君は?』
( ^ω^)『食べ物食べてくる。』
ζ(゚ー゚*ζ『あぁ、うん、食い尽くさないようにね』
( ^ω^)『お、ちょっと待てお。これ付けてけお。』
ζ(゚ー゚*ζ『ヴェネツィアマスクか…。さんきゅ!』
(*゚∀゚)『飯美味すぎワロタw』
('、`*川『レモナちゃん、これ家で作れる?』
|゚ノ ^∀^)『当たり前じゃないですの』
/ ,' 3『皆ダンスより食い気か…。まぁ、いいけど。』
|゚ノ ^∀^)『あ、ギコ王子ですわ!』
(,,゚Д゚)『…。』
('、`*川『あら、イケメンに育ったわね〜』
(-@∀@)『王子、あそこに美しいレディ達がいますが…』
(,,゚Д゚)『…すまん、興味がないんだ。』
(-@∀@)『…王子、あそこにたくましいジェントルマン達がいますが…
(,,゚Д゚)『そういう意味じゃねぇ』
(-@∀@)『王子、もうミュージックが始まってしまいます、だれかお相手を…。形だけでもパーティーに参加してください。』
(,,゚Д゚)『…仕方ないな…。』
『王子様はキョロキョロとパートナーを探しましたが、やはり、いいお相手は居ませんでした。』
(,,゚Д゚)『やっぱり俺は…』
(* ー )『王子様、私と踊っていただけませんか?』
(,,゚Д゚)『…お前は?!』
(;-@∀@)『なんで仮面舞踏会でも無いのにヴェネツィアマスクを…。』
〜♪
(* ー )『あら、音楽が始まってしまいましたわ。
どうしましょう。』
(,,゚Д゚)『…構わないさ、さぁ、俺と踊ってくれ。』
(*゚∀゚)『お、王子おどってんぞ。』
|゚ノ; ^∀^)『相手の方は…。何故ヴェネツィアマスク…』
('、`*川『仮面舞踏会と勘違いしちゃったのかしらねぇ?』
/ ,' 3『…しかし、王子、何故あんな泣きそうなお顔で踊っているんじゃろうか…。』
(,,゚Д゚)『…やっと、やっと会えたな!しぃ!』
(* ー )『ふふ…。懐かしいわね、ギコ君。』
(,,゚Д゚)『あぁ…!どれほど、どれほどこの時を待ち望んでいたか…!』
(* ー )『私もよ、ギコ君。』
(,,゚Д゚)『さぁ、仮面をとってくれよ。』
(* ー )『訳があって、取ることができないの。でも、こんなヴェネツィアマスク一枚、私達にはなんの問題もないでしょう?』
(,,゚Д゚)『…!あぁ、そうだ!俺達の再会に比べたらそんなの些細な問題だ!』
(* ー )『さぁ、今は音楽に合わせて踊り続けましょ』
『2人は会えなかった日々を埋めるかのように踊り続けました。
(,,゚Д゚)『楽しい時間はあっという間にすぎるんだな…。もう12時か。』
(;* ー )『え!もう12時!?私帰らなくちゃ!』
(;,,゚Д゚)『え?』
(;* ー )『さようなら!ギコ君!』
(;,,゚Д゚)『ちょ、しぃ!まて、待ってくれ!』
『王子様が引き止めるのを振り払って彼女は城の外へと飛び出しました。』
(;* ー )『…っ、ドレス走りにくっ…!』
(;,,゚Д゚)『どうして逃げるんだ!しぃ!』
(* ー )『…やだなぁ、ギコ君ったら。私は女の子よ?』
(,,゚Д゚)『…は?』
(*゚ー゚)『お姫様は、白馬に乗った王子様をいつでも待ち望んでいるのよ?』
『ヴェネツィアマスクを取った瞬間、彼女は消えてしまいました。』
(;,,゚Д゚)『しぃ…!?』
『王子様は1人、残されてしまいました。彼に残されたのは、彼女の別れの言葉だけ。』
(,,゚Д゚)『…ふっ!ギコハハハハ!しぃらしいじゃないか、分かったぜ、白馬で迎えにいってやるよ!』
『王子様の笑い声は、空高く飛んでいた2人にも聞こえました。』
ζ(゚ー゚*ζ『危なかった、まじ、危なかった。』
( ^ω^)『早く戻んないからだお。ばれたら僕の首がぶっ飛んだところだお。』
ζ(゚ー゚*ζ『それはそれでよかったかもなぁ』
( ^ω^)『なんて奴だお…』
ζ(゚ー゚*ζ『でもさ、やっぱり僕の予想通りだったよね。』
( ^ω^)『自分の好きな人に見える魔法。王子にはちゃんとしぃさんに見えてたかお?』
ζ(゚ー゚*ζ『じゃなきゃ、王子を一発ぶん殴ってさっさと帰ってきてたよ。』
( ;^ω^)『おぉ、流石ツンデレラだお…。』
ζ(゚ー゚*ζ『さて、ヘタレ王子様はしぃさんをちゃんと見付けだせるかな?』
( ^ω^)『ま、大丈夫だお。』
『次の日、街は大騒ぎでした。』
('、`*川『なにごとかしら。』
(*゚∀゚)『なんか王子が街に来てるらしいぞ。』
(*゚ー゚)『まぁ。街の巡察かしらね』
|゚ノ ^∀^)『王子様がそんなことしますかしら?』
コンコン
(*゚ー゚)『あら、お客様かしら。私がでるわ。』
ガチャ
(,,゚Д゚)
(*゚ー゚)
(,,゚Д゚)『迎えに来たぞ、しぃ。』
『しぃが扉を開けると、そこには白馬に乗ったギコ王子が居ました。』
ζ(゚ー゚*;ζ『(マジで白馬乗ってきちゃったよ…。)』
(*゚ー゚)『ギコ君…、なんで、ここに…。』
(,,゚Д゚)『昔言っただろ?何処にいっても必ず見つけ出して迎えに行くって。』
(*゚ー゚)『覚えてて、くれたの…?』
(,,゚Д゚)『…俺と結婚してくれ、しぃ。』
(;*゚ー゚)『でも、私、身分が…』
ζ(゚ー゚*ζ『ねぇ。僕の事、家族と思ってる?』
(;*゚ー゚)『え…、ツンデレラ、何言ってるの。当たり前じゃない。』
ζ(゚ー゚*ζ『僕は貴族だ、立派な貴族だ。王子と結婚したって全然文句も言われない身分だ。むしろ祝福されるほどの。』
(;*゚ー゚)『え、あ、うん。』
ζ(゚ー゚*ζ『そんな僕を家族だと思っているなら、身分の事で結婚を悩むなんておかしいじゃないか。』
(;*゚ー゚)『で、でも、昔は…。』
ζ(゚ー゚*ζ『昔なんか関係ないよ。だって、今、僕たちは家族なんだから。』
ζ(゚ー゚*ζ『ね、そうでしょ?しぃ姉さん。』
(*゚ー゚)『ツンデレラ…』
(*;ー;)『ありがとう…、私、結婚する、結婚するわ!』
(,,゚Д゚)『…君の姉さんは絶対に俺が幸せにしよう。』
ζ(゚ー゚*ζ『ちゃんとお願いしますよ、ギコ王子。』
『しぃとギコ王子の結婚式は、皆が祝福しました。街もお城も大騒ぎです。』
(*゚ー゚)(,,゚Д゚)
(;、;*川『結婚、おめでとう、幸せになるのよ!』
(*゚∀゚)『いいなぁ、俺も早く結婚したいぜ!』
|゚ノ ^∀^)『私より先に結婚は許しませんわよ?』
(;*゚∀゚)ビクッ
(*゚ー゚)『幸せよ、私本当に…』
(,,゚Д゚)『本当に幸せになるのはこれからだろ?』
(*゚ー゚)『うふふ、そうね。』
(*゚∀゚)『…ってか、ツンデレラいなくね?』
『皆がしぃとギコ王子の結婚式をお祝いしている中、ツンデレラの姿はありませんでした。』
ζ(゚ー゚*ζ『…お母さん、僕、新しい家族を受け入れることにしたよ。
でも、お母さんの事を忘れる訳じゃないからね。許して、くれる?』
( ^ω^)『許すも何も、ツンデレラの母ちゃんはそれを望んでるに決まってるお』
ζ(゚ー゚*ζ『変質者…。
君は2人の結婚式に参加しなくていいのかい?』
( ^ω^)『おっおっ。僕はしぃさんの場所を王子に教えて差し上げたから多少の無礼は許されるお』
ζ(゚ー゚*ζ『…あぁ、なぁんだ。だからあんな早く見付かったのか。』
( ^ω^)『いや、でも、最初は一件一件ちゃんと探してたお。見てて可哀想になったから教えて差し上げたんだお。』
ζ(゚ー゚*ζ『ふぅん、君にも優しい所あるんだ。』
( ^ω^)『僕は優しさの塊だお?』
ζ(゚ー゚*ζ『脂肪の間違えだろ…』
( ^ω^)『やっかましいお!』
ζ(゚ー゚*ζ『ところで、聞きたい事があったんだけど』
( ^ω^)『お?なんだお?』
ζ(゚ー゚*ζ『あの魔法って、誰が見ても自分の好きな人に見えるの?』
( ^ω^)『まぁ、異性なら誰でもそうみえるお。』
ζ(゚ー゚*ζ『じゃあ、君は誰に見えたんだい?w』
( ^ω^)『あの時、言ったじゃないかお。』
ζ(゚ー゚*ζ『…は?』
( ^ω^)『だから、魔法かけた時に…』
【ζ(゚ー゚*;ζ『…ど、どう?』
( ^ω^)『…分からんお。まぁ、多分成功したお。』
ζ(゚ー゚*;ζ『ちょ、ふざけないでよ』
( ^ω^)『まぁ、いいから王子様に会ってこいお』】
ζ(゚ー゚*ζ『言って無いじゃないか。』
( ^ω^)『…魔法かかってたか分からなかったってのが答えだお。』
ζ(゚ー゚*ζ
ζ(゚ー゚*ζ『え?』
ζ(゚ー゚*;ζ『は?え?何?』
( ^ω^)『まぁ、つまり、そういう事だお。』
ζ(゚ー゚*;ζ『え?え?』
( ^ω^)『…ずっと君の事が好きだったお。』
ζ(゚ー゚*;ζ『は…?う、嘘だろ?だって、僕、性格わるいし泣き虫だし良いとこないよ?』
( ^ω^)『ツンデレラは優しい子だお。優しいから泣き虫なんだお。』
ζ(゚ー゚*;ζ『嘘だ…』
( ^ω^)『魔法使いは嘘つかないお。』
ζ(゚ー゚*ζ『いや、それは本当に嘘だろ。』
( ^ω^)『おwまぁ、良いじゃないかおw』
ζ(゚ー゚*ζ『…はぁ。君は本当にいい加減な奴だなぁ…。』
( ^ω^)『それが僕の長所だお。』
ζ(゚ー゚*ζ『いや、短所だろ…。』
( ^ω^)『ま、そんな事より。今日は何がしたいお、愛しいツンデレラ。僕の魔法で何でも叶えて差し上げるお。』
ζ(゚ー゚*ζ『うーん、そうだなぁ…。それなら今日は…』
ζ(゚ー゚*ζ『大好きな君と、空を飛びたいかなぁ』