【第十二話】
lw´‐ _‐ノv「今日からはあなたがわたしの飼い主ですね。では行きましょう」
ワカッテマスが去って、少しの時間が経ってから目覚めたシューは、そう言いました。
ミ,,゚Д゚彡「えっソリ無いよ」
lw´‐ _‐ノv「わたしが呼べば、ソリは出てきます」
それは、サンタがトナカイを呼ぶのによく似た、不思議な現象。
ミ,,゚Д゚彡「えっすごいトナカイめっちゃカッコイイ」
しゃんしゃん、しゃんしゃん。
ミ,,゚Д゚彡「わっ鈴の音綺麗」
見渡す限りの、星空。
ミ,,゚Д゚彡「うわめっちゃ星綺麗。触れないかな?」
初めての経験に、はしゃぐフサギコ。
lw;‐ _‐ノv「……」
無言で、足を速く動かすシュー。
ミ,,゚Д゚彡「ねぇ」
lw;‐ _‐ノv「……ッ!……はい」
ミ,,゚Д゚彡「どこ行くの?」
lw;‐ _‐ノv「え? プレゼントを届けに」
ミ,,゚Д゚彡「えっ嫌だ帰ろう」
lw;‐ _‐ノv
lw´‐ _‐ノv「えっ」
ミ,,゚Д゚彡「プレゼント無いもん」
lw´‐ _‐ノv「えっ袋は?」
ミ,,゚Д゚彡「空っぽ」
lw´‐ _‐ノv「えぇ!? じゃあこの鈴は?」
ミ,,゚Д゚彡「さぁ?」
lw;‐ _‐ノv「えぇ!?」
ミ,,゚Д゚彡「あとさ、なんでそんな急いでんの?」
lw;‐ _‐ノv「だって速く翔けないとまた――」
ミ,,゚Д゚彡「ゆっくり行こう今気付いたけど空はやたら寒いだからゆっくり行こうほんと寒い」
lw´‐ _‐ノv「えっ」
あえて、なのか。
無意識に、なのか。
陽気なフサギコの性格は、ワカッテマスのソリを引いていたシューにとっては理解しがたいもので。
ミ,,゚Д゚彡「森に帰ったら、一緒に寝よう」
lw´‐ _‐ノv「わたしと?」
ミ,,゚Д゚彡「なんだったら永遠に。結婚しよう」
lw´‐ _‐ノv「えっ嫌だっていうか意味がわからない」
シューの記憶の中微かに残る、ワカッテマスに向けていたきつい喋り方とは違う、フサギコの優しく明るいそれのおかげで、少しずつですが、シューの心には安心感が芽生えてきました。
ミ,,゚Д゚彡「シュー!」
lw´‐ _‐ノv「はい」
ミ,,゚Д゚彡「お、すげぇ後ろに現れた! カッコイイ!」
lw´‐ _‐ノv「そんなにですか?」
ミ,,゚Д゚彡「ていうか」
lw´‐ _‐ノv「?」
ミ,,゚Д゚彡「シューって呼ぶの嫌だギョロ目が頭の中にこんにちはする。シュシュって呼んでいい?」
lw´‐ _‐ノv「まぁ。呼びたいのなら好きに呼んでください」
ミ,,゚Д゚彡「あとその喋り方嫌だ前の男を忘れられてないみたいで嫌だ普通に喋って」
lw´‐ _‐ノv(この人ちょっとめんどくさい)
穏やかに、時は流れて――
ミ,,゚Д゚彡「もぐもぐ」
lw´‐ _‐ノv「もぐもぐ」
ミ,,゚Д゚彡「この木の実美味いだろ?」
lw*‐ _‐ノv「うん、美味しい」
ミ,,゚Д゚彡「あっ白い顔が赤くなってるやべぇ可愛いトナカイなのに超可愛い」
少しずつ、シューは心を開いていって――
ミ,,゚Д゚彡「シュシュ、なんか願ってみて」
lw´‐ _‐ノv「パンが食べたい」
ミ,,゚Д゚彡「おぉ! すげぇ! 袋からパンが出た。はいあげる」
lw´‐ _‐ノv「ありがとう」
ミ,,゚Д゚彡「ようやく使い方がわかった。ねぇシュシュ。俺は肉が食べたい。願って。自分の願いじゃダメなんだ」
lw´‐ _‐ノv「えっ嫌だ」
ミ,,゚Д゚彡「えっ」
lw´‐ _‐ノv「ふふふ」
ミ,,゚Д゚彡「あはは」
lw´‐ _‐ノv
ミ,,゚Д゚彡「えっなに今の笑い」
lw´‐ _‐ノv「気のせいだよ」
ミ,,゚Д゚彡「えっなにが? まぁいいやせめてパンをはんぶんこしよ――」
lw´‐ _‐ノv「もぐもぐ」
ミ,,゚Д゚彡「あっ全部食べたやばい俺ちょっと怒るかもしれない」
lw*‐ _‐ノv「ごめんね」
ミ,,゚Д゚彡「あっ可愛い許す」
lw´‐ _‐ノv(割と扱いやすい人)
シューは、フサギコの傍にいるのが幸せに感じて――
lw´‐ _‐ノv「プレゼント、届けよう?」
ミ,,゚Д゚彡「嫌だ」
lw´‐ _‐ノv「どうして?」
ミ,,゚Д゚彡「人間はすぐ死ぬから、喜ばせた分、いなくなった後に俺は、寂しくなる。あと化け物って言われたくない」
lw*‐ _‐ノv「……わたしは、ずっと傍にいるよ?」
ミ,,゚Д゚彡「……ちょっと考えてみる」
lw´‐ _‐ノv(あ、思ったより傷は深いみたい)
同時に、シューはフサギコの心の傷を知って。
そうやって時は流れ。
そして、現在へ――
【第十二話:こうして二人はとっても仲良しになれたんだってさ】
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