第二話「スタンドは謎だ!」





( ▼_▼)「ではお願いします、ニダーさん」

<ヽ`∀´>「ホルホルホル、ここいらは人通りが少ない。
      お前は調査を続けろ、完了次第そちらに向かうニダ。」

( ▼_▼)「わかりました、では…」

そう言ってサングラスの男は、どこかへと消えていった。

<ヽ`∀´>「さーて、いっちょ片付けてやるニダ、ホルホルホル…」

ニダーが物影からゆっくりと姿を現し、背を向けている二人に呼び掛ける。

<ヽ`∀´>「やぁ、そこのお二人さん。ちょっと道を聞きたいニダ。」

その声に二人は同時にニダーの方へと振り返った。

( ^ω^)「おっ?」
('A`)「ん?」

<ヽ`∀´>「いやー、どうもどうも…ウリは外国から来た旅行者ニダ。
      どうもここら辺の地理には疎くて是非道を教えてもらいたいニダ。」

敵意を全く感じさせない笑みを浮かべながら、ニダーは二人の元へと徐々に歩み寄っていく。

( ^ω^)「全然いいですおー、どこに行きたいんですかお?」

('A`)「…ここら辺で観光名所っていうと…ヴィプ王町天文台とかですか?」

( ^ω^)「?」

<ヽ`∀´>「ん…おー、それニダそれニダ、是非そこまでの道を教えてもらいたいニダ。」

ニダーは、そう言って微笑みながら、二人の元へと更に近寄っていく。

('A`)「止まれ!」

<ヽ`∀´>「!」

( ;^ω^)「!?」

('A`)「ヴィプ王町天文台…?」

<;ヽ`∀´>「…」

(;'A`)「ねぇよ、んなもん。」

<ヽ`∀´>「!!」

場の空気が一瞬で張り詰められ、異様な緊張感が三人を包んだ。

( ;^ω^)「ド、ドクオ…どういうことだお?」

('A`)「さぁな、コイツに聞いたみたほうが早そうだ。
   あんた、俺らに何の用だよ。」

<ヽ`∀´>「…ホルホルホル、ガキの割になかなか鋭い奴ニダ、忌々しい。」

('A`)「あんたはオッサンの癖に頭足りてないみたいだな。
   こんな朝っぱらから天文台に何の用があるってんだよ。」

普段ドクオが道を尋ねてきた人間にカマを掛けることはまず無い。
しかしニダーのスーツを見て、昨日のサングラスの男がフラッシュバックしたのであった。

<ヽ`∀´>「はぁ…ウリはまだギリギリ30代ニダ…まだギリギリお兄さんニダ…」

('A`)「その年でお兄さんを名乗って良いのは歌のお兄さんだけだバカヤロー」

<ヽ`∀´>「まぁいいニダ、お前ら死んでもらうニダ。」

(;'A`)( ;^ω^)「はぁ!?」

<ヽ`∀´>゚月゚)ズズズ…

ニダーの背後に二人にも見覚えのある人型の何かが現れた。

(;'A`)「お、お前も…その精神体を…!」

( ;^ω^)「で、でも死ねって、ど、どういうことだお!?」

<ヽ`∀´>゚月゚)「スタンドのスの字も知らないガキ共め、講釈は冷えた死体にたっぷりしてやるニダ。」

そう言うとニダーは地面を蹴り、ふわりと宙に舞った。
しかしそれは常人のジャンプ力を軽く凌駕するもので、
その高さは二階建て民家の屋根にも相当していた。

(;'A`)「な、なんだってんだよー!」
( ;゚ω゚)「ふぉぉぉぉー!」

二人はその異常な光景に踵を返して全速力で走りだした。
しかしその頭上をニダーが軽く飛び越え、二人の前に立ちはだかる。

<ヽ`∀´>「はーい、逃がさないニダ。」

(;'A`)「なんで俺達を殺すんだ!」

( ;^ω^)「そ、そうだお!お互い理解を深める時間を作る必要があるお!!」

<ヽ`∀´>「ふふん、いいだろう。教えてやるニダ。
      ウリのようにスタンドを操るスタンド使いは特異な能力を得るニダ。
      その能力は常軌を逸したもので、存在そのものが危険…
      それ故にスタンド使いは多くいてはならないニダよ。
      ましてやお前らのようなガキはウリと違って役立たずニダが
      放っておいて後々、何をしでかすかわからないニダ。
      そんな危険因子は今のうちに消去するニダよ。」

(;'A`)「ちっ…(スタンド使いは…)」

( ;^ω^)「…(特異な能力を得る…)」

二人は互いに合図を送るでもなく同時にスタンドを呼び出した。

( ;^ω^)`0ω0´)ズズズ…
(;'A`)-Ψ-)ズズズ…

<;ヽ`∀´>「…!」

それを見たニダーは本能からか思わず一歩後ろずさった。

(;'A`)「…!(間違いねぇ、俺達にもあるはずなんだ…こいつとやり合える能力が…!)」

( ;^ω^)「…(天井の壁に穴を軽く開けてしまうほどの破壊力、それを引き出せれば…)」

<ヽ`∀´>「ホル、ホルホル…ホルホルホル!」

ニダーは不気味な高笑いをあげた。

<ヽ`∀´>「どうしたニダ?早くそのスタンドで攻撃してみるニダ。」

(;'A`)「!」

<ヽ`∀´>「お前らみたいな昨日今日スタンドに目覚めたガキに百戦錬磨のニダー様が
      負けるとでも思ってるニダか?」

(  ω )「おっおっおっ…」

<ヽ`∀´>「?何を笑っているニダ…」

(;'A`)「(こいつパニックで頭がおかしく…)ブ、ブーン…」

( ^ω^)「お前は…ブーンの能力、知らないお?」

<;ヽ`∀´>「なっ…」

('A`)「!(こいつ…)」

( ^ω^)「さ、やるお。ドクオ。」

(;'A`)「(こんな状況で一芝居打つとは…)おk、俺も丁度”準備”出来たところだ」

( ^ω^)「!(さすがだおドクオ)…ドクオの能力のために逃げるフリしてたんだから一撃で頼むお」

('A`)「フヒ…任せろ」

<;ヽ`∀´>「ふ、ふん…面白いニダ…(なんだなんだなんだなんだなんだ!?)」

('A`)「いくぜ…(お前これ一芝居打つのはいいが)」

( ^ω^)「おう!」

(;'A`)「いくぞおおおお!(その後どうなんだこれええええ!!)」

( ^ω^)「行けー!ドクオー!(後は任せたおー!)」

(;'A`)「うおおおおおお!(てめええええええええ!!)」

<;ヽ`∀´>゚月゚)「くっ…!」

ドクオの全力疾走に怯んだニダーは、またも宙へと飛び上がった。

(;'A`)「ちっ…!(セーフ!)」

( ^ω^)「ドクオ!対空奥義の出番だお!(ドクオならなんとかしてくれるお!)」

(;'A`)「…お、おっしゃあああ!(ブゥゥゥゥゥーーーーン!)」

<;ヽ`∀´>「た、対空ニダ!?」

そう聞くや否やニダーが本来の落下速度よりはるかに速いスピードで地面へと着地した。

( ;^ω^)「落ちてくスピードが加速したお!?」

(;'A`)「なんだってんだコイツは…!」

<ヽ`∀´>゚月゚)「対空技があるなら、地を行けばいいだけニダよ。」

(;'A`)「(体重が変化するなら宙を舞う理屈にはなるが落下速度の理由にはならない。
    かといって体積が変化したわけでもない、つまりは…)」

(;'A`)「重力…」

<ヽ`∀´>「!」

( ^ω^)「重力?」

(;'A`)「その反応、間違いねぇ…お前の能力は”重力を操る”能力…そうだろ!」

<ヽ`∀´>「…ホルホルホル、その通りニダ。」

( ;^ω^)「マジかお…そんなのアリかお…」

<ヽ`∀´>゚月゚)「ウリの能力はお前の言う通り”重力を自由に操作する力”
         重力による負荷を軽くして常人よりも高く舞うことも、
         負荷をかけ落下速度を上げることも…そして…」
ヒュンッ!

(;'A`)「速ッ…」

ドゴォ!

(;'A`)「ぐはぁ!」

常人を遥かに超えるスピードでドクオまでの間合いを詰めたニダーの拳がドクオの鳩尾を打ち抜き、
ブーンより前にいたはずのドクオはブーンのはるか後方へと口から鮮血を散らしながら吹き飛んだ。

<ヽ`∀´>゚月゚)「こんな風に重力の負荷を軽減し、人類の限界を超えたスピードで動くこともできるニダ。」

( ;゚ω゚)「ドクオォォー!」

ニダーはあえて言うことはしなかったがニダーのスタンド、
マン・オン・ザ・ムーンの正確な能力は重力を自由に操ることではない。
その本質は”月の重力を基準に操作する能力”である。
月は地球のおおよそ1/6の重力、ニダーはそれを地球上で再現することが出来る。
逆に月の重力を基準に置いて重力を6倍にまで操作することも出来る。
そしてニダーが重力の影響を与えたいと思った対象物に触れることで、
触れている物に対しても重力の影響を与える事が出来る。
ニダーが高く舞い、そして素早く落下できるのはこれが理由である。

(;'A`)「がはっ…!い、痛ぇ…」

ドクオは打ち抜かれた腹を抱き抱えながら悶え苦しんでいる。

( ω )「…」

<ヽ`∀´>「さぁ、お次は?」

ニタニタと笑うニダーの目がブーンを捉えた。

(;'A`)「に、逃げろ…ブーン…」

( ω )「…次は…次は…」

<ヽ`∀´>「?」

(# ゚ω゚)「次はお前だおーッ!!」

<;ヽ`∀´>「!」

(# ゚ω゚)`0ω0´)「ふおおおおおおおおおおおおお!!」

ブーンが一目散にニダーの元へと駆け、ブーンから更に速いスピードでビートルズが飛び出した。

<;ヽ`∀´>「(このスタンド速いニダ!)」

そうニダーが思った瞬間にニダーの顔面にビートルズの拳が突き刺さった。

#) ∀ >「ニダァ!?」

(# ゚ω゚)`0ω0´)「そのまま殴り抜けろビートルズゥゥゥー!!」

<#)゚∀´>「ふっざっけるなニダァァー!!」

殴られ歪んだ自分の頬肉の間から鋭い眼光を覗かせたニダーが
咄嗟に伸ばした右腕でブーンの頭を強引に鷲掴みにした。

ズシンッ!

( ;゚ω゚)`0ω0´)「おぉ!?」

その瞬間ブーンの体が沈み、思わずブーンは片膝をついてしまう。

<#ヽ`∀´>「クソがぁ!」

ドゴッ!

(  ω )「がはぁ!」

片膝をついたブーンの顎はニダーの拳によって突き上げられ、空を指した。

<#ヽ`∀´>「ペッ…舐めやが…」

ドゴンッ!

#) ∀ >「がっ!?」

(`0ω0´)

ニダーの顔面に再びビートルズの拳が突き刺さり、ブーンの頭からニダーの手が離れた。
手が離れたのを口火にビートルズの猛烈なラッシュが一斉に突き刺さる。

ドコン!ドガッ!ドンッ!バキン!

<#) #(# >「ぐぼあ!!」

反撃する間も、ましてや瞬きする間も与えずに幾度となくビートルズの拳がニダーを打ち抜いていく。

(  ω )「…ビートルズ、行けだお…行くんだお…行け…だお…だお…だお…!」

(;'A`)「ブーン…すげぇ…」

( ゚ω゚)`0ω0´)「行けだおお!だおだおだおだおだおだおだおだおだおだおォッ!!!」

ブーンの声に呼応するようにビートルズのラッシュが更にスピードが増しながらニダーの体を打ち抜き、
ニダーは真っ赤な鮮血を拭きだしながら弧を描き吹き飛んだ。

<#) #(# >「どぐへえええええええ!」

<#)A´#>「はぁ…あがっ…げはぁ!馬鹿なぁ…!(つ、強すぎるニダ…)」

( ;゚ω゚)「ま、まだ意識があるお!?」

(;'A`)「ブーン!俺に任せろおおおお!」

( ;^ω^)「ド、ドクオ…!」

地面に伏しているブーンの横を先程まで倒れ込んでいたドクオが颯爽と横切った。

(#'A`)-Ψ-)「ニルヴァーナァァァー!」

<;#)A´#>「く、くそ…!体が…!動かん、ニダァ…!」

同じく地に伏せるニダーは何とかその場を乗り切ろうと必死に体を動かそうとするが
体は全くニダーの意思には答えてはくれなかった。

(#'A`)-Ψ-)「無駄だ無駄だァ!お前が何を企んでるか知らねぇが!」

<;#)A´#>「ひぃぃぃぃ!!」

(#'A`)-Ψ-)「無駄無駄無駄ァ!!」

ドゴォォーン!

<#) #(# >「にぎゃああああああ!」

ニルヴァーナの一撃はビートルズのラッシュには劣るものの、ニダーにトドメを刺すには十分な一撃だった。

(#'A`)-Ψ-)「うおおおお!最高にハイってやつだぜえええ!」

重力のコントロールが出来なくなったのか、ニダーはニルヴァーナの一撃により、高く舞い上がった。

(;'A`)「ん!?」


<#) #(# >

<#) #(:;.:...

<#:;...:::;.. ....

:::;.. ....

...


(;'A`)( ;゚ω゚)「き、消えたぁ!?」

宙を舞っていたはずのニダーが忽然と姿を消した。
逃げたわけでも何かに連れ去られたわけでも無い、”消えた”のだ。

( ;^ω^)「あいつの能力かお…!?」

(;'A`)「いや…あいつの能力は重力操作だと自分でも言っていた…てことは…」

ドクオはブーンの顔を見つめた。

( ;^ω^)「ん?どうしたお?」

(;'A`)-Ψ-)「ちょっとすまん!」

バシッ!

( ;゚ω゚)「痛ぁ!」


( ;゚ω゚)

( ;゚ω:;.:...

( ;...:::;.. ....

::;.. ....


(;'A`)「やっぱり…」

    「ぎゃあああああ!ブーンが消えてるおおおおおおお!!」

(;'A`)-Ψ-)「あぁ…これが俺の…ニルヴァーナの能力か…」

    「ドクオォォ!戻すおおおおお!」

(;'A`)「いやぁ…ごめん、俺の能力のせいだわ…」

    「いいから戻せおおお!透明人間嫌あああああ!インビジブルゥゥゥ!」

(;'A`)「!…ブーン!あいつも透明になってんだ!注意しろ!!」

    「!」

(;'A`)「…」

ドクオとブーンは辺りを見渡した。
勿論透明のニダーを視認することはできないが、気配を感じようと五感をフルに働かせた。

    「(はぁ…はぁ…透明にする能力だと…!
     しかし、これはウリに生きろという…神からのお告げニダ…
     今のうちに…逃げる、ニダ…)」

(;'A`)「くっ…どこだ…」


::;.. ....

( ;...:::;.. ....

( ;^ω:;.:...

( ;^ω^)


( ;゚ω゚)「はっ!戻ったお!!」

(;'A`)「てことは奴も…!」

ブーンとドクオは背中合わせになってニダーの攻撃に備えた。
しかし、どこからもニダーが現れることはなかった。

( ;^ω^)「…」

(;'A`)「…」

( ;^ω^)「…」

(;'∀`)「ごめん…逃げられちゃったwww」

( ^ω^)「ドクオ…」

('∀`)「テヘヘ☆」

( #゚ω゚)「ふっざけんなおおおおおお!!」

(#'A`)「しゃーねーだろうがよおおおお!」

登校中の通学路、わずか数分間での出来事であったが
ブーンとドクオは結果はどうあれ、一つの死闘を乗り越えた。
そして普段は滅多に人の通る事の無いその通学路、
一つの人影がブーンとドクオ、二人を捉えていた。


ξ゚听)ξ「…」


第二話「スタンドは謎だ!」終わり。





(`0ω0´) ザ・ビートルズ (The Beatles)
スタンド:?

 イギリス・リヴァプール出身のロックバンド。歴史上、全世界で最も広く知られ、最も成功したロックバンドと言われている。
 代表曲「Yesterday」など


(-Ψ-)ニルヴァーナ(Nirvana)
スタンド:触れたものを透明にする能力

 グランジロックの代表。アメリカのジェネレーションXから絶大な支持を集めた。ヴォーカルが若くして自殺したことでも有名。
 代表曲「Smells Like Teen Spirit」など


( ゚月゚)マン・オン・ザ・ムーン(Man on the Moon)
スタンド:月の重力を基準に操作する能力

 若くして癌で亡くなった実在のコメディアン、アンディ・カウフマンの事を歌ったR.E.M.の名曲。


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