(´<_` )「アニジャの肉を纏い、それを自在に変化させる能力」

( ´_ゝ`)「オトジャはオトジャだが……スタンド、か……それも面白いな」

(;'A`)「肉を纏っているスタンドだからスタンド使いじゃない人間にも見えて、スタンドにも触れられる……」

( ´_ゝ`)「オトジャ、スタンドとしての名前を決めてみないか」

(´<_` )「そういうの本当に好きだなアニジャ」

(;'A`)「そんなの反則だ……」

( ´_ゝ`)「反則?反則か……気に入った」

(´<_` )「酷い事を言うなぁドクオ」

( ´_ゝ`)「だが反則では無い、反則ギリギリのスタンドだ……レッドカードでは無い」

( ´_ゝ`)「なぁ、”イエローカード”」

(´<_` )「反則ギリギリのイエローカードか、いいセンスだなアニジャ」

( ´_ゝ`)「だろ」

(;'A`)-Ψ-)「……」

ドクオを無視して悠長に会話する兄弟。
ドクオの事を忘れているわけでも話に夢中になっているわけでもない。
既に勝利を確信しているのだ。

( ´_ゝ`)「さて……」

(;'A`)ビクッ!

( ´_ゝ`)「名前も決まったところだし、青年……」

( ´_ゝ`)´<_` )「続きをしようか」

(;'A`)-Ψ-)「う、うおおおおお!」

二人に向けてドクオはニルヴァーナでラッシュを仕掛ける。

(´<_` )「ドクオ、俺達には勝てないッ!!」

(´<_` )「ドラララララララァ!!」

オトジャがニルヴァーナから飛び出したラッシュを全てラッシュで受け止める。
ニルヴァーナの拳は全て弾かれた。

(;'A`)-Ψ-)「なっ!」

( ´_ゝ`)「俺を忘れてないかー青年?」

いつの間にアニジャが距離を詰めドクオの目の前に立っている。
ニルヴァーナはオトジャとの戦闘でドクオの近くには居ない、無防備。

( ´_ゝ`)「ドラァ!!」

( A )「がはぁ!!」

どてっ腹に鋭い一撃が突き刺さる。
ドクオは思わず地面に倒れ込んだ。

( ´_ゝ`)「オトジャと青年のスタンドのパワーは互角ってところか……」

(´<_` )「ふむ、そのようだ」

( ´_ゝ`)「だが俺と青年の差は一目瞭然のようだな」

(´<_` )「だな」

( ´_ゝ`)「流石だな俺達」

(´<_` )「だなアニジャ」

(;'A`)「ハァ…ハァ…(ブーン、いやツンにも連絡を……)」

( ´_ゝ`)「立て青年、そして大志を抱け」

(´<_`; )「え?」

( ´_ゝ`)「言ってみたかったんだ、スルーしてくれ」

(´<_` )「OK」

兄弟がまた話し出したのを聞きながらドクオはその間、うずくまりながら頭を回転させた。

(;'A`)「(ダメだ……悠長に連絡なんて取ってる暇はねぇ……俺一人で乗り切るしか無ぇんだ……)」

(;'A`)-Ψ-)「(これを、ニルヴァーナ……)」

そしてドクオはゆっくりと立ち上がった。
それを見て兄弟も会話をやめドクオに意識を集中させた。

( ´_ゝ`)「青年、次はもっと痛いぞ」

(;'A`)「あ!」

( ´_ゝ`)「!」

ドクオはアニジャのはるか後ろにまで続く廊下の先を指差し声を上げた。

カラァン……

すると廊下の奥で何かが落ちる音がした。

(;'A`)「馬鹿!隠れてろ!!」

( ´_ゝ`)「仲間か!オトジャ!」

(´<_` )「わかってる」

オトジャが音のした所へと駆けていく。

ピロリロ…ピロリロ…

(´<_` )「!」

音がしたところから聞こえる電子音、携帯電話の着信メロディ。

( ´_ゝ`)「気をつけろオトジャ!」

(´<_` )「わかっている!」

オトジャは音に完全に気を取られ、アニジャはオトジャに気を取られていた。

(;'A`)-Ψ-)「今だ!ニルヴァーナァァ!!」

( ;´_ゝ`)「しまっ……!」

ニルヴァーナのラッシュが油断していたアニジャに数発ヒットする。
不意をつかれたアニジャは後方に吹き飛んだ。

(´<_`; )「アニジャ!!」

バキッ!

アニジャのピンチに駆け付けようと踵を返したオトジャはその時何かを踏みつけた。

ピロリロ…ピロ…

何かが壊れる音と共に鳴り止む電子音。

(´<_` )「な、なんだ……?」

アニジャは辺りを見渡すがドクオの仲間はおろか、踏んだ物すら見当たらない。

(;'A`)「(今のうちに逃げる!)」

ドクオは更に上の階、3階を目指した。
1階では無く3階へ。
逃亡では無く、勝利のための前進。

( ;´_ゝ`)「ぐぅ……クッソ……」

(´<_` )「アニジャ!大丈夫か?」

( ´_ゝ`)「あぁ……油断した……」

三階に到着したドクオ。
三階も四階も二階同様に個室が並ぶオフィスになっている。

(;'A`)「クソ……俺の携帯電話……機種変したばっかりだったのに……」

ドクオはアニジャの攻撃を受け、ただうずくまっているだけではなかった。
うずくまりながら携帯電話でブーンにワンコールして電話を切っていたのだ。
そして携帯を透明にし手の中に忍ばせ、驚く演技で廊下の奥を指すと共に携帯を投げる。
ブーンは良いタイミングでかけ直して来てくれた。
これでドクオは自身の異変をブーンに知らせると共に、ブーンの安否を確認し
なお且つあの危機的状況を脱することが出来た。

(;'A`)「面と向かって勝つのは無理だ……考えろ俺……」

ドクオはひとまず近くの部屋に入った。
廊下では階段から上がって来た二人に丸見えですぐに追撃されてしまう。その事を恐れた。

(;'A`)「よし、これだけ壁に穴が空いてりゃ通れる……」

ここも二階同様に壁には大小穴が空いていて
スマートなドクオがなんとか通り抜けられるサイズの穴も見受けられた。

カツンカツン……

(;'A`)「!」

階段をゆっくり登ってくる二人組の足音。

( ´_ゝ`)「オトジャ、右を頼む」

(´<_` )「あぁ、アニジャは左の部屋を頼む」

二人で分担して一つ一つ部屋をしらみ潰しに探していく算段のようだ。

(;'A`)「(好都合だ……)」

ドクオは音を立てないように静かに穴を使って奥へ奥へと部屋を移動していった。

ドクオの数個後ろの部屋の扉の開く音が聞こえる。
そして聞き覚えのある声。

( ^ω^)「ドクオー、どこにいるんだおー?」

(;'A`)「(ブーンの声!?もう駆け付けてきてくれたのか?)」

しかしドクオは大きく首を横に振りながら考え直した。

(;'A`)「(あの二人がいるってのにあんな悠長なわけがねぇ……あれはオトジャだ……)」

( ^ω^)「ドクオ!騙されちゃダメだお!さっきのは偽物だお!」

(;'A`)「!?」

( ^ω^)「今のブーンは本物だお!」

(;'A`)「(本物?本当にブーンか?)」

( ^ω^)「ドクオ!あの二人は今二階に下りてったお!今のうちにあの二人を倒すお!」

(;'A`)「(なんで下りる理由があるんだよ……下手くそな嘘つきやがって……)」

( ^ω^)「ほんとなんだお!信じてくれお!」

(;'A`)「(偽物だ!でも……もし本当なら……今が最大のチャンス……)」

( ^ω^)「ドクオー!」

('A`)「……ブーン!」

いくつも穴が空いている部屋はお互いの位置はわからくても部屋の隅々までよく声が通った。

( ^ω^)「ドクオ!?今どこだお!」

('A`)「メール見て来てくれたのか!」

( ^ω^)「だから駆け付けてきたんだお!!」

(;'A`)「!」

(;'A`)「(くっそぉぉぉ……!オトジャめ……!!)」

無論ドクオはメールなど出していない。
ブーンは偽物、オトジャだ。

( ^ω^)「……ドクオ?」

ブーンの問いかけにドクオが答える事は無かった。

(´<_ω^)「ちっ……カマをかけられたか……」グチャグチャ…

(´<_` )「しかしこれでドクオはブーンを呼んでいないことがわかった……」

( ´_ゝ`)「……」

一つずつ部屋を見て回る兄弟。
次第にそれはドクオのいる部屋へと迫っていた。
そしてドクオのいる部屋の隣の扉が開かれた。

ドクオは自分自身を消すことは出来ない。
なので万が一にも壁の穴から自分が見えないよう細心の注意を払い
息を殺しながら壁にへばりつくようにして隠れた。

心臓の鼓動で周りの音が聞こえない。
そう錯覚するほど心臓が緊張で高鳴っている。

(´<_` )「……」

オトジャがドクオのいる部屋の隣を見渡していた。
勿論そこには誰もいない。
そしてオトジャはその部屋を後にし扉を閉めた。

(;'A`)「(今だ……戻る!)」

ドクオはオトジャが隣りの部屋から今いる部屋に向かうところで
再び穴から今来た道を引き返し隣りの部屋へと移動し始めた。
これで二人はドクオを完全に見失う。

(;'A`)「……」

そして隣りの部屋に移動したドクオは先程いた部屋の様子を壁越しで伺った。

バタァァンッ!

(;'A`)ビクゥッ!

その時”ドクオのいる部屋”の扉が物凄い勢いで開かれた。

(´<_` )「わかってるよ、そんな浅知恵……」

(;'A`)「くっ!」

(´<_` )「いたぞアニジャ!」

( ´_ゝ`)「わかった!」

遠くでアニジャの声がした。
もうすぐここへ向かってくる、もう躊躇している時間は無い。

(;'A`)-Ψ-)「ニルヴァーナ!」

(´<_` )「俺とソイツのパワーは互角だって言っただろうッ!」

再びお互いの拳がぶつかり合う。
しかし今度は違った。


(;'A`)-Ψ-)「透明になれ……!」


(´<_`:;.:... 「なっ……」

接触した拳から腕、体、そして顔と透明になっていくオトジャ。

( ´_ゝ`)「青年!これで終わりだな!」

駆け付けてきたアニジャが見たのはオトジャのいないドクオだけがいる部屋。

( ;´_ゝ`)「オトジャ!?オトジャどこだ!」

「俺はここだアニジャ!」

( ;´_ゝ`)「ど、どこだ!?」

     「奴のスタンドは相手を透明にする能力だ!」

(;'A`)-Ψ-)「遅ぇんだよ!ニルヴァーナ!壁をぶち抜けッ!」

     「逃がすかぁ!ドララララァ!」

(;'A`)-Ψ-)「ぐおぉぉ!無駄無駄無駄ァ!!」

背後から見えないオトジャからの追撃を浴びながらドクオはニルヴァーナのラッシュで壁をぶち抜いた。
ニルヴァーナのパワーはさほど強力ではないが、ヒビ割れ老朽化していたのが幸いし、ニルヴァーナの
ラッシュでも充分に壁をぶち抜き退路を確保する事が出来た。

ドクオは背後からの追撃を浴びながらもぶち抜いた穴から一目散に部屋を脱出し
振り返る事無く階段へと向かった。

( ´_ゝ`)「待てぇッ!」

ドクオを追いかけようとアニジャが息まいたその時。

     「待てアニジャ!」

( ´_ゝ`)「どうした?」

( ´_ゝ`)「お!」

(´;...:::;.. .「少しずつ見えるようになってきた、万全を期そう」

( ´_ゝ`)「……そうだな」

(´<_;.... 「頭の良い男だ……舐めてかかると足元を掬われる……」

( ´_ゝ`)「あぁ、分かれるのはダメだな、二人がかりで確実に行こう」

(´<_` )「だな」



(;'A`)「ハァ…ハァ…ぐっ……!」

なんとか逃げることは出来たが追撃で受けたダメージは余りに大きかった。
少し体が揺れるだけで骨が軋む。
そしてドクオはなんとか力を振り絞り四階に辿り着いた。
もう後は下る事しかできない。
事実上、退路は断たれてしまった。

(;'A`)「考えろ考えろ考えろ考えろ……!」

ドクオはこれまでの事を思い返した。
自分自身の限界、環境、全てを考え直す。
全てを駆使しなければあの兄弟は倒せない。

(;'A`)「(なんで逃げなかったんだ俺……!)」

突如として襲ってくる焦燥感からの後悔。

(;'A`)「(なんで下りずに登っちまったんだ俺は……)」

だが違う。

(;'A`)「(……俺が階段を下りる時はアイツらをぶっ倒した時だけだッ!)」

ドクオはそれを乗り切る精神力を持っている。

カツーン…カツーン…

再びドクオの耳に聞こえてくる二人の靴音。
その靴音は絶望へのカウントダウンにも聞こえた。

(;'A`)「……!」

( ´_ゝ`)´<_` )「警戒しながら一つずつ部屋を探すぞ……」

兄弟が一番手前にあった部屋の扉を開く。
その部屋は他の部屋に比べ、幾分か広く感じた。
そして部屋の真ん中にドクオが立っていた。

( ´_ゝ`)「青年、かくれんぼは終わりか?」

(;'A`)「ハァ…ハァ…終わりだ……」

(´<_` )「立っているのもやっとってところだな」

( ´_ゝ`)「確実に仕留めるぞオトジャ」

(´<_` )「だな」

(;'A`)-Ψ-)「ぐぅ……正真正銘、最後だ……」

( ´_ゝ`)「?」

(;'A`)「俺はもう逃げも隠れもしねぇ……」

(´<_` )「逃げも隠れも出来ないの間違いだろう?」

( ´_ゝ`)「そう言ってやるな、青年は最後に男を見せようとしているんだ」

(´<_` )「それで勝てれば苦労はしない」

( ´_ゝ`)「まぁその通りだが」

(;'A`)-Ψ-)「フゥ…フゥ…」

ドクオはニルヴァーナで前方をガードしたが、それはどこか頼りなく見えた。
息をするのも苦しそうなドクオの足腰は極度の疲労から小刻みに痙攣している。
限界。それは誰が見ても明らかだった。

( ´_ゝ`)「行くぞオトジャ」

(´<_` )「だな」

( ´_ゝ`)「油断も手加減もしないぞ!うおおおおおおおッ!!」

兄弟が同時にドクオに向かってくる。
ドクオと兄弟の距離は一瞬で縮まり、兄弟の拳がドクオへと放たれる。

(;'A`)-Ψ-)「くっ……!!」

ドゴォォンッ!

(# _ゝ )「ぐはっ!?」

( <_ #)「うごっ!!」

殴る事はおろか、二人はドクオに接触も出来ずに何かと激突した。

(;'A`)-Ψ-)「ハァ…ハァ…”俺は”逃げも隠れもしねぇ……気付かなかったのか?」

(;'A`)「この部屋に扉が”二つ”あることに」

( <_  )「まさか……この部屋、は……」

見えない何かに激突し、ズルズルと地面に滑り落ちながらオトジャは呟いた。

(;'A`)「そうだ……ニルヴァーナで部屋と部屋を隔てている壁を透明にした……!」

(;'A`)「この部屋は一つじゃない……部屋は二つあった!!」

兄弟とドクオは隣りの部屋同士、壁を挟み会話していたのだ。
壁には無数の穴が空き、声がよく通るため気付けない。

(#´_ゝ`)「ぐぉぉぉ……!!」

アニジャが見えない壁に手を付きながら咆哮する。
不意の一撃というものは想像以上のダメージを生み出す。
アニジャはそれを乗り越えるため、自分を奮い立たせているのだ。

(´<_`#)「ぐぅぅぅ!!」

オトジャもそれに応えるように咆哮し、立ち上がる。

('A`)-Ψ-)「無駄だ!無駄無駄ァ!!」

(´<_`#)「俺とお前のスタンドの力は互角……!忘れたかぁ!!」

('A`)-Ψ-)「ニルヴァーナァァァァ!!無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄ァ!!」

(´<_`#)「うおおおお!!全て打ち落とすッ!!」

(#´_ゝ`)「うおおおおおおお!!」

オトジャもアニジャもドクオと同様に最後の力を振り絞り拳を繰り出す。
しかしダメージを負ったばかりの二人の拳よりもドクオの一撃がスピードで勝った。

ビシッビシビシッ……!!

(´<_`; )「!!」

ニルヴァーナのラッシュによって見えない壁がけたたましい音と共に崩壊する。

ドゴォォォォォンッ!!

砕け散った見えない壁は”見えない弾丸”となって兄弟へと撃ち込まれる。

( ;´_ゝ`)「うおおおおおお!!」

(´<_`; )「ドララララララァッ!!」

オトジャは必死にニルヴァーナのラッシュを打ち落とした。
しかし”見えない弾丸”を防ぐ術を兄弟は持ち得ていない。
弾丸は兄弟に容赦なく突き刺さった。

('A`)-Ψ-)「無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄ァ!!」

(## _ゝ ) <_ #)「ぐっ、ぐぎゃあああああああああ!!」

部屋のど真ん中から兄弟は一気に壁際まで吹き飛び、床に崩れ落ちた。

(;'A`)-Ψ-)「ハァ…ハァ…」

ドクオも最後の力を振り絞り、地面に力無く座りこむ。

(##´_ゝ`)「ぐ……ぐぅ……」

地面に崩れ落ちたアニジャが痛々しく体を震わせながらドクオのほうを睨みつけた。

(;'A`)「まだ、動けんのか……」

ドドクオも一応は出来る限りの臨戦態勢を取ったがもはや一歩も動く力は残っていなかった。

(´<_`##)「う……ぐぅ……」

地面に伏していたオトジャがアニジャのほうに手を差し出しながらなんとか動こうと力を振り絞っていた。

(;#´_ゝ`)「(クソ……もう、一発のパンチを打つ余力も残っていない……)」

(´<_`##)「アニ、ジャ……」

ドクオには聞こえない程度の蚊の鳴くような声でオトジャはアニジャを呼んだ。
しかしそれはアニジャの耳には十分なほどに響いた。

(##´_ゝ`)「…?」

(´<_`##)「そこの窓から……逃げ、よう……」

オトジャの視線の先にはガラスの貼られていない窓というよりは穴のようなものがあった。
かろうじてそれを窓と認識できたのは真四角にかたどられていたからだろう。

(##´_ゝ`)「馬鹿野郎……ここは四階だぞ……」

(´<_`##)「わかってる……でもその窓の下の地面には除去された雑草が積まれているはずだ……
      アニジャなら……大丈夫、いけるさ……」

(;'A`)「ハァ…ハァ…」

(##´_ゝ`)「オトジャ、お前は?」

(´<_`##)「俺は、もうすぐ消えそうだ……大丈夫、アニジャの精神が回復すれば……俺は戻れる……」

(##´_ゝ`)「オトジャ……俺のせいだ、すまん……」

(´<_`##)「今逃げれば次がある……次こそアイツを倒そう……その前に肉を返すよ……」

(##´_ゝ`)「……あぁ!絶対だ!」

オトジャの手がアニジャに触れるとオトジャの姿が薄くなった。
肉を受け取ったアニジャが叫び力強く立ち上がるのを見てオトジャは微笑み、そして消えた。

(;'A`)「!」

(##´_ゝ`)「青年、俺はもう戦う力は無い……今回はお前の勝ちだ……」

('A`)「……」

(##´_ゝ`)「だが次は俺達、流石兄弟が勝つ」

('A`)「やめろ、無駄だ……」

(##´_ゝ`)「じゃあな!!」

アニジャはそう言って勢いよく窓に向かって飛び込んだ。

('A`)「無駄なんだよ無駄無駄……」

バコォンッ!!

(##_ゝ(#)「ふべっ!?」

('A`)「そんなところに窓は無ぇよ」

言葉無くズルズルと崩れ落ちるアニジャに向かってドクオは続けた。

('A`)「前もってニルヴァーナでそこの壁を”部分的に”透明にして窓を作った」

('A`)「人ってのは成長する生き物だ、過去にすがるアンタに俺は負けたりしない」

('A`)「それに……」



('A`)「イエローカードに二度目は無ぇんだよ」




意識の無いアニジャの元へドクオが足を引きづりなら歩み寄る。

('A`)「オトジャ、頭の良いお前なら気付くと思ってたよ……窓の下に雑草が積み上げられてる事」

('A`)「最後の策だけはお前をオトジャって信じてやったんだぜ……」



('A`)「おかえり、オトジャ……」



そういってドクオは仰向けに倒れた。

(;'A`)「ぐはぁ……もう動けねぇ……ブーンまだかよ……おっせぇな……」

丁度その時外から声が聞こえた。

( ; ゚ω゚)「ドクオォォォォォーーー!!」

そう叫び続けながら一目散に工場内へ入っていくブーン。

(;'A`)「またオトジャじゃねぇだろうな……」

ブーンは叫びながら徐々に階を上がっていく。
そして四階のドクオのいる部屋の扉が勢いよく開かれた。

( ; ゚ω゚)「ドクオオオオオオオッ!!」

('A`)「よう」

仰向けに寝ながら片手を上げるドクオ。
そしてそのすぐそばで気絶しているアニジャ。

( ; ゚ω゚)「ふ、二人で喧嘩でもしたのかお?」

(;'A`)「あぁ〜…お前本物だな」

( ; ゚ω゚)「え?」

('A`)「フゥ……何でも無ぇ」

ドクオは事の顛末をブーンに話した。

( ; ゚ω゚)「じゃあオトジャは……アニジャ先輩の、スタンド……?」

('A`)「あぁ、そういう事だな……」

( ´_ゝ`)「違、う……」

(;'A`)( ;^ω^)「!」

(;'A`)「どんだけタフなんだアンタ……」

頬を地面につけながらアニジャは二人を見ていた。

( ´_ゝ`)「オトジャはスタンドじゃない……オトジャなんだ……」

('A`)「死んだ人間は生き返らないんだよ……」

( ´_ゝ`)「違う!生き返る!!」

( ^ω^)「ブーンだってオトジャに生き返って欲しいおッ!!」

( ´_ゝ`)「……!」

( ;ω;)「でも……でも……」

('A`)「……アンタはなんで俺達を狙う?
    アンタもスタンドがいるってだけで戦ってておかしいと思わないのか?」

( ´_ゝ`)「何を言ってる……尾行までして先に狙ったのはお前らだろう……」

( ;^ω^)「え、いやそれは……」

(;'A`)「……じゃあなんでオトジャを逃がしたんだよ」

( ´_ゝ`)「見つかって変な噂を流されると困るからだ。
      死んだ人間がうろついているなんて言えば、馬鹿な奴らがオトジャを
      見世物のように扱うだろう、そんなこと俺が許すと思うか?」

(;'A`)「俺達がそんなことするわけねーだろ!オトジャは親友だ!」

( ´_ゝ`)「……そうなのかもしれない。
      だが今は俺だけがアイツを守ってやれるんだ。
      誰が敵でも俺だけはオトジャの味方なんだよ」

兄弟愛という言葉を口にするのは余りに容易く、もろい。
しかしアニジャの言葉には重みと意志が感じられた。
死別した兄弟と再会するという奇跡、アニジャはそれをもう二度と逃したくはないのだ。

(´<_` )「……アニジャ」

( ´_ゝ`)「オトジャ!!」

アニジャに寄り添うようにしてオトジャが現れた。
姿形はボロボロで何とか精神を振り絞り現れたといった状態だった。

( ´_ゝ`)「良かった……戻ってきてくれたか……」

(´<_` )「アニジャ……」

( ´_ゝ`)「なんだ?」




(´<_` )「俺は、スタンドだよ……」



( ´_ゝ`)「何言ってる……お前はオトジャだ!そうだろう!!」

(´<_` )「アニジャの肉を借りてオトジャの形をしているだけなんだ……」

( ´_ゝ`)「馬鹿言え……お前は昔の俺達の事だって覚えてたじゃないか!!」

(´<_` )「それは、アニジャの精神の具現化だからだ……」

( ´_ゝ`)「嘘だ嘘だ、そんなわけない……お前はオトジャだ」

(´<_` )「すまない、アニジャ……」

(  _ゝ )「……」

( #´_ゝ`)「うるせええええええええ!!」

(´<_`; )「!」

(;'A`)( ;^ω^)「!」

( #´_ゝ`)「お前は俺の弟だ!誰が何と言おうとお前が違うと言おうと!
      お前は俺のたった一人の弟なんだよ!!」

(´<_` )「……」

( #´_ゝ`)「フゥ…フゥ…」

(´<_`; )「……」

( #´_ゝ`)「……わかった、もういい……」

(´<_`; )「ごめんアニジャ……」

( ´_ゝ`)「どうしても弟じゃないって言い張るなら……」



( ´_ゝ`)「今日から俺の弟になれオトジャ」



(´<_` )「!……アニジャ……」

( ´_ゝ`)「今日から俺とお前は兄弟だ!どうだ!名案だろう!!」

( <_  )「……」

(´<_` )「……あぁ、名案だな」

( ´_ゝ`)「あぁ!流石だろ?」

( <_  )「だな、アニジャ……」

そういって寄り添う二人は誰が見ても兄弟そのものだった。

( ;ω;)「うぅ……」

('A`)「……つまりアンタ達は敵じゃないんだな?」

( ´_ゝ`)「あぁ、敵ってのがよくわからんがお前達を狙う意味はもう無い」

( ^ω^)「じゃあ仲間だお!ブーンもドクオもオトジャもアニジャ先輩も!」

( ´_ゝ`)「喧嘩して仲間か……最高に青春だな!」

( ^ω^)「青春ですお!!」

('A`)「ほんと単細胞な二人だ、そう思わないかオトジャ?」

(´<_` )「あぁ、全くだなw」

('A`)「オトジャ……俺達は仲間、信じていいんだな?」

( ^ω^)「……」




(´<_` )「あぁ、俺を信じろ」



( ; ゚ω゚)('A`)「!」

( ; ゚ω゚)「今……オトジャ……」

('A`)「あぁ、あれはオトジャだよ誰が何と言おうと……」

廃工場の窓から外を見渡すと外はすっかり赤く染まり、工場内も徐々に闇が落ちていた。

( ´_ゝ`)「痛てて……じゃあそろそろ帰るか……オトジャ、家帰るぞ?」

(´<_` )「え?いいのか?」

( ´_ゝ`)「何言ってんだ、兄弟なんだから帰る家は一緒だろう」

(´<_` )「でも……」

( ´_ゝ`)「母者びっくりして死んじまうかもしれないなw」

(´<_` )「死なれては困る」

( ´_ゝ`)「あぁ、その通りだ。じゃあブーンにドクオ、また明日学校でな」

( ^ω^)「はいだお!」

('A`)「ういっす」

('A`)「……よし、俺らも帰るか」

アニジャとオトジャが帰るのを見送りながらドクオが言った。

( ^ω^)「うん!」

その日、一つの家庭に普段より一人分多く食事が並んだ。


第六話「ブラザー・オブ・ラブ」終わり。




(´<_` )イエローカード(Yellowcard)
能力:本体(アニジャ)の肉を分け与えてもらい、
    その肉を使って自由自在に姿形を変える能力。
    本体の肉を使用するためスタンド使い以外にも
    視認する事が出来る。

    一応アニジャはイエローカードと名付けはしたがオトジャと呼ぶことにしているようだ。
    オトジャ自体がスタンドなのかオトジャの魂が宿っているのかは誰にもわからない。


 アメリカ出身のロックバンド。
 メンバーの中にヴァイオリニストがいるという事でも有名。
 代表曲「Ocean Avenue」など



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