*魔王城


( <●><●>)φ,,カリカリカリ

|><) ソロッ

(*‘ω‘ *)「ぽっぽ!」

( <●><●>)「ん?」

(;><)「ち、ちんぽっぽちゃん!」

( <●><●>)「なんだ、もう起きたんですか。おはようございます」

( ><)「おはようございます!」

(*‘ω‘ *)「おはぽ?」

( <●><●>)「よく眠れましたか?」

(*><)「あんな大きくってフカフカしたベッド、はじめてだったんです!」

(*‘ω‘ *)「おふろと、ぱじゃま、かしてくれたっぽ」

( <●><●>)「よかった」


( ><)「あの、それで……僕たちの昨日来ていたふく、ないんです」

( <●><●>)「昨日来ていた服はあちこち擦り切れていましたから。
        今日は貞子と服を作りに行っていらっしゃい」

(;><)「え?」

( <●><●>)「心配しなくても、朝ご飯のあとに私が取り次ぎます」

(*‘ω‘ *)「ぽ? おさがりもらいに行くぽ」

( <●><●>)「お下がりではない新しいお洋服ですよ。
        私の方針としてはあまり贅沢させてはあげられませんが」

( ><)「僕たち、そんなにお金かけてくれなくてもだいじょうぶなんです!
      昨日のふく、まだきられるんです!」

(*‘ω‘ *)「ぽ……もうきついっぽ」

(;><)「ちんぽっぽちゃんシーッ!」

( <●><●>)「遠慮しなくてもよろしい。まあ私の服を見れば分かると思いますが
        買ってあげる服は平民用もいいところですよ」

(;><)「あう」

( ><)(たしかに、昨日はカッコイイふくだったけど、今日はシャツがしわしわなんです)

( <●><●>)「それではこの書類が片付いたら朝ご飯を食べましょうね」

(*‘ω‘ *)「あさもごはんたべられるぽ!?」

( <●><●>)「不憫な子ですね。さあできました。行きましょう」

(*ノ‘ω‘ *)ノ「ぽっぽ!」

( ><)「僕も!」

( <●><●>)「沢山食べなさい。あなた達は痩せすぎです」


*食堂


川д川「卵はどういたしましょう?」

( <●><●>)「オムレツでお願いします」

川д川「半熟に、ですね」

( <●><●>)「あなた達は?」

( ><)「たまごはごちそうだから、ゆでて4つに切って、1人1切れなんです」

(*‘ω‘ *)「おむれって何だぽ?」

:;( <○><○>);:「オムレツ! 今日はオムレツを食べなさい!
         明日は目玉焼きも食べてみましょうね!」

川;д;川「ううっ、チーズも入れてあげます……!」

( ・∀  ∀・)「「僕は堅めの目玉焼きちゃん!」」

【+  】ゞ゚)「スクランブルで」


(*><)「うわああ! おいしいんです! ふわふわしてるんです!」

(*‘ω‘ *)「パン、あったかいぽ!」

( <●><●>)「野菜も食べなさい」

( ><)「このおにく、なんですか?」

( <●><●>)「ベヒモスのベーコンです」

( ><)「?」

( <●><●>)「……大きくなったら詳しく教えてあげますよ」

( ><)「はいなんです!」

( <●><●>)「貞子、今日は手が空いていますか?」

川д川「西塔の掃除がありますが、後にしろとおっしゃるならそういたします」

( <●><●>)「この子たちの服を買いに城下へ連れて行ってあげてくれませんか?」

川д川「かしこまりました魔王さま」


( <●><●>)「ごちそうさま。私は仕事ですから、貞子の言うことを良く聞くんですよ」

( ><)「はいなんです……」

( <●><●>)「そう怖がらなくていいんです。そうだ、このペンダントをかけて行きなさい」

( ><)「? きらきらしてるんです!」

( <●><●>)「魔王の紋章です。
        もしはぐれたり、困ったことがあったら、これを道行く人に見せて助けてもらいなさい」

(*‘ω‘ *)「ぽぽも! ぽぽも!」

(;><)「ちんぽっぽちゃんなくすからダメです!」
 _,
(*‘ω‘ *)「ぽっぽー!」チェッ

( <●><●>)「行き道だけ昨日の服を着て、帰りは買った服で帰ってきなさい。
        戻ったら執務室に見せに来てくださいね」

( ><)「はいなんです、魔王さん」

(*‘ω‘ *)「いってくるぽ!」


*城門


川д川「さ、行きましょうか」

ギギギギー

(;><)「わ、魔族がいっぱいなんです……」

(;‘ω‘ *)「ぽ」

川д川「怖くないわ。ここは中部ですし城下の人はある程度上級魔族が多いですから」

( ><)「じょーきゅーまぞく?」

川д川「教養があるってことね。私やキケイさんは中級魔族。オサムさんは上級魔族ね」

( ><)「魔王さんは?」

川д川「歴代魔王さまは決まって最上級魔族。下級魔族出身でもそういう扱いになるの」

(*‘ω‘ *)「とくべつぽ?」

川ー川「そうね。だから怖がらなくても大丈夫よ。あなた達は魔王さまの御子なんですから」

( ><)「あらためて考えるとすごいんです……」


(*‘ω‘ *)「おうさまの子ども?」

川д川「そうよ」

(*‘ω‘ *)「おひめさま!」

川ー川「そうね、小さなお姫さま。服は今までお兄ちゃんのお下がりばかりだったのかしら」

( ><)「僕が隣のお兄ちゃんからお下がりもらって
      ちんぽっぽちゃんがまたそのお下がりなんです!」

川д川「あらあら……じゃあ可愛い服を買いましょう。このお店ね」

( ><)「わぁ」

(*‘ω‘ *)「きらきらしてるぽー」


*服屋


川д川「こんにちは」

|゚ノ ^∀^)「まあ、魔王城の召使いさん! いらっしゃいませ!」

川д川「この子たちにお洋服を」

( ><)(*‘ω‘ *) ヒョコッ

|゚ノ ^∀^)「アレアレ? 新しい召使いさんですの? お可愛らしいわ!」

川ー川「魔王さまのご子息とご息女ですわ」

|゚ノ;^∀^)「エッ! あ、ご無礼を! そのようなお話を耳にしていませんでしたの!」ペコッ

(;><)「あ、あう……」

川д川「フフ……お洋服をお願いします。あ、この子たちも質素なものをとお言いつけです」

|゚ノ ^∀^)「あらまぁ。当代の魔王さまも質素なお方。今日も白いシャツですの?」

川д川「ええ。それが魔王さまの良いところです。お食事も質素でいらして」

(;><)(十分ごちそうなんです……)


川д川「その分復興の財源に充てていらっしゃいますから、ご立派です」

|゚ノ ^∀^)「そうですわね」

川д川「王子さま、どんな服にいたしましょう?」

( ><)「?」キョロキョロ

(;><)「!? ぼ、僕はビロードなんです! そんなのこわいんです!」

川д川「ではビロードさま」

(;><)「わ、あう、えっと……魔王さんと、おんなじのでいいです!」

川д川「白いシャツですか?」

( ><)「そうなんです……」

( ><)(白いシャツは『しっそ』なんです。きっとお金がかからないんです)


川ー川「ではズボンはきちんと丈夫なものを。お色は?」

( ><)「えっと、これ、は高いんです! じゃ、これ……」

川д川「かしこまりました。……すみません、これとこれと、これも。
     あと子ども用の白いシャツを10枚」

(;><)「あ、それたかいんです! ……それに、10枚も!?」

川д川「換えは多い方がいいですわ」

(*‘ω‘ *)「ぽぽも! しろいしゃつ!」

川д川「お姫さまなんですから、せめてワンピースになさいませ」

(*‘ω‘ *)「ぽ、まっしろ、きれいぽ!」

川д川「あとは、どの色になさいます?」

(*‘ω‘ *)「これぽ!」

川д川「みかん色と桃色ですね」

( ><)「ありがとうなんです!」

川д川「いいえ。あの、ここで着替えていきますわ」

|゚ノ ^∀^)「どうぞこちらへ。お会計はお城の方に出させていただきますね」


( ><)「きれたんです」

川д川「サイズはどうですか?」

( ><)「少しだけ大きいけど、大丈夫なんです!」

(*‘ω‘ *)「っぽ!」

川д川「お似合いです。パジャマも買っておきましたよ。
     いつまでもお城にあった昔の召使いの古着は着せられません」

( ><)「僕たちにはあれでもよかったのに、もうしわけないんです……」

|゚ノ ^∀^)「残ったお洋服はお城にお届けしましょうか?」

川д川「おねがいします」

|゚ノ ^∀^)「それからこれをどうぞ」

川д川「?」


|゚ノ ^∀^)「最上級の生地が入りましたの。仕立ては白いシャツですけれど」

川д川「ありがとうございます。きっとお喜びになります」

|゚ノ ^∀^)「そのシャツでもまだまだ質素すぎるような魔王さまですわ」

川ー川「はい。それでは、ありがとう服屋さん」

( ><)「ありがとうなんです!」

(*‘ω‘ *)「ありがとぽ!」

|゚ノ ^∀^)「またいらしてくださいませ、王子さまにお姫さま」

(;><)「その呼び方はいやなんです!」


*大通り


(*‘ω‘ *)「あしがスースーするぽ!」

( ><)「ちんぽっぽちゃん転んじゃだめなんですよ」

(*‘ω‘ *)「ぽ!」

川д川「お姫さまはもう少し静かに歩かれませ」

(*‘ω‘ *)「ぽー? こうっぽ?」シズシズ

川д川「そうです。魔王さまはお構いしないでしょうが、お行儀は少しずつ覚えましょうね」

( ><)「むつかしいんですか?」

川д川「簡単です。魔王さまご自身がややこしいお行儀を使いませんから」

( ><)「ややこしい?」

川д川「昔は『魔王さまに話しかけるときは国家を歌いきってから』なんてお行儀もあったんですよ」

(*‘ω‘ *)「へんなのだっぽ」

川д川「そうですね」


( ><)「だいぶこんできたんです」

川д川「市場が出たんですね。はぐれないように手をつなぎましょう」

(*ノ‘ω‘ *)ノ「ぽっ!」

( ><)「もうお兄ちゃんなのに……」

川д川「城下の活気はすごいんですから、仕方ありませんわ」

( ><)「いろんなものが売ってるんです」

川д川「今度またお買い物に来ましょうね」

(*‘ω‘ *)「たのしみぽ」

( ><)「僕たちの村で、見たことないものばっかりです」

川д川(人間の村では魔物の肉なんて売ってないですもんね)


( ><)「ふわー」キョロキョロ

(*‘ω‘ *)「すごいぽ! おまつりみたいだっぽ!」キョロキョロ

川д川「あらあら、足元にお気をつけてくださいね」


(=゚д゚)「おい」ニヤニヤ

<゚Д゚=>「へへっ、わかってるって」ニヤニヤ


(*><)「は、はいなんです!」

(*‘ω‘ *)「ぽっぽ〜」

(*‘ω(=゚д゚) ドンッ グシャッ
  _,、
(=゚д゚)「あぁ〜? なんだガキ! おい、お前がぶつかったせいで、見ろよ!」

<゚Д゚=>「うっはーおろしたてのシャツに、偶然持っていた卵が割れちまってぐしょぐしょだぜ!
     ちなみにシャツも卵も最高級品で高そうだな―!」


(=゚д゚)「最高級の生地なんだぜぇー? どうしてくれんだガキ!」

(;‘ω‘ *)「ぽ……ごめんなさ……」
 _,、
<゚Д゚=#>「あ゛!?」

(*;ω; *) ビクッ

川д川「おやめください!」

(=゚д゚)「ほぉ? じゃあかわりにお姉ちゃんが叱られてくれんのか!?」

<゚Д゚=*>「ひゃひゃひゃ! そりゃいいなぁ! クリーニング代払えるか?」

(*=゚д゚)「何なら体で払ってくれてもいいんだぜ!」

川д川「そのような下賤な言葉をよくも口にできますね。
     そちらからぶつかってこられたのでしょう。私はしっかり見ておりました」


<゚Д゚=>「威勢のいい姉ちゃんだなぁ! まあいつまで持つか」

(=゚д゚)「こっちにこいっ!」

川;д川「きゃ……」

(;><)「あ、召使いさん!」

(*;ω; *)「やめてぽ……」


(*=゚д゚)「へっへっへ。せめてクリーニング代くらいは払ってもらわねーとなぁ!」

川д川「あなたがご自分で汚されたのでしょう」

<゚Д゚=>「見たとこ中級魔族だが、俺たちゃ上級魔族のタイガー族だぜぇ?
     かなわないんなら大人しくしてな!」

(*=゚д゚)「まぁまずは脱げや」


川д川「いい加減にしてくださいませ」

<゚Д゚=>「あん?」


(=゚д゚)「おい、中級が何言って」

川゚д川「呪います」

(;= д )「がっ!?」

<゚Д゚=;>「お、おい!?」


川д川「ビロードさま、ぽっぽさま。ご心配おかけしましたね。もう大丈夫」

(;><)「あ、あ、召使いさんうしろ!」

<゚Д゚=#>「トラギコに何しやがったこのアマ!」

川゚д川「呪います」

< Д =;>「ぐぁ!」

(;= д )「く、くる、し……」ゼェゼェ


川ー川「力量差も分からぬ餓鬼に手を上げるのは辛いものです」

川д川「上級魔族でも三流のガキと、中級魔族の鍛錬した古老。
     敵わないのはどちらでしょうね?」

(;><)「こ、ころしちゃったんですか!?」

川д川「いいえ。明日になれば回復する程度の呪いですよ。お気になさらず」

(*;ω; *)「ぽ……ぽっぽがわるいこ……ごめんなさい、ぽ」

川д川「大丈夫ですよ」ギュウ

(*゚うω‘ *)「うぅ」


(;=゚д゚)「ま、まて……てめぇら、」

<゚Д゚=;>「おぼえてやが、れよ!」

(;><)「ひぇっ!」

( ><) キラン

(;=゚д゚)「んっ? まさか、そのペンダント……」


川д川「さあ参りましょう、城下の下賤をお目にかけた失礼をお許しくださいませ。
     普段はこのようなことはまかり通りませんわ」

( ><)「は、はい……おうちに帰るんです……」

(*‘ω‘ *)「ぽぽも!」

川д川「ええ、帰りましょうね」

川ー川「『魔王城』に」


(;=゚д゚)「ま、魔王さまのペンダントだ!」

<゚Д゚=;>「な、ななななっ!? 当代魔王さまは独身のはずじゃ……」

(;=゚д゚)「どういうことだ、ちくしょう! あの女も!」

<゚Д゚=;>「苦しい……た、たすけて」


爪゚ー゚)「見てよーあいつら」
爪゚∀゚)「だっせwwwww」
爪゚A゚)「大道芸?」

(;= д )< Д =;>「「ちっくしょー!」」


*魔王城


(ヽ<◎><○>)φ,,,ガリガリガリガリガリ

( ・∀  ∀・)「「いつにも増してハイペースですね魔王さま」」

(ヽ<◎><○>)φ,「午前の分を早く終わらせて、お昼御飯は子どもたちと食べます」

【+  】ゞ゚)「大変結構ですね」

( <●><●>)「なぜオサムがここに」

【+  】ゞ゚)「魔王さまが処理なさっているのは私が昨日仕上げた書類ですから。
       今日は休暇をいただいております」

( <●><●>)「休めるときに精々休んでおくがいいでしょう」

【+  】ゞ゚)「魔王っぽい言い回しですね」

( <●><●>)φ,,,「ふん。これからは前よりもっと手早く処理してやるんですから」カリカリ

【+  】ゞ゚)(養子をとったのは、ひょっとすると魔王さまにとっても良いことかもしれないな)


川д川「魔王さま、ただいま戻りました」

( <●><●>)「おや、おかえりなさい」

( ><)「魔王さん! お洋服買ってもらったんです!」

(*‘ω‘ *)「ぽぽも!」

( <●><●>)「いいですね」

(*><)「ありがとうなんです!」

(*‘ω‘ *)「ありがとぽー」

( <●><●>)「どういたしまして。お礼が言える子どもはよいこですね」

(*‘ω‘ *)「ぽぽも! ぽぽもいいこ!」

( <●><●>)φ,,,「……っと終わり! 午前中はもう仕事しません! しないったら、しない!」ガリガリガリッ

( ・∀  ∀・)「「魔王さま第二形態って感じですねぇ」」


( <●><●>)「やる気に満ち溢れています。この子たちにも勉強をさせなければいけませんし」

( ><)「べんきょう?」

( <●><●>)「学校に通っていませんでしたか?」

(*‘ω‘ *)「がっこーないぽ」

( <●><●>)「え?」

( ><)「中部にしか、学び舎はないんです! お金持ちのキゾクのいくところなんです!」

( <●><●>)「……今日は天気がいいですから、中庭で本を読んであげましょうね」

(*‘ω‘ *)「ぽ? おはなししてくれるぽ!?」

( <●><●>)「ええ。中庭もまわりましょう」


( ・∀  ∀・)「「中庭には昨日僕が植物族のマンドラゴラたちを植え替えたので
          引っこ抜かないようにしてくださいね」」

(*‘ω‘ *)「?」ゴソゴソ

(*‘ω‘ *)ノ ( ∵)「これっぽ?」ゴェエエエエエエエ

(;・∀  ∀・)「「うおおお嬢さまぁあああ!?」」

(*‘ω‘ *)「ぽ……ごめんなさいぽ?」

( <●><●>)「何で引っこ抜いたんですか?」

(*‘ω‘ *)「ぽっぽのごはん!」

( <●><●>)「……ちゃんと1日3回食べられます」

(;‘ω‘ *)「ぽ!?」

( <●><●>)「ちょっと待って。ポケットの中身全部出してごらんなさい」

(*‘ω‘ *)「ぽっぽ」


( <●><●>)「マンドラゴラが2人。昨日のオムライスの旗。朝食のパンの欠片。
        薬草。なんかちょっと綺麗な石。人食い花の根っこ。あと砂」

(*‘ω‘ *)「たからものっぽ!」

( <●><●>)「……宝箱をあげましょう。倉庫に大量に余っていますから」

(*‘ω‘ *)「ぽ!」

( <●><●>)「そこにしまっておきましょう。なくさないように」

(*^ω^ *)「ぽっぽ!」

( <●><●>)「でも朝食のパンは捨てます」

(;‘ω‘ *)「なんでだっぽ!」

( <●><●>)「それにしても……」

( ∵)( ∴) ゴェゴェ

( <●><●>)「よくマンドラゴラを引っこ抜いて、無事で」

(*‘ω‘ *)「ぽ?」


( ・∀  ∀・)「「上級魔族の才能あったりして」」

( <●><●>)「こらキケイ」

( ・∀  ∀・)「「やだな、ジョークですよ。キケイジョーク」」

( <●><●>)「まったく……あなた達は中庭にもどりますか?」

( ∵)゛( ∴)゛ コクコク

( <●><●>)「一緒に行きましょう」

川д川「あ、魔王さま! お昼はどうなさいますか?」

( <●><●>)「ええと、食堂で摂りますから、何か軽いものを」

川*д川「は、はい!」


*中庭


( <●><●>)「……どんどん歩いて行くと地獄犬に出あいました」

( <●><●>)『へっへっへ、食いモンにさえありつけるなら、どんなサタンも噛みちぎってやるぜ』

( ><)「こわいんです」

( <●><●>)「……しばらく行くとロプロスに出あいました」

( <●><●>)『ギャッギャッギャ、俺様は血さえ啜れりゃあいいのさ。サタン島まで連れてきな』

( ><)「こっちもこわいんです」

( <●><●>)「何ですかこの本は」

(*-ω- *) クークー

( ∵)( ∴) ゴエゴェ?

( <●><●>)「絵本はだめですね。せめて古代史や神話にしましょう」

( ><)「しんわ?」

( <●><●>)「昔々、あるところに1人の勇者がおりました」


( ><)「勇者の話なら知ってるんです!」

( <●><●>)「彼は1人で魔族の国にやってきたのです。
        沢山の魔族を殺して、どうにか魔王城までやってきました」

( ><)「『とうばつ』なんです」

( <●><●>)「……そして、ぼろぼろになりながら魔王を暗殺しました」

( ><)「『めでたしめでたし』」

( <●><●>)「そうはいきません」

( ><)「えっ?」

( <●><●>)「勇者は瀕死で人間の国に帰ろうとしました。
        しかし、魔王城を一歩でると、そこには怒り狂った魔王軍の精鋭たちが」

(;><)「ひぃっ!」

( <●><●>)「勇者は必死でした。沢山殺しました。魔族の剣と魔法で沢山魔族が死にました」


( <●><●>)「そして勇者は死にました」

( ><)「えっ、お城に戻ってお姫さまとけっこんするんじゃ……」

( <●><●>)「それはおとぎ話です。普通、魔族は人間の肉を食べません。
        しかし、魔王を殺された魔族は怒っていたので
        勇者の体を噛みちぎり、喰らってしまいました」

(;><)「うわ、うわあああ!」

( <●><●>)「勇者は欠片も残らず、血の染みだけ残して消え去りました。
        魔族の怒りは収まりません。とうとう魔族同士で戦い始めました」

(;><)「どうしてですか! 仲間なんでしょ!?」

( <●><●>)「もう目の前のすべてが敵に見えてしまったんでしょう。
        魔王城の周りは魔族の死体でいっぱいになりました」

( ><)「……かなしいんです」

( <●><●>)「ある日、新しい魔王がやってきました」

( ><)「前の魔王さんの子どもですか?」

( <●><●>)「いいえ。魔王は突然決まるものなのです。そのとき一番強いものが魔王になるのです」


( <●><●>)「前の魔王は仕事をしないで、あっちに行っては戦争して土地をとりあげ。
        こっちに行っては人間を殺して脅かす魔王でした。
        ついでに言うと一度も机に座りませんでした」

( ><)「ふまじめなんです」

( <●><●>)「でしょう! 私もそう思います!」

( ><)「魔王さんは机に座ってばっかりなんです」

( <●><●>)「……まあ、それで。新しい魔王は人間の国と仲直りしようとしているのです。
        昔奪った土地を返しますよ。許してね、というのですが、これには魔族が反対します」

( ><)「なんでですか? 仲がいい方がいいんです。戦争しなくてすむんです」

( <●><●>)「ビロード。あたなはなかなか見込みがあります」

( ><)「その魔族をこらしめて、魔王さんが人間にとちを返すほうがいいんです!」

( <●><●>)「ふむ」


( <●><●>)「では、たとえ話をしましょうか」

( ><)「?」

( <●><●>)「私が厨房から貞子の分のクッキーを盗んできたとします」

(;><)「だめなんです!」

( <●><●>)「ビロード、あなたに半分あげましょう」

(*><)「えっ」

( <●><●>)「しかし、貞子に見つかってしまいました」

(;><)「あわわ、怒られちゃうんです!」

( <●><●>)「私は貞子にこう言います」

( <●><●>)『ビロードにあげた分のクッキーは返します。だから許してください』

(;><)「そんなぁ! 自分でくれたくせに、許してほしいからって僕からとりあげるんですか?」

( <●><●>)「そういうことです」

( ><)「あっ」


( <●><●>)「……まあ、こんなのは本に載っている神話でも、なんでもないのですがね。
        対外交渉は難しいのです」

( ><)「よくわかんないんです……でもほんのちょっぴりわかったんです」

( <●><●>)「だんだん分かるようになりますよ」ナデナデ

( ><)「うう……僕もうお兄ちゃんなんです!」

( <●><●>)「これは失礼」

(*うω‘ *)「んー、おなかすいたぽ……」

川д川「魔王さまー、お昼御飯ができましたー!」

( <●><●>)「ちょうどお昼ですね」

( ><)「僕もお腹すいたんです!」

( <●><●>)「私も空きました」


*食堂


( ><) ガツガツ

(*‘ω‘ *) ムシャムシャ

川;д川「スプーンは音をたてないように、もっとゆっくり食べましょう。誰もとりませんから」

( ><)「こう、なんです?」パク

川д川「お上手です」

(*‘ω‘ *)「ぽ!」モグモグ

川д川「難しくないでしょう?」

( <●><●>)「だんだん覚えますよ」モクモク

川д川「ああ……魔王さまが食堂でお昼ご飯を食べていらっしゃるなんて、いつぶりでしょう」


(;<●><●>)「そんな大げさな」

川ー川「だって、嬉しいのです」

( <●><●>)「……午後は子どもたちに西塔の掃除を手伝わせてください」

川д川「あら、そんなことはさせられませんわ!」

( <●><●>)「いいえ。簡単なことでも手伝わせてください。
        甘やかすのと可愛がるのは違いますから」

( ><)「僕、ぞうきんかけるの、上手なんです!」

(*‘ω‘ *)「ぽぽはね、まどのさんをふくの、じょーずだっぽ!」

川д川「……それでは。お願いいたしますわ」

( <●><●>)「一生懸命手伝いなさい。晩餐が美味しくなりますよ」

( ><)「はーい、なんです!」


*人間の国、神王城


( ・∀・)「陛下、お呼びでしょうか」

(`・ω・´)「うむ。近況を尋ねたくてな」

( ・∀・)「神王軍は滞りなく、今日も鍛錬に励んでおります。
      今年の小麦の徴収も、東の干ばつを除けばまずまずかと……」

(`・ω・´)「そのようなことどうでもよいわ。どうなのだ。例の件は」

( ・∀・)「は。神王軍の駐屯地のある村々から募って、有望な若者を訓練しております」

(`・ω・´)「まだ適性は出ぬのか……」

( ・∀・)「……現段階でも、飛びぬけて素晴らしい功績をあげる若者が1人」

(`・ω・´)「ほう」


( ・∀・)「早ければ、来年……いえ、十月後には」

(`・ω・´)「半年だ」

( ・∀・)「……はっ」

(`・ω・´)「野蛮な魔族の王が、数十年もこらえきれるものか。
       今は友好的なふりをしているが、腹の底では何を考えているのやら」

( ・∀・)「おっしゃる通りで」

(`・ω・´)「先代の魔王よりも気味が悪い。
      しかし、強い魔王を殺せば、また次に強いものが王となる」

(`・ω・´)「繰り返して行けばどんどん魔王の力をそげるに違いないわ」

( ・∀・)「は……」

(`・ω・´)「早く魔王を殺すのだ! その若者を、勇者を魔族の国へ送りこめ!」


 ( <●><●>)魔王さまが養子をとるようです 2話 おわり
 


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