ミ,,゚Д゚彡「やいやいやい! ようやっと見付けたぞマッドボマー!」

ξ゚听)ξ「……は?」

( ^ω^)「……は?」


ミ;,,゚Д゚彡「え、いや、その……あ、俺マフィアやってるんですけど……」

ξ゚听)ξ「で?」

( ^ω^)「だから?」


ミ,,;Д;彡「う、うう…怖い……流石凶悪犯罪者だ……」


その日、僕らの前に現れたのはえらく気弱なマフィアさんだった。

僕がちょっとばかし調子に乗って睨みつければ、涙がぽろりぽろりと流れ落ちる。
やぁやぁなるほど、世の中の不良が弱者を甚振るとは、こういう気分なのか、確かに良いものだ。

だが、僕は生憎、そこまで性根が腐っている訳でもない。
先日のFOX連中に貰った恐怖を、こんな形で消化したかっただけだった。

今度は一転、脅えるマフィアに向かって優しく語りかける。





( ^ω^)「……で、君は一体?」

ミ,,゚Д゚彡「あ、俺はフッサール=ストーンナビットっていうんですけど……。
      その、マッドボマーさんの、あのですね、えーっと……」

( ^ω^)「何だお?」

ミ;,,゚Д゚彡「わああああ! マッドボマーの命を貰いに来たって言ってンだ、こんちきしょー!!」


ふむふむ、そう言う事か。
この男はどうやら、下っ端中の下っ端、所謂雑魚というやつらしい。

僕に突き付けられている拳銃は、しっかりセーフティが外れていなかった。


ξ゚听)ξ「待ってください、何でマフィアがマッドボマーの命を狙ってるんですか?」

ミ;,,゚Д゚彡「し、しらばっくれるなよ! アニムルさんの家を爆破しておいて!」

( ^ω^)「覚えはあるかお?」

ξ゚听)ξ「さぁ?」

ミ;,,゚Д゚彡「く、この……あくまで白を切るつもりなのか……それなら……」

フッサールは、拳銃を懐に仕舞い直した。

……え、何で?




ミ#,,゚Д゚彡「このフッサール=ストーンナビットが!!
       直接、お前らの体に話を聞いてやるんだぜ!!」

そう言いながら、勢いよく飛びかかってきたのだ!


ところで、ツンは現金調達の為、爆弾の販売を行っているらしい。
仕入れ屋の、仕入れ屋の、それまた仕入れ屋の裏ルートを通る為、身元は割れないなのだと。

ツンの爆弾は高性能(主に威力が)である為、中々の価格で取引されているらしい。
彼女が大食らい、無計画ながら、これまで生きてこれたのはその収入があったからだ。
そして自由な金が手に入れば新型の爆弾を開発し、またそれを売るの繰り返しなので、金には困らないと言っていた。

ならば、何故この前僕に奢らせたのかと小一時間……



ミ#),,;Д;彡「う、うぐぅ……もうしません……」

ξ゚听)ξ「私とタイマンしようだなんて、百万年早いです」


と言っている内に、喧嘩は終わったらしい。





ミ,,;Д;彡「ひ、卑怯だぞマッドボマー……女を盾にするだなんて……」

( ^ω^)「盾にボコボコにされてる癖に、何を言うんだお」

ξ゚听)ξ「でも、この人、私に手を出そうとはしませんでしたよ。
   随分なフェミニストのようで……まぁ悪い人ではないんじゃないかと」

ミ*,,゚Д゚彡「だろだろ! 俺って意外といかしてちゃったりするだろ??
       惚れちゃダメだぜ、何て言ったって、俺には美人の彼女がいるからね!」


( ^ω^)「……とりあえず、僕も一発殴って良いかお?」

ξ゚听)ξ「うーん、私は止めません」

ゴチと頭に拳骨を食らわすと、またも大粒の涙を零し始める。
確かに悪い奴には見えない、というか色々通り越してこいつはガキなんじゃないだろうか。



ξ゚听)ξ「でも、アニムルって、もしかしてユストピー兄弟の片割れですか?」

ミ,,゚Д゚彡「おう! アニムルさんは最高の漢だぜ!
      この前もブルーチーム恒例サウナ大会で、連覇を成し遂げたからな!」

なんだその良く分からない称号。
というか、マフィアがサウナ大会を恒例って。





ξ゚听)ξ「……ブーン、まずいですよ、ユストピー兄弟は厄介です」

( ^ω^)「有名な人かお?」

ξ゚听)ξ「VIP限定でいえば、マッドボマーやマスとも並ぶ知名度があります。
      性格は普段は温厚、切れるととんでもない奴だって聞きました。
      なんでも、兄弟二人だけで、他の組を一つぶっ潰したとかしてないとか……」

(;^ω^)「……え、それってかなりヤバくないかお」

ξ゚听)ξ「そうですね、しかもあいつ等はアーラシファミリーの幹部ですからね。
      こいつみたいな下っ端が、今後私たちの命を狙ってくるかも知れません」


ミ,,゚Д゚彡「俺も命を狙いにきたんだぜ!」

( ^ω^)「ちょっと真剣な話をしてるから、黙っててくれお」

ミ,,゚Д゚彡「おう!」


あら、凄く元気なお返事。
いやいや、果たして君はいいのかそれで。





ξ゚听)ξ「という訳で、私は別にそんなの殺せばいいとは思うんですけど、
      ちまちま来る奴らを一匹ずつ殺すのは面倒臭いし、火薬の無駄遣いにもなるんで嫌なんですよ」

( ^ω^)「うん……で、じゃあどうするお?」

ξ*゚听)ξ「とーっても、とーっても良い考えが、私にはあるんですよねー」

頬を赤らめ、無邪気な笑顔を見せる彼女のそれを僕は何度か見たことがある。
しかし、僕はその度に悲惨な目にあってきた、だから、きっと、今度も。


(;^ω^)「い、いや、もうちょっとよく話し合ってから……」

ξ゚听)ξ「フッサール、私達は大事な大事ーなお話があるから、ここで待っててくれますか?」

ミ,,゚Д゚彡「分かった! 任せろ!」


だから、その元気一杯といった返事を止めろ。
等といった考えも、必死の抵抗も空しく、公衆トイレへと連行される僕。

正直言って、嫌な予感しかしなかった。




窓を、窓を叩く音がするんだ。

ばんばん、ばんばん。

小さな子どもの手が、何度も何度も窓を叩いて、手跡を残していく。

五月蠅い、五月蠅いから止めてくれ。
眠れないじゃないか、僕も、僕の隣で寝てるこの子も。

僕にだって、これがあまり良くない事だってことくらい、分かってるんだ。
でも、この子には僕がいないといけないし、僕が守らなくちゃいけないんだ。

もう、寝さしてくれ。

僕らに安らかな眠りを与えてほしいんだ。



だけど、それでも窓を叩く音は止まなかった。

ばんばん、ばんばん。

だから、僕はカーテンを閉じて、暗闇の中、二人抱き合って眠りについたんだ。




('A`)「……夢か」

この夢を見るのも、もう何度目なのか分からない。
よく寝付けない夜には、必ずといってこの夢を見てきたのだから。


ノハー凵[)「むにゃむにゃ……もう食べられないよお兄ちゃん……」


ヒートは俺の隣で寝言を呟いていた。
定型文のような寝言に、思わず含み笑いをこぼす。

しかし、家族の名を呼ぶのは、やはり故郷が恋しいからなのだろうか。
もうずっとあそこには戻っていない。 もう二度と戻れないのかもしれない。

それがヒートにとって良い事なのかは分からない。


が、俺はそうであると信じて……いや、願っていた。


('A`)「こいしょっと」

ベッドから降りて、水を汲みに行こうとする。
安宿のベッドは、僅かな動作をみせるだけで、軋んで音を鳴らした。





ノパ听)「ん……ドックン? どうしたの?」

('A`)「悪い起こしたか、何でもないんだ、ちょっと喉が渇いただけ」

ノパ听)「そっかー、早く戻ってきてね!」

('A`)「おう、愛してんぜ、ヒート!」

ノパ听)「私も!!」


ヒートは、流しに行くだけの俺に向かって、ぶんぶんと手を振っていた。
寝起きっから元気な奴だ。 それがヒートの取り柄でもあるのだが。

明日は、どこに行こうか。
とりあえず歩き回るのも良いが、たまには何か目的でも持ってみようか。


('A`)「……何て、ヒートがいれば良いし、考えるだけ無駄か」


水を口に流し込み、同時に無駄な思考は空虚へと飲み込まれていった。




\(^o^)/「おやおや、フッサール、お帰りなさい」

ミ,,゚Д゚彡「うん……ただいま……」

\(^o^)/「どうしたのです? 元気がありませんよ? 顔も怪我されてるみたいですし……」

ミ,,゚Д゚彡「そんな事言ったらオワタ、君の方がよっぽど重症だよ」

オワタの体中は包帯だらけだった。
流石、年中重症、超悪運のオワタ=オワタッタなだけはある。
この人といると運を吸い取られるから近付くなとかいうけど……今は話を聞いてくれるなら誰でも良かった。


\(^o^)/「先日、マッドボマーに返り討ちにあったんですよ。
     そしたら、何故か変な大男が私に踵落としを食らわせましてね……。
     何だこの野郎としがみついたら、プレスの様な足で踏んでくるし、いやぁはは、骨がボッキボキです」

ミ;,,゚Д゚彡「わ、笑い事じゃないんじゃないかな……あ、それよりちょっとこれ良いかな?」

\(^o^)/「何ですか、これは?」

ミ,,゚Д゚彡「うん……とりあえず、開けてみてくれよ」





\(^o^)/「どれどれ……」

オワタに開けさせるように頼んだのは、かなり大きめな袋だ。
ここまでカートに乗せて運んできたそれは、人一人は入りそうな大きさである。


\(;^o^)/「こ、これは……!!」



そして、その中身といえば、





      ( ^ω^) デデーン!!





文字通り、大の男が一人、入っているのであった。





\(;^o^)/「こ、コイツは間違いなくマッドボマー……!
      何があったんですかフッサールさん、これは大手柄ですよ!」

ミ,,゚Д゚彡「……そうかな、やっぱり凄いかな」

\(;^o^)/「当たり前ですよ! アニムルさんも血反吐を吐いて喜びますよ!!」


ミ*,,゚Д゚彡「そ、そうか!! やっぱり俺って凄い奴だったんだな!!」

\(*^o^)/「ええ、貴方はもうヤバイです!! 私の骨も、もう三本くらい折れてしまいそうです!!」

血反吐とか、骨が折れたりとかはよく意味がわかんないけど、まぁいいか。
とにかく俺ってやっぱり凄い奴だったみたい!! うっひょー!!


ミ*,,゚Д゚彡「じゃあ、さっそくアジトにこれを持っていこう!!」

\(*^o^)/「ええ!! そりゃもう陽気に行っちゃいましょう!!」


ミ*,,゚Д゚彡 デデデデーン!! 俺って〜ば〜サイコーね〜♪

\(*^o^)/ YES!! フッサール イズ グレイトボーイ!!


俺とオワタは歌いながら!
袋詰めマッドボマーを、カートでアジトに運んだのだ!





ミ*,,゚Д゚彡「みんな―! フッサールのお帰りだぞー!!」

\(*^o^)/「フッサール様のお帰りですってよー!?」

勢いよく、ばーんと扉を開いた先で
デミタスがぱーんっていう音を響かせてビンタを食らわしてきた。


ミ,,;Д;彡「な、何でいきなりぶつのさ……」

(´・_ゝ・`)「……いや何か、お前みたいな奴の為に悩んでたのがむかついて」

ミ,,;Д;彡「意味が分かんないよ……」

(;´・_ゝ・`)「と、とにかく五月蠅いから黙れってこと……ん、あれは何だ?」

デミタスが指さした先には、例の袋があった。
そうそう、これさえ見せればデミタスも俺の事を認めざるを得ないって!


ミ*,,゚Д゚彡「ふっふっふっ……」

\(*^o^)/「ふっふっふっ……」

(;´・_ゝ・`)「何だ気持ち悪い……ていうかオワタはそんなキャラじゃねぇだろ……」




ミ*,,゚Д゚彡「ジャッジャジャーン!! こいつを見るがいい!!」

\(*^o^)/「見ちゃってくれちゃえば良いんじゃないですか!?」

袋の紐を解くと、


     ( >ω<)


今度は光を眩しそうにしているマッドボマーの姿が!!



(;´・_ゝ・`)「な、何でお前がこれを……っていうか一体……」

ミ*,,゚Д゚彡「ふっふっふっ……大手柄だろ……褒めてもいいんだぜ?」

(;´・_ゝ・`)「し、しかしだな……」

ミ,,゚Д゚彡「なんだよー、やっとデミタスに褒めてもらえると思ったのにー」

いや、これはひょっとして嫉妬って奴か!?
最近の俺の躍進っぷりに、デミタスも堪らずくやしー!…ってか!!





ミ,,*ーДー彡「うひひ……ふひ、ぐふっ」

(´・_ゝ・`)「フッサール、おい、フッサール!」


ミ;,,゚Д゚彡「はっ! な、なんだよ、サインならペンを持ってきな!」

(´・_ゝ・`)「違う、俺はちょっと大事な用が出来たから、ちょっと行ってくる。
        ……それまで、こいつをしっかり見張っておくんだぞ」

ミ,,゚Д゚彡「おー? よく分かんないけど分かったぜ!」

デミタスはそう言い残して、駆け足で去って行った。
あの急ぎっぷりから察するに……そうか、あいつもデートの約束があったんだな。


ミ,,゚Д゚彡「お前の恋路が、『俺の様に』うまく行くことを祈っておくぜ……」

\(^o^)/「おわー、フッサールさん?」

ミ,,゚Д゚彡「ん、何だい?」

\(^o^)/「どうやら皆さん気になってるようなので、マッドボマーに話を聞きませんか?」

いつの間にか、俺の周りを取り囲むかのようにブルーのメンバーが集結していた。
その目は普段の小馬鹿にしている目ではなく、ちゃんと、俺を認めてくれた目をしていた。

……やばい、ちょっと泣きそう。 でも我慢、男の子だから。





ミ,,゚Д゚彡「よし……じゃあ、行くんだぜ」

マッドボマーの口に張ってあるガムテープを剥がす。
ようやく言葉を利けるようになったマッドボマーは最初に発したものとは、

( ^ω^)「……げぶぅ」

ゲップだった。
溜まってたのかな、やっぱり、そういうもんなのかな。


ミ,,゚Д゚彡「えーと、じゃあマッドボマー、尋問を開始するんだぜ」

( ^ω^)「おっ、何でも聞いてくれると良いお」

ミ,,゚Д゚彡「じゃあまず、何であの女と仲間割れしたのか聞かせてくれよ」

( ^ω^)「知らねーお、いきなりアイツは僕を縛って袋に詰めたんだお……。
       それで目が覚めたらあんなとこや、こんなとこで……あの女は頭がいかれてるんだお」

確かに、女の癖にあの凶暴性はちょっぴり頂けないものがある。
殴られた時に、少しちびりそうになったのは内緒の内緒。





\(^o^)/「……フッサールさんが、捕まえたんじゃないんですか?」

ミ,,゚Д゚彡「いや、俺はくれるっていうから、貰っただけ」

\(;^o^)/「は、はぁ……?」

ミ,,゚Д゚彡「あ、そうだマッドボマー、何でアニムルさんの家を爆破したんだ?」

( ^ω^)「へっ、この街一番の悪党に天誅を与えてやろうと思ったんだお」

流石アニムルさん、2ch国規模の凶悪犯、マッドボマーの恨みを買うだなんて!
あの人についていけば、俺もBIGな男になれるはず、間違いない!

そしてその暁には、マリアンヌとめでたく……!!


( ^ω^)「おい」

ミ;,,゚Д゚彡「へっ!? 何だよ、別にこれはよまい言って訳じゃあないんだぜ!
       この前も誓いの言葉の練習を二人でしたし!」

( ^ω^)「……何言ってるのか全く分かんないけど、聞きたいことがあるんだお」

ミ,,゚Д゚彡「聞きたいこと?」




( ^ω^)「アニムルは……ここにはいないのかお?」

ミ,,゚Д゚彡「いないの?」

\(^o^)/「ええ、今はイエローの方の会議に参加中だとか……」

( ^ω^)「ふーん、ここにいるメンバーは何人くらいだお?」

ミ,,゚Д゚彡「何人なの?」

\(^o^)/「恐らく40人程だと思います」

( ^ω^)「40人……それならまぁ、うん、犠牲も無駄じゃないかお……」

一体、この男は何を言っているのだろうか。
もしかして『すーがく』か!? あれは俺分かんないんだよなぁ……。


( ^ω^)「よし、じゃあ皆さんに大事なお話がありますお!」

ミ,,゚Д゚彡「ほほう? 苦しゅうない、話してみぃ!」

\(^o^)/「話してみぃ!」





( ^ω^)「僕のお腹の中には、爆弾が入ってるお」


ミ,,゚Д゚彡

\(^o^)/

ミ,,゚Д゚彡

\(^o^)/

ミ,,゚Д゚彡

\(^o^)/


ミ;,,゚Д゚彡「……えっ?」

\(;^o^)/「……えっ?」


( ^ω^)「人間爆弾大作戦らしいお、歴史的な事例を出すならトロイの木馬的な。
       身近な物で例えるならゴキブリのホウ酸団子ってところかお。
       正直この作戦は納得いかなかったけど、ここまでうまくいったから、まぁ良しってことにするお」





マッドボマーの話に全員が呑まれていた。
願わくば、それが嘘であるという事を信じて聞き入っていたのだ。

( ^ω^)「聞いたところによると、威力は建物一戸を軽く吹っ飛ばすらしいお。
       まぁ、僕のお腹がぱんぱんだから、それは多分、本当っぽいお」

あ、なるほど、だからゲップしたのね!
……って、妙な所で納得している場合じゃないって。


ミ,,゚Д゚彡「それで、その、乱暴に扱わなければ爆発はしない……?」

( ^ω^)「残念ながら時限式ですおー! あばばばばばばば!!」

ミ;,,゚Д゚彡「………タイムリミットは?」

( ^ω^)「残り……えーと、あ、もう15秒ってとこだお!」


その言葉を聞いて、俺らの心が爆発した!





どどどどどどどどどどどど!

物凄い勢いで皆は逃げていった!

扉の所で人が詰まって抜け出せなくなってるくらいだもの。
ここは5階だっていうのに、窓から飛び降りる人がいるくらいだもの。

いやー、もう、ね、でも俺ってば足が震えて動けないでやんの。

\(^o^)/「13、12、11……ふふふ、オワタオワタ」

ミ;,,゚Д゚彡「俺、死ぬのか? え、それって、マジぱねぇっすよ!」


( ^ω^)「あーあ、どいつもこいつも……冷静でいるのが一番だお」

何でこの男は死ぬ直前だっていうのに、こんなに落ち着いてるの!?
奥様方のお茶会だって、もうちょっと殺伐としてるよ。


( ^ω^)「そういえば、僕がさっき言ったこと全部嘘だから、君たち本当に無駄骨だお。
       アニムルの家壊したとか知らないし、僕とツンは割と仲良くやってると思うお」

ミ;,,゚Д゚彡「止めてよ……これ以上絶望に叩き落とすようなこと言わないでよ……。
       アンタ、相当趣味悪いよ……」





\(^o^)/「7、6、5……あっはっはっ、オワタオワタ」


オワタが正確にカウントダウンを刻んでたけど、
何故か俺の世界は非常にゆっくりで、一秒が何十秒にも感じた。

あ、ていうか、これって余計に死亡寸前って感じじゃね?


ミ,,;Д;彡「うう……嫌だなぁ……死にたくないなぁ……」

( ^ω^)「いやぁ、僕も体の中で爆発するのは初めてだからちょっぴり緊張だお……」

ミ,,;Д;彡「当たり前だよ……何回も爆死してる人なんている訳ないじゃないか……」

( ^ω^)「それがそうでも……まぁいいか、あ、訂正だけど、さっき一個だけ本当の事言ってたお」

ミ,,;Д;彡「……え?」



\(^o^)/「いーひっひっひっ……人  生  オワター !!」







「ツンの頭が『いかれてる』ってのは、マジだお」



そんな言葉が俺の人生を締めくくりました。



あぁ、マリアンヌ、ごめんなさい。



結婚の約束までしたのに、俺、死んじゃいます。



でも、俺はやっぱり、
           
              

ミ,,;Д;彡「君を、愛して―――」





ξ゚听)ξ「で、今回のお目覚めの気分はいかがです?」

( ^ω^)「……何か死ぬ直前、凄く太った気分だったお」

ξ゚听)ξ「ほう、それはまた興味深い意見ですね」

僕が目覚めを迎えてくれたのは、やはりツンだった。
白、黒、ツンという景色の並びは、もう慣れてしまったものだった。


( ^ω^)「また随分と凄い威力だったようで」

ξ゚听)ξ「みたいですね、私もちょっぴりやりすぎたかなぁと思います」

( ^ω^)「嘘つけ」

ξ*゚听)ξ「あ、やっぱり分かっちゃいます?」

僕らの視線には倒壊したビルと、瓦礫と、埋もれる人々と。
所々が赤く染まったコンクリは生々しくもあり、リアルだなぁと思ったり。

この惨状を引き起こしたのが僕たちであることを、誰が知る由があろうか。
もし知っているとしても、その人たちは死んでいるのだから……うん、南無南無。





ξ゚听)ξ「ま、これでとりあえず雑魚は寄ってこないでしょう」

( ^ω^)「それが、まだユストピー兄弟は生き残ってるらしいお。
       あと、マフィアも……多分、同じ数だとしたら40人くらい残ってるとか」

ξ゚听)ξ「うわぁ面倒……でも、こんだけやれば、そう簡単に手出し出来ないと思います」

( ^ω^)「まぁ確かに……」


ξ*゚听)ξ「いざとなったら、もう一回ブーン爆弾起動ですよ!」

(;^ω^)「誰がやるか、ていうかそのダサい名前は勘弁しろだお」


とにもかくにも、僕たちの完全勝利は間違いないだろう。
あの時、作戦を提案された時はツンを本気で絞め殺そうかと迷ったが……思い留まって良かった。

フッサールとかいう男にはちょっと申し訳なかった気もするけど、現実は厳しいってことで。


崩れ落ちたマフィアのアジトに一度だけ振り返り、改めて達成感を得た後、面倒になる前に僕等は逃げ出した。





ブーン=マクスレイとツン=デレイド=クヴァニルが、
マフィアのアジト址から立ち去った後、一人の女性がその場に訪れた。

彼女は建物が修復不可能であること、
多くの死者が出たことを確認すると、こう呟いた。


「こんなこともあろうかと、君の爪を保管しておいて良かった」


女は小箱から取り出した人の爪と思わしき物体に口付けを施す。
優しい口付け、愛しい恋人にするかのように、甘く。

程無くして、変化が訪れる。

爪から肉が溢れ出す。ごぽごぽと音をたて血が湧きでる。
筋肉繊維が束になり、塊となった肉塊は更に大きさを増し、皮膚が形成され、数秒の後には完全な右手が再生する。


変化は終わらない。


断面から飛び出す肉、網目状に延びる血管、流れ始める血液。
バラバラになる訳でもなく、人体の形を保ちながらそれらは増殖し続ける。
臓器や骨といった内部が完成された後、皮膚や体毛などの外部が創られた。

そうして、そこに一人の人間が誕生、いや、生き返った。





川 ゚ -゚)「大丈夫かい、フッサール」


ミ,,゚Д゚彡「マリアンヌ……? どうして君がここに……?
      いや、そもそも俺は死んだはずじゃなかったのか……?」


川 ゚ -゚)「ふふ、君は何も知らなくて良いんだよ、ただ私を愛してさえいてくれればそれだけで……」




瓦礫の山の上で、マリアンヌ=クークルゥは微笑んだ。


そして、フッサール=ストーンナビットを優しく、静かに抱きしめた。


愛していると、互いに囁き合いながら。















   第六話「マリアンヌは一人の男を愛し続け、恋人にのみ、その名を呼ばせる」







―――The story might continue






フッサール=ストーンナビットはマリアンヌ=クークルゥの体の柔らかさに恍惚とする。
ツン=デレイド=クヴァニルはブーン=マストレイの腹を裂き、爆弾を詰め込み、口付けを交わす。
オワタ=オワタッタの人生は華々しく終焉を迎えた。


お疲れ様です。
ありがとうございます。
フッサールは
いじるのがとても楽しいです。
名前は某作品影響。
今日は終わりです。
それでは。
また。



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